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特開2017-83551映像投影装置、舞台装置および映像投影方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-83551(P2017-83551A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】映像投影装置、舞台装置および映像投影方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20170414BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20170414BHJP
   G09F 27/00 20060101ALI20170414BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20170414BHJP
   G09F 19/18 20060101ALI20170414BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20170414BHJP
   H04N 13/04 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   G09F9/00 357
   A63J5/02
   G09F27/00 C
   H04N5/74 Z
   G09F19/18 Z
   G03B21/00 D
   G09F9/00 361
   H04N13/04 950
   H04N13/04 590
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-209577(P2015-209577)
(22)【出願日】2015年10月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトによる公開、最先日:平成27年06月30日、http://japan.cnet.com/news/service/35066705/(他62件) 営業活動による公開、最先日:平成27年06月01日、株式会社Aniplex(他13件) 営業資料を添付した電子メールの送信による公開、最先日:平成27年06月01日、株式会社Aniplex(他13件) 展示による公開、最先日:平成06月11日、内覧会 DMM VR THEATER(他4件) テレビ番組一覧による公開、最先日:平成27年08月27日 WBS(他4件)
(71)【出願人】
【識別番号】515296976
【氏名又は名称】株式会社DMM.futureworks
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】黒田 貴泰
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C061
5G435
【Fターム(参考)】
2K203FA66
2K203FA82
2K203FB11
2K203GB49
2K203GB62
2K203GC25
2K203GC30
2K203HB19
2K203KA68
2K203KA83
2K203MA23
5C058BA29
5C058EA31
5C058EA51
5C061AA23
5C061AB14
5C061AB16
5G435AA00
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435BB17
5G435DD05
5G435DD11
5G435EE49
5G435FF12
5G435GG46
5G435LL00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】立体映像等の映像投影にあたって、簡易的に映像を投影させることができ、かつ、十分なスクリーン輝度を確保できる映像投影装置を提供する。
【解決手段】映像投影装置100は、映像を直接投影するための映像投影部110と、映像投影部110に対向して配置され、映像投影部110により投影された第一の映像を映す第一の表示部と、第一の表示部の背面側に配置され、第二の映像を表示する第二の表示部と、第一の表示部に投影された第一の映像と、第二の表示部に表示された第二の映像とが同期するよう映像投影部110および第二の表示部を制御する制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の映像を表示する第一の表示部と、
前記第一の表示部の前面側に配置され、前記第一の映像を前記第一の表示部に投影する投影部と、
前記第一の表示部の背面側に配置され、第二の映像を表示する第二の表示部と、
前記第一の表示部に表示された第一の映像と、前記第二の表示部に表示された第二の映像とが同期するよう前記投影部および前記第二の表示部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする映像投影装置。
【請求項2】
前記第一の表示部は、前記第二の表示部に対して所定の角度に傾斜させて設置されている請求項1記載の映像投影装置。
