【解決手段】本発明は、少なくとも1つの要因がゴルフボールに設けられるディンプル(115)の平面形状の選択にあることによって向上した空気力学的性能を有するゴルフボールに関する。特に、本発明は、ディンプルの少なくとも一部分が閉じられた簡単な経路に沿って低振動数周期関数によって定められた平面形状を有するゴルフボールに関する。加うるに、本発明は、単純な閉じ経路に沿って低振動数周期関数によって定められた平面形状を有するディンプルを設計する方法を提供する。
概ね球形の表面を有すると共に前記球面上に設けられた複数のディンプルを有するゴルフボールであって、前記複数のディンプルのうちの少なくとも一部分は、単純な閉じ経路に沿って低振動数周期関数によって定められた非円形の平面形状を有する、ゴルフボール。
概ね球形の表面を有すると共に前記球面上に設けられた複数のディンプルを有するゴルフボールであって、前記複数のディンプルのうちの少なくとも一部分は、以下の関数、即ち、
Q(x) = Fpath(l, scl, x) * Fperiodic(s, a, p, x)
に従って単純な閉じ経路に沿って低振動数周期関数により定められた平面形状を有し、上式において、Fpathは、頂点xに沿って定められていてスケール係数sclが含まれた長さlの経路関数であり、Fperiodicは、頂点xのところで定められたシャープネス係数s、振幅a、及び周期pを含む周期関数である、ゴルフボール。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、少なくとも1つの要因が非円形のディンプル平面形状の使用にあることによって向上した空気力学的性能を有するゴルフボールに関する。特に、本発明は、ディンプルの少なくとも一部分が閉じられた簡単な経路に沿って低振動数又は低周期数の周期関数によって定められた平面形状を有するゴルフボールに関する。
【0013】
有利には、本発明によるディンプル形状は、ディンプル幾何学的形状を定める際の高い制御及び融通性を考慮に入れている。例えば、ゴルフボールのディンプル形状又は境界が円形である場合、ディンプルの実装効率及び実装数が制限される。事実、例えば米国特許第5,562,552号明細書、同第5,575,477号明細書、同第5,957,787号明細書、同第5,249,804号明細書及び同第4,925,193号明細書に開示されている高い表面被覆百分率を提供するディンプルパターンは、円形のディンプルに基づくゴルフボール上にディンプルを位置決めするための幾何学的パターンを開示している。多数のディンプル形状が本発明を用いて可能であるので、本発明は、向上したディンプル実装効率及び表面被覆度の一様性を提供する。その結果、本発明は、ディンプルの外面幾何学的形状を制御することによってゴルフボールの空力特性を微調整する能力をゴルフボール製造業者に提供する。
【0014】
加うるに、本発明のディンプルの平面形状は、外観が独特である。例えば、一実施形態では、本発明の平面形状を定める低振動数周期関数は、独特な外観を有する周囲を提供する。次に、本発明の平面形状は、独特の視覚的外観を備えたゴルフボール表面テキスチャ並びに向上した空力特性を有するゴルフボールを提供する。
【0015】
さらに、有利には、本発明の平面形状を有するディンプル及びかかるディンプルを備えたゴルフボールは、各ディンプルの周囲又は境界を特別に制御することによってゴルフボール空力特性を微調整する手段を提供する。これにより、ディンプルは、境界層中に乱流を生じさせることができる。本発明に従ってディンプル平面形状を「細かく」調節することにより、ディンプル上でこれに沿う乱流の一層の攪拌及び/又は調整が可能である。これにより、飛翔中におけるゴルフボール周りの乱流境界層の分離傾向が減少し、かくしてゴルフボールの空力性能が向上する。さらに、本発明の平面形状は、ディンプルが設けられていないゴルフボール表面の向上した規則性を考慮に入れている。これにより、ゴルフボールは、時期尚早な摩耗及び裂けに対して耐性があるままの状態でいることができる。
【0017】
本発明は、単純な閉じ経路に沿って低周波低振幅周期関数又はこれらの線形組み合わせによって定められた非円形平面形状を有するディンプルを想定している。具体的に言えば、本発明に従って形成されたゴルフボールは、単純な閉じ経路に沿って低周波低振幅周期関数又はこれらの線形組み合わせによって定められた平面形状を備えた少なくとも1つのディンプルを有する。「平面形状」という用語は、ディンプルの周囲又はディンプルとゴルフボールの外面又はフレット表面との境界の形状を意味している。
【0018】
本発明によれば、少なくとも1つのディンプルは、単純な閉じ経路、即ち、経路に沿う任意の定義点又は縁を2度以上は横切らないで同一点のところで始まって終わる経路を用いて形成される。例えば、本発明は、グラフ理論で知られていて円及び多角形を含む任意の単純なサイクルを用いて形成されるディンプルを想定している。一実施形態では、単純な閉じ経路は、2本の直交した軸線に関して対称である経路であればどのような経路であっても良い。別の実施形態では、単純な閉じ経路は、円、楕円形、正方形、又は多角形である。さらに別の実施形態では、単純な閉じ経路は、任意の経路である。この観点では、本発明の適当なディンプル形状は、定義点又は縁と交差しないで同一点で始まって終わる任意の経路に基づくのが良い。
【0019】
本発明は、ディンプル形状を形成するための周期関数の使用を想定しており、かかる周期関数は、一定の間隔又は一定の周期で値を繰り返す任意の関数を含む。本発明の目的上、関数fは、xの全ての値について、
f (x) = f (x + p) (1)
の場合、周期的であり、上式において、pは、周期である。具体的に説明すると、本発明は、非一定であり且つ非ゼロである任意の周期関数を想定している。
【0020】
一実施形態では、ディンプル形状を形成するために用いられる周期関数は、三角関数を含む。本発明で用いるのに適した三角関数の例としては、正弦及び余弦が挙げられるが、これらには限定されない。
