(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-88166(P2017-88166A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】水上太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20060101AFI20170421BHJP
B63B 35/38 20060101ALI20170421BHJP
H02S 10/40 20140101ALI20170421BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B35/38 B
H02S10/40
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-215414(P2016-215414)
(22)【出願日】2016年11月2日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0153889
(32)【優先日】2015年11月3日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516329613
【氏名又は名称】オートス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギョンホ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水上環境に影響を及ぼすことなく、簡単に組立て可能で、安定した組立て状態を長期間にわたって維持することができる水上太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】互いに離間して位置され、第1垂直部116、126と第2垂直部118、128とが等距離離間して形成される一対の浮力体110、120と、前記一対の浮力体の長手方向に等距離離間した位置にそれぞれ形成された貫通孔に挿入され、前記一対の浮力体を相互連結する連結パイプ130と、一端が前記第1垂直部の上部の所定位置に形成された嵌込溝に挿入され、長手方向の所定位置が前記第2垂直部の上部に支持される太陽電池板140とを有し、前記嵌込溝の一側面と、前記第2垂直部の上部面とには、それぞれ中心部に締結孔が形成され、前記締結孔には前記太陽電池板の長手方向の縁部上部面の所定位置を加圧、固定する締結具150がボルトにより締め付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間して位置され、第1垂直部と第2垂直部とが等距離離間して形成される一対の浮力体と、
前記一対の浮力体の長手方向に等距離離間してそれぞれ形成された貫通孔に挿入され、前記一対の浮力体を相互連結する連結パイプと、
一端が前記第1垂直部の上部の所定位置に形成された嵌込溝に挿入され、長手方向の所定位置が前記第2垂直部の上部に支持される太陽電池板と、を有し、
前記嵌込溝の一側面と、前記第2垂直部の上部面に、それぞれ中心部に締結孔が形成され、前記締結孔に前記太陽電池板の長手方向の縁部上部面の所定位置を加圧、固定する締結具がボルトにより結合されており、
前記浮力体は半割状に形成されている第1浮力体と第2浮力体とからなり、
前記第1浮力体は、上部面の所定位置に備えられた前記第1垂直部と、一側面から突出形成され、下部面に結合突起が形成された第1結合部とを備える第1胴体部と、上部面の所定位置に備えられた前記第2垂直部と、一側面から突出形成され、上部面に前記第1結合部がスライド挿入するための結合溝が形成された第2結合部とを備える第2胴体部と、からなり、
前記第2浮力体は、上部面の所定位置に備えられた前記第1垂直部と、一端面から突出形成され、上部面に結合溝が形成された第1結合部とを備える第1胴体部と、上部面の所定位置に備えられた前記第2垂直部と、一側面から突出形成され、下部面に前記結合溝にスライド挿入する結合突起が形成された第2結合部とを備える第2胴体部と、からなることを特徴とする水上太陽光発電装置。
【請求項2】
前記嵌込溝の一側面と、前記第2垂直部の上部面に、前記締結孔が中心部に形成された載置溝が幅方向にそれぞれ形成されており、前記載置溝に前記太陽電池板の下部面を支持する支持プレートが載置されることを特徴とする、請求項1に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項3】
前記第1浮力体の一側面には少なくとも一つ以上の突起部が形成されており、前記第2浮力体の一側面には前記突起部が挿入される挿入部が少なくとも一つ以上形成されことを特徴とする、請求項1に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項4】
前記連結パイプ上には複数個の位置固定具が備えられており、前記位置固定具は、前記連結パイプに挿入された前記一対の浮力体の位置を固定することを特徴とする、請求項1に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項5】
前記位置固定具は、半割状に形成された第1固定具と第2固定具とからなり、前記第1固定具と前記第2固定具とのそれぞれの端部に鍔部が形成されており、互いに対向するそれぞれの面には、互い違いに、前記第1固定具と前記第2固定具とが結合するときに嵌合する係止爪が形成されることを特徴とする、請求項4に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項6】