【請求項3】
前記投影部は、光源としてLEDを用いたディスプレイである請求項1乃至2のいずれか1項記載の映像投影装置。
【請求項4】
前記LEDを用いたディスプレイは、フレキシブルディスプレイである請求項3記載の映像投影装置。
【請求項5】
前記第一の表示部は、所定の反射率および透過率を有したポリエステル膜からなる請求項1乃至4のいずれか1項記載の映像投影装置。
【請求項6】
前記映像投影装置は、
音を出力する音響部を備え、
前記制御部は、前記第一の映像と、前記第二の映像と、前記音の少なくとも一組以上が同期するよう前記投影部、前記第二の表示部および前記音響部を制御する請求項1乃至5のいずれか1項記載の映像投影装置。
【請求項7】
前記映像投影装置は、さらに、
光を照射する光源部を備え、
前記制御部は、光源部が照射する光による陰影を調整することにより、前記第一の映像と、前記第二の映像と、前記音と、前記光の少なくとも一組以上が同期するよう前記投影部、前記第二の表示部、前記音響部および前記光源部を制御する請求項1乃至6のいずれか1項記載の映像投影装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の映像投影装置を利用した舞台装置。
【請求項9】
第一の表示部に第一の映像を投影する投影ステップと、
第二の映像を第二の表示部に表示する表示ステップと、
前記第一の表示部に投影された第一の映像と、前記第二の表示部に表示された第二の映像とが同期するよう前記投影部および前記第二の表示部を制御する制御ステップとを備えることを特徴とする映像投影方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像投影装置、舞台装置および映像投影方法に関し、特に立体映像を投影する映像投影装置、舞台装置および映像投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像信号を基に立体的映像表示を提供する方法が存在する。
たとえば、ステージ上で、キャラクターや人物の映像信号を基に立体的に映し出すことによって、あたかもそこに存在するかのように観客に見せるショーが存在する。また、展示されているショーケースに立体映像を映し出すことで、幻想的な光景を現実に起こっているものと錯覚させるように観覧者に見せるものも存在する。
【0003】
特許文献1には、ホログラム映像を利用して連続的な三次元の仮想風景を観客に立体的に表示する方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ステージ上でプロジェクタから映像を映し出す際に、反射性と透過性のあるフィルムをステージの床から天井の間に伸張することで映像を説明する人物が舞台を横切ることによって投影された像が遮ることなく、かつ、奥行きあるものを観客に見せる投影装置が開示されている。特許文献2記載の投影装置は、天井に保持された画像源(プロジェクタ)からステージの床面に設置した反射面に投影し、当該反射面からフィルム(スクリーン)に投影させ観客に映像を見せるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−536964
【特許文献2】特表平10−509535
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2記載の発明では、画像源から出力された映像は、ステージの床面に設置した反射面に投影し、当該反射面からフィルム(スクリーン)に投影させる必要があり、いったん反射面を介してスクリーンに投影されるので、装置として煩雑であった。また、特許文献2記載の発明では、画像源としてプロジェクタを使用していたため当該プロジェクタから照射される光量では、十分なスクリーン輝度が確保できず、フィルムに投影された像がぼやけてしまっていた。さらに、特許文献2に記載の発明では、投影される映像と、他映像、音又は光との同期は考慮されていなかった。したがって、特許文献2に記載の投影装置においては、使い勝手が必ずしも十分ではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、立体映像等の映像投影にあたって、使い勝手の良い映像投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る映像投影装置は、第一の映像を表示する第一の表示部と、第一の表示部の前面側に配置され、第一の映像を第一の表示部に投影する投影部と、第一の表示部の背面側に配置され、第二の映像を表示する第二の表示部と、第一の表示部に表示された第一の映像と、第二の表示部に表示された第二の映像とが同期するよう投影部および第二の表示部を制御する制御部とを備える。
【0009】
さらに、本発明に係る映像投影装置において、第一の表示部は、第二の表示部に対して所定の角度に傾斜させて設置されていてもよい。
【0010】
さらに、本発明に係る映像投影装置において、投影部は、光源としてLEDを用いたディスプレイであってもよい。
【0011】
