特開2017-88050(P2017-88050A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-88050特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-88050(P2017-88050A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20170421BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   B60R16/02 630L
   B60R16/033 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-222642(P2015-222642)
(22)【出願日】2015年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】515316399
【氏名又は名称】有限会社岡本ポンプ
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 努
(57)【要約】
【課題】ダッシュボードの限られたスペース内に必要数の操作スイッチを自由に配置することができ、特殊用途設備に対する良好な操作性を確保することができる特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムを提供する。
【解決手段】車両バッテリVBの出力電圧DC12VをDC24Vに昇圧するブーストコンバータ10と、各特殊用途設備の動作を制御するDC24Vで作動するPLC20と、各特殊用途設備を操作する、RS232Cを介してPLC20に接続されたDC24Vで作動する感圧式のタッチパネルスイッチ30とを備えており、ブーストコンバータ10から出力されるDC24Vの電圧がPLC20及びタッチパネルスイッチ30の電源部にそれぞれ供給されるようになっている。ブーストコンバータ10の入力部は、車両のACC電源に接続されており、車両キースイッチがOFFの状態では、ブーストコンバータ10に通電しないようになっている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧がDC12Vの車両バッテリと、DC12Vで作動する特殊用途設備とを備えた特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムであって、
前記車両バッテリの出力電圧をDC24Vに昇圧する昇圧手段と、
前記特殊用途設備の動作を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラと、
前記特殊用途設備を操作する、前記プログラマブル・ロジック・コントローラに接続されたタッチパネル方式の操作スイッチ手段とを備え、
前記昇圧手段から出力されるDC24Vの電圧がプログラマブル・ロジック・コントローラの電源部及び前記操作スイッチ手段の電源部に供給されるようになっており、
前記特殊用途設備に対応する前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号が電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器のコイル部に供給されることで、前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器を介して前記特殊用途設備の動作を制御することを特徴とする特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【請求項2】
前記特殊用途設備は、作動または作動停止を実行するだけの単純動作機器を有しており、
前記車両バッテリの出力電圧であるDC12Vが前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器の接点部を介して前記単純動作機器に供給されるようになっており、
前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、前記単純動作機器を作動または作動停止させる請求項1に記載の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【請求項3】
前記特殊用途設備は、動作モードを切り替え可能なモード切替機器を有しており、
前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、その接点部を介して前記モード切替機器の切替回路に接続されており、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて前記モード切替機器の動作モードを切り替えるようになっている請求項1または2に記載の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【請求項4】
前記特殊用途設備は、専用バッテリが搭載されたバッテリ搭載機器を有しており、
前記車両バッテリの出力電圧であるDC12Vが前記電磁接触器または前記電磁開閉器の接点部を介して前記バッテリ搭載機器の前記専用バッテリに供給されるようになっており、
前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、前記専用バッテリに対して電力の供給を行う請求項1、2または3に記載の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【請求項5】
