【解決手段】内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤10であって、容器は、容器本体11と中蓋体12と外蓋体13とからなり、上記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第1の成分20と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第2の成分21とからなり、第1の成分20と第2の成分21は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせであり、容器本体11には、第1の成分20が収容されており、中蓋体12には、第2の成分21が収容されており、容器本体11と中蓋体12との間には、第120の成分又は第2の成分21の移動を防止する仕切り14が設けられているカートリッジ洗浄剤10。
内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、
前記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、
前記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第1の成分と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第2の成分とからなり、
前記第1の成分と前記第2の成分は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせであり、
前記容器本体には、前記第1の成分が収容されており、
前記中蓋体には、前記第2の成分が収容されており、前記容器本体と前記中蓋体との間には、前記第1の成分又は前記第2の成分の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とするカートリッジ洗浄剤。
前記中蓋体は、噴射水を通過させるための貫通孔が形成されるとともに、前記第2の成分を載置するための載置部を備え、前記戴置部には、洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成されるとともに、前記第2の成分を前記中蓋体の内部に保持するための前記載置部を覆うカバー部を備えており、
前記外蓋体は、使用時まで容器内外の空間を遮断し、使用時に取り外すように構成され、フィルム状部材又は硬質部材からなる請求項1に記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分がアルカリ剤を含み、かつ、前記第2の成分が酵素、消泡剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、前記第1の成分が酵素、消泡剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分がアルカリ剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分が塩素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分が酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、若しくは、漂白活性化剤を含む、又は、前記第1の成分が酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、若しくは、漂白活性化剤を含み、かつ、前記第2の成分が塩素系漂白剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分が酵素を含み、かつ、前記第2の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、前記第1の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分が酵素を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分がキレート剤を含み、かつ、前記第2の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、前記第1の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分がキレート剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分が消泡剤を含み、かつ、前記第2の成分がアルカリ剤、若しくは、塩素系漂白剤を含む、又は、前記第1の成分がアルカリ剤、若しくは、塩素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分が消泡剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分が酸素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、若しくは、漂白活性化剤を含む、又は、前記第1の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、若しくは、漂白活性化剤を含み、かつ、前記第2の成分が酸素系漂白剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
前記第1の成分が漂白活性化剤を含み、かつ、前記第2の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、前記第1の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、前記第2の成分が漂白活性化剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように製造時に、相性が悪く、混合すべきでない成分同士が接触するような保管方法をとった場合、当該成分が分解するという問題がある。
一方、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、塩素系漂白剤を被包しているため、塩素系漂白剤の一部や他の成分の一部が分解するという問題は発生しにくいとされている。
