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特開2017-82358造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-82358(P2017-82358A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品
(51)【国際特許分類】
   A41G 1/00 20060101AFI20170414BHJP
【FI】
   A41G1/00 B
   A41G1/00 W
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-212451(P2015-212451)
(22)【出願日】2015年10月29日
(71)【出願人】
【識別番号】515163988
【氏名又は名称】佐谷 静玲
(74)【代理人】
【識別番号】100091591
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 秀人
(72)【発明者】
【氏名】佐谷 静玲
(57)【要約】      (修正有)
【課題】型崩れしにくく、簡単な方法により製作でき、経年劣化のない造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品を提供する。
【解決手段】装飾された針金6の中央部を曲げ成形して花弁枠や葉枠の内側にシート状物を接着等によって設けて花弁2や葉3等を成形する。前記針金6の端部をまとめて捩り合わせて花弁2や葉3等を組み合わせて造花1を形成する。針金6のまとめられた端部を適宜な長さに切断し曲げ成形する等して用途に応じた装飾用支持具を取り付けて、該造花1を装飾用として使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾用帯体が螺旋状に巻き付けられて装飾された針金の中央部を花弁の外形形状に曲げて成形された花弁枠を備え、
前記花弁枠にシート状物が張設された複数個の花弁が前記針金のそれぞれの端部で束ねられ、これら花弁が組み合わせされて形成されていることを特徴とする造花。
【請求項2】
必要に応じて葉枠やガク枠、任意形状の部位枠に形成された枠体を備え、それぞれの枠体にシート状物が張設されて形成された葉やガク、部位が前記花弁枠と共に組み合わされていることを特徴とする請求項1に記載の造花。
【請求項3】
前記花弁枠と葉枠、ガク枠、部位枠とには、必要に応じて補強用針金が掛け渡されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の造花。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかにおける造花の前記針金の端部に装飾用支持具が取り付けられていることを特徴とする造花を用いた装飾品。
【請求項5】
針金に螺旋状に装飾用帯体を巻き付けて装飾し、
複数本の前記針金のそれぞれの中央部を曲げ成形して花弁の外形形状に形成した花弁枠を形成し、
前記花弁枠にシート状物を張設させて、花弁を形成し、
前記花弁を形成した針金のそれぞれの端部を束ねて、前記花弁を組み合わせて形成することを特徴とする造花の製作方法。
【請求項6】
必要に応じて葉枠やガク枠、任意形状の部位枠に形成された枠体を形成し、それぞれの枠体にシート状物が張設されて形成された葉とガク、部位が前記花弁と共に組み合わされていることを特徴とする請求項5に記載の造花の製作方法。
【請求項7】
前記花弁枠と葉枠、ガク枠、部位枠とには、必要に応じて補強用針金を掛け渡して前記シート状物を設けることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の造花の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コサージュや髪飾り等の装飾品を製作するための造花と造花の製作方法、その造花を用いた装飾品に関する。
【背景技術】
【0002】
婦人服の胸部や肩に着けられる装飾品であるコサージュは、生花や造花で製作されている。あるいは、この種の造花をブレスレットや髪飾りに用いられるものがある。生花で製作されたものは時間の経過と共にしおれるため、原型を失って、装飾品としての価値が損なわれてしまうおそれがある。一方、造花によるものでは、しおれて原型を失うことがなく長期の使用に耐えることができる。