さらに、本発明に係る映像投影装置において、LEDを用いたディスプレイは、フレキシブルディスプレイであってもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る映像投影装置において、第一の表示部は、所定の反射率および透過率を有したポリエステル膜からなってもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る映像投影装置は、音を出力する音響部を備え、制御部は、第一の映像と、第二の映像と、音とが同期するよう投影部、第二の表示部および音響部を制御するものであってもよい。
【0014】
さらに、本発明に係る映像投影装置は、さらに、光を照射する光源部を備え、制御部は、光源部が照射する光による陰影を調整することにより、第一の映像と、第二の映像と、音と、光とが同期するよう投影部、第二の表示部、音響部および光源部を制御するものであってもよい。
【0015】
本発明に係る舞台装置は、上記の映像投影装置を利用した舞台装置である。
【0016】
本発明に係る映像投影方法は、第一の表示部に第一の映像を投影する投影ステップと、第二の映像を第二の表示部に表示する表示ステップと、第一の表示部に投影された第一の映像と、第二の表示部に表示された第二の映像とが同期するよう映像投影部および第二の表示部を制御する制御ステップとを備えるものである。
これらの構成により、立体映像等の映像投影にあたって、映像を投影するディスプレイ等からスクリーンに投影できるため、プロジェクタで反射させて投影するよりも簡易的に、また、十分なスクリーン輝度を確保することができ、使い勝手を向上できる。
また、本発明に係る映像投影装置、舞台装置および映像投影方法は、映像を投影するディスプレイ等とは別に、スクリーンの背面にあるもう一つの映像を表示するディスプレイ等により、2層のレイヤを構成することができ、制御サーバによりこれらのディスプレイ等の映像投影および映像表示を同期することで、より奥行きを持たせた自然な映像を提供でき、使い勝手を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る映像投影装置、舞台装置および映像投影方法は、立体映像等の映像投影にあたって、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】映像投影装置100の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。
図2】映像投影装置100の実施形態の概観の一例を模式的に示す図である。
図3】映像投影装置100の実施形態の一例を示す断面図である。
図4】映像投影装置100の実施形態の一例を示す平面図である。
図5】映像投影装置100の図2とは異なる実施形態の概観の一例を模式的に示す図である。
図6】映像投影装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら説明する。
(映像投影装置100の構成)
図1は、映像投影装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、映像投影装置100は、映像投影部110と、第一の表示部120と、第二の表示部130と、制御部160とを含んで構成される。また、音響部140と、光源部150とをさらに含んで構成してもよい。
【0020】
映像投影部110は、第一の表示部120に直接、第一の映像を直接投影する。映像投影部110は、第一の表示部120のサイズに合わせて一定の輝度を確保する映像を表示するディスプレイ装置であればよく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。また、その輝度は、1000〜1500cd/mとし、その画素ピッチは、1〜100mm、より好ましくは1.9mm以上とする。
【0021】
また、映像投影部110にLEDディスプレイを用いる場合、フレキシブルディスプレイとすることができる。フレキシブルディスプレイとすることで、小型化、軽量化を図ることができ、また、投影面が柔軟に変形可能であるため、可搬性を確保することができる。このため、映像投影装置100を、常設劇場の舞台装置だけでなく、移動型劇場や各地で開催される舞台に柔軟に適用することができる。
【0022】
映像投影部110は、3D(Three Dimensions)ホログラム映像を表示することで、第一の表示部120に立体映像を投影することができてもよい。
【0023】
従来、大型スクリーン等に対する映像の投影は、プロジェクタが用いられ、映像をプロジェクタの光源とレンズを用いて拡大して投影していた。しかしながら、プロジェクタを用いる場合、プロジェクタとスクリーンとの間の光路にて、白色または灰色の反射性部材が必要となり、機器構成が煩雑になっていた。また、プロジェクタだとスクリーン輝度が十分に確保できず、投影された像がぼやけてしまっていた。
【0024】
映像投影部110によれば、スクリーンとの間の光路に反射性部材が必要なく、直接スクリーンに投影できるため、機器構成を簡易にすることができる。また、例えば、LEDディスプレイとした場合、画素ごとに発光素子が構成されているため、十分なスクリーン輝度を確保することができる。
【0025】
また、映像投影部110によれば、プロジェクタを打ち上げ投影する際に発生する、台形歪み(キーストン効果)の補正が不要となる。