図1は、本発明に従ってディンプル形状を形成するために使用できる余弦周期関数の波形を示している。
図1に示されているように、本発明に従って使用されるのに適した余弦波2は、余弦波上の各点が正弦波上の対応の点よりも正確に1/4サイクル早く生じることを除き、正弦波と同一の形状を有する。
【0021】
別の実施形態では、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いるのに適した周期関数は、非平滑周期関数(non-smooth periodic function)を含む。本発明に用いられるのに適した非平滑周期関数の非限定的な例としては、のこぎり波、三角波、方形波、及びサイクロイドが挙げられるが、これらには限定されない。一実施形態では、のこぎり波が本発明に従ってディンプル形状を形成するために用いられるのに適している。特に、本発明のディンプルは、上方に傾斜し、次に急に下がる非正弦波形に基づく形状を有するのが良い。
【0022】
別の実施形態では、三角波が本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるのに適している。本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるのに適した三角波は、周期的であり、周期的な区間線形の連続実関数である非正弦波形である。さらに別の実施形態では、方形波が本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるのに適している。例えば、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるのに適した方形波は、振幅が定常振動数(steady frequency)で一定の最小値と最大値を交互に取り、最小値及び最大値のところの持続時間が同一である非正弦波周期的波形である。
【0023】
本発明のこの観点では、上述の周期関数のうちの任意のものを本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるフーリエ級数展開を用いて正弦と余弦の無限級数として構成できる。具体的に説明すると、方程式(2)〜(5)によって与えられている関数のフーリエ級数は、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に使用されることが想定されている。
上式において、
なお、n=1,2,3……である。
【0024】
加うるに、以下のフーリエ級数は、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に使用されることが想定されている。
例えば、
図2は、フーリエ級数によって近似されたのこぎり波の波形を示している。具体的に説明すると、
図2は、4項フーリエ級数展開によって近似される方形波8を示している。加うるに、
図3は、フーリエ級数によって近似される三角波の波形を示している。
図3は、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられる4項フーリエ級数展開によって近似される三角波6を示している。さらに、
図4は、フーリエ級数によって近似される方形波の波形を示している。例えば、
図4は、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられる4項フーリエ級数展開によって近似された方形波8を示している。上述の例は、4項フーリエ級数展開を実証しているが、当業者には理解されるように、5以上又は3以下の項を用いても非正弦波形を近似することができる。加うるに、当業者に知られている任意の近似方法を本発明の観点において用いることができる。
【0025】
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられる任意の周期関数、又は周期関数の線形組み合わせを想定している。したがって、本発明の一実施形態では、本発明に従ってディンプル形状を形成するために正弦と余弦の線形組み合わせを用いて任意の周期関数を作ることができる。この観点では、
図5は、本発明によって想定される任意の周期関数の波形を示している。
図5に示されているように、任意の波形10は、正弦と余弦の線形組み合わせを表している。
【0026】
本発明によれば、上述の周期関数のうちの任意のものを単純な閉じ経路上に投影し又はマッピングすることによってディンプルの平面形状を作ることができる。一般に、単純な閉じ経路上への周期関数の投影又はマッピングを表す数式が方程式(6)として表されている。
Q(x) = F
path(l, scl, x) * F
periodic(s, a, p, x) (6)
上式において、F
pathは、周期関数が頂点xに沿って定められた長さl、スケール(目盛)係数sclでマッピングされ又は投影される単純な閉じ経路を表し、F
periodicは、頂点xのところで定められたシャープネス係数s、振幅a、及び周期pを含む任意の適当な周期関数である。
【0027】
一実施形態では、投影は、経路関数を周期関数によってどのように変更するかという観点で説明できる。例えば、合成ベクトルQ(x)は、経路の変更後の座標を表している。確かに、本発明によって想定される「経路関数」は、上述した単純な経路のうちの任意のものを含む。
【0028】
本発明のこの観点では、合成ベクトルQ(x)は又、本発明に従ってディンプル平面形状に適した経路であるといえる。すなわち、合成ベクトルQ(x)は、それ自体、別の周期関数をマッピングする対象の経路になることができる。確かに、上記において開示した周期関数のうちの任意のものを合成ベクトルQ(x)にマッピングすると、本発明に従ってディンプル平面形状を形成することができる。
【0029】
「長さ」l及び「スケール(目盛)係数」sclは、ディンプルの所望のサイズに応じて変化する場合がある。しかしながら、一実施形態は、長さは、約0.150インチ〜約1.400インチである(なお、1インチは、25.4mmであり、例えば0.150インチ=3.810mmである)。別の実施形態では、長さは、約0.250インチ〜約1.200インチである。さらに別の実施形態では、長さは、約0.500インチ〜約0.800インチである。
