【解決手段】このカート用バッテリボックス100dは、カート本体部に対して着脱可能に取り付けられるバッテリボックス本体部1と、バッテリボックス本体部1に対して着脱可能に取り付けられる充電可能なバッテリ2と、バッテリボックス本体部1の右側面12および左側面13にそれぞれ設けられ、バッテリ1を着脱可能に取り付けるバッテリ取付部3と、バッテリボックス本体部1内に設けられ、バッテリ1からの直流電力を、商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部5と、バッテリボックス本体部1の上面10に設けられ、交流電力をカート本体部100cに配置される機器に供給する電源プラグを接続可能な第1コンセント61および第2コンセント62と、を備える。
前記バッテリ取付部は、前記カート本体部に前記バッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、取り付けられた前記バッテリを外側に露出させるように構成されている、請求項1に記載のカート用バッテリボックス。
前記バッテリ取付部は、前記バッテリと電気的に接続される接続端子と、前記バッテリの端子を前記接続端子の位置までガイドするガイド部とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカート用バッテリボックス。
前記ガイド部は、上方から下方に延びるように形成され、前記バッテリの端子を前記バッテリ取付部の前記接続端子に導くように、前記バッテリを上方から下方にスライド移動させて前記バッテリ取付部に取付可能に構成されている、請求項4に記載のカート用バッテリボックス。
前記バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリの残量を表示する残量表示部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカート用バッテリボックス。
前記コンセントは、前記カート本体部に前記バッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、前記バッテリボックス本体部の上面に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカート用バッテリボックス。
前記カート本体部は、前記カート本体部の下側に設けられ、前記バッテリボックス本体部が取り外し可能に取り付けられる取付部を含んでいる、請求項8に記載のカート。
前記コンセントは、前記カート本体部に前記バッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、前記バッテリボックス本体部の上面に設けられている、請求項8〜13のいずれか1項に記載のカート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のカート用バッテリボックスでは、バッテリが箱型の比較的狭いボックス本体部の内部に収納されており、容易にバッテリを交換することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、バッテリボックス本体部に取り付けられたバッテリを容易に交換することが可能なカート用バッテリボックスおよびカートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるカート用バッテリボックスは、カート本体部に対して着脱可能に取り付けられるバッテリボックス本体部と、バッテリボックス本体部に対して着脱可能に取り付けられる充電可能なバッテリと、バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、バッテリを着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部と、バッテリボックス本体部の内部に設けられ、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリからの直流電力を、商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部と、バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、所定の電圧の交流電力をカート本体部に配置される機器に供給するための、電源プラグを接続可能なコンセントと、を備える。なお、商用電源とは、電力会社から消費者に届けられる所定の電圧値の交流電力である。
【0008】
この発明の第1の局面によるカート用バッテリボックスでは、上記のように、バッテリボックス本体部の外表面に配置され、バッテリを着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部を設ける。これにより、バッテリがバッテリボックス本体部の内部に収納されている場合と異なり、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリがバッテリボックス本体部の外側に配置されるので、バッテリ取付部に取り付けられた充電量が少なくなったバッテリを容易に取り外して、充電済みのバッテリと容易に交換することができる。また、バッテリボックス本体部に対して、バッテリ取付部と電力変換部とコンセントとを設ける。これにより、バッテリ取付部と電力変換部とコンセントとを、カートに対して別々に設けた場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。また、カート用バッテリボックスがカート本体部に対して着脱可能に構成されるので、機器を使用しない場合などに、バッテリボックス本体部を取り外して、装置を軽量化させることができるとともに、バッテリボックス本体部を他のカートに付け替えることもできる。
【0009】
さらに、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリからの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部と、所定の電圧の交流電力を機器に供給するための、電源プラグを接続可能なコンセントとをカート用バッテリボックスに設ける。ここで、医療機器の分野では、一般的に、各種医療機器は、商用電源から電力供給を受けることにより使用可能(推奨される状態で使用可能)となるように設計されている。したがって、上記のようにカート用バッテリボックスを構成し、本発明によるカート用バッテリボックスを医療分野に適用(医療用ナースカートに設置)した場合には、カート用バッテリボックスの電力変換部において、バッテリからの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換することができるので、ナースカート上(本体部)に配置された医療機器の電源プラグをコンセントに接続することにより、医療機器の使用時間を延長することができる。なお、医療機器とは、電力の供給を受けて稼動され、人や動物の疾病の診断、治療または予防に使用される機器である。
【0010】
上記第1の局面によるカート用バッテリボックスにおいて、好ましくは、バッテリ取付部は、カート本体部にバッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、取り付けられたバッテリを外側に露出させるように構成されている。このように構成すれば、バッテリを外側に露出させることができるので、バッテリボックス本体部の一部が箱状の収納部の内部などに配置されたとしてもバッテリの交換を外部から容易かつ確実に行うことができる。
