(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-88158(P2017-88158A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】車両用マルチソケット
(51)【国際特許分類】
B60R 16/04 20060101AFI20170421BHJP
B60N 3/14 20060101ALI20170421BHJP
H02G 3/08 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
B60R16/04 X
B60N3/14
H02G3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-159704(P2016-159704)
(22)【出願日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】20-2015-0007370
(32)【優先日】2015年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】000194882
【氏名又は名称】星光産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516246103
【氏名又は名称】リー サン ドン
【氏名又は名称原語表記】Lee Sang Don
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】リー サン ドン
【テーマコード(参考)】
3B088
5G361
【Fターム(参考)】
3B088NA05
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC03
5G361AD01
(57)【要約】
【課題】ソケット本体をコンパクトに製作できる車両用マルチソケットを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る車両用マルチソケットは、電子装置のジャックが挿入される複数のソケット溝が形成されたソケットハウジングと、ソケットハウジングの内部に装着される接続端子部と、接続端子部にケーブルによって連結され、車両の電源供給用ソケットに挿入されて接続されるプラグと、を含んでいる。ソケットハウジングは、上部が開放されたボックス形状を有し、さらに、前面には、上端の一部区間が開放されている形状を有するソケット溝が形成されている下部ケースと、下部ケースの開放されている上面を覆い、さらに、ソケット溝の開放されている一部区間に対応する部分が開放されている第1切開部を有する上部ケースと、上部ケースと下部ケースとの間で挟持され、第1切開部を弾性的にカバーするソフト蓋と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用マルチソケットであって、
電子装置のジャックが挿入される複数のソケット溝が形成されたソケットハウジングと、
前記ソケットハウジングの内部に装着される接続端子部と、
前記接続端子部にケーブルによって連結され、車両の電源供給用ソケットに挿入されて接続されるプラグと、を含み、
前記ソケットハウジングは、
上面が開放されているボックス形状を有し、さらに、前面には、上端の一部区間が開放されている形状を有する前記ソケット溝が形成されている下部ケースと、
前記下部ケースの前記開放されている上面を覆い、さらに、前記ソケット溝の前記開放されている一部区間に対応する部分が開放されている第1切開部を有する上部ケースと、
前記上部ケースと前記下部ケースとの間で挟持され、前記第1切開部を弾性的にカバーするソフト蓋と、を含むことを特徴とする車両用マルチソケット。
【請求項2】
前記ソケットハウジングの前記ソフト蓋は、
前記上部ケースと前記下部ケースとの間で挟持される支持部と、
前記上部ケースの前記第1切開部に対応して位置し、前記ソケット溝を通じて挿入される前記電子装置の前記ジャックによって弾性的に伸ばされるカバー部と、を含む請求項1に記載の車両用マルチソケット。
【請求項3】
前記ソフト蓋の前記支持部は、前記上部ケースの底面から突出して設けられた固定ピンが挿入される複数の挿入孔を有する請求項2に記載の車両用マルチソケット。
【請求項4】
前記接続端子部は、
前記ソケット溝を通じて挿入される前記電子装置の前記ジャックの側面に突出して設けられた第1端子と接触する結合端子と、
前記結合端子に結合され、さらに、前記電子装置の前記ジャックの終端に突出して設けられた第2端子と接触する接地端子と、を含み、
前記結合端子は、
前記ソケット溝の前記開放されている一部区間に対応する部分が開放され、前記電子装置の前記ジャックを挟持するU字形を有する複数の中空部と、
前記複数の中空部を相互連結する連結部と、を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用マルチソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用マルチソケットに関し、より具体的には、車両内に設けられたシガー・ライターソケットに接続され、電源が供給されるシガー・ライタージャックに複数の電子装置を同時に接続可能にするための接続端子を備えることにより、車両内で様々な形態の電子装置(例えば、PDA、ナビゲーション、CDプレーヤー、電気かみそり、ハンズフリー、真空掃除機等)を同時に使用可能とする車両用マルチソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車のダッシュパネルには、バッテリーに蓄積された電力又は発電機により生成された電力を供給するためのシガー・ライターソケットが設けられている。このような自動車内に設けられた電源供給用ソケットは、車両バッテリーから直流電源(DC12〜24V)が供給されるように構成される。
【0003】
車両内で、シガー・ライターソケットに電子装置のプラグを挿入して接続した場合、電子装置に対し、シガー・ライターソケット及びプラグを通じて、車両から電力が供給されるので、電子装置自身の充電池又はバッテリーを使用することなく、電子装置を長時間安定的に使用することができる。