【0030】
方程式(6)の変数F
periodicは、所望の周期関数に基づいて変化することになろう。「シャープネス係数」という用語は、スカラー値であり、周期関数の平均値を定める。一般に、sの値が小さいと、平面形状を大幅に変更する周期関数が得られ、sの値が大きいと、平面形状に対する影響の小さい周期関数が得られる。確かに、当業者には明らかなように、振幅値がいったん選択されると、平面形状への所望の変更量に応じてシャープネス係数sを変化させることができる。一実施形態では、シャープネス係数は、約10〜約60までの範囲にある。別の実施形態では、シャープネス係数は、約15〜約55までの範囲にある。さらに別の実施形態では、シャープネス係数は、約20〜約50までの範囲にある。
【0031】
「振幅」という用語は、周期関数の一周期中における経路からの最大距離の絶対値として定められる。関数の振幅aは、シャープネス係数sとは逆の意味でディンプル平面形状に影響を及ぼす。この観点では、「シャープネス係数」sと「振幅」aというパラメータは、両方とも、Q(x)を定義するために用いられるマッピングされた周期関数を制御するために用いられる。例えば、パラメータであるシャープネス係数s及び振幅aは、最終の平面形状の周囲の重大度(シビアリティ)を制御する。
【0032】
一実施形態では、関数の振幅aは、約0.1から1までの範囲にある。別の実施形態では、振幅aは、約0.2から約0.8までの範囲にある。さらに別の実施形態では、振幅aは、約0.3から約0.7までの範囲にある。さらに別の実施形態では、振幅aは、約0.4から約0.6までの範囲にある。例えば、振幅aは、約0.5であるのが良い。
【0033】
別の実施形態では、関数Q(x)の平面形状振幅又は振幅Aは、方程式(7)によって周期p及びディンプル直径dに関連付けられる。
A = πd/2p (7)
例えば、
図17は、本発明に従って構成された振幅Aを有する平面形状を示している。
図17に示されているように、振幅Aは、周期関数の一周期中における経路95(破線で表されている)からの平面形状90の最大偏差を定めている。
【0034】
振幅の小さい周期関数が本発明に従ってディンプル形状を形成する際に用いられるよう想定されている。一実施形態では、振幅Aは、約0.500以下である。別の実施形態では、振幅Aは、約1×10
-7〜約0.100である。さらに別の実施形態では、振幅Aは、約1×10
-6〜約0.070である。さらに別の実施形態では、振幅Aは、約1×10
-5〜約0.040である。さらに別の実施形態では、振幅Aは、約0.0001〜約0.002である。例えば、振幅Aは、約0.078である。
【0035】
この観点では、振幅Aは、経路からの最大距離としても表せる。例えば、最大距離は、約0.0001インチから約0.035インチまでの範囲にある。別の実施形態では、最大距離は、約0.001インチから約0.020インチまでの範囲にある。さらに別の実施形態では、最大距離は、約0.002インチから約0.010インチまでの範囲にある。さらに別の実施形態では、最大距離は、約0.003インチから約0.008インチまでの範囲にある。
【0036】
この観点では、振幅Aは、振幅と有効ディンプル直径の比としても表せる。例えば、振幅と有効ディンプル直径の比は、約10:1以下である。別の実施形態では、振幅と有効ディンプル直径の比は、約7.5:1以下である。さらに別の実施形態では、振幅と有効ディンプル直径の比は、約5:1以下である。
【0037】
「周期」pは、周期関数が1つのサイクルを完了するのに必要な水平距離を意味している。例えば、
図1に示されているように、波形の一周期pが点線で示されている。当業者には明らかなように、周期は、周期関数に基づいて変化する場合がある。しかしながら、一実施形態では、本発明は、周期が約15以下の周期関数を想定している。別の実施形態では、本発明は、周期が約12以下の周期関数を想定している。さらに別の実施形態では、本発明は、周期が約9以下の周期関数を想定している。さらに別の実施形態では、本発明は、周期が約6以下の周期関数を想定している。例えば、本発明は、周期が約5以下の周期関数を想定している。
【0038】
波動関数の周期は、関数の振動数に逆比例する。確かに、振動数は、経路関数全体にわたって行われた周期の回数を意味している。例えば、周期pの周期関数の振動数は、1/pで表される。一実施形態では、本発明は、低振動数周期関数を想定している。すなわち、本発明は、振動数が約1/15以上の周期関数を想定している。一実施形態では、周期関数の振動数は、約1/12以上である。別の実施形態では、周期関数の振動数は、約1/9以上である。さらに別の実施形態では、周期関数の振動数は、約1/6以上である。さらに別の実施形態では、周期関数の振動数は、約1/5以上である。
【0039】
したがって、方程式(6)の変数を操作することによって、本発明は、単純な閉じ経路に沿って低振動数周期関数によって定められる種々の平面形状を有するゴルフボールディンプルを提供する。本明細書において開示する低振動数低周期周期関数及び閉じられた単純な経路を用いることによって、本発明は、多くのディンプル平面形状の実現を可能にする。
【0040】
図6は、本発明に従ってディンプル平面形状を形成する方法の一実施形態を示している。例えば、ステップ101では、周期関数が投影されるべき単純な閉じ経路を選択する。この観点では、本発明は、同一の単純な閉じ経路のうちの任意のものの使用を想定している。ステップ102では、所望の周期関数を選択する。確かに、上記において開示した周期関数のうちの任意のものが本発明のこの観点において想定されている。
【0041】
ステップ103では、周期関数の振幅、シャープネス、周期、又は振動数を所望の周期関数及び経路に基づいて選択する。一実施形態では、本発明は、低振動数低振幅の周期関数によって定められたディンプル平面形状を想定している。したがって、振幅、シャープネス、周期、又は振動数は、これらの値が上述のパラメータに従っているように選択されるべきである。