【0011】
上記第1の局面によるカート用バッテリボックスにおいて、好ましくは、バッテリ取付部は、バッテリボックス本体部の外表面に複数設けられている。このように構成すれば、複数のバッテリ取付部から電力変換部への配線をバッテリボックス本体部の内部に配置することができるので装置構成が複雑化するのを抑制することができる。また、複数のバッテリ取付部を互いに電力変換部に対して並列接続した場合には、一部のバッテリの残量がなくなった場合やバッテリ交換時に一部のバッテリを取り外した場合に、電力変換部への電力の供給が途切れることを防止することができる。また、複数のバッテリ取付部を互いに電力変換部に対して並列接続するとともに、バッテリ取付部と電力変換部との通電状態、および、非通電状態を切替可能に構成した場合には、1つまたは複数のバッテリから電力変換部に電力を供給する状態で装置を使用することができる。また、通電状態および非通電状態の切替により、1つのバッテリから電力変換部に電力を供給する場合には、バッテリの交換時に使用中のバッテリを取り外す前に、次に使用するバッテリが取り付けられたバッテリ取付部を通電状態にしておくことにより、一時的に電力変換部への電力の供給が途切れるのを防止することができる。
【0012】
上記第1の局面によるカート用バッテリボックスにおいて、好ましくは、バッテリ取付部は、バッテリと電気的に接続される接続端子と、バッテリの端子を接続端子の位置までガイドするガイド部とを含む。このように構成すれば、ガイド部により、バッテリと接続端子とが電気的に接続される位置に、バッテリを容易にガイドすることができる。つまり、バッテリ取付部にバッテリを容易に取り付けることができる。その結果、カートに取り付けられたバッテリをより容易に交換することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、ガイド部は、上方から下方に延びるように形成され、バッテリの端子をバッテリ取付部の接続端子に導くように、バッテリを上方から下方にスライド移動させてバッテリ取付部に取付可能に構成されている。このように構成すれば、バッテリが上方から下方にスライド移動されるので、バッテリの自重を利用してバッテリをガイド部に沿って容易にスライド移動させることができる。その結果、バッテリ取付部にバッテリをより容易に取り付けることができ、取り付けられたバッテリを一層容易に交換することができる。また、取り付け状態でバッテリに下方への自重が働くので、バッテリが上方に外れにくいという利点もある。
【0014】
上記第1の局面によるカート用バッテリボックスにおいて、好ましくは、バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリの残量を表示する残量表示部をさらに備える。このように構成すれば、残量表示部によりユーザが容易にバッテリの残量を把握することができる。
【0015】
上記第1の局面によるカート用バッテリボックスにおいて、好ましくは、コンセントは、カート本体部にバッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部の上面に設けられている。このように構成すれば、ユーザから視認しやすい上面にコンセントが設けられるので、コンセントに対するプラグの抜き差しを容易に行うことができる。
【0016】
この発明の第2の局面によるカートは、カート本体部と、カート本体部に取り付けられるカート用バッテリボックスとを備え、カート用バッテリボックスは、カート本体部に対して着脱可能に取り付けられるバッテリボックス本体部と、バッテリボックス本体部に対して着脱可能に取り付けられる充電可能なバッテリと、バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、バッテリを着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部と、バッテリボックス本体部の内部に設けられ、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリからの直流電力を、商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部と、バッテリボックス本体部の外表面に設けられ、所定の電圧の交流電力をカート本体部に配置される機器に供給するための、電源プラグを接続可能なコンセントと、を含む。
【0017】
この発明の第2の局面によるカートでは、上記のように、バッテリボックス本体部の外表面に配置され、バッテリを着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部を設ける。これにより、バッテリがバッテリボックス本体部の内部に収納されている場合と異なり、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリがバッテリボックス本体部の外側に配置されるので、バッテリ取付部に取り付けられた充電量が少なくなったバッテリを容易に取り外して、充電済みのバッテリと容易に交換することができる。また、バッテリボックス本体部に対して、バッテリ取付部と電力変換部とコンセントと設ける。これにより、バッテリ取付部と電力変換部とコンセントとを、カートに対して別々に設けた場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。また、カート用バッテリボックスがカート本体部に対して着脱可能に構成されるので、機器を使用しない場合などに、バッテリボックス本体部を取り外して、装置を軽量化させることができるとともに、バッテリボックス本体部を他のカートに付け替えることができる。
【0018】
さらに、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリからの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部と、所定の電圧の交流電力を機器に供給するための、電源プラグを接続可能なコンセントとをカート用バッテリボックスに設ける。ここで、医療機器の分野では、一般的に、各種医療機器は、商用電源から電力供給を受けることにより使用可能(推奨される状態で使用可能)となるように設計されている。したがって、上記のようにカートを構成し、本発明によるカートを医療分野に適用(医療用ナースカートに設置)した場合には、カート用バッテリボックスの電力変換部において、バッテリからの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換することができるので、ナースカート上(本体部)に配置された医療機器の電源プラグをコンセントに接続することにより、医療機器の使用時間を延長することができる。
【0019】
上記第2の局面によるカートにおいて、好ましくは、カート本体部は、カート本体部の下側に設けられ、バッテリボックス本体部が取り外し可能に取り付けられる取付部を含んでいる。このように構成すれば、比較的重量が重いカート用バッテリボックスがカートの下側に取り付けられるので、カートの重心を低くすることができる。その結果、カートの操作性を向上させることができる。
【0020】
