(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-88202(P2017-88202A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】蓋体付き容器体
(51)【国際特許分類】
B65D 51/24 20060101AFI20170421BHJP
B65D 43/00 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
B65D51/24 Z
B65D43/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-219509(P2015-219509)
(22)【出願日】2015年11月9日
(71)【出願人】
【識別番号】515311040
【氏名又は名称】淺井 擴詞
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】淺井 擴詞
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA14
3E084BA01
3E084CA03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DB18
3E084FA02
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084JA20
(57)【要約】
【課題】直径の異なる多種多様な汁物容器であっても安定して容器体に載せることを技術的課題とし、もって内容物を溢すことなく運搬することをである。
【解決手段】上部に開口部を有する容器本体10と、該開口部を覆う蓋体20とを有し、該蓋体20は、2段以上の段部23を備えている円形状の凹部21を有することを特徴とする蓋体付き容器体である。また、凹部21は、段部23の最外部となる第1凹部21aの一部が互いに重なり合い重複しており、更には凹部21における段部23が3段である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を有する容器本体(10)と、該開口部を覆う蓋体(20)とを有し、
該蓋体(20)は、2段以上の段部(23)を備えている円形状の凹部(21)を有することを特徴とする蓋体付き容器体。
【請求項2】
前記凹部(21)は、前記段部(23)の最外部となる第1凹部(21a)の一部が互いに重なり合い重複している請求項1に記載の蓋体付き容器体。
【請求項3】
前記凹部(21)における前記段部(23)が3段である請求項1又は2に記載の蓋体付き容器体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当やケーキなどを収納する蓋体付き容器体に関し、詳細には、容器体と共に汁物容器を同時に安定して運搬することができる蓋体付き容器体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外食店でお弁当又はケーキを購入した際に、同時にお味噌汁やコーヒーなどの汁物を購入して運搬する時は、片手にお弁当又はケーキを手提げ袋に持ち、もう一方の手で熱いお味噌汁やコーヒーなどの汁物を安定した状態で長時間運搬するのは難しいものであった。そのため、お弁当又はケーキの容器上に紙製の汁物ホルダーを置いて汁物を安定させる場合もあるが、販売者が別途付属させる汁物ホルダーのコスト負担を嫌うことが多い。このようなため、従来、弁当箱の蓋体にくぼみ又は凸部を設けて紙コップ等の汁物の転倒や落下を防止しつつ、弁当箱と紙コップを同時に運搬することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3044087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、くぼみ又は凸部の直径が全て同じであるため、くぼみ又は凸部より汁物の容器の直径が大きい場合には、汁物の容器はくぼみ又は凸部に乗せることは不可能であるという問題がある。また、汁物の容器の直径がくぼみ又は凸部の直径より小さい場合には、固定が不十分でガタついて運搬する際に不安定で内容物を溢すおそれがあった。このように、多様な汁物容器に対し安定して載せることが求められていた。
【0005】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、創案されたもので、直径の異なる多種多様な汁物容器であっても安定して容器体に載せることを技術的課題とし、もって内容物を溢すことなく運搬することを目的とするものであります。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段の主たる構成は、
上部に開口部を有する容器本体と、該開口部を覆う蓋体とを有し、
該蓋体は、2段以上の段部を備えている円形状の凹部を有することを特徴とする蓋体付き容器体である。
【0007】
直径の異なる汁物容器であっても安定して容器体に乗せることができ、内容物を溢すことなく安定して運搬することが達成できる。
【0008】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、段部の最外部となる第1凹部の一部が互いに重なり合い重複しているものである。
【0009】
第1凹部の一部が重なり合い重複することによって、凹部がそれぞれ独立した構成よりも、蓋体に占める設置面積を小さくすることができるため、小さな容器体の蓋体にも本発明の段部を有する凹部を配することが可能である。
【0010】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、凹部における段部が3段のものである。
【0011】
段部が3段のものにあっては、底面直径の異なる多種多様なカップ容器に対応できることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成においては、直径の異なる多種多様な汁物容器であっても安定して容器体に載せることができ、よって内容物を溢すことなく安定して運搬することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態における容器体を示す平面図である。
【
図3】第1の実施形態における容器体の断面図である。
