特開2017-91429(P2017-91429A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-91429(P2017-91429A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】NCプログラム作成装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4069 20060101AFI20170421BHJP
   G05B 19/4097 20060101ALI20170421BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
   G05B19/4069
   G05B19/4097 C
   B23Q15/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-224401(P2015-224401)
(22)【出願日】2015年11月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596018218
【氏名又は名称】株式会社入曽精密
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 清和
(72)【発明者】
【氏名】上原 正也
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆之
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB05
3C269AB31
3C269BB08
3C269CC02
3C269CC15
3C269EF39
3C269EF62
3C269EF71
3C269QC03
3C269QD02
3C269QE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オペレータが回転送り軸の割出し角度を設定できるNCプログラム作成装置を提供する。
【解決手段】表示制御部8は、3つの直線送り軸に沿った座標軸の空間内に加工対象物の3次元モデルを配置した画像をディスプレイ10に表示し、また、信号入力部9から入力される画像回転信号に応じて、表示画像を回転送り軸回りに回転させる。加工工程設定部5は、信号入力部9から割出角度決定信号を受信すると、ディスプレイ10に表示された画像における、回転送り軸回りの回転角度を表示制御部8から取得し、取得した回転角度を回転送り軸の割出し角度に設定するともに、この割出し角度の3次元モデルに対して加工領域を設定した後、当該加工領域について加工工程を設定する。ツールパス生成部6は、設定された各加工工程の加工領域毎に、3つの直線送り軸に従ったツールパスを生成し、プログラム生成部7は、ツールパス等を基にNCプログラムを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具と加工対象物とを相対的に移動させる、相互に直交する3つの直線送り軸、及び少なくとも1つの回転送り軸を備えた工作機械を制御するためのNCプログラムを作成する装置であって、
少なくとも前記加工対象物の3次元モデルに係るデータを記憶するモデルデータ記憶部と、
加工条件に関する情報を記憶する加工条件記憶部と、
前記工作機械の少なくとも前記各送り軸に関する情報を記憶する機械情報記憶部と、
前記加工対象物の3次元モデルに対して複数の加工領域を設定するとともに、設定した各加工領域について、前記加工条件記憶部に格納された加工条件を適用した加工工程を設定する加工工程設定部と、
前記加工工程設定部で設定された前記各加工工程の加工領域毎にツールパスを生成するツールパス生成部と、
画像を表示することができるディスプレイと、
前記加工対象物の3次元モデルの画像を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
前記加工工程設定部で設定された加工工程に係る情報、前記ツールパス生成部で生成されたツールパス、及び前記機械情報記憶部に格納された情報を基に、NCプログラムを生成するプログラム生成部とを備えたNCプログラム作成装置において、
前記ディスプレイに表示される画像を前記回転送り軸回りに回転させる画像回転信号を前記表示制御部に入力するとともに、前記加工工程設定部に割出角度決定信号を入力する信号入力部を更に備え、
前記表示制御部は、前記3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される3次元空間内に前記加工対象物の3次元モデルを配置した画像を前記ディスプレイに表示するとともに、前記信号入力部から入力される画像回転信号に応じて前記加工対象物の3次元モデルを前記回転送り軸回りに回転させた画像を前記ディスプレイに表示するように構成され、
前記加工工程設定部は、前記信号入力部から割出角度決定信号を受信したとき前記加工工程を設定するように構成され、前記割出角度決定信号を受信すると、前記ディスプレイに表示された前記加工対象物の3次元モデルに係る、前記回転送り軸回りの回転角度を前記表示制御部から取得し、取得した回転角度を前記回転送り軸の割出角度として設定するとともに、設定した割出角度にある加工対象物の3次元モデルに対して加工領域を設定し、設定した加工領域について、前記加工条件記憶部に格納された加工条件を適用した加工工程を設定するように構成されて成り、
前記ツールパス生成部は、前記加工工程設定部で設定された前記各加工工程の加工領域毎に、前記3つの直線送り軸に従ったツールパスを生成するように構成されていることを特徴とするNCプログラム作成装置。