【0026】
第一の表示部120は、映像投影部110より投影された第一の映像を映す。第一の表示部120は、具体的には、一定の反射率および透過率を有しているフィルム等であればよく、より好ましくは反射率と透過率がほぼ同一であることだが、当該比率に限定されるものではない。また、反射率は、50%以上とし、より好ましくは80%以上とする。材質は、難燃フィルムまたは硬質プラスチックフィルムを用いてよく、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエステル膜であってもよい。
【0027】
第二の表示部130は、入力された映像情報に基づいて第二の映像を表示する。第二の表示部130は、ディスプレイ装置であればよく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。
【0028】
また、第二の表示部130は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されてもよく、たとえば、映像投影装置100の上部の備えられたプロジェクタが映像投影装置の背面に備えられたスクリーンに第二の映像を投影し、スクリーンに第二の映像が表示されるように構成してもよい。この場合、被投影面はスクリーンでなくともよく、映像投射装置100の側面に位置する壁面であってもよい。プロジェクタは、具体的には、CRT(Cathode Ray Tube)プロジェクタ、液晶プロジェクタ、DLP(Digital Light Processing)プロジェクタ、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)プロジェクタまたはGLVプロジェクタ等を、映像投影装置100の規模や演出の内容によって適宜用いればよい。
【0029】
第二の表示部130は、プロジェクタから3D(Three Dimensions)ホログラム映像をスクリーン等に投影することで、立体映像を表示することができてもよい。
【0030】
音響部140は、記録された音響データを再生すること等によって、音を出力する。音響部140は、具体的には、サラウンドシステム(Surround System)等を用いればよく、リスニングポジションより前方の左右に合計2chのフロントスピーカー、フロントスピーカーの中央に1chのセンタースピーカー、左右それぞれ横および後方の合計4chのサラウンドスピーカー並びに低音域専用のサブウーファーの.1chを備える7.1chのチャンネルを有するサラウンドシステムであってもよい。
【0031】
光源部150は、光を照射する。具体的には、映像投影装置100を舞台装置に適用した場合には、舞台真上(ボーダーライト、サスペンションライトまたはアッパーホリゾンライト)、舞台床面(フットライトまたはロアーホリゾンライト)、舞台横(ステージサイドまたはトーメンタースポットライト)または観客先側等(シーリングライト、フロントサイドライトまたはピンスポットライト)等から光を照明することができる。光源部150は、照射にあたって、電気回路の制御や明るさの調整のための調光操作卓と調光器盤を備えることができる。もしくは、当該操作卓および調光器の少なくとも一つ以上を制御部160に備えることもできる。
【0032】
制御部160は、第一の映像、第二の映像、音または光の少なくとも一つ以上を制御する。具体的には、メディアサーバ(Media Server)等を用いればよい。
【0033】
また、制御部160は第一の映像、第二の映像、音または光を同期すべきポイントを、これらの波形情報または付帯情報(データ作成日時および場所等)等から解析して設定してもよく、人の指定操作によって設定してもよい。ここでいう「同期」とは、シーンごとにその投影、表示、出力または照射の開始および終了並びに強弱またはトーンの変更等のタイミングを同じ時期にすることをいう。
【0034】
制御部160は、当該設定した同期ポイントに基づいて同期したタイムラインを作成する。制御部160は、当該作成したタイムラインから制御命令を生成し、映像投影部110、第二の表示部130、音響部140または光源部150に当該制御命令を伝達することで、第一の映像、第二の映像、音または光の少なくとも一組以上を同期させることができる。当該同期により、例えば第一の表示部120に第一の映像として妖精の立体映像が映し出され、妖精が登場する場面で、当該登場に併せて登場に合った音を出力し始めることが自動でできる。
【0035】
また、光源部150が光を第一の表示部120に映し出された第一の映像に照射すると、例えばステージ上の人物等の陰影と異なる角度、幅、伸びおよび方向性等を帯びた形状並びに濃さの陰影ができてしまうことがある。このため、制御部160は、例えば、ステージ上の人物と、第一の映像に映し出された人物との陰影の角度、幅、伸びおよび方向性等を帯びた形状並びに濃さが略同一となるよう、光源部160による陰影を、光源部160の傾き、向きまたは照射のON/OFFを調整することが出来る。当該調整により、より自然な立体映像空間を実現することができる。
【0036】
