(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-89914(P2017-89914A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】ダクト及びダクトの製造方法
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20170421BHJP
F24F 13/24 20060101ALI20170421BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
F24F13/02 H
F24F13/24 242
F24F13/02 E
B60H1/00 102L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-216477(P2015-216477)
(22)【出願日】2015年11月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】榊原 誠
(72)【発明者】
【氏名】薮押 正人
(72)【発明者】
【氏名】中村 健吾
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎二
(72)【発明者】
【氏名】中野 裕己
【テーマコード(参考)】
3L080
3L211
【Fターム(参考)】
3L080AB08
3L080AE02
3L211BA60
3L211DA91
3L211DA95
(57)【要約】 (修正有)
【課題】吸音性能の向上を図ることが可能なダクト及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ダクトは、吸音シート30で構成された1対の溝形部材21,21が溝開口21Aを突き合わせるように配置され、1対の溝形部材21,21のうち溝開口縁21Bから外側に張り出した1対の鍔部22,22同士が重ね合わされた状態で接合されている。1対の鍔部22,22には、鍔部22の溝開口縁21Bに沿った部分の吸音シート30,30同士が圧着されてなるシール部23が1対の鍔部22,22の接合部位として設けられると共に、シール部23から外側に張り出し且つシール部23よりも吸音シート30が厚肉となった外側厚肉部24が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸音シートで構成された1対の溝形部材が溝開口を突き合わせるように対向配置され、それら1対の溝形部材のうち溝開口縁から外側に張り出した1対の鍔部同士が重ね合わされた状態で接合されたダクトであって、
前記1対の鍔部には、前記鍔部の前記溝開口縁に沿った部分の前記吸音シート同士が圧着されてなるシール部が前記1対の鍔部の接合部位として設けられると共に、前記シール部から外側に張り出し且つ前記シール部を構成する前記吸音シートよりも厚肉の前記吸音シートで構成された外側厚肉部が設けられているダクト。
【請求項2】
前記ダクトのダクト壁を構成する前記吸音シートが厚み方向に圧縮されていて、
前記外側厚肉部を構成する前記吸音シートは、前記ダクト壁を構成する前記吸音シートよりも厚肉である請求項1に記載のダクト。
【請求項3】
前記1対の鍔部には、前記鍔部の外縁部に沿った部分の前記吸音シート同士が圧着されてなり、前記シール部との間に前記外側厚肉部を挟む外側圧着部が設けられている請求項1又は2に記載のダクト。
【請求項4】
前記ダクトには、前記1対の溝形部材の接合面と平行な面内で曲がるコーナー部が設けられていて、
前記外側厚肉部は、前記コーナー部の内側に配置されている請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載のダクト。
【請求項5】
前記吸音シートは、独立発泡体で構成された独立発泡層と不織布で構成された不織布層とからなる積層シートであって、前記独立発泡層が前記ダクトの内側を向くように配置されている請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載のダクト。
【請求項6】
2枚重ねにされた1対の吸音シートのそれぞれを溝状に真空成形及び/又は圧空成形して1対の溝形部材を形成すると共に、それら1対の溝形部材のうち溝開口縁から外側に張り出した1対の鍔部を重ね合わせて接合するダクトの製造方法において、
前記1対の鍔部を接合するにあたり、前記1対の鍔部のうち前記溝開口縁に沿った部分の前記吸音シート同士を圧着することで前記1対の鍔部の接合部位としてのシール部を形成すると共に、前記シール部から外側に張り出し且つ前記シール部の前記吸音シートよりも厚肉の前記吸音シートで構成された外側厚肉部を形成し、
前記外側厚肉部の少なくとも一部を残すように前記1対の鍔部をトリミングするダクトの製造方法。