【0003】
従来のこの種の造花は、紙や布、不織布、合成樹脂のシートなどが素材とされて、花弁やガク、葉が形成されて、花の形に組み合わせられている。
【0004】
例えば,特許文献1には、複数層の花びらをシルク素材などの布素材を花びらの形状に裁断して組み合わされて形成された大輪のバラの造花が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、バラの造花によるコサージュについて、布、紙、樹脂等からなる花びらに樹脂等からなる茎を取り付けてなる構成が開示されており、この茎には金属製細線の外周を被覆材で被覆したものが用いられる構成が開示されている。
【0006】
一方、自然の外観又は趣をかもし出せるように実際の植物を使用された装飾品として、特許文献3には、花びら、花芯、がく又は葉を模った装飾部を有する装飾品であって、前記装飾部の少なくとも一部は孟宗竹の皮を用いて形成されている装飾品が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、芯体として針金を使用し、これに肉付けとして紙あるいは布を巻き付けて枝、幹部分を形成し、これに枝、葉及び花等を設け、これらの枝、幹部分の表面を発泡インキで着色したこ造花が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−302819号公報
【特許文献2】特開2000−136417号公報
【特許文献3】特開2014−218753号公報
【特許文献4】特開平10−72718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した特許文献1には布素材を用いたバラの花が、特許文献2には花びらが布、紙、樹脂等からなるバラの造花が開示されている。これらの花びらは、布や紙、樹脂等からなるものであるため、素材自体にはいわゆるコシがなく、可撓性を有しているため容易に変形してしまうおそれがある。そのため、特許文献1に係る造花では花びら全体にインクが塗布されており、引用文献2に係るコサージュでは、造葉等の裏面に金属製細線による茎が取り付けられて、花びら等が変形しないようにしてある。
【0010】
また、引用文献3に開示された装飾品では、花びらと葉とを孟宗竹の筍の皮を用いているため、燻煙や竹酢液への浸漬、乾燥等の工程を天然素材による風合いを有しながら花びら等の変形を抑制するようにしている。
【0011】
また、引用文献4に開示された造花の製造方法では、芯体として針金を使用して紙等を巻き付けて装飾し、これに葉や花を印刷して紙に発泡インキでコーティングしたものが前記針金に設けられたものであり、インキをコーティングすることによって葉や花が容易に変形しないようにされている。
【0012】
これら引用文献1〜4に開示された造花では、花びらや葉の素材に加工を施すことによって変形を防ぐものであるから、例えば、胸部にコサージュを着けた婦人とすれ違った他人がコサージュに接触した場合には、型崩れしてしまうおそれがあり、以後は見栄えの悪いコサージュとなってしまうおそれがある。また、インキで着色したりコーティングしたりするため、乾燥等の工程を要することになり、製作に時間を要している。
【0013】
そこで、この発明は、外部からの力が加えられた場合でも容易に変形することがなく、また、インキ等を塗布することなく素材の特徴を生かした造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る造花は、装飾用帯体が螺旋状に巻き付けられて装飾された針金の中央部を花弁の外形形状に曲げて成形された花弁枠を備え、前記花弁枠にシート状物が張設された複数個の花弁が前記針金のそれぞれの端部で束ねられ、これら花弁が組み合わせされて形成されていることを特徴としている。
【0015】
装飾された針金の中央部が曲げ成形されて花弁の形状の花弁枠が形成され、この花弁枠に紙や布、不織布、合成樹脂等のシート状物を接着剤による接着や熱溶融させて溶着させることにより、該花弁枠の内側部分にシート状物を緊張させて設けることで花弁が形成される。適宜本数の花弁のそれぞれの針金の端部が束ねられて花弁が組み合わされて造花が完成する。
【0016】
