(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-82751(P2017-82751A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ロータリーエンジン
(51)【国際特許分類】
F02B 55/10 20060101AFI20170414BHJP
F02B 53/00 20060101ALI20170414BHJP
F02B 55/08 20060101ALI20170414BHJP
F01P 3/02 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
F02B55/10 A
F02B53/00 J
F02B55/08 G
F01P3/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-221648(P2015-221648)
(22)【出願日】2015年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】510148522
【氏名又は名称】鈴木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克彦
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロータリーエンジンは4サイクルエンジンと比較して小型高出力と言う特徴を持つが、燃費が悪いと言う欠点を持つ。
【解決手段】4サイクルエンジンは同一シリンダー内で混合気を圧縮し燃焼してピストンを押し下げてエンジン出力が発生する。しかしロータリーエンジンは混合気の圧縮室と燃焼室が分かれているため、ロータリーエンジンの圧縮室の部分はハウジング1の水冷ジャケット10に冷却水を流して冷却して混合気の圧力を下げてポンピングロスを減少させてエンジン出力の実行効率を向上させる。燃焼室の部分はハウジングの加熱ジャケット9に排気ガスを流して排気熱で燃焼室7を加熱し、燃焼室内の燃焼ガスの温度低下を抑制することによって燃焼室内の圧力低下を抑制して冷却ロスを抑制してエンジン出力効率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータジャッケット付ハウジングとローターで構成されたロータリーエンジンの混合気圧縮側のウォータージャケットに冷却流体(冷却水、クーラント、空気などの気体又は液体)を流し、燃焼室側のウォータージャケットには加熱流体(排気ガス、又は排気ガスで加熱した液体又は気体)を流し、エンジンを始動して10分以上経過した時のエンジン運転時に、冷却流体に対して加熱流体が少なくとも70℃以上高くすることを特徴とするエンジンとこのエンジンを使ったシステム.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ロータリーエンジンを搭載した自動車や2輪車、電車、飛行機船舶等の乗り物や発電機、ポンプ、コンプレッサーなど。
【背景技術】
【0002】
近年、益々自動車のエンジンは小型化、高出力化、低燃費が求められ、エンジンの高効率化が求められている。
【発明の概要】
ガソリンエンジンは燃料の全エネルギーのうち実行効率は約30%で、約30%は排気、約30%は冷却、約10%が機械の摩擦などでロスする。そこで冷却ロスを抑えて実行効率を向上させることにより、燃費とエンジン出力の向上を図る。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロータリーエンジンは4サイクルエンジンと比較して小型高出力と言う特徴を持つが、燃費が悪いと言う欠点を持つ。エンジンの冷却を高めてエンジンの温度を低くすると線膨張係数によって混合気が収縮するため、混合気の圧縮工程で圧力が低下し、ポンピングロスが下がるが、混合気が爆発して膨張するときにエンジンに熱を奪われて爆発後の燃焼ガスの温度が低下し、圧力が低下する。つまり冷却ロスが大きくなり、出力や燃費が低下する。ロータリーエンジンのハウジングの温度の制御によって実行効率の高いロータリーエンジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
4サイクルエンジンは同一シリンダー内で混合気を圧縮し燃焼してピストンを押し下げてエンジン出力が発生する。しかしロータリーエンジンは混合気の圧縮室と燃焼室が分かれているため、ロータリーエンジンの圧縮室の部分はハウジングのウォータージャケットに冷却水を流して冷却して混合気の圧力を下げてポンピングロスを低下させ、燃焼室の部分はハウジングのウォータージャケットに排気ガスを流して排気熱で燃焼室を加熱し、燃焼室内の燃焼ガスの温度低下を抑制することによって燃焼室内の熱損失による圧力低下を抑制して高いエンジン出力が得られる。
【発明の効果】
【0004】
