【解決手段】アルコールを主成分とする固形燃料の周囲に配置され、上記固形燃料の燃焼時に生じる火飛びを防止するための燃焼補助具10であって、上記燃焼補助具の高さを調節するための高さ調節機構11、12を有することを特徴とする燃焼補助具。
前記燃焼補助具は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、グラファイト、チタン、ガラス、及び、セラミックからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜5のいずれかに記載の燃焼補助具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鍋には多種多様の種類がありその形状も一定でない。また、通常、こんろは鍋と一体として用いられるため、鍋の形状に合わせこんろも製造されることになる。このような種々のこんろ全てに特許文献1に記載された加工を施す事は経済的ではない。
そこで、持ち運び及び取り外し可能な燃焼補助具を固形燃料の周囲に配置することが検討されていた。
しかし、上記の通り、鍋には多種多様の種類があるため、燃焼補助具が高い場合には、鍋底と燃焼補助具とが接触して鍋底が傷付いたり、固形燃料からの炎が適切に鍋底に届かないことがあった。また、燃焼補助具が低い場合には、鍋底と燃焼補助具との間の隙間が大きくなり、この隙間から火飛びすることがあった。
【0007】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高さの調節が可能であり、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても用いることができる燃焼補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の燃焼補助具は、アルコールを主成分とする固形燃料の周囲に配置され、上記固形燃料の燃焼時に生じる火飛びを防止するための燃焼補助具であって、上記燃焼補助具の高さを調節するための高さ調節機構を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の燃焼補助具は、固形燃料の周囲に配置される。
本発明の燃焼補助具は衝立となり、エアコンや扇風機等に起因する空気の流動により固形燃料の炎が揺らぎ、鍋底等の加熱対象に炎が当たらなくなるのを防止することができる。
【0010】
本発明の燃焼補助具は、高さを調節するための高さ調節機構を有する。そのため、燃焼補助具の高さを任意に調節することができる。従って、燃焼補助具の高さを調節することにより、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても用いることができる。そのため、燃焼補助具が高すぎることに起因して鍋底と燃焼補助具とが接触して鍋底が傷付いたり、固形燃料からの炎が適切に鍋底に届かないことを防ぐことができ、また、燃焼補助具が低すぎることに起因して鍋底と、燃焼補助具との間の隙間が大きくなり、この隙間から火飛びすることを防ぐことができる。
【0011】
本発明の燃焼補助具は、内管と、上記内管の少なくとも一部を覆う外管とからなっていてもよい。
上記燃焼補助具では、内管と外管との位置を調節することにより、容易に高さを調節することができる。
【0012】
本発明の燃焼補助具では、上記内管及び上記外管は、円筒状であり、上記高さ調節機構は、上記内管の外壁に形成された雄ねじと、上記外管の内壁に形成された雌ねじとからなるねじ機構であり、上記内管を時計回りに回転させ上記外管に上記内管をねじ込む、又は、上記内管を反時計回りに回転させ上記外管から上記内管をねじ出すことにより高さを調節することができてもよい。
【0013】
また、本発明の燃焼補助具では、上記高さ調節機構は、上記内管及び/又は上記外管に形成された高さ調節穴と、上記高さ調節穴を介し上記内管及び上記外管を固定する固定具とからなり、上記高さ調節穴は、高さ方向の異なる2箇所以上の位置に上記固定具が配置される固定具配置部を有し、いずれかの上記固定具配置部を選択して上記固定具により上記内管及び上記外管を固定することにより高さを調節することができてもよい。
【0014】
また、本発明の燃焼補助具は、高さの異なる複数の内管と、上記内管の少なくとも一部を覆う外管とからなり、上記外管の内壁には上記内管を載置するための凸部が形成されており、いずれかの上記内管を選択して上記凸部に載置することにより高さを調節することができてもよい。
【0015】
上記本発明の燃焼補助具は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、グラファイト、チタン、ガラス、及び、セラミックからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
上記燃焼補助具が上記した材料からなると、耐熱性を有し、固形燃料の燃焼により温度が上昇すると、固形燃料に対して熱を放射し易いので、固形燃料の温度をより早く上昇させることができ、固形燃料の初期火力を高めることができる。
【0016】
また、本発明の燃焼補助具は、筒状であり、上記高さ調節機構は、上記燃焼補助具の一部に形成された蛇腹形状部であり、上記蛇腹形状部を伸縮させることにより高さを調節することができてもよい。
【0017】
