【解決手段】胴貼りされた折り畳まれたカートン1を搬送するカートン搬送部と、カートン搬送手段で搬送された前記カートンを箱状に起こす手段と、その箱状に起こされたカートンを間欠的に上昇移動させる第一コンベヤ装置14とを備える。カートンは、開口部が垂直面に位置するようにコンベヤ装置に支持され、コンベヤ装置でカートンを上昇させる上昇区間に、開口部からカートン内に製品20を供給する手段と、製品が供給されたカートンの左右の内フラップを折り込む内フラップ折込装置21と、カートンの下側の外フラップを折り込む第一折り込み手段30と、カートンの上側の外フラップを折り込む第二折り込み手段33,38と、外フラップ同士を糊付して接着する手段を設けた。
前記内フラップ折り込み手段は、前記内フラップを折り込む内フラップ折込装置と、その内フラップ折込装置により折り込まれた前記内フラップに接触して当該折り込まれた状態を維持する内フラップ折込補助機構とを備え、
前記内フラップ折込補助機構は、昇降移動可能に設置され、前記コンベヤ装置により前記カートンが上昇または下降する際に前記内フラップに接触したまま同じ方向に移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の縦型カートナー。
前記第二折り込み手段は、前記上側の外フラップを途中まで折り込んで仮折りするガイド部材と、その仮折りした状態の前記カートンを上昇させた際に折り込む手段とを備え、
前記糊付して接着する手段は、前記仮折りされた上側の外フラップで覆われていない前記下側の外フラップの部分に糊を塗布する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の縦型カートナー。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0014】
図1,
図2は、本発明に係る縦型カートナーの好適な実施形態を示している。本実施形態の縦型カートナーは、カートンホッパー10から折り畳まれたカートン1を1枚ずつ取出し、取り出したカートン1を起こすとともに上昇移動させる行程中でフラップを折り曲げ、糊貼りする機能を有する。このようにカートンを縦方向に上昇移動させ、その上昇移動をする間でフラップを折り曲げたり、糊付などして箱を形成し、当該箱内に被包装物を収納する。具体的な構成は以下の通りである。
【0015】
図3に拡大して示すように、カートン1は、胴貼りされており、カートンホッパー10内に上下に積層されて収納される。カートンホッパー10は、下端がカートン1の取出し口となっており、図示省略する吸着手段を備えたカートン取出装置により、カートン1を吸着し、引き下ろしてカートン搬送部11の搬入端11aにセットする。
【0016】
カートン搬送部11は、2本一組のピンを有する搬送アタッチメント12を備える。搬送アタッチメント12は、カートン搬送部11の搬送面に沿って前後進移動し、搬送方向の後側のカートン1の側縁に接触し、前方に向けて付勢することで、カートン1を搬送する。この搬送アタッチメント12は、
図3に示す位置決め位置にて一旦停止する。これにより、カートン1の位置決めが行われる。この位置決めされたカートン1は、図示するように折り畳まれた姿勢となっている。
【0017】
この位置決め位置で停止したカートン1は、当該箇所にて起こされ、箱形となる。カートン起こし機能は、折り畳まれて接触しているカートン1の側壁面2同士を少し離反させて、筒状に少し開かせる立ち上げ部材(図示省略)と、カートン1の前側の側縁(搬送アタッチメント12が接触する側縁と反対側の側縁)の前進移動を阻止するストッパー機構と、搬送アタッチメント12を備える。立ち上げ部材は、例えば、帯板状であって、前側の側縁近傍のカートン1の対向する側壁面2の間に進入し、次いで帯板状の立ち上げ部材が、当該側縁近傍側を回転中心として斜めに立ち上がるように回転することで、カートン1の側壁面2を起こしたり、或いは、カートン1の対向する側壁面2の間に進入し、次いで上方移動することでカートン1の側壁面2を起こしたりすると、簡単な構成で実現できる。
【0018】
そして、立ち上げ部材によりカートン1の側壁面2同士が少し離れて扁平な筒状になると、一旦停止した搬送アタッチメント12が、さらに所定距離前進移動する。すると、前側の側縁がストッパーにて移動が抑止されているカートン1が、さらに引き起こされ、
図4に示すように、最終形態の箱の胴部部分が完成する。
【0019】
