【解決手段】パンチ装置10は、ボディ12と、該ボディ12の上部に連結される駆動部18と、該駆動部18の駆動作用下に前記ボディ12の内部を水平方向に沿って移動するカムブロック76とを有し、該カムブロック76の第2カム溝96には、ロッド16に連結された第2回転ローラ108が挿通されている。この第2カム溝96は、カムブロック76の移動方向に対して所定角度傾斜した第1及び第2溝部98、100を有し、ロッド16をワークWに向かって下降させる際、第2回転ローラ108が第2溝部100から傾斜角度の小さな第1溝部98へと移動することで、該ロッド16へと伝達される駆動力が増力される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るパンチ装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るパンチ装置を示す。
【0013】
このパンチ装置10は、
図1〜
図4に示されるように、ボディ12と、該ボディ12の貫通孔14に沿って変位自在に設けられるロッド16と、該ロッド16を駆動させる駆動部18と、該駆動部18からの駆動力を増力して前記ロッド16へと伝達する駆動力伝達機構20とを含む。
【0014】
ボディ12は、例えば、断面略矩形状のブロック状でパンチ装置10の設置される搬送路等に固定され、その高さ方向に沿った略中央部に水平方向(矢印A1、A2方向)に延在する第1収納孔22が形成される。この第1収納孔22は、断面矩形状で形成され、その開口した両端部が前記ボディ12の側面に装着されるカバー部材24a、24bによって閉塞される。
【0015】
また、ボディ12の一端部側(矢印A1方向)となる上部には、断面略矩形状の開口部26が形成され、第1収納孔22まで鉛直下方向(矢印B1方向)に延在して貫通している。
【0016】
さらに、ボディ12には、第1収納孔22と直交するように鉛直方向(矢印B1、B2方向)に延在した断面長方形状の第2収納孔28が形成され、該第2収納孔28は、第1収納孔22の長さ方向(矢印A1、A2方向)に沿った中央から他端部側(矢印A2方向)となる位置に形成され、該第1収納孔22と交差するように形成されると共に、その上端が前記ボディ12の上部に開口している。
【0017】
さらに、第2収納孔28の下端は、ボディ12の下部から所定高さだけ内側(第1収納孔22側)となる位置まで延在し、前記下端には前記ボディ12の下部まで延在する貫通孔14が形成される。貫通孔14は断面円形状に形成され、第2収納孔28の底部からボディ12の下部まで貫通している。すなわち、第2収納孔28及び貫通孔14は鉛直方向(矢印B1、B2方向)に沿って一直線状に形成されている。
【0018】
また、ボディ12の両側面には、その内部に駆動力伝達機構20等が収納された状態でボディカバー30a、30bが装着され閉塞される(
図3参照)。
【0019】
ロッド16は、例えば、略一定径の軸体からなり、第2収納孔28及び貫通孔14に対して挿通され、該貫通孔14の内部に設けられたブッシュ32によって軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って移動自在に支持される。
【0020】
なお、ボディ12の下方となる貫通孔14の開口部には、係止リング34を介してカバーリング36が装着され、該カバーリング36の内周面に設けられたパッキン38が前記ロッド16の外周面に摺接することで、開口部が閉塞され外部からの塵埃等の進入が防止される。
【0021】
また、ロッド16の先端は、常にカバーリング36及びボディ12の下部から所定長さだけ下方(矢印B1方向)へと突出し、その中央部には後述するアタッチメント42の装着される装着穴40が形成される。
【0022】
アタッチメント42は、例えば、その基端側(矢印B2方向)に形成され装着穴40に挿入される軸部44と、先端側(矢印B1方向)に形成され軸部44に対して縮径した断面円形状で、端部に刃部を有した加工部46とを有する。そして、軸部44が装着穴40に挿入され加工部46が下方へと突出した状態で、留めねじによって前記アタッチメント42がロッド16の先端に固定される。
【0023】
