特開2017-90337(P2017-90337A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017090337-変位検出装置及びEGRセンサ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-90337(P2017-90337A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】変位検出装置及びEGRセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20170421BHJP
   G01D 5/14 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   G01B7/00 101H
   G01D5/14 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-223085(P2015-223085)
(22)【出願日】2015年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】312005603
【氏名又は名称】メレキシス テクノロジーズ エヌ ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100180758
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 利之
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 拓海
【テーマコード(参考)】
2F063
2F077
【Fターム(参考)】
2F063AA02
2F063BA06
2F063CA08
2F063DA01
2F063DA05
2F063DD02
2F063EA02
2F063GA52
2F077AA21
2F077JJ03
2F077JJ08
2F077JJ09
2F077JJ23
(57)【要約】
【課題】磁気制御による駆動部を採用した場合にも、駆動対象の位置を磁気センサにより検出する変位検出装置及びEGRセンサを提供する。
【解決手段】EGRセンサである検出部10は、駆動部30によってソレノイド32により駆動されて一の方向に変位するバルブ22とロッド21を介して接続されて、一の方向に変位する磁石12と、磁石12の形成する磁場の磁束密度の変化を一の方向に直交する方向で検出するホールIC11とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気により駆動されて一の方向に変位する測定対象と接続されて、前記一の方向に変位する磁石と、
前記磁石の形成する磁場の磁束密度の変化を前記一の方向に直交する方向で検出する磁気検出素子とを有する変位検出装置。
【請求項2】
前記磁石の着磁方向は、前記一の方向と平行でない方向である請求項1に記載の変位検出装置。
【請求項3】
前記測定対象は、ソレノイドより駆動され、
前記磁気検出素子は、前記ソレノイドの中心軸上に配置される請求項1又は2に記載の変位検出装置。
【請求項4】
磁気により駆動されて一の方向に変位するバルブと接続されて、前記一の方向に変位する磁石と、
前記磁石の形成する磁場の磁束密度の変化を前記一の方向に直交する方向で検出する磁気検出素子とを有するEGRセンサ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位検出装置及びEGRセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、EGR(Exhaust Gas Recirculation)のバルブに連動して移動する磁石の磁界を検出することで、バルブ開度を検出するEGRセンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたEGRセンサは、EGRバルブに一端が連結されたロッドと、当該ロッドの他端に接続されてロッドのストローク方向に着磁された磁石と、当該磁石の移動による磁界の変化を検出する磁気センサとを有し、磁気センサの検出する磁界に基づいてバルブ開度を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−185469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示すEGRセンサは、磁石の移動による磁界の変化を検出することでバルブ開度を検出するが、バルブを開閉するためにロッドをソレノイドで駆動しようとした場合、当該ソレノイドによって形成される磁場が磁気センサの検出する磁場に影響することがあるため、ソレノイド等の磁気制御による駆動部を用いることができない場合があった、という問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、磁気制御による駆動部を採用した場合にも、駆動対象の位置を、磁気検出素子を用いたセンサにより検出する変位検出装置及びEGRセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の変位検出装置を提供する。
