【解決手段】表示盤2は、情報を示すための示し手段と、示し手段に対して照明光を供給する照明手段と、を備える。示し手段は、LEDボード10の載置面11USと、載置面11USとは異なるホワイトボード20の記入面21USと、を有する。照明手段は、載置面11USに対し照明光を供給する光源12を有する。
前記第1示し手段が情報を示す第1情報示し面と前記第2示し手段が情報を示す第2情報示し面との両方が露呈する露呈状態と、前記露呈状態から退避した退避状態との間で、前記第1示し手段と前記第2示し手段との状態を切り替える状態変更手段を備えることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項記載の表示盤。
前記第1示し手段が情報を示す第1情報示し面と前記第2示し手段が情報を示す第2情報示し面とのうち一方が露呈する露呈状態と、前記第1情報示し面と前記第2情報示し面との両方が隠れた退避状態との間で、前記第1示し手段と前記第2示し手段との状態を切り替える状態変更手段を備えることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項記載の表示盤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、火災現場はいつも明るいとは限られない。火災現場が暗い場合には照明が必要になるが、表示盤の展開作業とともに、外部照明の展開作業が必要になってしまう。火災現場における作業には、迅速性及び正確性が求められることから、表示盤の展開作業と外部照明の展開作業とを個別に行うことは効率が悪く、火災現場における作業としてふさわしくない。
【0005】
また、実際の火災現場では、まず、初期活動として、現場の所在地等を所定の用紙に記入し、これらの記入内容は統括本部へ報告される。また、統括本部への報告時には、統括本部から当該報告内容に関連した補足情報を受け取る場合もある。その後、当該記載内容や統括本部からの補足情報に基づき、情報の集約作業や編集作業を通して、人命救助や火災の消火を見据えた戦略会議が行われる。
【0006】
現場の所在地など初期活動における記載事項は、予め決められており、記載漏れをなくす観点から、当該記載事項が項目として挙げられいる用紙を用いることが多い。ところが、火災現場は屋外であることが多い。このため、当該用紙が風で飛ばされたり、バタついたりすることもある。かかる場合には、記入作業を効率よく行うことができない。
【0007】
上記の課題は、火災現場に限られず、犯人の立てこもり現場や人命救助現場においても共通する。しかしながら、このような課題を解決できる方法は確立されていない。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、現場における作業を効率よく行うことができる表示盤、または、初期活動として行われる記入作業を効率よく行うことができる表示盤を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示盤は、情報を示すための示し手段と、前記示し手段に対して照明光を供給する照明手段と、を備え、前記示し手段は、第1示し手段と、前記第1示し手段とは異なる第2示し手段と、を有し、前記照明手段は、前記第1示し手段に第1照明光を供給する第1照明手段を有することを特徴とする。
【0010】
前記第1示し手段は前記第1照明手段と連結していることが好ましい。また、前記第1示し手段は、第1の情報が示され、前記第2示し手段は、前記第1の情報とは異なる第2の情報が示され、前記第1の情報には初期活動に必要な情報が含まれることが好ましい。さらに、前記第1の情報には、現場の所在地が含まれていることが好ましい。
【0011】
前記第1示し手段は、前記情報を示すための表示部材の載置が可能な載置部材と、前記情報を示すための表示部材の係合が可能な係合部材と、を有し、前記係合部材と前記載置部材との間に、前記表示部材の挿入空間が形成されていることが好ましい。また、前記載置部材は透光性を有し、前記載置部材のうち前記表示部材が載置される面を載置面と、前記載置部材のうち前記載置面と反対側の面を反対面と、定義した際、前記第1照明手段は、前記反対面から前記載置面に向けて前記照明光を供給することが好ましい。
【0012】
前記第2示し手段は、塗料の塗布及び除去が可能な被塗布部材を有することが好ましい。また、前記第1照明手段は、前記第1照明光を前記第2示し手段へ供給することが好ましい。
【0013】
前記第1示し手段が情報を示す第1情報示し面と前記第2示し手段が情報を示す第2情報示し面との両方が露呈する露呈状態と、前記露呈状態から退避した退避状態との間で、前記第1示し手段と前記第2示し手段との状態を切り替える状態変更手段を備えることが好ましい。
