(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-91131(P2017-91131A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置を含む情報処理システム、情報処理装置の制御方法、そのプログラム及び携帯型電子端末
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20170421BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20170421BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20170421BHJP
G08B 13/196 20060101ALI20170421BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B25/00 510M
G08B25/10 D
G08B13/196
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-219235(P2015-219235)
(22)【出願日】2015年11月9日
(71)【出願人】
【識別番号】591007929
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・ティ
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】坂本 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】西浦 敬久
(72)【発明者】
【氏名】帯津 浩一
【テーマコード(参考)】
5C054
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C054DA09
5C054FC12
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA18
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA13
5C084CC16
5C084DD11
5C084FF02
5C084HH12
5C084HH13
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA25
5C087BB20
5C087DD05
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG22
5C087GG43
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】携帯型電子端末を用いることで、撮像情報を複数の場所で容易に確認できるようにすると共に、撮像情報を所定のタイミングで削除することで情報管理性を高めた情報処理システムを提供することが可能となる。
【解決手段】情報処理装置では、撮像手段で撮像した人間の顔に関する情報を含む複数の撮像情報が記憶手段に記憶され、外部から入力された対象情報を含む撮像情報を抽出し、外部通信手段が複数の携帯型電子端末に抽出した対象情報を含む撮像情報を送信する。こうすることにより、複数の撮像情報から対象情報を含む撮像情報を抽出し、出力することができる。このとき、携帯型電子端末は情報処理装置と電気通信回線を介して接続されているため、携帯型電子端末を持ち運ぶことにより、所望の場所で撮像情報を受信し、表示することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を抽出する撮像処理手段と、
前記撮像処理手段で抽出された人間の顔に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出手段と、
前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて前記人間の顔を表示する表示手段を有する複数の携帯型電子端末に、前記抽出手段で抽出した前記撮像情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記携帯型電子端末を識別する個体識別情報を記憶可能であり、
前記送信手段は、前記記憶手段に前記個体識別情報が記憶されている場合に、前記個体識別情報に対応する前記携帯型電子端末に前記撮像情報を送信することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記撮像情報が撮像された時刻に関する情報である撮像時刻情報又は前記撮像情報が記憶された時刻に関する情報である記憶時刻情報に基づいて、前記携帯型電子端末に前記撮像情報を送信することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記撮像情報が撮像された時刻に関する情報である撮像時刻情報又は前記撮像情報が記憶された時刻に関する情報である記憶時刻情報に基づいて、前記撮像情報の読み出しができない状態とすることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記撮像処理手段は、前記携帯型電子端末で撮像して得られた画像情報を受信する受信手段を有し、撮像して得られた情報又は前記携帯型電子端末で撮像して得られた情報に基づいて、前記人間の顔に関する情報を抽出することを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記撮像情報に基づいて対応する前記人間の顔を表示する表示手段を有する携帯型電子端末と、
を備え、
前記情報処理装置と前記携帯型電子端末とは、電気通信回線を介して通信可能であることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項7】
前記携帯型電子端末は、使用者の顔を撮影して得られた使用者の顔画像を含む使用者情報を送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段は、前記記憶手段に前記使用者情報が記憶されている場合に、前記撮像情報を送信することを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記携帯型電子端末は、対象の人間の顔を撮影して得られた対象者の顔画像を含む対象情報を送信する送信手段と、を有し、
前記撮像処理手段は、前記携帯型電子端末から送信された前記対象情報から対象者の顔に関する情報を抽出し、
