【課題】噴出される塗料が充分に霧化され、溝の底面を均一に効率良く塗装でき、かつ被塗装物の溝以外の部分が汚れることを抑制できるスプレーガン、及び溝の塗装方法の提供を目的とする。
【解決手段】先端から塗料及び空気を噴出する噴出部22、及び噴出部22の後端側に位置する当接部24を有する、先端側にカバーが装着されない噴出ノズル12を備え、噴出部22の先端面には塗料を噴出する塗料噴出口44が形成され、塗料噴出口44はニードル弁20により開閉可能に閉じられ、当接部24は、ノズル先端が溝の底面から離間するように噴出部22が溝内に挿入された状態で被塗布物に当接される、スプレーガン1。また、スプレーガン1を用いた溝の塗装方法。
【背景技術】
【0002】
ビルや住宅等の建築物の外壁を装飾する外装材の一つとして、例えば、基板上に複数のタイルやレンガ等を並べて貼り付けた外装材が知られている。このような外装材では、通常、基材におけるタイル等が貼り付けられる外面に、基材を保護するための塗料が塗布されている。該外装材におけるタイル等が貼り付けられている部分は、タイルが無機材料で形成されていることで劣化しにくい。一方、該外装材における隣り合うタイル等の間に形成された溝(目地に見せる部分)の底面部分では塗膜が劣化するため、塗料の塗り替えが必要となる。溝部分の塗料の塗り替えにおいては、タイル等の表面に塗料が付着して外観が悪化することを防ぐ必要がある。
【0003】
簡便な塗装方法としては、例えば、スプレー塗装が知られている(例えば、特許文献1)。スプレー塗装に用いられるスプレーガン(エアブラシ)としては、例えば、細かい部分を塗装するものとして、ノズル先端の塗料噴出口からニードル弁の先端部分が突き出た状態で該塗料噴出口が閉じられ、ニードル弁が後退して開いた塗料噴出口から塗料が噴出されるスプレーガンが知られている。
【0004】
また、スプレー塗装によって塗料を均一に塗布するには、スプレーガンから噴出される塗料が充分に霧化されることが重要である。塗料の霧化を促進したスプレーガンとしては、例えば、塗料噴出口よりも先端側に突出した突出部に形成された空気噴出口から噴出される空気によって塗料の霧化を促進するものが知られている(特許文献2)。しかし、該スプレーガンでは、塗装範囲を細かく絞り込めない。そのため、溝の底面のみを選択的に塗装することが難しく、タイル等の表面に塗料が付着して外観が低下することがある。
【0005】
ノズル先端部にラッパ状のカバーが設けられ、空気噴出口から噴出した空気の流れを該カバーで規制することによって塗料の霧化を促進させるスプレーガンも知られている(特許文献3)。しかし、該スプレーガンでは、たとえカバーの直径を溝の幅と同じにして塗装を行っても、溝の底面に塗着しきれなかった塗料が跳ね返ってカバー内部に付着して溜まるため、ガン詰まりが起きたり、液ダレを起こしてタイル等の表面が汚れたりしやすい。
【0006】
以上のような理由から、外装材等における溝の底面への塗装は、通常、筆を用いて行われている。しかし、筆を用いて溝の底面を塗布する方法は作業が煩雑で長時間を要し、非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、噴出される塗料が充分に霧化され、溝の底面を均一に効率良く塗装でき、かつ被塗装物の溝以外の表面部分が汚れることを抑制できるスプレーガン、及び該スプレーガンを用いた溝の塗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]被塗布物に形成された溝の底面に塗料を塗布するためのスプレーガンであって、先端から塗料及び空気を噴出する噴出部、及び前記噴出部の後端側に位置する当接部を有する、先端側にカバーが装着されない噴出ノズルを備え、前記噴出部の先端面には塗料を噴出する塗料噴出口が形成され、前記塗料噴出口はニードル弁により開閉可能に閉じられ、前記当接部は、ノズル先端が前記溝の底面から離間するように前記噴出部が前記溝内に挿入された状態で前記被塗布物に当接される、スプレーガン。
