【解決手段】表示パネルを駆動する表示ドライバが、第1画像データを受け取り、第1画像データを遅延して出力する遅延回路と、第1画像データのフォーマットを指定する画像フォーマット情報に応じて複数の画像データ処理のうちから選択画像データ処理を選択し、遅延回路から出力された第1画像データに対して選択画像データ処理を行って第2画像データを生成する画像データ処理回路と、第2画像データに応答して表示パネルを駆動する駆動部とを具備する。遅延回路における第1画像データの遅延量は、画像フォーマット情報に応じて制御される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の理解を容易にするために、画像データ処理回路を搭載した表示ドライバ、及び、このような構成の画像データ処理回路に生じ得る問題について説明する。なお、出願人は、以下に開示されている技術が公知であると自認するものではないことに留意されたい。
【0013】
図1は、表示装置101の構成の一例を示すブロック図である。
図1に図示されている表示装置101は、表示ドライバ102と表示パネル103とを備えている。表示ドライバ102は、ホスト104から受け取った画像データ及び制御データに応答して表示パネル103を駆動する。上述のように、近年の表示ドライバは、受け取った画像データに対してデータ処理を行う画像データ処理回路を搭載することがあり、
図1に図示された表示装置101の表示ドライバ102も、画像データ処理回路を搭載しているものとする。例えば、ホスト104から表示ドライバ102に送られる画像データが、画像圧縮によって生成された圧縮画像データである場合、該圧縮画像データを展開する展開回路が該画像データ処理回路として表示ドライバ102に搭載されてもよい。また、該画像データ処理回路は、様々な画像処理(例えば、画像のスケーリング(拡大や縮小)やエッジ強調等)を行うために用いられてもよい。なお、以下では、画像データに対して行われるデータ処理を、単に、「画像データ処理」ということがある。
【0014】
表示ドライバ102の画像データ処理回路によって実行される画像データ処理は、ユーザが使用を希望する画像データのフォーマット(以下、「画像フォーマット」ということがある)に応じて選択されることが望ましい場合があり、このような場合、画像データ処理回路は、複数の画像データ処理を選択的に実行可能であるように構成される。
【0015】
発明者が着目したことは、複数の画像データ処理を選択的に実行可能に構成された画像データ処理回路を搭載した表示ドライバ102は、ユーザフレンドリ性において問題を生じさせ得るということである。画像データ処理のレイテンシー(即ち、画像データ処理の実行に要する時間)は、選択した画像データ処理の内容に依存して相違することがある。その一方で、表示装置101においては、一般に、帰線期間の長さは一定に決まっているので、選択した画像データ処理に応じて(言い換えれば、表示ドライバ102に供給する画像データの画像フォーマットに応じて)ホスト104が画像データの送信を開始するタイミングを適切に設定する必要がある。表示ドライバ102のユーザ(例えば、表示装置101とホスト104とを備えたシステムの設計者)にとってみれば、このような構成の表示ドライバ102は、ユーザフレンドリであるとはいえない。
【0016】
以下では、上述されたユーザフレンドリ性の問題について具体例を挙げながら説明する。
図2A、
図2Bは、複数の画像データ処理を選択的に実行可能に構成された画像データ処理回路を搭載した表示ドライバ102の動作及びホスト104の設定の具体例を図示するタイミングチャートである。
図2Aは、“画像フォーマット#1”の画像データをホスト104から表示ドライバ102に送信する場合のホスト104の設定を図示しており、
図2Bは、“画像フォーマット#2”の画像データをホスト104から表示ドライバ102に送信する場合のホスト104の設定を図示している。
【0017】
