特開2017-81681(P2017-81681A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017081681-ラベル分離装置とその方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-81681(P2017-81681A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ラベル分離装置とその方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/54 20060101AFI20170414BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20170414BHJP
   B65C 9/18 20060101ALI20170414BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   B65H29/54
   G09F3/00 E
   B65C9/18
   B65H41/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-210763(P2015-210763)
(22)【出願日】2015年10月27日
(71)【出願人】
【識別番号】515298578
【氏名又は名称】香港明能工貿有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107847
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 聡
(72)【発明者】
【氏名】張 波
【テーマコード(参考)】
3E095
3F053
3F108
【Fターム(参考)】
3E095BA03
3E095CA10
3E095DA22
3E095FA08
3F053AA20
3F053AA26
3F053AA31
3F053LA16
3F053LB12
3F108JA03
(57)【要約】
【課題】本発明は、超薄型のラベルの剥離率と製品に確実に貼り付ける際の歩留まりとを向上させることができるラベル分離装置を提供する。
【解決手段】上表面を有する分離刃具を含み、ラベルが付着された送りガスケットは上記分離刃具の上表面で移動することができ、上記分離刃具の上表面には案内部と分離部が設けられ、上記分離部と上記案内部とは連接され、上記分離部は曲面であり、上記送りガスケットの変位方向に垂直である上記曲面の断面は曲線である。上記ラベル分離装置の分離刃具の分離部は曲面であり、上記送りガスケットの変位方向に垂直である上記曲面の断面は曲線である。ラベルと送りガスケットとが分離部を通過するとき、分離部の曲面により、予め湾曲が発生し、曲げられるので、ラベルの変位方向の硬度を向上させることができる。したがって、ラベルが送りガスケットと共に分離部の尖端に到達するとき、ラベルを送りガスケットから容易に外し、ラベルの剥離率と製品に貼り付ける際の歩留まりとを向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上表面を有する分離刃具を含み、ラベルが付着された送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動し、上記送りガスケットの上面にはラベルが付着されて、この底面は分離刃具の上表面と対向するラベル分離装置であって、
上記分離刃具の上表面には案内部と分離部が設けられ、上記分離部と上記案内部とは互いに連結され、上記分離部は曲面であり、上記送りガスケットの移動方向に垂直である上記曲面の断面は曲線であり、上記曲線の曲率半径は1乃至200mmであり、上記曲線の中央部の曲率半径は両側の曲率半径よりも大きいことを特徴とするラベル分離装置。
【請求項2】
上記曲面は円弧面であり、上記曲線は円弧線であることを特徴とする請求項1に記載のラベル分離装置。
【請求項3】
上記案内部の上方の両側には案内押さえが設けられることを特徴とする請求項1に記載のラベル分離装置。
【請求項4】
ラベル分離方法であって、
まず、ラベルを送りガスケットの上面に間隔を空けて付着させ、
次に、ラベルが付着された送りガスケットをラベル分離装置に実装し、該ラベル分離装置は上表面を有する分離刃具を含み、ラベルが付着された送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動し、上記送りガスケットの上面にはラベルが付着され、この底面は分離刃具の上表面と対向し、上記分離刃具の上表面には案内部と分離部が設けられ、上記分離部と上記案内部とは互いに連結され、上記分離部は曲面であり、上記送りガスケットの移動方向に垂直である上記曲面の断面は曲線であり、
