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特開2017-83844セキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-83844(P2017-83844A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】セキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20170414BHJP
   B41M 3/14 20060101ALI20170414BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20170414BHJP
   D21H 27/00 20060101ALI20170414BHJP
   D21H 21/40 20060101ALI20170414BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20170414BHJP
   B32B 15/082 20060101ALI20170414BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20170414BHJP
   G06K 19/08 20060101ALI20170414BHJP
   B42D 25/30 20140101ALN20170414BHJP
【FI】
   G09F3/00 M
   B41M3/14
   G09F3/02 F
   G09F3/02 G
   G09F3/02 C
   D21H27/00 A
   D21H21/40
   B32B15/08 H
   B32B15/082 Z
   G06K19/06 037
   G06K19/08 060
   G06K19/06 140
   B42D15/10 340
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-211844(P2016-211844)
(22)【出願日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0151093
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516325132
【氏名又は名称】リュ,イル ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リュ,イル ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム,チョル ス
(72)【発明者】
【氏名】オ,テ ファン
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ソン ビン
【テーマコード(参考)】
2C005
2H113
4F100
4L055
【Fターム(参考)】
2C005HA04
2C005JA16
2C005JB14
2C005KA09
2H113AA04
2H113AA06
2H113BB02
2H113BB22
2H113BB32
2H113BC09
2H113CA32
2H113CA39
2H113CA40
2H113CA47
2H113DA53
2H113EA07
2H113FA03
2H113FA09
2H113FA10
4F100AB01D
4F100AB10D
4F100AK01C
4F100AK25A
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB05A
4F100DG10B
4F100EH46C
4F100EH66D
4F100GB90
4F100HB31E
4F100JG06B
4F100JL14A
4F100JN01C
4F100JN13E
4F100JN21D
4F100YY00A
4L055AG71
4L055AH37
4L055BE08
4L055BE20
4L055EA14
4L055FA30
4L055GA42
4L055GA43
4L055GA45
(57)【要約】
【課題】セキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、セキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法に関し、より詳しくは、セキュリティ用ステッカーラベルを高解像度の複写機(カラー、白黒)でコピーする場合、ステッカーラベルの印刷物の内容の全体が黒色または一部が黒色で再現されることにより、セキュリティ用ステッカーラベルのコピー偽造防止効果を提供することができ、セキュリティ用ステッカーラベルを付着した設計図面や認証書などのセキュリティ文書を持って電磁誘導ゲートを通る場合、警告アラームが鳴らすことにより、セキュリティ文書の流出を予防することができるようになるセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティ用ステッカーラベルにおいて、
離型紙ベースシート(100)と、
前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂を用いて10〜20μm程度で均一に形成されるアクリル系粘着剤層(200)と、
前記粘着剤層の上面に付着される電磁誘導タグ挿入用紙(300)と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成される透明樹脂層(400)と、
前記透明樹脂層の上側に、金属物質を用いて真空蒸着させて形成される金属蒸着層(500)と、
前記金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)(600b)あるいは二色性蛍光インキ(600c)のセキュリティ要素として形成されるセキュリティ印刷層(600)と、
を含んで構成されることを特徴とするセキュリティ用ステッカーラベル。
【請求項2】
セキュリティ用ステッカーラベルの製造方法において、