【0008】
そして、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、洗浄時に洗浄成分及びプラグの露出表面若しくはカプセルに水が吹き付けられると、洗浄成分と塩素系漂白剤とが溶解するので、洗浄中に塩素系漂白剤を自動食器洗浄機内に供給することができる。しかし、特許文献2においては、塩素系漂白剤の被包物に、融点60℃付近の化学物質を用いるため、噴射水の温度が通常より低い場合には、塩素系漂白剤の被包物が溶けにくいという問題点を有する。
【0009】
また、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、塩素系漂白剤を被包し、洗浄成分の中に埋設するか、洗浄成分中に挿入された状態で製造する必要があるため、製造工程が複雑になってしまうという問題がある。さらにまた、製造工程が複雑であることに起因して、製造コストも高くなってしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、混合して保管すべきでない成分を両方とも内容物として分解を防止しつつ保管することができ、かつ、噴射水の温度が低くても、洗浄中に適量の成分(塩素系漂白剤等)を自動食器洗浄機内に供給することができ、簡易、安全かつ安価に製造することができるカートリッジ洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジ洗浄剤は、内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、上記供給口部を下向きに設置し、上記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、上記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、上記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第1の成分と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第2の成分とからなり、上記第1の成分と上記第2の成分は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせであり、上記容器本体には、上記第1の成分が収容されており、上記中蓋体には、上記第2の成分が収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記第1の成分又は上記第2の成分の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とする。
【0012】
なお、本発明における固形体とは、第1の成分においては、直径5cm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいい、第2の成分においては直径5mm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいう。また、粒状体とは、上記した固形体の条件に該当せず、直径0.1mm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいい、粉状体とは、直径0.1mm以上の球状又はそれと同等の体積のものが80質量%未満であるものをいう。
本発明における第1の成分、第2の成分の剤形は、いずれも、粉状体よりも粒状体が好ましく、粒状体よりも固形体がより好ましい。固形体であると第1の成分と第2の成分の分離が最も容易に達成される。
【0013】
本発明のカートリッジ洗浄剤では、第2の成分は、容器本体の内部には配設されておらず、中蓋体に収容されており、第1の成分は、容器本体の内部に収容されており、容器本体と中蓋体との間には、第2の成分又は第1の成分の移動を防止する仕切りが設けられているので、カートリッジ洗浄剤の製造時には第1の成分と第2の成分とが全く接触しない状態で製造することができ、第2の成分や第1の成分の一部の分解を防止することができる。
さらに、第2の成分と第1の成分とは仕切りにより分離された状態で、上記容器内の上記所定領域の外側に配置されているので、簡易に製造することができ、安価かつ安全に製造が可能である。
【0014】
第1の成分と第2の成分は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせである。特許文献1及び2では分解の生じやすい成分として塩素系漂白剤を挙げていたが、本発明における混合して保管すべきでない成分とは、洗浄剤組成物に含有させることが可能な成分であって、混合して保管すべきでない理由のある成分同士の組み合わせであれば特に限定されるものではない。
第1の成分と第2の成分は、水とともに混合されて洗浄剤組成物となって供給されることは構わない成分であり、混合によりただちに爆発する成分同士の組み合わせというような、絶対に混合してはならないという組み合わせではない。混合した後に洗浄剤組成物として使用されるまでに時間が経過すると有効成分の分解による洗浄力の低下等の不具合が生じるという意味で、「混合して保管すべきでない」組み合わせであるといえる。なお、混合して保管すべきでない理由は、洗浄力の低下という理由に限定されるものではない。たとえば、自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下、消泡性の低下、異臭の発生、包装容器の膨れ等の理由が挙げられる。
混合して保管すべきでない成分の具体的な組み合わせの例は後述する。
【0015】
本発明のカートリッジ洗浄剤では、本体容器の内部に収容する第1の成分や中蓋体に収容する第2の成分の量を調節することにより、噴射水の温度が低くても、容易に第2の成分の供給量を適量の範囲に制御することができる。従って、洗浄中に第2の成分を充分に自動食器洗浄機内に供給することができるとともに、過剰に第2の成分が供給されるのを防止することができる。
【0016】