最後に、上記ラベル分離装置を駆動し、ラベル分離装置に実装された送りガスケットは駆動によって移動し、送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動し、上記送りガスケットの上面に付着されたラベルは送りガスケットと共に上記案内部と上記分離部とを通過し、上記送りガスケットが上記案内部から離れて上記分離部と接触するとき、送りガスケットとその上のラベルは上記分離部によって曲げられることを特徴とするラベル分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル分離装置に関し、特に超薄型ラベルの分離に応用することができる分離装置と分離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラベルを印刷するとき、複数のラベルを連続、集中して大量に印刷し、これらを所定の製品に貼り付けるとき、ラベルを一枚ずつ外して各商品に貼り付ける。ラベルプリンターで長尺状のガスケットを長辺方向に印刷する場合、ガスケットには長辺方向に沿う複数のラベルが貼り付けられ、ラベルとラベルとの間には間隔が形成される。ガスケットは、ラベル用紙を集め、ラベル用紙を商品の所定の位置まで送る作用を奏する。ガスケットが所定の位置に到達すると、ラベル分離装置はラベルを一枚ずつガスケットから剥離して所定の製品に貼り付ける。ラベルが剥離された後、ラベルの進行軌跡とガスケットの進行軌跡はそれぞれ二つの方向に進行し、ラベルが剥離されたガスケットは巻取り軸に巻かれる。
【0003】
従来の技術において、長尺状のガスケットは上表面と下表面を含み、上表面には若干のラベルが貼り付けられ、下表面は送りベルトに沿って進行する。この装置には、送りベルトの末端が剥離位置に近づくときラベルをガスケットから分離させる分離部材が設置されており、分離部位を通過したガスケットは反対の方向に回転し、ガスケットを送りベルトの逆方向に戻す。上記分離部材上の尖端は剥離位置を指す。
【0004】
ラベルが剥離されたガスケットは巻取り軸に巻き取られる。巻取り軸の付近に張力調整部材が設けられていることにより、ガスケットを巻くとき、ガスケットの張力を維持することができる。張力が与えられたガスケットが尖端部分を通過するとき、曲面張力の作用により、まずラベルの縁部が外され、次にラベル全体がガスケットから分離される。最後は、外されたラベルが製品に張り付けられる。これにより、剥離過程が終了する。しかし、従来のラベル分離技術はいずれも、分離部材の尖端でガスケットとラベルを曲げ、曲面張力でガスケットとラベルを剥離する。
【0005】
技術の発展と進歩に伴い、ラベル業界において色々な技術の改良を行うことにより、色々な新しい印刷技術及び新規材料が続々出ている。例えば、極めて薄い薄膜材料をラベルに応用したことがこのうちの一例である。薄膜材料がコストと性能面の優勢を有しているため、薄膜材料で製造したラベル(以下超薄型ラベルと略称)が続々出ている。しかし、従来のラベル分離方法で超薄型ラベルを分離するとき、ラベルを容易に分離することができないので、ガスケットから外されていないラベルがガスケットと共に戻り、巻き取りプロセスに入るおそれがある。これにより、ラベルの分離率が低下し、ラベルを貼っていない製品がよく出るおそれがある。
【0006】
本願の発明者は、上記欠点を解消するため、超薄型ラベルの剥離率とラベルを製品に貼り付ける際の歩留まりとを向上させることができるラベル分離装置を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、超薄型ラベルの剥離率とラベルを製品に貼り付ける際の歩留まりとを有効に向上させることができるラベル分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラベル分離装置は上表面を有する分離刃具を含み、ラベルが付着された送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動することができる。上記送りガスケットの上面にはラベルが付着され、底面は分離刃具の上表面と対向する。上記分離刃具の上表面には案内部と分離部が設けられ、上記分離部と上記案内部とは互いに連接されている。上記分離部は曲面であり、上記送りガスケットの変位方向に垂直である上記曲面の断面は曲線である。上記曲線の曲率半径は1乃至200mmであり、上記曲線の中央部の曲率半径は両側の曲率半径よりも大きい。
【0009】
上記ラベル分離装置において、上記曲面は円弧面であり、上記曲線は円弧線である。