[2]前記当接部が先端に向かうにつれて窄んだ先細り形状であり、前記当接部の後端側の部分が前記溝の幅よりも大きい、[1]に記載のスプレーガン。
[3]前記塗料噴出口が前記ニードル弁で閉じられた状態で、前記ニードル弁の先端部が前記塗料噴出口から外側に突き出ている、[1]又は[2]に記載のスプレーガン。
[4]被塗布物に形成された溝の底面に塗料を塗布する塗装方法であって、[1]〜[3]のいずれかに記載のスプレーガンを用いて、前記噴出部を前記溝内に挿入し、前記当接部を前記被塗布物に当接させて、ノズル先端が前記溝の底面から離間するようにした状態で、前記噴出部から塗料及び空気を噴出させて塗装する、溝の塗装方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスプレーガンを用いれば、噴出される塗料が充分に霧化され、溝の底面を均一に効率良く塗装することができ、かつ被塗装物の溝以外の表面部分が汚れることを抑制することができる。
本発明の溝の塗装方法によれば、スプレーガンから噴出される塗料が充分に霧化され、溝の底面を均一に効率良く塗装することができ、かつ被塗装物の溝以外の表面部分が汚れることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[スプレーガン]
本発明のスプレーガンは、被塗布物に形成された溝の底面に塗料を塗布するためのスプレーガンである。本発明のスプレーガンは、先端から塗料及び空気を噴出する噴出部、及び前記噴出部の後端側に位置する当接部を有する、先端側にカバーが装着されない噴出ノズルを備えている。噴出部の先端面には、塗料を噴出する塗料噴出口が形成されている。塗料噴出口はニードル弁により開閉可能に閉じられる。当接部は、ノズル先端が溝の底面から離間するように噴出部が溝内に挿入された状態で被塗布物に当接される。
本発明のスプレーガンは、被塗装物の溝内に挿入される噴出部と、被塗装物に当接される当接部とを有する、先端側にカバーが装着されない噴出ノズルを備える以外は、公知の態様を採用することができる。
【0013】
以下、本発明のスプレーガンの一例を示してさらに説明する。本実施形態のスプレーガン1は、
図1及び
図2に示すように、棒状のガン本体10と、噴出ノズル12と、塗料容器接続部14と、空気供給口部16と、操作桿18と、を備えている。
【0014】
この例のガン本体10は、円筒形状になっている。
ガン本体10の内部構造等の態様は、公知のスプレーガンで採用される態様を採用することができる。ガン本体10の長さ及び太さは、特に限定されず、適宜設定することができる。
【0015】
噴出ノズル12は、ガン本体10の先端から突出するように設けられている。噴出ノズル12は、
図1〜5に示すように、先端から塗料及び空気を噴出する噴出部22と、噴出部22の後端側に位置する当接部24とを備えている。噴出ノズル12の先端側には、空気噴出口から噴出した空気の流れを規制するラッパ状等のカバーは装着されない。
【0016】
この例の噴出部22は、筒壁部26と、円環部28と、突出部30と、先端面部32と、を備えている。筒壁部26は、円筒状であり、内壁面の後端側にネジ溝26aが形成されている。円環部28は、板状でかつ円環状であり、筒壁部26の先端部から中心軸に向かって垂直に突出するように設けられている。突出部30は、円筒状であり、円環部28の内周縁から筒壁部26と反対側に垂直に突出するように設けられている。先端面部32は、板状で、突出部30の先端開口を閉じるように設けられている。先端面部32の中央部分には、先端面部32を外側から正面視したときの形状が円形状の噴出口34が形成されている。
【0017】
当接部24は、ノズル先端が溝の底面から離間するように噴出部22が溝内に挿入された状態で、被塗布物に当接される部分である。この例の当接部24は、軸方向に垂直な断面形状が円形状で、後端側から噴出部22側に向かって徐々に縮径している当接部本体36と、当接部本体36の先端から突出するように設けられた円筒状の突出部38と、を備えている。このように、当接部24は、先端に向かうにつれて窄んだ先細り形状になっている。