【0042】
ステップ104では、経路、周期関数、振幅、シャープネス、及び周期を含む上記において選択された変数を以下に再現されている方程式(6)中に代入する。
Q(x) = F
path(l, scl, x) * F
periodic(s, a, p, x) (6)
次に、合成関数を用いて周期関数を単純な閉じ経路上に投影してディンプル平面形状を生じさせる。合成関数は、所望の経路及び周期関数に基づいて変化することになる。例えば、所望の周期関数が余弦関数である場合、F
periodicは、以下に示された方程式(8)によって表される。
f(x) = s + a * cos (p*pi*x) (8)
【0043】
上述したように、結果として得られるディンプル平面形状(例えば、合成ベクトルQ(x))は又、別の周期関数がマッピングされる経路としても使用できる。例えば、異なる周期を有する周期関数又は異なる周期関数を結果として得られたディンプル平面形状上に投影して本発明に従って新たなディンプル平面形状を形成することができる。
【0044】
ディンプル平面形状を生成した後、ステップ105において、ゴルフボールのディンプルパターンのための幾何学的形状を設計する際にこの平面形状を用いるのが良い。例えば、本発明の方法によって得られる平面形状経路をCADプログラム中にインポートしてこれを用いてディンプル幾何学的形状及びゴルフボール製造業者のための生産設備を構成するためのツール経路を定めることができる。次に、表面被覆度の一様性及びディンプル実装効率を最大にするディンプルパターンを構成する際に本発明に従って作られた種々のディンプル幾何学的形状を用いることができる。
【0045】
本発明に従って作られた平面形状を用いたゴルフボールディンプルパターンを種々の仕方で改造してボールの飛翔経路並びに関連の揚力及び抗力特性を変更することができる。平面形状を隣のディンプルへの近接度に従ってスケール変更すると共にこれに重み付けすることができる。例えば、本発明の平面形状を隣のディンプルに基づいて拡大し又は縮小することができ、その目的は、ディンプル実装効率を高めることを考慮に入れることにある。同様に、プロフィールを「細かく」変更して所望のディンプル容積、エッジ角度、又はディンプル深さを加減して飛ばし性能を最適化することができる。
【0047】
本発明は、従来のパターンと比較してディンプル実装を向上させることができ、その結果、ゴルフボールの表面の大きな百分率がディンプルで覆われるようにする。特に、本発明の平面形状を有する各ディンプルは、表面被覆度の一様性(surface coverage uniformity)及び実装効率(packing efficiency)を最大にするディンプルパターンの一部である。
【0048】
一実施形態では、ディンプルパターンは、約80パーセントを超える表面被覆度をもたらす。別の実施形態では、ディンプルパターンは、約85パーセントを超える表面被覆度をもたらす。さらに別の実施形態では、ディンプルパターンは、約90パーセントを超える表面被覆度をもたらす。さらに別の実施形態では、ディンプルパターンは、約92パーセントを超える表面被覆度をもたらす。
【0049】
この観点では、本発明のゴルフボールディンプル平面形状をあつらえて隣のディンプルの数のスカラー倍数である周期を周期関数について選択することによって表面被覆度の一様性及び実装効率を最大にすることができる。例えば、隣のディンプルの個数が4である場合、本発明は、8又は12の周期を有するディンプル平面形状を想定している。別の実施形態では、周期は、隣のディンプルの個数に等しい。例えば、ディンプル平面形状が周期5を用いて構成される場合、本発明は、ディンプルが5つの隣のディンプルによって包囲されることを想定している。
【0050】
図15は、本発明に従って作られたディンプルパターンの一例を示している。具体的に説明すると、
図15は、低振動数周期関数によって定められ且つ本発明に従って作られた非円形ディンプル平面形状(符号115で表されている)で構成されたゴルフボールディンプルパターン110を示している。
図15に示されているように、本発明は、隣り合うディンプルの相互嵌合、即ち、従来の円形ディンプルでは可能ではなかった特性の実現を可能にする。これにより、ゴルフボール表面上における追加のディンプル実装配列及びディンプル分布の可能性が得られる。
【0051】
本発明の平面形状をゴルフボール上のディンプルのうちの少なくとも一部分について用いることができるが、平面形状をゴルフボールのどのディンプルにも用いるということは必要ではない。一般に、ゴルフボール上のディンプルの十分な数が本発明による平面形状を有し、ゴルフボールの空力特性を変更して実装効率の利点を実現するようにすることが好ましい。例えば、ゴルフボール上のディンプルのうちの少なくとも約30パーセントが本発明による平面形状を含む。別の実施形態では、ゴルフボール上のディンプルのうちの少なくとも約50パーセントが本発明による平面形状を含む。さらに別の実施形態では、ゴルフボール上のディンプルのうちの少なくとも約70パーセントが本発明による平面形状を含む。さらに別の実施形態では、ゴルフボール上のディンプルのうちの少なくとも約90パーセントが本発明の平面形状を含む。さらに別の実施形態では、ゴルフボール上のディンプルの全て(100パーセント)が本発明の平面形状を含んでも良い。
【0052】
本発明は、任意特定のディンプルパターンによって制約されることはなく、本発明による平面形状を有するディンプルは、好ましくは合わせ目又は赤道線に沿って、両極の近くに、又はジオデシック若しくは多面体パターンの輪郭に沿って配置される。従来のディンプル又は本発明の平面形状を備えていないディンプルが残りの空間を占めることができる。逆の配列も又適している。適当なディンプルパターンとしては、多面体を利用したパターン(例えば、二十面体、八面体、十二面体、二十・十二面体、立方八面体、双角錐)、葉序を利用したパターン(phyllotaxis-based patterns)、球形タイリングパターン、及びランダムな配列が挙げられるが、これらには限定されない。