【請求項7】
前記1対の鍔部を接合するにあたり、前記シール部より外側に位置する部分の前記吸音シート同士を圧着することで前記シール部との間に前記外側厚肉部を挟む外側圧着部を形成し、
前記1対の鍔部をトリミングするにあたり、前記外側圧着部に沿ってトリミングする請求項6に記載のダクトの製造方法。
【請求項8】
前記1対の溝形部材を、前記1対の溝形部材の接合面と平行な面内で曲がるコーナー部を有する形状に形成すると共に、
前記1対の鍔部のうち前記コーナー部の内側に位置する部分に前記外側厚肉部を形成する請求項6又は7に記載のダクトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音機能を備えたダクト及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダクトとして、吸音シートで構成された1対の溝形部材が溝開口を突き合わせるように配置され、それら1対の溝形部材の溝開口縁から外側に張り出した1対の鍔部同士が圧着接合されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなダクトは、1対の吸音シートを2枚重ねにし、それら1対の吸音シートの外縁部同士を圧着すると共に各吸音シートを溝形状に真空成形又は圧空成形することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−65382号公報(段落[0024]、
図1〜
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のダクトでは、鍔部同士の圧着や真空成形の際に吸音シートが圧縮されるため、吸音シートが有する本来の吸音性能が損なわれてしまい、ダクトの吸音性能の向上を難しくするという問題があった。
【0005】
本発明は、吸音性能の向上を図ることが可能なダクト及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、吸音シートで構成された1対の溝形部材が溝開口を突き合わせるように対向配置され、それら1対の溝形部材のうち溝開口縁から外側に張り出した1対の鍔部同士が重ね合わされた状態で接合されたダクトであって、前記1対の鍔部には、前記鍔部の前記溝開口縁に沿った部分の前記吸音シート同士が圧着されてなるシール部が前記1対の鍔部の接合部位として設けられると共に、前記シール部から外側に張り出し且つ前記シール部を構成する前記吸音シートよりも厚肉の前記吸音シートで構成された外側厚肉部が設けられているダクトである。
【0007】
請求項2の発明は、前記ダクトのダクト壁を構成する前記吸音シートが厚み方向に圧縮されていて、前記外側厚肉部を構成する前記吸音シートは、前記ダクト壁を構成する前記吸音シートよりも厚肉である請求項1に記載のダクトである。
【0008】
請求項3の発明は、前記1対の鍔部には、前記鍔部の外縁部に沿った部分の前記吸音シート同士が圧着されてなり、前記シール部との間に前記外側厚肉部を挟む外側圧着部が設けられている請求項1又は2に記載のダクトである。
【0009】
請求項4の発明は、前記ダクトには、前記1対の溝形部材の接合面と平行な面内で曲がるコーナー部が設けられていて、前記外側厚肉部は、前記コーナー部の内側に配置されている請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載のダクトである。
【0010】
請求項5の発明は、前記吸音シートは、独立発泡体で構成された独立発泡層と不織布で構成された不織布層とからなる積層シートであって、前記独立発泡層が前記ダクトの内側を向くように配置されている請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載のダクトである。
【0011】
請求項6の発明は、2枚重ねにされた1対の吸音シートのそれぞれを溝状に真空成形及び/又は圧空成形して1対の溝形部材を形成すると共に、それら1対の溝形部材のうち溝開口縁から外側に張り出した1対の鍔部を重ね合わせて接合するダクトの製造方法において、前記1対の鍔部を接合するにあたり、前記1対の鍔部のうち前記溝開口縁に沿った部分の前記吸音シート同士を圧着することで前記1対の鍔部の接合部位としてのシール部を形成すると共に、前記シール部から外側に張り出し且つ前記シール部の前記吸音シートよりも厚肉の前記吸音シートで構成された外側厚肉部を形成し、前記外側厚肉部の少なくとも一部を残すように前記1対の鍔部をトリミングするダクトの製造方法である。
【0012】
請求項7の発明は、前記1対の鍔部を接合するにあたり、前記シール部より外側に位置する部分の前記吸音シート同士を圧着することで前記シール部との間に前記外側厚肉部を挟む外側圧着部を形成し、前記1対の鍔部をトリミングするにあたり、前記外側圧着部に沿ってトリミングする請求項6に記載のダクトの製造方法である。