上記本発明の燃焼補助具は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、グラファイト及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
上記燃焼補助具が上記した材料からなると、耐熱性を有し、固形燃料の燃焼により温度が上昇すると、固形燃料に対して熱を放射し易いので、固形燃料の温度をより早く上昇させることができ、固形燃料の初期火力を高めることができる。
また、これらは塑性を有するので、燃焼補助具の高さを一定の高さに保つことができる。
【0018】
本発明の燃焼補助具には、底部が形成されていることが望ましい。
上記燃焼補助具に底部が形成されていると、燃焼補助具の底部に固形燃料を載置し、そのまま加熱用こんろに配置し、鍋底等の加熱対象を加熱することができる。
【0019】
本発明の燃焼補助具には、燃焼中の上記固形燃料に空気を供給するための貫通孔又は切欠きが形成されていることが望ましい。
本発明の燃焼補助具に貫通孔又は切欠きが形成されていると、固形燃料が燃焼している際、周囲から連続的に空気を供給できるので、不完全燃焼を防止することができ、燃焼初期から固形燃料をより強い火力で燃焼させることができる。
また、固形燃料の燃焼時に貫通孔又は切欠きから流入した空気により安定的な上昇気流が形成される。そのため、固形燃料からの炎を収束させることができ、効率よく炎を鍋底等の加熱対象に当てることができる。その結果、効率よく加熱対象を加熱することができる。
すなわち、本発明の燃焼補助具は、火飛び防止機能だけでなく、加熱対象を効率よく加熱することができる機能も有する。
【0020】
このように、本発明の燃焼補助具では、高さを調節することができれば、どのような高さ調節機構を有していてもよい。
これら高さ調節機構により燃焼補助具の高さを調節することにより、本発明の燃焼補助具は、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の燃焼補助具は、高さを調節するための高さ調節機構を有するので、燃焼補助具の高さを任意に調節することができる。従って、燃焼補助具の高さを調節することにより、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても適切な高さとすることができる。そのため、燃焼補助具が高すぎることに起因して鍋底と燃焼補助具とが接触して鍋底が傷付いたり、固形燃料からの炎が適切に鍋底に届かないことを防ぐことができ、また、燃焼補助具が低すぎることに起因して鍋底と、燃焼補助具との間の隙間が大きくなり、この隙間から火飛びすることを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の燃焼補助具について、具体的な実施形態を示しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態だけに限定されるものではない。
【0024】
本発明の燃焼補助具は、アルコールを主成分とする固形燃料の周囲に配置され、上記固形燃料の燃焼時に生じる火飛びを防止するための燃焼補助具であって、上記燃焼補助具の高さを調節するための高さ調節機構を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の燃焼補助具は、固形燃料の周囲に配置される。
本発明の燃焼補助具は衝立となり、エアコンや扇風機等に起因する空気の流動により固形燃料の炎が揺らぎ、鍋底等の加熱対象に炎が当たらなくなるのを防止することができる。
【0026】
本発明の燃焼補助具は、高さを調節するための高さ調節機構を有する。そのため、燃焼補助具の高さを任意に調節することができる。従って、燃焼補助具の高さを調節することにより、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても用いることができる。そのため、燃焼補助具が高すぎることに起因して鍋底と燃焼補助具とが接触して鍋底が傷付いたり、固形燃料からの炎が適切に鍋底に届かないことを防ぐことができ、また、燃焼補助具が低すぎることに起因して鍋底と、燃焼補助具との間の隙間が大きくなり、この隙間から火飛びすることを防ぐことができる。
【0027】
本発明の燃焼補助具では、高さを調節することができれば、どのような高さ調節機構を有していてもよい。
これら高さ調節機構により燃焼補助具の高さを調節することにより、本発明の燃焼補助具は、どのような形状のこんろと鍋との組み合わせに対しても用いることができる。
【0028】
(第一実施形態)
本発明の燃焼補助具としては、例えば、内管と、内管の少なくとも一部を覆う外管とからなるものがあげられる。
内管と外管との位置を調節することにより、容易に高さを調節することができる。
【0029】
このような本発明の燃焼補助具の一実施形態である第一実施形態に係る燃焼補助具について図面を用いて説明する。
以下説明する本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具では、高さ調節機構が、内管の外壁に形成された雄ねじと、外管の内壁に形成された雌ねじとからなるねじ機構である。
【0030】