【0014】
前記第1示し手段が情報を示す第1情報示し面と前記第2示し手段が情報を示す第2情報示し面とのうち一方が露呈する露呈状態と、前記第1情報示し面と前記第2情報示し面との両方が隠れた退避状態との間で、前記第1示し手段と前記第2示し手段との状態を切り替える状態変更手段を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明の表示盤は、情報を示すための示し手段と、前記示し手段に対して照明光を供給する照明手段と、を備え、前記示し手段は、前記情報を示すための表示部材の載置が可能な載置部材と、前記載置部材の中または前記載置部材よりも照明手段側に配された磁性部材と、を有し、前記載置部材は透光性を有し、前記載置部材のうち前記表示部材が載置される面を載置面と、前記載置部材のうち前記載置面と反対側の面を反対面と、定義した際、前記照明手段は、前記反対面から前記載置面に向けて前記照明光を供給することが好ましい。
【0016】
前記磁性部材は、前記載置面からみたときに、点状または線状に配されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現場における作業を効率よく行うことができる、または、初期活動として行われる記入作業を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、表示盤2は、火災現場における消火や人命救助を見据えた戦略会議を支援するものであり、情報を示すためのLEDボード10と、情報を示すためのホワイトボード20と、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60と、を備える。
【0020】
図2に示すように、LEDボード10は、いわゆる、LED内蔵型の導光板であり、直方体状の筐体11と、筐体11に内蔵された光源12と、筐体11を囲む枠13と、を有する。
【0021】
筐体11の天板11Uの表側は、表示部材PAを載置する載置面11USとして機能するものである。天板11Uの材料は、アクリル等といった透光性を有するプラスチックである。天板11Uとしては、例えば、光拡散シートがある。筐体11の底板11Bは、光源12の光を反射する反射部材として機能するものであり、反射シートが用いられる。さらに、筐体11の内部には、縦方向または横方向に延びる補強材15が設けられる。
【0022】
光源12は、天板11Uと底板11Bとの間に配されるものであり、例えば、LED等が用いられる。光源12の光は、天板11Uの裏側(反対面)から表側の載置面11USに向かって透過するものと、底板11Bにおける反射を介して透過するものがある。こうして、載置面11US全体が均一に光る。
【0023】
表示部材PAは、シート状であり、透光性を有するものが好ましい。表示部材PAには、初期活動時に記入が必要な項目(現場の所在地、年月日、時間など、現場を特定するための情報)と、当該項目に対応する記入欄が対になって表示されている(
図3参照)。表示部材PAの材料は、紙、プラスチックなど特に限定されない。
【0024】
図1に示すように、ホワイトボード20は、長方形の板状に形成されたものである。ホワイトボード20は、金属板に焼き付け塗装したもの、いわゆる琺瑯である。ホワイトボード20としては、金属板の材料としては、鉄やアルミなどがある。また、磁石MGを用いて、紙などをホワイトボード20に掲示することが可能になることから、金属板の材料としては鉄であることが好ましい。
【0025】
ホワイトボード20は、所定の塗料の塗布が可能であるとともに、及び拭き取り作業によって塗布された塗料の除去が可能な記入面21USを有する。表示部材PAに表示された項目以外の情報(例えば、統括本部から受け取った情報、現場観察によって得た情報、これらの情報に基づいた消火や人命救助における作戦内容等)が記入される。
【0026】
ストレッチャー30は、収容状態(
図1(C))と起立状態(
図1(B))との間で切替自在である。消防車に搭載されている間は、収容状態となっている。消防車から降ろす際、レバーLの操作等、所定の操作により、収容状態から起立状態へと切り替わる。
【0027】
連結具40は、ストレッチャー30に対し、LEDボード10やホワイトボード20を連結する。なお、連結具40は、ストレッチャー30に対し、LEDボード10やホワイトボード20を着脱自在に連結することが好ましい。
【0028】