【0018】
当接部24においては、当接部本体36の後端側の部分の大きさが、被塗装物の溝の幅よりも大きくなるように設計される。これにより、塗装の際には、ノズル先端が溝の底面から離間するように噴出部22が溝内に挿入された状態で、被塗布物において溝を形成する両側のタイル等の角部分に当接部24の当接部本体36が当接する。
【0019】
突出部38の外壁面には、筒壁部26の内壁面に形成されたネジ溝26aと螺合するネジ溝38aが形成されている。このように、この例の噴出ノズル12では、筒壁部26のネジ溝26aと突出部38のネジ溝38aとを螺合させて、噴出部22を当接部24に着脱自在に装着できるようになっている。噴出部が着脱自在になっていることで、噴出ノズル内の洗浄が容易に行える。
【0020】
噴出ノズル12の噴出部22と当接部24の内部の軸芯部には、軸方向に延びる円筒状の内部ノズル42が設けられている。内部ノズル42の先端は、噴出ノズル12の先端に形成された噴出口34まで達している。内部ノズル42の先端部分は、先端に向かうにつれて細くなっている。また、内部ノズル42の先端には正面視円形状の塗料噴出口44が形成されている。噴出ノズル12では、噴出口34における塗料噴出口44の外側の円環部分が空気噴出口46になっている。このように、噴出ノズル12における噴出部22の先端面には、塗料を噴出する塗料噴出口44が形成され、さらに塗料噴出口44を囲むように空気噴出口46が形成されている。
【0021】
ガン本体10及び噴出ノズル12内の軸芯部には、軸方向に延在する棒状のニードル弁20が配置されている。ニードル弁20の先端側の部分は、内部ノズル42内に挿通されており、後端側の部分がガン本体10内において軸方向に移動可能に支持されている。ニードル弁20は、操作桿18を操作することによって軸方向に前進又は後退させることができるようになっている。
【0022】
ニードル弁20の形状は、棒状で、かつ先端部が先端に向かうにつれて細くなり、先が尖った形状になっている。ニードル弁20は内部ノズル42の塗料噴出口44まで到達でき、ニードル弁20の先端部分が塗料噴出口44から外側に突き出された状態で塗料噴出口44を開閉可能に閉じることができるようになっている。
【0023】
内部ノズル42内においては、内部ノズル42の内壁面とニードル弁20との間に空間が形成されており、該空間が塗料の流路48となっている。流路48は、塗料容器接続部14の内部と繋がっている。すなわち、塗料容器接続部14内に供給された塗料が、内部ノズル42内の流路48を通じて塗料噴出口44から噴出されるようになっている。また、当接部24における当接部本体36とガン本体10の内部には、空気供給口部16の内部と噴出ノズル12の内部12aと繋ぐ流路40が形成されている。すなわち、空気供給口部16内に供給された圧縮空気が流路40を通じて噴出ノズル12の内部12aに到達し、空気噴出口46から噴出するようになっている。
【0024】
塗料容器接続部14は、円筒状であり、ガン本体10における先端寄りの部分から後端側に斜め下方に突出するように設けられている。塗料容器接続部14の下端部には、塗料が収容された塗料容器が装着できるようになっている。塗料容器に液状の塗料が収納され、該塗料が塗料容器から塗料容器接続部14へと供給される。塗料容器接続部14の大きさ及び長さは、特に限定されず、塗料容器の大きさ等に応じて適宜設定することができる。
【0025】
空気供給口部16は、圧縮空気が供給される部分である。ガン本体10の軸方向においては、空気供給口部16の位置と操作桿18の位置が一致している。空気供給口部16の構造としては、スプレーガンにおいて通常用いられる空気供給口部の構造を採用することができる。この例の空気供給口部16では、内部の流路に給気バルブが設けられ、下端部に圧縮空気の供給ホースが接続されるようになっている。空気供給口部16内の給気バルブは、操作桿18を押し下げることで開くようになっている。