前記位置固定具は、内部に空間部が形成され、下部面に前記連結パイプの外周面に相応する半円状の載置部が形成された結合プレートと、前記連結パイプの外周面と相応する「U」字状からなり、両端部が前記結合プレートの上部面に等距離離間して形成された結合孔に前記空間部を通過して挿入され、ナットにより締め付けられる結合環を含んで構成されることを特徴とする、請求項4に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項7】
前記一対の浮力体と前記太陽電池板とを前記連結パイプ上に複数個配置させ、単位ユニットとして構成することを特徴とする、請求項1に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項8】
前記連結パイプに複数個の「H」型垂直バーが締結環により長手方向に沿って前記連結パイプに直交するように等距離離間して設けられており、前記「H」型垂直バーの長手方向に前記単位ユニットが複数個配置され、単位モジュールを構成することを特徴とする、請求項7に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項9】
前記「H」型垂直バーの長手方向の所定位置には前記連結パイプと平行に結合する「H」型水平バーが少なくとも二つ結合しており、前記「H」型水平バーの端部には前記単位モジュールの一側に別の単位モジュールが結合することができるように締結部材が設けられることを特徴とする、請求項8に記載の水上太陽光発電装置。
【請求項10】
前記締結部材は、前記「H型」水平バーの端部の両側面に一側面が位置するゴム連結板と、前記ゴム連結板の他側に少なくとも一つが位置したステンレス鋼(Steel Use Stainless)材のプレートと、前記ゴム連結板と前記プレートとを前記「H」型水平バーに締め付ける締結ボルトとからなることを特徴とする、請求項9に記載の水上太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上太陽光発電装置に係るものであり、より詳しくは、河川、湖、貯水池、及びダムなどの水上に設置できる水上太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置は、太陽光を直接電気エネルギーに変える装置であり、多数の電池セルが直並列からなる多数個の太陽電池モジュールを支持台に固定することによって具現される。このような太陽光発電装置は、発電の過程で汚染物を全く発生することなく、しかも、資源枯渇の心配もないため、新しいエネルギー源として脚光を浴びている。
【0003】
特に、近年、太陽電池モジュールの電気生産効率が上昇する一方で製造コストの下落によって、数百から数千個の太陽電池モジュールを用いてメガワット単位の発電容量を可能にする商業用太陽光発電団地の開発が多数進められている現状である。
【0004】
このような太陽光発電は、同じ日照条件の下で発電施設の設置面積によって発電量が比例するため、発電施設の建設敷地の確保が非常に重要であるといえると共に、日照時間の確保が容易な平地確保の困難性、森林及び農耕地の破壊に関する議論、土地補償費などによる建設費用上昇などの問題点を解決するために貯水池、湖、河川、ダムなどのような水上に太陽光発電施設を構築するケースが増えつつある。
【0005】
水上太陽光発電施設は、遊休地の水面上に太陽光発電施設を設置するので、設置スペースの有効活用を通じた国土の効率的利用が可能となる。韓国内の水面資源現況を見ると、10大河川の流域面積は74,697km
2であり、このうち1%を太陽光発電に活用すると、74GW容量の太陽光発電施設を建設することができる潜在的な可能性があり、韓国水資源公社が運営している1個のダムと始華(シファ)湖、農漁村公社の貯水池、自治団体の所有地などの公有水面の5%だけを活用しても約4,170MW規模の太陽光発電施設の建設が可能となるなど、開発の潜在力が豊富な分野である。
【0006】
また、貯水地の水面は、地上より輻射熱が少なく、太陽電池モジュールの温度上昇による変換効率の低下を防止することができ、相対的に発電効率が高くなるという長所を有しており、水面上の発電施設を利用した日光遮断を通じて水質悪化の原因である富栄養化を減少させることから、水質浄化の効果がある。
【0007】
しかし、水上太陽光発電施設は、陸上発電施設に比べて施設物が固定されていないため、波やうねりによる浸水の危険性、風による漂流の脅威が存在し、故障や破損が生じた場合、それに相応する措置が困難な特性があるため、通常的に設置される陸上太陽光発電モニタリングおよび管制システムを基にしてさらに浸水や漂流を誘発する気象状況に対する測定と発電システムの状態に対する確認及びそれに応じる適切な対応システムが必要となる。
【0008】
