【解決手段】搬送装置11は、一対の支持機構13,13とは独立して設けられ、支持機構13,13に支持される物品50を検出する光学式の検出部44,46を備え、検出部44,46は、光線Lを出射し、支持部30に支持された物品50によって光線Lが遮蔽されることにより物品50を検出し、支持部30は、物品50を支持した状態において、本体部20に対する支持部30の下方への移動により光線Lの進行位置よりも物品50が下方に位置した場合に、光線Lを遮蔽する遮蔽部材38a,38bを有する。
前記遮蔽部材は、前記支持部に前記物品が支持されたときに前記光線を遮蔽する位置に進出すると共に、前記支持部に前記物品が支持されていないときには前記光線を遮蔽する前記位置から退避している、請求項1に記載の搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送装置では、搬送時に物品に加わる振動を抑制することが求められている。そこで、搬送装置では、物品を下方から支持する支持部と、支持部を防振部材を介して支持する本体と、を有する支持機構を備える構成が採用されている。この搬送装置には、支持部に物品が支持されていることを検出する光学式の検出部が設けられている。検出部は、支持機構に設けられており、支持部に物品が支持されると、本体部に設けられた投光部と受光部との間を進行する光線が遮蔽される。これにより、検出部は、支持部に物品が支持されたことを検出している。しかしながら、このような構成の検出部は、支持機構のチャッキング動作に伴って移動するため、配線が複雑化するおそれがある。
【0005】
そこで、検出部を支持機構とは独立して設ける構成が考えられている。この構成では、検出部は、光線を所定の進行位置において出射し、支持部に支持された物品によって光線が遮蔽されることにより、物品を検出する。しかし、防振部材を備える構成では、振動等により物品が上下に揺れて防振部材が沈み込むと、光線の進行位置から物品が退く場合がある。これにより、光線が物品によって遮蔽されないため、物品が支持部に支持されているにも関わらず、検出部において物品を検出しないといった現象が生じ得る。
【0006】
本発明は、構成の簡易化を図れると共に、物品の誤検出を防止できる搬送装置及び天井搬送車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る搬送装置は、物品を下方から支持する支持部と、当該支持部を防振部材を介して支持する本体部と、を有する一対の支持機構を備える搬送装置であって、一対の支持機構とは独立して設けられ、支持機構に支持される物品を検出する光学式の検出部を備え、検出部は、光線を出射し、支持部に支持された物品によって光線が遮蔽されることにより物品を検出し、支持部は、物品を支持した状態において、本体部に対する支持部の下方への移動により光線の進行位置よりも物品が下方に位置した場合に、光線を遮蔽する遮蔽部材を有する。
【0008】
この搬送装置では、検出部は、一対の支持機構とは独立して設けられている。したがって、検出部は、支持機構と一緒に移動しない。そのため、検出部の配線の簡易化を図れる。したがって、搬送装置では、構成の簡易化を図ることができる。また、支持部は、物品を支持した状態において、本体部に対する支持部の下方への移動により光線の進行位置よりも物品が下方に位置した場合に、光線を遮蔽する遮蔽部材を有する。これにより、支持部に物品が支持されている状態において、防振部材の沈み込みによって光線の進行位置よりも物品が下方に位置した場合であっても、遮蔽部材によって光線が遮蔽されるため、検出部によって物品が検出されている状態が維持される。したがって、物品が支持部に支持されているにも関わらず、光線が物品に遮蔽されないことにより検出部が物品を検出しない状態となることがない。そのため、搬送装置では、物品の誤検出を抑制できる。
【0009】
一実施形態においては、遮蔽部材は、光線を通過させる穴と、光線を遮蔽する遮蔽領域と、を有し、支持部に固定されていてもよい。このように、遮蔽部材を簡易な構成とすることにより、搬送装置の構成の簡易化を図ることができる。また、この構成では、支持部に物品が支持されていない状態において、支持機構に何らかの不具合(例えば、支持部が本体部から外れる等)が生じたときに、光線が遮蔽部材の遮蔽領域によって遮蔽されることがある。そのため、支持機構に異常が生じていることを検出することが可能となる。
【0010】
