【解決手段】血液浄化器120と、透析液貯液部140および補液貯液部150の少なくとも一方と、排液貯液部137と、透析液貯液部140および補液貯液部150の少なくとも一方を支持し、第1カムフォロア184を含む第1支持部材180と、排液貯液部137を支持し、第2カムフォロア192を含む第2支持部材191と、第1カムフォロア184と接する第1カム172、および、第2カムフォロア192と接する第2カム173を含むカムシャフト171と、第1支持部材180および第2支持部材191の各々を支持可能に配置された秤139とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態に係る血液浄化装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。以下の実施形態の説明においては、血液浄化装置として、持続緩徐式血液浄化療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)に用いられる血液浄化装置について説明する。ただし、血液浄化装置は、持続的血液濾過透析法(continuous hemodiafiltration:CHDF)、持続的血液ろ過法(continuous hemofiltration:CHF)、および、持続的血液透析法(continuous hemodialysis:CHD)のいずれかに用いられる血液浄化装置であってもよい。
【0012】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置100は、血液浄化器120と、透析液貯液部140と、補液貯液部150と、排液貯液部137と、透析液管路142と、補液管路152と、排液管路130と、第1ポンプ160と、第2ポンプ161と、第3ポンプ162と、第1支持部材180と、第2支持部材191と、カムシャフト171と、秤139とを備える。なお、血液浄化装置100がCHDに用いられる場合、血液浄化装置100は、補液貯液部150、補液管路152および第2ポンプ161を含まない。血液浄化装置100がCHFに用いられる場合、血液浄化装置100は、透析液貯液部140、透析液管路142および第1ポンプ160を含まない。
【0013】
血液浄化器120は、たとえば中空糸膜からなる半透膜を内部に含んでいる。血液浄化器120は、血液入口121および血液出口122を有している。血液入口121には、上流側血液管路110が接続されている。血液出口122には、下流側血液管路116が接続されている。
【0014】
上流側血液管路110には、血液を送り出す血液ポンプ111が設けられている。上流側血液管路110の途中には、動脈側ドリップチャンバ112が設けられている。動脈側ドリップチャンバ112には、血液の圧力を測定する上流側圧力測定装置113が設けられている。患者の動脈から採取された血液は、上流側血液管路110を流れる途中で動脈側ドリップチャンバ112を通過する際に圧力を測定された後、血液入口121から血液浄化器120内に流入する。
【0015】
下流側血液管路116の途中には、静脈側ドリップチャンバ114が設けられている。静脈側ドリップチャンバ114には、血液の圧力を測定する下流側圧力測定装置115が設けられている。血液浄化器120によって浄化された血液は、下流側血液管路116を流れる途中で静脈側ドリップチャンバ114を通過する際に圧力を測定された後、患者の静脈に返される。このように、血液浄化器120は、血液回路に組み込まれている。静脈側ドリップチャンバ114は、補液管路152と接続されている。なお、補液管路152が、静脈側ドリップチャンバ114の代わりに動脈側ドリップチャンバ112に接続されていてもよい。
【0016】
血液浄化器120は、透析液入口124および排液出口123をさらに有している。透析液入口124には、透析液管路142が接続されている。排液出口123には、排液管路130が接続されている。
【0017】
透析液管路142の上流端は、透析液141を供給する透析液貯液部140と接続されている。透析液管路142には、透析液141を設定流量Qdで送り出す第1ポンプ160が接続されている。第1ポンプ160は、ローラ式ポンプである。透析液管路142を流れた透析液141は、血液浄化器120内に供給される。このように、透析液貯液部140は、血液回路に組み込まれている。
【0018】
補液管路152の上流端は、補液151を供給する補液貯液部150と接続されている。補液管路152には、補液151を設定流量Qsで送り出す第2ポンプ161が接続されている。第2ポンプ161は、ローラ式ポンプである。
【0019】
補液管路152を流れた補液151は、静脈側ドリップチャンバ114内に供給される。すなわち、補液管路152は、血液浄化器120より血液回路の下流側に補液151を供給する。補液管路152が動脈側ドリップチャンバ112に接続されている場合には、補液管路152は、血液浄化器120より血液回路の上流側に補液151を供給する。このように、補液貯液部150は、血液回路に組み込まれている。
【0020】
排液管路130の下流端は、血液浄化器120から排出された排液138を貯える排液貯液部137と接続されている。排液管路130には、排液管路130を流れる排液138を設定流量Quで送り出す第3ポンプ162が接続されている。第3ポンプ162は、ローラ式ポンプである。このように、排液貯液部137は、血液回路に組み込まれている。
