(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-87710(P2017-87710A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】ページ識別構造を備えた電子音声発生書籍
(51)【国際特許分類】
B42D 1/00 20060101AFI20170421BHJP
【FI】
B42D1/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-34885(P2016-34885)
(22)【出願日】2016年2月25日
(31)【優先権主張番号】201510772501.6
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516040084
【氏名又は名称】利奥紙袋(1982)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】516039952
【氏名又は名称】鶴山雅図仕印刷有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲暉▼▲てい▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 年康
(57)【要約】 (修正有)
【課題】幼児にとっての使いやすさが大幅に向上し、児童の興味増進に資する電子音声発生書籍を提供する。
【解決手段】書籍本体1、音声発生装置2及び書籍本体内に設けられたスイッチボタンユニット3を含み、書籍本体が、書籍表面11、書籍底12及び複数のページを含み、音声発生装置が書籍底に取り付けられ、スイッチボタンユニットと音声発生装置が電気的に接続されるページ識別構造を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍本体、音声発生装置及び書籍本体内に設けられたスイッチボタンユニットを含み、
前記書籍本体は、書籍表面、書籍底及び複数のページを含み、前記音声発生装置は書籍底に取り付けられ、前記スイッチボタンユニットと音声発生装置が電気的に接続されるページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項2】
前記音声発生装置は、スピーカー、電池及び回路基板を含み、前記回路基板はスピーカーと電池にそれぞれ接続され、前記回路基板には、ページの内容に対応する音声データが予め記録された再生チップが設けられており、前記再生チップのピンはスイッチボタンユニットのインタフェースリードにそれぞれ接続され、スピーカーの両端は、それぞれ再生チップの2つの音声出力端子に接続される請求項1記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項3】
前記スイッチボタンユニットは、第1スイッチボタン群及び第2スイッチボタン群を含み、前記第1スイッチボタン群と第2スイッチボタン群はいずれも再生チップに接続され、前記第1スイッチボタン群は書籍表面の背の近傍に、前記第2スイッチボタン群は書籍底の背の近傍に固着される請求項1又は2記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項4】
前記第1スイッチボタン群と第2スイッチボタン群のスイッチボタンは、いずれも背から突出している請求項3記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項5】
各前記ページの背には、スイッチボタンに対応する凹溝が設けられている請求項4記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項6】
前記凹溝の幅はスイッチボタンの幅よりも大きく、前記凹溝の奥行きはスイッチボタンの高さより大きい請求項5記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項7】
前記スイッチボタンユニットのスイッチボタンは、各ページにそれぞれ設けられる請求項1又は2記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【請求項8】
各ページの背にはスイッチボタンを取り付けるための凹部が設けられ、前記スイッチボタンが背から突出している請求項7記載のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子音声発生装置に関し、特に、ページ識別構造を備えた電子音声発生書籍に関する。
【背景技術】
【0002】
電子書籍は、児童の視覚、聴覚、知力の成長に有益な読み物であり、近年たいへん人気の商品として多くの保護者が好んで児童に買い与えている。児童は、ボタンを押下することで本の内容に対応した音声や音楽を再生可能なため、読み物としての面白みとインタラクティブ性が高まり、従来の学習形式を覆すものとなっている。また、この技術による電子書籍を用いれば、児童がスイッチボタンを押さなくとも、任意のページを開きさえすれば書籍から発せられる美しい音声を聴くことが可能となる。
【0003】