前記針金は、細幅のテープ状に形成した装飾用帯体を螺旋状に巻き付け装飾することが好ましい。また、造花の大きさ等に応じて針金の太さを異ならせることができる。また、この装飾用帯体には、花弁を形成する前記シート状物と同じ素材を用いても、異なる素材を用いても構わない。同じ素材であれば、装飾されたこの針金と花弁とに一体感が存することとなって好ましい。なお、針金の装飾は帯体を巻き付ける以外の方法であっても構わないが、帯体を巻き付けることによって不規則性が出現するので美的外観にとって好ましい。
【0017】
また、請求項2の発明に係る造花は、必要に応じて葉枠やガク枠、任意形状の部位枠に形成された枠体を備え、それぞれの枠体にシート状物が張設されて形成された葉やガク、部位が前記花弁枠と共に組み合わされていることを特徴としている。
【0018】
例えば、スズランの花のような小型の造花では、花弁のみで構成することで構わないが、バラ等の中型から大型の造花では、花弁の他に葉やガク等を配することがこれらの花に模されるので好ましい。このため、この種の造花では、花弁のみならず葉やガク等を組み合わせるようにしたものである。
【0019】
すなわち、装飾された針金の中央部を葉の形状の葉枠やガクの形状のガク枠、任意形状の部位枠等が形成され、この葉枠やガク枠等に紙や布、不織布、合成樹脂等のシート状物を接着剤や熱溶融させて該葉枠の内側部分にシート状物を付着させ、張設することで、葉やガクが形成される。
【0020】
また、請求項3の発明に係る造花は、前記花弁枠と葉枠、ガク枠、部位枠とには、必要に応じて補強用針金が掛け渡されていることを特徴としている。
【0021】
前記花弁や葉、ガク等は針金を曲げ成形させた花弁枠や葉枠、ガク枠等とにより形成されているため、枠の部分の針金を適宜に変形させることにより、花弁や葉、ガク等を自然な花や葉、ガク等の如き形状に変形させることができるが、変形させた形状が維持されるように補強用針金を掛け渡したものである。
【0022】
また、請求項4の発明に係る装飾品は、前記造花の針金の端部に装飾用支持具が取り付けられていることを特徴とする造花を用いた装飾品。
【0023】
例えば、安全ピンやヘアバンド、コーム、手首用の環状のバンド等の装飾用支持具を前記針金の端部に取り付けることによりコサージュや髪飾り等の装飾品として利用するようにしたものである。
【0024】
また、チェーン等に連結させることによりネックレスとしたり、耳朶への止め金具を連繋させてイヤリングとしたり、ハンドバッグ等のバッグ類や帽子、ベルト等を製作する。
【0025】
また、請求項5の発明に係る造花の製作方法は、針金に螺旋状に装飾用帯体を巻き付けて装飾し、複数本の前記針金のそれぞれの中央部を曲げ成形して花弁の外形形状に形成した花弁枠を形成し、前記花弁枠にシート状物を張設させて、花弁を形成し、前記花弁を形成した針金のそれぞれの端部を束ねて、前記花弁を組み合わせて形成することを特徴としている。
【0026】
針金に細幅のテープ等の装飾用帯体を巻き付けて、該針金を装飾する。この装飾された針金の中央部を花弁の形状に曲げ成形して花弁枠を形成する。この花弁枠に紙や布、不織布、合成樹脂等のシート状物を張設する。このシート状物を花弁枠に設けるには、接着剤を用いて接着させたり、熱溶融させて溶着させたり、シート状物の素材に応じた手段によって設ける。なお、シート状物を設けるのに先立って、花弁枠を花弁に模した形状に変形させておく。
【0027】
前記花弁枠にシート状物を設けて形成した花弁の複数個を針金の端部で束ねることで、前記花弁により造花が形成される。
【0028】
また、請求項6の発明に係る造花の製作方法は、必要に応じて葉枠やガク枠、任意形状の部位枠に形成された枠体を形成し、それぞれの枠体にシート状物が張設されて形成された葉とガク、部位が前記花弁と共に組み合わされていることを特徴としている。
【0029】
花の形態によっては花弁のみではなく、葉やガク等を配することが好ましいので、花弁枠と同様に外形形状を葉やガク、あるいは任意形状に針金を曲げ成形して葉枠等を形成し、この葉枠等にシート状物を張設することで、葉やガク等を形成する。これら葉やガク等を前記花弁と共に組み合わせることで造花が製作される。
【0030】
また、請求項7の発明に係る造花の製作方法は、前記花弁枠と葉枠、ガク枠、部位枠とには、必要に応じて補強用針金を掛け渡して前記シート状物を設けることを特徴としている。
【0031】
花弁や葉、ガク等が変形することを防止するため、花弁枠等に補強用針金を掛け渡したものである。
【発明の効果】
【0032】