一実施形態においては、遮蔽部材の穴は、物品が支持部に支持された状態において、物品の最上位置よりも下方となる位置に配置されていてもよい。これにより、支持部に物品が支持されている状態において、物品の上方を光線が通過することがない。したがって、物品の誤検出を抑制できる。
【0011】
一実施形態においては、遮蔽部材は、支持部に物品が支持されたときに光線を遮蔽する位置に進出すると共に、支持部に物品が支持されていないときには光線を遮蔽する位置から退避していてもよい。この構成によれば、物品が支持部に支持されていないときには遮蔽部材が光線を遮蔽する位置から退避しているため、物品が支持部に支持されていないときに遮蔽部材が光線を遮蔽することを防止できる。したがって、物品の誤検出をより一層抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構成の簡易化を図れると共に、物品の誤検出を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1に示される天井搬送車1は、クリーンルームの天井など、床面より高い位置に設けられる走行レール2に沿って走行するものであり、例えば保管設備と所定のロードポートとの間で被搬送物であるFOUP(Front−Opening Unified Pod)50を搬送する。FOUP(物品)50には、例えば、ウェハが収容される。FOUP50は、天井搬送車1に保持されるフランジ52を有している。以下の説明では、
図1における左右方向を、天井搬送車1の前後方向とする。
図1における上下方向を天井搬送車1の上下方向とする。
図1における奥行方向を天井搬送車1の左右方向(幅方向)とする。
【0016】
図1に示されるように、天井搬送車1は、走行駆動部3と、水平移動部5と、回転駆動部6と、昇降駆動部7と、搬送装置10と、保持装置11と、落下防止機構16と、揺れ抑制機構17と、制御部70と、を有している。天井搬送車1には、水平移動部5、回転駆動部6、昇降駆動部7及び搬送装置10を覆うように前後方向にカバー8が設けられている。落下防止機構16は、保持装置11に保持されたFOUP50の落下を防止する。揺れ抑制機構17は、保持装置11に保持されたFOUP50の天井搬送車1の走行方向及び左右方向の揺れを抑制する。
【0017】
制御部70は、天井搬送車1の全体の動作を制御する。例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等で構成される。制御部70は、上位コントローラ(図示しない)からの搬送指令に基づいて天井搬送車1の動作を制御すると共に、天井搬送車1の状態を上位コントローラに送信する。
【0018】
走行駆動部3は、天井搬送車1を走行レール2に沿って移動させるものであり、走行レール2内に配置されている。走行駆動部3は、走行レール2を走行するローラ(図示しない)を駆動させる。走行駆動部3の下部には、軸3aを介して水平移動部5が接続されている。水平移動部5は、回転駆動部6、昇降駆動部7及び搬送装置10を水平面内で走行レール2の延在方向に直交する方向に移動させる。回転駆動部6は、水平面内で昇降駆動部7及び搬送装置10を回転させる。昇降駆動部7は、ベルトの巻き上げ及び繰り出しにより搬送装置10を昇降させる。なお、昇降駆動部7におけるベルトは、ワイヤ及びロープなど、適宜の吊持材を用いてもよい。本実施形態における搬送装置10は、昇降駆動部7によって昇降可能に設けられており、天井搬送車1における昇降台として機能している。
【0019】
保持装置11は、FOUP50を保持する。保持装置11は、L字状である一対のアーム12,12と、各アーム12,12に固定されたハンド(支持機構)13,13と、一対のアーム12,12を開閉させる開閉機構15と、投光部(検出部)44及び受光部(検出部)46と、を備えている。
【0020】
一対のアーム12,12は、開閉機構15に接続されている。開閉機構15は、一対のアーム12,12を、互いに近接する方向及び互いに離間する方向に移動させる。開閉機構15の動作により、一対のアーム12,12は、前後方向に進退する。これにより、アーム12,12に固定された一対のハンド13,13が開閉する。本実施形態では、一対のハンド13,13が開状態のときに、ハンド13の保持面がフランジ52の下面の高さより下方となるように、保持装置11(搬送装置10)の高さ位置が調整される。そして、この状態で一対のハンド13,13が閉状態となることで、ハンド13,13の保持面がフランジ52の下面の下方へ進出し、この状態で搬送装置10を上昇させることにより、一対のハンド13,13によってフランジ52が保持され、FOUP50の支持が行われる。