各垂直同期期間が開始されると、ホスト104は、当該垂直同期期間の開始タイミングを表示ドライバ102に指示する。ホスト104から表示ドライバ102に垂直同期信号vsyncが供給されるシステムにおいては、垂直同期期間の開始タイミングの指示は、該垂直同期信号vsyncを活性化する(例えば、垂直同期信号vsyncがハイアクティブの信号である場合には、垂直同期信号vsyncをhighレベルにプルアップする)ことによって行われてもよい。また、ホスト104から表示ドライバ102に垂直同期期間の開始タイミングを指示するvsyncコマンドが供給されるシステムでは、表示ドライバ102は、その内部で発生される垂直同期信号vsyncを該コマンドに応答して活性化する。なお、該垂直同期信号vsyncが活性化されるタイミング、又は、vsyncコマンドが供給されるタイミングは、垂直同期期間の開始直後でもよく、また、垂直同期期間の開始の後、所定の期間が経過した後であってもよい。
図2A、
図2Bでは、垂直同期期間の開始の後、所定の期間が経過した後、該垂直同期信号vsyncが活性化される動作が図示されている。
【0018】
垂直同期信号vsyncの活性化の後、表示ドライバ102は、各水平同期期間の開始時に、水平同期信号を活性化する。
図2A、
図2Bの動作では、垂直同期信号vsyncが活性化された後水平同期信号が最初に活性化されるタイミングは、垂直同期信号vsyncが活性化された後、1水平同期期間の長さの時間が経過したタイミングに設定されている。
【0019】
加えて、表示ドライバ102は、垂直同期期間が開始された後、所定時間が経過したタイミングで、表示期間(表示パネル103のソース線を駆動して表示パネル103に画像を表示する期間)を開始する。垂直同期期間が開始された後、表示期間が開始されるまでの期間は、垂直帰線期間と呼ばれる。
図2A、
図2Bの動作では、表示ドライバ102は、水平同期信号が最初に活性化された後、7水平同期期間が経過した後で表示期間を開始する。
【0020】
注目すべきことは、垂直帰線期間の長さは一定であるのに対し、画像データ処理回路における画像データ処理のレイテンシーは、画像データ処理の内容によって相違し得るということである。例えば、
図2Aは、画像フォーマット#1の画像データの画像データ処理回路におけるレイテンシーが3水平同期期間である場合の動作を示しており、
図2Bは、画像フォーマット#2の画像データの画像データ処理回路におけるレイテンシーが2水平同期期間である場合の動作を示している。
【0021】
図2A、
図2Bに図示された動作の問題は、ホスト104の動作タイミング、より具体的には、ホスト104が画像データを表示ドライバ102に供給し始めるタイミングの設定を、画像フォーマットに応じて適切に行うことが要求されることである。
図2Aに図示されているように、画像フォーマット#1の画像データが表示ドライバ102に供給される場合には、画像データ処理回路におけるレイテンシーが3水平同期期間であるため、ホスト104は、垂直同期信号vsyncの活性化の後、5水平同期期間が経過したタイミングで画像データの供給を開始するように設定する必要がある。一方、
図2Bに図示されているように、画像フォーマット#2の画像データが表示ドライバ102に供給される場合には、画像データ処理回路におけるレイテンシーが2水平同期期間であるため、ホスト104は、垂直同期信号vsyncの活性化の後、6水平同期期間が経過したタイミングで画像データの供給を開始するように設定する必要がある。
【0022】
ホスト104が画像データを表示ドライバ102に供給し始めるタイミングの設定を、画像フォーマットに応じて設定する必要があることは、表示ドライバ102のユーザフレンドリ性の観点では好ましくない。以下に述べられる実施形態では、このような問題に対応した表示装置及び表示ドライバが提示される。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態の表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置1は、表示ドライバ2と表示パネル3とを備えている。表示パネル3としては、例えば、液晶表示パネルが使用され得る。表示パネル3は、複数のゲート線と、複数のソース線と、行列に配置された画素と、該ソース線を駆動するゲートドライバ回路3aとを備えている。本実施形態では、ゲートドライバ回路3aは、表示パネル3のガラス基板の上に集積化されており、このようなゲートドライバ回路は、しばしば、GIP(gate-in-panel)回路とも呼ばれる。表示ドライバ2は、ホスト4から受け取った画像データD