搬送アタッチメント12の2回目の動作における一旦停止した位置からの移動距離は、カートン寸法に合わせる。すなわち、
図4に示すように、隣接する側壁面2同士のなす角が90度になる距離とする。そしてこのように起こされた状態では、図示するように、同部を構成する外周壁に連続するフラップが水平方向に延びて、胴部の両側が開口した状態となる。
【0020】
カートン起こし機能の付近に、カートン1を上昇移動させる第一コンベヤ装置14を備える。第一コンベヤ装置14は、垂直平面内で回転するエンドレスベルト14aの外周面に、支持板14bが取り付けられる。上昇移動する支持板14bが、起こされたカートン1を下から支持する。そして第一コンベヤ装置14は、間欠移動し、1ステーションずつカートン1を上昇させ、次のステージに移す。
【0021】
本実施形態では、以下に説明するように、第一コンベヤ装置14にてカートン1を間欠的に1ステーションずつ上昇移動させ、各ステーションで所定の処理を実行して内フラップ3や外フラップ4,5を折り込んで製函する。以下に説明する、片側に設置した内フラップ3や外フラップ4,5を折り込む機構等は、反対側にも同様の構成を備えており、カートン1の開口した両側に設けた各フラップをそれぞれ折り込み等する。
【0022】
カートン搬送部11の一つ上のエリアには、製品供給ステージが設けられる。すなわち
図5に示すように、製品供給ステージでは、カートン1の内フラップ3を開く製品供給ガイド16を、図示省略の駆動手段により、カートン1に向けて前後進移動可能に配置する。製品供給ガイド16は、一対のプレートからなり、各プレートは、垂直壁部16aと、その垂直壁部16aの上下端にそれぞれ内側(対となるプレート側)に向けて突出するように設けられた上ガイド板部16bと下ガイド板部16cを備えた。垂直壁部16aと上ガイド板部16bと下ガイド板部16cは、本実施形態では、一枚の板部材を折り曲げて形成しているが、別部材で形成しても良い。垂直壁部16aは、カートン1側の先端の高さよりも、カートン1と反対側の高さを高くし、先端先細り状としている。これにより、前進移動する製品供給ガイド16は、スムーズに内フラップ3の内側に入り込み、内フラップ3の先端を外に広げながら進む。
【0023】
製品供給ステージには、図示省略するが、カートン1に正対する位置まで製品20を搬送する搬送装置と、カートン1に向けて製品20を押し込むプッシャー装置をさらに備える。そして上述したように、製品供給ガイド16により内フラップ3を開いたならば(
図5参照)、プッシャー装置を動作させて、製品20をカートン1に向けて前進移動させ(
図6(a))、当該製品20を製品供給ガイド16内を通過させ(
図6(b))、カートン1内に供給する(
図6(c))。
【0024】
製品供給ステージの一つ上には、内フラップ折り曲げステージを設ける。上述したようにして製品20が収納されたカートン1は、第一コンベヤ装置14により1ステーション上の内フラップ折り曲げステージに移動する。この内フラップ折り曲げステージは、垂直面で起立している左右一対の内フラップ3を折り曲げるもので、内フラップ折込装置21と、内フラップ折込装置21で折り込まれた内フラップ3の姿勢を保持する内フラップ折込補助機構23を備える(
図7)。
【0025】
内フラップ折込装置21は、内フラップ折板24と、その内フラップ折板24をフラップに向けて前後進移動するシリンダ25を備える。シリンダ25のシリンダロッド25aは、水平平面内でカートン1に対して傾斜し、カートン1から離反するほど外側に位置するようにしている。シリンダロッド25aの先端に取り付けた内フラップ折板24は、複動作したシリンダロッド25aにより最後端の待機位置にあるとき、折り込み対象の内フラップ3が設けられたカートン1の開口部よりも左右・横方向の外側に位置し、シリンダ25の往動作によりシリンダロッド25aが伸張すると、内フラップ折板24が内フラップ3の外面に向けて前進移動し、内フラップ折板24が内フラップ3に接触すると、そのままその内フラップ3を押して、折り込む。これにより、
図7に示すように、左右の内フラップ3は、ともに90度折り込まて、カートン1の開口部の一部分を塞ぐ。
【0026】