市販の電子音声発生書籍には、一般的にリジッド性のプリント基板や電線、金属弾性片(いわゆるメタルドーム)といった従来型の電子部品が用いられているため、操作面では金属弾性片の導通性や安定した弾性回復から、導通性に優れ、手触りの良いスイッチ作用を提供可能である。一方、使用時にはスイッチボタンを押下すれば音声が発せられるようになっているが、金属弾性片を押下するには一定の力が必要とされ、幼児にはやや難度が高い。
【0004】
ほかにもこうした機能を備えた製品は市販されているが、いずれもプラスチック部材を用いるのではなく、書籍背部分の導電インクが印刷された薄膜シートにより実現されている。プラスチック部材は、耐用性があり安定性に優れるとの長所がある一方、分厚く環境保護に適しているとはいえないため、書籍には通常用いられない。これに対し、導電インクによる薄膜シートは薄くはあるが、安定性に劣るほか、大量生産に向かない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、操作が簡単で安定性の高いページ識別構造を備えた電子音声発生書籍を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下の技術方案を用いる。
【0007】
ページ識別構造を備えた電子音声発生書籍であって、書籍本体、音声発生装置及び書籍本体内に設けられたスイッチボタンユニットを含み、前記書籍本体が、書籍表面、書籍底及び複数のページを含み、前記音声発生装置は書籍底に取り付けられ、前記スイッチボタンユニットと音声発生装置が電気的に接続される。
【0008】
本発明の更なる改良として、前記音声発生装置は、スピーカー、電池及び回路基板を含み、前記回路基板はスピーカーと電池にそれぞれ接続され、前記回路基板には、ページの内容に対応する音声データが予め記録された再生チップが設けられており、前記再生チップのピンはスイッチボタンユニットのインタフェースリードにそれぞれ接続され、スピーカーの両端は、それぞれ再生チップの2つの音声出力端子に接続される。
【0009】
本発明の更なる改良として、前記スイッチボタンユニットは、第1スイッチボタン群及び第2スイッチボタン群を含み、前記第1スイッチボタン群と第2スイッチボタン群はいずれも再生チップに接続され、前記第1スイッチボタン群は書籍表面の背の近傍に、前記第2スイッチボタン群は書籍底の背の近傍に固着される。
【0010】
本発明の更なる改良として、前記第1スイッチボタン群と第2スイッチボタン群のスイッチボタンは、いずれも背から突出している。
【0011】
本発明の更なる改良として、各前記ページの背には、スイッチボタンに対応する凹溝が設けられている。
【0012】
本発明の更なる改良として、前記凹溝の幅はスイッチボタンの幅よりも大きく、前記凹溝の奥行きはスイッチボタンの高さより大きい。
【0013】
本発明の更なる改良として、前記スイッチボタンユニットのスイッチボタンは、各ページにそれぞれ設けられる。
【0014】
本発明の更なる改良として、各ページの背にはスイッチボタンを取り付けるための凹部が設けられ、前記スイッチボタンが背から突出している。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、次のような有益な効果を有する。即ち、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍によれば、書籍本体内に設けられたスイッチボタンユニットによって、電子音声発生書籍のページがめくられると書籍が自動的にページ数を識別するとともに、関連の内容について音声を発生させる。これによれば、ボタンを押下する必要がなくなるため、使いやすく、操作が簡単となる。よって、幼児にとっての使いやすさが大幅に向上し、児童の興味増進に資する。更に、従来技術と比較して、本発明はより小型化及び薄型化されているため、生産コストを効果的に削減可能なほか、生産面ではより組み立てやすくなり、且つ環境保護にたいへん適している。本発明の再生チップは音声チップに限らず、他のチップを用いることで、ランプ、画像、映像又は動作等の別の出力も可能となる。
【0016】
以下に、図面を組み合わせて本発明の具体的実施形態につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍の実施例1の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍の実施例1の側面構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍の実施例2の構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍の実施例2のスイッチボタン動作を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍の原理を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び
図5を参照して、本発明のページ識別構造を備えた電子音声発生書籍は、書籍本体1、音声発生装置2及び書籍本体1内に設けられたスイッチボタンユニット3を含む。前記書籍本体1は、書籍表面11、書籍底12及び複数のページ13を含む。前記音声発生装置2は書籍底12に取り付けられ、前記スイッチボタンユニット3と音声発生装置2は電気的に接続される。
【0019】