前記操作スイッチ手段として感圧式のタッチパネルが採用されている請求項1、2、3または4に記載の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【請求項6】
前記車両バッテリから供給されるDC12Vの電源はACC電源であり、
AC100VをDC24Vに変換して出力する電源ユニットを備えており、
前記電源ユニットは、キーオフの状態で、前記プログラマブル・ロジック・コントローラ及び前記操作スイッチ手段にDC24Vの電圧を供給するようになっている請求項1、2、3、4または5に記載の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、消防自動車等の特殊用途自動車に搭載された特殊用途設備の操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、出力電圧がDC12Vの車両バッテリと、DC12Vで作動するサーチライト、標識灯、作業灯、室内灯等の照明機器、車外スピーカと車内スピーカとを切替可能な無線通信機器、回転灯内スピーカと車両スピーカとを切替可能なアナウンス機器、専用バッテリを有する可搬式ポンプといった消火機器等の特殊用途設備とを備えた消防自動車では、照明機器及び消火機器の専用バッテリが、スナップスイッチ等のハードスイッチを介して車両バッテリに接続されていると共に、無線通信機器の車外スピーカ及び車内スピーカがスナップスイッチ等のハードスイッチである切替スイッチを介して無線機本体に、アナウンス機器の回転灯内スピーカと車両スピーカとがスナップスイッチ等のハードスイッチである切替スイッチを介してCDプレーヤー等の再生装置にそれぞれ接続されており、これらの特殊用途設備を操作するためのハードスイッチが、車両のダッシュボードに設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−15959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両のダッシュボードには、スピードメータ、タコメータ、オドメータ、燃料計、水温計といった自動車の走行に必要な情報を指し示す計器類の他、オーディオ装置のスピーカ、ヒータやエアコンの噴出し口などが配置されているので、特殊用途設備を操作するためのハードスイッチの設置スペースを十分に確保することができず、設置可能なハードスイッチの数が制限されるため、特殊用途設備の良好な操作性を確保することができないといった問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、ダッシュボードの限られたスペース内に必要数の操作スイッチを自由に配置することができ、特殊用途設備に対する良好な操作性を確保することができる特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、出力電圧がDC12Vの車両バッテリと、DC12Vで作動する特殊用途設備とを備えた特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムであって、前記車両バッテリの出力電圧をDC24Vに昇圧する昇圧手段と、前記特殊用途設備の動作を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラと、前記特殊用途設備を操作する、前記プログラマブル・ロジック・コントローラに接続されたタッチパネル方式の操作スイッチ手段とを備え、前記昇圧手段から出力されるDC24Vの電圧がプログラマブル・ロジック・コントローラの電源部及び前記操作スイッチ手段の電源部に供給されるようになっており、前記特殊用途設備に対応する前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号が電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器のコイル部に供給されることで、前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器を介して前記特殊用途設備の動作を制御することを特徴とする特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムを提供するものである。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムにおいて、前記特殊用途設備は、作動または作動停止を実行するだけの単純動作機器を有しており、前記車両バッテリの出力電圧であるDC12Vが前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器の接点部を介して前記単純動作機器に供給されるようになっており、前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、前記単純動作機器を作動または作動停止させることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムにおいて、前記特殊用途設備は、動作モードを切り替え可能なモード切替機器を有しており、前記電磁継電器、前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、その接点部を介して前記モード切替機器の切替回路に接続されており、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて前記モード切替機器の動作モードを切り替えるようになっていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1、2または3に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムにおいて、前記特殊用途設備は、専用バッテリが搭載されたバッテリ搭載機器を有しており、前記車両バッテリの出力電圧であるDC12Vが前記電磁接触器または前記電磁開閉器の接点部を介して前記バッテリ搭載機器の前記専用バッテリに供給されるようになっており、前記電磁接触器または前記電磁開閉器は、前記プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、前記専用バッテリに対して電力の供給を行うことを特徴としている。