【解決手段】移載システム1は、ステーションSTと、移載装置124と、ガイドレール18とを備える。ステーションSTは、旋回自在な車輪202を有する転動台車200を載置する載置面14を有し、転動台車200の搬出入が可能とされている。移載装置124は、ステーションSTとの間で転動台車200を持ち上げて移載可能である。ガイドレール18は、ステーションSTに設けられ、転動台車200の車輪202の旋回を規制する。ガイドレール18は、載置面14から上方に突出する突出長が変化するように昇降可能に構成されている。
前記ガイドレールは、前記移載装置による前記転動台車の移載時よりも作業者による前記転動台車の搬入及び/又は搬出時に前記突出長が小さくなるように、昇降可能とされている、請求項1に記載の移載システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術では、作業者がステーションに対して転動台車を搬出入(搬入及び/又は搬出、以下同じ)する際、当該搬出入作業を容易に行い得ることが望まれる。一方、移載装置による移載時においては、転動台車の車輪を確実にガイドし、転動台車を確実に移載することが求められる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて成されたものであり、作業者による転動台車の搬出入を容易化すると共に、移載装置による転動台車の移載を確実に行うことが可能な移載システム及び自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る移載システムは、旋回自在な車輪を有する転動台車を移載する移載システムであって、転動台車を載置する載置面を有し、転動台車の搬入及び/又は搬出が可能なステーションと、ステーションとの間で転動台車を持ち上げて移載可能な移載装置と、ステーションに設けられ、転動台車の車輪の旋回を規制するガイドレールと、を備え、ガイドレールは、載置面から上方に突出する突出長が変化するように昇降可能に構成されている。
【0007】
この移載システムでは、ガイドレールが昇降可能に構成されている。よって、作業者による転動台車の搬出入時において、例えばガイドレールを降下させて突出長を小さくすることにより、当該搬出入作業でガイドレールが邪魔になるのを抑制し、転動台車を容易に搬出入できる。また移載装置による転動台車の移載時において、例えばガイドレールを上昇させて突出長を十分に確保することにより、当該ガイドレールで車輪を確実にガイドし、転動台車を確実に移載できる。すなわち、作業者による転動台車の搬出入を容易化すると共に、移載装置による転動台車の移載を確実に行うことが可能となる。
【0008】
本発明に係る移載システムにおいて、ガイドレールは、移載装置による転動台車の移載時よりも作業者による転動台車の搬入及び/又は搬出時に突出長が小さくなるように、昇降可能とされていてもよい。この場合、上記作用効果、作業者による転動台車の搬出入を容易化すると共に、移載装置による転動台車の移載を確実に行うという作用効果を好適に発揮できる。
【0009】
本発明に係る移載システムは、ガイドレールを昇降させる駆動部と、駆動部の動作を制御し、移載装置による転動台車の移載時よりも作業者による転動台車の搬入及び/又は搬出時に突出長が小さくなるようにガイドレールを昇降させる制御部と、を備えていてもよい。この構成によれば、制御部で駆動部の動作を制御することによって当該昇降を行うことが可能となる。
【0010】
本発明に係る移載システムにおいて、移載装置は、転動台車の下方空間において延び、転動台車の底面を掬うように持ち上げるスライドフォークと、スライドフォークにおいて転動台車が載置される転動台車載置領域よりも外側に設けられ、当該転動台車の移動を規制するガイド部材と、を有していてもよい。この場合、スライドフォークのガイド部材により、作業者による転動台車の搬入位置を矯正することができる。
【0011】
