特開2017-90887(P2017-90887A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-90887レンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-90887(P2017-90887A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20170421BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20170421BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170421BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   G02B7/04 E
   H04N5/225 D
   H04N5/232 Z
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-136801(P2016-136801)
(22)【出願日】2016年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0160001
(32)【優先日】2015年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リム、ソー チェオル
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044BE07
2H044BE10
2K005CA23
2K005CA40
2K005CA44
2K005CA53
5C122EA41
5C122EA54
5C122FB08
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振れ補正機能を有する小型なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置500は、光軸に垂直な方向に移動可能に構成された振れ補正ユニット400、及び振れ補正ユニット400を支持する複数のボール部材を含み、複数のボール部材のうち第3ボール部材900の自由度が、それ以外の第1ボール部材700及び第2ボール部材800の自由度より大きく構成することで、振れ補正機能を有しながらも、サイズを小型化することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に垂直な方向に移動可能に構成された振れ補正ユニットと、
前記振れ補正ユニットを支持する複数のボール部材と、を含み、
前記複数のボール部材のうち一部のボール部材は、それ以外のボール部材の自由度と異なる自由度を有する、レンズ駆動装置。
【請求項2】
前記複数のボール部材の何れか一つのボール部材は、それ以外のボール部材より大きい自由度を有する、請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記複数のボール部材のうち一部は、光軸に垂直な第1軸及び前記第1軸に垂直な第2軸に沿って転動可能であり、それ以外は前記第1軸または前記第2軸に沿って転動可能である、請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記複数のボール部材は、光軸に垂直な第1軸に沿って転動可能な第1ボール部材と、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って転動可能な第2ボール部材と、を含み、
前記第1ボール部材と前記第2ボール部材は互いに共有するボール部材を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記振れ補正ユニットは、前記複数のボール部材を収容する複数のガイド溝を備えており、
前記複数のガイド溝の形状は互いに異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記複数のボール部材のうち、相対的に大きい自由度を有するボール部材が収容されるガイド溝の平面形状は円形であり、
相対的に小さい自由度を有するボール部材が収容されるガイド溝の平面形状は長方形である、請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記振れ補正ユニットは、レンズ鏡筒が固定されるレンズホルダーを含み、
前記レンズホルダーは、互いに異なる平面に配置されたボール部材により支持される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記レンズホルダーにはマグネットが備えられており、
前記マグネットは、互いに異なる平面に配置された前記ボール部材の間に配置される、請求項7に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記振れ補正ユニットはマグネットを含み、
前記マグネットと光軸方向に離隔して配置されるようにヨーク部が提供される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記振れ補正ユニットには、前記ヨーク部に向かって偏向された加圧力が加えられる、請求項9に記載のレンズ駆動装置。
【請求項11】
光軸方向に移動可能に構成された焦点調整ユニットをさらに含み、
前記振れ補正ユニットは、前記焦点調整ユニットとともに光軸方向に移動可能に構成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項12】
複数のマグネットが前記焦点調整ユニットの互いに異なる面に取り付けられる、請求項11に記載のレンズ駆動装置。
【請求項13】
前記焦点調整ユニットの一面に取り付けられたマグネットはコイルと向い合い、
前記焦点調整ユニットの他面に取り付けられたマグネットは位置センサーと向い合う、請求項12に記載のレンズ駆動装置。
【請求項14】
前記複数のマグネットと向い合うように複数のコイルが提供され、
前記複数のコイルの何れか一つと隣接した位置には位置センサーが備えられる、請求項12または13に記載のレンズ駆動装置。
【請求項15】
キャリア内に光軸方向に配置されるフレーム及びレンズホルダーと、
前記フレームを前記光軸に垂直な第1軸に沿って移動可能に支持する第1ボール部材と、
前記レンズホルダーを前記第1軸に垂直な第2軸に沿って移動可能に支持する第2ボール部材と、
前記レンズホルダーを前記第1軸及び前記第2軸に沿って移動可能に支持する第3ボール部材と、を含む、カメラモジュール。
【請求項16】
前記第1ボール部材は前記キャリアと前記フレームとの間に配置される、請求項15に記載のカメラモジュール。
【請求項17】
前記第2ボール部材は前記フレームと前記レンズホルダーとの間に配置される、請求項15または16に記載のカメラモジュール。
【請求項18】
