【実施例】
【0068】
以下、実施例と比較例を示すことで本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、以下製造例、実施例及び比較例に記載される各成分の含有量、残留溶媒量、遊離モノマー量は、特に断りのない限り、得られた共縮合樹脂、又はカシューナッツシェル液を含む樹脂組成物中全量に対する当該物質の重量%である。
【0069】
共縮合樹脂、樹脂組成物の分析および性能評価は以下のようにして行った。
〔1〕樹脂の平均分子量の測定
共縮合樹脂、樹脂組成物の平均分子量に関しては、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出した。
使用機器 :HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム : TSK ガードカラム SUPER HZ−L(東ソー製)
+TSK−GEL SUPER HZ1000(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ2500(4.6mmφ×150mm)
+TSK−GEL SUPER HZ4000(4.6mmφ×150mm)
カラム温度:40℃
注入量 :10μL
キャリアーおよび流速 :テトラヒドロフラン 0.35mL/min
サンプル調製:本発明の共縮合樹脂または樹脂組成物約0.02gをテトラヒドロフラン20mLに溶解。
【0070】
〔2〕遊離モノマー、残留溶媒の測定
遊離モノマー含有量及び残留溶媒含有量については、以下の条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
使用機器 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−14B
カラム :ガラスカラム外径5mm×内径3.2mm×長さ3.1m
充填剤 :充填剤 Silicone OV−17 10% Chromosorb WHP 80/100mesh, max.temp.340℃
カラム温度:80℃→280℃
気化室温度:250℃
検出器温度:280℃
検出器 :FID
キャリアー:N
2(40ml/min)
燃焼ガス :水素(60kPa), 空気(60kPa)
注入量 :2μL
本発明の共縮合樹脂又は樹脂組成物1g、標品としてアニソール0.05gをアセトン10mLに溶解させ上記条件にて分析した。内部標準法(GC−IS法)により、共縮合樹脂又は樹脂組成物中の残留溶媒、遊離モノマーの含有量(%)を定量した。
【0071】
〔3〕軟化点の測定
JIS−K2207に準拠した方法により測定した。
【0072】
<製造例1>
「p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール及びレゾルシン由来の構成単位を含む共縮合樹脂の合成」
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純度37%のホルマリン360.0g(4.44mol)、p−tert−ブチルフェノール60.0g(0.40mol)、o−フェニルフェノール340.0g(2.00mol)を順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液120.0g(0.72mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて2時間反応した。
反応終了後、30%硫酸105.9g(0.32mol)、シュウ酸二水和物4.53(0.036mol)を加え0.2時間撹拌後、硫酸ナトリウム50.0gを加え0.2時間撹拌後静置し、水層を除去した。
続いて、レゾルシン369.6g(3.36mol)を加え、内温110℃まで昇温し、微減圧下(92kPa)で2時間かけて脱水を行った。この間内温は115℃から118℃まで上昇した。続いて、内温125℃まで昇温し、1時間脱水(92kPa)を行った。続いて、内温140℃まで昇温し、1時間脱水(92kPa)を行った。その後、内温145〜150℃まで昇温し、1時間保温することで水を留去した。その後、内温140〜150℃に保ったまま16kPaまで減圧し、水をさらに留去することで、褐色の共縮合樹脂817gを得た。
共縮合樹脂の平均分子量:2200、軟化点:125℃、遊離p−tert−ブチルフェノール分:0.0%、遊離o−フェニルフェノール分:1.7%、遊離レゾルシン分:7.9%。
【0073】
<実施例1>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂160.0g、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)40.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら1時間攪拌し、共縮合樹脂とカシューナッツシェル液とが均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕し、カシューナッツシェル液を含む褐色の樹脂組成物197.8gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:2060、軟化点:93℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.1%、遊離レゾルシン:6.5%、カシューナッツシェル液の含量:20%。
【0074】