本発明に係る自動倉庫は、上記移載システムと、転動台車が収容されるラックと、軌道に沿って走行するスタッカクレーンと、を具備する自動倉庫であって、移載装置は、スタッカクレーンにより軌道に沿って移動可能であり、ラックは、軌道を介した一方側及び他方側に設けられ、ステーションは、ラックの最下段に複数設けられ、一方側のラックに設けられたステーションは、転動台車を入庫させる入庫ステーションであり、他方側のラックに設けられたステーションは、転動台車を出庫させる出庫ステーションである。
【0012】
この自動倉庫においても、作業者による転動台車の搬出入を容易化すると共に、移載装置による転動台車の移載を確実に行うことが可能となる。また、自動倉庫では、ラックの最下段をステーションとして用いることで、多数の転動台車の搬出入が可能となる。入庫ステーションと出庫ステーションとを軌道を介して互いに反対側に位置させることにより、転動台車の出入庫に際して、車輪の向きを変えずに維持する(転動台車を移動させやすい方向のままとする)ことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業者による転動台車の搬出入を容易化すると共に、移載装置による転動台車の移載を確実に行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、自動倉庫100は、転動台車200が格納される複数のラック101と、軌道51に沿って走行するスタッカクレーン102と、を備えている。自動倉庫100は、例えば建屋(不図示)内に設置される。転動台車200は、ラック101へ格納する対象である。
【0017】
図3に示されるように、転動台車200は、いわゆるカゴ車、カゴ台車又はロールボックスパレットと称される台車であり、荷を収容する。転動台車200は、荷が収容されていない空の台車を意味する場合だけでなく、台車と当該台車に収容された荷とを含むものを意味する場合もある。
【0018】
転動台車200は、本体201と、本体201の下部に取り付けられた車輪202と、を有する。本体201は、矩形状の基台の周縁に柵状の部材が開閉可能に立設されて成る。車輪202は、本体201の下部の四隅それぞれに取り付けられている。車輪202は、その向き(進行方向)を自在に変更可能な、いわゆる自在キャスターである。車輪202は、水平方向に沿う転動軸回りに回転(転動)可能で、且つ、上下方向(鉛直方向、図中のZ軸方向)に沿う旋回軸回りに旋回可能に構成されている。
【0019】
図1及び
図2に示されるように、複数のラック101は、軌道51を介した一方側及び他方側(両側)に立設されたラック101A,101Bを含んでいる。ラック101A,101Bは、所定間隔を有して互いに対向する。ラック101A,101Bの最下段には、転動台車200の搬出入(搬入及び/又は搬出)が可能なステーションSTが設けられている。具体的には、一方側のラック101Aの最下段には、転動台車200を入庫させる入庫ステーションST1が設けられている。他方側のラック101Bの最下段には、転動台車200を出庫させる出庫ステーションST2が設けられている。入庫ステーションST1では、作業者による自動倉庫100への転動台車200の入庫が行われる。出庫ステーションST2では、作業者による自動倉庫100からの転動台車200の出庫が行われる。
【0020】
ラック101A,101Bのそれぞれには、棚部31が複数設けられている。棚部31は、転動台車200の車輪202が載置される一対の載置面部32を有する。一対の載置面部32それぞれは、同一の水平面上に位置する平面状の載置面を有する。棚部31は、左右方向(図中のY軸方向)に沿って複数設けられていると共に、上下方向に沿って複数段設けられている。本実施形態において、入庫ステーションST1及び出庫ステーションST2には、後述する昇降可能なガイドレール18を備えた搬出入用棚部10が設けられている。棚部31における一対の載置面部32の少なくとも一方には、移載する転動台車200の車輪202をガイドする棚部用車輪ガイド(不図示)が設けられている。棚部用車輪ガイドは、互いに平行でY軸方向に並ぶように載置面部32に立設された一対の板状の部材を有する。棚部用車輪ガイドは、載置面部32の載置面と協働して溝部を形成する。
【0021】