上記第2の局面によるカートにおいて、好ましくは、カート本体部は、機器を載置可能な天板部と、天板部を支持する支柱部とバッテリボックス本体部が取り外し可能に取り付けられる取付部とを含み、取付部は、支柱部に取り外し可能に取り付けられている。このように構成すれば、天板部を支持する支柱部にバッテリボックス本体部が取り付けられるので、天板部の下側のスペースを有効に活用することができる。その結果、取り付けられたバッテリボックス本体部がカートの操作の妨げになるのを抑制することができる。
【0021】
上記カート本体部がカート本体部の下側に設けられる構成において、好ましくは、取付部は、バッテリボックス本体部を種々の高さ位置に取り付け可能に構成されている。このように構成すれば、バッテリボックス本体部の高さ位置を変えることができるので、ユーザに合わせてバッテリを交換しやすいようにバッテリボックス本体部の高さ位置を調整することができる。
【0022】
上記第2の局面によるカートにおいて、好ましくは、カート本体部は、機器を載置可能な天板部と、天板部を支持する支柱部と、バッテリボックス本体部が取り付けられる取付部とを含み、取付部は、支柱部に設けられ、バッテリボックス本体部は、支柱部に挿通された状態で取付部に取り付けられるように構成されている。このように構成すれば、バッテリボックス本体部の取付部が支柱部に挿通されるので、バッテリボックス本体部が支柱部の一部の側面にのみ取り付けられる場合と比較して、より安定した状態でバッテリボックス本体部をカート本体部に取り付けることができる。
【0023】
上記第2の局面によるカートにおいて、好ましくは、カート本体部は、機器を載置可能な天板部と、天板部を支持する支柱部とバッテリボックス本体部が取り外し可能に取り付けられる取付部とを含み、取付部は、支柱部よりも下側に設けられ、バッテリボックス本体部が載置される平板部を含む。このように構成すれば、バッテリボックス本体部を平板部に載置するだけでカート本体部に取り付けることができるので、バッテリボックス本体部を容易に取り付けることができる。
【0024】
上記第2の局面によるカートにおいて、好ましくは、コンセントは、カート本体部にバッテリボックス本体部が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部の上面に設けられている。このように構成すれば、ユーザから視認しやすい上面にコンセントが設けられるので、コンセントに対するプラグの抜き差しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上記のように、ナースカートに取り付けられたバッテリを容易に交換することが可能なカート用バッテリボックスおよびカートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
[第1実施形態]
図1〜
図7参照して、本発明の第1実施形態によるナースカートシステム100の構成について説明する。
【0029】
ナースカートシステム100は、
図1に示すように、ナースカート100aと、ナースカート100aから取り外されたバッテリ2の充電を行う充電ステーション100bとを備えている。なお、ナースカート100aは、特許請求の範囲の「カート」の一例である。
【0030】
(ナースカートの構成)
図2に示すナースカート100aは、病院などにおいて、巡回時に用いられる。また、ナースカート100aは、ユーザ(看護師など)により押し運び可能に構成されている。また、ナースカート100aは、血圧等測定器KおよびノートパソコンNなどを配置可能に構成されている。なお、血圧等測定器KおよびノートパソコンNは、共に、特許請求の範囲の「機器」の一例である。
【0031】
血圧等測定器Kは、医療機器の一種である。具体的には、血圧等測定器Kは、人間の血圧、血中酸素濃度(SPO
2)、脈拍および体温などを測定可能に構成されている。また、血圧等測定器Kは、通信部(図示せず)を含んでおり、所定のサーバー(図示せず)に血圧などの測定結果を送信することが可能に構成されている。なお、医療機器とは、電力の供給を受けて稼動され、人や動物の疾病の診断、治療または予防に使用される機器である。ノートパソコンは、情報機器の一種である。情報機器とは、患者に関する情報へのアクセスなどに使用される機器である。
【0032】
ここで、以下の説明では、ナースカート100aの直進方向を前方(X1方向)、前方(X1方向)の逆方向を後方(X2方向)とする。なお、後方(X2方向)は、ナースカート100aに対して、通常、ナースカート100aを操作するユーザが位置する側の方向でもある。また、前後方向(X方向)および上下方向(Z方向)に交差する方向を左右方向(Y2方向、Y1方向)とする。
【0033】
ナースカート100aは、
図1に示すように、カート本体部100cと、カート本体部100cに取り付けられるカート用バッテリボックス100dとを備えている。
【0034】
(カート用バッテリボックスの構成)
カート用バッテリボックス100dは、
図1に示すように、バッテリボックス本体部1(
図2参照)と、バッテリ2と、バッテリ取付部3と、配線部4と、電力変換部5と、第1コンセント61および第2コンセント62と、残量表示部7とを備えている。なお、第1コンセント61および第2コンセント62は、共に、特許請求の範囲の「コンセント」の一例である。
【0035】
バッテリボックス本体部1は、
図2に示すように、水平方向(X方向およびY方向)よりも上下方向(Z方向)に長く延びる(縦長の)箱形状に形成されている。また、バッテリボックス本体部1の内部には、電力変換部5が設けられている。また、カート本体部100cにバッテリボックス本体部1が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部1の上面10には、第1コンセント61および第2コンセント62が設けられている。また、カート本体部100cにバッテリボックス本体部1が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部1の後面11(X2方向側の面)には、残量表示部7が設けられている。なお、後面11は、特許請求の範囲の「外表面」の一例である。
【0036】
カート本体部100cにバッテリボックス本体部1が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部1の右側面12および左側面13には、それぞれ、二対のバッテリ取付部3が合計4つ設けられている。
【0037】
バッテリボックス本体部1は、フック部材14を含んでいる。フック部材14は、カート用バッテリボックス100dのカート本体部100cへの取り付けに用いられる。また、フック部材14は、バッテリボックス本体部1がカート本体部100c取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部1の前方側(X1方向側)に配置されている。
図5に示すように、フック部材14は、複数(4つ)のL字形状のフック14aを有しており、フック14aが後述するカート本体部100cの取付部81dに係合するように構成されている。これにより、バッテリボックス本体部1(カート用バッテリボックス100d)は、カート本体部100cに取り付けられる。詳細については後述する。
【0038】
ここで、以下では、
図3および
図4を参照して、右側面12に設けられたバッテリ取付部3、および、右側面12側に取り付けられたバッテリ2について主に説明する。このため、