【0004】
最近、車両内での電子装置の使用が増加しており、特に、多様な種類の電子装置が発売され、存在するので、複数の電子装置を車両内で同時に使用するニーズが増大している。
【0005】
従来、搭乗者が複数の電子装置を同時に使用しようとしても、車両内には電源供給用ソケットが1つしか設けられていないので、複数の電子装置の同時使用が不可能である。そのため、最近、
図1に示すような複数の電子装置のプラグを保持して、複数の電子装置の同時使用を可能とするマルチソケットが提供されている。
【0006】
通常のマルチソケットは、電子装置のプラグを挿入して接続するための複数のソケットを有するソケット本体と、車両のシガー・ライターソケットに挿入して接続するためのプラグとを備えている。車両のシガー・ライターソケットに挿入されるプラグは、マルチソケットのソケット本体に対する電力供給がなされるように、マルチソケットのソケット本体にケーブルで連結されている。
【0007】
このようなマルチソケットは、車両内で、運転席の周辺の適切な位置に固定されて使用される。そのため、マルチソケットの大きさが大きい場合、運転者を含む搭乗者に邪魔になって活動に制限を加えてしまい、不便であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、ソケット本体をコンパクトに製作できる車両用マルチソケットを提供する。
【0009】
本発明の目的は上記目的に限定されることなく、当業者であれば、本明細書において特に言及されないその他の目的を、以下の記載から明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一様態によれば、電子装置のジャックが挿入される複数のソケット溝が形成されたソケットハウジングと、前記ソケットハウジングの内部に装着される接続端子部と、前記接続端子部にケーブルによって連結され、車両の電源供給用ソケットに挿入されて接続されるプラグと、を含む車両用マルチソケットが提供される。前記ソケットハウジングは、上面が開放されているボックス形状を有し、さらに、前面には、上端の一部区間が開放された形状を有する前記ソケット溝が形成されている下部ケースと、前記下部ケースの前記開放されている上面を覆い、さらに、前記ソケット溝の前記開放されている一部区間に対応する部分が開放されている第1切開部を有する上部ケースと、前記上部ケースと前記下部ケースとの間で挟持され、前記第1切開部を弾性的にカバーするソフト蓋と、を含む。
【0011】
また、前記ソケットハウジングの前記ソフト蓋は、前記上部ケースと前記下部ケースとの間で挟持される支持部と、前記上部ケースの前記第1切開部に対応して位置し、前記ソケット溝を通じて挿入される前記電子装置の前記ジャックによって弾性的に伸ばされるカバー部と、を含むことができる。
【0012】
また、前記ソフト蓋の前記支持部は、前記上部ケースの底面から突出して設けられた固定ピンが挿入される複数の挿入孔を有することができる。
【0013】
また、前記接続端子部は、前記ソケット溝を通じて挿入される前記電子装置の前記ジャックの側面に突出して設けられた第1端子と接触する結合端子と、前記結合端子に結合され、さらに、前記電子装置の前記ジャックの終端に突出して設けられた第2端子と接触する接地端子と、を含み、
前記結合端子は、前記ソケット溝の前記開放されている一部区間に対応する部分が開放され、前記電子装置の前記ジャックを挟持するU字形を有する複数の中空部と、前記複数の中空部を相互連結する連結部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態によれば、上端の一部区間が開放されている形状を有するソケット溝を提供し、さらに、ソケット溝の開放されている一部区間をソフト蓋でカバーすることによって、ソケットハウジングの厚さを減少させることができるという有利な効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用マルチソケットの斜視図である。
【
図2】
図2は、ソケットハウジングの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、ソケットハウジングを正面から見た図である。
【
図4】
図4は、ソケットハウジングの断面図である。
【
図5】
図5は、ソケットハウジングの断面図である。
【
図6】
図6は、ソケット溝を通じて挿入された電子装置のジャックによって伸ばされたカバー部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に対し様々な変更を加えることができ、本発明は、様々な形態を有し得るが、特定の実施形態を図面に例示し、以下の詳細な説明において詳細に説明する。しかしながら、以下の詳細な説明は、本発明を特定の実施形態に限定する意図はなく、本発明は、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものとして理解されるべきである。本発明に対する説明において参照された公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にすることがあり得ると判断される場合、その公知技術に対する詳細な説明は、省略される。
【0017】
本出願で使用した用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数形の表現は文脈上、明確に異なって表現しない限り、複数形の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書に記載された特徴、数値、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せが存在し得ることを表現するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数値、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せの存在又は付加可能性を予め排除するものではないものとして理解されるべきである。
