【0019】
界面活性剤及び乳化剤は典型的に、合計モノマーに対し約0.02〜約1.0重量%の量で使用される。好ましくは、これらは合計モノマーに対して約0.05〜約0.5重量%の量で使用される。界面活性剤は、取扱いの便宜上水溶液中等の溶液中で使用されてよい。本発明において有用な界面活性剤には、式X(CF
2)
nCOOMの酸の塩等のフッ素系界面活性剤〔なお式中、Xは水素又はフッ素、Mはアルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム(例えば炭素原子1〜4個のアルカリアミン)、又は第四アンモニウムイオンであり、nは6〜20の整数である〕;式X(CF
2)
nCH
2OSO
3Mのポリフルオロアルカノールの硫酸エステル(なお式中、X及びMは上述の通りである);及び例えばペルフルオロオクチルスルホン酸カリウム中の式CF
3(CF
2)
n(CX
2)
mSO
3Mの酸の塩(なお式中X及びMは上述の通りであり、nは3〜7の整数、mは0〜2の整数である)が含まれる。フッ化ビニリデン重合における中性ペルフルオロポリエーテルと組合せたペルフルオロポリエーテルカルボキシレートのマイクロエマルジョンの使用は、欧州特許第0816397A1号明細書及び欧州特許第722882号明細書中に見出すことができる。本発明に関して有用な界面活性剤は同様に、例えば3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸塩、ポリビニルホスホン酸、ポリアクリル酸類、ポリビニルスルホン酸及びそれらの塩、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール及びそれらのブロックコポリマー、アルキルホスホン酸塩又はシロキサン系界面活性剤を含む非フッ素化界面活性剤に由来するものでもよい。
【0025】
これらの特性のためVDF/TetFPコポリマーは、数多くの用途のための優れた候補となっている。当業者であれば、本出願中で提供されている特性及び実施例の一覧に基づき、数多くの用途を想像することができると思われる。有用な一部の用途としては、次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:
1. 高透明度フィルム。これらのフィルムは、レンズ及びその他の光学機器全体に設置されて優れた化学的防護及び汚れ脱落性を提供する。
2. 高温で可撓性のある透明チューブ。
3. 同様に、高い融点、光学透明度及び耐薬品性のため、これらのコポリマーは、透明で透視性のあるの工業用窓、ガラス(glasses)、パイプ及び液面表示装置(level indicator)にとって理想的なものとなっている。
4. ソーラーパネル、圧電用途及びコンデンサ用等の特殊フィルム。
5.燃料電池膜。それらは、VDF−HFPコポリマーに類似の機械的性質を有しながらも、電極アセンブリにおける耐クリープ性に有用な、更に高い融点を保持している。
6. 透明で強靱なコーティング。
7. コポリマーの高い溶融強度に起因する、強靭なフィルム及び大型ブロー成形体(blown objects)。
【実施例】
【0026】
比較例1
この例は、フッ化ビニリデン−3,3,3−トリフルオロプロペンコポリマーの調製方法を教示する。
【0027】
1リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、700gの脱イオン水、1gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを含む界面活性剤水溶液100g及び0.5gの顆粒状パラフィンろうを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを4回行なった後、90rpmで撹拌を始め、反応装置を100℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約106gのフッ化ビニリデン及び14.8gの3,3,3−トリフルオロプロペンを反応装置内に投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に177.9gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の2.0重量%の過硫酸カリウムと2.0重量%の酢酸ナトリウムであった。反応量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、フッ化ビニリデン−3,3,3−トリフルオロプロペン共重合を続行した。66分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計397gのフッ化ビニリデン及び56.8gの3,3,3−トリフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に20分間続行した。開始剤の合計使用量は206.4gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に10分間90rpm及び100℃での撹拌下に保った。その後反応装置を50℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出した。更に10分間、反応装置をこの温度で保持した。温度を25℃まで降下させ、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は31.6重量%であった。オーブン乾燥により、ポリマーを単離した。フッ素NMRにより3,3,3−トリフルオロプロペン含有量を11.3重量%と測定した。DSCにより測定されたコポリマーの結晶化度は31.5%であった。
【0028】
実施例2
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、700gの脱イオン水及び4gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、83rpmで撹拌を始め、反応装置を110℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約123gの(フッ化ビニリデン)VDF及び25gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを反応装置内に投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に15.6gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の2.0重量%の過硫酸カリウムと2.0重量%の酢酸ナトリウムであった。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。15分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計241gのVDF及び43gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に15分間続行した。開始剤の合計使用量は38.6gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に15分間83rpm及び110℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出して、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は27.5重量%であった。オーブン乾燥により、ポリマーを単離した。フッ素NMRにより2,3,3,3−テトラフルオロプロペン含有量を11.5重量%と測定した。DSCにより測定されたコポリマーの結晶化度は33.9%であった。