内フラップ折込補助機構23は、カートン1の開口部と平行な平面内で、左右方向に前後進移動する左右一対の補助板26と、その補助板26を左右方向に前後進移動するシリンダ28を備える。シリンダ28の作用により、補助板26は、カートン1の開口部の外に位置する待機位置と、開口部の前に入り込む動作位置との間を往復移動する。さらに図示省略するが、シリンダ28を昇降移動する機構を備え、当該昇降移動する機構により図示するシリンダ28ひいては補助板26は、内フラップ折り曲げステージと、その一段上の外フラップ折り込みステージとの間を昇降移動する。
【0027】
そして、
図7に示す内フラップ折込装置21による内フラップ3の折り込みを行う際には、内フラップ折込補助機構23の補助板26は、待機位置にいるように制御する。次いで、シリンダ28が動作し、補助板26が前進移動して開口部の手前に進入する。これにより、補助板26は、前工程で折り込まれた内フラップ3に接触・或いは近接し、内フラップ3が折り込まれた状態をキープする(
図8参照)。
【0028】
次いで、シリンダ25の複動作により内フラップ折板24を待機位置まで退避させ、内フラップ折板24を折り込んだ内フラップ3から離反させる。この状態でも、補助板26にて内フラップ3を折り込んだ状態をキープする(
図9参照)。これにより、内フラップ3の折り込み処理が完了する。
【0029】
上述した内フラップ折込みステージの一つ上のステーションには、カートン1の下側の外フラップ4を折り込むための第一外フラップ折り込みステージが設置される。第一コンベヤ装置14は、上述した内フラップ3の折り込み処理を完了後の所定のタイミングで、内フラップ3が折り込まれたカートン1を、1ステーション上昇移動する。この上昇移動時、シリンダ28,補助板26も同期して上昇移動する。これにより、折り込まれた内フラップ3は、当該折り込まれた状態をキープする(
図10等参照)。
【0030】
第一外フラップ折り込みステージは、下側に位置する外フラップ4を折り込むための外フラップ折板30と、その外フラップ折板30を移動させる駆動機構(図示省略)を備える。外フラップ折板30は、矩形状の平板であり、一つの側縁に回転軸31が連結されている。駆動機構は、外フラップ折板30を以下のような動作をするように制御する。すなわち、駆動機構は、待機状態として、外フラップ折板30を水平状態にし、回転軸31をカートン1側に位置させ、下側の外フラップ4よりも外側でかつ下方に位置させる。
【0031】
次いで、駆動機構は、外フラップ折板30をカートン1に向けて前進移動させ、外フラップ折板30を下側の外フラップ4の下側に移動する。そして、進行方向前側の回転軸31に接続された外フラップ折板30を、外フラップ4と側壁面2の境界付近に位置させて前進移動を停止する(
図11参照)。
【0032】
その後、駆動機構は、回転軸31を回転中心として、外フラップ折板30を回転させ、起立させる。これにより、外フラップ折板30は、自己が起立するのに伴い、外フラップ4の下面に接触し、当該外フラップ4を起こし、外フラップ折板30で外フラップ4を折り込む(
図12参照)。
【0033】
また、この外フラップ折板30による下側の外フラップ4の折り込みにともない、当該外フラップ4が起立して内フラップ3を外側から抑える。よって、シリンダ28が複動作して補助板26が内フラップ3から離反する。なお、この補助板26の退避するタイミングは、外フラップ4が完全に折り込まれた後でも良いし、外フラップ4が折り込み開始して先端が立ち上がり、内フラップ3が開くのが抑止されるようになった後の適宜のタイミングでも良い。そして、内フラップ3から離反した補助板26は、シリンダ28とともに下降移動し、次の内フラップ折り込み処理に備える。
【0034】
さらに第一外フラップ折り込みステージの一つ上のステーションには、カートン1の上側の外フラップ5を折り込むための第二外フラップ折り込みステージが設置される(
図13等)。第二外フラップ折り込みステージは、その上方側のさらに一つ上のステーションとの境界部分に、外側に突出する固定ガイド板33を備える。固定ガイド板33は、先端が下方傾斜状に突出するように配置する。
【0035】
第一コンベヤ装置14は、上述した下側の外フラップ4の折り込み処理を完了後の所定のタイミングで、外フラップ4が折り込まれたカートン1を、1ステーション上昇移動する。この上昇移動時、起立した外フラップ折板30も同期して上昇移動する。これにより、折り込まれた外フラップ4は、外フラップ折板30に抑えられて当該折り込まれた状態をキープする(
図13参照)。
【0036】