【0054】
本発明のゴルフボール上のディンプルは、任意の幅、任意の深さ、任意の深さプロフィール、任意のエッジ角度、又はエッジ半径を有することができ、パターンは、互いに異なる幅、互いに異なる深さ、互いに異なる深さプロフィール、互いに異なるエッジ角度、又は互いに異なるエッジ半径を有する多数のディンプルを含むことができる。
【0055】
本発明の平面形状周囲は、非円形なので、平面形状は、平面形状セントロイドから平面形状を定める1組の点の平均半径方向寸法の2倍である有効ディンプル直径によって定められる。例えば、一実施形態では、本発明によるディンプルは、約0.005インチから約0.300インチまでの範囲内の有効ディンプル直径を有する。別の実施形態では、ディンプルは、約0.020インチ〜約0.250インチの有効ディンプル直径を有する。さらに別の実施形態では、ディンプルは、約0.100インチ〜約0.225インチの有効ディンプル直径を有する。さらに別の実施形態では、ディンプルは、約0.125インチ〜約0.200インチの有効ディンプル直径を有する。
【0056】
本発明のディンプルの表面深さは、約0.003インチから約0.025インチまでの範囲内にある。一実施形態では、表面深さは、約0.005インチ〜約0.020インチである。別の実施形態では、表面深さは、約0.006インチ〜約0.017インチである。
【0057】
本発明のディンプルは、平面形状面積をも有する。「平面形状面積」という用語は、ディンプル平面形状の平面図で見た場合の面積を意味し、観察平面は、ゴルフボールの中心と計算した表面深さの点を結ぶ軸線に対して垂直である。一実施形態では、本発明のディンプルは、約0.0025平方インチから約0.045平方インチまでの範囲にある平面形状面積を有する(なお、1平方インチは、6.45cm
2であり、例えば、0.0025平方インチ=0.01613cm
2である)。別の実施形態では、本発明のディンプルは、約0.005平方インチから約0.035平方インチまでの範囲にある平面形状面積を有する。さらに別の実施形態では、本発明のディンプルは、約0.010平方インチから約0.030平方インチまでの範囲にある平面形状面積を有する。
【0058】
さらに、本発明のディンプルは、ディンプル表面容積(dimple surface volume)を有する。「ディンプル表面容積」という用語は、ディンプル形状及びゴルフボールの表面によって包囲された全容積を意味している。
図16A及び
図16Bは、本発明に従って作られたディンプルについて想定されるディンプル表面容積のグラフ図である。例えば、
図16A及び
図16Bは、或る範囲の表面形状面積全体についての想定されるディンプル表面容積を示している。一実施形態では、本発明に従って作られるディンプルは、
図16Aに示されている範囲に含まれる表面形状面積及びディンプル表面容積を有する。例えば、約0.01平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約0.20×10
-4立方インチ〜約0.50×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い(なお、1立方インチは、16.40cm
3であり、例えば、0.20×10
-4立方インチ=3.28×10
-4cm
3である)。別の実施形態では、約0.025平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約0.80×10
-4立方インチ〜約1.75×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。さらに別の実施形態では、約0.030平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約1.20×10
-4立方インチ〜約2.40×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。さらに別の実施形態では、約0.045平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約2.10×10
-4立方インチ〜約4.25×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。
【0059】
別の実施形態では、本発明に従って作られたディンプルは、
図16Bに示された範囲内にある平面形状面積及びディンプル表面容積を有する。例えば、約0.01平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約0.25×10
-4立方インチ〜約0.35×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。別の実施形態では、約0.025平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約1.10×10
-4立方インチ〜約1.45×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。さらに別の実施形態では、約0.030平方インチの平面形状面積を有するディンプルは、約1.40×10
-4立方インチ〜約1.90×10
-4立方インチの表面容積を有するのが良い。
【0060】
上述したように本発明に従って有用なディンプルパターンは、必ずしも上述したような表面形状を有するディンプルだけを含む必要はないので、ディンプルパターン中に含まれる他の従来型ディンプルは、ほぼ同じ寸法を有しても良い。
【0062】