図3および
図4に示す各方向は、
図2に示す右側面12側に取り付けられたバッテリ2、および、右側面12に設けられたバッテリ取付部3に対する方向を示している。また、右側面12および左側面13は、共に、特許請求の範囲の「外表面」の一例である。
【0039】
図3に示すバッテリ2は、血圧等測定器KおよびノートパソコンNの電力源としてバッテリボックス本体部1(バッテリ取付部3)に着脱可能に構成されている。また、バッテリ2は、リチウムイオン電池2a(
図1参照)を含んでいる。また、バッテリ2は、
図2に示すように、直方体形状に形成されている。
【0040】
バッテリ2は、溝部20と、爪部21と、爪部操作ボタン22と、切欠き23と、端子24とを含んでいる。
【0041】
溝部20は、バッテリ2の前方(X1方向)および後方(X2方向)の各側面の左方側(Y2方向側)に一対設けられている(
図3では、前方側(X1方向側)のみを示している)。また、溝部20は、下方(Z2方向)から上方(Z1)に延びる直線状の溝形状に形成されている。また、溝部20は、ナースカート100a(
図2参照)への取り付け時において、バッテリ取付部3の後述するガイド部31(
図4参照)に嵌まり込むように構成されている。そして、溝部20がガイド部31に沿ってスライド移動することにより、バッテリ2は、バッテリ取付部3に沿って上方(Z1方向)から下方(Z2方向)にスライド移動するように構成されている。また、バッテリ2は、バッテリ取付部3に取り付けられた状態で外部に露出する。
【0042】
爪部21は、一対の溝部20の上方端部(Z1方向端部)近傍にそれぞれ設けられている(
図3では、前方向側(X1方向側)のみを示している)。また、一対の爪部21は、それぞれ、バッテリ2の前後両面(X方向側の両面)から突出するように構成されている。また、爪部21は、上側に水平面を有している。また、爪部21は、ユーザによって爪部操作ボタン22が押圧されることにより、バッテリ2の内側に引っ込むように構成されている。なお、バッテリ2内には、一対の爪部21を、それぞれ、外側に付勢するスプリング(図示せず)が内蔵されている。このため、爪部21は、ユーザによる爪部操作ボタン22の押圧が解除されることにより、バッテリ2の外側に突出するように構成されている。
【0043】
バッテリ2の左方向側の面(Y2方向側の面)には、段差部分が設けられている。切欠き23は、前後方向(X方向)に並ぶように、この段差部分に一対設けられている。
【0044】
端子24は、一対の切欠き23の内側端面の一部に沿って設けられている。また、端子24は、リチウムイオン電池2aからの電力を、バッテリ取付部3に供給可能に構成されている。
【0045】
バッテリ取付部3は、
図2に示すように、バッテリボックス本体部1の右側面12(左側面13)に上下方向(Z方向)に並ぶように設けられている。また、バッテリ取付部3は、バッテリ2が上下方向にガイドされて着脱可能に取り付けられるように構成されている。また、バッテリ取付部3は、
図4に示すように、右方向(Y1方向)および上方(Z1方向)が開放された箱形状に形成されている。なお、上下方向に並ぶ2つのバッテリ取付部3の間隔は、バッテリ2をバッテリ取付部3から取り外すために必要とされる移動距離よりも大きい。
【0046】
バッテリ取付部3は、接続端子30と、ガイド部31と、外れ防止部32とを含んでいる。
【0047】
接続端子30は、前後方向(X方向)に並ぶように一対設けられている。また、接続端子30は、右方向(Y1方向)に突出し、バッテリ2(
図3参照)の切欠き23(
図3参照)に対応する板状形状に形成されている。また、接続端子30は、バッテリ2がバッテリ取付部3に取り付けられた状態で、バッテリ2の端子24(
図3参照)に接触するように、バッテリ2の端子24に対応する所定位置に設けられている。すなわち、接続端子30は、バッテリ2がバッテリ取付部3に取り付けられことにより、バッテリ2の端子24と電気的に接続されるように構成されている。
【0048】
ガイド部31は、バッテリ2の端子24を接続端子30の位置までガイドすることが可能に構成されている。また、ガイド部31は、バッテリ取付部3の前後方向(X方向)の両側面に一対設けられている。また、ガイド部31は、バッテリ2の溝部20に対応するように、バッテリ取付部3の前後方向(X方向)の両側面から内側に突出する凸形状に形成されている。また、ガイド部31は、上方(Z1方向)から下方(Z2方向)に延びるように形成されている。また、ガイド部31は、上方からバッテリ2をバッテリ取付部3内に導入可能なように上方(Z1方向)が開放されている。そして、ガイド部31は、バッテリ2をガイドすることによって、上方(Z1方向)から下方(Z2方向)にスライド移動させて、バッテリ2をバッテリ取付部3に取り付けるように構成されている。
【0049】
外れ防止部32は、ガイド部31の上方端部(Z1方向端部)近傍に孔状に設けられている。また、外れ防止部32は、バッテリ2がバッテリ取付部3に取り付けられた状態で、バッテリ2の爪部21(
図3参照)が係合するように、バッテリ2の爪部21に対応する所定位置に設けられている。また、外れ防止部32は、バッテリ2が取り付けられ、バッテリ2(端子24)とバッテリ取付部3(接続端子30)とが電気的に接続された状態で、バッテリ2が外れるのを防止するように構成されている。
【0050】
詳細には、外れ防止部32は、バッテリ2の爪部21がスライド移動して同じ高さ位置まで移動された際に、バッテリ2に内蔵されたスプリング(図示せず)によって爪部21が外側に押し出されることにより、爪部21が嵌まり込む(係合する)ように構成されている。その際に、外れ防止部32の上端は、爪部21の上側の水平面(上述した三角柱形状のZ1側の面)と当接するように構成されている。これにより、外れ防止部32は、バッテリ2の上方(Z1方向)への移動を防止している。なお、バッテリ2の水平方向(X方向、Y方向)への移動は、ガイド部31により防止される。
【0051】
配線部4は、
図1に示すように、4つのバッテリ取付部3と電力変換部5とを電気的に接続するように構成されている。また、配線部4は、複数(4つ)の第1配線部41と、連結部42と、1つの第2配線部43と、切替スイッチ44とを含んでいる。
【0052】
複数(4つ)の第1配線部41は、それぞれ、一方端が別々のバッテリ取付部3に接続され、他方端が連結部42に接続されている。すなわち、複数(4つ)の第1配線部41は、複数のバッテリ取付部3を電力変換部5に対して並列接続している。なお、
図1において、互いに並列に配置され、同一の構成となるバッテリ取付部3、残量表示部7および切替スイッチ44をまとめて符号Hで示し図示を省略している。
【0053】
連結部42は、複数(4つ)のヒューズ42aと、集約回路42bとを含んでいる。複数(4つ)のヒューズ42aは、複数(4つ)の第1配線部41の途中(位置)に1つずつ配置されている。集約回路42bは、複数(4つ)の第1配線部41を連結しており、1つのバッテリ2から他のバッテリ2に電流が流れるのを防止している。第2配線部43は、集約回路42bと電力変換部5とを電気的に接続している。
【0054】
