(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-86773(P2017-86773A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】生体情報計測器
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0402 20060101AFI20170421BHJP
A61B 5/05 20060101ALI20170421BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20170421BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
A61B5/04 310A
A61B5/05 B
A61B5/00 102C
A61B5/02 631A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-224373(P2015-224373)
(22)【出願日】2015年11月17日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】592144939
【氏名又は名称】株式会社パラマ・テック
(72)【発明者】
【氏名】徳永 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 俊英
【テーマコード(参考)】
4C017
4C027
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA16
4C017AA19
4C017AD01
4C017BC11
4C017CC01
4C027AA02
4C027AA06
4C027BB03
4C027EE01
4C027JJ03
4C117XB01
4C117XB04
4C117XB11
4C117XC15
4C117XC16
4C117XC20
4C117XD16
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE37
4C117XE60
4C117XF22
4C117XG03
4C117XG05
4C117XG18
4C117XG23
4C117XH18
4C117XH27
4C117XJ03
4C117XJ52
4C117XL01
4C117XL03
4C117XL06
4C117XM02
4C117XP06
4C127AA02
4C127AA06
4C127BB03
4C127EE01
4C127JJ03
(57)【要約】
【課題】従来の生体情報を取得する生体情報測定機器では、前記取得された生体情報をサーバへ送信する場合、無線通信媒体が固定化されている為、前記無線通信媒体の回線状況の悪化等で、前記サーバへの送信に失敗することが多かった。
【解決手段】被測定者の少なくとも1種類の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、前記取得した生体情報のネットワークを介して外部サーバへ送信する通信部は複数の無線通信媒体を有し、前記通信部は少なくとも2種類の無線通信媒体を有し、前記無線通信媒体各々に、予めネットワーク接続を確立する順位を設定し、前記順位に従って一つのネットワーク接続を確立する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、本体と、生体情報を取得する生体情報取得部と、取得された生体情報を表示するタッチパネルを供えた表示部と、上記表示部に、上記生体情報取得部を操作する為の入力と前記ユーザの特定の個人情報の入力を行うための操作部と、取得した生体情報結果を表示する表示部と、ネットワークを介して前記取得した生体情報結果を外部サーバーへ通信する通信部を備え、前記通信部は少なくとも2種類の無線通信媒体を有し、前記無線通信媒体各々に予めネットワーク接続の為の順位を付与し、前記順位に従った前記無線通信媒体にて、一つの前記ネットワーク接続を確立する生体情報測定機器。
【請求項2】
上面部と、下面部と、前記上面部と前記下面部の間は傾斜面が設けられ、前記傾斜面は少なくとも3つの面に分割されて各面にそれぞれ電極を設けられ、心電計測と体成分計測とを切り替えて測定できる請求項1に記載の生体情報計測器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運びが可能で容易に計測・記憶することができる生体情報計測器に関し、特に得られた生体情報をサーバへ伝送する為のネットワーク接続に関する。
【0002】
近年、生体情報計測器を使用して得られる生体情報のデータをネットワークを介してサーバに伝送し、管理するシステムが数多く構築されている。前記システムに要求される機能は、前記生体情報のデータを正確に、確実に、迅速にサーバへ伝送することである。
【背景技術】
【0003】
図7で示される特許文献1の従来例として取り上げられている先行例では、心電計を含む生体情報測定器で通信部を介して外部のPC(パーソナルコンピュータ)27に伝送される旨が記載されている。
【0004】
