(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-87272(P2017-87272A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】金属板材の曲面加工装置
(51)【国際特許分類】
B21D 5/14 20060101AFI20170421BHJP
【FI】
B21D5/14 G
B21D5/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-222007(P2015-222007)
(22)【出願日】2015年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】500003578
【氏名又は名称】有限会社跡部工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】跡部 力雄
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA01
4E063BB03
4E063CA03
4E063DA05
4E063EA06
4E063EA07
4E063EA20
4E063JA07
(57)【要約】
【課題】板厚の違いや材質の違いによって変化させるべき曲げ工程の条件に対応させることができ、金属板材を精密に曲げることができる金属板材の曲面加工装置を提供する。
【解決手段】一対の受圧ロール12、12と、受圧ロールの回転駆動手段と、押圧ロール20と、押圧ロール20を一対の受圧ロール12、12に近接する方向へ押圧する加圧手段28とを備え、一対の受圧ロール12、12を、多数のコロによって受けて回転可能に支持するロール受け装置49が、一つの受圧ロール12、12を三箇所で線状に受けるようにコロ53が配されて設けられた片ロール受けユニット50を、直線的に設けられたダイベース60の上に、一方の受圧ロール12について一つ置きに複数を配すると共に、他方の受圧ロール12についても一つ置きに複数を配するように、千鳥配置状に固定することで、構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接して平行に並べられると共に、それぞれが軸心を中心に回転可能に配設された一対の受圧ロールと、該一対の受圧ロールの少なくとも一方を回転駆動させる回転駆動手段と、該一対の受圧ロールに平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持され、前記一対の受圧ロールとの間に金属板材を挟んで押圧する押圧ロールと、該押圧ロールを前記一対の受圧ロールに近接する方向へ押圧する加圧手段とを備える金属板材の曲面加工装置において、
前記一対の受圧ロールを、多数のコロによって受けて回転可能に支持するロール受け装置を備え、該ロール受け装置が、一つの受圧ロールを三箇所で線状に受けるようにコロが配されて設けられた片ロール受けユニットを、直線的に設けられたダイベースの上に、一方の受圧ロールについて一つ置きに複数を配すると共に、他方の受圧ロールについても一つ置きに複数を配するように、千鳥配置状に固定することで、構成されていることを特徴とする金属板材の曲面加工装置。
【請求項2】
前記加圧手段がベンダー装置の構成要素であり、前記一対の受圧ロールと前記回転駆動手段が前記ベンダー装置の下型取付部側に装着され、前記押圧ロールと前記押圧ロール保持部が前記ベンダー装置の上型取付部側に装着されていることを特徴とする請求項1記載の金属板材の曲面加工装置。
【請求項3】
前記押圧ロールが、軸方向及び周方向にそれぞれ複数列配された複数のベアリングを有する押圧ロール保持部によって回動自在に保持され、該押圧ロール保持部を介して、前記押圧ロールが前記一対の受圧ロールに近接する方向へ押圧されることを特徴とする請求項1又は2記載の金属板材の曲面加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板材をR曲げする金属板材の曲面加工装置であって、近接して平行に並べられると共に、それぞれが軸心を中心に回転可能に配設された一対の受圧ロールと、該一対の受圧ロールの少なくとも一方を回転駆動させる回転駆動手段と、該一対の受圧ロールに平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持され、前記一対の受圧ロールとの間に金属板材を挟んで押圧する押圧ロールと、該押圧ロールを前記一対の受圧ロールに近接する方向へ押圧する加圧手段とを備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属板材を曲面加工(R曲げ)する場合には、三本のロール備えるロールベンダーや、上下の金型で挟んでプレスする油圧ベンダーが使用されている。
