【課題】本発明は、クラックゲージを点検個所のクラックに密着させた状態に容易に設定することができクラックを正確に測定することが可能となる構造物用点検具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】構造物用点検具1は、中心部2bから周縁部に行くにしたがい拡径するように形成されるとともに周縁開口2aに平面状のクラックゲージ板6を固定した透明材料からなる押え体2と、押え体2を支持する棒状の支持体3と、押え体2の中心部2b及び支持体3の先端部を揺動可能に連結する連結部4と、連結部4に取り付けられるとともにクラックゲージ板6の中心に形成された中心孔6aまで延設された支点バー5を備えている。
中心部から周縁部に行くにしたがい拡径するように形成されるとともに周縁開口に平面状のクラックゲージ板を固定した透明材料からなる押え体と、前記押え体を支持する棒状の支持体と、前記押え体の中心部及び前記支持体の先端部を揺動可能に連結する連結部とを備えている構造物用点検具。
請求項1から5のいずれかに記載の構造物用点検具の前記支持部を取り付ける挿着体と、前記挿着体を回動させて前記支持部を回動させる回動駆動部と、前記支持部の水平方向及び上下方向の回動角度を調整する角度調整部とを備えている構造物用点検動作装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態の構造物用点検具に関する平面図(
図1(a))及び正面図(
図1(b))である。構造物用点検具1は、中心部2bから周縁部に行くにしたがい拡径するように形成されるとともに周縁開口2aに平面状のクラックゲージ板6を固定した透明材料からなる押え体2と、押え体2を支持する棒状の支持体3と、押え体2の中心部及び支持体3の先端部を揺動可能に連結する連結部4と、連結部4に取り付けられるとともにクラックゲージ板6の中心に形成された中心孔6aまで延設された支点バー5を備えている。
【0013】
押え体2は、中心部2bから周縁部に行くにしたがい拡径して末広がりに形成されており、透明樹脂等の透明材料を用いて肉薄に成形されている。押え体2の周縁部には、円形の周縁開口2aが形成されており、周縁開口2aを覆うようにクラックを測定するクラックゲージ板6が固定されている。この例では、押え体2は、円錐台状に形成されているが、末広がりに形成されていればよく、角錐台状に形成することもできる。クラックゲージ板6には、クラックの溝幅を測定するために幅の異なる目盛Sが周辺部に表示されており、クラックの長さを測定するために中心から径方向にライン状の目盛が表示されている。こうしたクラックゲージ板6は、公知のものを用いることができ、円板状や矩形状の公知のクラックゲージ板を押え体2の周縁開口2aに着脱可能に固定すればよい。押え体2の中心部2bは、平面状に形成されて連結部4に取り付けるための取付孔及び支点バー5が通過する通過孔が穿設されている。
【0014】
支持体3は、押え体2を支持して点検個所にクラックゲージ板6を配置して押し当てるために用いる。この例では、直線状の棒状のものを用いているが、押え体2を支持してクラックゲージ板6を点検個所に押し当てることができる形状であれば、一部曲線状の形状のものを用いることもできる。支持体3は、伸縮可能な棒状の筒体7の先端部に挿入されて取付固定されている。そのため、点検作業者が筒体7を把持して点検箇所の位置に合わせて筒体7の長さを調整すれば、手の届かない離れた点検箇所にもクラックゲージ板6を押し当てて点検を行うことができ、構造物の広い範囲について点検作業を行うことが可能となる。なお、支持体3を筒体7から取り外して、点検作業者が直接把持して使用することもでき、点検箇所に応じて使用形態を適宜選択すればよい。
【0015】
連結部4は、自在継手の構造を備えており、支持体3に対して押え体2をいずれの方向にも揺動可能となるように連結している。
図2は、押え体2及び連結部4に関する一部拡大断面図である。連結部4は、押え体2を中心部2bの取付孔にネジ等を挿着して固定する取付台40を備えており、取付台40の中心には、支点バー5を立設するようになっている。支点バー5は、押え体2の中心軸に沿うように設定されており、後述するように、支点バー5が点検個所に当接して位置決めするとともに支持体3からの押圧力に対して押え体2を支持し、押え体2をクラックゲージ板6とともに容易に回動又は移動させることができる。また、支点バー5を支点軸Fとして押え体2の回動動作を安定して行うことが可能となる。
【0016】