ディンプルのサイズの変化に加えて、ディンプルの断面プロフィールを変化させることができる。本発明によるディンプルの断面プロフィールは、任意既知のディンプルプロフィール形状を利用することができる。一実施形態では、ディンプルのプロフィールは、曲線に対応する。例えば、本発明のディンプルは、例えば米国特許第6,796,912号明細書及び同第6,729,976号明細書に開示されている軸線回りの懸垂曲線の回転によって定められるのが良く、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。別の実施形態では、ディンプルプロフィールは、多項式で表される曲線、楕円形、球状曲線、皿状形状、切頭円錐形、三角関数で表される曲線、指数関数で表される曲線、又は対数関数で表される曲線、及び平べったくした台形に対応している。
【0063】
ディンプルのプロフィールは又、ゴルフボールの空気力学的特徴の設計を助けることができる。例えば、米国特許第5,566,943号明細書の浅いディンプル深さを用いると高い揚力及び低い抗力係数を備えたゴルフボールを得ることができ、この米国特許を参照により引用し、この開示内容全体を本明細書の一部とする。これとは逆に、比較的深いディンプル深さは、低い揚力及び低い抗力係数を備えたゴルフボールを得るのを助けることができる。
【0064】
ディンプルプロフィールは又、球形曲線と、米国特許出願公開第2012/0165130号明細書に開示されているようにこれとは異なる曲線、例えば余弦曲線、度数曲線(frequency curve)、又は懸垂曲線(catenary curve)を組み合わせることによっても定めることができ、この米国特許出願公開を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。同様に、ディンプルプロフィールを2本又は3本以上の曲線の組み合わせによって定めることができる。例えば、一実施形態では、ディンプルプロフィールは、球形の曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。別の実施形態では、ディンプルプロフィールは、余弦曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。さらに別の実施形態では、ディンプルプロフィールは、度数曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。さらに別の実施形態では、ディンプルプロフィールは、懸垂曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。さらに別の実施形態では、3本又は4本以上の互いに異なる曲線を組み合わせることによってディンプルプロフィールを定めることができる。さらに別の実施形態では、曲線のうちの1本又は2本以上は、米国特許出願公開第2013/0172123号明細書に開示されているように関数的に重み付けされた曲線であっても良く、この米国特許出願公開を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0066】
本発明のディンプルを事実上任意形式のゴルフボール構造に用いることができる。例えば、ゴルフボールは、ゴルフボールについて望ましい種類の性能に応じて、2部品設計、二重カバー、又はベニヤカバー構造を有することができる。他の適当なゴルフボール構造は、中実コア、巻きコア、液体入りコア、及び/又は二重コア、並びに多数の中間層を含む。
【0067】
互いに異なる材料を本発明により作られるゴルフボールの構造に用いることができる。例えば、ゴルフボールのカバーは、熱硬化性又は熱可塑性樹脂、注型可能な又は注型できないポリウレタン及びポリウレア、アイオノマー樹脂、バラタ、又は当業者に知られている任意他の適当なカバー材料で構成できる。ゴルフボールのコア及び中間層を形成するために従来材料及び非従来材料を用いることができ、かかる材料としては、ポリブタジエン及び他のゴムを主成分とするコア配合物、アイオノマー樹脂、中和度の高いポリマー等が挙げられる。
【0069】
以下の非限定的な実施例は、本発明に従って作られたゴルフボールディンプルの平面形状を示している。これら実施例は、本発明の好ましい実施形態の例示に過ぎず、これら実施形態は、本発明を限定するものと解されてはならず、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められる。
【0071】
以下の実施例は、円形経路にマッピングされた低振動数余弦周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。以下に示す表2は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0072】
図7A〜
図7Fは、表2のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図7Aは、円形経路にマッピングされた周期p=3の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状11を示している。
図7Bは、円形経路にマッピングされた周期p=4の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状12を示している。
図7Cは、円形経路にマッピングされた周期p=5の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状13を示している。
図7Dは、円形経路にマッピングされた周期p=6の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状14を示している。
図7Eは、円形経路にマッピングされた周期p=7の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状15を示している。
図7Fは、円形経路にマッピングされた周期p=8の余弦周期関数によって定められているディンプル平面形状16を示している。
【0074】