前記抽出手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、前記対象者の顔に関する情報に基づいて特定の人間の顔に関する情報を抽出することを特徴とする、
請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか1項に記載された情報処理装置から送信された特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を表する表示手段を備えることを特徴とする、
携帯型電子端末。
【請求項10】
撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を抽出する撮像処理手段と、前記撮像処理手段で抽出された人間の顔に関する情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出手段と、前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて前記人間の顔を表示する表示手段を有する複数の携帯型電子端末に、前記抽出手段で抽出した前記撮像情報を送信する送信手段と、を備えた情報処理装置を制御する情報処理装置の制御方法であって、
前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出した前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を複数の前記携帯型電子端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする、
情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置の制御方法を1又は2以上の情報処理装置で実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置を含む情報処理システム、情報処理装置の制御方法、そのプログラム及び携帯型電子端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不審者に関する情報を地域で供給可能とする防犯システムが知られている。例えば、特許文献1には、所定の範囲内に存在する複数の住戸にそれぞれ設置され、少なくとも住戸の玄関を含む範囲を撮像する撮像装置並びに撮像装置で撮像した画像を表示する住戸端末と、複数の撮像装置で撮像された画像をネットワークを介して収集し管理する管理装置とで構成され、前記住戸端末は、撮像装置で撮像した人物画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶した人物画像を表示する表示手段と、表示手段に表示した人物画像を不審者候補に投票する操作を受け付ける不審者候補投票受付手段と、不審者候補投票受付手段で投票の操作を受け付けた人物画像に関する情報をネットワークを介して管理装置に送信するデータ送信手段とを備え、前記管理装置は、ネットワークを介して伝送される人物画像を受信するデータ受信手段と、データ受信手段で受信した人物画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶した複数の人物画像のうちで不審者候補に投票された人物同士を対比して同一人物か否かを判定する判定手段と、判定手段により同一人物と判定された不審者候補を写した複数の人物画像が所定の条件を満足する場合に当該不審者候補を不審者として登録する登録手段とを備えたことを特徴とする防犯システムが記載されている。この防犯システムでは、各住戸に設置されている複数の撮像装置で撮像され不審者候補が写っている人物画像を管理装置で収集して不審者を登録しているので、撮像装置並びに住戸端末が設置されている住戸を含む地域で不審者情報を共用することができ、しかも、複数の人物画像に写っている不審者候補が同一人物であるか否かを判定するとともに同一人物と判定された不審者候補を写した複数の人物画像が所定の条件を満足する場合に当該不審者候補を不審者として管理装置において登録するので、不審者情報の信頼性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−172083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような防犯システムでは、撮像装置及び住戸端末が設置されている場所でしか対応できず、人物画像を確認するためには、住戸端末が設置された場所まで移動しなければならないという課題がある。また、記憶された人物画像が管理装置に収集・記憶されるため、管理装置に記憶された人物画像が外部に流出する可能性があるという課題がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、複数の携帯型電子端末を用いることで、画像情報を容易に共有し、個人情報である画像情報の流出の可能性を低減することができる情報処理装置を提供することを主目的とする。また、この情報処理装置を用いた情報処理システム、情報処理方法及びそのプログラムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の情報処理装置は、
撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を抽出する撮像処理手段と、
前記撮像処理手段で抽出された人間の顔に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出手段と、
前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて前記人間の顔を表示する表示手段を有する複数の携帯型電子端末に、前記抽出手段で抽出した前記撮像情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、
ものである。
【0008】
この情報処理装置では、撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を撮像処理手段で抽出し、記憶手段で記憶する。この記憶手段に記憶された複数の人間の顔に関する情報から、抽出手段が特定の人間の顔に関する情報を抽出し、送信手段でこの特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を複数の携帯型電子端末に送信する。この携帯型電子端末は、特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて特定の人間の顔を表示する表示手段を有しているため、携帯型電子端末を持ち運ぶことで、時間及び場所に限定されることなく特定の人間の顔を使用者が確認することができる。この効果は、屋外等の広い場所で本発明を用いた場合に、特にその効果が大きい。すなわち、携帯型電子端末に特定の人間の顔に関する情報を送信することで、携帯型電子端末を使用できる場所であればいずれの場所でも特定の人間の顔を確認することができる。