取付台40の支持体3側には、接続部材41が立設されており、接続部材41の支持体3側の端部には第一軸部材42が支点軸Fと直交する方向に固定されている。第一軸部材42の支持体3側には、中間部材43が配設されており、第一軸部材42は中間部材43の支点バー5側に回転可能に軸支されている。中間部材43の支持体3側の端部には、第二軸部材44が支点軸F及び第一軸部材42のいずれとも直交する方向に固定されている。第二軸部材44の支持体3側には取付部材45が配設されており、第二軸部材44は取付部材45の支点バー5側に回転可能に軸支されている。そして、取付部材45は、支持体3の先端部に固定されている。
【0017】
取付台40から取付部材45の間の周囲には、コイルバネからなる弾性部材46が各部材を囲むように取り付けられており、取付台40及び取付部材45を互いに接近する方向に付勢している。弾性部材46は、支点軸Fに対して対称となる位置においてほぼ同じ付勢力を作用させているため、
図2に示すように、取付台40に立設する支点バー5が支持体3の長手方向に沿うように取付台40が保持されるようになり、支持体3に対して押え体2を不用意に揺動させることなく常時一定の位置に維持することができる。
【0018】
連結部4は、各部材がこのように連結されているため、中間部材43が取付部材45に対して所定の方向に回動するようになると同時に接続部材41が中間部材43に対して所定の方向とは直交する方向に回動するようになるため、接続部材41に固定された取付台40は、いずれの方向にも揺動可能な自在継手として機能するようになる。そのため、支持体3に対して押え体2がいずれの方向にも揺動して傾斜した状態に設定することができ、支持体3を長手方向を中心として回動させた場合に押え体2を傾斜した状態でも支持体3と連動させて回動させることが可能となる。
【0019】
図3は、天井面C及び壁面Wに押え体2を押し当てた状態を示す説明図である。支持体3を同じ方向に設定したまま支点バー5を点検個所に当接することで、押え体2は点検個所の表面に沿うように揺動して周縁開口に固定したクラックゲージ板6が表面に密着するように押し当てられるようになる。押え体2の周縁開口2aは、クラックゲージ板6の周辺部に固定されているため、周縁開口2aによりクラックゲージ板6の周辺部がライン状に全周にわたって押圧されるようになり、クラックゲージ板6の周辺部を浮き上がらせることなく確実に密着した状態に設定することができる。そのため、クラックゲージ板6の周辺部に表示された目盛がクラックに密着した状態となって正確に目盛を読み取ることが可能となる。
【0020】
そして、弾性部材46が設けられているので、押え体2が点検個所に押し当てられていずれかの方向に傾斜した場合には、傾斜により圧縮変形された側の弾性力により元の位置に戻るように付勢力が作用するようになり、押え体2をクラックゲージ板6とともに点検個所に安定した当接状態に設定することができる。
【0021】
そのため、天井面Cに対して点検作業を行った後押え体2を点検個所から離間させることで、弾性部材46の付勢力により自動的に元の位置に戻るようになる。次に、壁面Wに押え体2を押し当てることで、押え体2が壁面Wに沿うように揺動してクラックゲージ板6を壁面Wに密着した状態に設定することができ、次の点検個所に対して作業者が移動することなく次の点検作業を行うことができ、作業効率を格段に向上させることが可能となる。
【0022】
図4は、構造物用点検具1を用いてクラックの溝幅を測定する過程を示す説明図である。まず、
図4(a)に示すように、点検個所の表面に生じたクラックKに対して、押え体2を移動させてクラックゲージ板6の目盛Sが重なるように位置決めして押し当てる。その際に、支点バー5を表面に立設するように当接させることで、押圧力に対して押え体2を安定した状態に設定することができる。また、支点バー5により押え体2及びクラックゲージ板6を支えることで、両者の回動動作を容易に行うことができる。そして、クラックゲージ板6に表示された目盛Sの1つをクラックKに沿うように位置調整する。
【0023】
次に、
図4(b)に示すように、支持体3を長手方向を中心に回動させることで、押え体2を支点軸を中心に回動させ、クラックKに対してクラックゲージ板6の幅の異なる目盛Sを順次当てていき、最もクラックKの溝幅に近い幅の目盛Sを読み取ることで、クラックKの溝幅を測定することができる。この場合、クラックKに対して目盛Sが沿うようにクラックゲージ板6を位置決めしておけば、支持体3の回転動作だけで目盛Sをクラックに対して順次正確に当てていくことができ、迅速的確に点検作業を行うことが可能となる。また、クラックの長さに対してもクラックゲージ板6の径方向のライン状目盛をクラックに沿うように押え体2を回動させることで、効率よく正確に測定することができる。
【0024】