【0013】
請求項8の発明は、前記1対の溝形部材を、前記1対の溝形部材の接合面と平行な面内で曲がるコーナー部を有する形状に形成すると共に、前記1対の鍔部のうち前記コーナー部の内側に位置する部分に前記外側厚肉部を形成する請求項6又は7に記載のダクトの製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1〜3の発明]
本発明に係るダクトでは、1対の溝形部材における1対の鍔部同士の接合が、鍔部の溝開口縁に沿った部分の吸音シート同士が圧着されてなるシール部によってなされ、そのシール部の外側に、シール部を構成する吸音シートより厚肉の吸音シートで構成された外側厚肉部が設けられている。本発明に係るダクトによれば、1対の鍔部に、圧縮されていない吸音シートで構成された部分が存在するので、シール部のみで1対の鍔部が構成された従来のダクトと比較して、ダクトの吸音性能を向上させることが可能となる。
【0015】
また、請求項2の発明では、外側厚肉部の吸音シートはダクト壁を構成する吸音シートよりも厚肉になっているので、ダクト壁を構成する吸音シートが圧縮されたことによる吸音性能の低下を外側厚肉部で補うことが可能となる。
【0016】
ここで、吸音シートは、単層シートであっても積層シートであってもよい。ここで、後者の場合、請求項3の発明のように、吸音シートを、独立発泡体で構成された独立発泡層と、不織布で構成された不織布層とからなる積層シートとし、独立発泡層が前記ダクトの内側を向くように配置されていることが好ましい。請求項3の発明によれば、ダクトの断熱性と吸音性の両方の向上が図られる。
【0017】
[請求項4の発明]
本発明によれば、1対の鍔部の外縁部同士が互いに離れることが抑えられる。
【0018】
[請求項5の発明]
本発明によれば、ダクトのコーナー部の内側に外側厚肉部が形成されるので、ダクトのコンパクト化が図られる。
【0019】
[請求項6の発明]
本発明の製造方法によれば、鍔部の溝開口縁に沿った部分の吸音シート同士を圧着して形成されるシール部の外側に、シール部よりも吸音シートが厚肉となった外側厚肉部が形成される。これにより、1対の鍔部に、吸音シートが圧縮されていない部分が形成されることとなり、1対の鍔部全体を圧着する場合と比較して、ダクトの吸音性能を向上させることが可能となる。しかも、本発明の製造方法では、1対の鍔部をシール部に沿ってトリミングする場合に切除される吸音シートを利用して外側厚肉部を形成することが可能となり、吸音シートの有効利用が図られる。また、本発明の製造方法により製造されたダクトでは、ダクト壁を構成する吸音シートが厚み方向に圧縮されるところ、外側厚肉部の吸音シートを、ダクト壁を構成する吸音シートよりも厚肉にして、ダクト壁を構成する吸音シートの吸音性能の低下を外側厚肉部で補うことが可能となる。
【0020】
[請求項7の発明]
本発明では、吸音シート同士が圧着されてなる外側圧着部に沿ってトリミングが行われるので、トリミング作業を容易に行うことが可能となる。また、トリミング後における1対の鍔部の外縁部が互いに離れることが抑えられる。
【0021】
[請求項8の発明]
本発明によれば、外側厚肉部を形成するために吸音シートの面積を大きくすることが抑えられ、ダクトの歩留りを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るダクトの使用状態を示す概略図
【
図7】真空成形途中の吸音シート及び成形型の断面図
【
図13】真空成形後の吸音シート及び成形型の断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を
図1〜
図10に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るダクト10は、空調ダクトであって、例えば、車両90におけるインストルメントパネル91の裏側に配設されて、エアコンユニット92から送給される調温空気をインストルメントパネル91に形成された吹出口91Aへと案内する。
【0024】
図2には、ダクト10のうち本発明に深く関係する部分が示されている。同図に示されるように、ダクト10は、吸音シート30で構成された1対の溝形部材21,21からなる。1対の溝形部材21,21は、溝開口21A,21A(
図4参照)が互いに向き合うように配置されている。そして、1対の溝形部材21,21のうち溝開口縁21B,21Bから外側に張り出した1対の鍔部22,22同士が重ね合わされた状態で接合されることで、1対の溝形部材21,21が筒状に形成されている。
【0025】
図2及び