【請求項2】
前記加工工程設定部は、生成した加工工程のリストを、前記表示制御部を介して前記ディスプレイに表示させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のNCプログラム作成装置。
【請求項3】
前記モデルデータ記憶部は、前記工作機械の3次元モデルに係るデータを記憶するように構成され、
前記表示制御部は、前記3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される空間内に前記加工対象物の3次元モデル、及び前記工作機械の3次元モデルを配置した画像を前記ディスプレイに表示するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のNCプログラム作成装置。
【請求項4】
前記加工工程設定部は、各加工工程で設定した加工領域において加工残りを生じる場合には、前記表示制御部を介して、前記ディスプレイに表示される加工対象物の画像の内、該加工残りとなる部位を、他の部位と区別できる態様で表示させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかのNCプログラム作成装置。
【請求項5】
前記信号入力部は、前記工作機械及び加工対象物を小型化した模型を有するとともに、該模型は前記回転送り軸回りに回転する回転部位と、該回転部位の回転角を検出する角度検出部を有して成り、該角度検出部によって検出される回転角を画像回転信号として前記表示制御部に入力するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかのNCプログラム作成装置。
【請求項6】
前記信号入力部は、更に、前記角度検出部によって検出される回転角を、前記割出角度決定信号として前記加工工程設定部に入力するように構成されていることを特徴とする請求項5記載のNCプログラム作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NC工作機械の制御に用いられるNCプログラムを作成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したNCプログラム作成装置として、従来から、CAD/CAMとポストプロセッサから成る装置が知られている。CAMは、CADで作成された加工製品の3次元モデルを基に、この3次元モデルに対して適宜加工領域を設定しながら、当該加工領域についてツールパスを生成し、また、ポストプロセッサは、CAMによって生成されたツールパス、使用されるNC工作機械特有の機械構成情報(キネマティック)、及び周辺装置制御指令方法等を基に、NCプログラムを生成する。
【0003】
ところで、このNC工作機械としては、従来から、工具と加工対象物とを相対的に移動させる送り軸として、相互に直交する3つの直線送り軸(直交3軸の送り軸)のみを備えた基本的な構造のものもあるが、現在では、これら直交3軸に加えて、少なくとも一つの回転送り軸を備えたものが一般的になりつつある。
【0004】
このようなNC工作機械の内、上述した直交3軸の送り軸のみを備えたNC工作機械について、そのNCプログラムを作成する装置の場合、当該NCプログラム作成装置のオペレータは、作成されるNCプログラムによってどのような加工が行われるかを容易にイメージすることができ、したがって、当該NCプログラム作成装置において必要な設定を比較的容易に行うことができる。
【0005】
一方、回転送り軸を備えたNC工作機械について、そのNCプログラムを作成する装置の場合、その全ての送り軸を同時に動作させるNCプログラムを作成するには、当該オペレータが、回転送り軸の構成や、この回転送り軸と直交3軸の送り軸との位置関係などの機械情報を勘案して、これらに応じた適切な設定を行う必要があるため、オペレータには深い経験と専門的な知識が必要とされるという問題があった。
【0006】
そこで、従来、特開2002−304203号公報(下記特許文献1)及び特開2014−75000号公報(特許文献2)に開示されるように、回転送り軸を予め割出し、この状態で設定される加工領域について、直交3軸の送り軸を同時動作させて加工を行う加工方法が提案され、更に、このような加工方法を実行するNCプログラムを生成するためのNCプログラム作成装置が提案されている。このようなNCプログラム作成装置によれば、あたかも直交3軸の送り軸のみを備えたNC工作機械と同じような設定でNCプログラムを作成することができるので、オペレータは必要な設定を比較的容易に行うことが可能となる。尚、従来、このような加工法を、例えば、送り軸が4軸の場合には、割出し4軸加工と称し、送り軸が5軸の場合には、割出し5軸加工と称している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−304203号公報
【特許文献2】特開2014−75000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に開示されるNCプログラム作成装置では、いずれも、前記回転送り軸の割出しがCAM画面上での仮想空間で行われるため、そのオペレータは加工機械上でワークがどのように回転した状態で加工が行われるのかを容易にはイメージすることができず、このため、生成されたNCプログラムでどのような加工が行われるのかを具体的にイメージすることができないという問題があった。また、このような背景から、当該オペレータは、作成されたNCプログラムを用いて実際に加工を行う際に、より安全を意識しすぎて操作が慎重になりすぎ、その作業効率が低くなるという問題も引き起こされていた。