したがって、過酷な水面状態でもモジュール結合体が安定した状態を維持し、貯水池の環境に影響を及ぼすことなく、手軽で容易に組み立てて設置することができ、工事費用の低減と工事期間の短縮など、水上太陽光発電施設の長所を生かすと共に、短所を解消することができる技術の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国特許第10−1028944号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、海、川、湖または貯水池のような水上環境に影響を及ぼすことなく、迅速かつ簡単に組み立てることができるとともに、堅固で安定した組立て状態を長期間にわたって維持することができる水上太陽光発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による水上太陽光発電装置は、互いに離間して位置され、第1垂直部と第2垂直部が等距離離間するように形成される一対の浮力体と、前記一対の浮力体の長手方向に等距離離間してそれぞれ形成される貫通孔に挿入され、前記一対の浮力体を互いに連結する連結パイプ、及び一端が前記第1垂直部の上部の所定位置に形成された嵌込溝に挿入され、長手方向の所定位置が前記第2垂直部の上部に支持される太陽電池板を有し、前記嵌込溝の一側面と、前記第2垂直部の上部面にはそれぞれ中心部に締結孔が形成され、前記締結孔には前記太陽電池板の長手方向の縁部上部面の所定位置を加圧、固定する締結具がボルトにより結合されており、前記浮力体は半割状に形成されている第1浮力体と第2浮力体とからなり、前記第1浮力体は、上部面の所定位置に備えられた前記第1垂直部と、一側面から突出形成され、下部面に結合突起が形成された第1結合部とを備える第1胴体部と、上部面の所定位置に備えられた前記第2垂直部と、一側面から突出形成され、上部面に前記第1結合部がスライド挿入するための結合溝が形成された第2結合部とを備える第2胴体部とからなり、前記第2浮力体は、上部面の所定位置に備えられた前記第1垂直部と、一端面から突出形成され、上部面に結合溝が形成された第1結合部とを備える第1胴体部と、上部面の所定位置に備えられた前記第2垂直部と、一側面から突出形成され、下部面に前記結合溝にスライド挿入するための結合突起が形成された第2結合部とを備える第2胴体部と、からなること特徴とする水上太陽光発電装置を提供する。
【0012】
前記嵌込溝の一側面と、前記第2垂直部の上部面とに、前記締結孔が中心部に形成された載置溝が幅方向にそれぞれ形成されており、前記載置溝には前記太陽電池板の下部面を支持する支持プレートが載置される。
【0013】
前記第1浮力体の一側面には少なくとも一つ以上の突起部が形成されており、前記第2浮力体の一側面には前記突起部が挿入する挿入部が少なくとも一つ以上形成される。
【0014】
前記連結パイプの上に複数の位置固定具が備えられており、前記位置固定具は前記連結パイプに挿入された前記一対の浮力体の位置を固定する。
【0015】
前記位置固定具は、半割状に形成された第1固定具と第2固定具とからなり、前記第1固定具と第2固定具のそれぞれの端部には鍔部が形成されており、互いに対向するそれぞれの面には互い違いに、前記第1固定具と前記第2固定具とが結合する際に嵌合する係止爪が形成される。
【0016】
前記位置固定具は、内部に空間部が形成され、下部面には前記連結パイプの外周面に相応する半円状の載置部が形成された結合プレートと、前記連結パイプの外周面に相応する「U」字状からなり、両端部が前記結合プレートの上部面に等距離離間した位置に形成された結合孔に前記空間部を通過して挿入され、ナットにより締め付けられる結合環を含んで構成される。
【0017】
前記一対の浮力体と前記太陽電池板とは、前記連結パイプ上に複数個配置させることにより、単位ユニットを構成する。
【0018】
前記連結パイプに複数個の「H」型垂直バーが締結環により長手方向に沿って前記連結パイプに直交するように等距離離間して設けられ、前記「H」型垂直バーの長手方向に前記単位ユニットが複数個配置されることにより、単位モジュールを構成する。
【0019】
前記「H」型垂直バーの長手方向の所定位置に前記連結パイプと平行に結合する「H」型水平バーが少なくとも二つ結合し、前記「H」型水平バーの端部には前記単位モジュールの一側に別の単位モジュールが結合できるように締結部材が設けられる。
【0020】
前記締結部材は、前記「H」型水平バーの端部の両側面に一側面が位置するゴム連結板と、前記ゴム連結板の他側に少なくとも一つが位置されるステンレス鋼(Steel Use Stainless)材のプレートと、前記ゴム連結板と前記プレートとを前記「H」型水平バーに締め付ける締結ボルトとからなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によれば、海、川、湖または貯水池のような水上環境に影響を及ぼすことなく、迅速かつ容易に組み立てることができ、堅固で、安定した組立て状態を長期間に亘って維持することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す浮力体の主要部を拡大して示した斜視図である。
【
図4】
図2に示す浮力体の変形実施形態を示した斜視図である。
【
図5】
図4に示す浮力体の変形実施形態を示した斜視図である。
【
図7】
図2に示す位置固定具の変形実施形態を示した分解斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の使用状態図である。
【
図9】本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の使用状態図である。
【