【0029】
実施例3
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、700gの脱イオン水及び4gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、83rpmで撹拌を始め、反応装置を110℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約107gのVDF及び36gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを反応装置内に投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に8.5gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の2.0重量%の過硫酸カリウムと2.0重量%の酢酸ナトリウムであった。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。40分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計239gのVDF及び80gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に15分間続行した。開始剤溶液の合計使用量は30.5gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に15分間83rpm及び110℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出し、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は27.5重量%であった。オーブン乾燥により、ポリマーを単離した。フッ素NMRにより2,3,3,3−テトラフルオロプロペン含有量を24.4重量%と測定した。DSCにより測定されたコポリマーの結晶化度は15.9%であった。
【0030】
実施例4
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、700gの脱イオン水及び4gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、83rpmで撹拌を始め、反応装置を83℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約140gのVDF及び28gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを反応装置内に投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に10gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の0.5重量%の過硫酸カリウムと0.5重量%の酢酸ナトリウムであった。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。164分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計260gのVDF及び47gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に15分間続行した。開始剤溶液の合計使用量は28gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に15分間83rpm及び83℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出し、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は11.1重量%であった。
【0031】
実施例5
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、700gの脱イオン水及び4gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、83rpmで撹拌を始め、反応装置を83℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約151gのVDF及び23gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを反応装置内に投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に46.3gのジ−N−プロピルペルオキシジカーボネート(NPP)開始剤エマルジョンを添加して重合を開始した。開始剤エマルジョンは、NPPが3.2重量%そしてペルフルオロオクタン酸アンモニウムが0.06重量%であった。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。120分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計275gのVDF及び43gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に30分間続行した。合計開始剤エマルジョン使用量は128gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に10分間83rpm及び83℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出し、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は19.6重量%であった。
【0032】
実施例6
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、1000gの脱イオン水及び5gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、94rpmで撹拌を始め、反応装置を110℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約80gのVDFを投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に8.7gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の0.5重量%の過硫酸カリウムと0.5重量%の酢酸ナトリウムであった。開始直後にVDFと2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含むモノマー混合物を反応装置内に補給した。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。120分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計273gのVDF及び22gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に20分間続行した。開始剤の合計使用量は22.2gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に10分間94rpm及び110℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出し、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は17.6重量%であった。