<実施例2>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純度37%のホルマリン180.0g(2.22mol)、p−tert−ブチルフェノール30.0g(0.20mol)、o−フェニルフェノール170.0g(1.00mol)を順に加えた。その後、内温40℃まで昇温し、24%水酸化ナトリウム水溶液80.0g(0.48mol)を添加し、発熱が収まるまで攪拌した。発熱が収まったのを確認した後、内温65℃まで昇温し、同温度にて2時間反応した。
反応終了後、30%硫酸70.5g(0.22mol)、シュウ酸二水和物3.02(0.024mol)を加え0.2時間撹拌後、硫酸ナトリウム25.0gを加え0.2時間撹拌後静置し、水層を除去した。
続いてレゾルシン171.6g(1.56mol)を加え、内温110℃まで昇温し、微減圧下(92kPa)で2時間かけて脱水を行った。この間内温は115℃から118℃まで上昇した。続いて、内温125℃まで昇温し、1時間脱水(92kPa)を行った。続いて、内温140℃まで昇温し、1時間脱水(92kPa)を行った。その後、内温145〜150℃まで昇温し、1時間保温することで水を留去した。
その後、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)98.8gを加え、内温140〜150℃に保ったまま16kPaまで減圧し、褐色の樹脂組成物493gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:2231、軟化点:99℃、遊離p−tert−ブチルフェノール分:0.0%、遊離o−フェニルフェノール分:1.3%、遊離レゾルシン分:5.6%、カシューナッツシェル液の含量:20%。
【0075】
<製造例2>
製造例1において、フェノール類とホルマリンとの反応を65℃3時間とし、レゾルシンとの反応で使用したレゾルシンの量を316.8g(2.88mol)とする以外は製造例1と同様に反応を行い、褐色の共縮合樹脂769gを得た。
共縮合樹脂の平均分子量:3116、軟化点:142℃、遊離p−tert−ブチルフェノール分:0.0%、遊離o−フェニルフェノール分:1.0%、遊離レゾルシン分:5.0%。
【0076】
<実施例3>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例2で得た共縮合樹脂160.0g、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)40.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら1時間攪拌することで、共縮合樹脂とカシューナッツシェル液が均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕し、カシューナッツシェル液を含む褐色の樹脂組成物199.0gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:2884、軟化点:109℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.8%、遊離レゾルシン:4.1%、カシューナッツシェル液の含量:20%。
【0077】
<実施例4>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂135.0g、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)15.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら1時間攪拌することで、共縮合樹脂とカシューナッツシェル液が均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕し、カシューナッツシェル液を含む褐色の樹脂組成物147.2gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:2077、軟化点:112℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.2%、遊離レゾルシン:7.2%、カシューナッツシェル液の含量:10%。
【0078】
<実施例5>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂85.1g、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)4.5gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら1時間攪拌することで、共縮合樹脂とカシューナッツシェル液が均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕し、カシューナッツシェル液を含む褐色の樹脂組成物88.3gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:2184、軟化点:120℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.2%、遊離レゾルシン:7.5%、カシューナッツシェル液の含量:5%。
【0079】
<実施例6>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例2で得た共縮合樹脂140.0g、工業用カシューナッツシェル液(TAN HOA HOP PHAT Co.,Ltd製 CNSL)(常温で油状)60.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら1時間攪拌することで、共縮合樹脂とカシューナッツシェル液が均一になるように混合した。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却し、乳鉢で粗砕し、カシューナッツシェル液を含む褐色の樹脂組成物198gを得た。