IN、及び、制御データD
CTRLに応答して表示パネル3を駆動するように構成されている。本実施形態では、表示パネル3に供給される画像データD
INとして画像圧縮によって生成された圧縮画像データが用いられる。ホスト4は、所定の画像圧縮を行って該圧縮画像データを生成する。
【0024】
表示ドライバ2は、入出力回路11と、画像データ遅延回路12と、画像データ処理回路13と、ソースドライバ回路14と、画像フォーマット情報レジスタ15と、不揮発性メモリ16と、制御回路17と、パネルインターフェース回路18とを備えている。
【0025】
入出力回路11は、ホスト4から表示ドライバ2に供給されるデータ及び信号を受信すると共に、所望のデータ及び/又は信号をホスト4に送信するために用いられる。入出力回路11は、ホスト4から受け取った画像データD
IN(圧縮画像データ)を画像データ遅延回路12に転送すると共に、制御データD
CTRLに応答して垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncを生成する。一実施形態では、制御データD
CTRLは、垂直同期期間の開始タイミングを指示するコマンド(vsyncコマンド)と水平同期信号の開始タイミングを指示するコマンド(hsyncコマンド)とを含んでおり、垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncは、これらのコマンドに応答して生成されてもよい。
【0026】
なお、本実施形態では、表示ドライバ2は、制御データD
CTRL(例えば、vsyncコマンド及びhsyncコマンド)に応答して垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncを生成するように構成されているが、その代わりに、ホスト4が表示ドライバ2に垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncを供給してもよい。この場合、ホスト4は、垂直同期信号vsyncを活性化(例えば、highレベルへのプルアップ)することにより垂直同期期間の開始タイミングを指示し、水平同期信号hsyncを活性化することにより、水平同期期間の開始タイミングを指示する。
【0027】
画像データ遅延回路12は、入出力回路11から受け取った画像データD
INを遅延して出力する。画像データ遅延回路12における画像データD
INの遅延量は、画像フォーマット情報レジスタ15に格納されている画像フォーマット情報によって制御される。後に詳細に説明するように、本実施形態では、ホスト4から供給される画像データD
INの画像フォーマットを示す画像フォーマット情報が事前に画像フォーマット情報レジスタ15に格納され、画像データ遅延回路12における画像データD
INの遅延量が該画像フォーマット情報に応じて自動的に制御される。このような動作は、ホスト4の設定の容易化、即ち、表示ドライバ2のユーザフレンドリ性の向上に寄与する。
【0028】
画像データ処理回路13は、画像データ遅延回路12から受け取った画像データD
INに対して画像データ処理を行って出力画像データD
OUTを生成する。画像データ処理回路13に供給される画像データD
INが圧縮画像データである本実施形態では、画像データ処理回路13は、画像データD
INに対して展開処理を行うことで出力画像データD
OUTを生成する。
【0029】
本実施形態では、画像データ処理回路13は、複数の異なる画像フォーマットの圧縮画像データに対応しており、受け取った画像データD
INの画像フォーマットに応じた展開処理を実行可能に構成されている。詳細には、画像データ処理回路13は、複数の展開処理を実行可能に構成されており、画像フォーマット情報レジスタ15に格納されている画像フォーマット情報に応じて実行すべき展開処理を選択し、選択した展開処理を画像データ遅延回路12から受け取った画像データD
INに対して実行することで出力画像データD
OUTを生成する。
【0030】
ソースドライバ回路14は、画像データ処理回路13から受け取った出力画像データD
OUTに応答して表示パネル3の各ソース線に供給すべきソース駆動信号S0〜Sm(mは、所定の自然数)を生成する駆動部として動作する。表示パネル3の各ソース線に、該ソース駆動信号が供給され、これにより、各ソース線が駆動される。