【0026】
操作桿18は、ガン本体10の軸方向における空気供給口部16の位置と対応する位置の上部に設けられている。操作桿18は、押し下げ自在、かつ後端側に押し倒し自在に取り付けられている。操作桿18を押し下げることで、空気供給口部16内の給気バルブが開かれる。また、操作桿18を後端側に向かって押し倒すことで、
図6に示すように、ガン本体10及び噴出ノズル12内でニードル弁20が軸方向に後退し、塗料噴出口44が開かれる。コイルスプリング等を利用してニードル弁20が常時先端側に向かって付勢されているようにしておけば、押し倒した操作桿18から手を離すことで、ニードル弁20が軸方向に前進し、塗料噴出口44が自動的に閉じられる。
【0027】
(製造方法)
本発明のスプレーガンの製造方法は、特に限定されず、スプレーガンの製造に通常用いられる公知の方法を利用することができる。
【0028】
[溝の塗装方法]
以下、スプレーガン1を用いた溝の塗装方法について、
図1〜8に基づき、基板120の外面に複数のタイル110が並べて貼り付けられた被塗装物100における、隣り合うタイル110の間に形成された溝112の底面114に塗装を行う場合を例に説明する。
【0029】
スプレーガン1を使用する際には、液状の塗料が収納された塗料容器を塗料容器接続部14の下端部に装着し、空気を供給する機器と繋がっている供給ホースを空気供給口部16に接続する。次いで、塗料噴出口44がニードル弁20によって閉じられ、かつ空気供給口部16内の給気バルブが閉じられている状態で、
図7に示すように、スプレーガン1における噴出ノズル12の噴出部22を溝112内に挿入する。このとき、先端に向かって徐々に縮径している当接部24の後端側の大きさが、溝112の幅よりも大きくなっていることで、当接部24の後端側の部分が溝112を形成する2つのタイル110の角部110aにそれぞれ当接する。これにより、スプレーガン1の先端側が溝112内にそれ以上挿入されなくなる。この状態では、噴出ノズル12のノズル先端が溝112の底面114から離間している。
【0030】
このように、噴出部22を溝112内に挿入し、当接部24を被塗布物におけるタイル110の角部110aに当接させて、ノズル先端が溝112の底面114から離間するようにした状態で、スプレーガン1の操作桿18を押し下げつつ後端側に倒す。これにより、
図6に示すように、ニードル弁20が後退して塗料噴出口44が開き、塗料容器接続部14に装着された塗料容器内から流路48を通じて流通してきた塗料が塗料噴出口44から噴出される。また、空気供給口部16内の給気バルブが開き、空気供給口部16に接続された供給ホースから流路40を通じて流通してきた圧縮空気が空気噴出口46から噴出される。塗料噴出口44から噴出された塗料は、空気噴出口46から噴出された空気によって霧化され、溝112の底面114に付着する。そして、噴出部22を溝112内に挿入し、当接部24を被塗布物におけるタイル110の角部110aに当接させた状態を維持しつつ、溝112に沿ってスプレーガン1の噴出ノズル12を移動させながら塗料及び圧縮空気を噴出させることで、溝112の底面114が順次塗装される。
【0031】
スプレーガン1においては、噴出ノズル12の先端側に、空気噴出口46から噴出した空気の流れを規制するラッパ状等のカバーは装着されていない。しかし、ノズル先端が溝112の底面114から離間するように溝112内に噴出部22が挿入され、当接部24がタイル110の角部110aに当接した状態では、溝112の側壁面が噴出された空気の流れを規制するカバーの役割を果たす。そのため、塗料噴出口44から噴出された塗料の霧化が充分に促進されることで、溝112の底面114に効率良く均一に塗料が塗着される。
【0032】