【0021】
第1支持部材180は、透析液貯液部140および補液貯液部150を支持し、第1カムフォロア184を含む。具体的には、第1支持部材180は、垂直方向に延在している。第1支持部材180の上部に、水平方向に延在する第1腕部181および第2腕部186が設けられている。第1腕部181には、透析液貯液部140が吊るされる第1フック182が設けられている。第2腕部186には、補液貯液部150が吊るされる第2フック183が設けられている。
【0022】
第1支持部材180の下部に、水平方向に延在する第1カムフォロア184が設けられている。第1カムフォロア184の先端には、後述する第1カム172と転がり接触する図示しないベアリングが設けられている。第1支持部材180の下端は、秤139の測定部と接離可能に設けられている。
【0023】
上記のように、第1支持部材180は、第1腕部181と、第2腕部186と、第1フック182と、第2フック183と、第1カムフォロア184とを含んでいる。第1支持部材180は、図示しない転倒防止機構によって、転倒しないように支えられている。
【0024】
第2支持部材191は、排液貯液部137を支持し、第2カムフォロア192を含む。具体的には、第2支持部材191は、垂直方向に延在している。第2支持部材191の上部に、水平方向に延在する第2カムフォロア192が設けられている。第2カムフォロア192の先端には、後述する第2カム173と転がり接触する図示しないベアリングが設けられている。
【0025】
第2支持部材191の上部に、支持部190が設けられている。支持部190は、第2支持部材191の上部から水平方向に延在した後、垂直方向下向きに延在している。支持部190の下端は、秤139の測定部と接離可能に設けられている。上記のように、第2支持部材191は、支持部190と第2カムフォロア192とを含んでいる。第2支持部材191は、図示しない転倒防止機構によって、転倒しないように支えられている。
【0026】
カムシャフト171は、第1カムフォロア184と接する第1カム172、および、第2カムフォロア192と接する第2カム173を含んでいる。カムシャフト171の一端には、カムシャフト171を回転駆動するモータ170が接続されている。カムシャフト171の他端には、ポジションセンサ174が設けられている。本実施形態においては、カムシャフト171の回転位置を検出するためにポジションセンサ174を設けているが、必ずしもポジションセンサ174が設けられていなくてもよい。
【0027】
秤139は、第1支持部材180および第2支持部材191の各々を支持可能に配置されている。本実施形態においては、秤139はロードセルである。ただし、秤139は、ロードセルに限られず、ばねばかりなどであってもよい。
【0028】
第1カムフォロア184と第1カム172とが接していないとき、秤139が第1支持部材180を支持して荷重を測定し、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しているとき、カムシャフト171が第1支持部材180を支持している。
【0029】
第2カムフォロア192と第2カム173とが接していないとき、秤139が第2支持部材191を支持して荷重を測定し、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しているとき、カムシャフト171が第2支持部材191を支持している。
【0030】
以下、本実施形態に係る血液浄化装置100において、除水量を測定するための動作について説明する。
【0031】
まず、血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162を稼働させることにより、透析液貯液部140から設定流量Qdで透析液141を供給し、補液貯液部150から設定流量Qsで補液151を供給し、排液貯液部137に設定流量Quで排液を流入させる。
【0032】
モータ170を稼働させて、カムシャフト171を回転させることにより、
図1に示すように、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しており、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接している第1状態となる。
【0033】
第1状態においては、カムシャフト171が第1支持部材180および第2支持部材191を支持している。よって、秤139には荷重が負荷されていない。本実施形態においては、第1状態において、秤139が0点調整される。すなわち、第1状態において、秤139の測定値が0からずれている場合には、秤139の測定値を0にする。
【0034】
図2は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置の第2状態を示す回路図である。
図2に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しておらず、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接している第2状態となる。