切替スイッチ44は、複数(4つ)の第1配線部41の途中(位置)にそれぞれ設けられている(接続されている)。また、切替スイッチ44は、バッテリ取付部3から電力変換部5に電力が供給される通電状態、および、バッテリ取付部3から電力変換部5に電力が供給されない非通電状態とを切り替え可能に構成されている。詳細には、切替スイッチ44は、通電状態(ON状態)でバッテリ取付部3と電力変換部5とが電気的に接続されている状態、非通電状態(OFF状態)でバッテリ取付部3と電力変換部5とが電気的に接続されていない状態にするように構成されている。
【0055】
電力変換部5は、上記の通り、配線部4およびバッテリ取付部3を介してバッテリ2と電気的に接続されている。また、電力変換部5は、バッテリ2からの直流電力を商用電源Pの電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換するように構成されている。たとえば、電力変換部5は、バッテリ2からの直流電力を100Vの交流電力に変換するように構成されている。なお、商用電源Pとは、電力会社から消費者に届けられる所定の電圧値の交流電力である。
【0056】
第1コンセント61および第2コンセント62は、それぞれ、配線61aおよび62aにより、電力変換部5と電気的に接続されている。また、第1コンセント61および第2コンセント62には、第1コンセント61および第2コンセント62の通電状態(有効)と非通電状態(無効)とを切り替えるコンセント切替スイッチ63(
図2参照)が設けられている。また、第1コンセント61および第2コンセント62は、それぞれ、電源プラグを含むアダプターKaおよびNaが接続され、各アダプターKaおよびNaを介して血圧等測定器KおよびノートパソコンNに100Vの交流電力を供給可能に構成されている。
【0057】
残量表示部7は、
図2に示すように、複数(4つ)のバッテリ取付部3の各々に対応するように複数(4つ)設けられている。また、複数の残量部表示部7は、上下方向(Z方向)に1列に並ぶように配置されている。また、残量表示部7は、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2の残量(割合)を表示するように構成されている。たとえば、4つの残量表示部7は、上から順に、左側面13の上側のバッテリ取付部3、右側面12の上側のバッテリ取付部3、左側面13の下側のバッテリ取付部3、および、右側面12の下側のバッテリ取付部3にそれぞれ取り付けられたバッテリ2の残量を表示するように構成されている。
【0058】
(カート本体部の構成)
カート本体部100cは、
図2に示すように、車輪部80と、支柱部81と、トレイ82と、機器配置部83とを含んでいる。なお、ナースカート100a全体において、車輪部80は下方部分を構成し、機器配置部83は上方部分を構成し、支柱部81は下方部分と上方部分とを繋ぐ中間部分を構成している。
【0059】
車輪部80は、一対の後輪80aと、一対の前輪80bと、支持部80cとを有している。
【0060】
一対の後輪80aには、それぞれ、後輪80aの回動(ナースカート100aの移動)を規制するストッパー800aが設けられている。また、支持部80cは、平面視において(Z方向から見て)、H字形状に形成されている。また、支持部80cの後方(X2方向)端部には後輪80a、前方(X1方向)端部には前輪80bが接続されている。また、支持部80cは、下側から支柱部81を支持している。
【0061】
支柱部81は、下側から後述する天板部83aを含む機器配置部83を支持している。また、支柱部81は、
図2に示すように、支柱下部81aと、ガスシリンダー81bと、支柱上部81cと、取付部81dとを有している。
【0062】
支柱下部81aは、上下方向(Z方向)に延びるとともに、水平断面(XY平面による断面)が矩形の筒形状に形成されている。また、支柱下部81aは、下方端部が支持部80cに接続(支持)されている。
【0063】
ガスシリンダー81bは、支柱下部81aおよび支柱上部81cの内側に配置されている。したがって、ガスシリンダー81bは、外部からは視認されない。また、ガスシリンダー81bは、下方端部が支持部80cに接続(支持)されている。また、ガスシリンダー81bは、上方端部が機器配置部83に接続されている。すなわち、ガスシリンダー81bは、機器配置部83(後述する天板部83aを含む機器配置部83)を支持している。また、ガスシリンダー81bは、伸縮することに伴って、機器配置部83を昇降させることが可能に構成されている。なお、ガスシリンダー81bによる昇降機構は、一般的な座椅子の昇降機構と同様の機構である。すなわち、ガスシリンダー81bは、内部に圧縮状態でガスが封入されており、所定のレバー(図示せず)操作により封入されたガスを膨張させる(圧縮状態を解除する)ことによって、機器配置部83を上昇させるように構成されている。
【0064】
支柱上部81cは、上下方向(Z方向)に延びるとともに、水平断面(XY平面による断面)が矩形の筒形状に形成されている。また、支柱上部81cは、上方側(Z1方向側)から支柱下部81aの内側に嵌め込まれている。また、支柱下部81aは、上方端部が機器配置部83に接続されている。したがって、支柱下部81aは、ガスシリンダー81bにより、機器配置部83とともに上下方向(Z方向)に昇降されるように構成されている。
【0065】
トレイ82は、支柱下部81aの前方側(X1方向側)に1つ設けられている。また、トレイ82は、バッテリ取付部3に略対応する高さ位置に設けられている。
【0066】
取付部81dは、
図6に示すように、カート本体部100cの下側に設けられ、バッテリボックス本体部1(カート用バッテリボックス100d)が取り外し可能に取り付けられるように構成されている。詳細には、取付部81dは、支柱下部81aの後方側(X2方向側)に設けられ、上下方向に並ぶ複数のフック掛かり部81eを有している。また、複数のフック掛かり部81eは、左右方向(Y方向)に一対(
図6では一方のみを図示)設けられている。また、取付部81dは、上下方向に並ぶフック掛かり部81eに対するフック14aの位置を変えることにより、バッテリボックス本体部1(カート用バッテリボックス100d)を種々の高さ位置に取り付け可能に構成されている。
【0067】
図2に示すように、機器配置部83は、天板部83aと、予備バッテリ収納部83bと、把持部83cとを有している。
【0068】
天板部83aは、水平方向(X方向およびY方向)に延びる矩形の平板形状に形成されている。また、天板部83a(カート本体部100c)は、上面上に血圧等測定器K(
図2参照)などの医療機器、および、ノートパソコンN(
図2参照)などの情報機器を配置(載置)可能である。なお、天板部83aには、アームAが設けられており、血圧等測定器Kを、アーム部Aを介して天板部83aの上面に配置可能である。
【0069】
予備バッテリ収納部83bは、天板部83aの下面の後方側(X2方向側)に設けられている。すなわち、予備バッテリ収納部83bは、把持部83c近傍の、ユーザの手が容易に届く範囲に設けられている。また、予備バッテリ収納部83bは、後方(X2方向)が開放された箱形状に形成されている。また、予備バッテリ収納部83bは、使用済みとなったバッテリ2、および、交換される予備のバッテリ2などを内部に収納可能なように構成されている。
【0070】
ユーザに把持される把持部83cは、天板部83aの後方端部(X2方向端部)近傍から、天板部83aよりも後方(X2方向)に延びるとともに、左右方向(Y方向)に延びており、平面視においてU字形状に形成されている。なお、把持部83cは、ガスシリンダー81bによる昇降機構により、使用するユーザに合わせて高さ位置を調整可能に構成されている。