図1は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の一例を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示す本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具を構成する内管及び外管の一例を模式的に示す斜視図である。
図3(a)及び(b)は、
図1に示す本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の調節機構により燃焼補助具の高さを調節する方法を模式的に示す斜視図である。
図4は、固形燃料を備えた加熱用こんろに
図1に示す本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具を載置した一例を模式的に示す斜視図である。
図5は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の別の一例を模式的に示す斜視図である。
【0031】
図1に示す燃焼補助具10は、円筒状の内管11と円筒状の内管11の一部を覆う外管12とからなり、内管11と外管12とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔15が形成されている。
そして、内管11は上に配置され、外管12は下に配置されている。
【0032】
図2に示すように、内管11の外壁には雄ねじ13が形成されており、外管12の内壁には雌ねじ14が形成されている。
【0033】
図3(a)に示すように、内管11を時計回りに回転させ、外管12に内管11をねじ込むことにより、燃焼補助具10の高さを低くすることができる。
また、
図3(b)に示すように、内管11を反時計回りに回転させ、外管12から内管11をねじ出すことにより、燃焼補助具の高さを高くすることができる。
このように内管11と外管12との位置を調節することで、容易に燃焼補助具の高さを調節することができる。
なお、
図3(a)及び(b)では、燃焼補助具10の機能を分かりやすく説明するため、貫通孔の記載を省略している。
【0034】
すなわち、燃焼補助具10において、高さ調節機構は、内管11の外壁に形成された雄ねじ13と、外管12の内壁に形成された雌ねじ14とからなるねじ機構である。
【0035】
また、高さを調節した後、ねじやクリップ等の固定具を用いて内管11と外管12とを固定し、燃焼補助具10の高さを固定してもよい。
さらに、高さを調節後、再度、高さを調節する必要がない場合には、接着剤等を用いて内管11と外管12とを完全に固定してもよい。
【0036】
図4に示す加熱用こんろ100は、上部が開口した箱形状をなしており、四角形状の底部101と底部101の周囲に形成された側壁部102とからなり、上部は開口している。側壁部102の上部には、内側に張り出した張出部105が設けられており、この張出部105に鍋等を支持するための五徳103が形成されている。また、底部101の中央には、固形燃料104を載置するための固形燃料載置部101aが形成されている。燃焼補助具10は、
図4に示すように、固形燃料104の周囲を囲むように配置される。
燃焼補助具10には、貫通孔15が形成されているので、固形燃料104が燃焼している際、周囲から連続的に空気を供給でき、不完全燃焼を防止することができ、燃焼初期から固形燃料104をより強い火力で燃焼させることができる。
また、固形燃料104の燃焼時に貫通孔15から流入した空気により安定的な上昇気流が形成される。そのため、固形燃料104からの炎を収束させることができ、効率よく炎を鍋等の加熱対象に当てることができる。その結果、効率よく加熱対象を加熱することができる。
すなわち、燃焼補助具10は、火飛び防止機能だけでなく、加熱対象を効率よく加熱することができる機能も有する。
【0037】
なお、固形燃料104は、特に限定されるものではないが、アルコールとアルコールを固化させる難燃性の固形分とを含有するものが好ましい。
アルコールとしては、メタノールが望ましく、難燃性の固形分としては、ステアリン酸等の脂肪酸のアルカリ金属塩(石鹸成分)が望ましい。
【0038】
図1では、燃焼補助具10に貫通孔15が形成されているが、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具には、必ずしも貫通孔が形成されている必要はなく、
図5に示すように、内管11の上部や外管12の下部に、貫通孔15の代わりに、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための長方形状の切欠き16が形成されていてもよい。切欠き16の数も、特に限定されるものではないが、側面に2箇所以上形成されていることが望ましく、充分に空気を供給するためには、側面全体に一定の間隔で設けられていることがより望ましい。なお、切欠きの形状は、切欠きのない円筒形状から切り取った破片の形状をいうものとする。
【0039】
燃焼補助具10では、貫通孔や切欠きの合計面積は、100〜1000mm
2が望ましく、その形状は、特に限定されるものではなく、長方形等の多角形、円形、楕円形等があげられる。多角形の場合、角部に曲線面取りが行われていてもよい。
【0040】
