特開2017-8965(P2017-8965A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017008965-ボルトキャップ 図000003
  • 特開2017008965-ボルトキャップ 図000004
  • 特開2017008965-ボルトキャップ 図000005
  • 特開2017008965-ボルトキャップ 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-8965(P2017-8965A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】ボルトキャップ
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/14 20060101AFI20161216BHJP
   A63B 1/00 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   F16B37/14 C
   A63B1/00 C
   A63B1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-121969(P2015-121969)
(22)【出願日】2015年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】301001155
【氏名又は名称】日本体育産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 弘巳
(57)【要約】
【課題】 ボルトとナットを付けたまま、ボルトキャップを破壊しなくても遊具にあるボルトを点検できるボルトキャップを提供する。
【解決手段】 ボルト60に螺合させたナット62の外周を覆うボルトキャップ30であって、ボルトキャップ30は、ボルト60が貫通する貫通穴48が形成された底部44と、底部44の周囲側面から上方に掛けて曲線状に形成され、ナット62が露出するように上面が開口する開口部42が形成された壁面部46とから成る台座部40と、壁面部46の開口部42を閉塞可能な蓋体部50と、を有し、壁面部46の開口部42の端部には、切欠部52が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトに螺合させたナットの外周を覆うボルトキャップであって、
前記ボルトキャップは、
前記ボルトが貫通する貫通穴が形成された底部と、該底部の周囲側面から上方に掛けて曲線状に形成され、前記ナットが露出するように上面が開口する開口部が形成された壁面部とから成る台座部と、
該壁面部の開口部を閉塞可能な蓋体部と、を有し、
前記壁面部の開口部の端縁部には、切欠部が形成されていることを特徴とするボルトキャップ。
【請求項2】
前記切欠部が、相互に対向する位置に2箇所形成されていることを特徴とする請求項1記載のボルトキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトキャップに関し、特に公園などに設置される遊具に用いられるボルトキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
公園には、滑り台やブランコなどの遊具が設置され、子供達がこれらの遊具で遊ぶことができるようになっている。公園に設置される遊具は、特に子供達の安全に配慮した構成にしなくてはならず、一般社団法人日本公園施設業協会では、「遊具の安全に関する規準」を作成して遊具が安全規準を満たすように啓蒙している。
【0003】
また、遊具の組み立てにはボルトおよびナットが用いられることが多いが、ボルトやナットが遊具から突出していると、衝突の危険性があり、けがをするため好ましくない。
【0004】
そこで、特許文献1から特許文献3に示されるように、遊具を連結する部材においてナットが収納されるように構成することで、ナットが直接触れることができないような技術が提案されている。
【0005】
しかし、このような連結部材を使用することができない箇所においては、図4に示すように、ボルト13やナット17が収納できるボルトキャップ10を装着し、突出したボルト13もしくはナット17が露出しないようにする必要がある。そして、ボルト13やナット17を直接触れることができないようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3095923号公報
【特許文献2】特開2007−127204号公報
【特許文献3】特開2009−250302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図4に示されるような従来のボルトキャップ10を採用する場合、次のような課題がある。すなわち、従来のボルトキャップ10は、収納容器11と蓋体部12からなる。収納容器11は、ボルト13を貫通する貫通穴14が形成された底部15と底部15の周囲側面から上方に掛けて形成され壁面部16とからなる。さらに、開口部が収納容器11の頭部に形成され、ボルト13が貫通穴14に挿入され、ナット17と底部15との間に座金18を入れてナット17を締め付け、開口部に蓋体部12を嵌め、ボルト13とナット17が露出しないようにしている。このとき、収納容器11の頭部に形成されている開口部に蓋体部12を完全に嵌めてしまうと、蓋体部12が外せなくなってしまう。これは、蓋体部12の表面に突起物を設けて収納容器11から外しやすいようにすると、突起物によってけがをする恐れがあり危ないため、ボルトキャップ10自体の表面が滑らかな曲面にしているからである。このため、道具などを使って簡単に収納容器11と蓋体部12とが分離できないという課題がある。また、ボルト13を外すときや遊具にあるボルト13の締め付けや劣化具合を点検するときには、わざわざボルトキャップ10が取り付けられていない側に回ってボルトを外すという課題がある。また、ボルトキャップ10の反対側に回れない場合は、ボルトキャップ10を破壊し、再度別のボルトキャップ10を付けなくてはならないという課題がある。