また、スプレーガン1では、噴出ノズル12の先端側に空気の流れを規制するカバーが装着されず、噴出部22の先端面の塗料噴出口44を、ニードル弁20の先端部を突き出した状態で閉じる態様のため、ノズル先端に跳ね返った塗料によって液ダレやガン詰まりが引き起こされにくい。また、塗装時には、スプレーガン1における噴出ノズル12の噴出部22は溝112内に挿入されている。これらのことから、塗料噴出口44から噴出された塗料がタイル110の表面に付着して外観が悪くなることが抑制される。
【0033】
塗装の際には、噴出部の先端面に形成された塗料噴出口と溝の底面との距離、及びスプレーガンにおける噴出ノズルの軸線方向と溝の底面とがなす角度を調節することで、被塗装物の溝以外の表面部分が汚れることを抑制しつつ、溝の底面により均一に効率良く塗装することができる。
【0034】
塗装時における、噴出部の先端面に形成された塗料噴出口と溝の底面との距離d(
図7)は、1mm以上が好ましく、2〜3mmがより好ましい。距離dが前記下限値以上であれば、塗料が充分に霧化されやすい。また、ノズル先端に跳ね返った塗料が付着することによる液ダレやガン詰まりがより引き起こされにくくなり、塗装後の外観が優れたものとなりやすい。距離dが上限値以下であれば、塗料がタイル等の表面に塗着しにくく、外観不良となることが抑制されやすい。
【0035】
塗装時のスプレーガンにおける噴出ノズルの軸線方向と溝の底面とがなす角度θ(
図8)は、40〜140度が好ましく、40〜90度がより好ましい。角度θが前記範囲内であれば、塗料がタイル等の表面に塗着しにくく、外観不良となることが抑制されやすい。
【0036】
以上説明したように、本発明では、ノズル先端が溝の底面から離間するように噴出部が溝内に挿入された状態で被塗布物に当接される当接部を有する、噴出された空気の流れを規制するカバーが装着されていない噴出ノズルを備えたスプレーガンを用いる。噴出ノズルに空気の流れを規制するカバーが装着されず、噴出部を溝内に挿入して塗装を行うことで、被塗装物の溝以外の表面部分が塗料で汚れることを抑制できる。また、本発明では、空気の流れを規制するカバーが装着されていなくても、溝の側壁面によって噴出された空気の流れが規制されるため、噴出される塗料が充分に霧化され、溝の底面を均一に効率良く塗装することができる。
【0037】
なお、本発明におけるスプレーガンは、前記したスプレーガン1には限定されない。例えば、本発明のスプレーガンは、
図9に例示したスプレーガン2であってもよい。
図9における
図7と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。スプレーガン2は、噴出ノズル12の代わりに噴出ノズル12Aを備える以外は、スプレーガン1と同じである。
【0038】
噴出ノズル12Aは、当接部24の代わりに当接部24Aを備える以外は噴出ノズル12と同じである。当接部24Aは、先端に向かうにつれて縮径する当接部本体36の代わりに円筒状の当接部本体36Aを備え、かつ当接部本体36Aの後端寄りに、径方向の外側に突出する突出片50が設けられている以外は、当接部24と同じである。スプレーガン2では、噴出部22を溝112内に挿入したときに、当接部24Aの突出片50がタイル110の表面における溝112近傍の縁部分に当接することで、ノズル先端が溝112の底面114から離間した状態となる。
【0039】
スプレーガン2の場合もスプレーガン1の場合と同様に、溝112の側壁面が噴出された空気の流れを規制するカバーの役割を果たすことで塗料が充分に霧化されるため、溝112の底面114を効率良く均一に塗装を行うことができる。また、噴出ノズル12Aに空気の流れを規制するカバーを装着せず、噴出部22を溝内に挿入して塗装を行うため、タイル110の表面が塗料で汚れることも抑制できる。
【0040】
本発明のスプレーガンは、噴出ノズルにおける噴出部が着脱自在になっていなくてもよい。また、本発明のスプレーガンにおいては、塗料噴出口がニードル弁で閉じられている状態において、ニードル弁の先端部分が塗料噴出口から突き出ていないものであってもよい。