さらに、制御部160は、光源部150が第一の表示部120に映し出された第一の映像に光を照射することでその色(色相、彩度または明度)が変化しないよう、例えば、ステージ上の人物等との色(色相、彩度または明度)の差異が出来ないよう、光源部150の光の照射する光を調整することもできる。
【0037】
図2は、映像投影装置100の概観の一例を模式的に示す図である。当該例は、本発明に係る映像投影装置100を舞台装置に用いた一例である。映像投影部110に、例えば妖精の立体ホログラム映像を表示することで、当該表示された映像は第一の表示部120に第一の映像として投影される。当該投影によって、第一の表示部120に、投影された妖精の立体映像が映し出される。第一の表示部120の背面には、第二の表示部130が設置されている。第一の表示部120と第二の表示部130の間にステージ200を設けて、場面等に応じて、ステージ200に、お姫様役の人物等を配置することができる。第二の表示部130には、第二の映像として、例えば、空や建物等の背景画像を表示させることができる。
【0038】
第一の表示部120は、透過性を有するフィルム等から構成されるため、観覧者は背面に位置する人物および第二の映像を第二の表示部130越しに観ることができる。これらの第一の映像および第二の映像の2つのレイヤ構成で、または、第一の映像、人物および第二の映像の3つのレイヤ構成することで、立体的および奥行きのある映像空間を実現することができる。
【0039】
図3は、映像投影装置100の実施形態の一例を示す断面図である。GL(Ground Line)と略並行する軸をX軸とし、X軸に垂直な軸をY軸とした場合、映像投影部110は、X軸と並行に設置してもよい。一方、第一の表示部120は、映像投影部110と垂直をなすY軸に対して所定の角度(θ)に傾斜させることができる。当該角度は演出等によって、適宜設定すればよいが、より好ましくは、45°とする。
【0040】
図4は、映像投影装置100の実施形態の一例を示す平面図である。映像投影部110は、ステージ200の映像投影装置100の底面に対応する面を矩形とし、第二の表示部130と、ステージ200と、映像投影部110を平行に設置することができる。
【0041】
図5は、映像投影装置100の図2とは異なる実施形態の概観の一例を模式的に示す図である。当該例は、本発明に係る映像投影装置100を展示品、玩具またはその他の商品に用いた一例である。第一の表示部120と第二の表示部130の間のスペースに、展示したい商品等の実物を配置してもよい。実物を配置しない場合には、第一の映像および第二の映像により、動的に変化する立体空間を実現することができる。また、映像投影部110にLEDディスプレイまたはOLEDディスプレイを用いる場合、映像投影装置100を小型化して展示品、玩具またはその他の商品に適用することが好ましい。特に、従来のプロジェクタと比較して、軽量化と高精細な映像空間の演出を同時に実現できる。
【0042】
(映像投影装置100が実行する処理)
図6は、映像投影装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部160は、第一の映像の投影、第二の映像の表示、音の出力または光の照射が同期するよう制御を開始する(ステップS11)。制御部160は、映像投影部110、第二の表示部130、音響部140に開始のための制御命令並びに映像情報および音響データを伝達する。
【0043】
映像投影部110は、制御部160からの制御命令の伝達をトリガーに、第一の映像を第一の表示部120に直接投影する(ステップS12)。
【0044】
第二の表示部130は、制御部160からの制御命令の伝達をトリガーに、制御部160から伝達された映像情報を入力し、第二の映像を表示する。
【0045】
音響部140は、制御部160からの制御命令の伝達をトリガーに、制御部160から伝達された音響データを入力し、音響データを再生し、音を出力する。
【0046】
光源部150は、制御部160からの制御命令の伝達をトリガーに、光を照射する。
【0047】
制御部160は、第一の映像の投影、第二の映像の表示、音の出力または光の照射の制御を終了する(ステップS16)。制御部160は、映像投影部110、第二の表示部130、音響部140に終了のための制御命令を伝達する。
【0048】
(その他)
本発明に係る映像投影装置として、舞台装置、展示品、玩具またはその他の商品を取りあげているが、本発明はこれらの装置等以外の物においても用いることができる。特に、ゲームにおいて、ゲームの中のキャラクターの立体映像を第一の映像として投影させてゲームシーンにリアリティを演出すことができる。また、本発明に係る映像投影装置は、写真撮影サービスとしても利用することができる。例えば、そこに存在しない人物やキャラクターの立体映像を第一の映像として投影させて、実際の人物と同じ空間に配置して撮影することによって、そこに存在しない人物等があたかも存在するように、撮影することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 映像投影装置
110 映像投影部
120 第一の表示部
130 第二の表示部
140 音響部
150 光源部
160 制御部
200 ステージ

図1
図2
図3
図4
図5
図6