この発明に係る造花、または請求項5の発明に係る造花の製作方法によれば、簡単な手順で造花を製作することができる。また、花弁が針金で形成されているため、該花弁の形状が確実に維持されて、変形等がなく、装飾品として利用する場合の価値が損なわれるおそれがない。また、花弁枠に設けるシート状物の素材や柄等を変更することにより異なった趣きの造花とすることができる。また、用いられるシート状物の素材によって軽量化を図れて、髪飾り等の頭飾品等とする場合に重さを感じることなく、違和感のない装飾品とすることができる。あるいは、シート状物の素材によって色彩等が異なることにより、等しい形状の造花であっても趣きを容易に異ならせることができる。
【0033】
また、請求項2の発明に係る造花、または請求項6の発明に係る造花の製作方法によれば、大型の花弁を有する造花を確実に模したものとすることができる。
【0034】
また、請求項3の発明に係る造花、または請求項7の発明に係る造花の製作方法によれば、大型の花弁や葉等であっても変形することが確実に防止される。
【0035】
また、請求項4の発明に係る造花を用いた装飾品によれば、コサージュやブレスレット、髪飾り等を容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】この発明に係る製作方法により製作された造花をスケッチした正面図でる。
図2】この発明に係る造花の製作方法を説明する図で、針金に装飾用帯体により装飾を施す工程の一例を示す図である。
図3】装飾された針金により花弁枠または葉枠を形成する工程の好ましい一例を示す図である。
図4】針金で形成された花弁枠等の正面図であり、異なる形状のものの一例を示してあり、(a)に花弁枠を(b)に葉枠を示している。
図5】針金で形成された花弁枠等の正面図であり、異なる形状のものの一例を示してあり、(a)に補強用針金を配した花弁枠を、(b)に補強用針金を配していない花弁枠を示している。
図6】針金で任意の形状に形成された枠の正面図であり、異なる形状のものの一例を示してあり、(a)にS字形に形成した部位枠を、(b)にF字形に形成した部位枠を示している。
図7】針金で形成された花弁枠等にシート状物を設ける工程を示しており、図5に示す花弁枠等に設ける場合を示している。
図8】花弁枠等にシート状物を張設した状態を示しており、異なる形状のものの一例で、図4に示す花弁枠等を示している。
図9】花弁枠等にシート状物を張設させた状態を示しており、異なる形状のものの一例で、図5に示す花弁枠等を示している。
図10】任意の形状に形成された枠にシート状物を張設させた状態を示しており、図6に示す枠を示している。
図11】花弁や葉とが組み合わされた状態の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る造花とその製作方法とを説明する。
【0038】
図1にはこの発明に係る造花1の正面のスケッチであり、バラの造花1を例示してある。この造花1は、後方から前方に掛けて徐々に拡開する花弁2が配され、後部には葉3と任意形状の部位4が配されて構成されている。また、必要に応じて花を構成するガク等も配する。
【0039】
前記花弁2と葉3、部位4の形状や必要に応じて形成されたガク等の形状は、いずれも装飾が施された針金6を曲げ成形して形成されている。
【0040】
前記針金6へ装飾を施すには、図2に示すように、例えば芯となる芯針金6aに細幅の装飾用帯体6bを螺旋状に巻き付けて、接着剤等によって固定することによる。この装飾が施された針金6で前記花弁2や葉3、部位4その他ガク等の外形を形成するように曲げ成形する。前記装飾用帯体6bには、細幅のリボン等を用いることで作業が容易となり、また、リボンの裏面に予め両面接着テープを貼付させれば、針金6への固定がより容易となって好ましい。また、必要に応じてさらに細幅に切断することで、針金6の太さに応じて確実に巻き付けることができる。なお、針金6に装飾を施す方法は、他の方法であっても構わない。
【0041】
針金6を曲げ成形する場合に、花弁2や葉3、部位4によって造花1を製作する場合に、該造花1を形成するのに適した大きさとなるように、例えば、図3に示すように、円筒状の造形体7に巻回させて針金6の中央部に円形となる部分を形成する。この円形の部分を、図4図5に示すように花弁2や葉3の外形形状となるよう形成して花弁枠2aや葉枠3aや、あるいは図6に示すようにS字形やF字形等のアルファベット、数字、ハート型等その他の任意の形状の部位枠4aに形成する。なお、これらの枠体2a、3a、4aの針金6の両端部は適宜に捩り合わせて花弁枠2a等の形状が維持されるようにする。また、造形体7の大きさは、製作する花の大きさに応じた外径のものを使用し、例えば、イヤリングのような小物の装飾品用の造花では小さい外径のものを、大輪の花では大きな外径のもの等のように、製作する対象に応じた大きさとしたり、あるいは、花の部位によっても異なる大きさの造形体7を用いても構わない。