【0008】
[1]磁気により駆動されて一の方向に変位する測定対象と接続されて、前記一の方向に変位する磁石と、
前記磁石の形成する磁場の磁束密度の変化を前記一の方向に直交する方向で検出する磁気検出素子とを有する変位検出装置。
[2]前記磁石の着磁方向は、前記一の方向と平行でない方向である前記[1]に記載の変位検出装置。
[3]前記測定対象は、ソレノイドにより駆動され、
前記磁気検出素子は、前記ソレノイドの中心軸上に配置される前記[1]又は[2]に記載の変位検出装置。
[4]磁気により駆動されて一の方向に変位するバルブと接続されて、前記一の方向に変位する磁石と、
前記磁石の形成する磁場の磁束密度の変化を前記一の方向に直交する方向で検出する磁気検出素子とを有するEGRセンサ。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、磁気制御による駆動部を採用した場合にも、駆動対象の位置を、磁気検出素子を用いたセンサにより検出することができる。
請求項2に係る発明によれば、一の方向に直交する方向で磁場の磁束密度を変化させることができる。
請求項3に係る発明によれば、ソレノイドが発生する磁場を磁気検出素子が検出しないよう配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係るEGR装置の構成例を示す一部断面図である。
図2図2(a)−(c)は、磁石の磁化方向及びホールICの磁気検出方向を説明するための平面図、側面図及び斜視図である。
図3図3(a)及び(b)は、ホールICの構成を示す斜視図及び断面図である。
図4図4は、磁石の磁化方向及びセンサの磁気検出方向を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
(EGR装置の構成)
図1は、実施の形態に係るEGR装置の構成例を示す一部断面図である。
【0012】
図1に示すように、EGR装置1は、バルブ開度を検出する検出部10と、バルブ22を開閉するバルブ開閉部20と、ロッド21を介してバルブ22を駆動する駆動部30と、検出部10から入力される検出信号を含む情報に基づいて駆動部30に制御信号を出力する制御部40と、各部を一体化するケース50とを有する。
【0013】
検出部10は、ロッド21の一端に接続されてバルブ22の開度に連動して変位する磁石12と、磁石12の形成する磁場の変化を検出するホールIC11とを有する。
【0014】
磁石12は、フェライト、サマリウムコバルト、ネオジウム等の材料を用いて形成された永久磁石である。
【0015】
バルブ開閉部20は、ケース50内部に形成されて再循環排気ガスを吸入する吸気口23と、再循環排気ガスをインテークマニホールドへ排出する排気口24と、吸気口23と排気口24の流路をシート230と開閉するバルブ22とを有する。また、バルブ22はロッド21の一端に一体形成され好ましくは非磁性体材料を用いて形成される。磁性体材料を用いてバルブ22を形成したことでホールIC11が検出する磁場に影響が出る場合は、当該影響を制御部40で補正することを条件として磁性体材料を用いることができる。ホールIC11が検出する磁場に影響が出ない場合は、磁性体材料を当然用いることができる。
【0016】
駆動部30は、円筒形であって制御部40の制御信号に基づいて磁場を発生するソレノイド31と、ソレノイド31の発生する磁場に応じて変位方向Ddの図面鉛直方向に変位してロッド21を変位させるプランジャ32と、プランジャ32を弾性支持するバネ33とを有する。
【0017】
制御部40は、検出部10から入力される検出信号や、図示しないエンジンの情報等に基づいて駆動部30に制御信号を出力する。
【0018】
なお、検出部10と駆動部30の位置関係を入れ替えてもよい。つまり、ロッド21の変位方向の中央に磁石12を配置し、一端にバルブ22を、他端にプランジャ32を設けるようにしてもよい。
【0019】
図2(a)−(c)は、磁石12の磁化方向及びホールIC11の磁気検出方向を説明するための平面図、側面図及び斜視図である。
【0020】
図2(a)−(c)に示すように、ホールIC11はy軸に平行な検出方向Dsy及びz軸に平行な検出方向Dszにおいて磁束密度を検出する。これは後述するようにソレノイド31から発生する磁界BextによりホールIC11の位置でx方向の磁束が生じるためであり、このx方向の磁束を検出しないようにするためである。ホールIC11は、ソレノイド31の中心軸の延長線上に配置されることが望ましく、ホールIC11を中心軸の延長線上に配置するために磁石12をz方向にオフセットしてもよい。また、ホールIC11は、Bextの影響を完全に0にせずともなるべく抑えるような位置に配置するものであってもよい。