【0071】
(充電ステーションの構成)
図7を参照して、充電ステーション100bの構成について説明する。
【0072】
充電ステーション100bは、多くのユーザ(看護師など)が常駐する場所(ナースステーションなど)に固定的に設置されている。また、充電ステーション100bは、複数(6つ)の充電器90を含んでいる。各充電器90は、共に、1つずつバッテリ2を取り付けることが可能に構成されている。したがって、充電ステーション100bは、バッテリ2を、複数(6つ)取り付けて同時に充電することが可能なように構成されている。また、各充電器90は、商用電源Pから電力の供給を受けるように構成されている。また、各充電器90は、上下方向(Z方向)に互いに重なるように1列に配置されている。すなわち、充電ステーション100bは、小さなスペースに配置することが可能なように縦型に構成されている。
【0073】
(カート用バッテリボックスの取り付け)
図6を参照して、フック部材14による取付部81dへのカート用バッテリボックス100dの取り付けについて説明する。なお、
図6は、左右方向(Y方向)に直交するとともに、取付部81dのいずれか一方のフック掛かり部81e(
図2参照)を通る面における模式的な断面を示している。
【0074】
まず、取付部81dのフック掛かり部81eの後方側(X2方向側)にフック部材14のフック14aが位置するように、カート本体部100cに対して、カート用バッテリボックス100dを配置する。そして、カート用バッテリボックス100dを前方(X1方向)に移動させることにより、カート用バッテリボックス100dと、取付部81dとを当接させる。これにより、フック14aは、フック掛かり部81e内に侵入する。さらに、カート用バッテリボックス100d(フック14a)を下方(Z2方向)に移動させることにより、フック14aをフック掛かり部81eに係合させる(引っ掛ける)。これにより、カート用バッテリボックス100dは、取付部81dに取り付けられる。なお、上記操作と逆の操作により、カート用バッテリボックス100dは、取付部81d(カート本体部100c)から取り外される。
【0075】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
第1実施形態では、上記のように、バッテリボックス本体部1の右側面12および左側面13に配置され、バッテリ2を着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部3を設ける。これにより、バッテリ2がバッテリボックス本体部1の内部に収納されている場合と異なり、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2がバッテリボックス本体部1の外側に配置されるので、バッテリ取付部3に取り付けられた充電量が少なくなったバッテリ2を容易に取り外して、充電済みのバッテリ2と容易に交換することができる。また、バッテリボックス本体部1に対して、バッテリ取付部3と電力変換部5と第1コンセント61および第2コンセント62とを設ける。これにより、バッテリ取付部3と電力変換部5と第1コンセント61および第2コンセント62とを、ナースカート100aに対して別々に設けた場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。また、カート用バッテリボックス100dがカート本体部100cに対して着脱可能に構成されるので、機器を使用しない場合などに、バッテリボックス本体部1を取り外して、装置を軽量化させることができるとともに、バッテリボックス本体部1を他のカートに付け替えることもできる。
【0077】
さらに、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2からの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換する電力変換部5と、所定の電圧の交流電力を機器に供給するための、電源プラグを接続可能な第1コンセント61および第2コンセント62とをカート用バッテリボックス100dに設ける。ここで、医療機器の分野では、一般的に、各種医療機器は、商用電源から電力供給を受けることにより使用可能(推奨される状態で使用可能)となるように設計されている。したがって、上記のようにカート用バッテリボックス100dを構成した場合には、カート用バッテリボックス100dの電力変換部5において、バッテリ2からの直流電力を商用電源の電圧に対応する所定の電圧の交流電力に変換することができるので、ナースカート100a上に配置された医療機器の電源プラグを第1コンセント61および第2コンセント62に接続することにより、医療機器の使用時間を延長することができる。なお、医療機器とは、電力の供給を受けて稼動され、人や動物の疾病の診断、治療または予防に使用される機器である。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、バッテリ取付部3を、カート本体部100cにバッテリボックス本体部1が取り付けられた状態で、取り付けられたバッテリ2を外側に露出させるように構成する。これにより、バッテリ2を外側に露出させることができるので、バッテリボックス本体部1の一部が箱状の収納部内などに配置されたとしてもバッテリ2の交換を外部から容易かつ確実に行うことができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、バッテリ取付部3を、バッテリボックス本体部1の外表面に複数設ける。これにより、複数のバッテリ取付部3から電力変換部5への配線をバッテリボックス本体部1の内部に配置することができるので、装置構成が複雑化するのを抑制することができる。また、複数のバッテリ取付部3を互いに電力変換部5に対して並列接続した場合には、一部のバッテリ2の残量がなくなった場合やバッテリ2の交換時に一部のバッテリ2を取り外した場合に、電力変換部5への電力の供給が途切れることを防止することができる。また、複数のバッテリ取付部3を互いに電力変換部5に対して並列接続するとともに、バッテリ取付部3と電力変換部5との通電状態、および、非通電状態を切替スイッチ44により切替可能に構成することによって、1つまたは複数のバッテリ2から電力変換部4に電力を供給する状態で装置を使用することができる。また、通電状態および非通電状態の切替により、1つのバッテリ2から電力変換部5に電力を供給する場合には、バッテリ2の交換時に使用中のバッテリ2を取り外す前に、次に使用するバッテリ2が取り付けられたバッテリ取付部3を通電状態にしておくことにより、一時的に電力変換部5への電力の供給が途切れるのを防止することができる。
【0080】
また、第1実施形態では、上記のように、バッテリ取付部3に、バッテリ2と電気的に接続される接続端子30と、バッテリ2の端子24を接続端子30の位置までガイドするガイド部31とを設ける。これにより、ガイド部31により、バッテリ2と接続端子30とが電気的に接続される位置に、バッテリ2を容易にガイドすることができる。つまり、バッテリ取付部3にバッテリ2を容易に取り付けることができる。その結果、ナースカート100aに取り付けられたバッテリ2をより容易に交換することができる。