前記第3ボール部材は前記キャリアと前記レンズホルダーとの間に配置される、請求項15〜17のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項19】
前記第1ボール部材は前記第1軸に沿って転動可能に構成され、
前記第2ボール部材は前記第2軸に沿って転動可能に構成され、
前記第3ボール部材は前記第1軸及び前記第2軸に沿って転動可能に構成される、請求項15〜18のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項20】
前記レンズホルダーにはマグネットが備えられており、
前記キャリアには、前記マグネットとの間で光軸方向に引力を発生させるヨーク部が提供される、請求項15〜19のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項21】
前記フレームは、前記マグネットと前記ヨーク部とが互いに向い合う領域に対応する部分が開放された形状を有する、請求項20に記載のカメラモジュール。
【請求項22】
前記マグネットと前記ヨーク部は、前記レンズホルダーと前記フレームとが前記光軸方向に重ならない領域に備えられる、請求項20または21に記載のカメラモジュール。
【請求項23】
前記キャリアを収容するハウジングをさらに含み、
前記キャリアは、前記ハウジング内で前記光軸に沿って移動可能に構成される、請求項15〜22のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンを始めとするタブレットPC、ノート型パソコンなどの移動通信端末機に超小型カメラモジュールが採用されている。
【0003】
移動通信端末機が小型化するほど、映像撮影時に手振れの影響が大きいため画質が低下する。したがって、鮮明な映像を得るためには、手振れに対する補正技術が必要である。
【0004】
映像撮影時に手振れが発生した場合、その手振れを補正するために、OIS(Optical Image Stabilization)技術が適用されたOISアクチュエーターを用いることができる。OISアクチュエーターは、レンズモジュールを光軸に垂直な方向に移動させることができる。
【0005】
しかし、OISアクチュエーターを採用する場合、カメラモジュールのサイズが増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施例による目的は、振れ補正機能を有しながらも、サイズを小型化することができるレンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によるレンズ駆動装置は、光軸に垂直な方向に移動可能に構成された振れ補正ユニット、及び上記振れ補正ユニットを支持する複数のボール部材を含み、上記複数のボール部材のうち一部のボール部材が、それ以外のボール部材の自由度と異なる自由度を有するように構成することで、振れ補正機能を有しながらも、サイズを小型化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施例によるレンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュールは、振れ補正機能を有しながらも、サイズを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例によるカメラモジュールの斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるカメラモジュールの概略分解斜視図である。
図3図1のA−A'線の断面図である。
図4図3のB部分の概略拡大図である。
図5】本発明の一実施例によるカメラモジュールの部分分解斜視図である。
図6図5の変形例を示した概略斜視図である。
図7】本発明の一実施例による振れ補正ユニットの分解斜視図である。
図8】本発明の一実施例による振れ補正ユニットの分解斜視図である。
図9】物体の自由度を説明するための概念図である。
図10】本発明の一実施例による振れ補正ユニットの結合斜視図である。
図11a図10のC−C'部分を切開した斜視図である。
図11b】X軸方向に発生した駆動力によって振れ補正ユニットが動く様子を示した斜視図である。
図12a図10のD−D'部分を切開した斜視図である。
図12b】Y軸方向に発生した駆動力によって振れ補正ユニットが動く様子を示した斜視図である。
図13】本発明のキャリアに第1ボール部材と第3ボール部材が配置された様子を示した平面図である。
図14】本発明のフレームに第2ボール部材が配置され、キャリアに第3ボール部材が配置された様子を示した平面図である。
図15a】本発明の第1ボール部材の動きを示した斜視図である。
図15b】本発明の第2ボール部材の動きを示した斜視図である。
図15c】本発明の第3ボール部材の動きを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0011】
本発明は、レンズ駆動装置及びそれを含むカメラモジュールに関するものであって、移動通信端末機、スマートフォン、タブレットPCなどの携帯可能な電子機器に適用されることができる。
【0012】
カメラモジュールは、写真または動画を撮影するための光学機器であって、被写体から反射された光を屈折させるレンズと、焦点調整や振れ補正のためにレンズを移動させるレンズ駆動装置と、を備える。
【0013】
図1は本発明の一実施例によるカメラモジュールの斜視図であり、図2は本発明の一実施例によるカメラモジュールの概略分解斜視図である。
【0014】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例によるカメラモジュール1000は、レンズ鏡筒200と、レンズ鏡筒200を移動させるレンズ駆動装置500と、レンズ鏡筒200を介して入射された光を電気信号に変換する画像センサーユニット600と、レンズ鏡筒200及びレンズ駆動装置500を収容するハウジング120と、ケース110と、を含む。
【0015】
レンズ鏡筒200は、被写体を撮像する複数のレンズが内部に収容されるように、中空の円筒状であることができる。この際、複数のレンズは、光軸に沿ってレンズ鏡筒200に取り付けられる。
【0016】
複数のレンズは、レンズ鏡筒200の設計に応じて必要な個数だけ配置される。この際、それぞれのレンズは、同一または異なる屈折率などの光学的特性を有する。
【0017】
レンズ駆動装置500はレンズ鏡筒200を移動させる装置である。
【0018】
一例として、レンズ駆動装置500は、レンズ鏡筒200を光軸(Z軸)方向に移動させることで焦点を調整することができ、レンズ鏡筒200を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させることで撮影時の振れを補正することができる。
【0019】
レンズ駆動装置500は、焦点を調整する焦点調整ユニット300と、振れを補正する振れ補正ユニット400と、を含む。
【0020】
画像センサーユニット600は、レンズ鏡筒200を介して入射された光を電気信号に変換する装置である。