図10】本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳述する。説明において、図面に示す線の太さや構成要素の大きさ等は説明の明瞭性と便宜上、誇張して図示することもある。また、後述する用語は、本発明においての機能を考慮して定めた用語であって、使用者や運用者の意図または慣例によって変わることもある。このため、用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った発明内容に基づいて定められなければならない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の斜視図、
図2は、本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の分解斜視図、
図3は、
図2に示す浮力体の主要部を拡大して示した斜視図、
図4は、
図2に示す浮力体の変形実施形態を示した斜視図、
図5は、
図4に示す浮力体の変形実施形態を示した斜視図、
図6は、
図5に示す浮力体の結合断面図、
図7は、
図2に示す位置固定具の変形実施形態を示した分解斜視図、
図8乃至
図10は、本発明の実施形態による水上太陽光発電装置の使用状態図である。
【0025】
図1乃至
図10を参照すると、本発明の一実施形態による水上太陽光発電装置100は、一対の浮力体110、120、連結パイプ130、太陽電池板140を有する。
【0026】
一対の浮力体110、120は、EPP(Expanded Polypropylene)材質からなる。このような一対の浮力体110、120は、互いに離間して位置し、それぞれの上部面に第1垂直部116、126と、第2垂直部118、128とが等距離離間して突出形成される。
【0027】
ここで、第1垂直部116、126の一側に上部面の複数個の滑り止め突起116b、126bが形成された延長部116a、126aが設けられており、この延長部116a、126aは、作業者の通行のための踏み台及び架け橋の役割を奏する。
【0028】
また、一対の浮力体110、120は、発泡成形時にその内部に補強用のワイヤ(図示せず)が挿入されることが望ましい。
【0029】
また、一対の浮力体110、120の上部面に紫外線遮断剤を塗布することが望ましいが、これは一対の浮力体110、120が紫外線により劣化することを防止するためである。
【0030】
前述した浮力体110、120は、
図4を参照すると、それぞれ半割状から形成された第1浮力体112、122と第2浮力体114、124から構成することが可能であり、この場合、第2浮力体114、124の一側面には少なくとも一つ以上の突起部113、123が形成され、第1浮力体112、122の一側面には突起部113、123が挿入される挿入部(図示せず)が少なくとも一つ以上形成されることが望ましく、これにより、第1浮力体112、122と第2浮力体114、124とが相互結合する際に形成される結合部の水密性を向上することになる。
【0031】
第1浮力体112、122と第2浮力体114,124とは、EPP発泡成形時に成形性が向上するように、
図5及び
図6を参照すると、それぞれ第1胴体部112a 、122a 、114a 、124aと、第2胴体部112b、122b、114b、124bとからなることが可能である。
【0032】
この場合、第1浮力体112、122の第1胴体部112a 、122aは、上部面の所定位置に備えられた第1垂直部116、126と、一側面から突出形成され、下部面に結合突起115aが形成された第1結合部115を備えており、第2胴体部112b、122bは、上部面の所定位置に備えられた第2垂直部118、128と、一側面から突出形成され、上部面に前記結合突起115aがスライド挿入するための結合溝119aが形成された第2結合部119を備えるように構成される。
【0033】
第2浮力体114、124の第1胴体部114a 、124aは、上部面の所定位置に備えられた第1垂直部116、126と、一側面から突出形成され、上部面に結合溝115a´が形成された第2結合部115´を備えており、第2胴体部114b、124bは、上部面の所定位置に備えられた第2垂直部118、128と、一側面から突出形成され、下部面に前記結合溝115a´にスライド挿入するための結合突起119a´が形成された第2結合部119を備えるように構成される。
【0034】
ここで、第1浮力体112、122と第2浮力体114、124が、それぞれ第1胴体部112a、122a、114a、124aと第2胴体部112b、122b、114b、124bとから構成されることは同様であるが、第1浮力体112、122の第1胴体部112a、122aと第2胴体部112b、122bとの間に形成された結合部P1と、第2浮力体114、124の第1胴体部114a、124aと第2胴体部114b、124bとの間に形成された結合部P2が噛み合うように形成されることによって、第1浮力体112、122と第2浮力体114、124とが互いに結合したとき、それぞれの結合部に側方向の外力が加わってもそれぞれの結合部が容易に分離されることがない。
【0035】
連結パイプ130は、アルミニウム材からなり、一対の浮力体110、120の長手方向に等距離離間してそれぞれ形成された貫通孔110a、120aに挿入されることにより、一対の浮力体110、120を相互連結する。
【0036】