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記中蓋体は、噴射水を通過させるための貫通孔が形成されるとともに、上記第2の成分を載置するための載置部を備え、上記戴置部には、洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成されるとともに、上記第2の成分を上記中蓋体の内部に保持するための上記載置部を覆うカバー部を備えており、上記外蓋体は、使用時まで容器内外の空間を遮断し、使用時に取り外すように構成され、フィルム状部材又は硬質部材からなることが望ましい。
【0017】
本発明のカートリッジ洗浄剤では、内容物を空間的に遮断する部材が必要であるとともに、噴射水を通過させ、第1の成分及び第2の成分と接触した洗浄液を容器外に排出するための部材も必要となる。そのため、本発明のカートリッジ洗浄剤では、噴射水を通過させるための貫通孔及び洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成された中蓋体と使用時まで容器内外の空間を遮断する外蓋体とが設けられている。
上記中蓋体は、容器本体に固定されていても良いし、脱着可能でも良い。また、上記貫通孔は、大きい1つの貫通孔であってもよく、小さい複数の貫通孔が形成されていてもよい。必要であれば内容物が取り付けの際こぼれないよう、水溶性のフィルムを貼りつけてもよい。
【0018】
上記構成のカートリッジ洗浄剤では、洗浄剤と第2の成分とを分離して収容するために、第2の成分を収容する中蓋体が設けられているが、この戴置部には、第2の成分を保持するカバー部を備えており、これにより、第2の成分を第1の成分と好適な条件で分離することができ、本発明の効果を得ることができる。
【0019】
本発明のカートリッジ洗浄剤において、上記中蓋体には、上記第2の成分の移動を規制するための区画部材が設けられていることが望ましい。
区画部材により第2の成分の移動を規制することにより、各第2の成分を均一に溶解させることができる。
【0020】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分がアルカリ剤を含み、かつ、上記第2の成分が酵素、消泡剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、上記第1の成分が酵素、消泡剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分がアルカリ剤を含むことが望ましい。
【0021】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分が塩素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分が酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、若しくは、漂白活性化剤を含む、又は、上記第1の成分が酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、若しくは、漂白活性化剤を含み、かつ、上記第2の成分が塩素系漂白剤を含むことが望ましい。
【0022】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分が酵素を含み、かつ、上記第2の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、上記第1の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分が酵素を含むことが望ましい。
【0023】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分がキレート剤を含み、かつ、上記第2の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、上記第1の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分がキレート剤を含むことが望ましい。
【0024】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分が消泡剤を含み、かつ、上記第2の成分がアルカリ剤、若しくは、塩素系漂白剤を含む、又は、上記第1の成分がアルカリ剤、若しくは、塩素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分が消泡剤を含むことが望ましい。
【0025】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分が酸素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、若しくは、漂白活性化剤を含む、又は、上記第1の成分がアルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、若しくは、漂白活性化剤を含み、かつ、上記第2の成分が酸素系漂白剤を含むことが望ましい。
【0026】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記第1の成分が漂白活性化剤を含み、かつ、上記第2の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含む、又は、上記第1の成分が塩素系漂白剤、若しくは、酸素系漂白剤を含み、かつ、上記第2の成分が漂白活性化剤を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明のカートリッジ洗浄剤では、混合して保管すべきでない成分を両方とも内容物として分解を防止しつつ保管することができるとともに、洗浄中に適量の成分を自動食器洗浄機内に供給することができる。また、本発明のカートリッジ洗浄剤では、カートリッジ洗浄剤を簡易に製造することができ、かつ、安全かつ安価に製造が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0030】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、上記供給口部を下向きに設置し、上記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、上記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、上記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第1の成分と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第2の成分とからなり、上記第1の成分と上記第2の成分は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせであり、上記容器本体には、上記第1の成分が収容されており、上記中蓋体には、上記第2の成分が収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記第1の成分又は上記第2の成分の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とする。