【0021】
一例として、画像センサーユニット600は、画像センサー610と、画像センサー610と連結される印刷回路基板620と、を含み、赤外線フィルターをさらに含むことができる。
【0022】
赤外線フィルターは、レンズ鏡筒200を介して入射された光のうち、赤外線領域の光を遮断する役割をする。
【0023】
画像センサー610はレンズ鏡筒200を介して入射された光を電気信号に変換する。一例として、画像センサー610は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal―Oxide Semiconductor)であることができる。
【0024】
画像センサー610により変換された電気信号は、携帯可能な電子機器のディスプレイユニットによって映像として出力される。
【0025】
画像センサー610は印刷回路基板620に固定されており、ワイヤボンディングにより印刷回路基板620と電気的に連結される。
【0026】
レンズ鏡筒200及びレンズ駆動装置500はハウジング120に収容される。
【0027】
一例として、ハウジング120は上部及び下部が開放された形状を有しており、ハウジング120の内部空間にレンズ鏡筒200及びレンズ駆動装置500が収容される。
【0028】
ハウジング120の下部には画像センサーユニット600が配置される。
【0029】
ケース110はハウジング120の外部面を覆うようにハウジング120と結合し、カメラモジュールの内部構成部品を保護する機能を担う。
【0030】
また、ケース110は電磁波を遮蔽する機能を担うことができる。
【0031】
一例として、カメラモジュールから発生した電磁波が、携帯可能な電子機器内の他の電子部品に影響を与えないようにケース110が電磁波を遮蔽することができる。
【0032】
また、携帯可能な電子機器にはカメラモジュールの他に種々の電子部品が取り付けられているため、かかる電子部品から発生した電磁波がカメラモジュールに影響を与えないようにケース110が電磁波を遮蔽することができる。
【0033】
ケース110は、金属材質からなって印刷回路基板620に備えられる接地パッドに接地されることができ、これにより電磁波を遮蔽することができる。
【0034】
図3図1のA−A'線の断面図であり、図4図3のB部分の概略拡大図である。
【0035】
また、図5は本発明の一実施例によるカメラモジュールの部分分解斜視図である。
【0036】
図3から図5を参照して、本発明の一実施例によるレンズ駆動装置500のうち焦点調整ユニット300について説明する。
【0037】
本発明の一実施例によるレンズ駆動装置500では、被写体に焦点を合わせるためにレンズ鏡筒200を移動させる。
【0038】
一例として、本発明は、レンズ鏡筒200を光軸(Z軸)方向に移動させる焦点調整ユニット300を備える。
【0039】
焦点調整ユニット300は、レンズ鏡筒200を収容するキャリア310と、レンズ鏡筒200及びキャリア310を光軸(Z軸)方向に移動させるように駆動力を発生させる焦点調整駆動部と、を含む。
【0040】
焦点調整駆動部は、マグネット320a及びコイル330aを含む。
【0041】
マグネット320aはキャリア310に取り付けられる。一例として、マグネット320aはキャリア310の一面に取り付けられることができる。
【0042】
コイル330aはハウジング120に取り付けられる。一例として、コイル330aは、基板130を介してハウジング120に取り付けられることができる。図2ではコイル330aが図示されていないが、コイル330aは基板130に固定され、振れ補正ユニット400のコイル452と向い合う位置に配置される。
【0043】
マグネット320aは、キャリア310に取り付けられてキャリア310とともに光軸(Z軸)方向に移動する移動部材であり、コイル330aはハウジング120に固定された固定部材である。但し、これに限定されるものではなく、マグネット320aとコイル330aの位置を互いに変えてもよい。
【0044】
コイル330aに電源が印加されると、マグネット320aとコイル330aとの間の電磁気的影響力によりキャリア310を光軸(Z軸)方向に移動させることができる。
【0045】
キャリア310にはレンズ鏡筒200が収容されるため、キャリア310の移動に伴ってレンズ鏡筒200も光軸(Z軸)方向に移動される。
【0046】
キャリア310が移動する時に、キャリア310とハウジング120との間の摩擦を低減するために、キャリア310とハウジング120との間に転がり部材370が配置される。転がり部材370はボール形態であることができる。
【0047】
転がり部材370はマグネット320aの両側に配置される。
【0048】
ハウジング120には第1ヨーク350が配置される。一例として、第1ヨーク350は、コイル330aを挟んでマグネット320aと向い合うように配置される。
【0049】
第1ヨーク350とマグネット320aとの間には、光軸(Z軸)に垂直な方向に引力が作用する。
【0050】
したがって、第1ヨーク350とマグネット320aとの間の引力により、転がり部材370がキャリア310及びハウジング120と接触状態を維持することができる。
【0051】
また、第1ヨーク350はマグネット320aの磁気力が集束されるようにする機能も担う。これにより、漏れ磁束が発生することを防止することができる。
【0052】
一例として、第1ヨーク350とマグネット320aは磁気回路(Magnetic circuit)を形成する。
【0053】
この際、第1ヨーク350の光軸(Z軸)方向の長さが、マグネット320aの光軸(Z軸)方向の長さより長いことが好ましい。
【0054】
第1ヨーク350の光軸(Z軸)方向の長さがマグネット320aの光軸(Z軸)方向の長さより短いと、マグネット320aが光軸(Z軸)方向に動く時に、マグネット320aの中心が第1ヨーク350の中心に向くように作用する引力が大きくなる。
【0055】
これにより、マグネット320aが元の位置に戻ろうとする復元力がより強く作用するようになるため、マグネット320aを動かすために必要な電流の量が増加し、消費電力が増加することになる。
【0056】
しかし、第1ヨーク350の光軸(Z軸)方向の長さがマグネット320aの光軸(Z軸)方向の長さより長いと、マグネット320aの中心が第1ヨーク350の中心に向くように作用する引力が相対的に小さくなるため、消費電力を相対的に減らすことができる。
【0057】
一方、キャリア310とマグネット320aとの間には第2ヨーク340が配置されることができる。
【0058】
第2ヨーク340は、マグネット320aの磁気力が集束されるようにする機能を担う。これにより、漏れ磁束が発生することを防止することができる。
【0059】
一例として、第2ヨーク340とマグネット320aは磁気回路(Magnetic circuit)を形成する。
【0060】
本発明は、レンズ鏡筒200の位置を検知してフィードバックする、閉ループ制御方式を用いる。
【0061】