【0031】
画像フォーマット情報レジスタ15と不揮発性メモリ16とは、画像フォーマット情報を記憶し、記憶している該画像フォーマット情報を画像データ遅延回路12と画像データ処理回路13とに供給する記憶部として動作する。本実施形態では、画像フォーマット情報レジスタ15は、揮発的にしか画像フォーマット情報を記憶しないがアクセス時間が短いように構成されており、記憶している画像フォーマット情報を画像データ遅延回路12と画像データ処理回路13とに供給するために用いられる。一方、不揮発性メモリ16は、画像フォーマット情報を不揮発的に記憶する。表示ドライバ2が起動されると(例えば、表示ドライバ2の電源がオンになって起動シーケンスが開始されると)、不揮発性メモリ16に記憶されている画像フォーマット情報が画像フォーマット情報レジスタ15に転送される。
【0032】
表示ドライバ2は、不揮発性メモリ16に記憶されている画像フォーマット情報を、外部から、例えば、ホスト4から書き換えることができるように構成されていることが好ましい。不揮発性メモリ16をホスト4から書き換える場合、必要な場合、不揮発性メモリ16に書き込むべき画像フォーマット情報と、該画像フォーマット情報を不揮発性メモリ16に書き込むことを指示する書き込みコマンドを入出力回路11に送信する。入出力回路11は、該書き込みコマンドに応答して画像フォーマット情報を不揮発性メモリ16に書き込む。
【0033】
不揮発性メモリ16に記憶されている画像フォーマット情報が外部から書き換え可能である構成は、同一の表示ドライバ2、様々なユーザの要望を満たすことを可能にするという点で好ましい。ユーザが使用を希望する画像フォーマットは、ユーザ毎に様々に相違することがある。その一方で、各ユーザの要求に合わせて画像データ処理回路13を設計することは、コストの観点で好ましくない。本実施形態では、画像データ処理回路13が複数の画像データ処理を実行可能に設計され、更に、不揮発性メモリ16に記憶されている画像フォーマット情報に応じて選択された画像データ処理を実行するように構成されているので、ユーザが希望する画像フォーマットに合わせて不揮発性メモリ16に画像フォーマット情報を格納することで、様々なユーザのニーズに容易に対応可能である。
【0034】
制御回路17は、表示ドライバ2の各回路の制御、例えば、垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncに基づくタイミング制御を行う。
【0035】
パネルインターフェース回路18は、制御回路17による制御の下、表示パネル3に集積化されたゲートドライバ回路3aを制御するゲート制御信号SOUT0〜SOUTn(nは、所定の自然数)を生成する。
【0036】
続いて、本実施形態における表示装置1の動作について説明する。
図4A、
図4Bは、本実施形態における表示ドライバ2の動作の具体例を図示するタイミングチャートである。
図4Aは、“画像フォーマット#1”の画像データをホスト4から表示ドライバ2に送信する場合の表示ドライバ2の動作を図示しており、
図4Bは、“画像フォーマット#2”の画像データをホスト4から表示ドライバ2に送信する場合のホスト104の設定を図示している。
【0037】
本実施形態では、ホスト4から表示ドライバ2に送信される画像データの画像フォーマットを示す画像フォーマット情報が、予め、表示ドライバ2の画像フォーマット情報レジスタ15に設定される。一実施形態では、ユーザが使用を希望する画像フォーマットを示す画像フォーマット情報が不揮発性メモリ16に記憶され、表示ドライバ2の起動時に(例えば、表示ドライバ2の電源がオンされた後で実行される起動シーケンスにおいて)画像フォーマット情報が不揮発性メモリ16から画像フォーマット情報レジスタ15に転送されてもよい。
【0038】
各垂直同期期間が開始されると、ホスト4は、該垂直同期期間の開始タイミングを表示ドライバ2に指示する。本実施形態では、ホスト4は、表示ドライバ2に垂直同期期間の開始タイミングを指示するvsyncコマンドを表示ドライバ2に供給する。表示ドライバ2の入出力回路11は、垂直同期信号vsyncを該vsyncコマンドに応答して活性化する。なお、ホスト4が表示ドライバ2にvsyncコマンドを供給するタイミング、及び、垂直同期信号vsyncが活性化されるタイミングは、垂直同期期間の開始直後でもよく、また、垂直同期期間の開始の後、所定の期間が経過した後であってもよい。