【0009】
本発明の情報処理装置において、前記記憶手段は、前記携帯型電子端末を識別する個体識別情報を記憶可能であり、前記送信手段は、前記記憶手段に前記個体識別情報が記憶されている場合に、前記個体識別情報に対応する前記携帯型電子端末に前記撮像情報を送信することを特徴としてもよい。こうすることにより、予め個体識別情報が登録された携帯型電子端末にのみ撮像情報を送信することができる。言い換えると、撮像情報を送信する携帯型電子端末を適宜選択することができるため、意図しない携帯型電子端末に撮像情報が送信される可能性を未然に低減することができる。なお、ここで「個体識別情報」とは、情報処理装置と送受信する携帯型電子端末を識別可能な情報や、携帯型電子端末に固有の情報、携帯型電子端末と通信する際に携帯型電子端末に付与される固有の情報、携帯型電子端末を使用する使用者に固有の情報等を含むものである。
【0010】
本発明の情報処理装置において、前記送信手段は、前記撮像情報が撮像された時刻に関する情報である撮像時刻情報又は前記撮像情報が記憶された時刻に関する情報である記憶時刻情報に基づいて、前記携帯型電子端末に前記撮像情報を送信することを特徴としてもよい。こうすることにより、撮像時刻情報又は記憶時刻情報から所定の時間のみ携帯型電子端末に撮像情報を送信することができる。付言すると、撮像情報を携帯型電子端末に送信する時間を制限することで、古い撮像情報が携帯型電子端末に送信される可能性を未然に低減することができる。古い撮像情報が携帯型電子端末に送信された場合には、過去の撮像情報の流出、言い換えると、目的外使用に繋がる可能性が高いため、古い撮像情報が送信されることを未然に低減することで、目的外の使用や不正な使用に撮像情報が使用される可能性を未然に低減することができる。
【0011】
本発明の情報処理装置において、前記記憶手段は、前記撮像情報が撮像された時刻に関する情報である撮像時刻情報又は前記撮像情報が記憶された時刻に関する情報である記憶時刻情報に基づいて、前記撮像情報の読み出しができない状態とすることを特徴としてもよい。こうすることにより、撮像時刻情報又は記憶時刻情報から所定の時間のみ撮像情報の読み出しを可能にすることができる。付言すると、撮像情報を読み出せる時間を制限することで、古い撮像情報が読み出される可能性を未然に低減することができる。なお、ここで撮像情報の「読み出しができない状態」とは、撮像情報が削除されることにより、読み出しができない状態も含むものとする。
【0012】
本発明の情報処理装置は、前記撮像処理手段は、前記携帯型電子端末で撮像して得られた画像情報を受信する受信手段を有し、撮像して得られた情報又は前記携帯型電子端末で撮像して得られた画像情報に基づいて、前記人間の顔に関する情報を抽出することを特徴としてもよい。こうすることにより、携帯型電子端末で撮像された画像情報に基づいて人間の顔に関する情報を抽出し、この抽出した人間の顔に関する情報を含む撮像情報を複数の携帯型電子端末に提供することができる。このとき、複数の携帯型電子端末は、撮像情報に基づいて人間の顔を表示する表示手段を有しているため、複数の携帯型電子端末に、特定の人間の顔を表示することができる。
【0013】
本発明の情報処理システムは、上述したいずれかに記載の情報処理装置と、前記撮像情報に基づいて対応する前記人間の顔を表示する表示手段を有する携帯型電子端末と、を備え、前記情報処理装置と前記携帯型電子端末とは、電気通信回線を介して通信可能であることを特徴とするものである。こうすることにより、上述したいずれかに記載の情報処理装置と同様の効果、例えば、携帯型電子端末を持ち運ぶことで、時間及び場所に限定されることなく特定の人間の顔を確認することができる。この効果は、屋外等の広い場所で本発明を用いた場合に、特にその効果が大きい。すなわち、携帯型電子端末に特定の人間の顔に関する情報を送信することで、携帯型電子端末を使用できる場所であればいずれの場所でも確認することができる。
【0014】
本発明の情報処理システムにおいて、前記携帯型電子端末は、使用者の顔を撮影して得られた使用者の顔画像を含む使用者情報を送信する送信手段と、を有し、前記送信手段は、前記記憶手段に前記使用者情報が記憶されている場合に、前記撮像情報を送信することを特徴とするものとしてもよい。こうすることにより、個体識別情報として使用者情報を利用して、予め個体識別情報が登録された携帯型電子端末にのみ撮像情報を送信することができる。言い換えると、携帯型電子端末に固有の情報を個体識別情報として使用する場合と比較して、より、撮像情報が意図しない相手に視認される可能性を未然に低減することができる。
【0015】
本発明の情報処理システムにおいて、前記携帯型電子端末は、対象の人間の顔を撮影して得られた対象者の顔画像を含む対象情報を送信する送信手段と、を有し、前記撮像処理手段は、前記携帯型電子端末から送信された前記対象情報から対象者の顔に関する情報を抽出し、前記抽出手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、前記対象者の顔に関する情報に基づいて特定の人間の顔に関する情報を抽出することを特徴としてもよい。こうすることにより、携帯型電子端末で対象の人間の顔を撮影することで、記憶手段に記憶された複数の人間の顔に関する情報から、対象の人間の顔に関する情報に基づいて特定の人間の顔に関する情報を抽出し、複数の携帯型電子端末に提供することができる。
【0016】
本発明の携帯型電子端末は、上述したいずれかに記載の情報処理装置から送信された特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を表する表示手段を備えることを特徴とするものである。こうすることにより、上述したいずれかに記載の情報処理装置と同様の効果、例えば、携帯型電子端末を持ち運ぶことで、時間及び場所に限定されることなく記憶手段に記憶された撮像情報を確認することができる。すなわち、携帯型電子端末に特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を送信することで、携帯型電子端末を使用できる場所であればいずれの場所でも確認することができる。
【0017】
本発明の情報処理装置の制御方法は、
撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を抽出する撮像処理手段と、前記撮像処理手段で抽出された人間の顔に関する情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出手段と、前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて前記人間の顔を表示する表示手段を有する複数の携帯型電子端末に、前記抽出手段で抽出した前記撮像情報を送信する送信手段と、を備えた情報処理装置を制御する情報処理装置の制御方法であって、
前記記憶手段に記憶された複数の前記人間の顔に関する情報から、特定の人間の顔に関する情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出した前記特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を複数の前記携帯型電子端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする、
ものである。
【0018】
この情報処理装置の制御方法では、撮像して得られた情報から人間の顔に関する情報を撮像処理手段で抽出し、記憶手段で記憶する。この記憶手段に記憶された複数の人間の顔に関する情報から、抽出手段が特定の人間の顔に関する情報を抽出ステップで抽出し、送信ステップでこの特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を複数の携帯型電子端末に送信する。この携帯型電子端末は、特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報に基づいて特定の人間の顔を表示する表示手段を有しているため、携帯型電子端末を持ち運ぶことで、時間及び場所に限定されることなく特定の人間の顔を使用者が確認することができる。この効果は、屋外等の広い場所で本発明を用いた場合に、特にその効果が大きい。すなわち、携帯型電子端末に特定の人間の顔に関する情報を送信することで、携帯型電子端末を使用できる場所であればいずれの場所でも特定の人間の顔を確認することができる。
【0019】
本発明の情報処理装置の制御方法において、上述したいずれかの情報処理装置が備える各種構成を備えていても良いし、また、上述したいずれかの情報処理装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0020】
本発明のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、情報処理装置の制御方法の各ステップを実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えば、ハードディスク、ROM、CD、DVD、フラッシュメモリなど)に記録されていても良いし、伝送媒体(インターネットや有線/無線LANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ送信されても良いし、その他どのような形で授受されても良い。また、制御方法の各ステップを実行する装置で実行されるものであっても、プログラムが実行される装置と処理が行われる装置とが異なっていてもよい。いずれの場合であっても、このプログラムを1つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した制御方法と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、情報処理システム20の構成の概略を示す説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置30の電気的な接続を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、顔認識カメラ10の構成の概要を示す説明図である。
【
図4】
図4は、携帯型電子端末40の構成の概略を示す説明図である。
【
図5】
図5は、個体識別情報登録処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、個体識別情報記憶テーブルの一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、端末削除処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、撮像情報記憶テーブルの一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、撮像情報抽出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態の一例として、情報処理装置30及び携帯型電子端末40を含む情報処理システム20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号を付す。また、情報処理装置30及び携帯型電子端末40を含む情報処理システム20の制御方法の一例を示すことで、本発明の情報処理システム、情報処理装置の制御方法及びそのプログラムの一例も明らかにする。
【0023】
本発明の実施の形態の一例である情報処理システム20は、
図1に示すように、主に、周囲を撮像し、撮像した撮像情報を送信する複数の撮像手段12と、複数の撮像手段12と電気通信回線を介して接続され、複数の撮像情報を記憶すると共に、特定の撮像情報を抽出する情報処理装置30と、情報処理装置30から送信された撮像情報を受信し、表示する携帯型電子端末40と、が互いに電気通信回線を介して接続されている。なお、ここでいう、「電気通信回線を介して接続される」とは、有線回線及び無線回線のいずれであっても良いし、両方を組み合わせたものであってもよい。また、インターネットネットワーク等の既存のネットワークを一部用いても良いし、情報処理システム20のための専用の電気通信回線を用いても良い。
【0024】
顔認識カメラ10は、本発明の撮像処理手段に相当し、