【0035】
第2状態においては、カムシャフト171が第2支持部材191を支持し、秤139が第1支持部材180を支持して荷重を測定している。第2状態である間に、秤139によって、透析液貯液部140および補液貯液部150の重量変化を測定することにより、(Qd+Qs)を実測することができる。なお、血液浄化装置100がCHDに用いられる場合は、Qdを実測することができる。血液浄化装置100がCHFに用いられる場合は、Qsを実測することができる。
【0036】
図3は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置の第3状態を示す回路図である。
図3に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しておらず、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接していない第3状態となる。
【0037】
第3状態においては、秤139が第1支持部材180および第2支持部材191を支持して荷重を測定している。第3状態である間に、秤139によって、透析液貯液部140、補液貯液部150および排液貯液部137の重量変化を測定することにより、除水流量である、Qu−(Qd+Qs)を実測することができる。なお、血液浄化装置100がCHDに用いられる場合は、Qu−Qdを実測することができる。血液浄化装置100がCHFに用いられる場合は、Qu−Qsを実測することができる。
【0038】
図4は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置の第4状態を示す回路図である。
図4に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しており、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接していない第4状態となる。
【0039】
第4状態においては、カムシャフト171が第1支持部材180を支持し、秤139が第2支持部材191を支持して荷重を測定している。第4状態である間に、秤139によって、排液貯液部137の重量変化を測定することにより、Quを実測することができる。
【0040】
実際の流量Quと設定流量Quとの間に差がある場合には、第3ポンプ162の出力を調整する。具体的には、実際の流量Quが設定流量Quより大きい場合には、第3ポンプ162の出力を低くする。実際の流量Quが設定流量Quより小さい場合には、第3ポンプ162の出力を高くする。このように実際の流量Quの測定値に基づいて第3ポンプ162の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置100が備えていることが好ましい。
【0041】
カムシャフト171がさらに回転することにより、
図1に示す血液浄化装置の第1状態に戻る。第4状態でのQuの実測値と、第2状態での(Qd+Qs)の実測値とを減算することにより実際の除水流量を算出することができる。なお、血液浄化装置100がCHDに用いられる場合は、第4状態でのQuの実測値と、第2状態でのQdの実測値とを減算することにより実際の除水流量を算出することができる。血液浄化装置100がCHFに用いられる場合は、第4状態でのQuの実測値と、第2状態でのQsの実測値とを減算することにより実際の除水流量を算出することができる。
【0042】
すなわち、本実施形態に係る血液浄化装置100においては、第1状態において秤139が0点調整され、第2状態、第3状態および第4状態における秤139の測定値の変化量から、除水流量を算出することができる。
【0043】
本実施形態に係る血液浄化装置100は、1つの秤139で荷重を測定するため、除水流量を正確に測定できる。秤139の0点調整を一定間隔毎行なうことにより、除水流量を正確に測定できる。1本のカムシャフト171を回転させることによって、第1状態から第4状態まで切り替えているため、各状態の切り替え間隔を正確に維持することができる。血液浄化装置100の稼働時間と実際の除水流量との積から除水量を正確に測定できる。
【0044】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置について説明する。なお、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置200は、透析液貯液部が第1支持部材に支持され、補液貯液部が第3支持部材に支持されている点が主に、実施形態1に係る血液浄化装置100と異なるため、実施形態1に係る血液浄化装置100と同様である構成については同一の参照符号を付してその説明を繰り返さない。
【0045】
図5は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の構成を示す回路図である。
図5に示すように、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置200は、第3支持部材185をさらに備える。
【0046】
第1支持部材180は、透析液貯液部140を支持し、第1カムフォロア184を含む。具体的には、第1支持部材180は、垂直方向に延在している。第1支持部材180の上部に、水平方向に延在する第1腕部181が設けられている。第1腕部181には、透析液貯液部140が吊るされる第1フック182が設けられている。