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項1、2、3または4に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムにおいて、前記操作スイッチ手段として感圧式のタッチパネルが採用されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、請求項1、2、3、4または5に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムにおいて、前記車両バッテリから供給されるDC12Vの電源はACC電源であり、AC100VをDC24Vに変換して出力する電源ユニットを備えており、前記電源ユニットは、キーオフの状態で、前記プログラマブル・ロジック・コントローラ及び前記操作スイッチ手段にDC24Vの電圧を供給するようになっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、請求項1に係る発明の特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムでは、車両バッテリのDC12Vの出力電圧をDC24Vに昇圧する昇圧手段を設けることによって、DC24Vで作動するプログラマブル・ロジック・コントローラ及びプログラマブル・ロジック・コントローラに接続されるタッチパネル方式の操作スイッチ手段を採用することが可能となり、タッチパネル方式の操作スイッチ手段は、特定の表示領域に表示される表示画面を切り替えることによって操作ボタンを自由に設けることができるので、車両のダッシュボードの限られたスペース内に必要数の操作スイッチを自由に配置することができ、特殊用途自動車に搭載された特殊用途設備に対して良好な操作性を確保することができる。
【0013】
また、この特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムでは、操作スイッチ手段のスイッチ操作に基づいて出力されるプログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号を電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器のコイル部に供給することで、電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器を介して特殊用途設備を操作することができるので、DC12Vで作動する種々の特殊用途設備を円滑かつ確実に操作することができる。
【0014】
特に、特殊用途設備が、作動または作動停止を実行するだけの単純動作機器の場合は、請求項2に係る発明の特殊用途設備の操作システムのように、車両バッテリの出力電圧であるDC12Vを電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器の接点部を介して単純動作機器に供給することで、電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器が、プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、単純動作機器を作動または作動停止させることができる。
【0015】
また、特殊用途設備が、動作モードを切り替え可能なモード切替機器の場合は、請求項3に係る発明の特殊用途設備の操作システムのように、電磁継電器、電磁接触器または電磁開閉器を、その接点部を介して前記モード切替機器の切替回路に接続することで、プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいてモード切替機器の動作モードを切り替えることができる。
【0016】
また、特殊用途設備が、専用バッテリが搭載されたバッテリ搭載機器の場合は、請求項4に係る発明の特殊用途設備の操作システムのように、車両バッテリの出力電圧であるDC12Vを電磁接触器または電磁開閉器の接点部を介してバッテリ搭載機器の専用バッテリに供給することで、電磁接触器または電磁開閉器が、プログラマブル・ロジック・コントローラの出力信号に基づいて、専用バッテリに対して電力を供給することができ、専用バッテリが充電不足の状態であっても、バッテリ搭載機器を確実に起動することができる。
【0017】
また、請求項5に係る発明の特殊用途設備の操作システムのように、操作スイッチ手段として感圧式のタッチパネルが採用されているものにあっては、消防士のように、手袋を嵌めた状態で操作スイッチ手段を操作する場合でも、特殊用途設備を確実に操作することができる。
【0018】