したがって、閉ループ制御のために位置センサー360が必要である。位置センサー360はホールセンサーであることができる。
【0062】
位置センサー360はコイル330aの内側または外側に配置され、コイル330aが取り付けられる基板130に位置センサー360が取り付けられることができる。
【0063】
また、位置センサー360は、焦点調整ユニット300に駆動信号を提供する回路素子と一体に形成されることができる(図5参照)。但し、これに限定されるものではなく、位置センサー360と回路素子が別の部品としてそれぞれ提供されてもよい。
【0064】
カメラモジュールの電源がオンされると、位置センサー360によりレンズ鏡筒200の初期位置が検知される。そして、レンズ鏡筒200は、検知された初期位置から初期設定位置に移動される。ここで、初期位置とは、カメラモジュールの電源がオンされた時にレンズ鏡筒200の光軸方向における位置を意味し、初期設定位置とは、レンズ鏡筒200の焦点が無限大になる位置を意味する。
【0065】
レンズ鏡筒200は、回路素子の駆動信号によって、初期設定位置から目標位置に移動される。
【0066】
焦点調整過程で、レンズ鏡筒200は光軸(Z軸)方向に前進及び後進が可能である(つまり、両方向移動が可能である)。
【0067】
一方、焦点調整時に十分な駆動力を確保するために、マグネット320bとコイル330bがさらに備えられることができる。
【0068】
カメラモジュールのスリム化の傾向によってマグネットが取り付けられる面積が小さくなる場合、マグネットのサイズが小さくなり、これにより、焦点調整に必要十分な駆動力が確保されなくなる恐れがある。
【0069】
しかし、本発明では、キャリア310の互いに異なる面にマグネット320a、320bをそれぞれ付着し、それぞれのマグネット320a、320bと向い合うように、ハウジング120の互いに異なる面にコイル330a、330bをそれぞれ提供することで、カメラモジュールをスリム化する場合にも焦点調整に必要十分な駆動力を確保することができる。
【0070】
図6は本発明の一実施例によるレンズ駆動装置の焦点調整ユニットの変形例を示した概略斜視図である。
【0071】
図6を参照すると、本発明の変形例では、キャリア310の互いに異なる面に取り付けられた複数のマグネット320a、320bの何れか一方のマグネット320aはコイル330aと向い合い、他方のマグネット320bは位置センサー360と向い合う。
【0072】
一例として、複数のマグネット320a、320bの何れか一方のマグネット320aは駆動マグネットとして機能し、他方のマグネット320bはセンシングマグネットとして機能する。
【0073】
この場合、コイル330aと位置センサー360がハウジング120の互いに異なる面に離隔配置されるため、コイル330aが取り付けられる面には空間的な余裕が生じる。したがって、コイル330aの巻線数を増やすことができるため、駆動力を向上させることができる。
【0074】
また、コイル330aと位置センサー360がハウジング120の互いに異なる面に離隔配置されるため、コイル330aの電場が位置センサー360に与える影響を最小化することができる。したがって、位置センサー360のセンシング精度を向上させることができる。
【0075】
図7及び図8は本発明の一実施例による振れ補正ユニットの分解斜視図である。
【0076】
振れ補正ユニット400は、画像撮影または動画撮影時にユーザーの手振れなどに起因する画像ぶれや動画ぶれを補正するために用いられる。
【0077】
例えば、振れ補正ユニット400は、ユーザーの手振れなどによって映像撮影時に振れが発生した際に、振れに対応する相対変位をレンズ鏡筒200に付与することで振れを補償する。
【0078】
一例として、振れ補正ユニット400は、レンズ鏡筒200を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させて振れを補正する。
【0079】
図7及び図8を参照すると、振れ補正ユニット400は、レンズ鏡筒200の移動をガイドするガイド部材と、ガイド部材を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させるように駆動力を発生させる振れ補正駆動部と、を含む。
【0080】
ガイド部材は、フレーム410及びレンズホルダー420を含む。フレーム410とレンズホルダー420は、キャリア310内に挿入されて光軸(Z軸)方向に配置されており、レンズ鏡筒200の移動をガイドする機能を担う。
【0081】
フレーム410とレンズホルダー420は、レンズ鏡筒200が挿入される空間を有する。レンズ鏡筒200はレンズホルダー420に固定される(図2参照)。
【0082】
振れ補正駆動部で発生した駆動力により、フレーム410及びレンズホルダー420がキャリア310内で光軸(Z軸)に垂直な方向に移動される。
【0083】
振れ補正駆動部は、第1振れ補正駆動部440及び第2振れ補正駆動部450を含み、第1及び第2振れ補正駆動部440、450は、マグネット441、451及びコイル442、452を含む。
【0084】
第1振れ補正駆動部440は光軸(Z軸)に垂直な第1軸(X軸)方向に駆動力を発生させ、第2振れ補正駆動部450は第1軸(X軸)に垂直な第2軸(Y軸)方向に駆動力を発生させる。
【0085】
ここで、第2軸(Y軸)は、光軸(Z軸)と第1軸(X軸)の両方に垂直な軸を意味する。
【0086】
第1振れ補正駆動部440と第2振れ補正駆動部450は、光軸(Z軸)に垂直な平面で互いに直交するように配置される。一例として、第1振れ補正駆動部440のマグネット441と第2振れ補正駆動部450のマグネット451が、光軸(Z軸)に垂直な平面で互いに直交するように配置される。
【0087】
第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451はレンズホルダー420に取り付けられ、マグネット441、451とそれぞれ向い合うコイル442、452はハウジング120に取り付けられる。図7及び図8では、説明の便宜のために、コイル442、452がキャリア310側に配置されていることを示したが、図2を参照すると、コイル442、452は基板130を介してハウジング120に取り付けられる。
【0088】
マグネット441、451はレンズホルダー420とともに光軸(Z軸)に垂直な方向に移動される移動部材であり、コイル442、452はハウジング120に固定された固定部材である。但し、これに限定されるものではなく、マグネット441、451とコイル442、452の位置を互いに変えてもよい。
【0089】
一方、本発明では、振れ補正ユニット400を支持する複数のボール部材が提供される。複数のボール部材は、振れ補正過程でフレーム410及びレンズホルダー420をガイドする機能を担う。また、キャリア310、フレーム410、レンズホルダー420の間の間隔を維持させる機能も担う。
【0090】
複数のボール部材は、第1ボール部材700及び第2ボール部材800を含む。