5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで軟磁性ワイヤを製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により前記軟磁性ワイヤを投入し、電磁誘導タグ挿入用紙(300)を形成するための電磁誘導タグ挿入用紙形成ステップ(S100)と、
離型紙ベースシート(100)の上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布し、アクリル系粘着剤層(200)を形成するための粘着剤層形成ステップ(S200)と、
前記アクリル系粘着剤層(200)の上側に、合紙機を用いて前記製造された電磁誘導タグ挿入用紙(300)を合紙するための電磁誘導タグ挿入用紙合紙ステップ(S300)と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、ワニスを用いて0.5〜2μmの厚さでコーティングし、透明樹脂層(400)を形成するための透明樹脂層形成ステップ(S400)と、
前記透明樹脂層の上側に、真空蒸着に使用される金属物質を用いて金属蒸着層(500)を形成するための金属蒸着層形成ステップ(S500)と、
前記形成された金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)(600b)あるいは二色性蛍光インキ(600c)のセキュリティ要素を形成し、セキュリティ印刷層を構成するためのセキュリティ印刷層形成ステップ(S600)と、
を含んで構成されることを特徴とするセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法。
【請求項3】
セキュリティ用ステッカーラベルにおいて、
離型紙ベースシート(100)と、
前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂を用いて10〜20μm程度で均一に形成されるアクリル系粘着剤層(200)と、
前記粘着剤層の上側に付着される電磁誘導タグ挿入用紙(300)と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成される高光沢アルミ薄層(700)と、
前記高光沢アルミ薄層の上側に、QRコード(登録商標)(600b)あるいは二色性蛍光インキ(600c)のセキュリティ要素として形成されるセキュリティ印刷層(600)と、
を含んで構成されていることを特徴とするセキュリティ用ステッカーラベル。
【請求項4】
セキュリティ用ステッカーラベルの製造方法において、
5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで軟磁性ワイヤを製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により前記軟磁性ワイヤを投入し、電磁誘導タグ挿入用紙(300)を形成するための電磁誘導タグ挿入用紙形成ステップ(S100)と、
離型紙ベースシート(100)の上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布し、アクリル系粘着剤層(200)を形成するための粘着剤層形成ステップ(S200)と、
前記アクリル系粘着剤層(200)の上側に、合紙機を用いて前記製造された電磁誘導タグ挿入用紙(300)を合紙するための電磁誘導タグ挿入用紙合紙ステップ(S300)と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、ホットメルト高光沢アルミ薄を用いて金箔印刷機で140〜180℃の温度で付着し、高光沢アルミ薄層(700)を形成するための高光沢アルミ薄層形成ステップ(S400)と、
前記高光沢アルミ薄層の上側に、QRコード(登録商標)(600b)あるいは二色性蛍光インキ(600c)のセキュリティ要素を形成し、セキュリティ印刷層を構成するためのセキュリティ印刷層形成ステップ(S500)と、
を含んで構成されることを特徴とするセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法。
【請求項5】
前記金属蒸着層(500)あるいは高光沢アルミ薄層(700)は、
60°光沢値が450光沢単位(GU)以上の光沢度を有することを特徴とする、請求項2または請求項4に記載のセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法に関し、より詳しくは、セキュリティ用ステッカーラベルを高解像度の複写機(カラー、白黒)でコピーする場合、ステッカーラベルの印刷物の内容の全体が黒色または一部が黒色で再現されることにより、セキュリティ用ステッカーラベルのコピー偽造防止効果を提供することができ、セキュリティ用ステッカーラベルを付着した設計図面や認証書などのセキュリティ文書を持って電磁誘導ゲートを通る場合、警告アラームが鳴らすことにより、セキュリティ文書の流出を予防することができるようになるセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、OA機器や機器の各種重要部品などの認証書またはセキュリティを目的とするステッカーラベル、ステッカービザなどの偽造及び変造を防止するために使用されるステッカーラベルでは、コピー偽造防止技術(蛍光インキ、カラーシフトインキ、微細文字など)が適用されており、セキュリティ文書の流出に対応するために電磁誘導タグが使用されていた。
特に、機器の各種重要部品などの認証書またはセキュリティを目的とするステッカーラベル、ステッカービザなどに使用されるステッカーラベルでは、セキュリティ文書の流出に対応するために、1〜3つの電磁誘導タグを手作業で適用しており、作業工程に手間がかかった。また、電磁誘導タグを意図的に取り外して使用することができるため、セキュリティ効果が不十分であった。
【0003】
また、高解像度の複写機によるコピー偽造防止効果も不十分であるのが現状である。
【0004】