また、請求項6に係る発明の特殊用途設備の操作システムは、AC100VをDC24Vに変換して出力する電源ユニットが、キーオフの状態で、プログラマブル・ロジック・コントローラ及び操作スイッチ手段にDC24Vの電圧を供給するようになっているので、AC100Vの電源を供給可能な車庫等に特殊用途自動車が停車している時は、電源ユニットをAC100Vの電源に接続することによって、プログラマブル・ロジック・コントローラ及び操作スイッチ手段に搭載されているバックアップバッテリにDC24Vの電圧を供給(通電)することができ、これによって、バックアップバッテリの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明に係る特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図2】同上の操作システムにおけるAC100V電源による電力供給回路を示す概略構成図である。
図3】(a)〜(c)は同上の操作システムを構成しているタッチパネルスイッチの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態である消防自動車に搭載された特殊用途設備の操作システムを示す概略構成図である。消防自動車には、出力電圧がDC12Vの車両バッテリVBと、特殊用途設備として、サーチライトL1、標識灯L2、作業灯L3、室内灯L4等の照明機器LD、無線通信機器WC、「交差点に進入します。ご注意下さい。」といった注意アナウンスを流すためのアナウンス機器AD、消火機器である可搬式ポンプが搭載されており、これらの特殊用途設備はDC12Vで作動するようになっている。
【0021】
前記照明機器LDは点灯(作動)/消灯(作動停止)するだけの単純動作機器であり、この操作システムによって、サーチライトL1、標識灯L2、作業灯L3、室内灯L4に対する電力の供給または供給停止をそれぞれ操作することができるようになっている。
【0022】
前記無線通信機器WC及びアナウンス機器ADは動作モードを切替可能なモード切替機器であり、無線通信機器WCは車外スピーカOSと車内スピーカISとを切り替えて出力することができると共に、アナウンス機器ADは回転灯内スピーカLSと車両スピーカVSとを切り替えて出力することができるように構成されている。また、両機器WC、ADに対するON/OFFの操作は車両本体側で行うようになっており、この操作システムでは、両機器WC、ADの動作モードの切替操作だけを行うようになっている。
【0023】
前記可搬式ポンプは、専用バッテリPBが搭載されたバッテリ搭載機器であり、この操作システムでは、専用バッテリPBに対して電力の供給または供給停止をそれぞれ操作することができるようになっている。
【0024】
この操作システムは、図1に示すように、車両バッテリVBの出力電圧DC12VをDC24Vに昇圧するブーストコンバータ10と、各特殊用途設備の動作を制御するDC24Vで作動するプログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCという。)20と、各特殊用途設備を操作する、RS232C等のシリアルインターフェースを介してPLC20に接続されたDC24Vで作動する感圧式のタッチパネルスイッチ30とを備えており、ブーストコンバータ10から出力されるDC24Vの電圧がPLC20の電源部及びタッチパネルスイッチ30の電源部にそれぞれ供給されるようになっている。なお、前記ブーストコンバータ10の入力部は、車両のACC電源に接続されており、車両キースイッチがOFFの状態では、ブーストコンバータ10に通電しないようになっている。
【0025】
車両のACC電源(DC12V)は、リレー41〜45の接点部を介して、サーチライトL1、標識灯L2、作業灯L3、室内灯L4にそれぞれ接続されていると共に、リレー41〜45のコイル部は、PLC20の対応する出力端子にそれぞれ接続されており、リレー41〜45が、PLC20の出力信号に基づいて、サーチライトL1、標識灯L2、作業灯L3、室内灯L4のそれぞれを点灯または消灯させるようになっている。
【0026】
前記無線通信機器WCは、車外スピーカOSと車内スピーカISとを切り替える切替リレー51を備えており、この切替リレー51のコイル部には、リレー46の接点部を介して、車両のACC電源(DC12V)が接続されていると共に、リレー46のコイル部は、PLC20の対応する出力端子に接続されており、リレー46が、PLC20の出力信号に基づいて、車外スピーカOSと車内スピーカISの切替動作を行うようになっている。
【0027】
前記アナウンス機器ADは、回転灯内スピーカLSと車両スピーカVSとを切り替える切替リレー52を備えており、この切替リレー52のコイル部には、リレー47の接点部を介して、車両のACC電源(DC12V)が接続されていると共に、リレー47のコイル部は、PLC20の対応する出力端子に接続されており、リレー47が、PLC20の出力信号に基づいて、回転灯内スピーカLSと車両スピーカVSの切替動作を行うようになっている。
【0028】
また、車両のACC電源(DC12V)は、電磁開閉器48の接点部を介して、可搬式ポンプの専用バッテリPBに接続されていると共に、電磁開閉器48のコイル部は、PLC20の対応する出力端子に接続されており、電磁開閉器48が、PLC20の出力信号に基づいて、専用バッテリPBに対して電力を供給したり、電力の供給を停止したりするようになっている。従って、可搬式ポンプの専用バッテリPBが充電不足の状態であっても、タッチパネルスイッチ30を操作することによって専用バッテリPBに対して電力を供給することで、可搬式ポンプを確実に起動することができる。なお、専用バッテリPBは、プラグコンセント49を介して、車両のACC電源に接続されているので、可搬式ポンプを搬出する際は、プラグコンセント49部分で車両のACC電源から切り離すことができる。
【0029】