燃焼補助具10は、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、グラファイト、チタン、ガラス、及び、セラミックからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
セラミックとしては、陶磁器、アルミナ、ジルコニア、コージュライト、ムライト等の酸化物セラミック等が挙げられる。
また、燃焼補助具10は、板材、鋳造材、押出材、クラッド材、網地、パンチングメタル、エキスパンドメタル等を加工することにより形成したものであってよい。
燃焼補助具10が上記した材料からなると、耐熱性を有し、固形燃料の燃焼により温度が上昇すると、固形燃料に対して熱を放射し易いので、固形燃料の温度をより早く上昇させることができ、固形燃料の初期火力を高めることができる。
【0041】
燃焼補助具10では、内管11の直径は15〜110mmであることが望ましく、20〜50mmであることがより望ましい。また、内管11の高さは、10〜100mmであることが望ましく、15〜60mmであることがより望ましい。また、内管11の厚さは、0.5〜1.5mmであることが望ましい。
燃焼補助具10では、外管12の直径は16〜113mmであることが望ましく、51〜63mmであることがより望ましい。また、外管12の高さは、10〜100mmであることが望ましく、15〜60mmであることがより望ましい。また、外管12の厚さは、0.5〜1.5mmであることが望ましい。
また、燃焼補助具10の高さは、10〜105mmの間で調節できることが望ましく、20〜50mmの間で調節できることがより望ましい。
【0042】
内管の直径が15mm未満であると、固形燃料を燃焼補助具の内部に入れることが困難になる場合がある。
内管の直径が110mmを超えると、固形燃料の搭載位置がずれやすく、固形燃料による加熱位置もずれやすくなる。
使用時の燃焼補助具の高さが10mm未満であると、燃焼補助具の高さが低すぎるため、燃焼補助具としての効果を発揮することが難しくなる。
使用時の燃焼補助具の高さが105mmを超えると、加熱対象となる鍋等を高い位置にセットする必要が生じ、固形燃料の火炎が届きにくくなり、加熱対象を充分に加熱することが難しくなる。
【0043】
これまで、内管11を上に配置し、外管12を下に配置した燃焼補助具10について説明してきたが、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具では、内管を下に配置し、外管を上に配置して用いてもよい。つまり、燃焼補助具10を逆さまにして用いてもよい。このような態様を図面を用いて説明する。
【0044】
図6は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の別の一例を模式的に示す斜視図である。
図6に示す燃焼補助具10は、円筒状の内管11´と円筒状の内管11´の一部を覆う外管12´とからなり、内管11´と外管12´とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔15が形成されている。
また、内管11´の外壁には雄ねじ13が形成されており、外管12´の内壁には雌ねじ14が形成されている。そして、内管11´は下に配置され、外管12´は上に配置されている。
本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具は、このような状態で用いてもよい。
【0045】
本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具には底部が形成されていてもよい。
すなわち、燃焼補助具において、下に配置されることになる内管又は外管に底部が形成されていてもよい。
このような底部が形成されていると、燃焼補助具の底部に固形燃料を載置し、そのまま加熱用こんろに配置し、鍋底等の加熱対象を加熱することができる。
【0046】
(第二実施形態)
次に、本発明の燃焼補助具が、内管と外管とからなる場合の別の一例について図面を用いて説明する。
以下説明する本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、高さ調節機構が、外管に形成された高さ調節穴と、高さ調節穴を介し内管及び外管を固定する固定具とからなり、高さ調節穴は、高さ方向の異なる2箇所以上の位置に固定具が配置される固定具配置部を有する。
【0047】
図7は、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具の一例を模式的に示す斜視図である。
図8は、
図7に示す本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具を構成する内管、外管及び固定具の一例を模式的に示す斜視図である。
図9(a)及び(b)は、
図7に示す本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具の調節機構により燃焼補助具の高さを調節する方法を模式的に示す斜視図である。
図10は、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具の別の一例を模式的に示す斜視図である。
【0048】
図7に示す燃焼補助具20は、円筒状の内管21と円筒状の内管21の一部を覆う外管22とからなり、内管21と外管22とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔25が形成されている。