図2A、
図2Bでは、垂直同期期間の開始の後、所定の期間が経過した後、該垂直同期信号vsyncが活性化される動作が図示されている。
【0039】
ホスト4は、更に、水平同期期間の開始タイミングを指示するhsyncコマンドを表示ドライバ2に供給する。表示ドライバ2の入出力回路11は、hsyncコマンドに応答して各水平同期期間の開始時に水平同期信号hsyncを活性化する。
図4A、
図4Bの動作では、垂直同期信号vsyncが活性化された後水平同期信号が最初に活性化されるタイミングは、垂直同期信号vsyncが活性化された後、1水平同期期間の長さの時間が経過したタイミングに設定されている。
【0040】
なお、本実施形態では、ホスト4が表示ドライバ2にvsyncコマンド及びhsyncコマンドが供給される動作が開示されているが、その代わりに、ホスト4が表示ドライバ2に垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncを供給してもよい。この場合、ホスト4は、垂直同期期間の開始タイミング及び水平同期期間の開始タイミングを、それぞれ、垂直同期信号vsync及び水平同期信号hsyncによって表示ドライバ2に指示することになる。
【0041】
表示ドライバ2は、垂直同期期間が開始された後、所定時間が経過したタイミングで、表示期間(表示パネル3のソース線を駆動して表示パネル3に画像を表示する期間)を開始する。垂直同期期間が開始された後、表示期間が開始されるまでの期間が、垂直帰線期間である。
図4A、
図4Bの動作では、表示ドライバ2は、水平同期信号が最初に活性化された後、所定数の水平同期期間、より具体的には、7水平同期期間が経過した後で表示期間を開始する。表示期間では、ソースドライバ回路14によって表示パネル3のソース線が駆動される。
【0042】
ホスト4は、各垂直同期期間が開始された後、所定時間が経過したタイミングで画像データD
INの供給を開始する。上述のように、本実施形態では、画像データD
INは、画像圧縮によって生成された圧縮画像データである。ホスト4から表示ドライバ2に供給された画像データD
INは、入出力回路11及び画像データ遅延回路12を介して画像データ処理回路13に供給される。画像データ処理回路13は、画像フォーマット情報レジスタ15に格納された画像フォーマット情報に応じて画像データD
INの画像フォーマットに対応した展開処理を選択し、選択した展開処理を画像データD
INに対して実行して出力画像データD
OUTを生成する。
【0043】
留意すべきことは、画像データ処理回路13によって実行される展開処理のレイテンシーが、画像データD
INの画像フォーマットに依存して相違し得ることである。例えば、本実施形態では、
図4Aに図示されているように、表示ドライバ2に供給される画像データD
INの画像フォーマットが、“画像フォーマット#1”の場合、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーは3水平同期期間である。また、
図4Bに図示されているように、表示ドライバ2に供給される画像データD
INの画像フォーマットが、“画像フォーマット#2”の場合、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーは2水平同期期間である。
【0044】
その一方で、本実施形態では、画像データ遅延回路12が展開処理のレイテンシーの相違を吸収するために用いられる。画像データ遅延回路12の遅延量が、画像フォーマット情報レジスタ15に格納された画像フォーマット情報に応じて制御され、このような動作により、ホスト4が画像データD
INの表示ドライバ2への供給を開始するタイミングを画像データD
INの画像フォーマットに関わらず一定に設定することが可能になっている。
【0045】
本実施形態では、画像データ遅延回路12の遅延量と、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーとの和が一定であるように画像データ遅延回路12の遅延量が制御される。例えば、