【0021】
図2(a)に示すように、平面視において磁石12の磁化方向Dmxyは、少なくとも変位方向Dと平行でなく、図示した例ではx軸及びy軸に45°の角度をなす方向である。また、図2(b)に示すように、側面視において磁石12の磁化方向Dmxyはz方向には磁化されていない。
【0022】
なお、磁化方向Dmxyは例示であって、磁石12が変位する範囲でホールIC11の検出方向Dsy及びDszにおいて検出される磁束密度から一意的にホールIC11の位置が検出できるものであれば他の磁化方向でもよい。
【0023】
図3(a)及び(b)は、ホールICの構成を示す斜視図及び断面図である。
【0024】
ホールIC11は、図2(a)及び(b)に示すように、一例として、z方向に厚みを有する平板状の基板110と、基板110上に設けられてxy面に平行な検出面を有し、磁気検出素子として検出方向Dszをz方向とするホール素子110x、110x、110y、110yと、ホール素子110x、110x、110y、110y上に一部が重なるように設けられてx方向及びy方向の磁束をz方向に変換してホール素子110x、110x、110y、110yに検出させる磁気コンセントレータ111と、ホール素子110x、110x、110y、110yの出力する信号を処理する信号処理回路(図示せず)を有し、x、y、z方向の磁束密度を検出する。
【0025】
ホールIC11は、例えば、メレキシス製トライアクシスポジションセンサ等を用い、ホール素子110xと110xとの出力の差分、ホール素子110yと110yとの出力の差分をとることでx方向、y方向の磁束密度に比例した出力を得ることができる。磁束密度と出力との関係は後述する。また、ホール素子110xと110xとの間隔、ホール素子110yと110yとの間隔は、0.2mmであり、パッケージモールド部はz方向の厚みが1.5mm、x方向の幅が4.1mm、y方向の高さが3mmである。ホールIC11の磁気コンセントレータ111として、パーマロイを用いることができる。また、ホールIC11は、ホール素子110xと110xを省略してもよい。
【0026】
なお、検出方向がy、z方向であれば、ホールIC11に代えてMR素子等の他の種類の素子を用いてもよいし、検出方向がy、z方向を含めば複数の軸方向にそれぞれ磁気検出素子を配置した多軸磁気検出ICを用いてもよい。
【0027】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、ホールIC11の検出方向を駆動部30のソレノイド31が発生する磁界以外の方向としたため、磁気制御による駆動部30を採用した場合にも、駆動対象であるバルブ22の位置をホールIC11により検出することができる。
【0028】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、以下に示す変形例のように変形が可能である。
【0029】
(変形例)
図4は、磁石の磁化方向及びセンサの磁気検出方向を説明するための斜視図である。
【0030】
図4に示すように、磁石12Aの磁化方向Dmzは、少なくとも変位方向Dと平行でなく、図示した例ではz軸に平行な方向である。なお、磁石12Aは、平面視において変位方向と45°をなして磁石12Aの中心点を通る平面を境界として磁化方向が逆となる。また、磁石12の磁化方向Dmzはx方向及びy方向には磁化されていない。
【0031】
なお、磁化方向Dmzは例示であって、磁石12が変位する範囲でホールIC11の検出方向Dsy及びDszにおいて検出される磁束密度から一意的にホールIC11の位置が検出できるものであれば他の磁化方向でもよい。
【0032】
また、上記実施の形態では、変位検出装置をEGRセンサとして用いる例を示したが、これに限らず一方向に変位し、当該変位を駆動するものが磁力によるものであれば同様に適用できる。他の装置としては、自動変速機のギア制御用ソレノイドやライン制御用ソレノイド等が挙げられ、実施の形態と同様に、駆動部の磁場の影響を受けずに非接触で変位を検出することができる。
【0033】
また、上記した実施の形態のセンサ、磁石の組み合わせは例示であって、位置検出の機能が損なわれず、本発明の要旨を変更しない範囲内で、これらをそれぞれ適宜選択して新たな組み合わせに変更して用いてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 EGR装置
10 検出部
11 ホールIC
12、12A 磁石
20 バルブ開閉部
21 ロッド
22 バルブ
23 吸気口
24 排気口
30 駆動部
31 ソレノイド
32 プランジャ
33 バネ
40 制御部
50 ケース
60 センサ
110 基板
110x、110x、110y、110y ホール素子
111 磁気コンセントレータ
230 シート
図1
図2
図3
図4