スタッカクレーン102は、入庫ステーションST1及び出庫ステーションST2と棚部31との間で転動台車200を搬送し、棚部31に対する転動台車200の出し入れを行う。スタッカクレーン102は、台車121と、マスト122と、昇降台123と、移載装置124と、を備えている。
【0022】
台車121は、軌道52に沿って左右方向(図中のY軸方向)に移動する。軌道52は、ラック101A,101Bに間において左右方向Sに沿って延在する。軌道52は、床面に敷設されている。マスト122は、上下方向に沿って延び、台車121に取り付けられて台車121と共に移動する。昇降台123は、マスト122に沿って上下方向に昇降する。
【0023】
移載装置124は、ステーションSTとの間で転動台車200を持ち上げて移載可能な装置である。具体的には、入庫ステーションST1の搬出入用棚部10に載置された転動台車200が、移載装置124へ持ち上げられて移載(荷積)される。当該移載装置124に載置された転動台車200が、出庫ステーションST2の搬出入用棚部10に下ろされて移載(荷卸)される。また、移載装置124は、ラック101の棚部31との間で転動台車200を持ち上げて移載可能な装置である。具体的には、移載装置124に載置された転動台車200が、棚部31へ下ろされて移載される。棚部31に載置された転動台車200が、移載装置124へ持ち上げられて移載される。
【0024】
図4に示されるように、移載装置124は、転動台車200が持ち上がった状態、すなわち車輪202が浮いた状態となるまで持ち上がった状態で、当該転動台車200を移載可能である。移載装置124は、スライドフォーク式移載装置であって、転動台車200の下方空間において延び、転動台車200の底面を掬うように持ち上げるスライドフォーク124aを備えている。
【0025】
スライドフォーク124a上において、転動台車200が載置される転動台車載置領域Rよりも外側には、ガイド部材126が設けられている。ガイド部材126は、転動台車200の水平方向の移動を規制する部材である。ここでのガイド部材126は、スライドフォーク124aの延在方向(図中のX軸方向)において、転動台車載置領域Rの一方側と他方側とに立設されている。ガイド部材126は、転動台車載置領域Rから所定のクリアランス離れて配置されている。
【0026】
本実施形態において、入庫ステーションST1及び出庫ステーションST2には、搬出入用棚部10が設けられている(
図2参照)。
図5〜
図7に示されるように、搬出入用棚部10は、転動台車200を載置する一対の載置面部11A,11Bと、載置面部11A,11Bのうち一方の載置面部11Bに設けられた車輪ガイド12と、を備えている。
【0027】
載置面部11A,11Bそれぞれは、同一の水平面上に位置する平面状の載置面14を有する。載置面部11A,11Bは、X軸方向に沿って延び、且つ、互いにY軸方向に所定距離(Y軸方向における車輪202間の距離に対応する距離)離れて並置されている。載置面部11A,11Bは、フレーム15に固定されている。
【0028】
車輪ガイド12は、搬出入する転動台車200をガイドすると共に、転動台車200の意図しない動きを抑制すべく当該転動台車200を矯正する。車輪ガイド12は、載置面部11Bの一端から他端に亘って設けられている。車輪ガイド12は、互いに平行でY軸方向に並ぶように載置面部11Bに立設された一対の板状の部材を有する。車輪ガイド12は、載置面14と協働して溝部を形成する。当該溝部の幅は、車輪202の幅よりも若干広く設定され、且つ、車輪202が自由に旋回できない程度の幅に設定されている。車輪ガイド12は、その内部に位置させた車輪202の旋回を規制し、当該車輪202の向きを移載方向(X軸方向)に維持する。
【0029】
車輪ガイド12は、複数に分かれて構成されており、第1車輪受け部16、第2車輪受け部17及びガイドレール18を有している。第1車輪受け部16は、載置面部11BにおいてX軸方向の一端部に設けられている。第2車輪受け部17は、載置面部11BにおいてX軸方向の他端部に設けられている。第1車輪受け部16及び第2車輪受け部17は、フレーム15に固定されている。第1車輪受け部16及び第2車輪受け部17の溝部には、載置した転動台車200の車輪202がそれぞれ位置する。