したがって、新しいコピー偽造防止技術が適用されたステッカーラベルが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1042139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような従来技術の問題を解決するためになされたものであって、機器の各種重要部品などの認証書またはセキュリティを目的とするステッカーラベル、ステッカービザなどの偽造及び変造を防止するために使用されるステッカーラベルにおいて、セキュリティ文書の流出に対応するために、電磁誘導タグを微細化し、微細化した電磁誘導タグを用紙の製造時に噴射して適用することで、電磁誘導タグがラベルの中に多数形成されることにより、作業工程が簡単となり、電磁誘導タグを意図的に取り外す行為を根本的に遮断することができるセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、ステッカーラベルをコピーする場合、印刷物の内容の全部または一部が黒色で再現されることにより、目視で真贋判定が可能なセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は、ステッカーラベルの印刷物では、スマートフォンのアプリケーションを用いてQRコード(登録商標)の情報が確認できるようにし、複写物では、QRコード(登録商標)が表示されないようにすることにより、コピーによる真贋判定が可能なセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を果たすための本発明によるセキュリティ用ステッカーラベルは、
離型紙ベースシート100と、
前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂を用いて10〜20μm程度で均一に形成されるアクリル系粘着剤層200と、
前記粘着剤層の上面に付着される電磁誘導タグ挿入用紙300と、
記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成される透明樹脂層400と、
前記透明樹脂層の上側に、金属物質を用いて真空蒸着させて形成される金属蒸着層500と、前記金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素として形成されるセキュリティ印刷層600と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0010】
前記のような目的を果たすための本発明によるセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法は、5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで軟磁性ワイヤを製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により前記軟磁性ワイヤを投入し、電磁誘導タグ挿入用紙300を形成するための電磁誘導タグ挿入用紙形成ステップS100と、
離型紙ベースシート100の上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布し、アクリル系粘着剤層200を形成するための粘着剤層形成ステップS200と、
前記アクリル系粘着剤層200の上側に、合紙機を用いて前記製造された電磁誘導タグ挿入用紙300を合紙するための電磁誘導タグ挿入用紙合紙ステップS300と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、ワニスを用いて0.5〜2μmの厚さでコーティングし、透明樹脂層400を形成するための透明樹脂層形成ステップS400と、
前記透明樹脂層の上側に、真空蒸着に使用される金属物質を用いて金属蒸着層500を形成するための金属蒸着層形成ステップS500と、
前記形成された金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素を形成し、セキュリティ印刷層を構成するためのセキュリティ印刷層形成ステップS600と、を含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の構成及び作用を持つ本発明によれば、機器の各種重要部品などの認証書またはセキュリティを目的とするステッカーラベル、ステッカービザなどの偽造及び変造を防止するために使用されるステッカーラベルにおいて、セキュリティ文書の流出に対応するために、電磁誘導タグを微細化し、微細化した電磁誘導タグを用紙の製造時に噴射して適用することで、電磁誘導タグがラベルの中に多数形成されることにより、作業工程が簡単となり、電磁誘導タグを意図的に取り外す行為を根本的に遮断することができる効果がある。
【0012】
また、ステッカーラベルをコピーする場合、印刷物の内容の全部または一部が黒色で再現されることにより、目視で真贋判定が可能な効果がある
【0013】
また、ステッカーラベルの印刷物では、スマートフォンのアプリケーションを用いてQRコード(登録商標)の情報が確認できるようにし、複写物では、QRコード(登録商標)が表示されないようにすることにより、コピーによる真贋判定が可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの断面図である。
図2】本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの電磁誘導タグ挿入用紙の拡大図である。
図4図1の電磁誘導タグ挿入用紙の表面に透明樹脂層及び金属蒸着層を示す例示図である
図5図2の電磁誘導タグ挿入用紙の表面の一部に、QRコード(登録商標)をコピー偽造防止用として使用するために、高光沢アルミ薄層を形成した例示図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法を示す工程図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法を示す工程図である。
図8】本発明の第一の実施形態で製造されたセキュリティ用ステッカーラベルに、セキュリティ要素であるQRコード(登録商標)、二色性蛍光インキを適用した平面図である。