カシューナッツシェル液を含む樹脂組成物の平均分子量:3187、軟化点:109℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:0.7%、遊離レゾルシン:3.6%、カシューナッツシェル液の含量:30%。
【0080】
<比較例1>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂45.0g、ナフテン系プロセスオイル5.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合樹脂との相溶性が悪く、プロセスオイルの一部が分離したままであった。その後、金属製バット上に取り出し、分離したナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物49.5gを得た。分析・評価には分離したオイルの無い部分を選択して用いた。
ナフテン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:1898、軟化点:124℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.5%、遊離レゾルシン:7.3%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
【0081】
<比較例2>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂45.0g、パラフィン系プロセスオイル5.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したが、共縮合樹脂との相溶性が悪くプロセスオイルの一部が分離したままであった。その後、金属製バット上に取り出し、分離したパラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物49.2gを得た。分析、評価には分離したオイルの無い部分を選択して用いた。
パラフィン系プロセスオイルを含む樹脂組成物の平均分子量:1722、軟化点:123℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.5%、遊離レゾルシン:7.2%、プロセスオイルの含量(分離部含む):10%。
【0082】
<比較例3>
還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、製造例1で得た共縮合樹脂160.0g、ガムロジン40.0gを順に加えた。その後、内温140℃まで昇温し、内温140〜150℃で保温しながら2時間攪拌したところ、透明な樹脂液となった。その後、金属製バット上に取り出し、常温まで冷却した所、部分的に白濁が見られる、ガムロジンを含む樹脂組成物196.9gを得た。
ガムロジンを含む樹脂組成物の平均分子量:1425、軟化点:122℃、遊離p−tert−ブチルフェノール:0.0%、遊離o−フェニルフェノール:1.3%、遊離レゾルシン:7.4%、ガムロジンの含量:20%。
【0083】
以下に、上記実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた樹脂組成物の組成、軟化点、及び樹脂の均一性・ブロッキング性の評価結果を示す。なお、樹脂の均一性及びブロッキング性は以下の通り評価を行った。
【0084】
<樹脂組成物の均一性>
○:共縮合樹脂と軟化剤(カシューナッツシェル液、各オイル又はガムロジン)の相溶性が良好であり、常温で固体の均一な樹脂組成物が得られた。
×:共縮合樹脂と軟化剤の相溶性が悪く、常温で固体の均一な樹脂組成物が得られなかった。
【0085】
<樹脂組成物のブロッキング性(互着性)>
各試料を粉砕して微粉末とした後、約5gずつチャック付ポリ袋に秤とり、40℃95%RHのオーブン中で1〜3日間静置し、粒の状態を確認した。
◎:3日後までに粒同士の互着なし。粉状を保持した。
○:3日後までに固まりはできるが、容易に解すことが可能な程度。
△:3日後までに、一部の粒同士がくっついた。
×:1日後までに、粒同士がくっ付き一体となった。
【0086】
【表1】
【0087】
2.上記実施例で得られた樹脂組成物を用いたゴム組成物の製造例及び物性評価
<上記実施例で得られた樹脂組成物を含む未加硫ゴム組成物の製造>
樹脂接着剤として、上記実施例2、3、4及び6で製造した樹脂組成物、及び該樹脂組成物の物性を比較するため、従来品として市販品の樹脂接着剤であるSUMIKANOL620(田岡化学工業社製)、カシューナッツシェル液を含まない、製造例2で製造した共縮合樹脂、及びブランクとして樹脂接着剤を使用せず未加硫ゴム組成物を次の方法にて製造した。
【0088】
以下表2に示す配合に従い、まず、トーシン製加圧式ニーダーで不溶性硫黄、加硫促進剤およびメチレンドナーを除く成分を添加混合し、160℃に達した時点で排出した(工程A)。次いで、得られた混合物に、60℃に保温した関西ロール製6インチオープンロールで不溶性硫黄、加硫促進剤およびメチレンドナーを添加混合して、スチールコード被覆用ゴム組成物を調製した(工程B)。
なお、以下表3において樹脂接着剤の添加がAと記載したものについては工程Aで、Bと記載したものについては工程Bで添加した。また、特に断りのない限り、以下表2中の数値は質量部を表す。
【0089】
【表2】
【0090】
上記表2における各成分の由来は下記の通りである。
・天然ゴム:SMR−CV60
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト300」(HAF−LSグレード)