ストレッチャー30に連結した際、LEDボード10とストレッチャー30のレイアウトは、特に限定されないが、車両からの出し入れ作業を考慮すると、ストレッチャー30の把手31側に重量物であるLEDボード10を配することが好ましい。そして、車両に収納されたときには、重量物であるLEDボード10が、車両の出入り口に近い方となるように、LEDボード10を配することが好ましい。
【0029】
バッテリーユニット60は、電力を貯めるバッテリーと、外部電力を用いてバッテリーを充電させるためのプラグと、電力をLEDボード10へ供給する電源ハーネスと、バッテリーの残り電力量の表示を行う電力表示装置と、LEDボード10への供電のON−OFFを行うスイッチ61と、を備える。こうして、バッテリーユニット60は、外部電源から電力を貯めるともに、電力をLEDボード10へ供給することができる。
【0030】
次に、表示盤2の作用について説明する。
【0031】
表示盤2は、通常、消防車に搭載されている。消防車に搭載されているときには、消防車に取り付けられたコンセントに対して、バッテリーユニット60のプラグが差し込まれ、バッテリーが充電されている。
【0032】
消防車が現場に到着すると、把手31を握って表示盤2が降ろされる。ストレッチャー30が収容状態(
図1(C))から起立状態(
図1(B))となるため、ストレッチャー30が起立状態となった後は、そのまま牽引操作によって、表示盤2を現場の所定の場所まで搬送することができる。
【0033】
その後、表示盤2を現場に到着後、スイッチ61をOFFからONにして、バッテリーユニット60はLEDボード10への給電を開始する。その後、所定の表示部材PAを載置面11USに配置すると、載置面11US全体が均一に光っている。このため、載置面11US上に表示部材PAを載置すると、暗い現場においても、表示部材PAに記載された文字を読み取ることができる。
【0034】
ここで、現場の初期活動として、載置面11US上に表示部材PAに記載された所定の記入欄(
図3)に対し、現場の所在地、年月日、時間等を記入する。その後、統括本部への報告とともに統括本部から受け取った情報、現場観察によって得た情報がホワイトボード20の記入面21USに記入される。その後、各情報に基づいて、消火や人命救助を見据えた戦略会議が行われる。戦略会議では、戦略立案にむけた検討作業や、最終的な戦略内容やその詳細の指示内容について決定などが行われるが、その戦略立案における各作業において、適宜、必要な情報がホワイトボード20の記入面21USに記入される。
【0035】
本発明では、LEDボード10とホワイトボード20とが一体となっているため、表示盤2を現場に搬送し、スイッチ61を入れるだけで、初期活動を行うことができる。すなわち、従来のような「外部照明の展開作業」が不要となる。このため、現場における作業、特に初期活動を効率よく行うことができる。
【0036】
なお、LEDボード10は、表示部材PAを抑える抑え機構70を更に備えることが好ましい。抑え機構70は、
図4に示すように、突出部材71を有する。突出部材71は、枠13から、載置面11USの中央部に向かって伸びる。突出部材71と載置面11USとの間に、表示部材PAの縁部が挿入可能な挿入空間SKが形成される。突出部材71は、枠13のうち向かい合う1組の辺に設けられていてもよいし、四隅に設けられていてもよい。
【0037】
さらに、抑え機構70は、挿入空間SKに配された抑え部材72と、抑え部材72を付勢する付勢部材73とを備えていることが好ましい。付勢部材73としては、コイルばね、板バネなどがある。付勢部材73の一端は突出部材71に取り付けられ、他端は抑え部材72に取り付けられる。このため、付勢部材73は、抑え部材72を載置面11USに向けて付勢する。このような、抑え機構70により、LEDボード10の載置面11USにおいて、表示部材PAの縁を確実に抑えることができる。とくに、現場において風が強い場合や、表示部材PAがカールしてしまった場合であっても、載置面11USにおいて、表示部材PAの縁を確実に抑えることができるため、表示部材への記入作業をスムーズに行うことができる。さらにまた、抑え機構70は、付勢部材73による載置面11USへの付勢が行われる状態と、当該付勢が解除される状態とを切り替える付勢切替機構を備えていてもよい。
【0038】
上記実施形態では、LEDボード10の載置面11USとホワイトボード20の記入面21USとがともに露呈した露呈状態(
図1)であったが、本発明はこれに限られない。表示盤2は、露呈状態と露呈状態から退避した退避状態との間で切替可能な状態変更機構を備えていてもよい。
【0039】