図4に示すように、1対の鍔部22,22同士の接合部位は、1対の鍔部22,22のうち溝形部材21の溝開口縁21Bに沿った部分の吸音シート30,30同士が圧着されてなるシール部23によって形成されている。そして、1対の鍔部22,22には、シール部23から外側に張り出して、シール部23を構成する吸音シート30よりも厚肉の吸音シート30で構成された外側厚肉部24が設けられている。また、本実施形態のダクト10では、ダクト壁11を構成する吸音シート30が厚み方向に圧縮されていて、外側厚肉部24を構成する吸音シート30は、ダクト壁11を構成する吸音シート30よりも厚肉となっている。
【0026】
また、1対の鍔部22,22には、鍔部22の外縁部に沿って吸音シート30,30同士が圧着されてなる外側圧着部25が設けられている。そして、外側圧着部25とシール部23との間に、外側厚肉部24が挟まれている。なお、外側圧着部25を構成する吸音シート30は、シール部23を構成する吸音シート30と略同じ厚さになっている。
【0027】
ここで、
図2及び
図3に示すように、本実施形態では、ダクト10が、1対の溝形部材21,21の接合面と平行な面内で曲がるコーナー部13を有する形状になっていて、外側厚肉部24及び外側圧着部25は、コーナー部13の内側に配置された1対の鍔部22,22に形成されている。このように、本実施形態のダクト10では、1対の溝形部材21,21を接合するシール部23よりも外側に配置される外側厚肉部24及び外側圧着部25がコーナー部13の内側に配置されることで、ダクト10のコンパクト化が図られている。
【0028】
図4に示すように、吸音シート30は、独立発泡体で構成された独立発泡層31と、不織布で構成された不織布層32とからなる積層シートになっている。そして、1対の吸音シート30,30は、独立発泡層31がダクト10の内側を向くように配置されている。ここで、独立発泡層31は不織布層32よりも断熱性が高く、不織布層32は独立発泡層331よりも吸音性が高くなっている。このように、本実施形態のダクト10では、吸音シート30として独立発泡層31と不織布層32とからなる積層シートを用いることで、ダクト10の断熱性と吸音性の両方の向上が図られている。なお、独立発泡層31を構成する独立発泡体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の発泡体や、ポリウレタンの発泡体が用いられている。また、不織布層32を構成する不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含むものが用いられている。
【0029】
本実施形態に係るダクト10の構成に関する説明は以上である。次に、ダクト10の製造方法について説明する。
【0030】
ダクト10を製造するには、まず、吸音シート30が2枚用意される。吸音シート30は、独立発泡体からなる発泡体シートと、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む不織布からなる不織布シートと、を重ね合わせ、それらシートをホットメルト接着剤や熱融着等によって接合して積層シートとすることで得られる。なお、吸音シート30において、発泡体シートが独立発泡層31を形成し、不織布シートが不織布層32を形成する。
【0031】
2枚の吸音シート30,30が用意されたら、
図5に示すように、それら2枚の吸音シート30,30を、独立発泡層31側を向かい合わせた状態で間隔をあけて支持し、各吸音シート30を、独立発泡層31側と不織布層32側の両方からヒータHによって加熱する。なお、このとき、不織布層32は繊維状態が残る程度に加熱されて軟化すると共に、独立発泡層31も軟化し、吸音シート30全体が軟化した状態となる。
【0032】
図6に示すように、加熱された吸音シート30,30を、独立発泡層31側を向かい合わせた状態のまま成形型50にセットする。成形型50は、吸音シート30の厚み方向で相対的に接離する1対の分割型51,51を有し、1対の吸音シート30,30は、1対の分割型51,51の間に配置される。1対の分割型51,51の互いの対向面51M,51Mには、互いに対向配置される第1凹部52,52が形成されていて、各第1凹部52の内面には、第1凹部52内の空気を吸引するための複数の吸引口53が形成されている。そして、第1凹部52の内面が、上述した溝形部材21を成形するための成形面52Mとなっている。また、1対の分割型51,51の対向面51M,51Mには、第1凹部52,52とは別に、互いに対向配置される第2凹部54,54が形成されている。そして、各分割型51には、第1凹部52及び第2凹部54を外側から囲む外周突壁56と、第1凹部52と第2凹部54とを区画する区画突壁55と、が形成されている。
【0033】
1対の吸音シート30,30が成形型50にセットされると、