【0030】
第1車輪受け部16の高さは、特に限定されないが、例えば移載装置124で転動台車200を持ち上げる高さよりも高く設定されている。第2車輪受け部17の高さは、特に限定されないが、例えば移載装置124で転動台車200を持ち上げる高さよりも低く設定されている。第1車輪受け部16及び第2車輪受け部17におけるX軸方向外側の先端部分は、外側に行くに従ってその溝幅が広がるように傾斜するテーパ状に形成されている(
図5参照)。車輪ガイド12は、自動倉庫100内において転動台車200の車輪202を保持する。
【0031】
図8に示されるように、載置面部11B上には、載置した転動台車200の車輪202を位置決めする固定ブロック19が設けられている。ここでの固定ブロック19は、第1車輪受け部16の溝部内に対応する位置に配置されている。固定ブロック19は、車輪202の転動を規制するストッパとして機能する。固定ブロック19は、楔形状を有し、当該車輪202の前後に配置される。固定ブロック19は、例えば5mm程度のガタを許容可能に設定されている。固定ブロック19の高さは、移載装置124により転動台車200を持ち上げる高さよりも低く設定されている。
【0032】
図6、
図7及び
図9に示されるように、ガイドレール18は、載置面部11Bにおいて第1車輪受け部16と第2車輪受け部17との間に配置され、X軸方向に沿って延在する。ガイドレール18の上部は、上方に向かうに従ってその溝幅が広がるように傾斜するテーパ状に形成されている(
図9参照)。これにより、転動台車200を移載する際、車輪202の向きが移載方向からずれている場合でも、当該車輪202の向きを移載方向に沿うように調整可能となる。
【0033】
ここで、ガイドレール18は、載置面14から上方に突出する上下方向の長さである突出長(以下、単に「突出長」という)が変化するように昇降可能に構成されている。ガイドレール18は、移載装置124による転動台車200の移載時よりも作業者による転動台車200の搬出入時に突出長が小さくなるように、昇降可能とされている。
【0034】
具体的には、ガイドレール18は、昇降ガイド21及び駆動装置(駆動部)22を介して、フレーム15に支持されている。昇降ガイド21は、ガイドレール18を支持すると共に、ガイドレール18のフレーム15に対する昇降をガイドする。例えば昇降ガイド21は、ガイドレール18におけるX方向の両端部に取り付けられている。駆動装置22は、モータ(不図示)及びモータの回転軸に連結した偏心カム(不図示)を含んでおり、偏心カムを介してガイドレール18を昇降可能に支持する。ガイドレール18は、駆動装置22のモータが一定量(例えば180°)回転される毎に、上昇位置と下降位置との間でフレーム15に対して上下方向に移動する。
【0035】
例えば、ガイドレール18が下降位置にあるとき、駆動装置22においてモータを一定量回転して偏心カムを回転させると、ガイドレール18が昇降ガイド21でガイドされながら偏心カムによる上死点の位置まで上昇する(持ち上げられる)。これにより、ガイドレール18は、第1車輪受け部16及び第2車輪受け部17よりも上方に至る第1突出長(例えば100mm)で突出する上昇位置まで上昇する。
【0036】
一方、ガイドレール18が上昇位置にあるとき、駆動装置22においてモータを一定量回転して偏心カムを回転させると、ガイドレール18が昇降ガイド21でガイドされながら偏心カムによる下死点の位置まで降下する。これにより、ガイドレール18は、第1車輪受け部16及び第2車輪受け部17よりも下方の第2突出長(例えば30mm)で突出する下降位置まで降下する。第2突出長は第1突出長よりも小さい、換言すると、第1突出長は第2突出長よりも大きい。
【0037】