【0091】
第1ボール部材700は振れ補正ユニット400の第1軸(X軸)方向への移動をガイドし、第2ボール部材800は振れ補正ユニット400の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0092】
一例として、第1ボール部材700は、第1軸(X軸)方向への駆動力が発生した場合、第1軸(X軸)方向に転動する。これにより、第1ボール部材700はフレーム410とレンズホルダー420の第1軸(X軸)方向への移動をガイドする。
【0093】
また、第2ボール部材800は、第2軸(Y軸)方向への駆動力が発生した場合、第2軸(Y軸)方向に転動する。これにより、第2ボール部材800はレンズホルダー420の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0094】
第1ボール部材700はキャリア310とフレーム410との間に配置される複数のボール部材を含み、第2ボール部材800はフレーム410とレンズホルダー420との間に配置される複数のボール部材を含む。
【0095】
キャリア310とフレーム410が互いに光軸(Z軸)方向に向い合う面には、それぞれ第1ボール部材700を収容する第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cが形成される。第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cは複数のガイド溝を含む。
【0096】
第1ボール部材700は第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cに収容されてキャリア310とフレーム410との間に挟まれる。
【0097】
第1ボール部材700は、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cに収容された状態で、光軸(Z軸)及び第2軸(Y軸)方向への移動が制限され、第1軸(X軸)方向にのみ移動されることができる。一例として、第1ボール部材700は第1軸(X軸)方向にのみ転動可能である。
【0098】
そのために、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cの複数のガイド溝のそれぞれの平面形状は、第2軸(Y軸)方向における幅より第1軸(X軸)方向における長さがより長い長方形であることができる。
【0099】
また、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cの複数のガイド溝のうち一部のガイド溝は、それ以外のガイド溝とその断面形状が異なることができる。
【0100】
一例として、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cの複数のガイド溝のうち一部のガイド溝710b、720bはその断面形状が略「∪」形状であり、それ以外のガイド溝710a、710c、720a、720cはその断面形状が略「∨」形状であることができる。
【0101】
ここで、断面形状が略「∪」形状であるガイド溝710b、720bは、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720cの複数のガイド溝のうち、第3ガイド溝部910、920から最も遠く離れているガイド溝であることができる(図7図8及び図13参照)。
【0102】
フレーム410とレンズホルダー420が互いに光軸(Z軸)方向に向い合う面には、それぞれ第2ボール部材800を収容する第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cが形成される。第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cは複数のガイド溝を含む。
【0103】
第2ボール部材800は、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cに収容されてフレーム410とレンズホルダー420との間に挟まれる。
【0104】
第2ボール部材800は、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cに収容された状態で、光軸(Z軸)及び第1軸(X軸)方向への移動が制限され、第2軸(Y軸)方向にのみ移動されることができる。一例として、第2ボール部材800は第2軸(Y軸)方向にのみ転動可能である。
【0105】
そのために、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cの複数のガイド溝のそれぞれの平面形状は、第1軸(X軸)方向における幅より第2軸(Y軸)方向における長さがより長い長方形であることができる。
【0106】
また、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cの複数のガイド溝のうち一部のガイド溝は、それ以外のガイド溝とその断面形状が異なることができる。
【0107】
一例として、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cの複数のガイド溝のうち一部のガイド溝810b、820bはその断面形状が略「∪」形状であり、それ以外のガイド溝810a、810c、820a、820cはその断面形状が略「∨」形状であることができる。
【0108】
ここで、断面形状が略「∪」形状であるガイド溝810b、820bは、第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cの複数のガイド溝のうち、第3ガイド溝部910、920から最も遠く離れているガイド溝であることができる(図7図8及び図14参照)。
【0109】
一方、本発明では、キャリア310とレンズホルダー420との間でレンズホルダー420の移動を支持する第3ボール部材900が提供される。
【0110】
第3ボール部材900は、レンズホルダー420の第1軸(X軸)方向への移動及び第2軸(Y軸)方向への両方の移動をガイドする。
【0111】
一例として、第3ボール部材900は、第1軸(X軸)方向への駆動力が発生した場合、第1軸(X軸)方向に転動する。これにより、第3ボール部材900はレンズホルダー420の第1軸(X軸)方向への移動をガイドする。
【0112】
また、第3ボール部材900は、第2軸(Y軸)方向への駆動力が発生した場合、第2軸(Y軸)方向に転動する。これにより、第3ボール部材900はレンズホルダー420の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0113】
一方、第2ボール部材800と第3ボール部材900はレンズホルダー420を接触支持する。ここで、第2ボール部材800と第3ボール部材900は互いに異なる平面に位置する(図8図11a〜図12b参照)。
【0114】