図7に示すように、成形型50が型閉めされる。すると、1対の分割型51,51が互いに接近し、外周突壁56と区画突壁55が、吸音シート30,30の一部を挟持する。ここで、吸音シート30の面積は分割型51対向面51Mの面積よりも大きくなっていて、吸音シート30は分割型51の外周突壁56よりも外側にはみ出す。なお、第1凹部52と第2凹部54の深さは、それぞれ、吸音シート30の厚みよりも大きくなっていて、成形型50が型閉めされた状態で、吸音シート30のうち第1凹部52内に配置される部分と第2凹部54内に配置される部分とは、1対の分割型51,51によって厚み方向に圧縮されないようになっている。
【0034】
次いで、成形型50の吸引口53から第1凹部52内の空気を吸引して真空成形を行うことで、
図7に示すように、1対の吸音シート30,30のうち第1凹部52,52内に配置された部分が離間し、各吸音シート30の不織布層32が成形面52Mに押し付けられて成形される。また、このとき、吸音シート30,30のうち外周突壁56と区画突壁55に挟持された部分が外周突壁56及び区画突壁55によって圧着され、吸音シート30,30同士が接合される。
【0035】
各吸音シート30の真空成形が終了すると、
図8に示すように、各吸音シート30が溝状に成形されて溝形部材21(
図4参照)が形成されると共に、1対の溝形部材21,21の鍔部22,22のうち外周突壁56,56に挟持された部分と区画突壁55,55に挟持された部分に、シール部23と外側圧着部25が形成される。また、このとき、1対の吸音シート30,30のうち第2凹部54,54内に配置された部分は、厚み方向に圧縮されることなく残り、外側厚肉部24を形成する。さらに、1対の吸音シート30,30のうち分割型51の外側にはみ出した部分についても、厚み方向に圧縮されずに残り、端縁厚肉部26を形成する。
【0036】
互いに接合された1対の溝形部材21,21を成形型50から脱型し、1対の鍔部22,22の外縁部をトリミングする。このとき、1対の鍔部22,22は、例えば、
図9の2点鎖線で示した切断線L1に沿ってトリムされ、1対の鍔部22,22から端縁厚肉部26の全体が切除される。このように、本実施形態のダクト10の製造方法では、1対の鍔部22,22をシール部23に沿ってトリミングする場合に切除される吸音シート30を利用して外側厚肉部24を形成することが可能となり、吸音シート30の有効利用が図られている。以上で、
図2に示したダクト10が完成する。
【0037】
本実施形態のダクト10の構造及び製造方法に関する説明は以上である。次に、ダクト10及びその製造方法の作用効果について説明する。
【0038】
本実施形態に係るダクト10では、1対の溝形部材21,21における1対の鍔部22,22同士の接合が、鍔部22の溝開口縁21Bに沿った部分の吸音シート30,30同士が圧着されてなるシール部23によってなされ、シール部23の外側に、シール部23を構成する吸音シート30より厚肉の吸音シート30で構成された外側厚肉部24が設けられている。このダクト10によれば、1対の鍔部22,22に、圧縮されていない吸音シート30で構成された部分が存在するので、シール部23のみで1対の鍔部22,22が構成された構造の従来のダクトと比較して、ダクト10の吸音性能を向上させることが可能となる。しかも、本実施形態のダクト10の製造方法では、1対の鍔部22,22をシール部23に沿ってトリミングする場合に切除される吸音シート30を利用して外側厚肉部24を形成することが可能となり、吸音シート30の有効利用が図られる。また、ダクト10では、ダクト壁11を構成する吸音シート30が厚み方向に圧縮されるところ、外側厚肉部24の吸音シート30を、ダクト壁11を構成する吸音シート30よりも厚肉にして、ダクト壁11を構成する吸音シート30の吸音性能の低下を外側厚肉部24で補うことが可能となる。
【0039】
また、本実施形態のダクト10では、1対の鍔部22,22の外縁部に、吸音シート30,30同士が圧着されてなる外側圧着部25が設けられているので、1対の鍔部22,22の外縁部が互いに離れることが抑えられる。これにより、ダクト10の見栄えを良くすることが可能となると共に、インストルメントパネル91(
図1参照)の裏側にある他の装置や部材に吸音シート30が引っ掛かることが抑制される。しかも、本実施形態のダクト10の製造方法によれば、吸音シート30,30同士が圧着されてなる外側圧着部25に沿ってトリミングが行われるので、トリミング作業を容易に行うことが可能となる。
【0040】
さらに、本実施形態のダクト10では、コーナー部13の内側に外側厚肉部24が形成されるので、ダクト10のコンパクト化が図られる。しかも、外側厚肉部24を形成するために吸音シート30の面積を大きくすることが抑えられ、ダクト10の歩留りを向上させることが可能となる。
【0041】
[確認実験]
