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特開2017-80805超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80805(P2017-80805A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボット
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/05 20060101AFI20170414BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20170414BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20170414BHJP
   B30B 13/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   B21D43/05 U
   B25J9/06 E
   B21D43/00 P
   B30B13/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-207648(P2016-207648)
(22)【出願日】2016年10月24日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0149040
(32)【優先日】2015年10月26日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516319049
【氏名又は名称】ロファ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LOFA CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 秉 國
【テーマコード(参考)】
3C707
4E090
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707BS23
3C707CT01
3C707CT02
3C707CT04
3C707FS01
4E090AA01
4E090AB01
4E090EB05
4E090FA02
4E090FA05
4E090FA09
4E090HA01
(57)【要約】
【課題】 移送ロボットを構成するアームの駆動時に一箇所にだけ集中的に荷重がかかることを防止することができるので、維持補修の必要性の少ない特徴がある、プレスラインの各プレスの間でワークピースを運搬する役割をする移送ロボットを開示する。
【解決手段】 前記移送ロボットは、長さ方向がワークピースの移送方向と垂直に形成される水平な板形の中心板材、前記中心板材の長さ方向の両端部にそれぞれヒンジ結合されて、中心板材と平行な面上で相互回転する多数のアームで構成される一対のアームユニット、両端部に前記一対のアームユニットの各末端部が結合するワークピース結合台、及び前記中心板材を上下に移動させる上下移動手段を含み;前記アームユニットのそれぞれは、中心板材に結合して第1モーターによって回転する第1アームと前記第1アームの末端に結合して第1アームが回転することによって回転する第2アームから構成され;前記中心板材は上下移動手段を基準としてワークピースの移送方向にスライディングされる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスラインの一つのプレスから他のプレスにワークピースを移送する移送ロボットにおいて、
長さ方向がワークピースの移送方向と垂直に形成される水平な板形の中心板材、前記中心板材の長さ方向の両端部にそれぞれヒンジ結合されて、中心板材と平行な面上で相互回転する複數 のアームで構成される一対のアームユニット、両端部に前記一対のアームユニットの各末端部が結合するワークピース結合台、及び前記中心板材を上下に移動させる上下移動手段を含み;
前記アームユニットのそれぞれは、中心板材に結合して第1モーターによって回転する第1アームと前記第1アームの末端に結合して第1アームが回転することによって回転する第2アームから構成され;
前記中心板材は上下移動手段を基準としてワークピースの移送方向にスライディングされ;
前記中心板材のスライディングされた位置に従ってアームユニットの角度を調節してアームユニットの末端が一定の地点で停止するようにする位置制御手段をさらに備えることを特徴とする超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボット。
【請求項2】
前記上下移動手段を基準として中心板材をワークピースの移送方向に傾くようにする第1ティルティング手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボット。
【請求項3】