【0021】
続いて、ハンド13について詳細に説明する。
図2及び
図3に示されるように、ハンド13は、本体部20と、支持部30と、第1防振部材40及び第2防振部材42と、を備えている。一対のハンド13,13は、それぞれ同様の構成であるため、一方のハンド13を一例に具体的に説明する。
【0022】
本体部20は、略U字状の部材である。本体部20は、第1部材22と、第2部材24及び第3部材26と、を備えている。第1部材22は、左右方向に延在する。第2部材24及び第3部材26は、第1部材22の長手方向の両端から第1部材22の長手方向に水平面内で直交する向き(前後方向)に延設されている。第2部材24と第3部材26とは、同じ方向に互いに平行に延在している。本体部20は、第1部材22、第2部材24及び第3部材26が一体に成形されていてもよいし、第1部材22に第2部材24及び第3部材26が接合されていてもよい。
【0023】
第1部材22には、位置決め部28が設けられている。位置決め部28は、第1部材22の長手方向の略中央で且つ第2部材24と第3部材26との間に配置されている。位置決め部28は、第1部材22の支持部30側の側部に、ねじ等の固定具で固定されている。位置決め部28は、支持部30にFOUP50が支持されるときに、FOUP50の位置を規定する。位置決め部28は、突設部28aを有している。突設部28aは、上下方向から見て、略三角形状である。突設部28aは、位置決め部28の支持部30側の側面に、上下方向に沿って設けられている。FOUP50のフランジ52には、突設部28aと同形状の溝(図示しない)が設けられている。位置決め部28は、突設部28aとフランジ52の溝とが係合することにより、FOUP50を位置決めする。
【0024】
第1部材22は、2つの穴21a,21bを有している。穴21aは、本体部20の長手方向の一端寄りに配置されている。穴21aは、本体部20を幅方向(天井搬送車1の前後方向)に貫通して形成されている。穴21bは、本体部20の長手方向の他端寄りに配置されている。穴21bは、本体部20を幅方向に貫通して形成されている。穴21a,21bの直径は、設計に応じて適宜設定されればよいが、後述する投光部44から出射される光線Lが通過できる程度に設定されている。穴21aと穴21bとの間隔は、設計に応じて適宜設定されればよいが、FOUP50のフランジ52と本体54とを連結する連結部56の幅よりも大きく設定されている。
【0025】
第2部材24は、第1防振部材40を支持する。
図3に示されるように、第2部材24は、固定部24aを有している。固定部24aは、第2部材24(本体部20)に対して、第1防振部材40を介して支持部30を固定する。固定部24aは、第2部材24の上面から上方に延在している(第2部材24の上面に立設されている)。固定部24aは、例えば、円柱状である。固定部24aは、固定具37aと協働で支持部30を第2部材24に固定する。固定具37aは、円盤状の頭部と、ねじ溝(ねじ山)を有する軸と、を備えるねじである。固定部24aの上端には、固定具37aの軸と螺合するねじ穴が設けられている。
【0026】
第3部材26は、第2防振部材42を支持する。第3部材26は、固定部26aを有している。固定部26aは、第3部材26(本体部20)に対して、第2防振部材42を介して支持部30を固定する。固定部26aは、第3部材26の上面から上方に延在している(第3部材26の上面に立設されている)。固定部26aは、例えば、円柱状である。固定部26aは、固定具37bと協働で支持部30を第3部材26に固定する。固定具37bは、円盤状の頭部と、ねじ溝(ねじ山)を有する軸と、を備えるねじである。固定部26aの上端には、固定具37bと螺合するねじ穴が設けられている。
【0027】
支持部30は、FOUP50を支持する支持部材32と、本体部20に取り付けられる第1取付部材34及び第2取付部材36と、を備えている。
【0028】
支持部材32は、FOUP50のフランジ52の下面と接する(FOUP50を下方から支持する)。支持部材32は、板材である。支持部材32は、第2部材24と第3部材26との間に収まる長さを有している。なお、
図3では、支持部材32の上面に板状の補強部材が配置されている形態を示している。支持部材32は、補強部材を備えていてもよいし、補強部材を備えていなくてもよい。