以下の実施例は、円形経路にマッピングされた低振動数のこぎり波周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。非一様なのこぎり波関数は、4項フーリエ級数によって近似される。以下に示す表3は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0075】
図8A〜
図8Fは、表3のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図8Aは、円形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状21を示している。
図8Bは、円形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状22を示している。
図8Cは、円形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状23を示している。
図8Dは、円形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状24を示している。
図8Eは、円形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状25を示している。
図8Fは、円形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似されたのこぎり波関数によって定められているディンプル平面形状26を示している。
【0077】
以下の実施例は、円形経路にマッピングされた低振動数三角波周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。非一様な三角波関数は、4項フーリエ級数によって近似される。以下に示す表4は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0078】
図9A〜
図9Fは、表4のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図9Aは、円形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状31を示している。
図9Bは、円形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状32を示している。
図9Cは、円形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状33を示している。
図9Dは、円形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状34を示している。
図9Eは、円形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状35を示している。
図9Fは、円形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似された三角波関数によって定められているディンプル平面形状36を示している。
【0080】
以下の実施例は、円形経路にマッピングされた低振動数方形波周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。非一様な方形波関数は、4項フーリエ級数によって近似される。以下に示す表5は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0081】
図10A〜
図10Fは、表5のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図10Aは、円形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状41を示している。
図10Bは、円形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状42を示している。
図10Cは、円形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状43を示している。
図10Dは、円形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状44を示している。
図10Eは、円形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状45を示している。
図10Fは、円形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状46を示している。
【0083】
以下の実施例は、楕円形経路にマッピングされた低振動数方形波周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。非一様な方形波関数は、4項フーリエ級数によって近似される。以下に示す表6は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0084】
図11A〜
図11Fは、表6のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図11Aは、楕円形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状51を示している。
図11Bは、楕円形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状52を示している。
図11Cは、楕円形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状53を示している。
図11Dは、楕円形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状54を示している。
図11Eは、楕円形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状55を示している。