レンズホルダー420には第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451が備えられており、それぞれのマグネット441、451の両側には、第2ボール部材800と第3ボール部材900がそれぞれ位置する(図8参照)。
【0115】
すなわち、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のそれぞれのマグネット441、451は、異なる平面に配置されたボール部材の間に位置する。
【0116】
キャリア310とレンズホルダー420が互いに光軸(Z軸)方向に向い合う面には、それぞれ第3ボール部材900を収容する第3ガイド溝部910、920が形成される。
【0117】
第3ボール部材900は、第3ガイド溝部910、920に収容されてキャリア310とレンズホルダー420との間に挟まれる。
【0118】
第3ボール部材900は、第3ガイド溝部910、920に収容された状態で、光軸(Z軸)方向への移動が制限され、第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)方向に転動することができる。
【0119】
そのために、第3ガイド溝部910、920の平面形状は円形であることができる。したがって、第3ガイド溝部910、920の平面形状と、第1ガイド溝部710a、710b、710c、720a、720b、720c及び第2ガイド溝部810a、810b、810c、820a、820b、820cの平面形状は互いに異なる。
【0120】
第1ボール部材700は第1軸(X軸)方向に転動可能であり、第2ボール部材800は第2軸(Y軸)方向に転動可能であり、第3ボール部材900は第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)方向に転動可能である。
【0121】
したがって、本発明の振れ補正ユニット400を支持する複数のボール部材は、自由度において差異がある。一例として、複数のボール部材のうち一部のボール部材は、それ以外のボール部材の自由度と異なる自由度を有する。
【0122】
ここで、図9を参照すると、自由度とは、3次元座標系で物体の運動状態を示すのに必要な独立変数の数を意味する。
【0123】
一般に、3次元座標系で物体の自由度は6である。物体の動きは、3方向の直交座標系と3方向の回転座標系によって表現されることができる。
【0124】
一例として、3次元座標系で、物体は各軸(X軸、Y軸、Z軸)に沿って並進運動することができ、各軸(X軸、Y軸、Z軸)を基準として回転運動することができる。
【0125】
本明細書における自由度の意味は、振れ補正ユニット400に電源が印加されて光軸(Z軸)に垂直な方向に発生した駆動力により振れ補正ユニット400が移動される時に、第1ボール部材700、第2ボール部材800及び第3ボール部材900の動きを示すのに必要な独立変数の数を意味する。
【0126】
一例として、光軸(Z軸)に垂直な方向に発生した駆動力により、第3ボール部材900は2つの軸(第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸))に沿って転動可能であり(図15c参照)、第1ボール部材700及び第2ボール部材800は、1つの軸(第1軸(X軸)または第2軸(Y軸))に沿って転動可能である(図15a及び図15b参照)。
【0127】
したがって、第3ボール部材900の自由度が、第1ボール部材700及び第2ボール部材800の自由度より大きい。
【0128】
図10から図12bを参照して、光軸(Z軸)に垂直な方向に発生した駆動力による第1ボール部材700、第2ボール部材800及び第3ボール部材900の動きを説明する。
【0129】
図11bに示すように、第1軸(X軸)方向に駆動力Fxが発生すると、フレーム410及びレンズホルダー420がともに第1軸(X軸)方向に動く。
【0130】
ここで、第1ボール部材700と第3ボール部材900は第1軸(X軸)に沿って転動する。この際、第2ボール部材800の動きは制限される。
【0131】
また、図12bに示すように、第2軸(Y軸)方向に駆動力Fyが発生すると、レンズホルダー420が第2軸(Y軸)方向に動く。
【0132】
ここで、第2ボール部材800と第3ボール部材900は第2軸(Y軸)に沿って転動する。この際、第1ボール部材700の動きは制限される。
【0133】
このように、振れ補正過程で一部のボール部材の動きを制限することで、フレーム410とレンズホルダー420が光軸(Z軸)を基準として回転されることを防止することができる。
【0134】
カメラモジュールの振れは、毎秒当り数十Hzに達するほど速く起こるため、振れ補正ユニット400は第1軸(X軸)と第2軸(Y軸)に沿って連続して移動される。したがって、第1軸(X軸)と第2軸(Y軸)方向に発生する駆動力が常に振れ補正ユニット400の中央に加えられにくいため、振れ補正過程で振れ補正ユニット400が光軸(Z軸)を中心に回転する恐れがある。
【0135】
一例として、全てのボール部材が第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)に転動可能に構成される場合、振れ補正ユニット400が光軸(Z軸)を中心に回転する恐れがあり、これは画質低下の原因となる。
【0136】
しかし、本発明は、振れ補正過程で一部のボール部材の動きを制限することで、機構的な構造によって振れ補正ユニット400が光軸(Z軸)を中心に回転することを防止することができる。
【0137】
一方、第1軸(X軸)に沿って転動するボール部材を第1ボール部材とし、第2軸(Y軸)に沿って転動するボール部材を第2ボール部材とすると、キャリア310とレンズホルダー420との間に配置されるボール部材900(上述の第3ボール部材)は、振れ補正ユニット400が第1軸(X軸)方向に移動する時には第1ボール部材として機能し、振れ補正ユニット400が第2軸(Y軸)方向に移動する時には第2ボール部材として機能する。
【0138】
したがって、この場合、第1ボール部材と第2ボール部材は互いに共有するボール部材を有する。
【0139】
本発明のレンズ駆動装置500は、振れ補正過程でレンズ鏡筒200の位置を検知してフィードバックする、閉ループ制御方式を用いる。
【0140】
したがって、閉ループ制御のための位置センサー443、453が提供され、位置センサー443、453は第1及び第2振れ補正駆動部440、450のコイル442、452の内側に配置されることができる(図8及び図10参照)。
【0141】
位置センサー443、453はホールセンサーであることができる。位置センサー443、453は、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451によってレンズ鏡筒200の位置を検知することができる。
【0142】
一方、本発明では、振れ補正ユニット400と複数のボール部材が接触状態を維持するように、ヨーク部380が提供される。
【0143】