図3に示すように、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダ等の撮像手段12と、撮像手段12で撮像した静止画像又は動画像を記憶する記憶手段14と、記憶手段14に記憶された静止画像又は動画像から人間の顔に関する情報を抽出する顔認識手段16と、顔認識手段16で抽出した人間の顔に関する情報を送信する送信手段18と、を備えており、撮像手段12で撮像した静止画像又は動画像から顔認識手段16で人間の顔に関する情報を抽出して、記憶手段14に記憶する。この記憶手段14に記憶された人間の顔に関する情報を含む撮像情報は、送信手段18により、逐次情報処理装置30に送信される。こうすることにより、撮像手段12で撮像された静止画像又は動画像を情報処理装置30に送信する場合と比較して、送信時のデータ量を低減し、電気通信回線にかかる負荷を低減することができる。また、人間の顔に関する情報を送信手段18が送信する際には、人間の顔に関する情報に加え、撮像時刻を含む撮像時刻情報及び撮像された撮像手段12の個体識別情報を含む撮像手段識別情報を含む撮像情報も同時に送信する。こうすることにより、撮像情報に基づいて、当該撮像情報がいつ、複数の撮像手段12のうちのいずれの撮像手段12によって撮像された撮像情報であるかを判別することができる。なお、ここで、人間の顔に関する情報とは、公知の顔認識技術で使用される情報を含むものであり、例えば、目と鼻の位置関係や、左右の目の間隔、口と顎の位置関係を示す情報等を含むものである。また、記憶手段14は、撮像手段12で撮像した静止画像又は動画像を記憶するために必要な十分な容量を有しているものとし、所定の容量を記憶した場合には、順次記憶した情報を削除する機能を有するものとする。
【0025】
情報処理装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ等の公知の情報処理装置である。この情報処理装置30は、
図2に示すように、CPU31を中心として構成されており、後述する撮像情報抽出処理ルーチン等の各種プログラムが記憶されたROM32と、顔認識カメラ10から送信された人間の顔に関する情報を含む撮像情報を一時的に記憶するRAM33と、撮像情報や後述する情報端末識別情報等を記憶する記憶手段34と、撮像手段12や携帯型電子端末40と電気通信回線を介して通信を可能とする外部送受信手段35及び図示しない入出力手段等とを通信可能に接続するインタフェース36(以下、「I/F36」という。)と、を備え、これらはバス37を介して互いに信号のやりとりが可能なように接続されている。なお、記憶手段34は、公知の種々の記憶媒体であって、例えば、ハードディスクドライブやフレキシブルディスク、光ディスク等の磁気記憶媒体を用いても良いし、フラッシュメモリやUSBメモリ等の持ち運び可能な記憶媒体を用いても良い。持ち運び可能な記憶媒体を用いた場合には、記憶手段34に記憶された情報を容易に移動することができるため、利便性が高い。一方、ハードディスクドライブ等の固定式記憶媒体を用いた場合には、記憶媒体に記憶された情報を容易に移動することができないため、情報管理性を高めることができる。また、電気通信回線を介してハードディスク等の記憶媒体を接続することで、記憶手段34としてもよい。こうすれば、情報処理装置30と記憶手段34とを別々の場所に位置することができるため、記憶手段34を安全な場所に位置することで、記憶された情報が流出する可能性を未然に低減することができる。
【0026】
携帯型電子端末40は、
図4に示すように、主に、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダ等の公知の撮像手段であるカメラ42と、カメラ42で撮像した撮像画像や動画等を記憶する画像記憶領域43aと情報処理装置30から送信された撮像情報等を記憶する撮像情報記憶領域43bとの少なくとも二つの記憶領域を有する記憶手段43と、画像記憶領域43aに記憶された情報やシリアルナンバーやMACアドレス等の携帯型電子端末40の端末識別情報を情報処理装置30に電気通信回線を介して送信し、情報処理装置30から送信された撮像情報等の情報を受信する送受信手段44と、液晶ディスプレイ等の送受信手段44で受信した撮像情報を表示する表示手段46と、を主に備えている。この携帯型電子端末40では、情報処理装置30から送信された撮像情報を送受信手段44で受信し、表示手段46で表示することにより、携帯型電子端末40を所望の場所に移動することで、情報処理装置30に記憶された撮像情報を所望の場所で表示することができる。
【0027】
次に、情報処理装置30を含む情報処理システム20の制御方法の一例について説明する。具体的には、携帯型電子端末40を登録するための個体識別情報登録処理ルーチンと、携帯型電子端末40の登録情報を削除するための個体識別情報削除処理ルーチンと、情報処理装置30が撮像手段12で撮像した撮像情報を保存する際に実行される撮像情報保存処理ルーチンと、情報処理装置30に保存された撮像情報から所望の撮像情報を抽出する撮像情報抽出処理ルーチンと、情報処理装置30に保存された撮像情報を削除する際に実行される撮像情報削除処理ルーチンと、について、それぞれ説明する。
【0028】
まず、情報処理装置30に携帯型電子端末40を使用可能な状態とする際、具体的には、携帯型電子端末40の個体識別情報を記憶手段34の個体識別情報記憶領域に記憶する際、CPU31に実行される個体識別情報登録処理ルーチンの一例について
図5を用いて詳しく説明する。ここで、
図5は、個体識別情報登録処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、個体識別情報を外部送受信手段35で受信したとCPU31が判定した際に、繰り返し実行される。この端末登録処理ルーチンが実行されると、CPU31は、記憶手段34に記憶されたブラックリストを読み出してRAM33に一時的に記憶し(ステップS100)、外部送受信手段35が受信した個体識別情報がブラックリストに記憶されている情報のいずれかと一致するか否かを判定し(ステップS110)、ブラックリストに記憶されている情報のいずれかと一致すると判定した場合には、本ルーチンを終了する。こうすることにより、特定の個体識別情報を有する携帯型電子端末40の使用を制限することができる。加えて、この個体識別情報登録処理ルーチンを携帯型電子端末40を使用可能な状態とする前に行うことで、悪意を有する者が情報処理装置30と通信可能となる可能性を未然に低減することができる。なお、ここでブラックリストとは、予め通信を拒絶する電子端末の識別情報を記憶したものであり、例えば、複数の個体識別情報がカンマ等の特定の文字で区切られたものであってもよいし、所定のカラムに個体識別情報が格納されたものであってもよい。なお、ここで個体識別情報とは、例えば、携帯型電子端末40の固有の情報であるシリアル番号や予めそれぞれの携帯型電子端末40に付与されたバーコードやQRコード(登録商標)等の識別符号、電気通信回線を介して通信する際に付与されるMACアドレスやIPアドレス等を含む情報である。
【0029】