しかし、ロールベンダーにおいては、金属板材をロール間に通してR曲げ加工をするため、その金属部材の長手方向に伸び縮みが生じやすく、それによる歪みが原因となって製品の長手方向のそりや縁波という不良が発生しやすい。また、ロール間隔等の調整作業は極めて難しく、生産効率を向上できなかった。
また、油圧ベンダーによって金属板材のR曲げをする場合は、被加工位置を金型に対して順次ずらすことによって連続曲面を形成する作業が行われている。これによれば、非連続加工の繰り返しによって連続曲面を得ることとなり、加工ムラが発生しやすく、高精度に加工することが難しかった。また、生産効率を向上できなかった。
【0003】
これに対して本発明者は、先に、ベンダー用金型装置を提案してある(特許文献1参照)。
それによれば、上型又は下型の一方の型に回動自在なローラを設けると共に、他方の型に前記ローラの周囲に接触可能に並べて配し、且つ独立して回動自在な一対のローラを設け、少なくとも一つのローラを駆動部により回転駆動可能に構成することにより、板材の曲面加工を行うベンダー用金型装置において、前記一方の型に、ローラに対して軸方向及び周方向にそれぞれ複数列配し、且つ周方向に配する範囲を180度よりも若干大きくなる範囲に設定して、ローラを回動自在に支持する複数のベアリングを設けると共に、前記一方の型におけるローラが一定の弾性を有する円柱形のPOM(POly Oxy Methylene)により形成された構成を備える。
【0004】
これに対して本発明者は、先に、一対の駆動ロールと、一対の駆動ロールをそれぞれ回転駆動させ回転駆動手段と、一対の駆動ロールに平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持される押圧ロールと、軸方向及び周方向にそれぞれ複数列配された複数のベアリングを有する押圧ロール保持部と、押圧ロール保持部を介して押圧ロールを押圧する加圧手段と、金属板材を一対の駆動ロールと押圧ロールで挟んだ状態で所要の送り距離について複数回の往復動をさせる往復動行程内において、その送り距離を次第に短くするように回転駆動手段を制御する制御手段とを具備する金属板材の曲面加工装置(特許文献2参照)を提案してある。これによれば、金属板材のR曲げの端部について、光の明暗による境目や筋が見える現象をなくすように、R曲げ面をより滑らかに連続させるように加工できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平05−30529号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開2007−283349号公報(第1頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属板材の曲面加工装置に関して解決しようとする問題は、従来は、一対の受圧ロールの軸間隔を容易且つ精度よく調整することが難しく、板厚の違いや材質の違いによって変化させるべき曲げ工程の条件に対応させることが難しいため、金属板材を精密に曲げることができない点にある。
そこで本発明の目的は、板厚の違いや材質の違いによって変化させるべき曲げ工程の条件に対応させることができ、金属板材を精密に曲げることができる金属板材の曲面加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる金属板材の曲面加工装置の一形態によれば、近接して平行に並べられると共に、それぞれが軸心を中心に回転可能に配設された一対の受圧ロールと、該一対の受圧ロールの少なくとも一方を回転駆動させる回転駆動手段と、該一対の受圧ロールに平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持され、前記一対の受圧ロールとの間に金属板材を挟んで押圧する押圧ロールと、該押圧ロールを前記一対の受圧ロールに近接する方向へ押圧する加圧手段とを備える金属板材の曲面加工装置において、前記一対の受圧ロールを、多数のコロによって受けて回転可能に支持するロール受け装置を備え、該ロール受け装置が、一つの受圧ロールを三箇所で線状に受けるようにコロが配されて設けられた片ロール受けユニットを、直線的に設けられたダイベースの上に、一方の受圧ロールについて一つ置きに複数を配すると共に、他方の受圧ロールについても一つ置きに複数を配するように、千鳥配置状に固定することで、構成されている。