【
図4】第1の実施形態における容器本体と蓋体の変形例を示す斜視図である。
【
図6】第1の実施形態における容器体を積み重ね、カップ容器を乗せた側面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本発明の蓋付きの容器体1は、上部が開口した矩形状の容器本体10と、容器本体10の開口部に被せられる矩形状の蓋体20とを備える。本発明において容器本体10及び蓋体20の材質は特に限定されるものではなく、合成樹脂や積層材等の各種材質のものを用いることができる。
【0016】
容器本体10は食料類が収容される所定の深さの収容部11を備えている。収容部11の底面中央部には、その下方から収容部11に向かってへこんだ底くぼみ部12が形成されている(
図3参照)。また、容器本体10の開口部端部には外側に向かって張り出す容器フランジ部13が全周に亘って一体に連設されており、その容器フランジ部13の端部からは下方に開口部外周縁13aが垂下している。
【0017】
蓋体20は、上面に円形状の凹部21を備えており、凹部21は2段以上の段部22を有している。つまり、凹部21は、円形状の最外部に位置する第1凹部21a、その内側に第2凹部21bを少なくとも有する。現在市販されているコーヒー、ジュース、お味噌汁などのカップ容器2の底部直径は小さいもので50mm程度、大きいもので70mm程度、その中間の60mm程度のものも販売されていることから、凹部21は3段の段部22として、第1凹部21a、第2凹部21b、第3凹部21cを備えていることで多種多様なカップ容器2に対応できることから好ましい。段部22の段差高さは、カップ容器2が運搬時にズレて傾き内容物がこぼれるのを防止できる高さであれば構わない。また、蓋体20の端部には外側に向かって張り出す蓋体フランジ部23が全周に亘って一体に連設され、その端部からは下方に蓋体外周縁23aが垂下している。更に、蓋体20の上面には上方に膨らんだ蓋体凸部24が形成されている。
【0018】
容器本体10に対して蓋体20を被せるには、
図3に示すように、蓋体20の蓋体外周縁23aを容器本体10の開口部外周縁13aの外側に嵌めるによって、容器本体10と蓋体20とが強固に係合することができる。
【0019】
次に、容器本体10に蓋体20を嵌めた容器体1を積み重ねる場合は、
図6に示されるように、下段となる蓋体20の蓋体凸部24に上段に設置する容器本体10の底くぼみ部12を当接させる。この当接によって、底くぼみ部12に蓋体凸部24が収まるかたちとなり、上下に容器体1が積み重ねられることができ、これを繰り返すことで多段にも積み重ねられる。この積み重ねにおいて、上段の底くぼみ部12に下段の蓋体凸部24が収まることで、容器体同士がズレたり移動したりすることを防止でき、より安定して積み重ねることが可能である。
【0020】
容器体1としては、
図1に示さるように食品類を収納できる所定の深さと嵩高さを有するような弁当箱や、
図4に示されるように更に深さが深くて嵩高さのあるケーキ箱などが挙げられる。
【0021】
蓋体20の凹部21の個数は特に限定されないが、凹部21に内容物の入ったカップ容器2を載せることから、カップ容器2を載せた時の重量バランスや蓋体20の強度を考慮する必要がある。特に、カップ容器2には汁物の内容物が入っていることが多いため、凹部21の配置位置は重量バランスにズレを生じないように、凹部21が1個であれば蓋体20の中心部に配し、凹部21が2個であれば蓋体20の中心部に対して対称なる位置に配し、凹部21が3個であれば蓋体20の中心部と、それ対して対称となる位置に配することが好ましい(
図5参照)。また、
図2に示されるように、凹部21が3個の場合は仮想的な三角形の各頂点となる位置に配することもでき、凹部21が4個の場合は仮想的な四角形の各頂点となる位置に配することができ、凹部21が5個の場合は
図2(c)又は
図2(d)に示される位置に配することができ、カップ容器2を載せた時に重量バランスを崩さないように配置することが好ましい。
【0022】
凹部21は、円形状の最外部に位置する第1凹部21a、その内側に第2凹部21bの2段以上の段部22を有している。
図6に示されるように3段の段部22として、第1凹部21a、第2凹部21b、第3凹部21cを備えることにより、底面直径の異なる多種多様なカップ容器2に対応できることが可能となる。なお、段部22は3段に限定されるものではなく、4段や5段などであっても構わない。
【0023】
図7は、本発明の第2の実施形態に使用される蓋体20の他の実施例を示すものである。この蓋体20の他の実施例では、凹部21の最外凹部(第1凹部)21aの一部が重なり合う構成となっている。最外凹部21aの一部が重なり合い重複することによって、凹部21がそれぞれ独立した構成よりも、蓋体20に占める設置面積を小さくすることができる。そのため小さな容器体1の蓋体20にも本発明の段部22を有する凹部21を配することができる。
【0024】
重なり合う凹部21は配置としては、
図7(a)に示されるように凹部21を同一線上に並べて配する構成、
図7(b)に示されるように凹部21の最外凹部21aを互いに重なり合い重複する構成が挙げられる。
【0025】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施形態に特定されるものではない。
例えば、容器本体10と蓋体20を別体としたが、これに代えて、容器本体10がヒンジ部を介して蓋体20と一体化する構造であっても構わない。また、容器本体10と蓋体20の形状として矩形状を説明したが、円形状や楕円状のものであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の蓋体付き容器体は、直径の異なる多種多様な汁物容器であっても安定して容器体に載せることができ、内容物を溢すことなく安定して運搬することができ、蓋体付き容器体として広い分野での適用を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ;容器体
2 ;カップ容器(汁物容器)
10 ;容器本体
11 ;収納部
12 ;底くぼみ部
13 ;容器フランジ部
13a;開口部外周縁
20 ;蓋体
21 ;凹部
21a;第1凹部(最外凹部)
21b;第2凹部
21c;第3凹部
22 ;段部
23 ;蓋体フランジ部
23a;蓋体外周縁
24 ;蓋体凸部