上述したクラックゲージ板6を用いてクラックの溝幅及び長さを読み取る場合には、押え体2が透明材料で構成されているため、点検箇所が近い場所では肉眼で読み取ることができ、点検箇所が遠い場所では小型カメラ等を支持体3や筒体7の先端部に取り付けておき、遠隔操作で撮影しながら読み取ることもできる。
【0025】
図5は、構造物用点検具1を取り付けた多機能点検具100に関する正面図であり、
図6は、その平面図である。多機能点検具100は、長手方向に伸縮可能に構成された棒状の支持部110の先端部に構造物用点検具1の支持体3を取り付けた構造物用点検具であり、転動ヘッド131により打撃点検を行う打撃点検部130を備えることで、クラックの測定とともに打撃点検も併せて行う多機能の点検具となっている。そして、点検個所に合わせて支持部110を伸縮して長さを調整することで、押え体2を確実に点検個所に配置することができる。
【0026】
この例では、支持体3が取り付けられるとともに支持体3を支持部110の長手方向に沿って回動させる回動部8を備えており、押え体2を収納位置及び測定位置に配置するようになっている。回動部8は、支持部110の先端部に取付固定された駆動モータ80を備えており、駆動モータ80の駆動軸は、支持部110の長手方向と直交する方向に設定されている。そして、支持体3の後端部は、回動軸81に取り付けられており、回動軸81は図示せぬ歯車機構を介して駆動モータ80の駆動軸と連動して回動するようになっている。そして、駆動モータ80が回転駆動することで、回動軸81が回動して支持体3が駆動軸を中心に支持部110の先端側から後端側に向かって支持部110の長手方向に沿って回動するようになる。
【0027】
多機能点検具100は、棒状の支持部110と、支持部110の先端に取り付けられた支点部120と、支持部110の先端部において支持部110の長手方向に沿って揺動可能に取り付けられるとともに先端部に転動ヘッド131が設けられた打撃点検部130と、転動ヘッド131を支持部110の先端側に移動させるように打撃点検部130を付勢する押圧部140とを備え、構造物表面の点検個所近傍に支点部120を当接させて転動ヘッド131を点検個所に押し当てた状態に設定して支点部120を中心に転動ヘッド131が転動するように支持部110を回動させて打撃点検を行う。
【0028】
支持部110は、断面矩形状の外筒部材111及び外筒部材111内に挿入された断面矩形状の内筒部材112を備えている。内筒部材112を外筒部材111に対して長手方向に出し入れすることで支持部110を長手方向に伸縮可能に構成することができ、点検個所に応じて支持部110を伸縮させて点検動作に最適な長さに調整することが可能となる。
【0029】
外筒部材111の先端側には、ストッパピン(図示せず)を保持するリング状の保持部材111aが固定されており、内筒部材112には。長手方向に沿って所定間隔を空けて複数の係合穴(図示せず)が穿設されている。そして、調整した長さに対応した係合穴にストッパピンを嵌め込むことで支持部110の長さを維持することができる。
【0030】
支点部120は、点検個所近傍に押し当てられて支持部110が回転動作を行う際の支点として機能するようになっており、例えば、転動可能に取り付けられたボールキャスタ、テーパ状に形成されたピン部材といった、支持部110が支点部120を中心に容易に回転できるような部材が先端に取り付けられている。
【0031】
打撃点検部130は、転動ヘッド131を先端部に回動可能に取り付けた支持バー132と、支持バー132を把持する把持体133とを備えており、把持体133は、支持部110の先端部に形成された枠体内に軸ピン134により揺動可能に軸支されている。把持体133は、支持バー132の中央部分を把持するように設定されており、支持バー132は、中央部分を中心に回動可能に取り付けられて支持部110の枠体内で揺動可能となっている。
【0032】
転動ヘッド131は、支持バー132の軸方向を中心に回動可能となるように取り付けられており、外周面には、軸方向に沿って外方に向かって突出するように等間隔で角部が形成されている。そして、転動ヘッド131の外周面を点検個所の表面に当接させながら移動させることで、転動ヘッド131が表面を転がるように移動していき、その際に外周面に形成された角部を中心に持ち上がるように上下動して表面に衝突することで打撃動作が行われるようになる。こうした転動しながら打撃動作が生じるような外周面の形状であればよく、例えば、断面形状が5角形から8角形の公知の形状以外に、歯車形状やスプロケット状に角部を形成するようにすることもできる。
【0033】
