【解決手段】爪装飾シート1の付け爪本体11は、形状記憶ジェルや合成樹脂から成り、その上面に電子ペーパー12を搭載して、全体を防水の透明フィルムで覆ったり、外周部に防水コーティングを施すことで構成される。さらに、使用者の爪の基端側の爪半月上に形成される隆起した装飾部13内に、前記電子ペーパー12の駆動用の電池を収容する。これによって、従来は、消費電力の面で、不揮発性の電子ペーパーを使用して、静止画しか表示困難であったのを、本発明では、電池の容量は比較的大きくできることから、コマ送り画像や、短時間であれば動画を、或いはフルカラー画像の表示を行うことができる。
使用者の爪に貼付けられる付け爪本体と、前記付け爪本体の表面に設けられる電子ペーパーとを備え、前記電子ペーパーに任意の画像や文字を表示するようにした爪装飾シートにおいて、
前記電子ペーパーは前記使用者の爪の中央から先端側の爪甲の上に配置され、
前記付け爪本体における前記使用者の爪の基端側の爪半月の上には、隆起した1または複数の装飾部を備え、
前記装飾部内に、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を配置することを特徴とする爪装飾シート。
前記付け爪本体は、前記使用者の爪先より延びて形成され、その爪先より延長されている部分の裏側にもさらに、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を配置することを特徴とする請求項1記載の爪装飾シート。
前記電子ペーパーを表示駆動する表示駆動手段は、NFCによって受信されたデータを前記電子ペーパーに表示させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の爪装飾シート。
前記スマートフォンから前記NFCによって送信されるデータは、該スマートフォンで受信された電子メールのデータであることを特徴とする請求項7記載の爪装飾シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術は、電子ペーパーを用いることで、任意の画像や文字を表示することが可能である。しかしながら、体積が大きくなる電池が、基板などともに、爪装飾シートのシート本体の中に埋め込まれており、容量が小さく、そのため電子ペーパーも不揮発なものとなって、前記画像や文字は、静止画でしか表示困難である。また、より電力を消費するフルカラー画像の表示も困難である。
【0006】
本発明の目的は、電子ペーパーを用いることで任意の画像や文字を表示可能にした爪装飾シートにおいて、電子ペーパーの表示駆動に使用される電池を大容量にしても、違和感無く搭載することができる爪装飾シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の爪装飾シートは、使用者の爪に貼付けられる付け爪本体と、前記付け爪本体の表面に設けられる電子ペーパーとを備え、前記電子ペーパーに任意の画像や文字を表示するようにした爪装飾シートにおいて、前記電子ペーパーは前記使用者の爪の中央から先端側の爪甲の上に配置され、前記付け爪本体における前記使用者の爪の基端側の爪半月の上には、隆起した1または複数の装飾部を備え、前記装飾部内に、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を配置することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、付け爪として用いられる爪装飾シートにおいて、その表面に電子ペーパーを使用して任意の画像や文字を表示可能にするにあたって、電子ペーパーは前記使用者の爪の中央から先端側の爪甲の上に配置する一方、前記付け爪本体における前記使用者の爪の基端側の爪半月の上には、たとえば宝石やクリスタルなどを模して、隆起した装飾部を1または複数設ける。そして、その装飾部内には、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を、違和感無く配置することができる。
【0009】
したがって、任意の画像や文字を表示するとしても、従来は、消費電力の面で、不揮発性の電子ペーパーを使用して、静止画しか表示困難であったのを、本発明では前記装飾部内に埋め込まれる電池の容量は比較的大きくできることから、適宜のタイミングで更新表示を行うコマ送り画像や、短時間であれば動画を、或いはフルカラー画像の更新表示を行うことができるようになる。これによって、電子ペーパーを用いることで任意の画像や文字を表示可能にした爪装飾シートにおいて、興趣性を持たせたり、より美麗に魅せることができる。