【0047】
第1支持部材180の下部に、水平方向に延在する第1カムフォロア184が設けられている。第1カムフォロア184の先端には、第1カム172と転がり接触する図示しないベアリングが設けられている。第1支持部材180の下端は、秤139の測定部と接離可能に設けられている。
【0048】
上記のように、第1支持部材180は、第1腕部181と、第1フック182と、第1カムフォロア184とを含んでいる。第1支持部材180は、図示しない転倒防止機構によって、転倒しないように支えられている。
【0049】
第3支持部材185は、補液貯液部150を支持し、第3カムフォロア187を含む。具体的には、第3支持部材185は、垂直方向に延在している。第3支持部材185の上部に、水平方向に延在する第2腕部186が設けられている。第2腕部186には、補液貯液部150が吊るされる第2フック183が設けられている。
【0050】
第3支持部材185の下部に、水平方向に延在する第3カムフォロア187が設けられている。第3カムフォロア187の先端には、後述する第3カム175と転がり接触する図示しないベアリングが設けられている。第3支持部材185の下端は、秤139の測定部と接離可能に設けられている。
【0051】
上記のように、第3支持部材185は、第2腕部186と、第2フック183と、第3カムフォロア187とを含んでいる。第3支持部材185は、図示しない転倒防止機構によって、転倒しないように支えられている。
【0052】
カムシャフト171は、第1カムフォロア184と接する第1カム172、第2カムフォロア192と接する第2カム173、および、第3カムフォロア187と接する第3カム175を含んでいる。カムシャフト171の一端には、カムシャフト171を回転駆動するモータ170が接続されている。カムシャフト171の他端には、ポジションセンサ174が設けられている。
【0053】
秤139は、第1支持部材180、第2支持部材191および第3支持部材185の各々を支持可能に配置されている。本実施形態においては、秤139はロードセルである。ただし、秤139は、ロードセルに限られず、ばねばかりなどであってもよい。
【0054】
第1カムフォロア184と第1カム172とが接していないとき、秤139が第1支持部材180を支持して荷重を測定し、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しているとき、カムシャフト171が第1支持部材180を支持している。
【0055】
第2カムフォロア192と第2カム173とが接していないとき、秤139が第2支持部材191を支持して荷重を測定し、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しているとき、カムシャフト171が第2支持部材191を支持している。
【0056】
第3カムフォロア187と第3カム175とが接していないとき、秤139が第3支持部材185を支持して荷重を測定し、第3カムフォロア187と第3カム175とが接しているとき、カムシャフト171が第3支持部材185を支持している。
【0057】
以下、本実施形態に係る血液浄化装置200において、除水量を測定するための動作について説明する。
【0058】
モータ170を稼働させて、カムシャフト171を回転させることにより、
図5に示すように、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しており、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しており、かつ、第3カムフォロア187と第3カム175とが接している第1状態となる。
【0059】
第1状態においては、カムシャフト171が第1支持部材180、第2支持部材191および第3支持部材185を支持している。よって、秤139には荷重が負荷されていない。本実施形態においては、第1状態において、秤139が0点調整される。
【0060】
図6は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の第2状態を示す回路図である。
図6に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しておらず、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しており、かつ、第3カムフォロア187と第3カム175とが接している第2状態となる。
【0061】
第2状態においては、カムシャフト171が第2支持部材191および第3支持部材185を支持し、秤139が第1支持部材180を支持して荷重を測定している。第2状態である間に、秤139によって、透析液貯液部140の重量変化を測定することにより、Qdを実測することができる。
【0062】
実際の流量Qdと設定流量Qdとの間に差がある場合には、第1ポンプ160の出力を調整する。具体的には、実際の流量Qdが設定流量Qdより大きい場合には、第1ポンプ160の出力を低くする。実際の流量Qdが設定流量Qdより小さい場合には、第1ポンプ160の出力を高くする。このように実際の流量Qdの測定値に基づいて第1ポンプ160の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0063】