ヨーク部380はキャリア310に固定されており、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451と光軸(Z軸)方向に向い合う。
【0144】
これにより、ヨーク部380とマグネット441、451との間には、光軸(Z軸)方向に引力が発生する。
【0145】
ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力により、振れ補正ユニット400がヨーク部380に向かう方向に加圧されるため、振れ補正ユニット400のフレーム410及びレンズホルダー420が複数のボール部材と接触状態を維持することができる。
【0146】
例えば、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力により、レンズホルダー420がフレーム410に向かって加圧され、これによりフレーム410がキャリア310に向かって加圧される。
【0147】
ヨーク部380は第1ヨーク部380a及び第2ヨーク部380bを含み、マグネット441、451との間で引力を発生させることができる材質からなる。一例として、ヨーク部380は磁性体からなる。
【0148】
第1ヨーク部380aは第1振れ補正駆動部440のマグネット441と光軸(Z軸)方向に向い合い、第2ヨーク部380bは第2振れ補正駆動部450のマグネット451と光軸(Z軸)方向に向い合う。
【0149】
第1ヨーク部380a及び第2ヨーク部380bの光軸(Z軸)に垂直な方向の長さは、マグネット441、451の光軸(Z軸)に垂直な方向の長さに対応するか、または小さいことができる。この場合、マグネット441、451が光軸(Z軸)に垂直な方向に動く時に、ヨーク部380との引力によって元の位置に戻ろうとする復元力がより強く作用することになる。
【0150】
振れ補正過程では、ユーザーの手振れなどに対応して、瞬間的にレンズ鏡筒200を第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)に沿って連続して移動させなければならない必要がある。
【0151】
一例として、ユーザーの手振れなどに起因するカメラモジュールの振れは毎秒当り数十Hzに達するほど速く起こるため、マグネット441、451とコイル442、452との間の電磁気力のみではカメラモジュールの振れに対応する振動を生成することが困難であり得る。
【0152】
したがって、マグネット441、451とヨーク部380との間に作用する復元力及びマグネット441、451とコイル442、452との間の電磁気力をともに用いて、レンズ鏡筒200を第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)に移動させることができる。
【0153】
これにより、振れに対応してレンズ鏡筒200を連続して移動させることができ、消費電力を減少させるのにさらに有利である。
【0154】
カメラモジュールの電源がオンされると、位置センサー443、453によってレンズ鏡筒200の初期位置(光軸(Z軸)に垂直な方向における位置)が検知される。そして、レンズ鏡筒200は、検知された初期位置から設定位置に移動される。
【0155】
ここで、設定位置とは、第1軸(X軸)方向への移動可能範囲の中央と第2軸(Y軸)方向への移動可能範囲の中央を意味する。機構的には、振れ補正ユニット400が収容されるキャリア310の第1軸(X軸)方向における中央と第2軸(Y軸)方向における中央を意味する。
【0156】
カメラモジュールに振れが発生しない場合には、レンズ鏡筒200が第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)に動かないように固定させる必要がある。
【0157】
本発明では、ヨーク部380がマグネット441、451を光軸(Z軸)方向に引き寄せているため、振れ補正信号が印加されなければ、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力によってレンズ鏡筒200が所定位置に固定された状態を維持することができる。
【0158】
しかし、カメラモジュールの各構成部品は製造過程での公差を有しているため、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力のみでレンズ鏡筒200を固定させる場合には、レンズの光軸(Z軸)が画像センサー610の中心からずれる恐れがあり、これは画質低下の原因となり得る。
【0159】
また、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力のみでは、レンズ鏡筒200を固定された状態に維持することが困難であり得る。
【0160】
したがって、本発明では、カメラモジュールの電源がオンされると、レンズ鏡筒200が機構的に中央に位置するようにレンズ鏡筒200の位置(光軸(Z軸)に垂直な方向における位置)を調整する。
【0161】
したがって、カメラモジュールの電源がオンされた状態でカメラモジュールに振れが発生しなければ、レンズ鏡筒200は、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力及び第1及び第2振れ補正駆動部440、450の駆動力によって機構的に中央に固定された状態を維持することができる。
【0162】
一方、カメラモジュールの電源がオフされた状態では、ヨーク部380とマグネット441、451との間の引力によってレンズ鏡筒200の位置が固定されることができる。
【0163】
本発明では、フレーム410及びレンズホルダー420が複数のボール部材と接触状態を維持するようにヨーク部380が提供されるとともに、外部衝撃などによって複数のボール部材、フレーム410及びレンズホルダー420がキャリア310の外部に離脱することを防止するためにストッパー210が提供される(図2参照)。
【0164】
ストッパー210は、レンズホルダー420の上面の少なくとも一部をカバーするようにキャリア310に結合される。
【0165】
一方、本発明では、振れ補正のためにレンズ鏡筒200をガイドするガイド部材(フレーム410及びレンズホルダー420)をキャリア310内に追加しているため、振れ補正機能を有しない場合に比べて、レンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズが大きくなる。
【0166】
例えば、光軸(Z軸)方向を基準として、フレーム410とレンズホルダー420がキャリア310内に光軸(Z軸)方向に順に配置されているため、フレーム410及びレンズホルダー420がない場合に比べて、レンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズが大きくなる。
【0167】
しかし、本発明は、振れ補正機能を有しながらも、レンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズを減らすことができる。
【0168】