駆動部18は、例えば、圧力流体の供給作用下に駆動する流体圧シリンダであり、ボディ12の上部に対して鉛直上方向(矢印B2方向)に延在するように設けられる。この駆動部18は、筒状に形成されるシリンダチューブ48と、該シリンダチューブ48の内部に変位自在に設けられるピストン50と、該ピストン50に連結され駆動力伝達機構20へと駆動力を伝達するピストンロッド(駆動軸)52とを含む。
【0024】
シリンダチューブ48は、その中心に軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って貫通したシリンダ孔54が形成され、
図2に示されるように該シリンダ孔54の外周側となる四隅には、軸方向に貫通したボルト孔56がそれぞれ形成される。
【0025】
また、シリンダチューブ48の外周部には、圧力流体の供給・排出される第1及び第2ポート58、60が形成される。この第1及び第2ポート58、60には、図示しない配管が接続されると共に、それぞれシリンダ孔54と連通している。なお、第1ポート58がシリンダチューブ48の一端部側(矢印B2方向)、第2ポート60が前記シリンダチューブ48の他端部側(矢印B1方向)に設けられる。
【0026】
このシリンダチューブ48の一端部には、シリンダ孔54を閉塞するようにヘッドカバー62が装着され、他端部にはロッドカバー64が装着される。そして、シリンダチューブ48の他端部には、略矩形状のプレートから形成されたベースプレート66が当接した状態で、該シリンダチューブ48の一端部側からボルト孔56に挿通された締結ボルト68が前記ベースプレート66に螺合され連結される。
【0027】
ピストン50は、シリンダ孔54の内部においてヘッドカバー62とロッドカバー64との間を軸方向(矢印B1、B2方向)に変位自在に設けられ、その中心にピストンロッド52の一端部が挿通され加締められ連結される。
【0028】
そして、ピストンロッド52の他端部側がロッドカバー64の内部に挿通されることで軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、シリンダチューブ48の他端部から外部へと突出し、後述する第1変位体74に連結される。
【0029】
ベースプレート66は、例えば、略中央部に断面長円状の挿通孔70が形成され、その内部にピストンロッド52が移動自在に挿通されると共に、後述する第1変位体74が移動自在に挿通される。
【0030】
また、ベースプレート66は、ボディ12の上部に開口した開口部26に臨むように設けられ、該開口部26と挿通孔70とが一直線状となる位置でボディ12の上部に対して複数の固定ボルト72(
図2参照)で固定される。これにより、挿通孔70と開口部26とが連通した状態で、ベースプレート66を介して駆動部18がボディ12の上部に直交するように固定される。
【0031】
駆動力伝達機構20は、ピストンロッド52の他端部に連結される第1変位体74と、ボディ12の第1収納孔22に移動自在に設けられるカムブロック(スライダ)76と、ロッド16の基端部に連結される第2変位体78とを含む。
【0032】
第1変位体74は、ボディ12の開口部26を通じて第1収納孔22に収納され、ピストンロッド52の連結部86が連結される架橋部80と、該架橋部80の両端から直交するように二股状で下方へと突出したヨーク部82とを有している。架橋部80には、断面矩形状で水平方向に貫通した溝部84を有し、前記溝部84に対してピストンロッド52の連結部86が水平方向に挿入されることで係合され軸方向への相対変位が規制された連結状態となる。
【0033】
また、ヨーク部82は、ピストンロッド52から離間する方向、すなわち、下方(矢印B1方向)に向かって延在し、互いに所定間隔離間した内部にはカムブロック76の一端部側が挿通されると共に、該ヨーク部82の端部に形成されたピン孔に対して第1回転ローラ88の回転軸88aが軸支される。
【0034】
さらに、第1回転ローラ88は、その回転軸88aの端部がボディ12の両側面に装着されたカムカバー89のスリット89aにそれぞれ挿通されることで、前記第1回転ローラ88が鉛直方向(矢印B1、B2方向)のみ移動可能に規制される。
【0035】
そして、第1変位体74は、架橋部80にピストンロッド52の連結部86が連結されることでボディ12の第1収納孔22及び開口部26に沿って一体的に鉛直方向(矢印B1、B2方向)に自在に移動する。
【0036】