【0009】
また、前記回転送り軸の割出しを自動的に行うようにすると、その複雑な処理を実現するための開発コストが高くなるため、NCプログラム作成装置自体のコストが高価なものになるという問題があった。
【0010】
一方、上述したように、従来のNCプログラム作成装置では、回転送り軸の割出しをオペレータが設定するには、専門的な知識が必要で、その設定が困難であるが、回転送り軸の割出し角度をオペレータが任意に設定することができれば、加工製品に応じた適切かつ効率的な加工を行い得る場合があり、このような設定を可能にすることで、加工の自由度が広がるというメリットもある。
【0011】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたもので、オペレータが回転送り軸の割出し角度を設定することができるとともに、当該NCプログラムで実行される加工を容易にイメージすることが可能なNCプログラム作成装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明は、
工具と加工対象物とを相対的に移動させる、相互に直交する3つの直線送り軸、及び少なくとも1つの回転送り軸を備えた工作機械を制御するためのNCプログラムを作成する装置であって、
少なくとも前記加工対象物の3次元モデルに係るデータを記憶するモデルデータ記憶部と、
加工条件に関する情報を記憶する加工条件記憶部と、
前記工作機械の少なくとも前記各送り軸に関する情報を記憶する機械情報記憶部と、
前記加工対象物の3次元モデルに対して複数の加工領域を設定するとともに、設定した各加工領域について、前記加工条件記憶部に格納された加工条件を適用した加工工程を設定する加工工程設定部と、
前記加工工程設定部で設定された前記各加工工程の加工領域毎にツールパスを生成するツールパス生成部と、
画像を表示することができるディスプレイと、
前記加工対象物の3次元モデルの画像を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
前記加工工程設定部で設定された加工工程に係る情報、前記ツールパス生成部で生成されたツールパス、及び前記機械情報記憶部に格納された情報を基に、NCプログラムを生成するプログラム生成部とを備えたNCプログラム作成装置において、
前記ディスプレイに表示される画像を前記回転送り軸回りに回転させる画像回転信号を前記表示制御部に入力するとともに、前記加工工程設定部に割出角度決定信号を入力する信号入力部を更に備え、
前記表示制御部は、前記3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される3次元空間内に前記加工対象物の3次元モデルを配置した画像を前記ディスプレイに表示するとともに、前記信号入力部から入力される画像回転信号に応じて前記加工対象物の3次元モデルを前記回転送り軸回りに回転させた画像を前記ディスプレイに表示するように構成され、
前記加工工程設定部は、前記信号入力部から割出角度決定信号を受信したとき前記加工工程を設定するように構成され、前記割出角度決定信号を受信すると、前記ディスプレイに表示された前記加工対象物の3次元モデルに係る、前記回転送り軸回りの回転角度を前記表示制御部から取得し、取得した回転角度を前記回転送り軸の割出角度として設定するとともに、設定した割出角度にある加工対象物の3次元モデルに対して加工領域を設定し、設定した加工領域について、前記加工条件記憶部に格納された加工条件を適用した加工工程を設定するように構成されて成り、
前記ツールパス生成部は、前記加工工程設定部で設定された前記各加工工程の加工領域毎に、前記3つの直線送り軸に従ったツールパスを生成するように構成されたNCプログラム作成装置に係る。
【0013】
このNCプログラム作成装置によれば、まず、前記モデルデータ記憶部に記憶された加工対象物の3次元モデルに係るデータ、及び前記機械情報記憶部に記憶された前記各送り軸に関する情報を基に、前記表示制御部によって、前記3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される3次元空間内に、前記加工対象物の3次元モデルを配置した画像が、前記ディスプレイに表示される。
【0014】
前記座標軸は、上記のように、前記3つの直線送り軸に沿うものであり、前記ディスプレイに表示される加工対象物の3次元画像は、例えば、当該加工対象物を実際に前記工作機械のテーブルや治具に取り付けた状態の画像である。このように、加工対象物の3次元画像を工作機械に取り付けた状態で表示することで、オペレータは、実際の加工時における加工対象物の姿勢を、容易にイメージすることができる。また、前記テーブルや治具については、必ずしも、その画像を前記加工対象物とともにディスプレイに表示する必要はないが、このようなテーブルや治具を表示することで、オペレータは実際に行われる加工を容易にイメージすることが可能となる。
【0015】
そして、オペレータが前記信号入力部から前記画像回転信号を入力すると、前記表示制御部は、前記ディスプレイに表示させた加工対象物の3次元画像を、入力された画像回転信号に応じて、前記回転送り軸回りに回転させる。言い換えれば、オペレータは、前記信号入力部から前記画像回転信号を入力することで、前記ディスプレイに表示された加工対象物の3次元画像を、工作機械の回転送り軸に従って、任意の回転角度位置に回転させることができる。
【0016】