前記ワークピース結合台は、一対のアームユニットと結合する連結部と前記連結部に平行に接合され、第2ティルティング手段によって連結部を基準としてワークピースの移送方向に傾くことができるワークピース結合部で構成されることを特徴とする請求項1に記載の超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材を加工するためのプレスラインの高速サーボプレスの間でワークピースを運搬する役割をする移送ロボットに係り、さらに詳しくは、移送ロボットを構成するアームの駆動時に一箇所にだけ集中的に荷重がかかることを防止することができ、維持補修の必要性の少ない超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体などを成型するためのプレスラインでは車体を順に成型するために順番に配列された各プレスの間でワークピースを移送する手段が必要である。
【0003】
このような移送手段としてはローダー/アンローダー方式とロボット方式に大きく分けることができる。
【0004】
ローダー/アンローダー方式による移送手段は、上流側のプレスに設けられたローダー、下流側のプレスに設けられたアンローダー及び前記ローダーとアンローダーの間の台車などで構成され、台車などを設ける空間が必要なので、プレスラインが大型化される問題がある。
【0005】
日本特許第4402013号の‘ワーク搬送装置’のようなロボット方式の移送手段は、ローダー/アンローダー方式のような台車が必要でないので、プレスラインが大型化されることを防止することができるが、ロボットのアームが同一の区間内で繰り返して作動しながら一箇所だけに集中的に荷重がかかるので維持補修の側面で不利という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0878652号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第20−0427931号公報
【特許文献3】日本登録特許第4402013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、前記のような従来技術の問題を解決するため、ロボット方式で行われて、プレスラインが大型化されることを防止し、また、移送ロボットを構成するアーム駆動時に一箇所だけに集中的に荷重がかかることを防止することによって、維持補修の側面でも有利な超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような課題を解決するための本発明の好ましい実施形態によると、プレスラインの一つのプレスから他のプレスにワークピースを移送するロボットにおいて、長さ方向がワークピースの移送方向と垂直に形成される水平な板形の中心板材、前記中心板材の長さ方向の両端部にそれぞれヒンジ結合されて、中心板材と平行な面上で相互回転する多数のアームで構成される一対のアームユニット、両端部に前記一対のアームユニットの各末端部が結合するワークピース結合台、及び前記中心板材を上下に移動させる上下移動手段を含み;前記アームユニットのそれぞれは、中心板材に結合して第1モーターによって回転する第1アームと前記第1アームの末端に結合して第1アームが回転することによって回転する第2アームから構成され;前記中心板材は上下移動手段を基準としてワークピースの移送方向にスライディングされ、前記中心板材のスライディングされた位置に従ってアームユニットの角度を調節してアームユニットの末端が一定の地点で停止するようにする位置制御手段をさらに備えることを特徴とする超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボットが提供される。
【0009】
また、本発明の他の実施形態によると、前記上下移動手段を基準として中心板材をワークピースの移送方向に傾くようにする第1ティルティング手段をさらに含むことを特徴とする超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボットが提供される。
【0010】
本発明の他の実施形態によると、前記ワークピース結合台は、一対のアームユニットと結合する連結部と前記連結部に平行に接合され、第2ティルティング手段によって連結部を基準としてワークピースの移送方向に傾くことができるワークピース結合部で構成されることを特徴とする超高速ハイブリッドプレスのための超高速移送ロボットが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による移送ロボットは、ワークピースを移送しながら加速度が大きいとき中心板材がスライディングされて、移送時に移動するアームユニットと固定される部分の接合部で発生する衝撃を緩和し、一箇所にだけ反復的に衝撃がかかることを防止できるので耐久性が優れる。
【0012】
位置制御手段は、中心板材がスライディングされてもワークピースの移送の正確度は低下されないようにする。
【0013】
第1ティルティング手段及び第2ティルティング手段は、移送ロボットがワークピースを容易で安定的に移送できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による移送ロボットの正面図である。