【0081】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイド部31を、上方から下方に延びるように形成し、バッテリ2の端子24をバッテリ取付部3の接続端子30に導くように、バッテリ2を上方から下方にスライド移動させてバッテリ取付部3に取付可能に構成する。これにより、バッテリ2が上方から下方にスライド移動されるので、バッテリ2の自重を利用してバッテリ2をガイド部31に沿って容易にスライド移動させることができる。その結果、バッテリ取付部3にバッテリ2をより容易に取り付けることができ、取り付けられたバッテリ2を一層容易に交換することができる。また、取り付け状態でバッテリ2に下方への自重が働くので、バッテリ2が上方に外れにくいという利点もある。
【0082】
また、第1実施形態では、上記のように、バッテリボックス本体部1の後面11に設けられ、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2の残量を表示する残量表示部7を設ける。これにより、残量表示部7によりユーザが容易にバッテリ2の残量を把握することができる。
【0083】
また、第1実施形態では、上記のように、第1コンセント61および第2コンセント62を、カート本体部100cにバッテリボックス本体部1が取り付けられた状態で、バッテリボックス本体部1の上面11に設ける。これにより、ユーザから視認しやすい上面11に第1コンセント61および第2コンセント62が設けられるので、第1コンセント61および第2コンセント62に対するプラグの抜き差しを容易に行うことができる。
【0084】
また、第1実施形態では、上記のように、カート本体部100cに、カート本体部100cの下側に設けられ、バッテリボックス本体部1が取り外し可能に取り付けられる取付部81dを設ける。これにより、比較的重量が重いカート用バッテリボックス100dがナースカート100aの下側に取り付けられるので、ナースカート100aの重心を低くすることができる。その結果、ナースカート100aの操作性を向上させることができる。
【0085】
また、第1実施形態では、上記のように、カート本体部100cに、機器を載置可能な天板部83aと、天板部83aを支持する支柱部81とバッテリボックス本体部1が取り外し可能に取り付けられる取付部81dとを設け、取付部81dを、支柱部81に取り外し可能に取り付ける。これにより、天板部83aを支持する支柱部81にバッテリボックス本体部1が取り付けられるので、天板部83aの下側のスペースを有効に活用することができる。その結果、取り付けられたバッテリボックス本体部1がナースカート100aの操作の妨げになるのを抑制することができる。
【0086】
また、第1実施形態では、上記のように、取付部81dを、バッテリボックス本体部1を種々の高さ位置に取り付け可能に構成する。これにより、バッテリボックス本体部1の高さ位置を変えることができるので、ユーザに合わせてバッテリ2を交換しやすいようにバッテリボックス本体部1の高さ位置を調整することができる。
【0087】
[第2実施形態]
次に、
図8〜
図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、支柱部81の後方側(X2方向側)にカート用バッテリボックス100dを取り付けた上記第1実施形態とは異なり、カート用バッテリボックス200dが支柱部81に挿通された状態でカート用バッテリボックス200dを支柱部81に取り付ける例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0088】
図8に示すように、第2実施形態によるナースカートシステム200は、ナースカート200aと、充電ステーション100bとを備えている。また、ナースカート200aは、カート本体部200cと、カート用バッテリボックス200dとを備えている。
【0089】
図9に示すように、カート用バッテリボックス200dは、バッテリボックス本体部201を備えている。
【0090】
バッテリボックス本体部201の後面11には、2つのバッテリ取付部3が上下方向に並ぶように設けられている。また、バッテリボックス本体部201は、
図10に示すように、上下方向(Z方向)に貫通する貫通孔201aを有している。貫通孔201aは、平面視において(Z方向から見て)、矩形状を有している。また、バッテリボックス本体部201には、前方側(X1方向側)に平板形状の蓋部201bが設けられている。蓋部201bがバッテリボックス本体部201から取り外されると、貫通孔201aは、前方側(X1方向側)が開放された切欠き形状となる。また、蓋部201bは、図示しない固定具により、バッテリボックス本体部201に対して固定することが可能に構成されている。
【0091】
支柱下部81aの前面には、複数の雌ネジ部281aが設けられている。また、蓋部201bには、カート本体部200cにバッテリボックス本体部201が取り付けられた状態で、雌ネジ部281aに対応する位置にネジNを通すための孔部201cが設けられている。したがって、カート用バッテリボックス200dは、ネジNにより支柱下部81aに対して蓋部201bが締結固定されるとともに、蓋部201bに対してバッテリボックス本体部201が固定されることによって、カート本体部200cに対して取り付けられるように構成されている。これにより、バッテリボックス本体部201は、支柱部81に挿通された状態で、蓋部201bを介して支柱部81(雌ネジ部281a)に取り付けられるように構成されている。なお、雌ネジ部281aは、特許請求の範囲の「取付部」の一例である。
【0092】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0093】
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、バッテリボックス本体部201の後面11に配置され、バッテリ2を着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部3を設ける。これにより、バッテリ2がバッテリボックス本体部201の内部に収納されている場合と異なり、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2がバッテリボックス本体部201の外側に配置されるので、バッテリ取付部3に取り付けられた充電量が少なくなったバッテリ2を容易に取り外して、充電済みのバッテリ2と容易に交換することができる。
【0094】
また、第2実施形態では、上記のように、雌ネジ部281aを支柱部81に設け、バッテリボックス本体部201を、支柱部81の取付部に挿通された状態で雌ネジ部281aに取り付けられるように構成する。これにより、バッテリボックス本体部201が支柱部81に挿通されるので、バッテリボックス本体部201が支柱部81の一部の側面にのみ取り付けられる場合と比較して、より安定した状態でバッテリボックス本体部201をカート本体部200cに取り付けることができる。
【0095】
[第3実施形態]
次に、
図8および
図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、バッテリボックス本体部1を水平方向(X方向およびY方向)よりも上下方向(Z方向)に長く延びる(縦長の)箱形状に形成した上記第1実施形態とは異なり、バッテリボックス本体部301を上下方向(Z方向)よりも水平方向(X方向およびY方向)に長く延びる(横長の)箱形状に形成する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0096】