【0010】
また、本発明の爪装飾シートでは、前記付け爪本体は、前記使用者の爪先より延びて形成され、その爪先より延長されている部分の裏側にもさらに、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を配置することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、付け爪は、多くの場合、見場を良くするために、使用者の爪の長さよりも長く(大きく見せるように)形成される。本発明は、このことを利用して、前記電子ペーパーを搭載する付け爪本体において、前記爪半月の上の装飾部に加えて、使用者の実際の爪先より延長されている部分の裏側にも、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を配置する。通常、爪の両側部は、カールしており、そのカールによって、爪の裏側には、ドーム状の空間が存在し、その空間に、違和感無く電池を埋め込む。
【0012】
したがって、電池を、合計容量で、より大きくできる。
【0013】
さらにまた、本発明の爪装飾シートでは、前記電池は、前記付け爪本体の先端から予め定める長さだけ内側の部分から、前記使用者の指先にかけて配置されることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、電池は、付け爪本体の先端から予め定める長さ、たとえば1mmだけ内側から配置される。
【0015】
したがって、ペンを握ったり、拳を握った際には、手の平などに電池が接触する前に爪先が接触するので、使用者に与える違和感を抑えることができる。
【0016】
また、本発明の爪装飾シートでは、前記電池は、前記使用者の指先から予め定める距離だけ離れた位置から、前記付け爪本体の先端側にかけて配置されることを特徴とする。
【0017】
上記の構成によれば、電池は、使用者の指先からも予め定める距離、たとえば1mmだけ離れた位置から配置される。
【0018】
したがって、たとえば机に手を着くなどして指先が押圧されて扁平に拡がった際に、使用者の指先に電池が接触することを抑え、使用者に与える違和感を抑えることができる。
【0019】
さらにまた、本発明の爪装飾シートでは、NFCによって受電された電力を、前記電池へ充電用に供給する受電手段を備えることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、非接触で充電用の電源を供給することができる。
【0021】
したがって、爪装飾シートに電極を設けて接触給電を行う場合に比べて、電極などの構造的に弱くなる部分を無くし、気密性を向上することができるとともに、充電の間における使用者の指の自由度(動かせる範囲)を大きくすることができる。
【0022】
また、本発明の爪装飾シートでは、前記電子ペーパーを表示駆動する表示駆動手段は、前記NFCによって受信されたデータを前記電子ペーパーに表示させることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、非接触で表示駆動用のデータを受信することができる。
【0024】
したがって、爪装飾シートに端子を設けて接触でデータ受信を行う場合に比べて、電極などの構造的に弱くなる部分を無くし、気密性を向上することができる。また、通信可能な範囲にあれば、任意のタイミングでデータを伝送することができるので、表示の更新に対する利便性を向上することができる。
【0025】
さらにまた、本発明の爪装飾シートでは、前記表示駆動手段への表示のためのデータの送信は、スマートフォンまたはタブレット端末によって行われることを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、スマートフォンやタブレット端末では、好みの画像や文字を選択(抽出)し、編集することが容易である。また、スマートフォンやタブレット端末では、前記好みの画像や文字のデータを、容易に転送することができる。
【0027】
したがって、付け爪として用いられる爪装飾シートにおいて、好みの画像や文字を容易に表示させることができる。
【0028】
また、本発明の爪装飾シートでは、前記スマートフォンから前記NFCによって送信されるデータは、該スマートフォンで受信された電子メールのデータであることを特徴とする。
【0029】