そして、加工対象物が所望の回転角度位置にあるときに、オペレータが前記信号入力部から割出角度決定信号を入力すると、前記加工工程設定部によって、前記ディスプレイに表示された前記加工対象物の、前記回転送り軸回りの回転角度が前記表示制御部から取得され、当該加工工程設定部は、取得した回転角度を前記回転送り軸の割出し角度として設定するとともに、設定した割出し角度にある加工対象物の3次元モデルに対して加工領域を設定し、設定した加工領域について、前記加工条件記憶部に格納された加工条件を適用した加工工程を設定する。尚、加工領域の設定については、オペレータが当該領域を、前記ディスプレイに表示された加工対象物の3次元画像から設定(選択)するようにしても良い。
【0017】
斯くして、オペレータは、前記信号入力部から画像回転信号を入力することで、ディスプレイに表示される加工対象物の3次元画像を、工作機械の回転送り軸に従って適宜回転させ、このようにして、加工対象物を回転させた適当な回転角度位置において、前記信号入力部から割出角度決定信号を入力することで、当該回転角度位置における加工対象物に対して適宜加工領域を設定することができ、同様の操作を繰り返すことで、加工対象物に設定されるべき全ての加工領域について加工工程を設定することができる。
【0018】
そして、このようにして前記加工工程設定部により全ての加工領域について加工工程が設定されると、前記ツールパス生成部により、各加工領域について、ツーパスが生成され、ついで、全ての加工領域についてツールパスが生成されると、前記加工工程設定部で設定された加工工程に係る情報、前記ツールパス生成部で生成されたツールパス、及び前記機械情報記憶部に格納された情報を基に、プログラム生成部によって、NCプログラムが生成される。
【0019】
斯くして、本発明に係るNCプログラム作成装置によれば、加工対象物の回転角度を、オペレータが任意の角度に割出した状態のNCプログラムを作成することができるので、オペレータは加工対象物がどのように回転した状態で加工が行われるのかを容易にイメージすることができ、このため、オペレータは作成されたNCプログラムを用いて実際に加工を行う場合に、効率よく作業を行うことができる。
【0020】
また、オペレータは、加工対象物の割出し角度を、ディスプレイに表示された加工対象物の回転姿勢を見ながら決定することができるので、オペレータは特に専門的な知識を要することなく、当該割出し作業を行うことができ、また、オペレータが割出し角度の設定を行うことで、加工製品に応じた適切かつ効率的な加工を実現することができるとともに、自由度の高い加工を実現することができる。
【0021】
また、オペレータにより、割出し角度を設定する装置とすることで、従来のような複雑な処理工程が不要となるため、比較的簡素な構成の装置とすることができ、このため、当該NCプログラム作成装置の製造コストを低く抑えることができる。
【0022】
尚、本発明において、前記加工工程設定部は、生成した加工工程のリストを、前記表示制御部を介して前記ディスプレイに表示させるように構成されていても良い。このようにすれば、オペレータは加工工程の内容を容易に理解することができ、各加工工程における実際の加工を容易にイメージすることができる。
【0023】
また、本発明において、前記モデルデータ記憶部は、前記工作機械の3次元モデルに係るデータを記憶するように構成され、前記表示制御部は、前記3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される空間内に前記加工対象物の3次元モデル、及び前記工作機械の3次元モデルを配置した画像を前記ディスプレイに表示するように構成されていても良い。このようにすれば、オペレータは、実際に行われる加工を、より容易にイメージすることが可能となる。
【0024】
また、本発明において、前記加工工程設定部は、各加工工程で設定した加工領域において、例えば、加工形状のオーバーハングにより工具が入り込めない部分があるなどの理由によって、加工残りを生じる場合には、前記表示制御部を介して、前記ディスプレイに表示される加工対象物の画像の内、該加工残りとなる部位を、他の部位と区別できる態様で表示させるように構成されていても良い。このようにすれば、加工残りが生じることをオペレータに認識させることができ、対応する加工工程の修正、即ち、当該加工工程における割出し角度の修正を、オペレータに促すことができる。
【0025】
また、本発明において、前記信号入力部は、前記工作機械及び加工対象物を小型化した模型を有するとともに、該模型は前記回転送り軸回りに回転する回転部位と、該回転部位の回転角を検出する角度検出部を有して成り、該角度検出部によって検出される回転角を画像回転信号として前記表示制御部に入力するように構成されていても良い。
【0026】
このように構成すれば、実際の工作機械及び加工対象物を小型化した模型とディスプレイに表示される画像とをリンクさせた構成とすることができる。したがって、オペレータは、模型を操作することで、ディスプレイに表示された加工対象物の画像を回転させることができ、オペレータは、作成しようとしている加工工程をよりリアルに認識することができる。
【0027】
また、本発明において、前記信号入力部は、更に、前記角度検出部によって検出される回転角を、前記割出角度決定信号として前記加工工程設定部に入力するように構成されていても良い。このように構成すれば、実際の工作機械及び加工対象物を小型化した模型を操作しながら、各加工工程における割出し角度を決定することができるので、上記と同様に、オペレータは、作成しようとしている加工工程をよりリアルに認識することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明に係るNCプログラム作成装置によれば、加工対象物の3次元画像を工作機械に取り付けた状態で表示することができるので、オペレータは、実際の加工時における加工対象物の姿勢を、容易にイメージすることができる。