駆動装置22には、駆動装置22の動作を制御する制御部23が接続されている。制御部23は、移載装置124による転動台車200の移載時よりも作業者による転動台車200の搬出入時に突出長が小さくなるようにガイドレール18を昇降させる。具体的には、制御部23は、例えば上位コントローラ(自動倉庫コントローラ等)の要求に基づいて、ガイドレール18を上昇位置又は下降位置の何れに位置させるか決定する。そして、制御部23は、決定した上昇位置又は下降位置の何れかにガイドレール18を位置させるべく、例えば光電センサ24で検出したガイドレール18の位置に基づいて、駆動装置22の作動を開始及び/又は停止する。図示する一例では、フレーム15に光電センサ24が設けられ、この光電センサ24でガイドレール18の所定部分における上端及び下端の何れかを検出することにより、ガイドレール18の位置が検出される。
【0038】
あるいは、ガイドレール18の昇降を作業者が操作するガイド昇降スイッチ(昇降操作部)を備えていてもよく、この場合、制御部23は、ガイド昇降スイッチの操作に応じて駆動装置22の動作を制御し、ガイド昇降スイッチの操作に応じた上昇位置又は下降位置の何れへガイドレール18を昇降させる。
【0039】
上記において、少なくともステーションST(入庫ステーションST1又は出庫ステーションST2)、移載装置124、ガイドレール18、駆動装置22及び制御部23は、移載システム1を構成する。つまり、自動倉庫100は、移載システム1を備えている。なお、自動倉庫100が備える各構成又は各要素は、移載システム1が備えると捉えることもできる。
【0040】
次に、移載システム1及び自動倉庫100において実行される動作について説明する。以下の説明では、作業者によりステーションSTに転動台車200を搬出入する搬出入時と、移載装置124によってステーションSTに載置された転動台車200を移載する移載時と、のそれぞれについて例示する。
【0041】
[搬出入時]
まず、例えばスタッカクレーン102の移載状況、及び/又は、ステーションSTにおける転動台車200の載置状態に基づいて、上位コントローラから制御部23に対して、ガイドレール18を下降位置へ降下させる要求が出力される。あるいは、作業者によりガイド昇降スイッチを介してガイドレール18を下降させる操作がなされ、ガイド昇降スイッチから制御部23に対して、ガイドレール18を降下させる要求が出力される。なお、スタッカクレーン102及び/又はステーションSTの状況や状態は、例えばカメラ、遮光センサ、リミットスイッチ等により検出できる。
【0042】
当該要求に応じて制御部23は、駆動装置22の動作を制御し、上昇位置にあるガイドレール18を、車輪202をガイドできる程度に載置面14から上方に突出する第2突出長で突出する下降位置まで下降させる(
図6及び
図9(a)参照)。この状態において、作業者は、専用のパレット等に載せることなくそのまま転動台車200をステーションSTに搬入して、転動台車200をステーションSTの載置面部11A,11Bに載置する。転動台車200の各車輪202は、車輪ガイド12において、第2車輪受け部17から進入し、ガイドレール18にガイドされつつ、第1車輪受け部16に至り、固定ブロック19により位置決めされる。なお、転動台車200の搬入時、第2車輪受け部17のX方向外側が拡がるようにテーパ状となっていることから、車輪202がいずれの方向に向いていても、当該車輪202の向きを移載方向に沿うように調整可能である。
【0043】
[移載装置による移載時]
まず、例えばスタッカクレーン102の移載状況、及び/又は、ステーションSTにおける転動台車200の載置状態に基づいて、上位コントローラから制御部23に対して、ガイドレール18を上昇位置へ上昇させる要求が出力される。あるいは、作業者によりガイド昇降スイッチを介してガイドレール18を上昇させる操作がなされ、ガイド昇降スイッチから制御部23に対して、ガイドレール18を上昇させる要求が出力される。
【0044】
当該要求に応じて制御部23は、駆動装置22の動作を制御し、下降位置にあるガイドレール18を、車輪202の旋回を確実に規制できる第1突出長で載置面14から上方に突出する上昇位置まで上昇させる(
図7及び
図9(b)参照)。この状態において、移載装置124のスライドフォーク124aが転動台車200の下方空間において延び、転動台車200の底面を掬うように転動台車200が持ち上げられる。転動台車200の持ち上げは、スタッカクレーン102の昇降台123により実現してもよいし、移載装置124が別途に備える昇降構造により実現してもよい。このとき、第1車輪受け部16のX方向外側が拡がるようにテーパ状となっていることから、移載装置124の多少の位置ずれを許容できる。その後、移載装置124は、転動台車200を持ち上げた状態で、棚部31に向かって当該転動台車200を移載する。