上記の構成によれば、付け爪で、電子メールを読むことができ、興趣性を向上することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の爪装飾シートは、以上のように、付け爪として用いられる爪装飾シートにおいて、その表面に電子ペーパーを使用して任意の画像や文字を表示可能にするにあたって、前記電子ペーパーを表示駆動するための電力を供給する電池を、使用者の爪先より延長されている部分の裏側、或いは使用者の爪の基端側の爪半月上に形成される隆起した装飾部内に配置する。
【0031】
それゆえ、使用者の違和感無く、前記電池の容量を大きくすることができ、コマ送り画像や、短時間であれば動画を、或いはフルカラー画像の更新表示を行うことができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の一形態に係る爪装飾シート1の使用方法を説明するための図である。
図1の例では、付け爪として、使用者の手2の5本の指21〜25の内、人差し指22のみに実施形態に係る爪装飾シート1が貼付けられ、残余の指21,23〜25には、画像や文字が印刷されただけの旧来の爪装飾シート31,33〜35が貼付けられている例を示している。しかしながら、複数本から、総ての指21〜25に、実施形態に係る爪装飾シート1が貼付けられてもよい。5本の指21〜25の内、どの指に実施形態に係る爪装飾シート1を用いるかは、コスト面や、意匠性(たとえば、5本の指21〜25の総てに用いた場合に、煩雑に見えたりする可能性がある)などを考慮して検討されればよい。この爪装飾シート1は、後述するように、所謂スマートフォン4や、図示しないタブレット端末などと連携して動作する。
【0034】
図2および
図3は、使用者の人差し指22から爪装飾シート1付近を拡大して示す平面図および縦断面図である。
図2で示すように、この爪装飾シート1は、付け爪本体11と、付け爪本体11の表面に設けられる電子ペーパー12と、装飾部13〜15とを備えて構成される。電子ペーパー12は、使用者の爪221の中央から先端側の爪甲の上に配置され、爪221の基端側の爪半月の上には、その半月の円弧状に沿って、複数(
図2では3つ)の装飾部13〜15が配置される。
【0035】
電子ペーパー12は、前記人差し指22用の場合で、たとえばその表示画面121の幅Wは7mm、長さLは10mmに形成される。前記表示画面121の外側において、少なくとも2辺には、行電極および列電極が形成されており、それらの電極は、付け爪本体11の内側に折返されたり、電子ペーパー12の上に被せられる図示しない保護シートの意匠などで覆われ、表面側からは見えなくなっている。
【0036】
電子ペーパー12には、代表的な表示技術に、電気泳動方式を使用することができる。この方式は、白色と黒色との粒子を、流体を収めたマイクロカプセル中で電界によって移動させることで白と黒の表示を行ない、粒子移動型などとも称される。電子ペーパー12の表示方式には、各種使用することができるが、コントラストが高く、表示の維持に電力を必要とせず、また表示の書き換えも僅かな電力で行うことができるので、前記電気泳動方式が好適である。
【0037】
図3で示すように、装飾部14は、ダミーの宝石であり、ガラスのドームなどで実現される隆起した外殻141と、その内側に蒸着などで形成され、外殻141からの光を反射する反射層142とを備えて構成される。他の装飾部13,15も同様である。すなわち、装飾部13〜15は、内側にコーティングを施したガラス玉を被せることで実現することができる。そして、たとえば、装飾部14のドームの内部空間には、主制御回路143およびメモリ144などを搭載した基板145が収納され、装飾部13内にはNFCによる励磁起電力を発生するコイルが収納され、装飾部15内にはNFCによる通信回路が収納される。
【0038】
NFCにおいて、前記コイルは、たとえば、ICカードや携帯電話での電子決済などにも使用されているISO/IEC14443に対応しており、13.56MHzの周波数を利用して、十数cmまでの距離で、電力を受電することができる受電手段を構成する。これに対して、前記通信回路は、前記コイルによる起電力を利用して、たとえば2.4GHzのBluetooth(登録商標)や無線LANによって、スマートフォン4と通信を行うためのものである。なお、前記13.56MHzなどのNFCの周波数は、電波法の管理を受けるので、その電波法の管轄外の周波数で励起電力を送信できれば、煩雑な手続きを無くし、また送信パワーを大きくして短時間で送電を行うことができ、好適である。
【0039】