転動ヘッド131の外周面に等間隔で角部が形成されていることから、転動ヘッド131が転動する軌跡上に等間隔の打撃位置で打撃音が生じるようになり、所定の間隔で生じる打撃音に基づいて公知の方法で点検することで、点検個所において問題となる部分の有無を点検することができる。転動ヘッド10の転動動作により生じる打撃音は、マイク等の音響装置(図示せず)により操作者が聞き取ることで、点検作業を効率よく行うことが可能となる。
【0034】
押圧部140は、コイルバネ等のバネ部材を打撃点検部130の支持バー132の後端側と支持部110との間に張架して構成されており、支持バー132の後端側を支持部110の方に引き寄せるように付勢することで、
図5に示すように、打撃点検部130の転動ヘッド131を支持部110の先端側に移動させた状態に設定している。なお、バネ部材の取付位置は、支持バー132の後端側以外に取り付けるようにしてもよく、例えば、把持体133よりも先端側において支持部110との間にバネ部材を取り付けたり、把持体133を所定の方向に回動するように付勢するバネ部材を支持部110の枠体内に取り付けるようにすることもできる。
【0035】
図7は、支持体3を回動させる様子を示す説明図である。押え体2を使用しない場合には、駆動モータ80を駆動して支持体3を支持部110の後端側に移動させて、転動ヘッド131による打撃点検作業の邪魔にならない収納位置に設定する。押え体2を用いてクラックの測定を行う場合には、駆動モータ80を駆動して支持体3を支持部110の先端側に移動させて、支持体3を支持部110の長手方向に沿うように設定し、支持部110の先端側の測定位置に押え体2を配置する。支持体3が支持部110の先端部とほぼ直線状に配列するように設定されているので、支持部110を把持して長手方向に向かって押圧力を加えた場合に、支持体3が支持部110とともに長手方向に移動して、押え体2を点検個所のクラックに対してクラックゲージ板6とともに確実に押し当てて、クラックゲージ板6をクラックが形成された表面に密着させた状態に設定することができる。
【0036】
図8は、多機能点検具100を操作する様子を示す説明図である。この例では、操作者が支持部110を両手で把持して支点バー5を天井面Cの点検個所近傍に押し当てる。その際に、押え体2が天井面Cに沿うように揺動して押え体2がクラックゲージ板6とともに天井面Cに押し当てられた状態となる。そして、クラックゲージ板6に表示された目盛が点検個所表面のクラックに沿うように位置調整する。次に、支持部110を長手方向を中心に回動させることで、支持体3が回動するようになり、それに伴って押え体2が支点バー5に沿う支点軸を中心に回動し、クラックゲージ板6に表示された目盛を順次クラックに当てて溝幅を測定する。このように、操作者は、支点バー5を点検個所の表面に押し当てた状態で支持部110を回転するように操作すればよく、簡単な操作によりクラックの測定を効率よく正確に行うことができる。また、支持部110を断面矩形状の外筒部材111を用いているので、両手で把持しながら回転操作を容易に行うことが可能となる。
【0037】
図9は、構造物用点検具を取り付けた構造物用点検動作装置に関する正面図であり、
図10は、その平面図である。また、
図11は、
図10のA−A断面図である。この例では、構造物用点検具1を取り付けた多機能点検具100を遠隔操作して点検作業を行うことができる。
【0038】
構造物用点検動作装置200は、構造物用点検具1を先端部に取り付けた支持部110の後端側を支持して、支持部110の長手方向の伸縮動作及び支持部110の水平方向の回動角度及び上下方向の回動角度を調整する角度調整動作を行って点検個所に押え体2を位置決めし、支持部110の回転動作を行って位置決めした押え体2を回動させて点検作業を行う。以下の説明では、支持部110の長手方向を「軸方向」、支持部110の回動動作の中心軸を「中心軸」、中心軸を中心とする円周の周方向を「周方向」として説明する。
【0039】
構造物用点検動作装置200は、支持部110を着脱可能に取り付ける筒状の挿着体201を備えており、挿着体201の内部に支持部110の後端側の外筒部材111を挿入して固定することで支持部110を取り付けるようになっている。挿着体201の両端部には、リング状の一対の連結部材202がベアリング等の軸受を介して取り付けられている。挿着体201は、連結部材202に対して周方向に回動可能になっており、軸方向には移動しないように規制されている。一対の連結部材202の間には、外周に歯列が形成された略円形状の回動板203が軸方向に沿って取付固定されている。
【0040】