そして、内管21は上に配置され、外管22は下に配置されている。
【0049】
また、
図8に示すように、内管21の下部の外壁には、雄ねじが形成された固定具23aが形成されている。外管22には高さ調節穴24が形成されている。また、雌ねじが形成された固定具23bは、固定具23aと組み合わせて使用する別の部材である。
高さ調節穴24は、外管22の下部に円周方向に沿って形成された長方形状の穴である下部固定具配置部24aと、外管22の上部に円周方向に沿って形成された長方形状の穴である上部固定具配置部24bと、下部固定具配置部24a及び上部固定具配置部24bを繋ぐように外管22の高さ方向に沿って形成された連結穴24cとからなる。
図7に示すように、内管21に形成された雄ねじが形成された固定具23aを、外管22に形成された高さ調節穴24に入れ、さらにその外側から雌ねじが形成された固定具23bを適用してこれを締めることで、内管21と外管22とは固定される。
【0050】
図9(a)に示すように、雄ねじが形成された固定具23aを下部固定具配置部24aに配置し、雌ねじが形成された固定具23bで固定することにより燃焼補助具20の高さを低くすることができる。
図9(b)に示すように、雄ねじが形成された固定具23aを上部固定具配置部24bに配置し、雌ねじが形成された固定具23bで固定することにより燃焼補助具20の高さを高くすることができる。
このような方法で、燃焼補助具20の高さを調節することができる。
なお、
図9(a)及び(b)では、燃焼補助具20の機能を分かりやすく説明するため、貫通孔の記載を省略している。
【0051】
すなわち、燃焼補助具20において高さ調節機構は、内管21の外壁に形成された雄ねじが形成された固定具23aと、雌ねじが形成された固定具23bとからなる固定具と、外管22に形成された高さ調節穴24とである。
【0052】
燃焼補助具20では、内管21に雄ねじが形成された固定具23aが形成されており、外管22に高さ調節穴24が形成されていたが、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、内管に高さ調節穴が形成されており、外管に固定具が形成されていてもよい。
【0053】
燃焼補助具20では、高さ調節穴24は、高さ方向の異なる2箇所の位置に固定具が配置される固定具配置部(すなわち、下部固定具配置部24a及び上部固定具配置部24b)を有していたが、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、固定具配置部は3箇所以上あってもよい。
これにより、段階的に燃焼補助具の高さを調節することができる。
【0054】
また、
図7に示す燃焼補助具20では、高さ調節穴24では、連結穴24cは、外管22の高さ方向に沿って形成されていたが、
図10に示すように、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、連結穴24cは外管22の高さ方向に対し斜めになるように形成されていてもよい。
また、連結穴24cが外管22の高さ方向に対し斜めなるように形成されている場合には、連結穴24cの外管22の高さ方向に対する角度は、10〜45°であることが望ましい。
燃焼補助具に高さ調節穴が形成されていると、その部分には部材がないため機械的強度が弱くなる。そのため、外部から圧力を受けると高さ調節穴を起点に燃焼補助具が壊れやすくなる。上記のように連結穴が外管の高さ方向に対し斜めになるように形成されていると、高さ方向の圧力を分散させることができる。従って、高さ方向の圧力に対し強くなる。
【0055】
本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、加熱用こんろに用いることができる。
【0056】
これまで、内管21を上に配置し、外管22を下に配置した燃焼補助具20について説明してきたが、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、内管を下に配置し、外管を上に配置して用いてもよい。つまり、燃焼補助具20を逆さまにして用いてもよい。このような態様を図面を用いて説明する。
【0057】
図11は、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具の別の一例を模式的に示す斜視図である。
図11に示す燃焼補助具20は、円筒状の内管21´と円筒状の内管21´の一部を覆う外管22´とからなり、内管21´と外管22´とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔25が形成されている。
また、内管21´は下に配置され、外管22´は上に配置されている。
さらに、内管21´の上部の外壁には、雄ねじが形成された固定具23aが形成されており、外管22´には高さ調節穴24が形成されている。
そして、内管21´に形成された雄ねじが形成された固定具23aを、外管22´に形成された高さ調節穴24に入れ、さらにその外側から雌ねじが形成された固定具23bを適用してこれを締めることで、内管21´と外管22´とが固定されている。