図4Aに図示されているように、表示ドライバ2に供給される画像データD
INの画像フォーマットが、“画像フォーマット#1”である場合、画像データ遅延回路12は、画像データD
INを遅延せずに出力する。言い換えれば、画像データ遅延回路12の遅延量がゼロに設定される。一方、表示ドライバ2に供給される画像データD
INの画像フォーマットが、“画像フォーマット#2”である場合、画像データ遅延回路12の遅延量は1水平同期期間に設定される。これらのいずれの場合も、画像データ遅延回路12の遅延量と、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーとの和は3水平同期期間で一定であることに留意されたい。
【0046】
このような動作によれば、画像データD
INの画像フォーマットに関わらず、ホスト4が画像データD
INの表示ドライバ2への供給を開始するタイミングを一定にすることができる。例えば、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーが異なる
図4A、
図4Bのいずれの動作においても、ホスト4は、垂直同期信号vsyncの活性化から5水平同期期間の経過後に画像データD
INの表示ドライバ2への供給を開始するように設定すればよい。これは、ホスト4の動作設定が容易であることを意味している。
【0047】
以上に説明されているように、本実施形態では、画像データ遅延回路12の遅延量が、画像データD
INの画像フォーマットを示す画像フォーマット情報に応じて制御される。これにより、ホスト4が画像データD
INの表示ドライバ2への供給を開始すべきタイミングが画像データD
INの画像フォーマットに関わらず一定になる。これは、表示ドライバ2のユーザフレンドリ性の向上に有効である。
【0048】
なお、上述の実施形態では、画像データ処理回路13により、圧縮画像データとして生成された画像データD
INの展開処理が行われる構成が開示されているが、他の画像データ処理が画像データ処理回路13によって実施されてもよい。例えば、画像データ処理回路13は、複数の画像データ処理(例えば、画像のスケーリング(拡大や縮小)やエッジ強調等)を実行可能に構成され、画像データD
INの画像フォーマットを示す画像フォーマット情報に応じて実行すべき画像データ処理を選択してもよい。この場合も、画像データ遅延回路12の遅延量は、画像フォーマット情報レジスタ15に格納された画像フォーマット情報に応じて制御される。画像フォーマット情報によって制御される画像データ遅延回路12の遅延量を適切に設定すれば(より具体的には、画像データ遅延回路12の遅延量と、画像データ処理回路13で行われる展開処理のレイテンシーとの和が一定であるように画像データ遅延回路12の遅延量を制御すれば)、画像データD
INの画像フォーマットに関わらず、ホスト4が画像データD
INの表示ドライバ2への供給を開始するタイミングを一定にすることができる。
【0049】
また、上述の実施形態では、画像データ処理回路13が画像データ遅延回路12から受け取った画像データD
INに対して画像データ処理を行う構成が開示されているが、画像データ遅延回路12と画像データ処理回路13の位置が逆であってもよい。
図5は、このような構成の表示ドライバ2を図示している。
【0050】
図5に図示されている構成では、画像データ処理回路13は、入出力回路11から受け取った画像データD
INに対して画像データ処理を行って出力画像データD
OUTを生成する。画像データ遅延回路12は、画像データ処理回路13から受け取った出力画像データD
OUTを遅延して出力する。ソースドライバ回路14は、画像データ遅延回路12から受け取った出力画像データD
OUTに応答して表示パネル3の各ソース線を駆動する。
【0051】
図5に図示されている構成においても、画像データD
INの画像フォーマットを示す画像フォーマット情報に応じて画像データ遅延回路12の遅延量を制御することで、表示ドライバ2のユーザフレンドリ性を向上できることは、容易に理解されよう。
【0052】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。また、上記の実施形態は、技術的な矛盾がない限り、組み合わせて実施され得ることに留意されたい。