【0045】
以上、本実施形態の移載システム1では、転動台車200の搬出入が可能なステーションSTに、転動台車200の車輪202の旋回を規制するガイドレール18が設けられている。このガイドレール18は、載置面14からの突出長が変化するように昇降可能に構成されている。よって、作業者による転動台車200の搬出入時には、例えばガイドレール18を降下させて突出長を小さくすることにより、当該搬出入作業においてガイドレール18が邪魔になるのを抑制し、転動台車200を容易に搬出入できる。また移載装置124による転動台車200の移載時には、例えばガイドレール18を上昇させて突出長を十分に確保することにより、転動台車200が移載装置124で持ち上げられた状態であっても、ガイドレール18で車輪202を確実にガイドし、転動台車200を確実に移載できる。すなわち、作業者による転動台車200の搬出入を容易化すると共に、移載装置124による転動台車200の移載を確実に行うことが可能となる。
【0046】
移載システム1において、ガイドレール18は、移載装置124による転動台車200の移載時よりも作業者による転動台車200の搬出入時に突出長が小さくなるように、昇降可能とされている。これにより、作業者による転動台車200の搬出入を容易化すると共に、移載装置124による転動台車200の移載を確実に行うという上記作用効果を、好適に発揮できる。
【0047】
移載システム1は、ガイドレール18を昇降させる駆動装置22と、駆動装置22の動作を制御する制御部23と、を備えている。この構成によれば、上述のように制御部23で駆動装置22の動作を制御することで、移載装置124による転動台車200の移載時よりも作業者による転動台車200の搬出入時に突出長を小さくさせるガイドレール18の昇降を行うことが可能となる。
【0048】
移載システム1において、移載装置124は、転動台車200の底面を掬うように転動台車200を持ち上げるスライドフォーク124aと、スライドフォーク124aに設けられたガイド部材126と、を有している。スライドフォーク124aのガイド部材126により、作業者による転動台車200の搬入位置を、例えば転動台車載置領域Rからずれている場合であっても、転動台車200が転動台車載置領域Rに載置されるように矯正することができる。
【0049】
自動倉庫100は、移載システム1と、軌道51に沿って走行するスタッカクレーン102と、軌道51を介して両側のラック101A,101Bと、を具備する。ラック101Aの最下段に入庫ステーションST1が設けられ、ラック101Bの最下段に出庫ステーションST2が設けられている。このように、ラック101A,101Bの最下段をステーションST1,ST2として用いることで、多数の転動台車200の搬出入が容易に可能となる。入庫ステーションST1と出庫ステーションST2とを軌道51を介して互いに反対側に位置させることにより、転動台車200の出入庫に際して、車輪202の向きを変えずに維持する(転動台車200を移動させやすい方向のままとする)ことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。各要素の構成、個数及び形状等は、上記実施形態における構成、個数及び形状等に限られず、適宜変更可能である。
【0051】
上記実施形態では、ガイドレール18を昇降させる駆動装置22を備えているが、駆動装置22に代えてもしくは加えて、作業者の操作によりガイドレール18を手動で動作させる手動機構を有していてもよい。例えば手動機構としては、1又は複数のギヤと操作レバーとを含む構成を採用してもよい。手動機構によれば、作業者は手動でガイドレール18を昇降させることが可能となる。上記実施形態では、ラック101A,101Bの最下段にステーションSTを設けたが、例えば複数階に跨ったラック等の場合においては、各階にステーションSTを設けてもよい。