カートン1が一つ上のステーションの第二外フラップ折り込みステージに到ると、第一コンベヤ装置14は停止する。この停止した位置では、上側の外フラップ5は、固定ガイド板33に接触し、固定ガイド板33の傾斜に沿って先端が下方に下がり、仮折される。この仮折りされた外フラップ5は、その先端はカートン1の開口面から離反しているが、下側の外フラップ4を巻き込んだ状態となり、当該下側の外フラップ4は開かない状態となる。よって、外フラップ折板30は、外フラップ4から離反して下降移動する。
【0037】
図14に示すように、第二外フラップ折り込みステージは、糊付機能も備える。この糊付機能は、糊を吐出する糊打ちガン35と、糊打ちガン35を3次元空間で移動させる駆動機構36を備える。糊打ちガン35は、糊の吐出口を、カートン1の折り込まれた外フラップ4に正対させ、吐出した糊を外フラップ4等に付着可能となっている。駆動機構36は、例えば糊打ちガン35を、カートン1に向けて前後進移動させるシリンダ36aや、糊打ちガン35を外フラップ4に正対させた状態のまま、外フラップ4と平行に左右方向に移動を案内するガイドレール36bとそのガイドレール36bに連係されるスライダ等を備える。
【0038】
外フラップ折板30の待避後、駆動機構36は、糊打ちガン35を、所定位置で外フラップ4に向けて前進移動させ、外フラップ4に対向した状態にセットする(
図15参照)。次いで、駆動機構36は、糊付可能な位置にある糊打ちガン35を、矢印方向に移動しながら外フラップ4に糊を塗布する(
図15参照)。なお、
図15中、符号37は、塗布された糊を示している。
【0039】
係る糊付を行った後、駆動機構36は、糊打ちガン35をカートン1から離反させる後退移動させるとともに、水平方向で上記と逆方向(
図16中、矢印参照)で移動し、待機位置に戻る。これにより糊付作業が完了する。
【0040】
そして第一コンベヤ装置14は、糊付作業の完了に伴い、カートン1を1ステーション分上昇移動させ、停止する。固定ガイド板33の奥側(上方側)の縁部は、隙間が形成されており、カートン1が上昇する際、仮折りされた外フラップ5は、上昇時に、固定ガイド板33の奥側の隙間を通る。よって、外フラップ5は、その先端側が徐々にカートン1の開口部位に近づき、完全に通過した際には、外フラップ5は、徐々に垂直の度合いが高くなり、外フラップ4を完全に押さえ込む。
【0041】
上述した第二外フラップ折り込みステージの一つ上のステーションには、蓋を封止する封止ステージが配置される。この封止ステージは、圧着プッシャー38を備える。圧着プッシャー38は、外フラップ5に接触可能な押し部材39と、その押し部材39をカートン1,外フラップ5に向けて前後進移動させるシリンダ40を備える。押し部材39は、細長な矩形棒状態であり、糊打ちガン35で塗布された糊37に対応する部分をカバーできる寸法形状としている。そして、シリンダ40の往動作により前進移動し押し部材39は、
図17に示すように、外フラップ5に接触するとともに、奥側の外フラップ4に向けて付勢する。これにより、外フラップ5と外フラップ4が糊37により圧着され、糊貼りされる。よって、製品を収納したカートン1が封止され、製函される。
【0042】
上述した封止ステージの一つ上のステーションには、組み立てられたカートン1を排出する排出ステージが設置される(
図18参照)。第一コンベヤ装置14は、上述した糊37の圧着による封止処理を完了後の所定のタイミングで、カートン1を、1ステーション上昇移動する。この1ステーション上に設けられた排出ステージが、最上層である。
【0043】
この排出ステージに並列して、第二コンベヤ装置41が設置される。第二コンベヤ装置41は、第一コンベヤ装置14の奥側に設置され、排出ステージで一時停止するカートン1の底面の位置と同一高さ位置に搬送面を有し、水平面内でカートン1を搬送する。排出ステージには、第一コンベヤ装置14上のカートン1を、第二コンベヤ装置41に移し替える選別プッシャー装置43を備える。第二コンベヤ装置41のさらに奥側には、排出シュート44を設ける。排出シュート44は、第一コンベヤ装置14から排出されるカートン1の移動方向の延長線上に位置する。
【0044】