図9】本発明の第二の実施形態で製造されたセキュリティ用ステッカーラベルに、セキュリティ要素であるQRコード(登録商標)、二色性蛍光インキを適用した平面図である。
図10】本発明の第一の実施形態で製造されたセキュリティ用ステッカーラベルを複写機(カラー、白黒)でコピーした場合の複写物の例示図である。
図11】本発明の第二の実施形態で製造されたセキュリティ用ステッカーラベルを複写機(カラー、白黒)でコピーした場合の複写物の例示図である。
図12】本発明のセキュリティ用ステッカーラベルを付着したセキュリティレベル1の設計図面を持って電磁誘導ゲートを通る場合、警告灯及びアラームが作動することを示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、 本発明に係るセキュリティ用ステッカーラベル及びその製造方法を実施形態により詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの断面図である。
【0017】
図1に示すように、本発明のセキュリティ用ステッカーラベルは、離型紙ベースシート100と、
前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂を用いて10〜20μm程度で均一に形成されるアクリル系粘着剤層200と、
前記粘着剤層の上面に付着される電磁誘導タグ挿入用紙300と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成される透明樹脂層400と、
前記透明樹脂層の上側に、金属物質を用いて真空蒸着させて形成される金属蒸着層500と、
前記金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素として形成されるセキュリティ印刷層600と、を含んで構成される。
【0018】
前記アクリル系粘着剤層200は、前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布される。
【0019】
前記透明樹脂層400は、前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成されており、前記金属蒸着層500は、前記透明樹脂層の上側に金属物質を用いて真空蒸着されて形成されている。また、セキュリティ印刷層600は、前記金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素として形成されている。
【0020】
図6は、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法を示す工程図である。
【0021】
図6に示すように、電磁誘導タグ挿入用紙形成ステップS100において、5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで軟磁性ワイヤを製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により前記軟磁性ワイヤを投入し、電磁誘導タグ挿入用紙300を形成する。
【0022】
つまり、原紙に軟磁性ワイヤを添加し、図3のような電磁誘導タグ挿入用紙を製造する。
【0023】
具体的に、前記電磁誘導タグ挿入用紙は、好ましくは、針葉樹及び広葉樹パルプ80〜85重量部、炭酸カルシウム10〜15重量部、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーと消泡剤0.8重量部、湿潤紙力増強剤1.5重量部、定着剤としてポリ塩化アルミニウム2.5重量部、カチオン性ポリアクリルアミド0.05重量部を混合して、原紙300aを生成する。
このとき、長網抄紙機と円網抄紙機を用いて抄紙しながら軟磁性ワイヤを添加し、混合スラリーを製造する。
【0024】
ここで、軟磁性ワイヤは、電磁誘導タグ(J社、JR02−AC)の組成を有する軟磁性 物質からなり、軟磁性物質は、炭素(C)6.5%、酸素(O)0.73%、ケイ素(Si)5.81%、クロム(Cr)3.16%、鉄(Fe)4.53%、コバルト(Co)79.96%で構成されている。
【0025】
このような特性を有する軟磁性ワイヤ300bを5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により投入して、電磁誘導タグ挿入用紙80〜90g/m2を製造する。
【0026】
次に、粘着剤層形成ステップS200において、離型紙ベースシート100の上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布し、アクリル系粘着剤層200を形成する。
【0027】
次に、電磁誘導タグ挿入用紙合紙ステップS300において、前記アクリル系粘着剤層200の上側に、合紙機を用いて、前記製造された電磁誘導タグ挿入用紙300を合紙する。
【0028】
次に、透明樹脂層形成ステップS400において、前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、ワニスを用いて0.5〜2μmの厚さでコーティングし、透明樹脂層400を形成する。
【0029】
具体的に、透明樹脂層に使用される樹脂は、金属蒸着が可能な樹脂類を選択する必要があり、好ましくは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂などで構成されたワニスを用いて、前記電磁誘導タグ挿入用紙の一面の一部または全面に0.5〜2μmの厚さでコーティングする。このとき、用紙の表面の光沢度及び金属蒸着効果を向上させるために、紫外線硬化型バインダーを使用することができる。
【0030】
次に、金属蒸着層形成ステップS500において、透明樹脂層の上側に真空蒸着に使用される金属物質を用いて、金属蒸着層500を形成する。
具体的に、真空蒸着に使用される金属物質は、アルミニウム、銅、スズ、またはこれらの合金から選択される。
【0031】
ここで、前記金属蒸着層は、60°光沢値が450光沢単位(GU)以上の光沢度を有する。
【0032】
次に、セキュリティ印刷層形成ステップS600において、前記形成された金属蒸着層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素を形成し、セキュリティ印刷層600を構成する。