図8に示すように、第3実施形態によるナースカートシステム300は、ナースカート300aと、充電ステーション100bとを備えている。また、ナースカート300aは、カート本体部300cと、カート用バッテリボックス300dとを備えている。
【0097】
図11に示すように、カート用バッテリボックス300dは、バッテリボックス本体部301を備えている。バッテリボックス本体部301は、上下方向(Z方向)よりも水平方向(X方向およびY方向)に長く延びる(横長の)箱形状に形成されている。
【0098】
カート本体部300cは、支柱部81よりも下側に設けられ、バッテリボックス本体部301が載置される平板部380dを含んでいる。詳細には、平板部380dは、水平方向に延びる平板形状に形成されている。また、平板部380dは、支柱部81の下端に接続され、カート用バッテリボックス300d(バッテリボックス本体部301)が上面上に載置(設置)されるように構成されている。このように、カート用バッテリボックス300dは、カート本体部300cに対して取り外し可能に取り付けられる。なお、平板部380dは、特許請求の範囲の「取付部」の一例である。
【0099】
バッテリボックス本体部301の前面15には、2つのバッテリ取付部3が左右方向(Y方向)に並ぶように設けられている。また、バッテリボックス本体部301の後面11には、第1コンセント61、第2コンセント62、コンセント用切替スイッチ63および2つの残量表示部7が設けられている。なお、前面15は、特許請求の範囲の「外表面」の一例である。
【0100】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0101】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、バッテリボックス本体部301の後面11に配置され、バッテリ2を着脱可能に取り付けるためのバッテリ取付部3を設ける。これにより、バッテリ2がバッテリボックス本体部301の内部に収納されている場合と異なり、バッテリ取付部3に取り付けられたバッテリ2がバッテリボックス本体部301の外側に配置されるので、バッテリ取付部3に取り付けられた充電量が少なくなったバッテリ2を容易に取り外して、充電済みのバッテリ2と容易に交換することができる。
【0102】
また、第3実施形態では、上記のように、支柱部81よりも下側に設け、バッテリボックス本体部301が載置される平板部380dを設ける。これにより、バッテリボックス本体部301を平板部380dに載置するだけでカート本体部300cに取り付けることができるので、バッテリボックス本体部301を容易に取り付けることができる。
【0103】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0104】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明のカートの一例としてナースカートにカート用バッテリボックス取り付けた例を示したが本発明はこれに限らない。本発明では、倉庫作業時に使用するピッキングカートなどのナースカート以内のカートにカート用バッテリボックスを取り付けてもよい。
【0105】
また、上記第1〜第3実施形態では、2つまたは4つのバッテリ取付部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、1つ、3つまたは5つ以上のバッテリ取付部を設けてもよい。
【0106】
また、上記第1〜第3実施形態では、バッテリ取付部をバッテリボックス本体部の側面に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、バッテリ取付部をバッテリボックス本体部の上面または下面に設けてもよい。
【0107】
また、上記第1〜第3実施形態では、バッテリボックス本体部をカート本体部の下側に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、バッテリボックス本体部をカート本体部の上側に設けてもよい。
【0108】
また、上記第1〜第3実施形態では、カートに1つのトレイを設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、カートに複数のトレイを設けてもよい。また、トレイはなくてもよい。
【0109】
また、上記第1〜第3実施形態では、バッテリをバッテリ取付部に上方側からガイド部によってガイドすることにより取り付けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、たとえば、バッテリをバッテリ取付部に横側または下側からガイド部によってガイドすることにより取り付けてもよい。
【0110】
また、上記第1〜第3実施形態では、2つのコンセントを設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、1つまたは3つ以上のコンセントを設けてもよい。
【0111】
また、上記第1〜第3実施形態では、バッテリ取付部と同数(2つまたは4つ)のバッテリ残量表示部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、複数のバッテリ取付部に対して1つのバッテリ残量表示部を設けてもよい。なお、この場合には、所定の切替操作によりバッテリ残量が表示されるバッテリ取付部(バッテリ)を切替可能に構成する。また、バッテリ残量表示部を設けなくてもよい。
【0112】
また、上記第1および第2実施形態では、コンセントをバッテリボックス本体部の上面に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、コンセントをバッテリボックス本体部の側面または下面に設けてもよい。
【0113】
また、上記第1実施形態では、天板部上にノートパソコンおよび血圧等測定器を配置して、カート用バッテリボックスから電力を供給した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、
図12に示す第1実施形態の変形例に示すように、天板部83a上に予備電源(バッテリ)を持たない小型のデスクトップパソコンDのモニターDaおよび血圧等測定器Kを配置し、天板部83aの下側にモニターDaに接続される本体部Dbを配置して、カート用バッテリボックス100dから電力を供給してもよい。なお、本体部Dbは、アダプターDcを介してカート用バッテリボックス100dのコンセント61または62に接続される。
【0114】
また、上記第1実施形態では、バッテリ取付部3に上方から下方にスライドさせることにより、バッテリ2を取付可能なように、バッテリ取付部3を、上方が開放され、上下方向にガイド部31が延びるように配置した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、
図13に示す第1実施形態の第2変形例のカート用バッテリボックス100eのように、バッテリ取付部3に後方から前方にスライドさせることにより、バッテリ2を取付可能なように、バッテリ取付部3を、後方が開放され、前後方向にガイド部31が延びるように配置(構成)してもよい。また、図示しないが、バッテリ取付部3を、後方(上方側)が開放され、斜め方向(後方上方側から前方下方側)にガイド部31が延びるように配置(構成)してもよい。