【0018】
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、その構成要素は「第1」、「第2」等の用語によって限定されるものではない。該用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみに使用される。
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。添付の図面を参照した説明において、同一であるか、或いは対応する構成要素には、図面番号に関わらず、同一の参照番号が付されており、これに対する重複する説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用マルチソケットの斜視図である。
図2は、ソケットハウジングの分解斜視図である。
図3は、ソケットハウジングを正面から見た図面である。
【0021】
図1乃至
図3に示すように、車両用マルチソケット10は、ソケットハウジング100と、ソケットハウジング100の内部に装着される接続端子部300と、接続端子部300に電気的に連結されるプラグ500とを含む。
【0022】
ソケットハウジング100は、複数のソケット溝114を含む。また、ソケットハウジング100は、下部ケース110と、上部ケース120と、ソフト蓋130とを含む。
【0023】
下部ケース110は、上面(上部)が開放されているボックス形状を有するよう形成されている。下部ケース110の前面112には、電子装置のジャックが挿入されるソケット溝114が3個並べて形成されている。ソケット溝114は、上端の一部区間115が開放されている形状を有するよう形成されている。
【0024】
接続端子部300は、ソケットハウジング100の内部に装着される。接続端子部300は、ソケット溝114を通じて挿入される電子装置のジャック20の側面に突出して設けられた第1端子22と接触する結合端子310と、結合端子310に結合され、電子装置のジャック20の終端(先端)から突出して設けられた第2端子24と接触する接地端子320とを含む。接地端子320は、プレート形状を有しており、下部ケース110に垂直に装着される。
【0025】
電子装置の一例としては、マルチソケットに供給される直流電源を通じて作動されるPDA、ナビゲーション、ハンズフリー、CDプレーヤー、電気かみそり、真空掃除機等が挙げられる。
【0026】
結合端子310は、ソケット溝114の開放されている一部区間115に対応する部分が開放され、電子装置のジャックを挟持するU字形を有する複数の中空部312と、複数の中空部312を相互連結する連結部316とを含む。結合端子310は、下部ケース110の内部に形成された複数のリブ119によって支持された状態で安定的に保持され、上部ケース120と下部ケース110と間のボルト30による結合によって固定される。このボルト30による結合のために、連結部316には、上部ケース120の底面から突出して設けられた締結ボス128が挿入されるボス挿入孔317が設けられている。
【0027】
図示していないが、結合端子310と接地端子320のそれぞれは、電線によってプラグ500に連結されている。
【0028】
プラグ500は、車両ダッシュパネルの灰皿に設けられたシガー・ライターソケットに結合されるシガー・ライタージャックの形態で提供される。プラグ500の後面には、USBケーブル端子を接続可能なUSBソケット510が設けられている。
【0029】
上部ケース120は、下部ケース110にボルト結合され、下部ケース110の開放された上面を覆う。上部ケース120は、ソケット溝114の開放されている一部区間115に対応する部分が開放されている第1切開部122を有する。
【0030】
図4及び
図5は、ソケットハウジングの断面図である。
【0031】
図1乃至
図5を参照すると、ソフト蓋130は、上部ケース120と下部ケース110との間で挟持され、第1切開部122を弾性的にカバーする。ソフト蓋130は、ゴム又はシリコンのような伸縮性を有する素材で提供される。ソフト蓋130は、支持部132と、カバー部138とに区分される。
【0032】
支持部132は、上部ケース120と下部ケース110との間で挟持される部分である。カバー部138は、上部ケース120の第1切開部122に対応して位置し、第1切開部122をカバーしながら、ソケット溝114を通じて挿入される電子装置のジャック20によって弾性的に伸ばされる(延伸する)部分である。
図6には、ソケット溝114を通じて挿入された電子装置のジャックによって伸ばされたカバー部138が図示されている。
【0033】
支持部132は、上部ケース120の底面から突出して設けられた固定ピン124が挿入される複数の挿入孔134と、上部ケース120の底面に形成された締結ボス128が通過するボス挿入孔136とを有する。
【0034】
図3を参照すると、上述した構造を有するソケットハウジング100を正面から見たとき、ソフト蓋130が位置する部分のソケット溝114の直径D1は、ソフト蓋130を避けた部分のソケット溝114の直径D2より小さいことが分かる。これは、ソケット溝114を完全な円形に形成せず、一部を除去して(切り欠いて)、ソケット溝114を形成することに起因するものである。ソケット溝114をこのように完全な円形に形成せず、一部を除去して形成することにより、その除去した部分の厚さに対応する分だけ、ソケットハウジング100の厚さを薄くすることができる。
【0035】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で、多様な変更及び変形が可能である。したがって、本出願において開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定する意図はなく、本発明を説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきものであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
100 ソケットハウジング
300 接続端子部
500 プラグ