図2】前記移送ロボットの平面図である。
図3】前記移送ロボットがプレスラインに設けられた姿である。
図4】前記移送ロボットが作動する方法に関する説明図である。
図5】前記移送ロボットの位置制御手段に関する説明図である。
図6】前記移送ロボットの第1ティルティング手段及び第2ティルティング手段に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施形態に対して図面を参照して詳しく説明する。
【0016】
本発明は、板材の加工のための超高速ハイブリッドプレスラインの一つのプレスから他のプレスにワークピースを移送する役割をするロボットに係り、ロボットの駆動時に一箇所にだけ集中的に荷重が反復的にかかることを防止することができ、維持補修の側面で有利という特徴を有する。
【0017】
図1には本発明による移送ロボット10の正面図が図示され、図2には前記移送ロボット10の平面図が図示されている。前記図面はワークピースの移送方向を移送ロボット10の前後方向にする時を基準としたことである。
【0018】
前記移送ロボットは10は、大きく中心板材100、一対のアームユニット200、ワークピース結合台300及び上下移動手段400を含む。
【0019】
前記中心板材100は移送ロボット10の各部分を連結する役割をし、その長さ方向がワークピースの移送方向と垂直に配置される。
【0020】
一対のアームユニット200(arm unit)は、前記中心板材100の長さ方向の両端部にヒンジ結合される。各アームユニット200は、中心板材100にヒンジ結合する第1アーム210と前記第1アーム210の末端に結合する第2アーム220から構成される。第1アーム210は第1アーム210と中心板材100のヒンジ結合軸上に位置する第1モーター230により回転し、第2アーム220は前記第1アーム210が回転することにより共に回転する。第1モーター230と直接的に連結されていない第2アーム220を制御することができるように第1モーター230の軸と第2アーム220の回転軸はタイミングベルトなどにより結合することが好ましい。
【0021】
前記ワークピース結合台300はその両端部が、各アームユニット200の末端部、さらに詳しくは、第2アーム220の末端部と結合して第2アーム220の末端を連結しており、移送しようとするワークピースと結合して、一つのプレスから他のプレスへのワークピースの移送が完了されるとワークピースと分離される。
【0022】
ワークピース結合台300の下部には複數の吸着板330を形成し、ワークピースの移送時にワークピースがワークピース結合台300に固く固定されるようにすることが好ましい。
【0023】
前記中心板材100は上下移動手段400により上下に移動する時、中心板材100と共にアームユニット200などが共に上下に動く。上下移動手段400はワークピースの運搬時には中心板材100を上部に移動させてワークピースとプレス20が触れないようにし、他のプレス20にワークピースを置くときには中心板材100を下部に移動させてワークピースをプレス上に安定的に置くことができるようにする。
【0024】
前記上下移動手段400は、図1に示すように、中心板材100と結合する垂直バー410と前記垂直バー410を上下に移動させる第2モーター420から構成される。第2モーター420の回転運動を垂直バー410の上下運動に変えられるように、第2モーター420の回転軸にはピニオンが形成され垂直バー410にはラックが形成されることが好ましい。
【0025】
図3には前記移送ロボット10がプレスライン1に設けられた姿が示され、図4には移送ロボット10が作動する姿が示されている。プレスライン1は、図3に示すことよりもより多くのプレスを備えることができるのは当然である。
【0026】
前記移送ロボット10は、図4に示すように、アームユニット200の第1アーム210及び第2アーム220がなす角度を変化しながらワークピースを直線に移動させるのでワークピースを迅速 に移送することができ、第1アーム210及び第2アーム220が完全に重なった状態で移送ロボット10が取る空間が小さくてプレスラインが大型化されることを防止することができる。
【0027】
本発明による移送ロボット10は、中心板材100が上下移動手段400を基準としてワークピースの移送方向にスライディングされる特徴がある。
【0028】
移送ロボットの作動時、特にワークピースと結合された状態の移送ロボット10が動いて中止するときには加速度によってアームユニット200と中心板材100の接合部に衝撃が加えられるが、スライディング可能な中心板材100は移送ロボット10の速度が大きく変化する時にスライディングされて衝撃が緩和され一箇所にだけ反復的に衝撃がかかることを防止する。従って集中荷重によってアームユニット200と中心板材100の接合部が破損される可能性が低くなるので維持補修の必要性が減ることになる。
【0029】
図1に示すように、中心板材100と上下移動手段400の中の一つにはワークピースの移送方向にレール(R)が形成され、他の一つにはレール溝(G)が形成されてスライディングの経路になる。