フレーム410とレンズホルダー420は、その平面形状が互いに異なる。また、フレーム410とレンズホルダー420は、重心の位置が互いに異なることができる。
【0169】
一例として、フレーム410の平面形状は略「¬(逆L字)」形状であり、レンズホルダー420の平面形状は略「ロ」形状であることができる。
【0170】
したがって、キャリア310とレンズホルダー420との間の領域に、フレーム410が位置する領域とフレーム410が位置しない領域が存在する。
【0171】
一例として、光軸(Z軸)方向から見たときに、フレーム410とレンズホルダー420とが互いに重なる領域と重ならない領域が存在する。
【0172】
フレーム410とレンズホルダー420とが光軸(Z軸)方向に互いに重なる領域は、キャリア310とレンズホルダー420との間にフレーム410が位置する領域であることができる。
【0173】
フレーム410とレンズホルダー420とが光軸(Z軸)方向に互いに重ならない領域は、キャリア310とレンズホルダー420との間にフレーム410が位置しない領域であることができる。したがって、この領域で、キャリア310とレンズホルダー420が光軸(Z軸)方向に直接向い合うことができる。
【0174】
ここで、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451とヨーク部380は、キャリア310とレンズホルダー420とが光軸(Z軸)方向に直接向い合う領域に配置される。
【0175】
すなわち、フレーム410は、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451とヨーク部380とが光軸(Z軸)方向に向い合う領域に対応する部分が開放された形状を有する。
【0176】
したがって、光軸(Z軸)方向を基準として、第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451とヨーク部380との間にフレーム410が位置せず、これにより、マグネット441、451をヨーク部380にさらに近く位置させることができる。
【0177】
本発明では、フレーム410とレンズホルダー420の平面形状を異ならせることで、キャリア310とレンズホルダー420との間にフレーム410が位置しない領域を形成することができ、この領域にマグネット441、451とヨーク部380を配置することにより、マグネット441、451をヨーク部380にさらに近く配置することができる。
【0178】
したがって、本発明は、振れ補正機能を有しながらも、レンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズ(光軸(Z軸)方向における高さ)を減らすことができる。
【0179】
ここで、マグネット441、451が付着されるレンズホルダー420の取り付け面は、レンズホルダー420の他の部分に比べてキャリア310の底面に向かってより突出した形状を有することができる。
【0180】
一方、第3ボール部材900は、キャリア310とレンズホルダー420との間に配置され、レンズホルダー420を支持する。
【0181】
第1及び第2振れ補正駆動部440、450のマグネット441、451は互いに直交するようにレンズホルダー420の一面と他面に取り付けられており、マグネット441、451とヨーク部380との間に引力が作用するため、レンズホルダー420には、ヨーク部380に向かって偏向された加圧力が加えられることになる。
【0182】
この際、マグネット441、451とヨーク部380との間に引力が作用する領域にはフレーム410が配置されていないため、マグネット441、451とヨーク部380との間の引力によってレンズホルダー420が傾く恐れがある。
【0183】
しかし、本発明では、レンズホルダー420が傾くことを防止するために、キャリア310とレンズホルダー420との間に第3ボール部材900が配置される。
【0184】
第3ボール部材900がキャリア310とレンズホルダー420との間でレンズホルダー420を直接支持するため、第3ボール部材900はレンズホルダー420の第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)方向への両方の移動をガイドすることができる。
【0185】
このように、マグネット441、451とヨーク部380との間に引力が作用する領域にフレーム410を配置せず、且つ、フレーム410が配置されていない領域に第3ボール部材900を配置してレンズホルダー420が第3ボール部材900により支持されるようにすることで、振れ補正機能を有しながらも、レンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズ(光軸(Z軸)方向における高さ)を減らすことができる。
【0186】
レンズホルダー420に偏向された加圧力が加えられるため、レンズホルダー420を支持する第2ボール部材800と第3ボール部材900に加えられる加圧力の大きさも互いに異なる。
【0187】
一例として、レンズホルダー420に加えられる加圧力は、マグネット441、451とヨーク部380とが向い合う領域で最も大きく発生するため、第3ボール部材900に加えられる加圧力の大きさは第2ボール部材800に加えられる加圧力の大きさより大きい。
【0188】
また、第3ボール部材900に加えられる加圧力の大きさは、第1ボール部材700に加えられる加圧力の大きさよりも大きい。
【0189】
上述のように、最も大きい加圧力が加えられる第3ボール部材900を収容する第3ガイド溝部910、920から最も遠く離れているガイド溝の断面形状と、第3ガイド溝部910、920に相対的に近く配置されているガイド溝の断面形状は互いに異なる。
【0190】
一方、本発明によるレンズ駆動装置500及びカメラモジュール1000のサイズを減らすことにより、レンズ鏡筒200の一部はケース110の外部に突出した状態を維持することができる(図1参照)。
【0191】
一例として、レンズ鏡筒200が光軸(Z軸)方向に最低点に位置するときにも、レンズ鏡筒200の一部はケース110の外部に突出することができる。
【0192】
以上の実施例により、本発明の一実施例によるレンズ駆動装置500及びそれを含むカメラモジュール1000は、振れ補正機能を有しながらも、サイズを小型化することができる。
【0193】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0194】
110 ケース
120 ハウジング
130 基板
200 レンズ鏡筒
210 ストッパー
300 焦点調整ユニット
310 キャリア
400 振れ補正ユニット
410 フレーム
420 レンズホルダー
500 レンズ駆動装置
600 画像センサーユニット
700 第1ボール部材
800 第2ボール部材
900 第3ボール部材
1000 カメラモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
図15a
図15b
図15c