【0029】
支持部材32は、2つの第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bを有している。第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bは、投光部44から出射される光線Lを遮蔽する。
【0030】
第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bは、板材である。第1遮蔽部材38aは、支持部材32の長手方向の一端寄りの位置に配置されている。第1遮蔽部材38aは、本体部20の第1部材22に形成された穴21aと対応する位置に配置されている。第1遮蔽部材38aは、支持部材32の幅方向における本体部20側の端部に位置し、支持部材32から上方に延在(起立)している。第2遮蔽部材38bは、支持部材32の長手方向の他端寄りの位置に配置されている。第2遮蔽部材38bは、本体部20の第1部材22に形成された穴21bと対応する位置に配置されている。第2遮蔽部材38bは、支持部材32の幅方向における本体部20側の端部に位置し、支持部材32から上方に延在(起立)している。第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bの長さ(高さ)は、支持部30にFOUP50が支持された状態で、第1防振部材40及び第2防振部材42が沈み込んで支持部30が本体部20に対して最下位置に到達したときに、光線Lを遮蔽する長さに設定されている。
【0031】
第1遮蔽部材38aは、穴39aを有している。穴39aは、第1遮蔽部材38aを厚さ方向に貫通して形成されている。穴39aは、光線Lを通過させる。穴39aは、第1遮蔽部材38aの下端部に設けられている。穴39aは、支持部30にFOUP50が支持されたときに、FOUP50のフランジ52の上面の位置よりも下方に位置するように形成されている。第1遮蔽部材38aにおいて、穴39a以外の領域は、光線Lを遮蔽する遮蔽領域として用いられる。
【0032】
第2遮蔽部材38bは、穴39bを有している。穴39bは、第2遮蔽部材38bを厚さ方向に貫通して形成されている。穴39bは、光線Lを通過させる。穴39bは、第2遮蔽部材38bの下端部に設けられている。穴39bは、支持部30にFOUP50が支持されたときに、FOUP50のフランジ52の上面の位置よりも下方に位置するように形成されている。第2遮蔽部材38bにおいて、穴39b以外の領域は、光線Lを遮蔽する遮蔽領域として用いられる。
【0033】
第1取付部材34は、第1防振部材40を介して本体部20に取り付けられる。第2取付部材36は、第2防振部材42を介して本体部20に取り付けられる。第1取付部材34及び第2取付部材36は、板材である。第1取付部材34は、第1防振部材40の上面と同様の形状である。第2取付部材36は、第2防振部材42の上面と同様の形状である。
本実施形態では、第1取付部材34及び第2取付部材36は、略長方形状である。
【0034】
第1取付部材34は、支持部材32の長手方向の一端から上方に起立する第1連結部材35aによって支持部材32と連結されている。第1取付部材34は、支持部材32と略平行に延在している。第1取付部材34は、穴34aを有している。穴34aは、第1取付部材34を厚さ方向に貫通して形成されている。穴34aには、第2部材24の固定部24aが挿入される。第1取付部材34は、第1防振部材40を介して、第2部材24の固定部24aによって本体部20に取り付けられている。これにより、支持部30と本体部20とが一体に設けられている。
【0035】
第2取付部材36は、支持部材32の長手方向の他端から上方に起立する第2連結部材35bによって支持部材32と連結されている。第2取付部材36は、支持部材32と略平行に延在している。第2取付部材36は、穴36aを有している。穴36aは、第2取付部材36を厚さ方向に貫通して形成されている。穴36aには、第3部材26の固定部26aが挿入される。第2取付部材36は、第2防振部材42を介して、第3部材26の固定部26aによって本体部20に取り付けられている。これにより、支持部30と本体部20とが一体に設けられている。
【0036】