【0031】
本発明のカートリッジ洗浄剤は、従来の技術でも記載したように、ホテル又はレストラン等で用いられている自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤である。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、第1の成分は容器本体に収容されており、第2の成分は中蓋体に収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記第1の成分又は第2の成分の移動を防止する仕切りが設けられているが、その実施形態として次のものが考えられる。
【0032】
以下、本発明のカートリッジ洗浄剤の実施形態について説明する。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、第1の成分と第2の成分は、混合して保管すべきでない成分の組み合わせである。
第1の成分及び第2の成分に含まれる成分の例としては、アルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、漂白活性化剤の7種類の成分が挙げられる。
これら7種の成分のうち混合して保管すべきでない成分の組み合わせについて以下に説明する。
【0033】
第1の成分又は第2の成分がアルカリ剤を含む場合、アルカリ剤の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、セスキケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム等が望ましい。これらのアルカリ剤のうちの1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ剤と混合して保管すべきでない成分としては、酵素、消泡剤、酸素系漂白剤が挙げられる。
アルカリ剤と酵素を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
アルカリ剤と消泡剤を混合すると、消泡剤が分解して、泡立ちの抑制効果が低下するため混合して保管すべきでない。
アルカリ剤と酸素系漂白剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
【0034】
第1の成分又は第2の成分が塩素系漂白剤を含む場合、塩素系漂白剤の例としては、塩素化イソシアヌール酸塩(塩素化イソシアヌール酸ナトリウム、塩素化イソシアヌール酸カリウム等)又はその水和物、トリクロロイソシアヌール酸、次亜塩素酸塩(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム等)等が挙げられる。これらの塩素系漂白剤のうちの1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
塩素系漂白剤と混合して保管すべきでない成分としては、酵素、キレート剤、消泡剤、酸素系漂白剤、漂白活性化剤が挙げられる。
塩素系漂白剤と酵素を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
塩素系漂白剤とキレート剤を混合すると、塩素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
塩素系漂白剤と消泡剤を混合すると、消泡剤が分解して、泡立ちの抑制効果が低下するため混合して保管すべきでない。
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混合すると、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤がともに失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。さらに異臭の発生や、発熱の危険が生じるため混合して保管すべきでない。
塩素系漂白剤と漂白活性化剤を混合すると、塩素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。また、漂白活性化剤の分解により、酸素系漂白剤も存在する場合にその漂白活性力が低下するため混合して保管すべきでない。
【0035】
第1の成分又は第2の成分が酵素を含む場合、酵素の例としては、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ等が好ましい。これらの酵素のうち1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酵素と混合して保管すべきでない成分としては、アルカリ剤、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤が挙げられる。
酵素とアルカリ剤を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
酵素と塩素系漂白剤を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
酵素と酸素系漂白剤を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
【0036】