本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具は、このような状態で用いてもよい。
【0058】
図7〜10では、内管の外壁に形成された雄ねじが形成された固定具23aと、雌ねじが形成された固定具23bとからなる固定具により内管及び外管を固定する場合について説明したが、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、高さ調節穴を介し内管及び外管を固定することができれば、固定具はどのような形状・形態であってもよい。
特に、本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具では、固定具配置部が繋がっているので、固定具が固定具配置部間を移動できれば内管と外管とが分離できないようになっていてもよい。このような形態としては、リベット状の棒を内管又は外管に形成された高さ調節穴に挿入し、リベット状の棒の脚部を内管又は外管に溶接した形態があげられる。このような形態の場合、リベット状の棒を移動させることにより燃焼補助具の高さを調節することができる。
【0059】
(第三実施形態)
次に、本発明の燃焼補助具が、内管と外管とからなる場合の別の一例について図面を用いて説明する。
以下説明する本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、高さ調節機構が固定具と高さ調節穴とである点では、
図7に示す本発明の第二実施形態に係る燃焼補助具と同じであるが、高さ調節穴が内管に形成されていること、及び、固定具が内管及び外管に形成されていない別部材である点が異なる。
【0060】
図12は、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具の一例を模式的に示す斜視図である。
図13は、
図12に示す本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具を構成する内管、外管及び固定具の一例を模式的に示す斜視図である。
図14(a)及び(b)は、
図12に示す本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具の調節機構により燃焼補助具の高さを調節する方法を模式的に示す斜視図である。
【0061】
図12に示す燃焼補助具30は、円筒状の内管31と円筒状の内管31の一部を覆う外管32とからなり、内管31と外管32とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔35が形成されている。内管31と外管32とは、雄ねじが形成された固定具33a及び雌ねじが形成された固定具33bにより固定されている。
そして、内管31は上に配置され、外管32は下に配置されている。
また、
図13に示すように、内管31の上部には円形の高さ調節穴34a
1が形成されており、内管31の下部には円形の高さ調節穴34a
2が形成されている。また、外管32の上部には円形の固定具用穴34bが形成されている。また、雄ねじが形成された固定具33a及び雌ねじが形成された固定具33bは、内管31及び外管32と別の部材である。
【0062】
図14(a)に示すように、内管31の上部に形成された高さ調節穴34a
1と、外管32の固定具用穴34bに雄ねじが形成された固定具33aを挿入し、雌ねじが形成された固定具33bで固定することにより燃焼補助具30の高さを低くすることができる。
図14(b)に示すように、内管31の下部に形成された高さ調節穴34a
2と、外管32の固定具用穴34bに雄ねじが形成された固定具33aを挿入し、雌ねじが形成された固定具33bで固定することにより燃焼補助具30の高さを高くすることができる。
このような方法で、燃焼補助具30の高さを調節することができる。
なお、
図14(a)及び(b)では、燃焼補助具30の機能を分かりやすく説明するため、貫通孔の記載を省略している。
【0063】
すなわち、燃焼補助具30において、固定具配置部は、内管31の下部に形成された高さ調節穴34a
1と、内管31の上部に形成された高さ調節穴34a
2とである。
また、燃焼補助具30において、高さ調節機構は、内管31の下部に形成された高さ調節穴34a
1と、内管31の上部に形成された高さ調節穴34a
2と、外管32の固定具用穴34bとからなる高さ調節穴と、雄ねじが形成された固定具33aと、雌ねじが形成された固定具33bとからなる固定具である。
【0064】
燃焼補助具30では、内管31には、高さ方向の異なる2箇所の位置に高さ調節穴34a
1と高さ調節穴34a
2とが形成されていたが、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、内管の高さ方向の異なる3箇所以上の位置に高さ調節穴である固定具配置部が形成されていてもよい。
また、燃焼補助具30では、外管32には一つの固定具用穴34bのみが形成されていたが、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、外管の高さ方向の異なる2箇所以上の位置に固定具用穴を形成してもよい。これにより固定具用穴を高さ調節穴及び固定具配置部として用いることができる。
このように、高さ調節穴の数を増やすことで、段階的に燃焼補助具の高さを調節することができる。
【0065】