一方、外部送受信手段35が受信した個体識別情報がブラックリストに記憶されている情報のいずれとも一致しないとCPU31が判定した場合には、図示しない内部タイマーから現在時刻を取得し(ステップS120)、
図6に示すように、個体識別情報記憶テーブルに現在時刻としての記憶時刻と個体識別情報とを対応付けた状態で記憶し(ステップS130)、携帯型電子端末40と通信可能な状態として(ステップS140)、本ルーチンを終了する。こうすることで、個体識別情報と個体識別情報が記憶された時刻とを関連付けて記憶することができると共に、ブラックリストに記憶されていない携帯型電子端末と通信可能な状態とすることができる。なお、ここで、
図6は、個体識別情報記憶テーブルの一例を示す模式図であり、左側のカラムから順に、変数i、個体識別情報、記憶時刻が列ごとに関連付けて記憶されている。
【0030】
次に、情報処理装置30から携帯型電子端末40を削除する際の個体識別情報削除処理ルーチンの一例について、
図7を用いて、詳しく説明する。
図7は、個体識別情報削除処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、所定の時間(例えば、30分や60分等)毎にCPU31がROM32より読み出し、繰り返し実行される。この端末削除処理ルーチンが実行されると、CPU31は、繰り返し回数をカウントするための変数iに値1を加算する(ステップS200)。続いて、CPU31は、個体識別情報記憶テーブル(
図6参照)からi番目に記憶された個体識別情報を読み出し(ステップS210)、関連付けて記憶されている記憶時刻が識別情報保持期間内か否かを判定し(ステップS220)、識別情報保持期間内であると判定した場合には、本ルーチンを終了する。個体識別情報は順番に登録されているため、i+1番目に登録された個体識別情報は、i番目に登録された個体識別情報よりも後の時刻に登録されたものであるため、i+1番目以降に登録された端末識別情報を判定する必要が無い。なお、ここで変数iの初期値は、値ゼロであるものとし、識別情報保持期間とは、識別情報を保持する期間として予め定められた所定の期間(年月・日時)であるものとする。
【0031】
一方、ステップS220でCPU31がi番目に記憶された端末識別情報に関連付けられた記憶時刻が識別情報保持期間内で無いと判定した場合には、i番目に記憶された携帯型電子端末識別情報を削除し(ステップS230)、再びステップS100を実行する。こうすることにより、識別情報保持期間を経過した個体識別情報は順次削除されるため、後述する撮像情報抽出処理ルーチンにおいて、特定の撮像情報が送信される可能性を未然に防ぐことができる。付言すると、識別情報保持期間を経過した携帯型電子端末への情報の送信を未然に防止することで、高い情報管理性能を有する。
【0032】
次に、情報処理装置30が顔認識カメラ10から送信された撮像情報を保存する際に実行される撮像情報保存処理ルーチンの一例について説明する。この撮像情報保存処理ルーチンは、顔認識カメラ10から送信された撮像情報を情報処理装置30の外部送受信手段35が受信したとCPU31が判定した際に、繰り返し実行される。この撮像情報保存処理ルーチンが実行されると、CPU31は、外部送受信手段35で受信した撮像情報を記憶手段34に記憶して、本ルーチンを終了する。このとき、CPU31は、
図8に示すように、受信した撮像情報を、撮像情報に含まれる人間の顔に関する情報、撮像時刻情報、撮像手段識別情報のそれぞれを互いに関連付けした状態で記憶する。こうすることにより、複数の人間の顔に関する情報と時間とを関連付けした状態で記憶することができる。なお、ここで、
図8は、撮像情報記憶テーブルの一例を示す模式図であり、撮像情報をカラム毎に関連付けして保存されている状態を示した模式図である。撮像情報が保存される際には、
図8に示すように、左側のカラムから順に、通し番号、撮影時刻情報、撮像手段識別情報、人間の顔に関する情報等、撮像された静止画像へのアクセス情報が記憶されている。このため、撮像情報記憶テーブルから情報の一部又は全部を読み出すことにより、撮像された時刻や場所に関する情報に加え、撮像された静止画像又は動画像に関する情報を得ることができる。
【0033】
さて、情報処理装置30に記憶された複数の撮像情報の中から、所望の撮像情報を抽出し、携帯型電子端末40に送信する撮像情報抽出処理ルーチンの一例について、
図9を用いて詳しく説明する。ここで、
図9は、撮像情報抽出処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、この撮像情報抽出処理ルーチンは、人間の顔に関する情報が入力されたとCPU31が判定した際、CPU31によって繰り返し実行される。ここで、人間の顔に関する情報が入力されたとCPU31が判定した際とは、例えば、情報処理装置30の図示しない入力手段を用いて人間の顔に関する情報が入力された際であってもよいし、携帯型電子端末40から人間の顔を含む画像が顔認識カメラ10に送信され、顔認識カメラ10の顔認識手段16によって人間の顔に関する情報が抽出され、この人間の顔に関する情報を情報処理装置30が受信した際であってもよい。
【0034】
この撮像情報抽出処理ルーチンが実行されると、CPU31は、人間の顔に関する情報をRAM33に一時的に記憶し(ステップS300)、この人間の顔に関する情報と同一の情報が、撮像情報記憶テーブルの人間の顔に関する情報に含まれるか否かを判定し(ステップS310)、含まれないと判断した場合には、対象情報が存在しない旨を報知して(ステップS320)、本ルーチンを終了する。このような場合には、入力された人間の顔が過去に顔認識カメラ10によって撮像された撮像情報に含まれていないことを意味する。
【0035】
一方、ステップS310でCPU31が入力された人間の顔に関する情報と同一の人間の顔に関する情報が撮像情報記憶テーブルに含まれていると判定した場合には、この人間の顔に関する情報を含む撮像情報を携帯型電子端末40に送信し(ステップS330)、本ルーチンを終了する。撮像情報を受信した携帯型電子端末40は、撮像情報に基づいて表示手段46に人間の顔に関する情報に対応する人間の顔を表示する。こうすることにより、入力された人間の顔に関する情報と同一の人間の顔を複数の携帯型電子端末40に表示することができる。なお、ここで、携帯型電子端末40が撮像情報に基づいて表示手段46に人間の顔を表示する方法としては、例えば、顔認識カメラ10から撮像情報に対応する人間の顔に関する情報を含む静止画像又は動画像を呼び出してもよいし、顔認識カメラ10に記憶された静止画像又は動画像の記憶領域にアクセスすることで、表示してもよい。また、この撮像情報抽出処理ルーチンが実行される前には、必ず少なくとも1回は個体識別情報登録処理ルーチンが実行されているものとする。