【0008】
また、本発明にかかる金属板材の曲面加工装置の一形態によれば、前記加圧手段がベンダー装置の構成要素であり、前記一対の受圧ロールと前記回転駆動手段が前記ベンダー装置の下型取付部側に装着され、前記押圧ロールと前記押圧ロール保持部が前記ベンダー装置の上型取付部側に装着されていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる金属板材の曲面加工装置の一形態によれば、前記押圧ロールが、軸方向及び周方向にそれぞれ複数列配された複数のベアリングを有する押圧ロール保持部によって回動自在に保持され、該押圧ロール保持部を介して、前記押圧ロールが前記一対の受圧ロールに近接する方向へ押圧されることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる金属板材の曲面加工装置によれば、金属板材を曲げる際に、板厚の違いや材質の違いによって変化させるべき曲げ工程の条件に対応させることができ、精密に金属板材を曲げることができるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る金属板材の曲面加工装置の要部であるロール受け装置の形態例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の形態例のロール受け装置を示す側面図である。
【
図3】本発明に係るダイベースの形態例を示す(a)平面図及び(b)正面図である。
【
図4】従来の金属板材の曲面加工装置の形態例を示す側面図である。
【
図5】従来のロール受け装置の形態例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる金属板材の曲面加工装置の形態例を添付図面(
図1〜5)に基づいて詳細に説明する。先ず、本発明の前提となる従来の金属板材の曲面加工装置について、その一例を
図4及び
図5に基づいて説明する、
【0013】
図4に示すように、12は受圧ロールであり、一対が近接して平行に並べられると共に、それぞれが軸心を中心に回転駆動可能に配設されている。なお、本発明にかかる金属板材の曲面加工装置は、これに限定されるものではなく、一の受圧ロール12のみが駆動される場合を含む。この各受圧ロール12は、その軸部が軸受部13によって受けられていると共に、各受圧ロール12自体も、断面略半円形の凹溝上に形成された各ロール受部14によって受けられている。これにより、各受圧ロール12の軸方向の全体に亘って押圧荷重を受けることができる。これによれば、各受圧ロール12を全体的に支持でき、各受圧ロール12が撓むことを防止できる。その結果、縁波等の不良が発生することを防止できる。また、軸受部13と一対のロール受部14、14によってロール受台機構15が形成されており、これが後述するベンダー装置の下型取付部35に容易に着脱できる構造になっている。
【0014】
18は電動モータであり、一対の受圧ロール12、12に対応して一対が設けられ、これによって回転駆動手段が構成されている。なお、本形態例の各電動モータ18は、減速機構や動力伝達機構等を介して、各受圧ロール12に連結されている。また、本形態例の回転駆動手段によれば、一の電動モータ18によって、一の受圧ロール12を回転駆動させるが、これに限らず、一の電動モータで一対の受圧ロール12を回転駆動させる機構等としてもよい。さらに、前述したように、本発明は、一の受圧ロール12のみが駆動されるように、片方の受圧ロール12のみが電動モータ18によって回転駆動される場合を含む。また、この電動モータ18としては、サーボモータを用いることができる。
【0015】
20は押圧ロールであり、一対の受圧ロール12、12に平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持され、一対の受圧ロール12、12との間に金属板材10を挟んで押圧するように設けられている。この押圧ロール20が、一定の弾性を有する円柱形のPOM(POly Oxy Methylene)によって形成されることで、金属板材10を傷つけることなく、好適にR曲げをすることができる。