図7は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の第3状態を示す回路図である。
図7に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しており、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しており、かつ、第3カムフォロア187と第3カム175とが接していない第3状態となる。
【0064】
第3状態においては、カムシャフト171が第1支持部材180および第2支持部材191を支持し、秤139が第3支持部材185を支持して荷重を測定している。第3状態である間に、秤139によって、補液貯液部150の重量変化を測定することにより、Qsを実測することができる。
【0065】
実際の流量Qsと設定流量Qsとの間に差がある場合には、第2ポンプ161の出力を調整する。具体的には、実際の流量Qsが設定流量Qsより大きい場合には、第2ポンプ161の出力を低くする。実際の流量Qsが設定流量Qsより小さい場合には、第2ポンプ161の出力を高くする。このように実際の流量Qsの測定値に基づいて第2ポンプ161の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0066】
図8は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の第4状態を示す回路図である。
図8に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しておらず、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しておらず、第3カムフォロア187と第3カム175とが接していない第4状態となる。
【0067】
第4状態においては、秤139が第1支持部材180、第2支持部材191および第3支持部材185を支持して荷重を測定している。第4状態である間に、秤139によって、透析液貯液部140、補液貯液部150および排液貯液部137の重量変化を測定することにより、除水流量である、Qu−(Qd+Qs)を実測することができる。
【0068】
図9は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の第5状態を示す回路図である。
図9に示すように、カムシャフト171が回転して、第1カムフォロア184と第1カム172とが接しており、かつ、第2カムフォロア192と第2カム173とが接しておらず、かつ、第3カムフォロア187と第3カム175とが接している第5状態となる。
【0069】
第5状態においては、カムシャフト171が第1支持部材180および第3支持部材185を支持し、秤139が第2支持部材191を支持して荷重を測定している。第5状態である間に、秤139によって、排液貯液部137の重量変化を測定することにより、Quを実測することができる。
【0070】
実際の流量Quと設定流量Quとの間に差がある場合には、第3ポンプ162の出力を調整する。具体的には、実際の流量Quが設定流量Quより大きい場合には、第3ポンプ162の出力を低くする。実際の流量Quが設定流量Quより小さい場合には、第3ポンプ162の出力を高くする。このように実際の流量Quの測定値に基づいて第3ポンプ162の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0071】
カムシャフト171がさらに回転することにより、
図5に示す血液浄化装置の第1状態に戻る。第2状態Qdの実測値と第3状態Qsの実測値との加算値と、第5状態でのQuの実測値とを、減算することにより実際の除水流量を算出することができる。
【0072】
すなわち、本実施形態に係る血液浄化装置200においては、第1状態において秤139が0点調整され、第2状態、第3状態、第4状態および第5状態における秤139の測定値の変化量から、除水流量を算出することができる。また、本実施形態に係る血液浄化装置200においては、実際の流量Qd、実際の流量Qs、および、実際の流量Quの全てを測定することができる。
【0073】
本実施形態に係る血液浄化装置200は、1つの秤139で荷重を測定するため、除水流量を正確に測定できる。秤139の0点調整を一定間隔毎行なうことにより、除水流量を正確に測定できる。1本のカムシャフト171を回転させることによって、第1状態から第5状態まで切り替えているため、各状態の切り替え間隔を正確に維持することができる。血液浄化装置200の稼働時間と実際の除水流量との積から除水量を正確に測定できる。上記の第1状態から第5状態まで切り替える一連の動作を一定間隔毎に繰り返し行なって、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162の出力を調整することにより、除水量を正確に維持することができる。
【0074】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。