図11Fは、楕円形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状56を示している。
【0086】
以下の実施例は、正方形経路にマッピングされた低振動数方形波周期関数によって定められているゴルフボールディンプル平面形状を示している。非一様な方形波関数は、4項フーリエ級数によって近似される。以下に示す表7は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0087】
図12A〜
図12Fは、表7のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図12Aは、正方形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状61を示している。
図12Bは、正方形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状62を示している。
図12Cは、正方形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状63を示している。
図12Dは、正方形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状64を示している。
図12Eは、正方形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状65を示している。
図12Fは、正方形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状66を示している。
【0089】
以下の実施例は、円形経路にマッピングされた低振動数任意周期関数によって定められたゴルフボールディンプル平面形状を示している。任意周期関数は、正弦と余弦の線形組み合わせを用いて作られる。以下に示された表8は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0090】
図13A〜
図13Fは、表8のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図13Aは、円形経路にマッピングされた周期p=3の4項フーリエ級数によって近似された任意周期関数によって定められているディンプル平面形状71を示している。
図13Bは、円形経路にマッピングされた周期p=4の4項フーリエ級数によって近似された任意周期関数によって定められているディンプル平面形状72を示している。
図13Cは、円形経路にマッピングされた周期p=5の4項フーリエ級数によって近似された任意周期関数によって定められているディンプル平面形状73を示している。
図13Dは、円形経路にマッピングされた周期p=6の4項フーリエ級数によって近似された任意周期関数によって定められているディンプル平面形状74を示している。
図13Eは、円形経路にマッピングされた周期p=7の4項フーリエ級数によって近似された任意周期関数によって定められているディンプル平面形状75を示している。
図13Fは、円形経路にマッピングされた周期p=8の4項フーリエ級数によって近似された方形波関数によって定められているディンプル平面形状76を示している。
【0092】
以下の実施例は、任意経路にマッピングされた低振動数任意周期関数によって定められたゴルフボールディンプル平面形状を示している。任意周期関数は、正弦と余弦の線形組み合わせを用いて作られる。以下に示された表9は、周期関数を単純な閉じ経路上に投影するために用いられた数学パラメータを記載している。
【0093】
図14A〜
図14Fは、表9のパラメータに従って作られたゴルフボールディンプル平面形状を示している。具体的に説明すると、
図14Aは、任意経路にマッピングされた周期p=3の任意関数によって定められているディンプル平面形状81を示している。
図14Bは、任意経路にマッピングされた周期p=4の任意関数によって定められているディンプル平面形状82を示している。
図14Cは、任意経路にマッピングされた周期p=5の任意関数によって定められているディンプル平面形状83を示している。
図14Dは、任意経路にマッピングされた周期p=6の任意関数によって定められているディンプル平面形状84を示している。
図14Eは、任意経路にマッピングされた周期p=7の任意関数によって定められているディンプル平面形状85を示している。
図14Fは、任意経路にマッピングされた周期p=8の任意関数によって定められているディンプル平面形状86を示している。
【0094】
本発明の広い範囲を記載した数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に記載された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、どのような数値であっても、これらそれぞれの試験測定に見受けられる標準偏差の結果として必然的に生じる或る程度の誤差を本来的に含む。さらに、範囲が変化する数値の範囲が本明細書に記載されている場合、列記した値を含むこれら値の任意の組み合わせを利用することができるということが想定されている。
【0095】
本明細書において説明すると共にクレーム請求されている本発明は、本明細書に開示した特定の実施形態によって範囲が限定されることはなく、その理由は、これらの実施形態が本発明の幾つかの観点の例示であることが意図されているからである。任意の均等な実施形態が本発明の範囲に含まれることが意図されている。確かに、本明細書において図示すると共に説明した実施形態に加えて本発明の種々の改造例が上記説明から当業者には明らかになろう。かかる改造例も又、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属することが意図されている。上記において引用された全ての特許及び特許出願を参照により明示的に引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。