このようにして、付け爪として用いられる爪装飾シートにおいて、その表面に電子ペーパー12を使用して任意の画像や文字を表示可能にするにあたって、本実施形態の爪装飾シート1で注目すべきは、付け爪本体11が、使用者の爪先222より延びて形成され、その爪先222より延長されている部分111の裏側112に、電子ペーパー12を表示駆動するための電力を供給する電池16が配置されていることである。
【0040】
これは、装飾用途に用いられる付け爪は、多くの場合、見場を良くするために、使用者の爪221の長さよりも長く(大きく見せるように)形成されることを利用している。通常、爪221の両側部は、カールしており、そのカールによって、爪221から前記延長されている部分111の裏側112には、ドーム(かまぼこ)状の空間113が存在し、その空間113に、電池16を、違和感無く埋め込むことができる。
【0041】
電池16および電子ペーパー12は、配線171,172によって、基板145に接続される。こうして、メモリ144に格納された画像や文字のデータが、主制御回路14によって読出され、電池16の電力によって電子ペーパー12に表示される。電池16には、比較的体積当りの容量が大きく、フレキシブルな有機ラジカル電池を用いることができる。
【0042】
したがって、任意の画像や文字を表示するとしても、従来は、消費電力の面で、不揮発性の電子ペーパーを使用して、静止画しか表示困難であったのを、本実施形態の爪装飾シート1では、空間113に埋め込まれる電池16の容量は比較的大きくできることから、適宜のタイミングで更新表示を行うコマ送り画像や、短時間であれば動画を、或いはフルカラー画像の更新表示を行うことができるようになる。また、消費電力を大きくできることから、電子ペーパーに、有機EL素子などの自発光のものを使用する可能性を開くことができ、その場合、暗所での視認が可能になる。このようにして、電子ペーパー12を用いることで任意の画像や文字を表示可能にした爪装飾シート1において、興趣性を持たせたり、より美麗に魅せることができる。
【0043】
具体的には、前記電子ペーパー12の動作電圧は、1.65〜3.6Vで、好ましくは1.65Vのものを使用する。一方、前記主制御回路143である電子ペーパー12のドライバーの動作電圧は、2.6〜2.7Vであり、動作電流値は、最大40mA、スリープ時は0に近く、0.05mA程度である。したがって、前記電池16の容量として、少なくとも3V、10mAhとすることで、前記有機ラジカル電池を2個直列に使用して、1時間に1回画像を入れ替えたり、1回情報を表示するだけなら15時間動作させることができ、アニメーションでは10分位の連続で表示を行わせることが可能になる。
【0044】
そのような容量は、爪先222の空間113に埋め込まれる前記の電池16で実現することができる。たとえば、爪先222から延びる部分111の長さは、7〜8mm、手2を握った際に邪魔にならない(外側になる)親指21の場合には1cmを超えることもあり、空間113内に、前記の容量の電池16を収容することができる。特に長くて幅の広い親指21の場合は、大容量の電池を収容することができる。
【0045】
ここで、現状では、電子ペーパー12の動作電圧がドライバーの動作電圧よりも低いので、低電圧になると、ドライバーが先に止まってしまう。そのため、ドライバー無しの電子ペーパーが登場すると、さらに動作時間を延長することができる。
【0046】
図4に、コマ送り画像の例を示す。
図4(a)は爪装飾シート1の平面図であり、
図4(b)〜(f)は電子ペーパー12に表示されるコマ送り画像を拡大して示す図である。
図4の例は、4つ葉のクローバーが咲いてゆく様子を示しており、ハート形で示す茎181が、
図4(b)から
図4(c)で示すように伸びた後、
図4(d)から
図4(e)で示すように、花182が咲き、
図4(f)で示すように花弁183を振り撒きながら散ってゆく様子を示している。
【0047】
さらに、本実施形態の爪装飾シート1では、
図3で示すように、電池16は、付け爪本体11の先端114から予め定める長さD1だけ内側の部分から、使用者の指先223にかけて配置される。前記長さD1は、たとえば1mmである。したがって、使用者がペンを握ったり、拳を握る際には、手の平などに電池16が接触する前に、爪先(先端114)が接触するので、使用者に与える違和感を抑えることができる。
【0048】
また、本実施形態の爪装飾シート1では、
図3で示すように、電池16は、使用者の指先223からも、予め定める距離D2だけ離れた位置から、付け爪本体11の先端114側にかけて配置される。前記距離D2は、たとえば1mmである。したがって、使用者が、たとえば机に手を着くなどして、