【0029】
また、加工対象物の回転角度をオペレータが任意の角度に割出した状態のNCプログラムを作成することができるので、オペレータは加工対象物がどのように回転した状態で加工が行われるのかを容易にイメージすることができ、このため、オペレータは作成されたNCプログラムを用いて実際に加工を行う場合に、効率よく作業を行うことができる。
【0030】
また、オペレータは、加工対象物の割出し角度を、ディスプレイに表示された加工対象物の回転姿勢を見ながら決定することができるので、オペレータは特に専門的な知識を要することなく、当該割り出し作業を行うことができ、また、オペレータが割出し角度の設定を行うことで、加工製品に応じた適切かつ効率的な加工を実現することができるとともに、自由度の高い加工を実現することができる。
【0031】
また、オペレータにより、割出し角度を設定する装置とすることで、従来のような複雑な処理工程が不要となるため、比較的簡素な構成の装置とすることができ、このため、NCプログラム作成装置の製造コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るNCプログラム作成装置の概略構成を示したブロック図である。
図3】本実施形態における加工工程表を示した説明図である。
図4】本実施形態のディスプレイに表示される画像を示した説明図である。
図5】本実施形態のディスプレイに表示される画像を示した説明図である。
図6】他の実施形態に係る入力部を示した斜視図である。
図7図6に示した入力部を一部断面で示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る工作機械を示した斜視図であり、図2は、本実施形態に係るNCプログラム作成装置を示したブロック図である。
【0034】
[工作機械の概略]
まず、制御対象の一例としての工作機械の概略構成について、図1に基づき説明する。図1に示すように、本例の工作機械50は、ベッド51と、ベッド51に配設される第1サドル56及びテーブル機構60、前記第1サドル56に配設される第2サドル57、この第2サドル57に配設される主軸頭58などから構成される。
【0035】
前記ベッド51は、平面視矩形状に形成された基部52と、この基部52の左右両側部に相互に対峙するようにそれぞれ立設された2つの側壁53,54と、基部52の奥側の前記側壁53,54間に、これらに連結するように立設された後部壁55とからなる。
【0036】
前記第1サドル56は、平面から視た形状が矩形をした枠体であり、前記ベッド51の側壁53,54上に、これらに掛け渡されるように配設され、側壁53,54の上面に配設されたY軸案内機構70,71によって、水平な前後方向である矢示Y軸方向に移動可能となっており、同じく側壁53,54の上面に配設されたY軸駆動機構72,73により駆動されて、前記Y軸方向に移動する。
【0037】
また、前記第2サドル57は、前記第1サドル56の枠内を貫通するように配設され、当該第1サドル56の矢示X軸に沿った両辺上にそれぞれ設けられたX軸案内機構75,76によって、前記Y軸と直交する水平なX軸方向に移動可能となっており、同じく第2サドル57に配設されたX軸駆動機構77により駆動されて、前記X軸方向に移動する。
【0038】
また、前記主軸頭58は、前記第2サドル57に配設されたZ軸案内機構(図示せず)によって、前記X軸及びY軸と直交する矢示Z軸方向に移動可能に前記第2サドル57に保持されており、その両側に設けられたZ軸駆動機構80,81により駆動されて、前記Z軸方向に移動する。尚、この主軸頭58には、その下端から下方に延出するように主軸59が設けられており、この主軸59の下端に工具Tが装着される。また、主軸59はその軸中心に回転可能に前記主軸頭58に保持されており、図示しない主軸モータによって軸中心に回転される。
【0039】
前記テーブル機構60は、左側方から視た形状がL字形状を有するテーブルベース61と、このテーブルベース61の水平部62に設けられるテーブル64とを備えている。テーブルベース61は、その垂直部63が前記ベッド51の後部壁55に、前記Y軸と平行な回転軸を中心として、矢示B軸方向に回転可能に保持され、図示しない旋回駆動機構により駆動されて前記B軸方向に回転する。
【0040】
また、前記テーブルベース61の水平部62上には、テーブル64が配設され、このテーブル64の上面と直交する垂直軸を中心として、矢示C軸方向に回転可能に前記水平部62に保持されており、図示しない回転駆動機構により駆動されて前記C軸方向に回転する。
【0041】
尚、前記X軸駆動機構77、Y軸駆動機構72,73及びZ軸駆動機構80,81、旋回駆動機構(図示せず)、回転駆動機構(図示せず)及び主軸モータ(図示せず)は、それぞれ図示しない数値制御装置によってその作動が制御され、また、数値制御装置(図示せず)は適宜NCプログラムに従って、この制御を行う。
【0042】
斯くして、この工作機械1では、NCプログラムに従った数値制御装置(図示せず)による制御の下で、主軸59に装着された工具Tと、テーブル64上に載置,固定されたワークとが、X軸駆動機構77、Y軸駆動機構72,73及びZ軸駆動機構80,81によって、直交3軸の送り軸である前記X軸、Y軸及びZ軸方向に移動する。また、前記テーブル64は、前記旋回駆動機構(図示せず)により駆動されて、回転送り軸であるB軸方向に旋回し、また、前記回転駆動機構(図示せず)により駆動されて、回転送り軸であるC軸方向に回転する。