選別プッシャー装置43は、図示省略する良否判定検査部の検査結果に基づき、第一コンベヤ装置14から奥に向けて所定距離移動する。この選別プッシャー装置43は、第一コンベヤ装置14の手前側から奥側に向けて延長配置されるガイドレール46と、そのガイドレール46に沿って前後進移動するスライダ47と、そのスライダ47の上面に片持ち支持状に取り付けられた支持板48と、その支持板48の先端に取り付けられたシリンダ49と、シリンダ49のシリンダロッド49aに取り付けられたプッシャー部材50を備える。シリンダ49は、シリンダロッド49aが下方に向けて伸張する。そして、シリンダ49の往動作によりプッシャー部材50が下方に位置するとき、カートン1に接触して押送可能となる。また、シリンダ49の複動作によりプッシャー部材50が上方に位置すると、カートン1より上に位置し、カートン1と非接触の状態となる。また、スライダ47は、図示省略の駆動力を受け、ガイドレール46に沿って所定距離往復移動する。
【0045】
そして、選別プッシャー装置43は、良否判定検査部の検査結果に基づき以下のように動作が制御される。まず、カートン1が良品の場合、
図18(a)に示すように、プッシャー部材50を下方位置にした状態で、スライダ47の移動に伴いガイドレール46に沿って奥側の第二コンベヤ装置41に向けて前進移動する。これにより、プッシャー部材50の移動により、接触しているカートン1も押送され、当該カートン1は、第一コンベヤ装置14から第二コンベヤ装置41上に移し替えられる。その後、スライダ47は、逆方向に移動し、プッシャー部材50は
図18(a)に示す位置に復帰する。また、当該移動する際、次のカートン1が排出ステージに位置することがあり、プッシャー部材50が下方位置のままとするとカートン1と干渉する。そこで、シリンダ49の複動作によりプッシャー部材50を上方位置に位置させ、その状態で第一コンベヤ装置14の手前側まで移動し、その後プッシャー部材50を下方位置に位置させる。
【0046】
一方、カートン1が不良品の場合、良品の場合よりも長い距離だけプッシャー部材50を移動する。これにより、第一コンベヤ装置14から排出されたカートン1は、第二コンベヤ装置41上を通過し、その奥側に配置された排出シュート44に移し替えられる。そして当該移し替えられたカートン1は、排出シュート44の傾斜面に沿って移動し、排出される。このように、選別プッシャー装置43により、OK製品とNG製品を選別する。
【0047】
また、上述したように、本実施形態では、第一コンベヤ装置14によってカートン1を上昇移動させながら、製品詰め、フラップ折り込み、糊付等の製函作業を行う。製函されたカートン1は、上方に位置している。第一コンベヤ装置14の支持板14bは、カートン1を上昇させるための上昇区間と、その上昇区間の上端にて180度回転した後、下降する下降区間を有する。そこで本実施形態では、第一コンベヤ装置14の下降区間を利用し、良品となったカートン1を下降移動し、その下降移動時に印字その他の処理を行うようにした。第二コンベヤ装置41は、第一コンベヤ装置14から一旦排出された良品判定のカートン1を第一コンベヤ装置14に戻す機能を備える。
【0048】
第二コンベヤ装置41は、ベルトコンベヤである。第二コンベヤ装置41上のカートン1は、ベルトコンベヤの回転に伴い前進移動する(
図19(a)中、矢印方向に移動)。第二コンベヤ装置41の搬送面を横切るように、プッシャー装置53を備える。このプッシャー装置53は、上述した選別プッシャー装置43と同様の構成を備える。すなわち、プッシャー装置53は、第二コンベヤ装置41と第一コンベヤ装置14を跨ぐように配置されるガイドレール56と、そのガイドレール56に沿って前後進移動するスライダ57と、そのスライダ57の上面に片持ち支持状に取り付けられた支持板58と、その支持板58の先端に取り付けられたシリンダ59と、シリンダ59のシリンダロッド59aに取り付けられたプッシャー部材60を備える。シリンダ59は、シリンダロッド59aが下方に向けて伸張する。そして、シリンダ59の往動作によりプッシャー部材60が下方に位置するとき、カートン1に接触して押送可能となる。また、シリンダ59の複動作によりプッシャー部材60が上方に位置すると、カートン1より上に位置し、カートン1と非接触の状態となる。また、スライダ57は、図示省略の駆動力を受け、ガイドレール56に沿って所定距離往復移動する。
【0049】
そして、プッシャー装置53は、以下のように動作が制御される。まず、