図2において仮想線224で示すように指先223が押圧されて扁平に拡がった際に、該指先223に電池16が接触することを抑え、使用者に与える違和感を抑えることができる。
図3の状態では、その指先223が拡がった状態でも、電池16との間に、隙間D3が確保されている。
【0049】
ここで、同じNFCでも、コイルによる電力の受電に使用するのは、ICカードや無線タグなどで使用される前記13.56MHzの周波数である。これによって、前記ICカードや無線タグの励起用の電力を利用して、コイルでの受電電力を電池16への充電のために利用することができ、コイルは受電手段として機能する。こうして、非接触で充電用の電源を供給することができ、電極を設けて接触給電を行う場合に比べて、電極などの構造的に弱くなる部分を無くし、気密性を向上することができるとともに、充電の間における使用者の指22の自由度(動かせる範囲)を大きくすることができる。
【0050】
一方、スマートフォン4などとの通信用も、前記2.4GHzの周波数帯などを使用して、非接触で行われる。したがって、端子を設けて接触でデータ受信を行う場合に比べて、電極などの構造的に弱くなる部分を無くし、気密性を向上することができる。また、通信可能な範囲にあれば、任意のタイミングでデータを伝送することができるので、表示の更新に対する利便性を向上することができる。
【0051】
さらにまた、本実施形態の爪装飾シート1では、
図4で示すような表示のためのデータは、スマートフォン4やタブレット端末などから送信される。そのスマートフォン4やタブレット端末では、好みの画像や文字を選択(抽出、ダウンロード)し、編集することが容易である。また、スマートフォン4やタブレット端末では、前記好みの画像や文字のデータを、爪装飾シート1に容易に転送することができる。こうして、スマートフォン4やタブレット端末を用いることで、付け爪として用いられる爪装飾シート1において、好みの画像や文字を容易に表示させることができる。
【0052】
また、表示データの送信元がスマートフォン4やタブレット端末であるので、送信される表示データとして、該スマートフォン4やタブレット端末で受信された電子メールのデータとすることで、付け爪で、電子メールを読むことができ、興趣性を向上することができる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の他の形態に係る爪装飾シートについて説明する。主要な構成は、
図1〜
図4の爪装飾シート1と同様である。付け爪本体11は、形状記憶ジェルや合成樹脂から成り、その上面に電子ペーパー12を搭載して、全体を防水の透明フィルムで覆ったり、外周部に防水コーティングを施すことで構成される。この付け爪本体11の、特に外周部分に、NFCのコイルを埋め込むことで、コイル径が大きくなるとともに、コイル長が長くなり、受電できる電力量を大きくすることができる。
【0053】
すると、前記装飾部13内からNFCのコイルを無くすことができ、前記爪先222の電池16に比べて、多少、容量は小さくなるものの、この装飾部13のドーム内に電池を収容することができる。その場合、装飾部13内の電池は、電池16の増設(容量アップ)用として、電子ペーパー12には、動画が表示されたり、フルカラー画像が表示されたり、或いは表示時間の延長が図られてもよい。
【0054】
しかしながら、この装飾部13内の電池で電池16を置換える、すなわち爪先222の電池16を無くすようにしてもよい。その場合、付け爪本体11において、爪先222より延長される部分111を短くすることができる。
(実施の形態3)
図5および
図6は、本発明の実施のさらに他の形態に係る爪装飾シート1aの構造を示す分解斜視図および縦断面図である。この爪装飾シート1aにおいて、上述の爪装飾シート1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。この爪装飾シート1aで注目すべきは、前記基板145やNFCのコイルなどがシート状に形成されて、積層されていることである。
図5および
図6の例では、爪221に貼付けられる付け爪本体11a上には、絶縁断熱シート18、基板およびプリントアンテナ層19、電子ペーパー12aおよび保護シート20が、この順で積層されている。
【0055】
絶縁断熱シート18は、基板およびプリントアンテナ層19側から、使用者の指22側への漏電や伝熱を防止するために設けられており、付け爪本体11aの材質や厚みによって、そのような効果が期待できる場合は、この絶縁断熱シート18は、特に設けられなくてもよい。この絶縁断熱シート18において、電池16aの搭載位置に対応する爪先222側には、該電池16aと基板およびプリントアンテナ層19との間を電気的に導通するためのスルーホール181が形成されている。