吸音シート30のうちダクト壁11及びシール部23を構成する部分と外側厚肉部24を構成する部分との吸音性能の差異を実験により確認した。具体的には、JIS A1409に記載の方法に準拠して、残響室法吸音率を測定した。実験条件の詳細と実験結果は、以下の通りである。
【0042】
[実験条件]
まず、試験体のない残響室内でスピーカから音を放射し、次いで、音の放射を止めてからの音の減衰過程をマイクロホンで測定した。そして、測定された減衰曲線から、音が60dB減衰するまでの残響時間T1を求めた。次いで、試験体を残響室の床面に設置した状態で、同様に、音の減衰過程を測定し、残響時間T2を求めた。そして、それら残響時間T1,T2に基づいて、吸音率を算出した。実験例1では、試験体として、ダクト10の外側厚肉部24(
図4参照)を構成する吸音シート30(シート厚8〜10mm)を用いた。実験例2では、試験体として、ダクト10のダクト壁11及びシール部23(
図4参照)を構成する吸音シート30(シート厚3〜5mm)を用いた。各実験例における試験体の面積は、1m
2とした。詳細には、実験例1においては、複数のダクト10から切断した複数の外側厚肉部24を平面状に繋ぎ合わせたものを用い、実験例2においては、複数のダクト10から切断されたダクト壁11及びシール部23を平面状に繋ぎ合わせたものを用いた。なお、吸音シート30としては、独立発泡層31が発泡ポリエチレンシートで構成され、不織布層32がPET不織布シートで構成されたものを用いた。
【0043】
[実験結果]
図10には、実験例1,2の吸音率を周波数に対してプロットしたグラフが示されている。同図に示されるように、実験例1,2の周波数特性は同様になっていて、実験例1,2共に周波数が高くなるほど吸音率が上昇していることが分かる。また、今回測定された周波数の範囲では、全周波数に亘って、実験例1が実験例2よりも吸音率が大きくなっていることが分かる。このことから、外側厚肉部24を構成する吸音シート30の方が、ダクト壁11及びシール部23を構成する吸音シート30よりも吸音性能が高いことが確認された。
【0044】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を
図11〜
図13に基づいて説明する。
図11及び
図12に示すように、本実施形態のダクト10Vは、上記第1実施形態を変形したものであり、外側圧着部25を備えていない点が異なっている。なお、ダクト10Vのその他の構成は、上記第1実施形態のダクト10と同様になっているので、同一符号を付すことで説明を省略する。
【0045】
次に、ダクト10Vの製造方法について説明する。
図13に示すように、ダクト10Vの製造には、1対の分割型51V,51Vからなる成形型50Vが用いられる。各分割型51Vは、対向面51Mに第1凹部52のみを備える点が上記第1実施形態で説明した分割型51(
図6〜
図8参照)と異なっている。
【0046】
さて、ダクト10Vを製造するには、上記第1実施形態と同様に、1対の吸音シート30,30を成形型50Vにセットし、成形型50Vを型閉めして、各吸音シート30を真空成形する。すると、吸音シート30,30のうち第1凹部52内に配置された部分が溝状に成形されて溝形部材21V,21Vが形成されると共に、それら1対の溝形部材21V,21Vにおける1対の鍔部22V,22Vのうち1対の分割型51V,51Vの外周突壁56,56に挟持された部分が圧着されてシール部23が形成される。このとき、吸音シート30,30のうち1対の分割型51V,51Vの外周突壁56,56よりも外側にはみ出した部分によって、端縁厚肉部26が形成される。
【0047】
真空成形が終了すると、1対の溝形部材21V,21Vが成形型50Vから脱型され、1対の鍔部22V,22Vがトリミングされる。このトリミングは、端縁厚肉部26(上記第1実施形態の
図9参照)の一部が残るようになされ、その残った端縁厚肉部26によってシール部23から外側に張り出した外側厚肉部24が形成される。以上により、
図11に示したダクト10Vが完成する。
【0048】
本実施形態のダクト10V及びダクト10Vの製造方法によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。なお、本実施形態の例では、
図11及び
図12に示したように、コーナー部13の内側において、外側厚肉部24が略四角形状に形成されていたが、シール部23に沿った円弧状であってもよいし、上記第1実施形態と同様の形状になっていてもよい。
【0049】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0050】
(1)上記実施形態では、本発明を車両90の空調ダクトに適用した例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば、車両90のバッテリーを冷却するためのダクトに適用してもよい。また、本発明は、車両用のダクトに限定されるものでもない。