カムブロック76は、例えば、断面略長方形のブロック状に形成され、その一端部が他端部に対して薄く形成され、その上面には第2収納孔28の上部に回転自在に設けられた支持ローラ90が当接し、前記カムブロック76が水平方向(矢印A1、A2方向)に移動する際、第1収納孔22に沿って案内する。また、支持ローラ90は、第2変位体78及びロッド16を下降させワークW(
図1参照)の加工を行う際、該ワークWから前記第2変位体78及びロッド16に対して鉛直上方向(矢印B2方向)へ反力が付与され、カムブロック76が上方(矢印B2方向)へと押圧されることを防止可能なストッパとしても機能する。
【0037】
一方、カムブロック76の底面には薄板状の軸受部材92が装着され、該軸受部材92が第1収納孔22の底壁面に当接している。この軸受部材92は、例えば、摩擦係数の低い材質や潤滑剤が表面に塗布され、第1収納孔22の底壁面に沿ってカムブロック76を円滑に案内する。
【0038】
また、カムブロック76には、
図1及び
図2に示されるように、その一端部側に直線状に形成される第1カム溝(第1傾斜部)94と、他端部側に断面略V字状に形成される第2カム溝(第2傾斜部)96とを有する。この第1及び第2カム溝94、96は、それぞれ略一定幅で形成され厚さ方向に貫通している。なお、第1カム溝94は、カムブロック76の薄くなった部位に設けられ、第2カム溝96は厚い部位に設けられる。
【0039】
この第1カム溝94は、その一端部がカムブロック76の底面近傍となり、他端部が上面近傍となるように所定角度傾斜した斜め方向に延在し、その内部には第1変位体74に支持された第1回転ローラ88が挿入される。
【0040】
換言すれば、第1カム溝94は、カムブロック76の一端部から他端部に向かって下方から上方へと一直線状に形成される。
【0041】
第2カム溝96は、その一端部側(矢印A1方向)で底面側に形成される第1溝部98と、該第1溝部98に接合され、他端部側(矢印A2方向)に向かって徐々に上方(矢印B2方向)へ延在する第2溝部100とを有する。
【0042】
第1溝部98は、その一端部が第1カム溝94の一端部と略同一高さとなり、該一端部から他端部側(矢印A2方向)に向かって上方(矢印B2方向)へと第1傾斜角度θ1(
図1参照)で傾斜し、第2溝部100は、前記第1溝部98に対してさらに大きな第2傾斜角度θ2(
図1参照)で他端部側(矢印A2方向)に向かって上方(矢印B2方向)へと傾斜している。この第1及び第2傾斜角度θ1、θ2は、カムブロック76の変位方向となる水平方向(矢印A1、A2方向)に対する傾斜角度である。
【0043】
すなわち、第2カム溝96は、傾斜角度の異なる第1及び第2溝部98、100から段付状に形成される。そして、第2カム溝96には、後述する第2変位体78に支持された第2回転ローラ108が挿入される。
【0044】
第2変位体78は、ボディ12の第2収納孔28に沿って移動自在に収納され、ロッド16の基端部が連結される架橋部102と、該架橋部102の両端から直交するように二股状で上方(矢印B2方向)へと突出したヨーク部104とを有している。架橋部102には、
図1に示されるように軸方向に延在しロッド16の螺合される連結孔106を有し、該連結孔106を介してロッド16と第2変位体78とが一直線状に連結される。
【0045】
また、ヨーク部104は、ロッド16から離間する方向、すなわち、上方(矢印B2方向)に向かって延在し、互いに所定間隔離間した内部にはカムブロック76の他端部側が挿通されると共に、該ヨーク部104の端部に形成されたピン孔に対して第2回転ローラ108が回転自在に軸支される。この第2回転ローラ108は、ヨーク部104の間に挿通されたカムブロック76の第2カム溝96に挿通される。
【0046】
そして、第2変位体78は、架橋部102にロッド16の基端部が連結されることでボディ12の第2収納孔28に沿って一体的に鉛直方向(矢印B1、B2方向)に自在に移動すると共に、ロッド16が前記第2収納孔28及び貫通孔14に沿って自在に移動する。
【0047】
本発明の実施の形態に係るパンチ装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、
図1に示される駆動部18のピストン50がヘッドカバー62側(矢印B2方向)へ移動した状態を初期位置として説明すると共に、ロッド16に装着されたアタッチメント42によってワークWの所定位置に穴開け加工を行う場合について説明する。
【0048】