【0010】
上記ラベル分離装置において、上記案内部の上方の両側には案内押さえが設けられている。
【0011】
本発明はラベル分離方法を更に提供する。このラベル分離方法は、次のステップを含む。まず、ラベルを送りガスケットの上面に間隔を空けて付着させる。次に、ラベルが付着された送りガスケットをラベル分離装置に実装する。該ラベル分離装置は上表面を有する分離刃具を含み、ラベルが付着された送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動することができる。上記送りガスケットの上面にはラベルが付着され、この底面は分離刃具の上表面と対向する。上記分離刃具の上表面には案内部と分離部が設けられ、上記分離部と上記案内部とは互いに連接されている。上記分離部は曲面であり、上記送りガスケットの変位方向に垂直である上記曲面の断面は曲線である。最後に、上記ラベル分離装置を駆動する。これにより、ラベル分離装置に実装された送りガスケットは所定の方向に移動し、送りガスケットは上記分離刃具の上表面に沿って移動する。上記送りガスケットの上面に付着されたラベルは送りガスケットと共に上記案内部と上記分離部とを通過し、上記送りガスケットが上記案内部から離れて上記分離部と接触するとき、送りガスケットとその上のラベルは、上記分離部によって曲げられる。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容を詳しく説明する。下記図面等は本発明を説明するためのものであるが、これによって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一つの実施例に係るラベル分離装置の構造図である。
図2図1のラベル分離装置のII−II'線に沿う断面図である。
図3】本発明の他の実施例に係るラベル分離装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すとおり、本発明の実施例に係るラベル分離装置10は、上表面123を有する分離刃具12を含む。上面にラベル15が付着されている送りガスケット13は、上記分離刃具12の上表面123に沿って移動することができる。ラベル15が付着されている送りガスケットの一面は送りガスケット13の上面であり、分離刃具12と接触している他面は送りガスケット13の底面である。上記分離刃具12の上表面には案内部121と分離部122が設けられ、上記分離部122と上記案内部121とは互いに連結され、上記分離部122は曲面であり、上記送りガスケット13の移動方向に垂直な方向に沿う上記曲面の断面は曲線である。
【0015】
分離刃具12の分離部122は曲面であり、上記送りガスケット13やラベル15の移動方向に垂直な方向に沿う上記曲面の断面は曲線である。曲面と曲線によって、送りガスケット13の幅方向においてラベルを曲げることができる。上記曲面は円弧面であり、上記曲線は円弧線である。本実施例において、円弧面が複合円弧面であってもよい。即ち、異なる曲率を有する複数の円弧面で構成される複合円弧面であってもよい。同様に、円弧線が複合円弧線であってもよい。即ち、異なる曲率を有する複数の円弧線で構成される複合円弧線であってもよい。上記曲線の曲率半径の範囲は1〜200mmであることが好ましく、曲線が異なる曲率の複数の円弧線で構成される場合、上記曲線の中央部の曲率半径が両側の曲率半径よりも大きいことが好ましい。分離部122を曲面にする目的は、ラベル15が送りガスケットから分離される前、ラベルを予め曲げることにある。ラベルが幅方向の湾曲形を有すれば、本発明の一部分の設計目的を奏することができる。例えば、分離部122をこの両側が外側に向かって下方へ傾斜する構造に設計してもよい。上記ラベル分離装置の分離刃具12の分離部122は、曲面であるか或いは複合斜面であり、ラベルが付着されている送りガスケットは、分離刃具12の上表面123に沿って移動する。送りガスケット13が分離部122に到達するとき、送りガスケット13に付着されているラベル15は、分離部122の曲面や複合斜面によって湾曲形に曲げられる。送りガスケット13の移動方向に垂直な方向に沿う分離部122の曲面や複合斜面の断面が湾曲形又は傾斜形に形成されることにより、ラベル15の移動方向の硬度を向上させることができる。したがって、ラベルが送りガスケットと共に分離部の尖端に着くとき、ラベルが湾曲形にされかつ変位方向の硬度が向上した状態で、先端部によって再び曲げられるので、ラベル15を送りガスケットから容易に外し、かつラベルの剥離率と製品にラベルを貼り付ける際の歩留まりを向上させることができる。
【0016】