第1の成分又は第2の成分がキレート剤を含む場合、キレート剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、トリポリリン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸及びこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等が好ましい。これらのキレート剤のうち1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
キレート剤と混合して保管すべきでない成分としては、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤が挙げられる。
キレート剤と塩素系漂白剤を混合すると、塩素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
キレート剤と酸素系漂白剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
【0037】
第1の成分又は第2の成分が消泡剤を含む場合、消泡剤の例としては、シリコーン系消泡剤が挙げられる。
消泡剤と混合して保管すべきでない成分としては、アルカリ剤、塩素系漂白剤が挙げられる。
消泡剤とアルカリ剤を混合すると、消泡剤が分解して、泡立ちの抑制効果が低下するため混合して保管すべきでない。
消泡剤と塩素系漂白剤を混合すると、消泡剤が分解して、泡立ちの抑制効果が低下するため混合して保管すべきでない。
【0038】
第1の成分又は第2の成分が酸素系漂白剤を含む場合、酸素系漂白剤の例としては、過炭酸ナトリウムが挙げられる。
酸素系漂白剤と混合して保管すべきでない成分としては、アルカリ剤、塩素系漂白剤、酵素、キレート剤、漂白活性化剤が挙げられる。
酸素系漂白剤とアルカリ剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混合すると、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤がともに失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。さらに異臭の発生や、発熱の危険が生じるため混合して保管すべきでない。
酸素系漂白剤と酵素を混合すると、酵素が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
酸素系漂白剤とキレート剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じるため混合して保管すべきでない。
酸素系漂白剤と漂白活性化剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。さらに漂白活性化剤の分解により、酸素系漂白剤の漂白活性化力が低下するため混合して保管すべきでない。
【0039】
第1の成分又は第2の成分が漂白活性化剤を含む場合、漂白活性化剤の例としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)が挙げられる。
漂白活性化剤と混合して保管すべきでない成分としては、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤が挙げられる。
漂白活性化剤と塩素系漂白剤を混合すると、塩素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。また、漂白活性化剤の分解により、酸素系漂白剤も存在する場合にその漂白活性力が低下するため混合して保管すべきでない。
漂白活性化剤と酸素系漂白剤を混合すると、酸素系漂白剤が失活して、洗浄力の低下と自動食器洗浄機内のクリーニング効果の低下が生じる。さらに漂白活性化剤の分解により、酸素系漂白剤の漂白活性化力が低下するため混合して保管すべきでない。
【0040】
第1の成分は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉体からなり、第2の成分は、所定形状に成形された固形体又は粒状体からなり、上記中蓋体に上記第2の成分が収容されるとともに、上記容器本体に上記第1の成分が収容されている。
【0041】
図1は、本発明の実施形態に係るカートリッジ洗浄剤を構成する容器の一実施例を模式的に示す説明図である。
図2は、
図1に示すカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の一実施例を模式的に示す概念図である。
【0042】
図1に示したように、本実施形態に係るカートリッジ洗浄剤10を構成する容器は、容器本体11と中蓋体12と外蓋体13とからなる。
容器本体11は、円筒容器の下部が次第に縮径していく、所謂、ロート形状となっており、最下部の径の小さい筒部材11aには、中蓋体12をねじ込むためのねじ110aが形成されている。図示はしていないが、本発明では、筒部材11aは、ねじ込みでなく爪構造によるはめ込み式で中蓋体を固定するようになっていてもよい。
【0043】
中蓋体12は、有底円筒形状であり、底部12bには、噴射水を通過させるための円筒部材12dと、第1の成分20及び第2の成分21(
図3参照)が溶解した洗浄液を通過させるための開口部12aが2個設けられており、中蓋体12の円筒部分12cの内壁には、容器本体11の筒部材11aにねじ込むためのねじ120aが設けられている。
開口部12a及び底部12bを含む、第2の成分を載置するための部分が中蓋体12における載置部である。
なお、
図2には開口部12aは2個示しているが、開口部12aの数は1個ないし2個以上であってもよい。
中蓋体12は、筒部材11aに嵌め込むことにより固定されればよいので、容器本体11の筒部材11aや中蓋体12にねじ110aやねじ120aが設けられていなくてもよい。その場合には、中蓋体12に爪部を形成し、筒部材11aの方に爪の受け構造が形成されていれば中蓋体12を嵌め込んだ後、固定することができる。
【0044】
また、この中蓋体12は、さらに内筒12eが設けられており、内筒12eの内部に第2の成分21を収容できるように構成されており、第2の成分21を内筒12eの内部に収容した状態で保持するために円環形状のカバー部14が設けられている。