・亜鉛華:正同化学工業(株)社製亜鉛華2種
・老化防止剤:松原産業社製「Antioxidant FR」
・コバルト塩:ステアリン酸コバルト(試薬)
・不溶性硫黄:フレキシス社製「クリステックスHS OT−20」
・加硫促進剤:N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(試薬)
・メチレンドナー:バラケミカル社製「スミカノール507AP」
【0091】
<未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物のゴム物性試験>
上記の通り得られた未加硫ゴム組成物を作製後室温にて24時間放置した後、60℃に保温した関西ロール製6インチオープンロールで熱入れ、シート化し、金属板上に静置し常温まで冷却した。続いて、当該未加硫試料を用いて、ムーニー粘度試験(JIS K 6300−1:2001準拠、130℃で測定、ML(1+4))およびレオメーター試験(JIS K 6300−2:2001準拠、160℃で測定、MH、t10、t90)を実施した。
また、未加硫試料を160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、2mm厚の加硫ゴムシートを調製した。
次いで、その加硫ゴムシートから作成したゴム試験片を用い、引張試験(JIS K 6251:2010準拠、25℃で引っ張り応力 M200、破断強度Tb及び破断伸びEbを測定)、樹脂の分散性(判定基準:引張試験の試験片の表面に固形の異物が無いかどうかを目視にて確認。異物無:○、異物有:×)、および硬度の測定(JIS K 6253:2006準拠、25℃で測定)を実施した。本試験結果は、樹脂組成物を添加していないゴム組成物(比較例4)を100とし、それぞれを相対的に評価した。結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
上記表3に示す通り、実施例2,3、4及び6で得られた樹脂組成物を配合したゴム組成物は、未加硫ゴム物性試験および加硫ゴム物性試験の結果、公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等の性能を示し、樹脂組成物未添加のゴム組成物と比較し、各物性が向上することを確認した。
【0094】
更に本発明の樹脂組成物は、充填剤とゴム組成分とを混練する工程(上記A工程)で添加可能であることはもちろんのこと、A工程より低温で実施する、A工程で得られた混練物と硫黄成分、加硫促進剤とを混練する工程(上記B工程)実施時に添加しても公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等の性能を示すことが判明した(実施例9)。
【0095】
<上記実施例、製造例及び比較例で得られた樹脂組成物を含む加硫ゴム組成物の初期接着性及び湿熱接着性の評価方法及び評価結果>
【0096】
上記の通り得られた各未加硫ゴム組成物を用いて、ゴム−スチールコード複合体の試料を作製した。詳細には、真鍮メッキスチールコード(直径約0.8ミリ,3×0.20+6×0.35mm構造、銅/亜鉛=64/36(質量比)の真鍮めっき)を1本/10mmの間隔で5本を配列したものの両面を、上記各未加硫ゴム組成物からなる約2ミリ厚の未加硫ゴムシートを用いて被覆し、このコードを平行になるように積層した剥離接着試験用の未加硫試料を作製した。得られた未加硫試料を用いて、初期接着性と湿熱接着性を下記方法により評価した。
【0097】
<初期接着性>
上記未加硫試料を作製後、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、5本のスチールコードを1cm挟んだ1cm×1cm×6cmの直方体のゴム片を得た。本ゴム片を島津製作所(株)製オートグラフ「AGC−X」を用いて1本毎にスチールコードの引抜試験を行い、100ミリ/分で垂直方向に引き抜く際の応力をゴム引抜強度(kgf)として測定した。また、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】
上記表4で示す通り、カシューナッツシェル液を含まない、製造例2で製造した共縮合樹脂を樹脂接着剤として使用した場合、引張強度が樹脂接着剤を使用していない比較例4よりも劣ることが判明した。この結果は、ゴム組成物の凝集力が低下し、樹脂接着剤としての性能が発揮されないことによるものと推察される。
【0100】
<湿熱接着性(湿熱老化後の接着性)>
上記未加硫試料を作製し、室温にて24時間放置した後、160℃6MPaで加圧下、t90+5分の条件で加硫し、加硫した試験片を80℃×95%RHの蒸気内で7日間、20日間放置した後、上記初期接着性と同様の引抜試験を行い、引抜強度変化率及び引抜後のスチールコードのゴム被覆率を測定した。
引抜強度変化率とは、初期値の引張強度を100とした場合の変化率(湿熱老化後の引張強度/湿熱老化前の引張強度×100)であり、引抜後のスチールコードのゴム被覆率は、引抜後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。
なお、上記測定、評価はN=10(本)で実施し、平均値を求めた。結果を以下表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】
上記表5に示す通り、実施例2、3、4及び6で得られた樹脂組成物を配合したゴム組成物は、樹脂接着剤未添加のゴム組成物と比較して、湿熱老化後であってもゴムースチールコード接着力が大きく改善し、また、公知の樹脂接着剤「SUMIKANOL620」と同等以上の性能を示すことが判明した。