【0051】
(2)上記実施形態では、吸音シート30が独立発泡層31と不織布層32とからなる積層構造になっていたが、独立発泡層31の代わりに連続気泡構造の発泡シートを使用した連続発泡層と不織布層32とからなる積層構造であってもよい。また、単に、独立発泡層31や連続発泡層のみからなる単層構造であってもよい。
【0052】
(3)上記実施形態では、ダクト10,10Vがコーナー部13を有する形状であったが、ストレート状であってもよい。なお、この場合、真空成形後の1対の溝形部材21,21における1対の鍔部22,22について、トリミングが施されなくてもよい。即ち、吸音シート30,30のうち分割型51の外周突壁56から外側にはみ出した部分で形成される端縁厚肉部26(
図8及び
図9参照)がそのまま外側厚肉部24となる。
【0053】
(4)上記実施形態では、外側厚肉部24が、ダクト10におけるコーナー部13の内側に設けられていたが、
図14に示すように、コーナー部13の外側に設けられてもよい(
図14には、上記第1実施形態のダクト10を変形した例が示されている。)。なお、
図14の例では、コーナー部13の内側と外側の両方に外側厚肉部24が設けられている例が示されているが、コーナー部13の外側にのみ設けられていてもよい。
【0054】
(5)上記第1実施形態では、1対の鍔部22,22をトリミングする際、端縁厚肉部26が全て切除されていたが、端縁厚肉部26が一部残ってもよい。この場合、
図15に示すように、1対の鍔部22,22には、外側厚肉部24とは別に、端縁厚肉部26が備えられた構成となる。この場合、端縁厚肉部26も本発明の「外側厚肉部」を構成することとなる。なお、
図15の例では、ダクト10のコーナー部13の内側と外側の両方に、端縁厚肉部26が備えられた構成が示されているが、何れか一方側のみに、端縁厚肉部26が備えられてもよい。コーナー部13の内側にのみ端縁厚肉部26が備えられた構成では、ダクト10のコンパクト化が図られる。
【0055】
(6)上記第1実施形態では、真空成形にて溝形部材21を成形したが、1対の分割型51,51に挟まれた1対の吸音シート30,30間に空気を送り込む圧空成形で溝形部材21を成形してもよいし、真空成形と圧空成形を同時に行って溝形部材21を成形してもよい。また、本構成は上記第2実施形態に適用されてもよい。
【0056】
(7)上記実施形態では、外側厚肉部24において1対の吸音シート30,30が互いに貼り合わされているが、両吸音シート30,30間に空間が設けられていてもよい。その際、外側圧着部25及びシール部23によって外側厚肉部24における1対の吸音シート30,30間の空間が密封されていてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10,10V ダクト
11 ダクト壁
13 コーナー部
21,21V 溝形部材
22,22V 鍔部
23 シール部
24 外側厚肉部
25 外側圧着部
26 端縁厚肉部
30 吸音シート
31 独立発泡層
32 不織布層
【手続補正書】
【提出日】2016年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
[請求項
1,2,5の発明]
本発明に係るダクトでは、1対の溝形部材における1対の鍔部同士の接合が、鍔部の溝開口縁に沿った部分の吸音シート同士が圧着されてなるシール部によってなされ、そのシール部の外側に、シール部を構成する吸音シートより厚肉の吸音シートで構成された外側厚肉部が設けられている。本発明に係るダクトによれば、1対の鍔部に、
シール部を構成する吸音シートよりも厚肉の吸音シートで構成された部分が存在するので、シール部のみで1対の鍔部が構成された従来のダクトと比較して、ダクトの吸音性能を向上させることが可能となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
ここで、吸音シートは、単層シートであっても積層シートであってもよい。ここで、後者の場合、請求項
5の発明のように、吸音シートを、独立発泡体で構成された独立発泡層と、不織布で構成された不織布層とからなる積層シートとし、独立発泡層が前記ダクトの内側を向くように配置されていることが好ましい。請求項
5の発明によれば、ダクトの断熱性と吸音性の両方の向上が図られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
[請求項
3の発明]
本発明によれば、1対の鍔部の外縁部同士が互いに離れることが抑えられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
[請求項
4の発明]