【0043】
そして、前記X軸駆動機構77、Y軸駆動機構72,73、Z軸駆動機構80,81、旋回駆動機構(図示せず)及び回転駆動機構(図示せず)により、主軸59に装着された工具Tと、テーブル64上に載置,固定されたワークとを、相対的に前記X軸、Y軸、Z軸、B軸及びC軸に移動させることによって、テーブル64上のワークが工具Tによって加工される。
【0044】
[NCプログラム作成装置]
図2に示すように、本例のNCプログラム作成装置1は、モデルデータ記憶部2、加工条件記憶部3、機械情報記憶部4、加工工程設定部5、ツールパス生成部6、プログラム生成部7、表示制御部8、入力部9及びディスプレイ10を備えている。
【0045】
前記モデルデータ記憶部2は、加工対象物Wである加工製品、及び前記工作機械50の3次元モデルに係るデータを記憶する機能部であり、これらの3次元モデルデータは、予め外部の適宜CADシステムによって作成され、格納される。尚、本例では、工作機械50の3次元モデルとして、前記テーブルベース61及びテーブル64、並びに主軸59及び工具Tの3次元モデルが、このモデルデータ記憶部2に格納される。
【0046】
前記加工条件記憶部3は、例えば、工具材質及び被加工材の材質に応じた適切な切削速度、送り量や切り込み量といった加工条件を記憶する機能部であり、この加工条件が予め外部から入力され、当該加工条件記憶部3に格納される。
【0047】
前記機械情報記憶部4は、前記工作機械50に関する情報、例えば、前記主軸59の最高回転速度及び最高送り速度や、送り軸構成(前記X軸、Y軸、Z軸、B軸及びC軸)、前記回転送り軸(B軸及びC軸)の回転可能な角度範囲や最小割出し角度といった、所謂、工作機械50のキネマティックに係る情報、並びに、前記工具Tに関する情報、例えば、使用する工具Tの形状及び寸法、その工具ホルダの形状及び寸法といった情報を記憶する機能部であり、これらの情報が予め外部から入力され、当該機械情報記憶部4に格納される。
【0048】
前記ディスプレイ10は、液晶パネルなどの画像を表示可能な装置であり、前記表示制御部8によって、当該画像表示が制御される。
【0049】
前記表示制御部8は、前記モデルデータ記憶部2に格納された加工対象物W及び工作機械50の3次元モデルデータを基に、これらの3次元画像を生成して、前記ディスプレイ10に表示する機能部であり、前記機械情報記憶部4に格納された情報を参照して、前記工作機械50の前記直交3軸(X軸、Y軸及びZ軸)に沿った座標軸で構成される3次元空間内に前記加工対象物W及び工作機械50の3次元モデルを配置した3次元画像を生成して、前記ディスプレイ10に表示する。
【0050】
このようにして表示される画像の一例を図4に示す。尚、図中の引き出し線、中心線、黒丸、符号等は画像を構成しない。また、B1は回転送り軸であるB軸の回転中心を示し、C1は回転送り軸であるC軸の回転中心を示している。また、この例の加工対象物Wは、ウサギの形を模した造形物としている。
【0051】
また、表示制御部8は、詳しくは後述する入力部9から入力された画像回転信号に応じて、前記加工対象物Wの3次元モデル、並びに前記テーブルベース61及びテーブル64を前記回転送り軸(B軸、C軸)の回りに回転させた3次元画像を生成してディスプレイ10に表示する。
【0052】
前記入力部9は、マウスやキーボード等の入力機器から構成され、例えば、オペレータは、前記ディスプレイ10に表示された画像を前記回転送り軸(B軸、C軸)の回りに回転させるための画像回転信号を、このマウスを介して前記表示制御部8に入力することができ、また、同様に、このマウスを介して、後述する割出角度決定信号を前記加工工程設定部5に入力することができる。
【0053】
このようにして回転させた画像の一例を図5に示す。尚、図5は、図4を回転送り軸であるB軸方向に回転させた画像であり、図4と同様に、図中の引き出し線、中心線、黒丸、符号等は画像を構成しない。
【0054】
前記加工工程設定部5は、前記モデルデータ記憶部2に格納された前記加工対象物Wの3次元モデルを基に、当該加工対象物Wの3次元モデルに対して複数の加工領域を設定するとともに、設定した各加工領域について、前記加工条件記憶部3に格納された加工条件を適用した加工工程を設定する機能部である。
【0055】
具体的には、前記加工工程設定部5は、まず、図3に示すような加工工程表を、前記表示制御部8を介して、上述した加工対象物W及び工作機械50の画像に並べて前記ディスプレイ10に表示させる。そして、オペレータは、表示された加工工程表の空白部分の内入力可能な欄内に、順次、前記マウスやキーボードを用いて適宜情報を有力する。例えば、オペレータはファイル名の欄に「スタンフォードバーニー」と入力し、ついで、プログラムNo.の欄に「1234」と入力する。
【0056】
次に、オペレータが加工工程のNo.001の工程名称の欄に「右耳内・荒」と入力した後、機械表示にチェックを入れた状態(チェックを入れることで四角の枠内の色が白色から黒色に反転される)で、前記入力部9のマウスを用いて画像回転信号を前記表示制御部8に入力して、例えば、図4の状態から図5の状態となるように画像をB軸方向に回転させた後、同じく、マウスを用いて、例えば、右クリックするなどして割出角度決定信号を加工工程設定部5に入力すると、当該加工工程設定部5は、前記表示制御部8から、前記ディスプレイ10に表示された前記加工対象物Wの3次元モデルに係る、各回転送り軸(B軸及びC軸)の回転角度を取得し、取得した回転角度を各回転送り軸(B軸及びC軸)の割出し角度として設定するとともに、当該角度を前記工程表に表示する。図3に示した例では、No.001の「右耳内・荒」工程では、B軸が80度、C軸が−37度になっている。