また、連結パイプ130の上には複数個の位置固定具132が備えられており、この位置固定具132は、連結パイプ130に挿入され、連結パイプ130上に位置した一対の浮力体110、120に形成された貫通孔110a 、120aに挿入されることにより、浮力体110、120が連結パイプ130の長手方向に移動することを防止する。
【0037】
前述した位置固定具132は、半割状に構成された第1固定具134と第2固定具136とからなる。
【0038】
第1固定具134と第2固定具136のそれぞれの端部には、鍔部134a、136aが形成されており、互いに対向するそれぞれの面には係止爪134b、136bが形成される。
【0039】
この際、第1固定具134と第2固定具136のそれぞれの面に形成された 係止爪134b、136bは互い違いに形成することが望ましく、第1固定具134と第2固定具136とが結合するときに互い違いに形成されている係止爪134b、136bが嵌合することによって、第1固定具134と第2固定具136との相互間のスリップ発生を防止することができる。
【0040】
また、前述したように、
図7を参照すると、位置固定具132´は、内部に空間部134b´が形成されており、下部面に連結パイプ130の外周面に相応する半円状の載置部134aが形成された結合プレート134´と、連結パイプ130の外周面に相応する「U」字状からなり、両端部が結合プレート134´の上部面に等距離離間して形成された結合孔134c´に空間部134b´を通過して挿入され、ナットNにより締め付けられる結合環136´を含んで構成することも可能である。
【0041】
太陽電池板140は、一端が第1垂直部116、126の上部所定位置に形成された嵌込溝117、127に挿入され、長手方向の所定位置が第2垂直部118、128の上部に支持される。
【0042】
ここで、嵌込溝117、127の一側面と、第2垂直部118、128それぞれの中心部に締結孔Hが形成され、締結孔Hには締結具150がボルトBにより結合される。
【0043】
締結具150は、嵌込溝117、127に一端が挿入され、長手方向の所定位置が第2垂直部118、128の上部に支持された太陽電池板140の長手方向の縁部の上部面の所定位置を加圧して固定することで太陽電池板140が固定される。
【0044】
また、嵌込溝117、127の一側面と、第2垂直部118、128の上部面には締結孔Hが中心部に形成された載置溝162が幅方向にそれぞれ形成され、この載置溝162には太陽電池板140の下部面を支持する支持プレート160が載置される。
【0045】
さらに、第2垂直部118、128の上部面には、突出段118a 、128aが形成されており、この突出段118a 、128aは、第2垂直部118、128の上部面に載置される太陽電池板140の縁面を支持する。
【0046】
一方、本発明の水上太陽光発電装置100は、
図8を参照すると、一対の浮力体110、120と太陽電池板140とを連結パイプ上に複数個配置させて単位ユニットとして構成することもできる。
【0047】
つまり、連結パイプ130上に設けられた一対の浮力体110、120と、 一対の浮力体110、120に設けられた一つの太陽電池板140を一つの個別ユニットとして構成し、このように構成した個別ユニットを連結パイプ130の長手方向に複数個設けることによって単位ユニット200を構成する。
【0048】
さらに、
図9及び
図10を参照すると、前述したように構成された単位ユニット200を縦方向に複数個配置した後、それぞれの単位ユニット200に備えられた連結パイプに複数個の「H」型垂直バー210が締結環212により連結パイプ130の長手方向に沿って連結パイプ130に直交するように等距離離間して設けられることによって単位モジュール300として構成することも可能である。
【0049】
このように構成された単位モジュール300の「H」型垂直バー210の長手方向の所定位置に連結パイプと平行に「H」型水平バー220を少なくとも二つ等距離離間して結合した後、「H」型水平バー220の端部に備えられた締結部材230を通じてまた別の単位モジュールを結合することも可能である。
【0050】
この際、締結部材230は、「H」型水平バー220の端部の両側面に一側面が位置するゴム連結板232と、ゴム連結板232の他側に少なくとも一つが位置したステンレス鋼材のプレート234と、ゴム連結板232とプレート234を「H」型水平バー220に取り付けるための締結ボルト236とからなる。
【0051】
したがって、本発明の一実施形態による水上太陽光発電装置によると、海、川、湖または貯水池などのような水上環境に影響を及ぼすことなく、迅速かつ簡単に組み立てて設置することができ、堅固で、安定した組立て状態を長期間に亘って維持することができる効果を奏する。
【0052】
以上、添付図面に基づいて本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において本発明を様々に変形、修正することができる。
【符号の説明】
【0053】
110、120 一対の浮力体
112、122 第1浮力体
114、124 第2浮力体
112a 、122a、114a、124a 第1胴体部
112b、122b、114b、124b 第2胴体部
116、126 第1垂直部
118、128 第2垂直部
130 連結パイプ
132 位置固定具
140 太陽電池板
150 締結具
160 支持プレート
200 単位ユニット
300 単位モジュール