【0033】
セキュリティ用ステッカーラベルに適用されているQRコード(登録商標)600bは、図8図9に示すように、スマートフォンのアプリケーションを用いて情報を確認することができる。
【0034】
図8の図面符号「600a」は、 一般の文字を示すものである。
【0035】
しかし、図10図11に示すように、セキュリティラベルの複写物800b、800cでは、QRコード(登録商標)が表示されないため、情報を確認することができない。また、図8図9に示すように、二色性蛍光インキ600cは、可視的に薄い米色に見え、紫外線の照射時には、短波(254nm)では赤色、長波(365nm)では黄色に見え、コピー時には再現されない。
【0036】
一方、前記二色性蛍光インキ600cは、アクリルワニス(UV型)75重量%、短波蛍光物質2重量%、長波蛍光物質10重量%、消泡剤(BYK−022)0.5重量%、帯電防止剤(JI―65)1重量%、イソプロピルアルコール11.5重量%で製造する。
【0037】
図2は、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの断面図である。
【0038】
図2に示すように、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルは、
離型紙ベースシート100と、
前記離型紙ベースシートの上側に、アクリル系樹脂を用いて10〜20μm程度で均一に形成されるアクリル系粘着剤層200と、
前記粘着剤層の上側に付着される電磁誘導タグ挿入用紙300と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に形成される高光沢アルミ薄層700と、
前記高光沢アルミ薄層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素として形成されるセキュリティ印刷層600と、を含んで構成される。
【0039】
前記第二の実施形態と第一の実施形態の相違点は、前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、透明樹脂層及び金属蒸着層に代えて、高光沢アルミ薄層を形成していることである。
【0040】
図7は、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法を示す工程図である。
【0041】
図7に示すように、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ用ステッカーラベルの製造方法は、
5〜15μm、0.5〜1cmの厚さで軟磁性ワイヤを製造し、抄紙工程でチャンバまたはエア方式により前記軟磁性ワイヤを投入し、電磁誘導タグ挿入用紙300を形成するための電磁誘導タグ挿入用紙形成ステップS100と、
離型紙ベースシート100の上側に、アクリル系樹脂をコーター機を用いて10〜20μm程度で均一に塗布し、アクリル系粘着剤層200を形成するための粘着剤層形成ステップS200と、
前記アクリル系粘着剤層200の上側に、合紙機を用いて前記製造された電磁誘導タグ挿入用紙300を合紙するための電磁誘導タグ挿入用紙合紙ステップS300と、
前記電磁誘導タグ挿入用紙の上側に、ホットメルト高光沢アルミ薄を用いて金箔印刷機で140〜180℃の温度で付着し、高光沢アルミ薄層700を形成するための高光沢アルミ薄層形成ステップS400と、
前記高光沢アルミ薄層の上側に、QRコード(登録商標)600bあるいは二色性蛍光インキ600cのセキュリティ要素を形成し、セキュリティ印刷層を構成するためのセキュリティ印刷層形成ステップS500と、を含んで構成される。
【0042】
前記第二の実施形態と第一の実施形態の相違点は、高光沢アルミ薄層形成ステップを遂行することである。
【0043】
つまり、図5に示すように、前記高光沢アルミ薄層形成ステップS400において、ホットメルト高光沢アルミ薄を用いて金箔印刷機で140〜180℃の温度で付着することにより、電磁誘導タグ挿入用紙の上側の特定の部位に高光沢アルミ薄層700を形成する。
【0044】
前記高光沢アルミ薄層700は、60°光沢値が450光沢単位(GU)以上の光沢度を有し、これによりコピー偽造防止効果が向上する。
【0045】
一方、図12に示すように、上述のような本発明のセキュリティ用ステッカーラベル800aを付着したセキュリティ用設計図面750を持って電磁誘導ゲート900を通る場合、警告灯及びアラームが作動することになる。
【0046】
したがって、セキュリティ文書の流出を予防することができる効果がある。
【0047】
前記のような本発明を通じて、機器の各種重要部品などの認証書またはセキュリティを目的とするステッカーラベル、ステッカービザなどの偽造及び変造を防止するために使用されるステッカーラベルにおいて、セキュリティ文書の流出に対応するために、電磁誘導タグを微細化し、微細化した電磁誘導タグを用紙の製造時に噴射して適用することで、電磁誘導タグがラベルの中に多数形成されることにより、作業工程が簡単となり、電磁誘導タグを意図的に取り外す行為を根本的に遮断することができる効果がある。
【0048】
また、ステッカーラベルをコピーする場合、印刷物の内容の全部または一部が黒色で再現されることにより、目視で真贋判定が可能な効果がある
また、ステッカーラベルの印刷物では、スマートフォンのアプリケーションを用いてQRコード(登録商標)の情報が確認できるようにし、複写物では、QRコード(登録商標)が表示されないようにすることにより、コピーによる真贋判定が可能な効果がある。
【0049】
以上では本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるであろう。
【符号の説明】
【0050】
100 離型紙ベースシート
200 アクリル系粘着剤層
300 電磁誘導タグ挿入用紙
400 透明樹脂層
500 金属蒸着層
600 セキュリティ印刷層
700 高光沢アルミ薄層
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