第1防振部材40は、本体部20の第2部材24と支持部30の第1取付部材34との間に配置されている。第2防振部材42は、本体部20の第3部材26と支持部30の第2取付部材36との間に配置されている。第1防振部材40及び第2防振部材42は、略直方体形状である。第1防振部材40及び第2防振部材42は、例えば、シリコーン樹脂等によって形成されるゲル状の弾性体である。第1防振部材40及び第2防振部材42は、振動及び/又は衝撃を吸収する。
【0037】
第1防振部材40は、穴40aを有している。穴40aは、第1防振部材40を厚さ方向に貫通している。第1防振部材40は、穴40aに第2部材24の固定部24aが挿入された状態で第2部材24に配置される。第1防振部材40は、第2部材24と第1取付部材34との間に配置され、固定部24aと固定具37aとが螺合されることにより、第2部材24と第1取付部材34とに挟持される。第1防振部材40は、第2部材24の上面に接着されていてもよい。
【0038】
第2防振部材42は、穴42aを有している。穴42aは、第2防振部材42を厚さ方向に貫通している。第2防振部材42は、穴42aに第3部材26の固定部26aが挿入された状態で第3部材26に配置される。第2防振部材42は、第3部材26と第2取付部材36との間に配置され、固定部26aと固定具37bとが螺合されることにより、第3部材26と第2取付部材36とに挟持される。第2防振部材42は、第3部材26の上面に接着されていてもよい。
【0039】
続いて、投光部44及び受光部46について説明する。投光部44及び受光部46は、光学式のセンサである。投光部44は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子である。受光部46は、PD(PhotoDiode)等の受光素子である。本実施形態では、投光部44及び受光部46は、それぞれ2個ずつ設けられている。投光部44及び受光部46は、制御部70により制御される。投光部44は、制御部70により光線Lの出射が制御される。受光部46は、受光結果を制御部70に出力する。
【0040】
図1及び
図2に示されるように、投光部44と受光部46は、ハンド13,13を挟んで配置されている。投光部44及び受光部46は、例えば、固定部材を介して保持装置11に固定されている。すなわち、投光部44及び受光部46は、ハンド13,13とは独立して設けられており、ハンド13,13の作動には連動しない。
【0041】
図2に示されるように、一方の投光部44及び受光部46は、投光部44から出射された光線Lが、一方のハンド13の本体部20の第1部材22の穴21a及び支持部30の第1遮蔽部材38aの穴39aを通過し、他方のハンド13の支持部30の第2遮蔽部材38bの穴39b及び本体部20の第1部材22の穴21bを通過して、受光部46によって受光される位置に配置されている。
【0042】
他方の投光部44及び受光部46は、投光部44から出射された光線Lが、一方のハンド13の本体部20の第1部材22の穴21b及び支持部30の第2遮蔽部材38bの穴39bを通過し、他方のハンド13の支持部30の第1遮蔽部材38aの穴39a及び本体部20の第1部材22の穴21aを通過して受光部46によって受光される位置に配置されている。
【0043】
制御部70は、受光部46における光線Lの受光結果に基づいて、FOUP50がハンド13,13によって支持されているか否かを検出する。制御部70は、2つの受光部46から、光線Lを受光したことを示す受光結果を受け取った場合には、ハンド13,13にFOUP50が支持されていないと判断する。制御部70は、2つの受光部46から、光線Lを受光していないことを示す受光結果を受け取った場合には、ハンド13,13にFOUP50が支持されていると判断する。具体的には、制御部70は、受光部46から出力された受光結果において、光線Lを受光していないことを示す結果が所定の時間以上継続された場合に、FOUP50が支持されていると判断する。すなわち、制御部70は、FOUP50等が光線Lを一時的(所定時間未満)に遮蔽した場合には、FOUP50が支持されていると判断しない。
【0044】
続いて、天井搬送車1によるFOUP50の検出方法について、
図4〜
図6を参照して説明する。天井搬送車1では、例えば所定のロードポート上に移動すると、昇降駆動部7は、ベルトを繰り出して保持装置11をロードポートのFOUP50上に降下させる。
図4(a)に示されるように、保持装置11がFOUP50に到達していない位置では、受光部46は、投光部44から出射された光線Lを、穴21a、穴39a、穴39b及び穴21bを介して受光する。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていないと判断する。