燃焼補助具30では、高さ調節穴34a
1、高さ調節穴34a
2及び固定具用穴34bは円形であったが、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、これらの形状は特に限定されず、例えば、三角形や、四角形等の形状であってもよい。
【0066】
本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、加熱用こんろに用いることができる。
【0067】
これまで、内管31を上に配置し、外管32を下に配置した燃焼補助具30について説明してきたが、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、内管を下に配置し、外管を上に配置して用いてもよい。つまり、燃焼補助具30を逆さまにして用いてもよい。このような態様を図面を用いて説明する。
【0068】
図15は、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具の別の一例を模式的に示す斜視図である。
図15に示す燃焼補助具30は、円筒状の内管31´と円筒状の内管31´の一部を覆う外管32´とからなり、内管31´と外管32´とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔35が形成されている。内管31´と外管32´とは、雄ねじが形成された固定具33a及び雌ねじが形成された固定具33bにより固定されている。
そして、内管31は下に配置され、外管32は上に配置されている。
本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具は、このような状態で用いてもよい。
【0069】
図11〜15では、雄ねじが形成された固定具33a及び雌ねじが形成された固定具33bにより内管及び外管を固定する場合について説明したが、本発明の第三実施形態に係る燃焼補助具では、高さ調節穴を介し内管及び外管を固定することができれば、固定具はどのような形状・形態であってもよい。
例えば、高さ調節穴にリベット状の棒を差し込み、リベット状の棒の脚部をクリップ等で留めることにより内管及び外管を固定してもよい。
【0070】
(第四実施形態)
次に、本発明の燃焼補助具が、内管と外管とからなる場合の別の一例について図面を用いて説明する。
以下説明する本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具は、高さの異なる複数の内管と、前記内管の少なくとも一部を覆う外管とからなり、外管の内壁には内管を載置するための凸部が形成されており、いずれかの内管を選択して凸部に載置することにより高さを調節することができる。
【0071】
図16は、本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具の一例を模式的に示す斜視図である。
図17は、
図16に示す本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具を構成する内管及び外管の一例を模式的に示す斜視図である。
図18(a)及び(b)は、
図16に示す本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具の調節機構により燃焼補助具の高さを調節する方法を模式的に示す斜視図である。
【0072】
図16に示す燃焼補助具40では、円筒状の内管41と円筒状の内管41の一部を覆う外管42とからなり、内管41と外管42とには、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔45が形成されている。
図17に示すように、内管41には、高さが低い内管41sと、高い内管41tの2種類がある。また、外管42の内壁には内管41を載置するための凸部43が形成されている。
【0073】
図18(a)に示すように、内管41sを選択し、外管42の凸部43に内管41sを載置することにより、燃焼補助具40の高さを低くすることができる。
図18(b)に示すように、内管41tを選択し、外管42の凸部43に内管41tを載置することにより、燃焼補助具40の高さを高くすることができる。
なお、
図18(a)及び(b)では、燃焼補助具40の機能を分かりやすく説明するため、貫通孔の記載を省略している。
【0074】
燃焼補助具40では、内管41の種類は2種類であったが、本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具では、内管の種類は、高さの異なる3種以上であってもよい。
高さの異なる複数種類の内管を用いることにより、段階的に燃焼補助具の高さを調節することができる。
【0075】
本発明の第四実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、加熱用こんろに用いることができる。
【0076】
(第二実施形態〜第四実施形態に係る燃焼補助具の他の態様)
本発明の第二実施形態〜第四実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、貫通孔の代わりに切欠きが形成されていてもよい。