【0057】
次に、オペレータがマウス等を用いて、ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの画像にポインタなどを当てて、当該加工工程で行う加工領域を指定すると、この指定が加工工程設定部5によって認識され、加工工程設定部5は、表示制御部8から、前記ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの3次元モデルにおいて、加工領域として指定された領域データを取得し、取得した領域データを基に、当該加工対象物Wの3次元モデルに対して指定された加工領域を設定するとともに、前記表示制御部8を介して、前記ディスプレイ10に表示された加工工程表の加工領域の欄の四角の枠内の色を白色から黒色に反転させる。尚、表示制御部8は、ディスプレイ10に表示した加工対象物Wの画像上で、加工領域が指定されると、その指定された領域に着色を施すなど、当該部分の表示を下の部分の表示と異なる表示にする。図5では、選択された領域である「右耳の内側」に斜線を付している。このように表示を変更することで、オペレータは自身が選択した領域を容易に認識することができる。
【0058】
そして、オペレータは、加工領域の設定後、この加工領域について、走査線加工を行うのか、或いは等高線加工行うのかの別をサイクル名の欄に入力すると、これが加工工程設定部5によって認識され、加工工程設定部5は、該当する加工領域について、その加工方法を指定された加工方法に設定するとともに、前記加工条件記憶部3に格納された加工条件を基に、当該加工領域についての加工条件、例えば、工具Tの回転速度及び送り速度などを設定する。
【0059】
以後同様にして、オペレータは、1)加工工程表の工程名称の欄に入力する操作、2)前記マウスを用い、前記ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの画像を回転させて、割出し角度を設定する操作、3)同じくマウスを用いて加工領域を選択する操作、4)加工工程表のサイクル名の欄の加工方法を選択する操作を順次繰り返して行うことで、選択された各加工領域について、前記加工工程設定部5により加工工程が設定される。そして、このような操作が実行され、加工対象物Wについて、その加工が行われるべき全ての領域について加工工程を設定した後、加工工程設定部5はその処理を終了する。
【0060】
前記ツールパス生成部6は、前記加工工程設定部5で設定された前記各加工工程について、その加工領域毎に順次ツールパスを生成する機能部である。尚、ツールパスは、走査線加工及び等高線加工の別に応じて生成され、前記各加工工程の加工領域毎に、前記3つの直線送り軸(X軸、Y軸、Z軸)に従って生成される。
【0061】
また、前記プログラム生成部7は、前記加工工程設定部5で設定された加工工程に係る情報、前記ツールパス生成部6で生成されたツールパスデータ、及び前記機械情報記憶部4に格納された情報を基に、前記工作機械50に適用可能なNCプログラムを生成する機能部である。
【0062】
以上の構成を備えた本例のNCプログラム作成装置1によれば、まず、前記モデルデータ記憶部2に記憶された加工対象物W及び工作機械50の3次元モデルに係るデータ、及び前記機械情報記憶部4に記憶された前記各送り軸(X軸、Y軸、Z軸、B軸及びC軸)に関する情報を基に、前記表示制御部8によって、X軸、Y軸及びZ軸の3つの直線送り軸に沿った座標軸で構成される3次元空間内に、前記加工対象物W及び工作機械50の3次元モデルを配置した画像が、前記ディスプレイ10に表示される。また、前記加工工程設定部5により、表示制御部8を介して、加工工程表が前記画像に並んでディスプレイ10上に表示される。
【0063】
座標軸は、3つの直線送り軸であるX軸、Y軸及びZ軸に沿うものであり、前記ディスプレイ10に表示される加工対象物Wの3次元画像は、当該加工対象物Wを実際に前記工作機械50のテーブル64に取り付けた状態の画像である。斯くして、このように、加工対象物Wの3次元画像を工作機械50に取り付けた状態で表示することで、オペレータは、実際の加工時における加工対象物Wの姿勢を、容易にイメージすることができる。また、テーブル64やテーブルベース61については、必ずしも、その画像を前記加工対象物Wとともにディスプレイに表示する必要はないが、このようなテーブル64やテーブルベース61を表示することで、オペレータは実際に行われる加工を容易にイメージすることが可能となる。
【0064】
そして、オペレータが、ディスプレイ10に表示された加工工程表に入力する操作、前記マウスを用い、前記ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの画像を回転させて、割出し角度を設定する操作、同じくマウスを用いて加工領域を選択する操作、並びに加工方法を選択する操作を、各加工工程毎に行うことで、加工工程設定部5によって、具体的な加工工程が設定される。
【0065】
そして、このようにして前記加工工程設定部5により全ての加工領域について加工工程が設定されると、前記ツールパス生成部6により、各加工領域について、ツーパスが生成され、ついで、全ての加工領域についてツールパスが生成されると、前記加工工程設定部5で設定された加工工程に係る情報、前記ツールパス生成部6で生成されたツールパス、及び前記機械情報記憶部4に格納された情報を基に、プログラム生成部7によって、NCプログラムが生成される。
【0066】