【0016】
22は押圧ロール保持部であり、押圧ロール20に回動自在に保持すべく、軸方向及び周方向にそれぞれ複数列配された複数のベアリング23を有する。複数のベアリング23は、それぞれがコロの機能を奏するように、押圧ロール20の外周面に接した状態で配されている。また、ベアリング23が押圧ロール20の軸方向に規則正しく一定の間隔をおいて多数配されていることで、押圧ロール20が押圧した際の荷重を分散して軸方向全体で均等に受けることができる。これにより、押圧ロール20が撓むことを防止でき、金属板材10をその幅の全体に亘って均一に押圧して曲面加工できる。その結果、縁波等の不良が発生することを防止できる。
【0017】
24はベアリング保持部材であり、押圧ロール20の軸方向に規則正しく一定の間隔をおいて多数配されて、その間を水平方向へ通されたシャフト25に回転自在に嵌った各ベアリング23を、そのシャフト25を介して保持している。また、このベアリング保持部材24は、押圧ロール20を上側から周方向について180度以上内包するように略C字状に形成されている。これにより、押圧ロール20が脱落しないように、保持することができる。
【0018】
28は加圧手段であり、押圧ロール保持部22を介して、押圧ロール20を一対の受圧ロール12、12に近接する方向へ押圧する。本形態例では下方へ押圧する。この加圧手段28としては、油圧ベンダーの加圧機構を用いることができる。その加圧機構を作動させる駆動装置としては、油圧シリンダを用いることができる。
【0019】
30は制御手段であり、一対の受圧ロール12、12を正逆方向へ交互に回転駆動させ、金属板材10を一対の受圧ロール12、12と押圧ロール20で挟んだ状態で所要の送り距離について複数回の往復動をさせて段階的にR曲げする行程を行い、その複数回の往復動行程内において送り距離を次第に短くするように、回転駆動手段を制御する。この制御手段30としては、シーケンサー装置を用いることができる。このように制御手段30によって金属板材10の送り距離を自動的に制御することで、R曲げの端部において、その端へ向かうほど曲げ加工の回数を減らすことができる。このため、R曲げの端部を好適にボカスことができ、滑らかに連続した状態に仕上げることができる。これにより、光の反射率の微妙な変化による境目や筋等が発生することを防止できる。
【0020】
以上の金属板材の曲面加工装置は、以上の構成を具備する専用機として製作することもできるが、ベンダー装置を基礎として構成することができる。本形態例では、加圧手段28がベンダー装置の構成要素であり、一対の受圧ロール12、12及び回転駆動手段(一対の電動モータ18、18)がベンダー装置の下型取付部35側に装着され、押圧ロール20及び押圧ロール保持部22がベンダー装置の上型取付部36側に装着されている。これによれば、金属板材の曲面加工装置が、金属板材の曲面加工装置にかかる構成要素のうち加圧手段28を除いて設けられ、ベンダー装置に着脱可能に設けられていることになる。従って、ベンダー装置に金属板材の曲面加工装置を装着することで、金属板材の曲面加工装置を容易に構成できる。
【0021】
そして、従来のロール受台機構15は、
図5に示すようなロール受けユニット40を、直線状に形成されたダイベース60(
図1〜3参照)に複数を並べることで形成されるロール受け装置49(
図1参照)を構成要素として構成することができる。これによれば、加工される金属板材の巾に対応させて、ロール受け装置49(
図1参照)の巾を適宜に設定することが可能であり、各受圧ロール12を全体的に支持でき、各受圧ロール12が撓むことを防止できる。その結果、縁波等の不良が発生することを防止できる。
【0022】
次に、
図1〜3に基づいて、本発明に係る金属板材の曲面加工装置の特徴であるロール受け装置49の構成について詳細に説明する。なお、ロール受け装置49以外の構成については、近接して平行に並べられると共に、それぞれが軸心を中心に回転可能に配設された一対の受圧ロール12、12と、その一対の受圧ロール12、12の少なくとも一方を回転駆動させる回転駆動手段と、その一対の受圧ロール12、12に平行且つ接離可能に配設されると共に、軸心を中心に回動自在に保持され、一対の受圧ロール12、12との間に金属板材を挟んで押圧する押圧ロール20と、その押圧ロール20を一対の受圧ロール12、12に近接する方向へ押圧する加圧手段28とを備えるもの(