本発明によれば、ダクトのコーナー部の内側に外側厚肉部が形成されるので、ダクトのコンパクト化が図られる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
[請求項6の発明]
本発明の製造方法によれば、鍔部の溝開口縁に沿った部分の吸音シート同士を圧着して形成されるシール部の外側に、シール部よりも吸音シートが厚肉となった外側厚肉部が形成される。これにより
、1対の鍔部全体を圧着する場合と比較して、ダクトの吸音性能を向上させることが可能となる。しかも、本発明の製造方法では、1対の鍔部をシール部に沿ってトリミングする場合に切除される吸音シートを利用して外側厚肉部を形成することが可能となり、吸音シートの有効利用が図られる。また、本発明の製造方法により製造されたダクトでは、ダクト壁を構成する吸音シートが厚み方向に圧縮されるところ、外側厚肉部の吸音シートを、ダクト壁を構成する吸音シートよりも厚肉にして、ダクト壁を構成する吸音シートの吸音性能の低下を外側厚肉部で補うことが可能となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るダクトの使用状態を示す概略図
【
図7】真空成形途中の吸音シート及び成形型の断面図
【
図11】第2実施形態に係るダクトの
一部破断斜視図
【
図13】真空成形後の吸音シート及び成形型の断面図
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
図4に示すように、吸音シート30は、独立発泡体で構成された独立発泡層31と、不織布で構成された不織布層32とからなる積層シートになっている。そして、1対の吸音シート30,30は、独立発泡層31がダクト10の内側を向くように配置されている。ここで、独立発泡層31は不織布層32よりも断熱性が高く、不織布層32は独立発泡層
31よりも吸音性が高くなっている。このように、本実施形態のダクト10では、吸音シート30として独立発泡層31と不織布層32とからなる積層シートを用いることで、ダクト10の断熱性と吸音性の両方の向上が図られている。なお、独立発泡層31を構成する独立発泡体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の発泡体や、ポリウレタンの発泡体が用いられている。また、不織布層32を構成する不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含むものが用いられている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
1対の吸音シート30,30が成形型50にセットされると、
図7に示すように、成形型50が型閉めされる。すると、1対の分割型51,51が互いに接近し、外周突壁56と区画突壁55が、吸音シート30,30の一部を挟持する。ここで、吸音シート30の面積は分割型51
の対向面51Mの面積よりも大きくなっていて、吸音シート30は分割型51の外周突壁56よりも外側にはみ出す。なお、第1凹部52と第2凹部54の深さは、それぞれ、吸音シート30の厚みよりも大きくなっていて、成形型50が型閉めされた状態で、吸音シート30のうち第1凹部52内に配置される部分と第2凹部54内に配置される部分とは、1対の分割型51,51によって厚み方向に圧縮されないようになっている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本実施形態に係るダクト10では、1対の溝形部材21,21における1対の鍔部22,22同士の接合が、鍔部22の溝開口縁21Bに沿った部分の吸音シート30,30同士が圧着されてなるシール部23によってなされ、シール部23の外側に、シール部23を構成する吸音シート30より厚肉の吸音シート30で構成された外側厚肉部24が設けられている。このダクト10によれば、1対の鍔部22,22に、
シール部23を構成する吸音シート30よりも厚肉の吸音シート30で構成された部分が存在するので、シール部23のみで1対の鍔部22,22が構成された構造の従来のダクトと比較して、ダクト10の吸音性能を向上させることが可能となる。しかも、本実施形態のダクト10の製造方法では、1対の鍔部22,22をシール部23に沿ってトリミングする場合に切除される吸音シート30を利用して外側厚肉部24を形成することが可能となり、吸音シート30の有効利用が図られる。また、ダクト10では、ダクト壁11を構成する吸音シート30が厚み方向に圧縮されるところ、外側厚肉部24の吸音シート30を、ダクト壁11を構成する吸音シート30よりも厚肉にして、ダクト壁11を構成する吸音シート30の吸音性能の低下を外側厚肉部24で補うことが可能となる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】