斯くして、本例のNCプログラム作成装置1によれば、加工対象物Wの各回転送り軸(B軸、C軸)に係る回転角度をオペレータが任意の角度に割出した状態のNCプログラムを作成することができるので、オペレータは加工対象物Wがどのように回転した状態で加工が行われるのかを容易にイメージすることができ、このため、オペレータは作成されたNCプログラムを用いて実際に加工を行う場合に、効率よくその作業を行うことができる。
【0067】
また、オペレータは、加工対象物Wの各回転送り軸(B軸、C軸)における割出し角度を、ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの回転姿勢を見ながら決定することができるので、オペレータは特に専門的な知識を要することなく、当該割り出し作業を行うことができ、また、オペレータが割出し角度の設定を行うことで、加工対象物Wに応じた適切かつ効率的な加工を実現することができるとともに、自由度の高い加工を実現することができる。
【0068】
また、オペレータにより、割出し角度を設定する装置とすることで、従来のような複雑な処理工程が不要となるため、当該NCプログラム作成装置1を比較的簡素な構成の装置とすることができ、その製造コストを低く抑えることができる。
【0069】
また、本例のNCプログラム作成装置1では、前記加工工程設定部5により、表示制御部8を介して、加工工程表(リスト)をディスプレイ10に表示させるようにしているので、オペレータは加工工程の内容を容易に理解することができ、各加工工程における実際の加工を容易にイメージすることができる。
【0070】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何ら、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、上例では、各加工工程の加工領域をオペレータが指定するように構成したが、これに限られるものではなく、前記加工工程設定部5によって自動的に加工領域を設定するように構成しても良い。
【0072】
また、上例において、前記加工工程設定部5は、設定した加工領域において、例えば、加工形状のオーバーハングにより工具が入り込めない部分があるなどの理由によって、加工残りを生じる場合には、前記表示制御部8を介して、前記ディスプレイ10に表示される加工対象物Wの画像の内、該加工残りとなる部位を、他の部位と区別できる態様で表示させるように構成されていても良い。このようにすれば、加工残りが生じることをオペレータに容易に認識させることができるので、オペレータは、対応する加工工程の修正、即ち、当該加工工程における割出し角度の修正を適切に行うことができる。
【0073】
また、本例のNCプログラム作成装置1では、2つの回転送り軸(B軸及びC軸)を有する工作機械50に対応したNCプログラムを作成するように構成されているが、これに限られるものではなく、1軸、又は3軸以上の回転送り軸を備えた工作機械用に向けられたNCプログラム作成装置とすることができる。
【0074】
また、前記入力部9は、前記画像回転信号を入力する装置として図6及び図7に示した信号入力装置を備えていても良い。図6及び図7に示すように、この信号入力装置100は、前記テーブルベース61、テーブル64及び加工対象物Wを小型化した模型部と、この模型部を支持するL字型の支持ブラケット101とを備えている。
【0075】
前記模型部は前記テーブルベース61に相当するテーブルベース部61’、前記テーブル64に相当するテーブル部64’及び前記加工対象物Wに相当する加工対象物部W’を備えている。また、テーブルベース部61’の垂直部63’は、支持ブラケット101の垂直部102に、前記B軸に相当するB’軸方向に回転可能に保持されており、このB’軸方向の回転角度がエンコーダ104によって検出され、検出された回転角度信号が画像回転信号として前記表示制御部8に入力され、また、前記マウスやキーボードから入力される確定信号により、割出角度決定信号として前記加工工程設定部5に入力されるようになっている。
【0076】
また、前記テーブル部64’は、テーブルベース部61’の水平部62’に、前記C軸に相当するC’軸方向に回転可能に保持されており、このC’軸方向の回転角度がエンコーダ105によって検出され、検出された回転角度信号が、画像回転信号として前記表示制御部8に入力され、また、前記マウスやキーボードから入力される確定信号により、割出角度決定信号として前記加工工程設定部5に入力される。
【0077】
このように構成すれば、実際の工作機械50のテーブルベース部61及びテーブル部64並びに加工対象物Wを小型化した模型部とディスプレイ10に表示される画像とをリンクさせた構成とすることができる。したがって、オペレータは、模型部を操作することで、ディスプレイ10に表示された加工対象物Wの画像を回転させることができるとともに、各加工工程における割出し角度を決定することができるので、オペレータは、作成しようとしている加工工程をよりリアルに認識することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 NCプログラム作成装置
2 モデルデータ記憶部
3 加工条件記憶部
4 機械情報記憶部
5 加工工程設定部
6 ツールパス生成部
7 プログラム生成部
8 表示制御部
9 入力部
10 ディスプレイ
50 工作機械
59 主軸
60 テーブル機構
61 テーブルベース
64 テーブル
T 工具
W 加工対象物

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7