また、貫通孔や切欠きの形状や、その合計面積や、材料や、底部の形成等も本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の記載と同様であることが望ましい。
【0077】
これまでの説明では、燃焼補助具20、燃焼補助具30及び燃焼補助具40の内管及び外管が円筒状である場合について説明してきたが、本発明の第二実施形態〜第四実施形態に係る燃焼補助具の内管及び外管は、筒状であればどのような形状であってもよい。筒状の形状としては、長手方向の断面が、三角形や、四角形や、五角形等の多角形や、楕円等である筒状の形状があげられる。
なお、本発明の第二実施形態〜第四実施形態に係る燃焼補助具の内管及び外管が円筒状である場合、内管の直径は15〜110mmであることが望ましく、20〜50mmであることがより望ましい。また、内管の高さは、10〜100mmであることが望ましく、15〜60mmであることがより望ましい。また、内管の厚さは、0.5〜1.5mmであることが望ましい。
外管の直径は16〜113mmであることが望ましく、51〜63mmであることがより望ましい。また、外管の高さは、10〜100mmであることが望ましく、15〜60mmであることがより望ましい。また、外管の厚さは、0.5〜1.5mmであることが望ましい。
また、本発明の第二実施形態〜第四実施形態に係る燃焼補助具の高さは、10〜105mmの間で調節できることが望ましく、20〜50mmの間で調節できることがより望ましい。
【0078】
(第五実施形態)
次に、燃焼補助具が筒状であり、高さ調節機構が燃焼補助具の一部に形成された蛇腹形状部である場合の一例、すなわち、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具について図面を用いて説明する。
【0079】
図19は、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具の一例を模式的に示す斜視図である。
図20(a)及び(b)は、
図19に示す本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具の調節機構により燃焼補助具の高さを調節する方法を模式的に示す斜視図である。
【0080】
図19に示す燃焼補助具50は円筒状であり、中部に蛇腹形状部51が形成されている。
また、燃焼補助具50には、燃焼中の固形燃料に空気を供給するための貫通孔55が形成されている。
【0081】
図20(a)及び(b)に示すように、燃焼補助具50では、蛇腹形状部51を伸縮させることにより高さを調節することができる。
なお、
図3(a)及び(b)では、燃焼補助具50の機能を分かりやすく説明するため、貫通孔の記載を省略している。
【0082】
燃焼補助具50には貫通孔55が形成されているが、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具では、貫通孔の代わりに切欠きが形成されていてもよい。本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具おける貫通孔や切欠きの面積は、100〜1000mm
2が望ましく、その形状は、特に限定されるものではなく、長方形等の多角形、円形、楕円形等があげられるが、高さ方向が長い長方形が好ましい。多角形の場合、角部に曲線面取りが行われていてもよい。
【0083】
燃焼補助具50は、特に限定されないが、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、グラファイト及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
燃焼補助具50が上記した部材からなると、耐熱性を有し、固形燃料の燃焼により温度が上昇すると、固形燃料に対して熱を放射し易いので、固形燃料の温度をより早く上昇させることができ、固形燃料の初期火力を高めることができる。
また、これらは塑性を有するので、燃焼補助具50の高さを一定の高さに保つことができる。
【0084】
図19に示す燃焼補助具50は円筒状であったが、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具は、長手方向の断面が、三角形や、四角形や、五角形等の多角形や、楕円等である筒状の形状であってもよい。
また、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具の厚さは、0.5〜1.5mmであることが望ましい。
また、本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具の高さは、10〜105mmの間で調節できることが望ましく、20〜50mmの間で調節できることがより望ましい。
【0085】
本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、加熱用こんろに用いることができる。
【0086】
本発明の第五実施形態に係る燃焼補助具は、本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具と同様に、貫通孔の代わりに切欠きが形成されていてもよい。
また、貫通孔や切欠きの形状や、その合計面積や、材料や、底部の形成等も本発明の第一実施形態に係る燃焼補助具の記載と同様であることが望ましい。