図4参照)であって、前述した従来の構成と同等の構成を備える。
【0023】
本発明に係るロール受け装置49は、一対の受圧ロール12、12を、多数のコロ53によって受けて回転可能に支持するように構成されている。そして、このロール受け装置49は、一つの受圧ロール12、12を三箇所で線状に受けるようにコロ53が配されて設けられた片ロール受けユニット50を、直線的に設けられたダイベース60(
図3参照)の上に、一方の受圧ロール12について一つ置きに複数を配すると共に、他方の受圧ロール12についても一つ置きに複数を配するように、千鳥配置状に固定することで、構成されていることを特徴とする。
【0024】
片ロール受けユニット50の単体の形態は、
図5に示すようなロール受けユニット40の機能を一対の受圧ロール12、12の片方のみに対応するように左右に分割したものであり、一の受圧ロール12のみを回転自在に支持するものである。この片ロール受けユニット50が、一方の受圧ロール12について一つ置きに複数が直線的に配され、他方の受圧ロール12についても一つ置きに複数が直線的に配されることで、一方の受圧ロール12と他方の受圧ロール12とを別々に受けて支持する形態が構築されている。
【0025】
このため、一方の受圧ロール12と他方の受圧ロール12との軸間隔を、片ロール受けユニット50を介してダイベース60の上で適宜にずらすことで、所定の範囲で自由に調整して固定することができる。本形態例では、スペーサーとなるシム70を、ダイベース60と片ロール受けユニット50の側部支持板51の下側突起部との間に介在させて、そのダイベース60に片ロール受けユニット50を固定することで、そのダイベース60の中心からの受圧ロール12の軸中心の間隔を所望の間隔に調整できる。これによれば、一対の受圧ロール12、12の軸間隔を所望の間隔に好適に調整できることになる。
【0026】
このような構成を備えることで、金属板材を曲げる際に、板厚の違いや材質の違いによって変化させるべき曲げ工程の条件に、好適に対応させることができ、精密に金属板材を曲げることができる。すなわち、本発明よれば、一対の受圧ロール12、12の軸間隔を、シム70を変えて左右両側の片ロール受けユニット50をダイベース60に固定することで、簡単に変更することができるため、その軸間隔に関する曲げ工程の条件を容易に変更できる。例えば、材質がアルミニウムとステンレススチールではその硬さが全く異なり、スプリングバック等の性質が全くことなることから、従来の軸間隔が一定に固定されたロール受け装置49では両方の材質にかかる精密な曲げ加工は不可能であったが、本発明はこの問題を解消できる。
【0027】
すなわち、一つのロール受け装置49によって、一対の受圧ロール12、12の軸間隔を適切に変更できるため、様々な材質や板厚の金属板材に対応して、精密なR曲げ加工を適切に行うことができる。また、シム70を入れ換えるだけで、一対の受圧ロール12、12の軸間隔を、精密且つ簡単に調整することができるため、作業性もよく、効率よく金属板材のR曲げ加工を行うことができるという特別有利な効果を奏する。
【0028】
本形態例の片ロール受けユニット50は、
図1に示すように、一対の側部支持板51と、この一対の側部支持板51の間に固定された3本のコロ用軸52と、各コロ用軸52に各二個が回転自在に直列配列・装着されたコロ53とによって構成されている。
【0029】
また、本形態例の片ロール受けユニット50のダイベース60に対する固定は、側部からのボルト71によるネジ止めと、底からのボルト72によるネジ止めとによって、適切且つ簡単に行うことができるように構成されている。なお、底からのネジ止めについては、ダイベース60に長孔61が設けられていることで、片ロール受けユニット50がダイベース60上の巾方向の所望位置に固定できる。
【0030】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0031】
10 金属板材
12 受圧ロール
18 電動モータ
20 押圧ロール
22 押圧ロール保持部
23 ベアリング
24 ベアリング保持部材
25 シャフト
28 加圧手段
30 制御装置
35 下型取付部
36 上型取付部
40 ロール受けユニット
49 ロール受け装置
50 片ロール受けユニット
51 側部支持板
52 コロ用軸
53 コロ
60 ダイベース
61 長孔
70 シム
71 ボルト
72 ボルト