図5に示すように、第2の表示盤2は、情報を示すためのLEDボード10と、情報を示すためのホワイトボード20と、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60と、に加え、状態変更機構であるヒンジ81を備える。なお、図の煩雑を避けるため、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60の図示は省略する。
【0040】
ヒンジ81は、LEDボード10とホワイトボード20とを連結するものであり、LEDボード10の長辺部分とホワイトボード20の長辺部分に設けられる。ヒンジ81を中心にLEDボード10やホワイトボード20を回動することで、露呈状態と退避状態との切り替えが可能になる。退避状態では、
図5(A)に示すように、載置面11USと記入面21USとが対向した状態で、LEDボード10がホワイトボード20の上に重なっている。この退避状態では、載置面11USと記入面21USの両方が隠れている。ここで、ヒンジ81を中心にLEDボード10を回動させると、載置面11USとホワイトボード20の記入面21USとがともに露呈した露呈状態(
図5(B))へ切り替えられる。
【0041】
なお、露呈状態としては、
図5(B)に示すように、載置面11USと記入面21USとが面一になったもの(第1露呈状態)だけでなく、
図5(C)に示すように、載置面11USが記入面21USに対して垂直又は斜めになったもの(第2露呈状態)でもよい。さらに、状態変更機構は、第2露呈状態の維持が可能となるように、LEDボード10やホワイトボード20を他の部材に対して係止する係止部材を設けていてもよい。
【0042】
ヒンジ81により、表示盤2は、第1露呈状態(
図5(B))と、退避状態(
図5(A))との間で切替自在であってもよいし、第2露呈状態(
図5(C))と、退避状態(
図5(A))との間で切替自在であってもよいし、第1露呈状態(
図5(B))と、第2露呈状態(
図5(C))、退避状態(
図5(A))と、3つの状態の間で切替自在であってもよい。
【0043】
なお、第2露呈状態(
図5(C))においては、LEDボード10からの透過光を、ホワイトボード20の外部照明としてもよい。すなわち、LEDボード10に内蔵された光源12の光は、LEDボード10の照明光のみならず、ホワイトボード20用の照明光を兼ねる。
【0044】
上記実施形態では、ヒンジ81を、LEDボード10の長辺部分とホワイトボード20の長辺部分に設けたが、本発明はこれに限られない。ヒンジ81を、LEDボード10の短辺部分とホワイトボード20の短辺部分に設けてもよい。
【0045】
上記実施形態では、状態変更機構がヒンジ81であったが、本発明はこれに限られない。状態変更機構としてスライド機構82を用いてもよい。
【0046】
スライド機構82は、LEDボード10やホワイトボード20のスライド移動を可能にする。スライド機構82によって、LEDボード10やホワイトボード20を移動することで、露呈状態と退避状態との切り替えが可能になる。退避状態では、
図6(A)に示すように、載置面11USが露呈し記入面21USが隠れている状態で、LEDボード10がホワイトボード20の上に重なっている。ここで、スライド機構82によって、LEDボード10を水平方向へスライドさせると、載置面11USと記入面21USとがともに露呈した露呈状態(
図6(B))へ切り替えられる。
【0047】
なお、LEDボード10を水平方向へスライドさせることに替えて、ホワイトボード20を水平方向へスライドさせて、載置面11USと記入面21USとがともに露呈した露呈状態(
図6(C))へ切り替えてもよい。また、図示は省略するが、退避状態(
図6(A))から、第1露呈状態(
図5(B))や第2露呈状態(
図5(C))へ切替可能なリンク機構を状態変更機構として用いてもよい。
【0048】
上記実施形態では、スライド機構によるスライド方向が、短辺方向であったが、本発明はこれに限られず、長辺方向であってもよい。
【0049】
LEDボード10とホワイトボード20とのうち、状態変更機構によって移動させるものはいずれでもよいが、移動の作業性の観点から、重量の軽いものを移動させる方が好ましい。
【0050】
また、別途のセンサーに連動して、LEDボード10への給電のON−OFFを行ってもよい。例えば、状態変更機構によって、露呈状態であるときに、LEDボード10への給電がONとなり、退避状態であるときにLEDボード10への給電がOFFとなるようにしてもよい。表示盤2を車両から降ろす際に、LEDボード10への給電をONとしてもよい。これにより、現場における作業効率の向上と省エネを両立することができる。
【0051】