【0030】
スライディング経路の両端部にはコイルスプリングのような弾性部材を設けて衝撃緩和の効果をさらに大きくすることができる。
【0031】
本発明による移送ロボット10は、前記中心板材100のスライディングされた位置に従ってアームユニット200の角度を調節してアームユニット200の末端が一定の地点で停止するようにする位置制御手段(図示せず)をさらに備えることができる。図5には前記位置制御手段に関する説明図が示されている。
【0032】
前記位置制御手段は中心板材100がスライディングできるように形成されることによってワークピース結合台300が毎度異なる所に位置するようになってワークピース移送の正確度が低下されることを防止する。即ち、図5Aに示すように、中心板材100がワークピースの位置(W)と相対的に近い所で中止する時にはアームユニット200の第1アーム210及び第2アーム220がなす角度(α)を小さくし、図5Bに示すように、中心板材100がワークピースの位置(W)と相対的に遠い所で中止する時にはアームユニット200の第1アーム210及び第2アームがなす角度
(α′)を大きくしてワークピース結合台300が常に同じ所に位置するようにする。
【0033】
前記移送ロボット10は、上下移動手段400を基準として中心板材100をワークピースの移送方向に傾くようにする第1ティルティング手段500をさらに備えることができる。図6Aには前記第1ティルティング手段500に対する説明図が示されている。
【0034】
第1ティルティング手段500が中心板材100を傾けることによって、アームユニット200を通じて中心板材100と結合するワークピース結合台300は上下に移動することができる。このような第1ティルティング手段500は、ワークピースを運搬する時にはワークピースを上部に移動させ、他のプレス20にワークピースを置く時にはワークピースを下部に移動させることによって上下移動手段400と類似な作用をする。
【0035】
第1ティルティング手段500は、図1に示すように、上下移動手段400に固定される第1ピンホール部510、中心板材100に固定され前記第1ピンホール部510とピン結合する第2ピンホール部520及びモーター本体531が第1ピンホール部510に固定されモーター軸532が第2ピンホール部520に固定される第3モーター530からなって、第3モーター530が作動することによってモーター軸に固定された中心板材100が傾くようになる。
【0036】
前記移送ロボット10が第1ティルティング手段500をさらに備える時には、ワークピースの移送時に上下移動手段400を毎度作動せず、移送するワークピースの規格が変わるなどワークピース結合台300の高さが大きく変わる必要がある場合にだけ作動させることもできる。
【0037】
前記ワークピース結合台300は、一対のアームユニット200と結合する連結部310と前記連結部310に平行に接合され、第2ティルティング手段600によって連結部310を基準としてワークピースの移送方向に傾くことができるワークピース結合部320から構成されることができる。図6Bには第2ティルティング手段600に対する説明図が示されている。
【0038】
第2ティルティング手段600によって傾くことができるワークピース結合部320は一定しない形状のワークピースを運搬する時ワークピースが安定的な角度をなすように傾けて、何れか一側にワークピースの荷重が傾かないようにする。また、第2ティルティング手段600が第1ティルティング手段500と共に構成される場合には、中心板材100が傾いてワークピース結合台300の全体が傾いても第2ティルティング手段600によってワークピースを安定的な角度を維持することができる。
【0039】
第2ティルティング手段600としては、連結部310に固定されるモーター本体610とワークピース結合部320に固定されるモーター軸620からなる第4モーターが設けられることができる。
【0040】
本発明による移送ロボット10は前記のような構成の以外にもアームユニット200の角度、角度変化、上下移動手段400の作動による中心板材100等の高さ及び第1ティルティング手段500及び第2ティルティング手段600によるアームユニット200等の傾いた角度を自動に調節する制御手段をさらに備えることができる。
【0041】
以上では本発明の具体的な実施形態に対して図面を参考して説明したが、請求範囲の技術的な思想から外れない範囲内で当業者が本発明を多様に変形し実施することができ、これも請求範囲の記載によって本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0042】
1 プレスライン
10 移送ロボット
20 プレス
100 中心板材
200 アームユニット
210 第1アーム
220 第2アーム
230 第1モーター
300 ワークピース結合台
310 連結部
320 ワークピース結合部
400 上下移動手段
500 第1ティルティング手段
600 第2ティルティング手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6