【0045】
図4(b)に示されるように、昇降駆動部7は、ハンド13,13の支持部30をFOUP50のフランジ52の下方に位置させる。このとき、投光部44から出射された光線Lは、FOUP50の連結部56を挟むように進行している。これにより、受光部46は、投光部44から出射された光線Lを、穴21a、穴39a、穴39b及び穴21bを介して受光する。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていないと判断する。
【0046】
次に、
図5(a)に示されるように、開閉機構15が一対のアーム12,12を閉じさせることにより、ハンド13,13が互いに近づく方向に移動する。このとき、受光部46は、投光部44から出射された光線Lを、穴21a、穴39a、穴39b及び穴21bを介して受光する。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていないと判断する。
【0047】
続いて、
図5(b)に示されるように、昇降駆動部7がベルトを巻き上げることで保持装置11が上昇し、ハンド13,13の支持部30の支持部材32とFOUP50のフランジ52の下面とが当接する。このとき、投光部44から出射されて穴21a及び穴39aを通過した光線Lは、FOUP50のフランジ52によって遮蔽される。これにより、受光部46は、光線Lを所定時間以上受光しない。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていると判断する。
【0048】
図6(a)に示されるように、昇降駆動部7によってベルトが巻き上げられると、FOUP50の重さによって、第1防振部材40及び第2防振部材42が沈み込む場合がある。このとき、FOUP50のフランジ52の上面が光線Lの位置よりも下方に位置することがある。この場合、投光部44から出射されて穴21aを通過した光線Lは、FOUP50(支持部30)と共に下降した第1遮蔽部材38aにより遮蔽される。これにより、受光部46は、光線Lを所定時間以上受光しない。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていると判断する。
【0049】
また、
図6(b)に示されるように、天井搬送車1の走行時等に、第1防振部材40及び第2防振部材42が更に沈み込むことがある。この場合であっても、投光部44から出射されて穴21aを通過した光線Lは、FOUP50(支持部30)と共に更に下降した第1遮蔽部材38aにより遮蔽される。これにより、受光部46は、光線Lを所定時間以上受光しない。この場合、制御部70は、ハンド13,13にFOUP50が支持されていると判断する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る天井搬送車1では、投光部44及び受光部46は、一対のハンド13,13とは独立して設けられている。したがって、投光部44及び受光部46は、ハンド13,13と一緒に移動しない。そのため、投光部44及び受光部46の配線の簡易化を図れる。したがって、天井搬送車1では、構成の簡易化を図ることができる。また、ハンド13の支持部30は、FOUP50を支持した状態において、本体部20に対する支持部30の下方への移動により光線Lの進行位置よりもFOUP50が下方に位置した場合に、光線Lを遮蔽する第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bを有する。これにより、支持部30に物品が支持されている状態において、第1防振部材40及び第2防振部材42の沈み込みによって光線Lの進行位置よりもFOUP50が下方に位置した場合であっても、第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bによって光線Lが遮蔽されるため、投光部44及び受光部46によってFOUP50が検出されている状態が維持される。したがって、FOUP50が支持部30に支持されているにも関わらず、光線LがFOUP50に遮蔽されないことにより投光部44及び受光部46がFOUP50を検出しない状態となることがない。そのため、天井搬送車1では、FOUP50の誤検出を抑制できる。
【0051】