中蓋体12を構成するカバー部14は、円筒部材12dと重なる部分を除いて、水が通過することができるように網状または板状で開口部を有する部材14aにより構成されており、縁部には、網状または板状で開口部を有する部材14aを支持、固定するための支持部材14bが配設されている。そして、図示はしていないが、中蓋体12の内部に第2の成分21が収容された状態で、支持部材14bが内筒12eの上面周囲に接着剤を介して貼り付けられるか、爪状の構造などで固定され、中蓋体12の内部(内筒12eの内部)に第2の成分21が保持され、上部に存在する第1の成分20と分離状態とすることができる。
【0045】
なお、中蓋体は第2の成分が保持され、噴射水が通過する構造となっていれば、上記構造に限定されない。従って、カバー部14に円筒部材12dや内筒12eが結合していてもよく、円筒部材12dや内筒12eが他の部材から独立した部材であってもよく、内筒12eが無い構造でもよい。
また、第2の成分が粒状体、固形体である場合には、カバー部14は、それに対応した第2の成分が漏れない程度の粗さの網状体であればよく、第2の成分が漏れなければ、円筒部材12dや内筒12eに、スリットが形成されていてもよく、メッシュ状であってもよく、適度の間隔でフレームが形成されたものであってもよい。また、内筒12eの代わりに棒状のものが設けられていてもよい。
また、容器本体と中蓋体と外蓋体は、2つ以上の部材が一体成形されたものであってもよい。具体的には、例えば、中蓋とカバー部、中蓋と外蓋部をヒンジで結合した構造であってもよい。
【0046】
外蓋体13は、使用時まで容器内外の空間を遮断する役割を果たすものであり、使用時には、取り外すように構成されている。
図1では、外蓋体13にも、ねじ130aが設けられ、中蓋体12にねじ込むように構成されているが、中蓋体と同様に、ねじ130aは設けず、中蓋体12に爪受け構造を形成し、外蓋体13に浅い爪を形成し嵌め込むようにしてもよい。
【0047】
容器本体11と中蓋体12と外蓋体13とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のプラスチックからなるが、特に、外蓋体13は、嵌め込む形式のものが好ましく、そのためには、硬質部材が好ましい。
なお、外蓋体13は、フィルム状部材により構成され、使用時にはがすことが可能な接着剤により中蓋体12に接着されていてもよい。
【0048】
図3は、本発明のカートリッジ洗浄剤の一実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、第1の成分20は、容器本体11の形状で固化した固形体であり、一方、第2の成分21は、粉状体からなり、粉状体からなる第2の成分21は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14により中蓋体12の外に飛散しない構成となっている。なお、第2の成分21は、粉状体であるので、底部12bに設けられた開口部12aから飛散しないよう、開口部12aにも目の細かい網状部材が設けられている。
図3に示すカートリッジ洗浄剤10では、第1の成分20と第2の成分21とは、カバー部14で分離されており、直接接触することはないため、第2の成分21と第1の成分20とが反応することはなく、水に溶解した第2の成分21と第1の成分20とを良好に洗浄液中に供給することができる。なお、
図3では、わかりにくいが、第1の成分20は、当然、円筒部材12dの内部には、収容されていない。
図4〜
図6のカートリッジ洗浄剤でも同様である。
【0049】
図4は、本発明のカートリッジ洗浄剤の別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、第1の成分22は、粒状体であり、一方、第2の成分23は、所定形状に成形された固形体からなり、固形体からなる第2の成分23は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。
図4に示すカートリッジ洗浄剤15でも、第1の成分22と第2の成分23とは、カバー部14で分離されており、直接接触することはない。
【0050】
図5は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、第1の成分22及び第2の成分24は、ともに粒状体であるが、粒状体からなる第2の成分24は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。
図5に示すカートリッジ洗浄剤16でも、第1の成分22と第2の成分24とはカバー部14により分離されており、直接接触することはない。
【0051】
図6は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、第1の成分22は、粒状体であり、一方、第2の成分21は、粉状体であり、粉状体からなる第2の成分21は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。
図6に示すカートリッジ洗浄剤17でも、第1の成分22と第2の成分21とはカバー部14により分離されており、直接接触することはない。
このように、第2の成分と第1の成分とは、中蓋体を構成するカバー部により分離されており、第2の成分と第1の成分とが直接接触することはなく、第2の成分や第1の成分の一部の分解を防止することができる。
【0052】
図7(a)は、本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の別の実施例を模式的に示す概念図であり、
図7(b)は、
図7(a)に示す中蓋体に固形体の第2の成分を収容した状態を模式的に示す概念図であり、
図7(c)は、
図7(a)に示す中蓋体の裏面に外蓋体としてのフィルム部材を接着した状態を模式的に示す概念図である。
【0053】
図7(a)に示す中蓋体32は、有底円筒形状であり、底部32bには、噴射水を通過させるための円筒部材32dと、第1の成分20(
図8参照)及び第2の成分23(
図7(b)参照)が溶解した洗浄液を通過させるための開口部32aが設けられており、中蓋体32の円筒部分32cの内壁には、容器本体11の筒部材11aにねじ込むためのねじ320aが設けられている。
開口部32a及び底部32bを含む、第2の成分を載置するための部分が中蓋体32における載置部である。