【0033】
実施例7
2リットル入りのステンレス鋼製反応装置内に、1000gの脱イオン水及び5gのペルフルオロオクタン酸アンモニウムそして3.5gの純粋酢酸エチルを投入した。反応装置をヘリウムを用いて40psiまで加圧し減圧するサイクルを5回行なった後、96rpmで撹拌を始め、反応装置を110℃まで加熱した。反応装置の温度が所望の設定点に達した後、約106gのVDFを投入することによって、反応装置の圧力を650psiまで上昇させた。反応装置の圧力が安定化した後、反応装置に6.7gの過硫酸カリウム/酢酸ナトリウム溶液を添加して重合を開始した。開始剤溶液は、脱イオン水中の0.5重量%の過硫酸カリウムと0.5重量%の酢酸ナトリウムであった。開始直後にVDFと2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含むモノマー混合物を反応装置内に補給した。反応質量中に所望の量のモノマーが導入されるまで、VDF−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン共重合を続行した。210分後にモノマーの補給を停止し、この時点で合計305gのVDF及び25.1gの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが反応装置内に投入された。開始剤の補給を、更に20分間続行した。開始剤の合計使用量は44.6gであった。この時点で、開始剤の補給を停止し、反応装置を更に15分間94rpm及び110℃での撹拌下に保った。その後反応装置を35℃まで冷却し、余剰のモノマーを放出し、ラテックスを回収した。重量測定法で測定したラテックスの固体含有量は17.0重量%であった。
【0034】
実施例8(比較例)
ポリ(1−ビニルフェニル−2,4−ジスルホン酸−コ−ビニルベンジルアルコール)多価電解質及びKYNAR2801(商品名、10w%のHFPを含むHFPとVDFのコポリマー)の配合物から膜を作製した。多価電解質は米国特許出願第61/179128号明細書に記載されている通りに製造した。多価電解質は、スルホン酸化したポリスチレン標準から構築された汎用較正曲線を用いて35℃で0.10MのNaNO
3を伴う水の移動相を使用してGPCにより決定されるように、200kg/moleの重量平均分子量と2.7の多分散性とを有していた。多価電解質は、プロトンNMRにより決定されるように、78mole%の1−ビニルフェニル−2,4−ジスルホン酸及び22mole%のビニルベンジルアルコールを含んでいた。
【0035】
7.12重量%の多価電解質水溶液160gを54.8重量%の水酸化テトラブチルアンモニウム(Sachem Inc製)27.74gと組合せた。溶液をおよそ30分間撹拌し、その後102.26gの1−メチル−2−ピロリジノン(バイオ合成グレード溶媒、EMD Chemicals製)を添加した。ロータリーエバポレータを用いて溶液中の水を除去して、1−メチル−2−ピロリドン中の多価電解質溶液を生成した(溶液は20重量%の多価電解質を含んでいた)。
【0036】
多価電解質/1−メチル−2−ピロリジノン溶液10.95gを15重量%のKYNAR2801/1−メチル−2−ピロリジノン溶液27.16gと組合せた。0.6631gのTRIXENE BL7982(商品名)及び0.0434gのFASCAT4202(商品名)もこの溶液に添加した。TRIXENE BL7982は、Baxenden Chemicals Co.Ltd製の3,5−ジメチルピラゾールでブロック化されたイソシアネートである。FASCAT4202は、Arkema Inc製のオルガノチン触媒である。およそ60分間溶液をオーバーヘッド撹拌器を用いて混合して、均質な溶液を生成した。
【0037】
Mathis LTE Labdryer(商品名)を用いて、その溶液をキャストして膜を作製した。おおよそ15×12インチの寸法をもつ厚み2ミルのアルミホイルをキャスト用基材として使用した。ホイル上に約15gのポリマー溶液を広げ、ドクターブレードを用いて約300ミクロンの湿潤フィルム厚まで薄くした。結果として得た湿潤フィルムを次に6分間210℃に加熱した。オーブンブロワを2000RPMに設定した。その後乾燥膜をオーブンから取出し、室温まで冷却した。乾燥した膜の厚みは25〜30ミクロンであった。
【0038】
温かい脱イオン水に浸漬することによってアルミホイル基板から膜を剥離した。その後、膜を1Mの塩酸水溶液3000g中でプロトン化した。18MΩの脱イオン水及びEMD Chemicals製の濃塩酸(OminiTraceグレード)を用いて酸性溶液を調製した。酸浴は、周囲温度から86℃までおよそ75分間にわたって加熱した。その後、およそ45分間、浴をこの温度範囲内に保った。その後、18MΩの脱イオン水中で膜を洗浄し、1Mの硫酸3000gの中に浸漬した。18MΩの脱イオン水及びEMD Chemicals製の濃硫酸(OminiTraceグレード)を用いて酸性溶液を調製した。酸浴は、周囲温度から82℃までおよそ75分間にわたって加熱した。その後、およそ45分間、浴をこの温度範囲内に保った。硫酸浴から膜を取り出し、18MΩの脱イオン水で洗浄して残留酸を除去した。その後室温で酸性型膜を乾燥させた。膜はDSCにより128℃のピーク融点温度を有していた。
【0039】
実施例9
実施例8に類似の膜を、ポリ(1−ビニルフェニル−2,4−ジスルホン酸−コ−ビニルベンジルアルコール)多価電解質及び約15重量%のテトラフルオロプロペンを含むVDFとTFPのコポリマーの配合物から作ることができる。多価電解質は実施例11で記述されたものと同じ材料である。実施例8中で調製された多価電解質/1−メチル−2−ピロリジノン溶液をこの実施例において使用することもできる。
【0040】
多価電解質/1−メチル−2−ピロリジノン溶液10.95gを15重量%のKYNAR2801/1−メチル−2−ピロリジノン溶液27.18gと組合せる。溶液には0.6897gのTRIXENE BL7982及び0.0461gのFASCAT4202も添加する。60分間オーバーヘッド撹拌器を用いて溶液を混合し、均質な溶液を生成する。
【0041】
実施例8に記述されている方法を用いて、溶液をキャストして膜を得る。乾燥した膜の厚みは約25〜30ミクロンである。
【0042】
温かい脱イオン水中に浸漬することによってアルミホイル基板から膜を剥離し、実施例8に記述されているものと同じ手順を用いて酸性化させる。
本発明は一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
0.5〜60重量%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(TetFP)モノマー単位と40〜99.5重量%のフッ化ビニリデンモノマー単位を含むコポリマー組成物。
(発明2)
2〜40重量%のTetFPモノマー単位を含む、発明1に記載のコポリマー。
(発明3)
ヘイズレベルが30%未満であり、合計白色光透過率が85%を超える、発明1又は2に記載のコポリマー。
(発明4)
前記コポリマーが、分岐状であって、少なくとも5%の分岐を有する、発明1〜3いずれか1つに記載のコポリマー。
(発明5)
レンズ及びその他の光学装置のための被覆物としてのフィルム;高温で可撓性のある透明チューブ;透明で透視性のある産業用窓、ガラス、パイプ、及び液面表示装置;ソーラーパネル用途、圧電用途、及びコンデンサー用途のための特殊フィルム;燃料電池膜、透明で強靱なコーティング、ならびに大型ブロー成形物体;からなる群より選択される構造を有する、発明1〜4いずれか1つに記載のコポリマー。