図3は、本発明の第二の実施例に係るラベル分離装置である。図3のラベル分離装置20の構造とラベル分離装置10の構造とがほぼ一致するが、相違点は本実施例のラベル分離装置20が分離刃具22を更に含むことにある。上記分離刃具22は上表面223を有し、ラベル25が付着されている送りガスケット23は、上記分離刃具22の上表面に沿って移動する。上記分離刃具22の上表面には案内部221と分離部222が設けられ、上記分離部222と案内部221とは互いに連結される。前例と異なる箇所は、案内部221の上方の両側に案内押さえ24が設けられていることにある。上記案内押さえ24は、送りガスケット23を両側から押すことにより、送りガスケット23とラベル25とが曲面に当接するとともに曲面に沿って曲がるようにする。上記案内押さえ24は、案内部221の両側から送りガスケット23の縁を上方へ押す。上記案内押さえ24は、案内部221の両側に一つずつ形成される構造であるか、或いは案内部221の両側から中央へ延伸して一体にされかつ案内部221の上方に位置する門式構造であることができる。上記案内押さえ24が送りガスケット23に下へ押す作用力を与えるので、分離部の曲面上に置かれた送りガスケットとラベルとを曲面に沿って曲げることができる。すなわち、送りガスケット23に曲げる作用力を与えることにより、送りガスケットが平坦表面から湾曲曲面に変化し、案内部221に沿って曲がるように案内することができる。
【0017】
本発明は、ラベル分離方法を更に提供する。本発明のラベル分離方法は以下のステップを含む。
【0018】
まず、ラベルを送りガスケットの上面に間隔を空けて付着させる。
【0019】
次に、ラベルが付着された送りガスケットをラベル分離装置に実装する。ラベル分離装置は上表面を有する分離刃具12を含み、送りガスケット13を実装するとき、ラベル15が付着された送りガスケットの上面が上に向くようにし、送りガスケット13の底面は上記分離刃具12の上表面123に貼り付ける。ラベル15が付着された送りガスケット13は、分離刃具12の上表面123に沿って移動することができる。送りガスケット13はラベル分離装置上に設置され、上記分離刃具の上表面には案内部121と分離部122とが形成され、上記案内部121と分離部122とは互いに連結され、上記分離部122は曲面であり、上記送りガスケット13の変位方向に垂直な上記曲面の断面は曲線である。
【0020】
その後、上記ラベル分離装置を駆動して、ラベル分離装置に実装された送りガスケットが駆動によって移動するようにする。上記送りガスケット13は、分離刃具12の上表面123に沿って案内部121から分離部122へ移動する。上記送りガスケット13の上面のラベル15は、送りガスケット13と共に案内部121と上記分離部122とを通過する。上記送りガスケット13が上記案内部121から離れて上記分離部122と接触するとき、送りガスケット13とその上のラベル15は上記分離部122によって曲げられる。送りガスケットとラベルとが動き続けることによってラベルが分離部の尖端に到達するとき、ラベルが変位方向に沿って送りガスケットから外れる。これにより、外されたラベルを製品に張り付けることができる。
【0021】
上記ラベル分離装置の分離刃具の分離部は曲面であり、上記送りガスケットの移動方向に垂直である曲面の断面は曲線である。これにより、ラベルと送りガスケットとが分離部を通過するとき、分離部の曲面によって曲げられる。ラベルと送りガスケットとが湾曲形に形成されることにより、ラベルの移動方向の硬度を向上させることができる。また、ラベルが送りガスケットと共にラベル分離部の尖端に到達するとき、ラベルを送りガスケットから容易に外し、ラベルの剥離率やラベルを製品に貼り付ける際の歩留まりを向上させることができる。
【0022】
本発明の他の実施例において、ラベル分離装置の下方に張力調整用ホイールを更に設置してもよい。この場合、ラベル分離装置に巻かれた送りガスケットがより大きい張力を与えるので、ガスケットが回転して分離部を通過するとき、より大きい力を受け、よい大きい張力を得ることができる。すなわち、ラベルと送りガスケットとにより大きい表面剛性が与えられることにより、ラベルがより容易に外れ、送りガスケットから外すことができる。
【0023】
上述したとおり、本発明が上記発明の効果を奏することができるので、特許を出願する。
【0024】
以上、これらの発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
10、20 ラベル分離装置
12、22 分離刃具
121、221 案内部
122、222 分離部
123、223 上表面
13、23 送りガスケット
24 案内押さえ
15、25 ラベル
図1
図2
図3