底部32bは網目形状となっており、多数の開口部32aが形成されている。底部32bが網目形状であり多数の開口部32aが形成されていると、洗浄液が中蓋体の底部を通過しやすく、均一に排出されるという利点がある。
【0054】
また、この中蓋体32には、さらに内筒32eが設けられており、内筒32eの内部に第2の成分23を収容できるように構成されている(
図7(b)参照)。
この中蓋体32に収容する第2の成分としては、底部32bの網目形状の開口部32aから落下することのない大きさの固形体の第2の成分23であることが望ましい。
また、中蓋体32の内筒32e内には、固形体の第2の成分23の移動を規制するための区画部材32fが複数箇所に設けられていて、内筒32e内の空間が区画されている。区画部材32fの間隔は、区画部材32fの間に固形体の第2の成分が入るように定めることが望ましい。このように固形体の第2の成分23の移動を規制することにより、各第2の成分を均一に溶解させることができる。
【0055】
また、区画部材32fによる区画は、内筒32e内の空間を完全に区画するのではなく、緩く区画することが望ましい。「緩く」というのは、区画部材32fにより固形体の第2の成分23の移動が規制される程度に内筒32e内の空間が区画されている一方、区画部材32fと内筒32eの内壁の間、及び/又は、区画部材32fと円筒部材32dの外壁の間に空間を設けて、水や洗浄液等の液体が内筒32eの間で自由に移動できる状態のことを意味する。このような状態であると、水、洗浄液等の液体が特定の部位に噴射されたとしても、液体が内筒32eの中で偏ることがないので、特定の第2の成分23のみが溶解することが防止される。
【0056】
また、
図7(b)に示すように、第2の成分23を内筒32eの内部に収容した状態で保持するために円環形状のカバー部34が設けられている。
カバー部34の役割は
図2に示すカバー部14と同様であるが、
図7(b)にはカバー部の形態として開口部34aの形状が異なるカバー部を示している。また、カバー部34には
図2に示すカバー部14の支持部材に相当する部位は存在していない。
また、図示していないが、円筒部材32dの上面に段付きを設け、段付きとカバー部34の中央の貫通孔34cがかみ合うようにしてカバー部34の位置ずれを防止するようにしてもよい。
また、中蓋体32に設けていた区画部材32fに代えてカバー部34の中蓋体側になる面に区画部材を設けて、カバー部34を被せた際に内筒32e内の空間を区画できるようにしてもよい。
【0057】
図7(c)には
図7(a)に示す中蓋体32の裏面に外蓋体としてのフィルム部材33を接着した状態を示している。
フィルム部材33は、カートリッジ洗浄剤の使用時に剥がすことが可能な接着剤により中蓋体32に接着されていてもよい。フィルム部材33は、接着剤が塗布されていない突出部33aを手で掴んで剥がすことができる。また、フィルム部材を水溶性フィルムとしておき、水が触れることによってフィルム部材が溶解してなくなるようにしておいてもよい。
【0058】
図8は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
図8には、
図3に示すカートリッジ洗浄剤において中蓋体及びカバー部として
図7(b)に示す中蓋体32及びカバー部34を使用し、固形体の第2の成分23を中蓋体32の内部に載置している。また、中蓋体32の裏面には外蓋体としてのフィルム部材33を接着している。
この実施形態でも第2の成分と第1の成分とは、中蓋体を構成するカバー部により分離されており、第2の成分と第1の成分とが直接接触することはなく、第2の成分や第1の成分の一部の分解を防止することができる。また、外蓋体としてのフィルム部材により、使用時まで容器内外の空間が遮断されている。
【0059】
本発明のカートリッジ洗浄剤において、容器本体に収容される第1の成分としては、洗浄剤組成物を構成する主成分であることが好ましい。例えば、アルカリ剤、キレート剤といった成分は第1の成分であることが好ましい。ただし、アルカリ剤やキレート剤等を第2の成分に配合することは妨げられない。
第1の成分としては、その他に、界面活性剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましく用いられるが、両性界面活性剤やカチオン性界面活性剤を用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、及び、ポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選択される1又は2以上の非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホメチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミノスルホベタイン等が挙げられる。
【0060】
第1の成分を製造する際には、まず、水及び水以外の第1の成分の原料を撹拌混合し、スラリー液を調製した後、上記スラリー液をカートリッジ洗浄剤を構成する容器本体に投入し、冷却して固化させる。
【0061】
具体的には、まず、水に水以外の第1の成分の原料を加えた後、30〜90℃に維持し、攪拌することにより、水及び第1の成分を含むスラリー液を調製する。
水以外の第1の成分の原料の投入量は、上記スラリー液の全量に対して50〜95質量%が望ましい。これにより、洗浄力が充分に高い第1の成分が得られる。
【0062】
次に、上記スラリー液を容器本体に投入し、その後、上記スラリー液を常温で1〜24時間放置して固化させ、容器本体の形状に固化された固形体からなる第1の成分を製造する。上記スラリーを別の所定形状の容器に投入して固化させれば、その容器の形状の固形体となる。
粒状体からなる第1の成分を作製する際には、第1の成分の原料としてアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム等)、ケイ酸アルカリ金属塩(メタケイ酸ナトリウム等)、キレート剤等の粒状原料を混合すればよい。また、少量の液体原料を用いてもよい。混合にはリボンミキサー、ナウタ―ミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