すなわち、右手の掌を電極1 、電極2 に載せ、左手の掌を電極3 、電極4 に載せ、測定モード切替部11 を介して、心電測定時には入力信号処理・心電波形測定部19に接続し、体成分測定時には測定モード切替部11 を介して、体成分分析部21に接続する。測定データ結果は、通信部26 を介して外部に接続されるPC( パーソナルコンピュータ)27 に情報が伝送される旨が記載されている。
【0005】
図8で示される特許文献2の従来例として取り上げられている先行例では、患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、ネットワークを介して上記本体の外部と通信する通信部190と、この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて使用されるための巡回モードを実行する巡回モード制御部111と、この生体情報測定機器が病院内で各患者毎に配置されて使用されるための固定モードを実行する固定モード制御部112と、上記巡回モード制御部111と上記固定モード制御部112とを切り替えて選択するための選択部とを備えたことを特徴とする生体情報測定機器の旨が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−330287号公報
【特許文献2】特開2013−137678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の生体情報測定機器は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、特許文献1の段落15、16、17、特許文献2の段落18、19では生体情報のデータを伝送する旨が述べられているが、通信媒体が単一の為、通信上の不具合が生じた場合、生体情報のデータを正確に、確実に、迅速にサーバへ伝送することが出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、ユーザから少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、本体と、生体情報を取得する生体情報取得部と、取得された生体情報を表示するタッチパネルを供えた表示部と、上記表示部に、上記生体情報取得部を操作する為の入力と前記ユーザの特定の個人情報の入力を行うための操作部と、取得した生体情報結果を表示する表示部と、ネットワークを介して前記取得した生体情報結果を外部サーバーへ通信する通信部を備え、前記通信部は少なくとも2種類の無線通信媒体を有し、前記無線通信媒体各々に予めネットワーク接続の為の順位を付与し、前記順位に従った前記無線通信媒体にて、一つの前記ネットワーク接続を確立する生体情報測定機器を提供するものである。
【0009】
本発明の請求項2は、上面部と、下面部と、前記上面部と前記下面部の間は傾斜面が設けられ、前記傾斜面は少なくとも3つの面に分割されて各面にそれぞれ電極を設けられ、心電計測と体成分計測とを切り替えて測定できる請求項1に記載の生体情報計測器を提供するものである。
【0010】
本明細書で、「生体情報」とは、血圧、心電、体脂肪、SpO2(動脈血酸素飽和度)など、患者の生体に関する情報を広く指す。
【0011】
また、「ネットワーク」とは、有線または無線を問わず、ローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのネットワークを広く指す。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明の生体情報測定機器は、ユーザから取得した少なくとも1種類以上の生体情報をネットワークを介してサーバへ通信するにあたり、通信部は少なくとも2種類の無線通信媒体を有し、前記無線通信媒体各々に予めネットワーク接続の為の順位を付与し、前記順位に従った前記無線通信媒体にて、一つの前記ネットワーク接続を確立するため、伝送に失敗するケースが軽減される。
【0013】
又、本発明では、電極に手を当てて心電図を採取するのに手のひらを電極に対して無理な力をかけて無理に手首を曲げることがないので筋電に影響がなく測定出来、さらに心電計自体に突出部を持たないので収納及び持ち運びに好都合となった。更に、電極1 、電極2 、電極3 、電極4 は体脂肪測定と兼用の電極となっており、簡便に体脂肪を測定できる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明に係る生体情報計測器に関して詳細を説明する。
図1 は本計測器を上方向からみた平面図を示す。
図1 において1 、2 、3 、4 はそれぞれ電極を示し、電極1 、電極2 、電極3 、電極4 とする。6 は電極1 と電極2 との導通を絶縁する絶縁部を、7 は電極2 と電極3 との導通を絶縁する絶縁部を、8 は電極3 と電極4 との導通を絶縁する絶縁部を、9 は電極4 と電極1 との導通を絶縁する絶縁部を示す。10 は平面部を示し、平面部10 には5で示すタッチパネルを有した表示器が設けられて、ユーザ情報の入力、測定項目の選択、測定開始、中止等のコマンドの実行、測定データの表示等を行うことが出来る。
【0015】
図2は本計測器を背面からみた背面図を示す。