本実施形態では、第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bは、支持部38に固定されている。第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bは、光線Lを通過させる穴39a,39bと、光線Lを遮蔽する遮蔽領域と、を有している。このように、第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bを簡易な構成とすることにより、天井搬送車1の構成の簡易化を図ることができる。また、この構成では、支持部30にFOUP50が支持されていない状態において、ハンド13に何らかの不具合(例えば、支持部30が本体部20から外れる等)が生じたときに、光線Lが第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bの遮蔽領域によって遮蔽されることがある。そのため、ハンド13に異常が生じていることを検出することが可能となる。
【0052】
本実施形態では、第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bの穴39a,39bは、FOUP50が支持部30に支持された状態において、FOUP50の最上位置よりも下方となる位置に配置されていてもよい。これにより、支持部30にFOUP50が支持されている状態において、FOUP50の上方を光線Lが通過することがない。したがって、FOUP50の誤検出を抑制できる。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、搬送装置10が天井搬送車1に搭載されている例を示したが、これに限定されない。搬送装置は天井搬送車以外にも、物品を支持した状態で搬送する様々な装置に利用できるものであり、例えばロボットハンドとして利用してもよい。
【0054】
上記実施形態では、投光部44及び受光部46を2組備える形態を一例に説明した。この構成により、上記実施形態では、本体部20の第1部材22に2つの穴21a,21bが形成されている形態を一例に説明した。しかし、投光部44及び受光部46の個数はこれに限定されない。第1部材22の穴は、投光部44及び受光部46の数に応じて設けられればよい。
【0055】
上記実施形態では、第1防振部材40及び第2防振部材42がシリコーン樹脂等によって形成されたゲル状の弾性体である形態を一例に説明した。しかし、第1防振部材及び第2防振部材は、他のゴムによって形成される弾性体や、バネ等の弾性体であってもよい。
【0056】
上記実施形態では、第1防振部材40及び第2防振部材42のそれぞれが、1つの部材である形態を一例に説明した。しかし、第1防振部材及び第2防振部材のそれぞれは、複数の部材によって構成されていてもよい。
【0057】
上記実施形態では、本体部20の第1部材22に突設部28aを有する位置決め部28が設けられている形態を一例に説明した。しかし、位置決め部28が設けられていなくてもよい。また、位置決め部28において突設部28aが設けられていなくてもよい。
【0058】
上記実施形態では、第1遮蔽部材38a及び第2遮蔽部材38bが支持部30に固定されている形態を一例に説明した。しかし、遮蔽部材の構成はこれに限定されない。例えば、遮蔽部材は、支持部30にFOUP50が支持されたときに光線Lを遮蔽する位置に進出すると共に、支持部30にFOUP50が支持されてないときに光線Lを遮蔽する位置から退避している形態であってもよい。具体的は、
図7に示されるように、遮蔽部材60は、支持部30の支持部材32に軸支された軸60aにより回転自在に設けられている。
図7(a)に示されるように、遮蔽部材60は、支持部30にFOUP50が支持されていない状態では、光線Lを遮蔽する位置から退避している。
図7(b)に示されるように、遮蔽部材60は、支持部30にFOUP50が支持されると、FOUP50の下面と当接する当接部(図示しない)がFOUP50により押圧され、光線Lを遮蔽する位置に進出する。この構成によれば、FOUP50が支持部30に支持されていないときには遮蔽部材60が光線Lを遮蔽する位置から退避しているため、FOUP50が支持部30に支持されていないときに遮蔽部材60が光線Lを遮蔽することを防止できる。したがって、FOUPの誤検出をより一層抑制できる。
【0059】
上記実施形態では、物品の一例としてFOUP50を例示したが、物品はこれに限定されない。