【0008】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、ボルトとナットを付けたまま、ボルトキャップを破壊しなくても遊具にあるボルトを点検できるボルトキャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るボルトキャップによれば、ボルトに螺合させたナットの外周を覆うボルトキャップであって、前記ボルトキャップは、前記ボルトが貫通する貫通穴が形成された底部と、該底部の周囲側面から上方に掛けて曲線状に形成され、前記ナットが露出するように上面が開口する開口部が形成された壁面部とから成る台座部と、該壁面部の開口部を閉塞可能な蓋体部と、を有し、前記壁面部の開口部の端縁部には、切欠部が形成されていることを特徴とする。この構成によれば、ボルトとナットを付けたまま、道具を使って蓋体部を外すことができ、外した蓋体部を元の場所に嵌め込んでボルトキャップを再利用できる。このため、遊具にあるボルトの締め付け具合や劣化具合を点検するときには、ボルトキャップを破壊しなくてもよい。また、突起物がないため、危なくない。
【0010】
また、前記切欠部が、相互に対向する位置に2箇所形成されていてもよい。この構成によれば、切欠部の箇所で道具を使って蓋体部を挟み、ボルトとナットを付けたまま容易に蓋体部を外すことができるので、遊具に取り付けられたボルトの点検作業がしやすい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るボルトキャップによれば、ボルトとナットを付けたまま、ボルトキャップを破壊しなくても遊具にあるボルトを点検できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るボルトキャップを立面正面から見た部分断面図であり、開口部に蓋体部が装着された状態である。
図2】本発明に係るボルトキャップを立面正面から見た部分断面図であり、蓋体部が装着されていない状態である。
図3】本実施形態のボルトキャップを側面から見た側面図である。
図4】従来のボルトキャップの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るボルトキャップ30について、図面に基づいて説明する。ここで言う遊具は、公園、幼稚園、保育園、学校などに設置されるものであり、例えばすべり台、ブランコ、ジャングルジム、シーソー、雲梯、鉄棒、その他これらの遊具を組み合わせた大型の遊具など様々なものがある。
【0014】
図1図2は、本実施形態のボルトキャップ30を立面正面から見た部分断面図であり、図1は台座部40にある開口部42に蓋体部50が装着された状態、図2は蓋体部50が装着されていない状態である。本実施形態のボルトキャップ30は、ボルト60に螺合させたナット62の外周を覆うものである。ボルトキャップ30は、底部44と、壁面部46とから成る台座部40を有していて、底部44にはボルト60が貫通する貫通穴48が形成されている。底部44は、貫通したボルト60に螺合させたナット62もしくは座金64が当接する当接面を有し、台座のようにナット62、座金64が載置される。なお、図1図2ではナット62と底部44との間に座金64があり、座金64が底部44の面に当接されている。さらに、底部44の周囲側面から上方に掛けて曲線状に形成され、ナット62が露出するように上面が開口する開口部42が形成された壁面部46と、壁面部46の開口部42を閉塞可能な蓋体部50とを有している。壁面部46の開口部42の端縁部には、切欠部52が形成されている。ボルトキャップ30は、底部44と壁面部46とが一体に形成された収納容器56とし、全体が樹脂製で形成されていてもよい。
【0015】
ボルトキャップ30は全体として外周面(壁面部46の外周面46aおよび蓋体部50の外周面)は滑らかな曲面であることが好ましく、図1図2は半球状であり、底部44の外周端縁部から上方に向けて円弧状に形成されている。開口部42は、蓋体部50が装着されることで閉塞することができ、閉塞後は壁面部46の外周面46aおよび蓋体部50の外周面は半球状になるように形成されている。また、底部44は、ボルトキャップ30が遊具に取り付けられたときに安定するよう、例えば遊具に取り付ける場合は、遊具の取り付け面70に対して平行となっている。
【0016】
図3は、本実施形態のボルトキャップ30を、図1図2とは異なり、側面から見た側面図である。本実施形態のボルトキャップ30切欠部52が設けられているため、蓋体部50を容易に取り外すことができる。ただし、切欠部52は半径1.5〜2mm程度の半円状に切り取られた形状であるため、人の指、手だけを使って蓋体部50を外すことはできず、切欠部52に道具を当てて蓋体部50を外す。特に、切欠部52が、相互に対向する位置に2箇所形成されているため、道具を切欠部52に当てて蓋体部50を挟めば、容易に取り外すことができる。なお、ボルトキャップ30および蓋体部50を上方から見ると円形状である。
【0017】
蓋体部50には、蓋体部50の周囲側面から突状の側周部50aが形成され、側周部50aと壁面部46の内周面46bとは平行であり、側周部50aの外径dと壁面部46間の距離d’は同一であり、側周部50aと壁面部46の内周面46bとが密接している。また、底部44と壁面部46の内周面46bとは垂直の位置関係にある。これらのことは、ボルトキャップ30が遊具に取り付けられていたとしても外れてしまうことがないようにするためであり、これにより、蓋体部50が簡単に抜け落ちてしまうことがない。
【0018】
側周部50aの先端は先細形状となっていて、開口部42に入りやすい形状となっている。また、蓋体部50を開口部42に入れて側周部50aの先端が底部44に当接するように配置すると、壁面部46の外周面46aと蓋体部50の外周面とが段差がなく、滑らかな曲面になる。また、このような配置になるように側周部50aの高さが形成されている。これにより、蓋体部50を開口部42に押し込んだときに、ちょうど良く嵌まると共に、蓋体部50が装着されたときに出っ張りや窪みを感じず、指が挟まることがないので、安全に遊具で遊ぶことができる。
【0019】
ナット62を、ボルトキャップ30内の底部44に配置し、ナット62が遊具の表面に直接露出しないように、ナット62をボルト60に締め付けることで、ナット62はボルトキャップ30内に収納できる。
【符号の説明】
【0020】
30 ボルトキャップ
40 台座部
42 開口部
44 底部
46 壁面部
46a 外周面
46b 内周面
48 貫通穴
50 蓋体部
50a 側周部
52 切欠部
56 収納容器
60 ボルト
62 ナット
64 台座
70 取り付け面
図1
図2
図3
図4