また、粉状体からなる第1の成分を作製する際には、第1の成分の原料としてアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム等)、ケイ酸アルカリ金属塩(メタケイ酸ナトリウム等)、キレート剤等の粉状原料を混合すればよい。また、少量の液体原料を用いてもよい。混合にはリボンミキサー、ナウタ―ミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
上記のようにして作製した所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる第1の成分を容器本体に収容する。
【0063】
本発明のカートリッジ洗浄剤において、中蓋体に収容される第2の成分としては、洗浄剤組成物を構成する副成分であることが好ましい。例えば、塩素系漂白剤、酵素、消泡剤、酸素系漂白剤、漂白活性化剤といった成分は第2の成分であることが好ましい。ただし、塩素系漂白剤や酵素等を第1の成分として配合することは妨げられない。
第2の成分としては、これらの副成分を含み、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなるものを準備する。そして、第2の成分を中蓋体の内部に収容し、カバー部を設けた後、容器本体と中蓋体と外蓋体とを組み合わせることにより本発明のカートリッジ洗浄剤を製造することができる。
【0064】
また、第1の成分及び第2の成分には、洗浄剤組成物の調製に用いられる無機塩類、賦形剤、滑剤、結合助剤等を、特性に支障のない範囲で配合してもよい。これらの成分の例としては、無水硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム・10水和物(芒硝)、硫酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、二酸化ケイ素(シリカ)等が挙げられる。
【0065】
本発明に係るカートリッジ洗浄剤を用いて、食器等を洗浄する際には、供給口部を下向きにして自動食器洗浄機の洗浄剤固定部に固定する。洗浄剤固定部には、噴射器が中蓋体の直ぐ下に配置されており、噴射器より噴射された水が中蓋体の円筒部材内の貫通孔を通過して、容器本体に収容された第1の成分に到達し、第1の成分を少しずつ、溶かしていくように構成されている。
【0066】
第1の成分と接触し、第1の成分を溶解させた水溶液は、第2の成分と接触し、第2の成分も溶かしていく。これにより、第2の成分と第1の成分とを含む洗浄剤溶液は、中蓋体底部の開口部から下に落ちて自動食器洗浄機の洗浄タンク内へ流れ、この洗浄剤溶液により食器等を洗浄することができる。
【0067】
(処方例)
以下に、本発明に係るカートリッジ洗浄剤の好ましい処方例を示す。
なお、下記処方例中には水を記載していないが、水を使用する場合は、バランスとして使用する芒硝を減らすか、各処方例の各成分の組成比を保った状態で水を使用することが好ましい。
水を使用する場合、原料に含まれる各成分に含まれる結晶水と使用する水の合計量が、第1の成分又は第2の成分の10〜40重量%程度となるように水を使用することが好ましい。
また、下記処方例における第1の成分、第2の成分の剤形は限定されるものではなく、固形体、粒状体又は粉状体のいずれかとすることができる。
【0068】
下記処方例中の以下の成分の詳細は以下のとおりである。
TAED(テトラアセチルエチレンジアミン):パーアクティブAN クラリアント(株)製
α−アミラーゼ:ステインザイム12T ノボザイムスジャパン(株)製
シリコーン消泡剤:KM−88P 信越シリコーン(株)製
アルキルアルキレンエーテル:プルラファックLF403 BASFジャパン(株)製の非イオン性界面活性剤
ポリアクリル酸ナトリウム:ソカランPA25CLG BASFジャパン(株)製
過炭酸ナトリウム:過炭酸ソーダCPC−B (株)アデカ製
二酸化ケイ素:NIPSIL NS−K 東ソーシリカ(株)製
【0069】
(処方例1:第1の成分がアルカリ剤とキレート剤を含み、第2の成分が酵素を含む処方。アルカリ剤と酵素が混合して保管すべきでない成分)
【表1】
【0070】
(処方例2:第1の成分がアルカリ剤とキレート剤を含み、第2の成分が消泡剤を含む処方。アルカリ剤と消泡剤が混合して保管すべきでない成分)
【表2】
【0071】
(処方例3:第1の成分がアルカリ剤を含み、第2の成分が酸素系漂白剤を含む処方。アルカリ剤と酸素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表3】
【0072】
(処方例4:第1の成分が酵素及びキレート剤を含み、第2の成分が塩素系漂白剤を含む処方。酵素と塩素系漂白剤、キレート剤と塩素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表4】
【0073】
(処方例5:第1の成分が塩素系漂白剤及びアルカリ剤を含み、第2の成分がキレート剤を含む処方。塩素系漂白剤とキレート剤が混合して保管すべきでない成分)
【表5】
【0074】
(処方例6:第1の成分が消泡剤及びキレート剤を含み、第2の成分が塩素系漂白剤及びアルカリ剤を含む処方。消泡剤と塩素系漂白剤、キレート剤と塩素系漂白剤、消泡剤とアルカリ剤が混合して保管すべきでない成分)
【表6】
【0075】
(処方例7:第1の成分がアルカリ剤及び塩素系漂白剤を含み、第2の成分が酸素系漂白剤を含む処方。アルカリ剤と酸素系漂白剤、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表7】
【0076】
(処方例8:第1の成分が酵素及びキレート剤を含み、第2の成分が酸素系漂白剤を含む処方。酵素と酸素系漂白剤、キレート剤と酸素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表8】
【0077】
(処方例9:第1の成分がアルカリ剤及びキレート剤を含み、第2の成分が酸素系漂白剤を含む処方。アルカリ剤と酸素系漂白剤、キレート剤と酸素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表9】
【0078】
(処方例10:第1の成分がアルカリ剤、キレート剤及び漂白活性化剤を含み、第2の成分が酸素系漂白剤を含む処方。アルカリ剤と酸素系漂白剤、キレート剤と酸素系漂白剤、漂白活性化剤と酸素系漂白剤が混合して保管すべきでない成分)
【表10】