【0056】
基板およびプリントアンテナ層19は、たとえばフレキシブル基板上に、上述の主制御回路143、メモリ144およびNFC通信回路などのベアチップが略中央部側に実装され、さらに外周部分に前記NFC通信用のコイルが形成されて構成される。この基板およびプリントアンテナ層19と電子ペーパー12aとの間は、爪221の基端側、すなわち爪半月上で、フレキシブル基板173によって、相互に接続されている。電子ペーパー12a上には保護シート20が被せられており、この保護シート20は、表示画面121の領域は透明に形成され、周縁部は、行電極や列電極を隠すように遮光性に形成されるとともに、適宜意匠が施されていてもよい。
【0057】
このように構成することで、爪装飾シート1aは、爪装飾シート1に比べて、厚みが厚くなるものの、前記基板145やコイルをカモフラージュする装飾部13〜15を不要にすることができる。また、この爪装飾シート1aでは、NFCのコイル径を大きくすることができ、スマートフォン4との通信距離を伸ばすことができる。この積層構造の爪装飾シート1aと、装飾部13〜15を備える爪装飾シート1とは、意匠性などに応じて、適宜選択されればよい。
【0058】
また、この爪装飾シート1aにおいて注目すべきは、電池16aが付け爪本体11aから脱着可能に構成されることである。
図6において、左下の領域に、電池16a部分を拡大して示す。付け爪本体11aには、電池16aを脱着可能にするために、ブラケット16bが設けられている。そして、電池16a側およびブラケット16b側には、相互に嵌着するコネクタ部16c,16dがそれぞれ設けられている。
図6の例では、電池16a側のコネクタ部16cは、+−の一対のピンから成り、ブラケット16b側のコネクタ部16dは、対応する一対のホールから成る。コネクタ部16dは、スルーホール181を介して、基板およびプリントアンテナ層19と電気的に接続される。
【0059】
そして、たとえば
図7において、参照符号F1で示すように付け爪本体11aから取り外された電池16aは、参照符号F2で示すように、別途に設けられる充電器5に装着され、前記コネクタ部16cから充電される。充電器21は、
図7で示すような所謂USBケーブルなどで電源供給先に接続され、その電源供給先からの電力を、たとえば充電電圧を前記の3V、充電電流を60mAとして、電池16aに供給する。前記の条件では、満充電までの時間は、10分となる。
【0060】
こうして、電池16aを付け爪本体11aから取り外し、別途に設けられる充電器5によって、コネクタ部16d,16cを介して接触充電によって充電を行うことで、急速充電によって充電時間を短縮することができるとともに、使用者の指先を電極に接触させたりするような拘束の必要も無く、利便性を向上することができる。
【0061】
また、本実施形態の爪装飾シート1aでは、付け爪本体11a側のコネクタ部16dには、電池16aが装着されることを検出するリセットスイッチが設けられている。
図6の例では、電池16aのコネクタ部16cでは一対のピン間にもう1本のピン16eが立設されており、ブラケット16bのコネクタ部16dでは一対のホール間にもう1つのホール16fが形成されており、それらで前記リセットスイッチを構成する。具体的には、たとえば、ピン16eはコネクタ部16c+のピンと並列に接続されており、ホール16fは前記主制御回路143のリセット端子に接続されており、ホール16fにピン16eが嵌り込むことで、電子ペーパー12aを表示駆動する表示駆動手段である前記主制御回路143に前記3Vの電圧が供給されて、該主制御回路143がリセットされ、電池16aの装着を検出する。
【0062】
これは、電池16aを取り外すと、場合によってよっては、前記主制御回路143は、前記の画像や文字などの表示データを消去してしまったり、システムにエラーを生じたりする可能性があるためである。そのため、上述のようにしてリセット掛けることで、速やかに表示を復旧させることができる。リセットに伴う画像データの再読込みなどは、スマートフォン4から、容易に行うことができる。
【0063】
なお、電池16aのブラケット16bへの嵌着は、コネクタ部16cのピンとコネクタ部16dのホールとの嵌り合いを利用して行われてもよいが、磁気吸着や、フックを設けるなどの、別の、或いは追加の係合手段が設けられて行われてもよい。また、電池16aのブラケット16bからの取り外しや、充電器21への装着などのために、ピンセットなどの専用の治具や工具が用いられてもよい。