【0036】
このように携帯型電子端末40に送信された撮像情報に関し、携帯型電子端末40には、所定のタイミングで携帯型電子端末40から、撮像情報を削除する削除処理が備えられている。この削除処理は、所定のタイミングで繰り返し実行され、この削除処理が実行されると、携帯型電子端末40に記憶されている情報は全て削除される。具体的には、画像記憶領域43a及び撮像情報記憶領域43bに記憶された全ての情報が削除される。こうすることにより、画像記憶領域43a及び撮像情報記憶領域43bに記憶された情報が不正に利用される可能性を未然に低減することができる。ここで、所定のタイミングとは、例えば、情報処理装置30から送信された削除指示信号を受信した際や、撮像時刻又は撮像情報を受信した撮像情報受信時刻から所定の時間経過した際、携帯型電子端末40と情報処理装置30との電気的な接続が所定の時間通信できなかった際又は通信が切断されたと判定された際、等のタイミングが含まれる。このようなタイミングで撮像情報を携帯型電子端末40から消去することで、携帯型電子端末40を介して撮像情報が外部に流出したり、不正に使用されたりする可能性を未然に低減することができる。言い換えると、撮像手段12で撮像した撮像情報を用いて運用するにあたり、高いセキュリティ性能を持たせることができる。
【0037】
以上詳述された本実施の形態の情報処理装置30によれば、撮像手段12で撮像した人間の顔に関する情報を含む複数の撮像情報が記憶手段34に記憶され、外部から入力された対象情報を含む撮像情報を抽出し、外部送受信手段35が複数の携帯型電子端末40に抽出した対象情報を含む撮像情報を送信する。こうすることにより、複数の撮像情報から対象情報を含む撮像情報を抽出し、出力することができる。このとき、携帯型電子端末40は情報処理装置30と電気通信回線を介して接続されているため、携帯型電子端末40を持ち運ぶことにより、所望の場所で撮像情報を受信し、表示することができる。このような効果は、屋外やテーマパーク等において、移動しながら使用する場合に、特にその効果が大きい。すなわち、携帯型電子端末40に特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を送信することで、携帯型電子端末40が使用可能な状態であれば、場所を問わず使用することができる。
【0038】
また、情報処理装置30は、携帯型電子端末40を識別する端末識別情報を記憶する記憶手段34を備えており、外部送受信手段35は、記憶手段34に端末識別情報が記憶されている携帯型電子端末40にのみ、特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を送信するため、予め登録された携帯型電子端末40にのみ、特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を送信することができる。言い換えると、意図しない携帯型電子端末40に特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を送信する可能性を未然に低減し、情報漏洩の可能性を未然に低減することができる。
【0039】
更に、撮像情報抽出処理ルーチンは、例えば、情報処理装置30の図示しない表示手段に表示された対象情報を含む対象画像を図示しない入力手段が選択した際や携帯型電子端末40から送信された対象情報を含む対象画像を外部送受信手段35が受信した際等の対象情報を含む対象画像が入力されたとCPU31が判定した際に、CPU31によって繰り返し実行されるため、対象情報を含む対象画像と同一又は類似する情報を含む撮像情報を抽出することができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0041】
例えば、上述した実施の形態では、ステップS320で撮像情報を送信するものとしたが、ステップS320の前に、送信する撮像情報に関連付けて記憶されている撮像時刻情報又は記憶時刻情報が、所定の時間内であるか否かを判定するステップを有し、所定の時間内であるとCPU31が判定した場合のみ、特定の人間の顔に関する情報を含む撮像情報を携帯型電子端末40に送信し、所定の時間内に無いと判定した場合には、送信しないものとしてもよい。こうすることにより、所定時間外に撮像された撮像情報、言い換えると、古い撮像情報が送信されることを未然に低減することができる。
【0042】
上述した実施形態では、所定のタイミングで携帯型電子端末40から、撮像情報を削除する削除手段が備えられているものとしたが、情報処理装置30に、撮像時刻情報又は記憶時刻情報に基づいて撮像情報の読み出しを不可能とする読み出し防止手段を備えていても良い。例えば、撮像時刻情報又は記憶時刻情報から所定の時刻経過した際に、撮像情報を削除したり、新たに受信した撮像情報で上書きしたりしてもよい。こうすることにより、古い撮像情報を読み出すことができない状態とすることで、携帯型電子端末40に削除手段を備える場合と比較して、より所定時間外に撮像された撮像情報が意図せぬ第三者に視認される可能性を未然に低減することができる。付言すると、携帯型電子端末40に設けられた削除手段を何らかの方法で実行されない状態とした場合であっても、携帯型電子端末40に古い撮像情報が送信される可能性を未然に低減することで、高い情報管理性能を発揮することができる。
【0043】
上述した実施の形態では、顔認識カメラ10は送信手段18を有するものとしたが、送信手段18に加え、情報処理装置30からの制御信号を受信する受信手段を備えていても良い。こうすれば、情報処理装置30からの信号によって顔認識カメラ10を制御することができるため、撮像手段12が撮像する方向や時間、撮像画素等を情報処理装置30で制御することができる。こうすることにより、必要に応じた撮像情報を撮像することができる。
【0044】
上述した実施の形態では、撮像情報として、撮像時刻情報及び撮像手段識別情報が含まれるものとしたが、撮像時刻情報及び撮像手段識別情報は含まれなくとも良い。例えば、撮像時刻情報に代えて、撮像情報が記憶手段34に記憶された時刻を用いることでも、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、撮像手段12が予め固定されている場合には、撮像手段識別情報を有しなくとも、撮像手段12で撮像された静止画像又は動画像や撮像手段12の設置位置等で特定することができる。
【0045】