この初期位置において、ロッド16に装着されたアタッチメント42の下方(矢印B1方向)にワークWが載置され、該アタッチメント42と一直線上となる位置に穴開けを行いたい加工部位が位置決めされた状態とする。この状態で図示しない圧力流体供給源から配管を通じて第1ポート58へと圧力流体を供給する。これにより、シリンダ孔54に導入された該圧力流体によってピストン50がシリンダチューブ48に沿ってロッドカバー64側(矢印B1方向)へと移動し、それに伴って、ピストンロッド52が第1変位体74と共に下方へと移動する。なお、この場合、第2ポート60は大気開放状態としておく。
【0049】
そして、第1変位体74に支持された第1回転ローラ88が第1カム溝94に沿って下降することで、カムブロック76が第1収納孔22に沿ってボディ12の他端部側(矢印A2方向)へと押圧され移動し始める。すなわち、駆動部18の鉛直下方向への推力(駆動力)がカムブロック76の水平方向の推力へと変換され伝達される。
【0050】
この際、カムブロック76は、その底面に装着された軸受部材92によって第1収納孔22の底壁面に沿って円滑且つ高精度に変位すると共に、ロッド16は外周側に設けられたブッシュ32によって鉛直下方向(矢印B1方向)に高精度に案内される。
【0051】
このカムブロック76の移動に伴って、第2カム溝96における第2溝部100の端部に位置している第2回転ローラ108が押し下げられ、
図1に示される状態から前記第2回転ローラ108の保持される第2変位体78及びロッド16が一体的に下降し始める。すなわち、カムブロック76に付与される水平方向(矢印A2方向)の推力が、第2カム溝96に係合された第2回転ローラ108によって第2変位体78及びロッド16に対して鉛直下方向(矢印B1方向)へと再び変換され伝達される。
【0052】
そして、カムブロック76が、駆動部18の駆動作用下にさらにボディ12の他端部側(矢印A2方向)へと移動することで、第2変位体78及びロッド16がさらに下降し、アタッチメント42の加工部46がワークW側へと接近して加工部46が表面に当接すると共に、第2回転ローラ108が第2溝部100から第1溝部98へと移動し、該第1溝部98は前記第2溝部100に対して傾斜角度が小さいため(θ1<θ2)、第2変位体78及びロッド16に付与される鉛直下方向(矢印B1方向)へ伝達される駆動力(出力)が大きくなる。すなわち、第2回転ローラ108が第2溝部100に係合されていた状態と比較し、鉛直下方向へ伝達される駆動力が増力される。
【0053】
換言すれば、第2カム溝96において、第2回転ローラ108の移動する第1溝部98が、第2変位体78、ロッド16及びアタッチメント42に付与される駆動力を増力させる増力機構として機能し、前記第1溝部98内における前記第2回転ローラ108の移動距離が、増力される増力範囲となる。
【0054】
そして、この駆動力が増力された状態でさらに駆動部18を駆動させることで、第2回転ローラ108が第1溝部98の端部に向かって移動し、
図4に示されるように、ロッド16を介してアタッチメント42の加工部46がワークWにおける所定部位を打ち抜き、断面円形状のパンチ孔Zが形成される。
【0055】
このアタッチメント42がワークWの表面に当接してから打ち抜くまでの工程において、該アタッチメント42には押出方向とは反対方向(矢印A1方向)に前記ワークWから反力が付与され、該反力はロッド16及び第2変位体78を介してカムブロック76へと伝達される。しかしながら、カムブロック76は上面に当接した支持ローラ90によって上方(矢印B2方向)への移動が規制されているため、該カムブロック76が前記反力によって移動してしまうことがなく所定位置に維持される。その結果、カムブロック76に対して反力が付与された場合でも、該カムブロック76を第1収納孔22に沿って高精度に変位させることができる。
【0056】
図4に示されるように、ワークWの所定位置にパンチ孔Zが形成された後、図示しない切換装置の切換作用下に第1ポート58に供給されていた圧力流体を第2ポート60へと供給する。なお、この場合、第1ポート58は大気開放状態としておく。これにより、ピストン50とロッドカバー64との間に圧力流体が供給され、該ピストン50がヘッドカバー62側(矢印B2方向)に向かって押圧される。それに伴って、ピストンロッド52及び第1変位体74が上方へと移動し、第1回転ローラ88が第1カム溝94に沿って上方へと引き上げられることでカムブロック76が第1収納孔22に沿ってボディ12の一端部側(矢印A1方向)へと移動する。