図2 において11 は血圧測定用のカフ接続口、12は電源用のACアダプター接続口 、13は外部誘導コード接続端子、15はSpO2プローブ接続端子、16は本計測器の電源ボタンである。
【0016】
図3 は本計測器にユーザが掌を載せた図を示す。手首に負担をかけず自然な形で右手の掌を電極1 、電極2 に載せ、左手の掌を電極3 、電極4 に載せる。
【0017】
図4で本計測器のシステム構成を概略的に示すブロック図である。生体情報の計測は、マイクロコンピュータ21の指示に従い、測定用マイクロコンピュータ35が制御を行い、心電測定回路部30、体脂肪測定回路部31、SpO2測定回路路部33及び血圧測定回路部34をそれぞれ独立に制御する。
【0018】
マイクロコンピュータ21は内部に記憶用の記憶素子を有し、19のタッチパネル操作部、20のLCD表示機、18の無線通信部、22のSIMカード、23のmicroSD等で構成され、前記タッチパネル操作部の測定指示に従って、上記測定用マイクロコンピュータ35に測定指示を出し、その後測定した生体情報を受け取り、前記記憶素子に記録する。
【0019】
無線通信部18は、ブルートゥースモジュール、WiFiモジュール及び3Gモジュールで構成され、それぞれ独立にマイクロコンピュータ21で制御される。
【0020】
マイクロコンピュータ21は前記タッチパネル操作部19のデータ送信指示に従って、上記測定した生体情報を18の無線通信部にてサーバへ通信する。
【0021】
図5は、電源投入から生体情報のサーバへの通信までのフローを示している。
【0022】
電源投入後、不図示のLCD表示機のユーザ入力画面にてユーザIDを入力する(S101)。
【0023】
次にLCD表示器の測定項目選択メニュー(
図6)より、19で示すタッチパネルを押下して、測定項目を選択する(S102)。
【0024】
血圧を測定する場合は、11 の血圧測定用のカフ接続口に不図示のカフを接続し、SpO2を測定する場合は、15のSpO2プローブ接続端子に不図示のSpO2プローブを接続し測定する。
【0025】
心電図及び体成分を測定する場合は、
図3で示すように右手、左手で電極を把握し測定を行う。心電図と体成分測定では、32の入力が切替る。心電測定モードのときは右手の掌が載る電極1 と電極2 の間の負電位信号と、右手の掌が載る電極1 と左手の掌が載る電極3 の間の正電位信号の差により心電信号が計測されて、その信号が35の測定用マイクロコンピュータに導かれ、心電波形を記憶する。
【0026】
また、体成分測定モード時に、事前に体重、身長等のデータを不図示の入力部材で入力し、測定モード切り替部32にて電極1をインピーダンス&RMS回路へ電極4を定電流回路に接続するように切替えると、左手の掌が載る電極4 から右手の掌が載る電極1 に、即ち体内に微弱電流を流すことにより、そのインピーダンスから体成分が測定され、その信号が35の測定用マイクロコンピュータに導かれ、体成分分析結果が記憶される。
【0027】
選択項目の測定を行い、測定データを35の測定用マイクロコンピュータから21のマイクロコンピュータに転送し、21のマイクロコンピュータの記憶素子に記憶する(S103)。
【0028】
不図示の「次の測定項目の実行」画面より、更に別項目の測定を行う場合(S104で"YES")は、S102より繰り返して実行する。前記不図示の「次の測定項目の実行」画面(S104)より"NO"を選択すると測定を終了する。
【0029】
測定終了後、ユーザIDの登録の有無(S105)を判断し、ユーザIDの登録が無い場合、登録ユーザでないと判断して、終了する。ユーザIDの登録が有る場合は、測定データをサーバに送る動作に移行する。最初に実行する優先順位を1位(S106)とし実行する優先順位の通信媒体を選択(S107)する。選択された通信媒体にてサーバとの通信接続作業(S108)を行う。通信接続の確認(S109)を行い、接続が不成功であれば、実行する優先順位を1つ下げて(S111)で再度S107より繰り返す。通信接続の確認(S109)にて接続が成功していれば、測定データの送信処理(S110)を行い、終了する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態を示す生体情報測定器の平面図
【符号の説明】
【0031】
1、2、3、4・・・本体電極
5・・・・・・・・・タッチパネルモニター
6、7、8、9・・・絶縁部材
10・・・・・・・・上面図
11・・・・・・・・カフ接続口
12・・・・・・・・ACアダプター接続端子
13・・・・・・・・外部誘導コード接続端子
14・・・・・・・・盗難防止ワイヤー接続口
15・・・・・・・・SpO2プローブ接続端子
16・・・・・・・・電源ボタン
17・・・・・・・・背面図
18・・・・・・・・無線通信部
19・・・・・・・・タッチパネル
20・・・・・・・・LCD表示機
21・・・・・・・・マイクロコンピュータ
22・・・・・・・・SIMカード
23・・・・・・・・microSD
30・・・・・・・・心電測定回路部
31・・・・・・・・体成分測定回路部
32・・・・・・・・入力切替
33・・・・・・・・SpO2測定回路部
34・・・・・・・・血圧測定回路部
35・・・・・・・・測定用マイクロコンピュータ