【0042】
また、前述したように拡開された花弁2や葉3には、図4(a)、(b)と図5(a)に示すように、花弁2等の外形形状に形成された状態で、その形状が維持されるように、中央部に補強用針金8の中央部を掛け渡してあり、該補強用針金8の端部は前記花弁枠2a等を形成した針金6の端部と捩り合わせてある。
【0043】
次に、前記花弁枠2aと葉枠3a、部位枠4aのそれぞれに、シート状物10を設ける。図7に示すように、花弁枠2aと葉枠3a等に設けるべきシート状物10の材質に応じた接着剤等を塗布し、これらの枠2a、3aよりも大きめに裁断したシート状物10に載置させる。このとき、該シート状物10が適宜に緊張された状態となるよう拡げた状態とする。なお、図7図5(a)、(b)に示す花弁枠2aと葉枠3aについて示してあるが、図4に示す花弁枠2aと葉枠3aや図6に示す任意形状の部位枠4aについても同様である。また、材質に応じて熱溶融させて溶着させることによりシート状物10を花弁枠2a等に設けたり、あるいは、縫製によって設けることもできる。
【0044】
前記シート状物10には、紙や布、不織布、合成樹脂等の素材を用いることができるが、特に和紙を用いる場合、和紙の持つ風合い等を利用する事が出来て好ましい。また、不織布のうちの特に薄手のものの中には反対側が透けて見えるものがあり、この種の透けて見える不織布を用いる場合には、該シート状物10を形成する繊維が視認できて、例えば、葉3に用いる場合恰も葉脈が浮き出ているように見えて好ましい。
【0045】
前述したように、花弁枠2a等に接着されたシート状物10を花弁枠2aの外周縁に沿って裁断して、図8図10に示すように、花弁2や葉3、部位4を製作する。
【0046】
製作された花弁2や葉3、部位4その他必要に応じて形成されたガクのそれぞれの針金6の端部を、これら花弁2や葉3、部位4の位置が適宜な位置となるようにして捩り合わせてまとめて、これら花弁2等を組み合わせる。組み合わせた花弁2や葉3、部位4その他ガク等を適宜な形状に曲げ成形しながら、造花1の形状に整える。造花1の後方には葉3を、該葉3の前側には大きく拡開させた花弁2を、前側に位置する花弁2を徐々に閉じるように曲げて成形し、最前部に位置する花弁2は筒状に近い形状に曲げ成形させることにより図1に示すような、バラの造花1を完成させる。また、前記部位1は、例えばこの造花1の制作者のアルファベットに形成して、造花1の最後部に配する。
【0047】
花弁2と葉3、部位4を組み合わせて形成された状態の造花1の背面を図11に示してあり、前記針金6が長尺のままの状態でまとめられている。この針金6をこの造花1の用途に応じて適宜長さに切断し曲げ成形して図示しない装飾用支持具、例えば、コサージュとして使用する場合には曲げ成形された部分に安全ピンやクリップ、台座にクリップと安全ピンが取り付けられたダブルコサージュピンやブローチピン等を取り付けたり、髪飾りとして使用する場合には櫛状のコームやヘアバンド等を取り付けたり、あるいはブレスレット用に手首に装着する環状のバンドに取り付けることにより、所望の用途に利用することができる。あるいは、帽子状の台枠に前記針金6を介して取り付けて帽子としたり、ハンドバッグ等の枠に針金6を介して取り付けてバッグ類としたり、ベルトの台部材に取り付けてベルトとしたりと、種々の装飾品を製作することができる。すなわち、用途に応じて適宜な取付用金具を用いて装飾用支持具とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
この発明に係る造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品によれば、型崩れがなく、任意の形状の花弁を有する造花を簡便に製作して提供でき、装飾のための造花の普及に寄与する。
【符号の説明】
【0049】
1 造花
2 花弁
2a 花弁枠
3 葉
3a 葉枠
4 部位
4a 部位枠
6 針金
6a 芯針金
6b 装飾用帯体
7 造形体
10 シート状物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11