【0057】
これと同時に、第2カム溝96に挿通された第2回転ローラ108が第1溝部98から第2溝部100へと移動し、第2変位体78及びロッド16が上方(矢印B2方向)へと引き上げられ、それに伴って、アタッチメント42がワークWのパンチ孔Zから上方へと引き抜かれる。駆動部18の駆動作用下にさらにカムブロック76がボディ12の一端部側(矢印B1方向)へと移動することで、第2回転ローラ108が第2溝部100の端部まで移動し、
図1に示されるように、第1及び第2変位体74、78及びロッド16が上方(矢印B2方向)まで移動した初期位置へと復帰する。
【0058】
以上のように、本実施の形態では、パンチ装置10を構成するボディ12の上部に駆動部18を設けると共に、前記ボディ12の第1収納孔22に沿って水平方向に移動するカムブロック76を設け、前記駆動部18のピストンロッド52に連結された第1変位体74に支持された第1回転ローラ88を前記カムブロック76の斜め方向に延在した第1カム溝94へ係合させることで、前記駆動部18の駆動力をカムブロック76の水平方向への推力へと変換して伝達することができる。
【0059】
このように、ボディ12の上部に駆動部18を設けることで、駆動部をボディの一端部に設けていた従来のパンチ装置と比較して該ボディ12の長手方向(幅方向)に小型化を図ることができる。そのため、パンチ装置10の設置環境において長手方向にスペースの制約がある場合でも容易に設置することが可能となる。
【0060】
また、カムブロック76の第2カム溝96を、カムブロック76の移動方向(矢印A1、A2方向)に対する第1傾斜角度θ1の小さな第1溝部98と、該第2傾斜角度θ2の大きな第2溝部100とから構成することで、ロッド16に連結された第2変位体78の第2回転ローラ108を第2カム溝96へと係合させた状態で、駆動部18の駆動作用下に第2回転ローラ108を第2溝部100から第1溝部98へと移動させることで、第2変位体78及びロッド16に対する鉛直下方向(矢印B1方向)、すなわち、ワークW側に向かって付与される出力を増力させることができる。その結果、駆動部18で出力された駆動力を駆動力伝達機構20を介して増力させ、ロッド16へと伝達してワークWの加工を行うことが可能となる。
【0061】
さらに、駆動部18で出力される駆動力が小さくても駆動力伝達機構20を介して該駆動力を増力させてロッド16へと伝達して所望の出力でワークWを加工できる。そのため、例えば、大きな出力が必要とされる場合でも、出力の小さな駆動部18で対応することが可能となり、パンチ装置10のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0062】
さらに、駆動部18を構成する流体圧シリンダは、締結ボルト68を螺回させることで着脱自在であるため、例えば、パンチ装置10によって加工を行うワークWの形状及び種類等に応じて所望の出力を有した別の駆動部18へと容易に交換して対応することができる。そのため、出力の異なる駆動部18を有した複数のパンチ装置を準備する必要がなく、駆動部18を適宜交換することで単一のパンチ装置で出力条件の異なる様々なワークWの加工を行うことができる。
【0063】
また、第2カム溝96における第1溝部98の第1傾斜角度θ1や軸方向(矢印A1、A2方向)に沿った長さを適宜変更することで、増力範囲や増力度合を自在に設定することが可能となる。
【0064】
さらに、上述したパンチ装置10では、カムブロック76の第1カム溝94が直線状に形成される場合について説明したが、例えば、第2カム溝96のように断面略V字状に形成することで前記第1カム溝94を介して得られるカムブロック76の水平方向への推力を増力させることも可能となる。その結果、駆動部18の駆動力を第1及び第2カム溝94、96でそれぞれ増力させることが可能となるため、該第2カム溝96のみで増力させていた場合と比較し、より増力度合を大きくすることができ、例えば、出力性能の小さな駆動部18でも対応可能となり、さらなる小型化を図ることが可能となる。
【0065】
なお、本発明に係るパンチ装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。