上述した実施の形態では、顔認識カメラ10が撮像情報を送信する際、撮像手段12で撮像した静止画像又は動画像から顔認識手段16で人間の顔に関する情報を抽出し、送信手段18により、情報処理装置30に送信するものとしたが、撮像手段12で撮像した静止画像又は動画像をそのまま送信してもよいし、静止画像又は動画像の一部を送信してもよい。こうすることにより、顔認識カメラ10に顔認識手段16を設ける必要が無い。また、静止画像又は動画像は、逐次送信しても良いし、所定のタイミング(所定容量又は所定時間等)で送信するものとしてもよい。こうすれば、逐次送信する場合と比較して、通信に伴う回線負荷を低減し、省電力に資する。なお、顔認識手段16を情報処理装置30に設けることにより、それぞれの顔認識カメラ10に顔認識手段16を設けること無く、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
上述した実施の形態では、携帯型電子端末40から人間の顔を含む画像が顔認識カメラ10に送信され、顔認識カメラ10の顔認識手段16によって人間の顔に関する情報が抽出され、この人間の顔に関する情報を情報処理装置30が受信した際に、人間の顔に関する情報が入力されたとCPU31が判定するものとしたが、携帯型電子端末40に顔認識手段を備え、携帯型電子端末40から情報処理装置30に人間の顔に関する情報を送信するものとしてもよい。こうすれば、顔認識カメラ10を経由する必要が無いため、ネットワーク負荷を軽減すると共に、高速処理が可能となる。
【0047】
上述した実施の形態では、顔認識カメラ10又は携帯型電子端末40にGPSを利用可能なGPS受信機を備えていても良い。こうすれば、GPSによる位置情報を用いて、顔認識カメラ10又は携帯型電子端末40で撮像した撮像情報の撮像場所を同時に取得することができる。携帯型電子端末40は持ち運ばれることによって移動するため、GPSによる位置情報を用いることで撮像画像が撮像された場所を正確に特定でき、GPS受信機を備えることによる効果が大きい。また、撮像時刻に関する情報は、GPS受信機から取得しても良い。こうすることにより、顔認識カメラ10又は携帯型電子端末40に計時手段を備える場合と比較して、より正確な撮像時刻に関する情報を得ることができる。
【0048】
上述した実施の形態では、撮像情報を記憶する際、撮像情報記憶テーブルの左側のカラムから順に、通し番号、撮影時刻情報、撮像手段識別情報、人間の顔に関する情報が列ごとに関連付けて記憶するものとしたが、人間の顔に関する情報に代えて、人間の顔画像を記憶しても良いし、顔認識カメラ10で撮像された静止画像又は動画像を記憶しても良い。また、撮像時刻情報に代えて撮像情報を記憶した記憶時刻情報を記憶しても良いし、撮像手段識別情報に代えて、撮像手段が設置されている位置を示すGPS情報を記憶しても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0049】
上述した実施の形態では、ステップS310で、同一か否かを判定するものとしたが、ステップS310は、同一又は類似するか否かを判定するものとしてもよい。こうすることにより、複数の撮像情報の中に類似する情報が含まれているか否かを判定することができる。具体的には、人間の顔に関する情報と完全に一致するものだけでなく、所定の誤差範囲内にあると判定された情報を抽出する。このとき、例えば、対象画像に特定の人物の顔が含まれている場合に、同一の人物の顔だけでなく、似た顔を有する人物を抽出することができる。こうすることにより、特定の人物の近親者(親や兄弟、子供等)の顔を含む撮像情報を抽出することができる。
【0050】
上述した実施の形態では、個体識別情報登録処理ルーチンは、個体識別情報を外部送受信手段35で受信したとCPU31が判定した際に、繰り返し実行されるものとしたが、例えば、登録ボタン等を選択された際に実行されるものとしてもよい。こうすれば、繰り返し実行される場合と比較して、CPU31への負荷を軽減し、情報処理装置30で消費される電力を低減することができる。
【0051】
上述した実施の形態では、個体識別情報を外部送受信手段35で受信したとCPU31が判定した際に、個体識別情報登録処理ルーチンを実行することで携帯型電子端末40と通信可能な状態とするものとしたが、この個体識別情報登録処理ルーチンに代えて、予め登録されたホワイトリストに記憶された個体識別情報を有する携帯型電子端末40とのみ、通信可能な状態とするものとしてもよい。こうすることにより、個体識別情報登録処理ルーチンを実行する場合と比較して、意図しない個体識別情報を有する携帯型電子端末40と接続する可能性をより低減することができる。
【0052】
上述した実施の形態では、端末登録処理ルーチンが実行されると、ステップS100及びステップS110が実行されるものとしたが、これらのステップは省略してもよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0053】
上述した実施の形態では、撮像情報保存処理ルーチンにおいて、受信した撮像情報を、画像情報、撮像時刻情報、撮像手段個体識別情報のそれぞれを互いに関連付けした状態で記憶するものとしたが、撮像時刻情報に代えて、撮像日に関する情報を含む撮像日情報や、記憶手段34に記憶した時刻に関する情報を含む記憶時刻情報を記憶しても良い。撮像日情報を記憶することで、複数の撮像情報から所望の日に撮像された撮像情報を容易に抽出することができる。また、記憶時刻情報を記憶することで、撮像情報に撮像時刻情報が含まれない場合であっても、撮像手段12によって撮像されてから記憶手段34で記憶されるまでの時間を算出することで、撮像時間を算出することができる。付言すると、撮像手段12において、撮像情報に撮像時刻を付与する必要が無く、また撮像手段12から出力される撮像情報の容量を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述した実施の形態で示すように、情報通信分野、特に、複数の情報から特定の情報を抽出し、送信する情報処理装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…顔認識カメラ、12…撮像手段、14…記憶手段、16…顔認識手段、
18…送信手段、20…情報処理システム、30…情報処理装置、
31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…記憶手段、
35…外部送受信手段、36…インタフェース、37…バス、
40…携帯型電子端末、42…カメラ、43…記憶手段、43a…画像記憶領域、
43b…撮像情報記憶領域、44…送受信手段、46…表示手段。