挿着体201には、先端側の連結部材202の外側に回転駆動部204が設けられており、回動駆動部204は、歯車部材204bを回動させる回動モータ204aを備えており、回動モータ204aは、連結部材202に取り付けられている。歯車部材204bは、挿着体201の周囲にリング状に取付固定されており、先端側の連結部材202の外側に配置されてカバー体201a内に収容されている。また、回動モータ204aを回転駆動することで、歯車部材204bが周方向に回動するようになり、挿着体201は、歯車部材204bの回動により連結部材202に対して周方向に回動するようになる。
【0041】
挿着体201の後端側の連結部材202の外側に伸縮駆動部205が設けられており、伸縮駆動部205は、挿着体201の後端部に取付固定された支持枠体201bに外付けされた駆動モータ205aを備えている。駆動モータ205aは、その駆動軸205bが中心軸に一致するように取り付けられており、駆動軸205bの先端部には、中心軸と一致する方向に棒状のネジ部材205cが取付固定されている。ネジ部材205cは、支持部110の内筒部材112内に挿入されており、内筒部材112の後端側の内部に固定されたナット部材205dに螺着している。ネジ部材205cの先端部には、内筒部材112の内周面に摺動可能に当接するガイド部材205eが取り付けられている。駆動モータ205aを回転駆動することで、ネジ部材205cが中心軸を中心に回転して、ナット部材205dがネジ部材205c上を軸方向に移動するようになる。そのため、ナット部材205dの軸方向の移動に伴い内筒部材112が軸方向に移動するようになり、外筒部材111に対して内筒部材112が軸方向に移動して支持部110が全体として軸方向に伸縮するようになる。
【0042】
角度調整部206は、回動板203を回動可能に軸支する軸支部材206aを備えており、軸支部材206aには、回動モータ206bが取付固定されている。回動モータ206bの駆動軸には、回動板203と噛合する駆動歯車206cが取り付けられている。そのため、回動モータ206bを回転駆動することで、回動板203が回動するようになり、回動板203とともに連結部材202が回動して挿着体201の上下方向の回動角度を調整することができる。
【0043】
軸支部材206aは、支柱部材206dの上端部に固定されており、支柱部材206dは、走行台車207の基台207aに設置された支持台206eに回動可能に支持されて立設されている。走行台車207内に挿入された支柱部材206dの下端部分の周囲には、歯車部材206fが取り付けられており、歯車部材206fは、走行台車207内に取付固定された回動モータ206gの駆動軸に固定された駆動歯車と噛合している。そのため、回動モータ206gを回転駆動することで、歯車部材206fが回動して支柱部材206dが上下方向の回動中心軸を中心に回動するようになる。支柱部材206dが回動することで、軸支部材206aを介して回動板203に支持された挿着体201の水平方向の回動角度を調整することができる。
【0044】
こうして、回動モータ206b及び206gの駆動制御を行うことで、挿着体201に取り付けられた支持部110を点検個所に向かう方向に正確に角度調整することができる。
【0045】
走行台車207には、レールL上を走行する車輪209を回動させる走行駆動部208が設けられている。走行駆動部208は、車輪209の車軸に固定されている駆動プーリ208b及び208cに伝動ベルトを介して駆動力を伝達する走行モータ208aを備えており、走行モータ208aを回転駆動することで、車輪209を回動させて走行台車207をレールL上に沿って走行制御することができる。
【0046】
したがって、特許文献1に記載されているように、橋梁等の構造物の下方にアーム部材を設置して、アーム部材に設けられたレール上に構造物用点検動作装置200を設置して走行台車207を遠隔操作により走行させることで、構造物の下側に構造物用点検具1を配置することができる。そして、撮影機構を搭載した別の走行台車をアーム部材上を走行させて構造物用点検動作装置200及び構造物の点検部位を撮影して点検動作を確認しながら遠隔操作により点検作業を行う。
【0047】
まず、角度調整部206を遠隔操作により制御して支持部110を点検個所に向かうように水平方向及び上下方向の回動角度を調整する。次に、伸縮駆動部205を遠隔操作により制御して支持部110を伸縮させて支点バー5を点検個所近傍の表面に設置し、押え体2をクラックゲージ板6とともに点検個所に押し当ててクラックゲージ板6に表示された目盛がクラックに合致するように位置調整する。次に、回動駆動部204を遠隔操作により制御して支持部110を中心軸を中心に回動させて押え体2を点検個所において支点軸を中心に回動させてクラックゲージ板6に表示された目盛を順次クラックに当てていき、クラックの溝幅を測定する。こうして、遠隔操作によりクラックの測定を迅速的確に行うことができる。