また、図1及び図2に示すように、可搬式ポンプの専用バッテリPBには、AC100VをDC12Vに変換して出力する自動充電器ABが接続されていると共に、ブーストコンバータ10の出力側には、AC100VをDC24Vに変換して出力する電源ユニット60が接続されており、自動充電器ABの入力側及び電源ユニット60の入力側は、マグネットコンセント70を介して、AC100Vの商用電源に接続することができるようになっている。
【0030】
従って、AC100Vの電源を供給可能な車庫等に特殊用途自動車が停車している時は、自動充電器ABの入力側及び電源ユニット60の入力側をAC100Vの電源に接続することによって、キーオフの状態であっても、可搬式ポンプの専用バッテリPBを充電することができると共に、PLC20及びタッチパネルスイッチ30に搭載されているバックアップバッテリにDC24Vの電圧を供給(通電)することができ、これによって、バックアップバッテリの寿命を延ばすことができる。
【0031】
前記タッチパネルスイッチ30は、図3(a)〜(c)に示すように、標識灯L2、サーチライトL1、作業灯L3、室内灯L4の各押しボタンスイッチ31a〜31d及びそれらの状態表示32a〜32dをそれぞれ示す第1画面S1、無線通信機器WC及びアナウンス機器ADのスピーカ切り替え用の押しボタンスイッチ33a、33b、可搬式ポンプの専用バッテリPBへの電力供給のための押しボタンスイッチ33c、それらの状態表示34a〜34c及び専用バッテリPBの充電量を表示するインジケータ34dをそれぞれ示す第2画面S2、日付表示35a及び時刻表示35bを示す第3画面S3からなる3つの画面を備えており、画面を遷移させる画面遷移ボタン36a、36bによって各画面S1〜S3を切り替えて表示することができるようになっている。
【0032】
以上のように、この特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムでは、車両バッテリVBのDC12Vの出力電圧をDC24Vに昇圧するブーストコンバータ10を設けることによって、DC24Vで作動するPLC20及びPLC20に接続されるタッチパネルスイッチ30を採用することが可能となり、タッチパネルスイッチ30は、特定の表示領域に表示される画面を切り替えることによって操作用の押しボタンスイッチを自由に設けることができるので、車両のダッシュボードの限られたスペース内に必要数の押しボタンスイッチを自由に配置することができ、特殊用途自動車に搭載された特殊用途設備に対して良好な操作性を確保することができる。
【0033】
また、この特殊用途自動車における特殊用途設備の操作システムでは、タッチパネルスイッチ30のスイッチ操作に基づいて出力されるPLC20の出力信号をリレー41〜47及び電磁開閉器48のコイル部に供給することで、リレー41〜47及び電磁開閉器48を介して特殊用途設備を操作することができるので、DC12Vで作動する種々の特殊用途設備を円滑かつ確実に操作することができる。
【0034】
また、この操作システムのように、操作スイッチ手段として感圧式のタッチパネルスイッチ30が採用されているので、消防士のように、手袋を嵌めた状態でタッチパネルスイッチ30を操作する場合でも、特殊用途設備を確実に操作することができる。
【0035】
なお、上述した実施形態では、操作可能な特殊用途設備として、単純動作機器である照明機器LD、モード切替機器である無線通信機器WC及びアナウンス機器AD、バッテリ搭載機器である可搬式ポンプの専用バッテリPBについて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の操作システムは、例えば、電子サイレン等、消防自動車に搭載される種々の特殊用途設備の操作システムとして利用することができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、操作スイッチ手段として感圧式のタッチパネルスイッチ30を採用したが、これに限定されるものではなく、静電容量方式、音響波照合方式、超音波表面弾性波方式等、種々の方式のタッチパネルを採用することができる。
【0037】
また、上述した実施形態では、消防自動車に搭載された特殊用途設備の操作システムについて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、救急車、警察車(パトロールカー等)、公共応急作業車(電力会社、都市ガス会社、水道会社、電話会社の応急作業車)といった種々の特殊用途自動車に搭載された特殊用途設備の操作システムとして使用することができることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、特殊用途自動車における特殊用途設備を操作する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 ブーストコンバータ(昇圧手段)
20 プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)
30 タッチパネルスイッチ(操作スイッチ手段)
31a〜31d 押しボタンスイッチ
32a〜32d 状態表示
33a〜33c 押しボタンスイッチ
34a〜34c 状態表示
34d インジケータ
35a 日付表示
35b 時刻表示
36a、36b 画面遷移ボタン
S1〜S3 画面
41〜47 リレー
48 電磁開閉器
49 プラグコンセント
51、52 切替リレー
60 電源ユニット
70 マグネットコンセント
LD 照明機器
L1 サーチライト
L2 標識灯
L3 作業灯
L4 室内灯
WC 無線通信機器
OS 車外スピーカ
IS 車内スピーカ
AD アナウンス機器
LS 回転灯内スピーカ
VS 車両スピーカ
PB 専用バッテリ
VB 車両バッテリ
AB 自動充電器
図1
図2
図3