ロータリーエンジンの実行効率が向上し、燃費とエンジン出力向上を同時に改善でき、4サイクルエンジンよりも小型高出力、低燃費エンジンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明のロータリーエンジンの断面概念図である。1はハウジング、2はローター、3はエキセントリックシャフト、4はスパークプラグ、5は排気ポート、6は吸気ポート、7は燃焼室、8は圧縮室、9は加熱ジャケット、10は水冷ジャケットである。1のハウジングの中の壁に沿って反時計回りにローター2が回転し、ローター2が自転しながら公転することによってエキセントリックシャフト3が反時計回りに回転し、外部に動力を出力する。ローターの回転によって圧縮室8の体積が拡大するときに吸気ポート6から混合気が入り、次に燃焼室の体積が狭くなるとともに混合気が圧縮され、混合気の体積が小さくなって高圧になった時にスパークプラグ4が点火し、混合気が燃焼する。混合気が燃焼して高温になることによって圧力が上昇し、燃焼室7の体積が膨張しながらローター2が進角し、ローター2のギアを反してエキセントリックシャフト3に回転力が伝わる。そして燃焼室の体積が収縮するときに排気ポート5から燃焼ガスが排出され、また吸気ポート6から次の混合気の吸気が始まる。圧縮室8を冷却するため、10の水冷ジャケットに外部の空気によって冷やされた流体が流れる。一方、燃焼室7の温度を高温に保つため、加熱ジャケット9に排気熱によって加熱した流体が流れる。
1.ハウジング
2.ローター
3.エキセントリックシャフト
4.スパークプラグ
5.排気ポート
6.吸気ポート
7.燃焼室
8.圧縮室
9.加熱ジャケット
10.水冷ジャケット
【手続補正書】
【提出日】2015年12月19日
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータジャッケット付ハウジングとローターで構成されたロータリーエンジンの混合気圧縮側のウォータージャケットに冷却流体(冷却水、クーラント、空気などの気体又は液体)を流し、燃焼室側のウォータージャケットには加熱流体(排気ガス、又は排気ガスで加熱した液体又は気体)を流し、エンジンを始動して10分以上経過した時またはアイドリングストップ等でエンジンを停止して30分以内にエンジンを再始動した時のエンジン運転時に、ハウジングの混合気圧縮側のウォータージャケットを流れる冷却流体に対して燃焼室側のウォータージャケットを流れる加熱流体の温度が少なくとも70℃以上高くすることを特徴とするエンジンとこのエンジンを使ったシステム.
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ロータリーエンジンを搭載した自動車や2輪車、電車、飛行機船舶等の乗り物や発電機、ポンプ、コンプレッサーなど。
【背景技術】
【0002】
近年、益々自動車のエンジンは小型化、高出力化、低燃費が求められ、エンジンの高効率化が求められている。
【0003】
ロータリーエンジンは4サイクルエンジンと比較して小型高出力と言う特徴を持つが、燃費が悪いと言う欠点を持つ。エンジンの冷却を高めてエンジンの温度を低くすると線膨張係数によって混合気が収縮するため、混合気の圧縮工程で圧力が低下し、ポンピングロスが下がるが、混合気が爆発して膨張するときにロータリーエンジンのハウジングに熱を奪われて爆発後の燃焼ガスの温度が低下し、ロータリーエンジンの燃焼室の圧力が低下し、ローターを押す力が低下してエンジン出力が低下する。つまり冷却ロスが大きくなり、出力や燃費が低下し、実行効率が低下する。本発明はロータリーエンジンのハウジングの温度の制御によって実行効率の高いロータリーエンジンを提供する。
【0004】
4サイクルエンジンは同一シリンダー内で混合気を圧縮し燃焼してピストンを押し下げてエンジン出力が発生する。しかしロータリーエンジンは混合気の圧縮室と燃焼室が分かれているため、ロータリーエンジンの圧縮室の部分はハウジングのウォータージャケットに冷却水を流して冷却して混合気の圧力を下げてポンピングロスを低下させ、燃焼室の部分はハウジングのウォータージャケットに排気ガスを流して排気熱で燃焼室を加熱し、燃焼室内の燃焼ガスの温度低下を抑制することによって燃焼室内の冷却損失による圧力低下を抑制して高いエンジン出力が得られる。
【0005】
ロータリーエンジンの実行効率が向上し、燃費とエンジン出力向上を同時に改善でき、4サイクルエンジンよりも小型高出力、低燃費エンジンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のロータリーエンジンの断面概念図である。1はハウジング、2はローター、3はエキセントリックシャフト、4はスパークプラグ、5は排気ポート、6は吸気ポート、7は燃焼室、8は圧縮室、9は加熱ジャケット、10は水冷ジャケットである。1のハウジングの中の壁に沿って反時計回りにローター2が回転し、ローター2が自転しながら公転することによってエキセントリックシャフト3が反時計回りに回転し、外部に動力を出力する。ローターの回転によって圧縮室8の体積が拡大するときに吸気ポート6から混合気が入り、次に燃焼室の体積が狭くなるとともに混合気が圧縮され、混合気の体積が小さくなって高圧になった時にスパークプラグ4が点火し、混合気が燃焼する。混合気が燃焼して高温になることによって圧力が上昇し、燃焼室7の体積が膨張しながらローター2が進角し、ローター2のギアを反してエキセントリックシャフト3に回転力が伝わる。そして燃焼室の体積が収縮するときに排気ポート5から燃焼ガスが排出され、また吸気ポート6から次の混合気の吸気が始まる。圧縮室8を冷却するため、10の水冷ジャケットに外部の空気によって冷やされた流体が流れる。一方、燃焼室7の温度を高温に保つため、加熱ジャケット9に排気熱によって加熱した流体が流れる。