更に、好ましい実施形態として、前記音声発生装置2はスピーカー21、電池22及び回路基板23を含み、前記回路基板23はスピーカー21と電池22にそれぞれ接続される。前記回路基板23には、ページ13の内容に対応する音声データが予め記録された再生チップ24が設けられており、前記再生チップ24のピンは、スイッチボタンユニット3のインタフェースリードにそれぞれ接続される。また、スピーカー21の両端は、それぞれ再生チップ24の2つの音声出力端子に接続される。
【0020】
更に、好ましい実施形態として、前記スイッチボタンユニット3は、第1スイッチボタン群31及び第2スイッチボタン群32を含み、前記第1スイッチボタン群31と第2スイッチボタン群32は、いずれも再生チップ24に接続される。前記第1スイッチボタン群31は書籍表面11の背の近傍に、前記第2スイッチボタン群32は書籍底12の背の近傍に固着している。
【0021】
更に、好ましい実施形態として、前記第1スイッチボタン群31と第2スイッチボタン群32のスイッチボタン33は、いずれも背から突出している。
【0022】
更に、好ましい実施形態として、各前記ページ13の背には、スイッチボタン33に対応する凹溝131が設けられている。
【0023】
更に、好ましい実施形態として、前記凹溝131の幅はスイッチボタン33の幅よりも大きく、前記凹溝131の奥行きはスイッチボタン33の高さより大きい。
【0024】
本発明の実施例ではページ13のページ数が8ページであることから、スイッチボタン33は8つとされ、第1スイッチボタン群31と第2スイッチボタン群32がそれぞれ4つを有する。ページを1枚めくるごとに、例えば1ページ目の場合、書籍表面11における第1スイッチボタン群31の4つのスイッチボタン33が書籍表面11とともにめくられて、次ページの背に接触する。
図2に示すように、次ページの背には予め3つの凹溝131が設けられていることから、1ページ目をめくると、スイッチボタン33のうち3つが凹溝131に収納され、1つのみが背に接触してオンとなる。そして、既定のプログラムの下で対応するページの音声が起動される。残りのページについても同様の原理である。
【0025】
更に、本実施例では8ページの書籍としているが、本発明は他のページ数の書籍にも適用可能である。
【0026】
更に、スイッチボタン33の数は書籍のページ数と一致していなくてもよい。例えば、上の4ページを制御する場合、3つのスイッチボタン33のみを必要とし、例えば第1スイッチボタン33で1ページ目を、第2スイッチボタン33で2ページ目を、第3スイッチボタン33で3ページ目を、最後に2つのスイッチボタン33(例えば、第1スイッチボタン33と第2スイッチボタン33)で4ページ目を制御するというように、異なる組み合わせで接触させることにより、スイッチボタン33の数を減少させ、コストを削減することが可能となる。
【0027】
図3及び
図4を参照して、上述とは別の実施形態として、前記スイッチボタンユニット3のスイッチボタン33は、各ページ13にそれぞれ設けられる。
【0028】
更に、好ましい実施形態として、各ページ13の背にはスイッチボタン33を取り付けるための凹部132が設けられ、前記スイッチボタン33が背から突出している。
【0029】
本実施例の書籍は、書籍表面11が1枚、ページ13が8枚の計9ページからなり、書籍表面11を除く8枚のページ13に独立した8つのスイッチボタン33が必要とされる。
【0030】
書籍表面がめくられると、書籍表面の背部分が1ページ目のスイッチボタン33に接触し、対応するプログラムに従って1ページ目の内容が再生される。同様に、1ページ目がめくられると、1ページ目のスイッチボタン33が2ページ目の背に接触するとともに、書籍表面の背と1ページ目の背もそれぞれ3ページ目と2ページ目のスイッチボタン33に接触する。1ページ目、2ページ目及び3ページ目のスイッチボタン33に同時に接触することで、対応するプログラムに従って1ページ目の内容が再生される。他についても同様である。
【0031】
更に、異なる組み合わせでの接触及びプログラムを組み合わせることで、スイッチボタン33の数を減少させ、コスト削減することが可能となる。
【0032】
更に、ページ13が識別されると、書籍本体1内の処理デバイスがページ13に関する音声、ランプ又は映像を起動させる。具体的に、これには歌唱、読み上げ、音楽再生、スクリーンにおける図柄又は映像等の表示などが含まれる。
【0033】
以上から明らかなように、本発明によれば、書籍本体1内に設けられたスイッチボタンユニット3によって、電子音声発生書籍のページ13がめくられると書籍が自動的にページ数を識別するとともに、関連の内容について音声を発生させる。これによれば、ボタンを押下する必要がなくなるため、使いやすく、操作が簡単となる。よって、幼児にとっての使いやすさが大幅に向上し、児童の興味増進に資する。更に、従来技術と比較して、本発明はより小型化及び薄型化されているため、生産コストを効果的に削減可能なほか、生産面ではより組み立てやすくなり、且つ環境保護にたいへん適している。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の精神から逸脱しないことを前提に各種の等価の変形や置き換えが可能であり、これら等価の変形や置き換えは、いずれも本願の特許請求の範囲に包含される。