図19(a)に示すように、第二コンベヤ装置41を移動してきたカートン1がプッシャー装置53の設置位置に到ると、カートン1は一時停止する。この一時停止は、例えば第二コンベヤ装置41の搬送を一時停止するようにしたり、搬送面上に出没自在に配置したストッパーによりカートン1の移動を抑止するようにしたりするなど各種の手法が採れる。一時停止したカートン1に対し、プッシャー部材60を下方位置にした状態にして、スライダ57の移動に伴いガイドレール56に沿って第一コンベヤ装置14の下降区間の上方搬入口に向けて前進移動する。これにより、プッシャー部材60の移動により、接触しているカートン1も押送され、当該カートン1は、第二コンベヤ装置41から第一コンベヤ装置14上に移し替えられる(
図19(b)参照)。その後、スライダ57は、逆方向に移動し、プッシャー部材60は
図19(a)に示す位置に復帰する。また、当該移動する際、第二コンベヤ装置41上を移動してくるカートン1と干渉しないようにするため、プッシャー部材60を上方位置に位置させ、その状態で第一コンベヤ装置14の手前側まで移動し、その後プッシャー部材60を下方位置に位置させる。
【0050】
図20に示すように、第一コンベヤ装置14の下降区間の上方搬入部にセットされたカートン1は、第一コンベヤ装置14の下降区間の所定位置に、印字装置62と、印字検査装置63を配置する。第一コンベヤ装置14により数ステーション下降後、カートン1,外フラップ5の所定位置に、印字装置62で印字を行う。この印字は、例えば製造年月日等がある。また、印字装置62の1ステーション下に配置された印字検査装置63のカメラにて、印字された部位を撮像し、画像処理により印字検査判定を行う。
【0051】
図21に示すように、第一コンベヤ装置14の下降区間の下方端には、カートン排出部を備える。このカートン排出部では、第一コンベヤ装置14の奥側に、第三コンベヤ装置65を配置し、カートン排出部に到った良品のカートン1を、第三コンベヤ装置65に移し替える。具体的には、吸着抜出装置67を備える。吸着抜出装置67は、先端に吸着ノズル68を備え、駆動機構70により、第一コンベヤ装置14に向けて前後進移動する。
【0052】
また、第三コンベヤ装置65は、シャトル式コンベヤであり、搬入側の端部位置が搬送方向に沿って前後する。すなわち、
図21,
図22に示すように、第一コンベヤ装置14から抜き出されるカートン1を受け取り可能な第一位置と、
図23に示すように第一位置から前方に遷移し、第一コンベヤ装置14から抜き出されるカートン1を受け取りできない第二位置をとる。第三コンベヤ装置65の下方には、不良品排出コンベヤ66を配置する。第三コンベヤ装置65が第一位置にあるとき、不良品排出コンベヤ66の搬入部位は第三コンベヤ装置65に覆われ、第三コンベヤ装置65が第二位置にあるとき、不良品排出コンベヤ66は露出する。
【0053】
印字検査装置63の検査結果で良品と判定されたカートン1に対しては、以下のように動作する。第三コンベヤ装置65は、第一位置をとる。そして、吸着抜出装置67の先端に設けた吸着ノズル68にてカートン1を吸着保持し、その状態で
図22(a)に示すように、矢印方向にカートン1を引き出す。これにより、カートン1は、第三コンベヤ装置65上に移動する。この状態で吸着ノズル68による吸引を停止すると、カートン1は、第三コンベヤ装置65に沿って搬送される(
図22(b)中、矢印方向に移動)。
【0054】
一方、印字検査装置63の検査結果で不良と判定されたカートン1に対しては、以下のように動作する。まず、
図22(a)に示すように、吸着抜出装置67の先端に設けた吸着ノズル68にてカートン1を吸着保持し、その状態でカートン1を引き出す。これにより、カートン1は、第三コンベヤ装置65上に位置する。次いで、吸着ノズル68の吸引を解除するに際し、第三コンベヤ装置65を第二位置に遷移する。すると、第三コンベヤ装置65の搬送面がなくなるため、
図23(a)に示すように、カートン1は下方の不良品排出コンベヤ66上に落下し、
図23(b)中矢印方向に排出される。
【0055】
上述した実施形態では、第一コンベヤ装置14にてカートンの上昇移動と、下降移動を行うようにしたが、下降移動は別の装置で行っても良い。また、下降移動する際に行う付加処理として、印字装置62によりカートン1の表面に直接印字する処理と、印字検査装置63による印字検査を用いたが、本発明はこれに限ることはなく、例えばラベルを貼付けたりしても良いし、さらに各種の処理を行うようにしてもよい。
【0056】
上述した実施形態では、カートンを上昇移動させながら各処理を行い、封止するようにしたが、本発明はこれに限ることはなくそれとは逆に下降移動させながら各処理を行い、封止するようにしても良い。