上記実施形態では、LEDボード10への給電のON−OFFを行うスイッチ61を手動で操作したが、本発明はこれに限られない。例えば、明暗センサーを設け、スイッチ61の操作や表示盤2の状態(露呈状態や退避状態等)に関わらず、一定の明るさ未満の場合にのみ、LEDボード10への給電を行うとしてもよい。
【0052】
図7に示すように、第3の表示盤2は、情報を示すためのLEDボード10と、情報を示すためのホワイトボード20と、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60と、に加え、照明機構86を備える。なお、図の煩雑を避けるため、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60の図示は省略する。
【0053】
照明機構86は、ホワイトボード20とLEDボード10との間に配され、連結具40により、ストレッチャー30に連結される。
【0054】
照明機構86は、光源86Lと、アーム86Aと、アーム86Aの起立状態(
図7(B)の破線部)と、倒伏状態(
図7(B)の実線部)との間で切替自在にする回動軸86Xとを備える。アーム86Aの起立状態では、光源86Lの光は、LEDボード10やホワイトボード20の照明光として機能する。ここで、光源86LのON−OFF切替は、別途のスイッチ操作によってもよいし、アーム86Aの起立状態のときにON、アーム86Aの倒伏状態のときにOFFとなるように、アーム86Aの状態に連動させてもよい。また、明暗センサーを設け、スイッチやアーム86Aの状態に関わらず、一定の明るさ未満の場合にのみ、光源86LをONにするとしてもよい。
【0055】
図8に示すように、第4の表示盤2は、情報を示すためのLEDボード10と、ストレッチャー30と、各部品を連結する連結具40と、バッテリーユニット60とを備える。
【0056】
LEDボード10は、いわゆる、LED内蔵型の導光板であり、直方体状の筐体11と、筐体11に内蔵された光源12と、筐体11を囲む枠13と、を有する。さらに、LEDボード10は、磁性部材18を有する。磁性部材18は、磁性体材料から形成されることが好ましい。
【0057】
図9に示すように、磁性部材18は、筐体11の天板11Uの内部に設けられる(
図9(A))、または、天板11Uの内側に配される(
図9(B))ことが好ましい。磁性部材18は、平行に並ぶ複数の線状部材である。また、載置面11USからみた場合、それぞれの線状部材の間隔は等しいことが好ましい。
【0058】
載置面11USに磁石MGを配すると、磁性部材18が存在する部位において、引力が働く結果、載置面11USに対して表示部材PAを抑えることができる。ここで、載置面11USからみた場合、磁性部材18が存在する部位は、光源12の照明光によって影ができてしまう。しかしながら、本発明では、磁性部材18が線状で平行に配されるため、磁性部材18の影を罫線として活用できる(
図10)。
【0059】
上記実施形態では、磁性部材18が平行に並ぶ複数の線状部材としたが、本発明はこれに限られない。載置面11USからみた場合に、縦方向に平行に並ぶ複数の線状部材と、縦方向に垂直な横方向に平行に並ぶ複数の線状部材とが磁性部材18に含まれていてもよい(
図11)。これにより、磁性部材18の影をマス目として活用できる。同様に、磁性部材18を縦方向及び横方向において所定の間隔で点在させてもよい(
図12)。これにより、磁性部材18の影をドット(目盛り)として活用できる。
【0060】
上述した罫線、マス目、ドットは、簡易的な見取り図を書く場合等に有効である。
【0061】
さらに、LEDボード10は、ホワイトボードシート19を有していてもよい。ホワイトボードシート19は、透光性を有する。さらに、ホワイトボードシート19は、所定の塗料の塗布が可能であるとともに、及び拭き取り作業によって塗布された塗料の除去が可能である。ホワイトボードシート19は、無色透明であることが好ましい。
【0062】
ホワイトボードシート19は、載置面11USの上に配される。ホワイトボードシート19は、載置面11USに接着されることが好ましい。ホワイトボードシート19としては、例えば、透明の書き消しシート(型番TOW-1、販売 大洋株式会社)、ラミネートフィルム(商品番号 RTTRF-30045、販売 株式会社TSP)、と〜るシート(製造 NOPAR International GmbH)などがある。
【0063】
上記実施形態は、火災現場に対して説明したが本発明はこれに限られない。犯人の立てこもり現場や人命救助現場における戦略会議においても、同様の効果を発揮することができる。
【0064】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。