(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-91492(P2017-91492A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム及びその識別方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20130101AFI20170421BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20170421BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20170421BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
G06F3/0488
B42D1/00 F
G06F3/041 640
G06F3/16 610
G06F3/16 690
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-36247(P2016-36247)
(22)【出願日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】201510771546.1
(32)【優先日】2015年11月11日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516040084
【氏名又は名称】利奥紙袋(1982)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】516039952
【氏名又は名称】鶴山雅図仕印刷有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲暉▼▲てい▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 年康
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA13
5E555AA76
5E555AA78
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC19
5E555BE08
5E555BE09
5E555CA13
5E555CB10
5E555CB11
5E555CC19
5E555DA23
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】幼児が、安全かつ簡単に操作できる電子音声発生書籍を、低コストで提供する。
【解決手段】電子音声発生書籍は、幼児が指で軽く触れるだけで入力操作が可能なセンシング基盤1と、主制御チップ21、スピーカ22、および電源23を含んだ主制御パネル2で構成される。タッチセンサは、リジッド性の分厚いプリント基板の代わりに薄いセンシング基板1を使用するため、製品がより軽量・薄型化される。また、センシング基盤1は可撓性を有しており、玩具の表面に配設することで、幼児の関心を引く等、商品性を高めることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング基板と主制御パネルを含み、前記センシング基板に、タッチ領域とタッチ順を検知するためのタッチ検知パネルが設けられ、前記タッチ検知パネルに、1又は複数のタッチ検知領域が設けられ、前記主制御パネルは、主制御チップ、スピーカー及び電源装置を含み、前記主制御チップは、タッチ検知領域、スピーカー及び電源装置にそれぞれ接続されるタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項2】
前記センシング基板と主制御パネルは書籍本体に取り付けられる請求項1に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項3】
前記書籍本体に凹型溝が設けられ、前記タッチ検知パネルが凹型溝内に設けられる請求項2に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項4】
指示矢印と識別ポイントがプリントされたカードを更に含み、前記カード上の識別ポイントとタッチ検知パネル上のタッチ検知領域が一対一で対応する請求項1に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項5】
前記タッチ検知領域の形状は、円形、扇形、環状又は多角形とする請求項1又は4に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項6】
前記センシング基板と主制御パネルは玩具本体に取り付けられる請求項1に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項7】
前記玩具本体はケーシングを含み、前記ケーシングの表面に1又は複数のタッチ検知領域が設けられる請求項6に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項8】
指示矢印と識別ポイントがプリントされたタッチシートを更に含み、前記タッチシートがケーシングの表面に貼り付けられる請求項7に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームに適用される識別方法であって、
前記タッチ検知領域は互いに独立したコードをそれぞれ備え、対応する内容を読み取る際には、凹型溝の形状寸法と一致するカードを凹型溝に挿入してから、カード上の指示に従って指をカード上でスライドさせ、指がタッチ検知領域でスライドすると、対応するタッチ検知領域の静電容量が変化し、主制御チップが、静電容量の変化したタッチ検知領域に基づいて対応するコードを検出し、指による全てのスライドが完了すると、主制御チップは検出した全てのコード及びコードの順序に従って、スピーカーに対し対応の命令を発し、スピーカーは命令を受領すると、凹型溝内のカード上の内容と対応する音声を発生させる方法。
【請求項10】
前記カードは、円形、扇形又は多角形とする請求項9に記載のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームに適用される識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声発生のためのインタラクティブプラットフォームとその方法に関し、特に、タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム及びその識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子音声発生読み物は、児童の視覚、聴覚、触覚の成長に有益な知力読み物である。児童は、様々なカードやシールを配置したり触ったりすることで、それらに対応する音声や音楽を取得できる。これによれば、読み物としての面白みやインタラクティブ性が高まり、陰鬱とした学習方式が払拭されるため、児童は楽しみながら学ぶことができる。当該技術製品は構造が簡単で使用しやすいほか、感動的な音楽や魅力的な内容によって良好な行動習慣を養えるため、児童への使用に特に適している。
【0003】
現在、大小様々な電子音声発生書籍が市販されているが、これら電子音声発生書籍には次のような課題がある。1.一般的にリジッド性のプリント基板や電線、金属弾性片(いわゆるメタルドーム)といった従来型の電子部品が用いられているため、使用時には金属弾性片の導通性や安定した弾性回復から、導通性に優れ、手触りの良いスイッチを構成可能である。しかし、金属弾性片を押下するには一定の力が必要とされ、幼い児童にはやや難度が高い。2.金属弾性片の底に配置されるリジッド性のプリント基板は一般的に分厚い。こうした特性から、取り付け空間への要求が厳しくなり、製品に一定の制限が生じてしまう。3.現在市販されているパズル型の音声発生電子書籍では、主としてパズルカード内に音声又はエンコードチップが配置されている。パズルカードが電子書籍の凹陥位置に配置されると、導電接触子がパズルカード内の音声又はエンコードチップのデータを読み取り、対応する音声を発生させる。しかし、パズルカードはチップを内蔵せねばならないため、内蔵チップの破損を避けるべく十分な厚みを持つことが必要となる。結果、コストが高騰するほか、パズルカードが過度に分厚く、重くなり、使用に際して多くの不便が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明は、タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム及びその識別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が上記の課題を解決するために用いた技術方案は、タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームであって、センシング基板と主制御パネルを含み、センシング基板に、タッチ領域とタッチ順を検知するためのタッチ検知パネルが設けられ、タッチ検知パネルに、1又は複数のタッチ検知領域が設けられ、主制御パネルが、主制御チップ、スピーカー及び電源装置を含み、主制御チップが、タッチ検知領域、スピーカー及び電源装置にそれぞれ接続される。
【0006】
更に、前記センシング基板と主制御パネルは書籍本体に取り付けられる。
【0007】
更に、前記書籍本体に凹型溝が設けられ、前記タッチ検知パネルが凹型溝内に設けられる。
【0008】
更に、前記タッチ検知パネルは取り外し可能にセンシング基板に取り付けられる。
【0009】
更に、指示矢印と識別ポイントがプリントされたカードを更に含み、前記カード上の識別ポイントとタッチ検知パネル上のタッチ検知領域が一対一で対応する。
【0010】
更に、前記タッチ検知領域の形状は、円形、扇形、環状又は多角形とされる。
【0011】
更に、前記センシング基板と主制御パネルは玩具本体に取り付けられる。
【0012】
更に、前記玩具本体はケーシングを含み、前記ケーシングの表面に1又は複数のタッチ検知領域が設けられる。
【0013】
更に、指示矢印と識別ポイントがプリントされたタッチシートを更に含み、前記タッチシートがケーシングの表面に貼り付けられる。
【0014】
更に、前記タッチシート上の識別ポイントとケーシング表面のタッチ検知領域が一対一で対応する。
【0015】
更に、前記主制御チップに、タッチ検知領域の各領域コードに対応したプログラムが予め設けられる。
【0016】
タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームに適用される識別方法において、タッチ検知領域が互いに独立したコードをそれぞれ備え、対応する内容を読み取る際には、凹型溝の形状寸法に一致するカードを凹型溝に挿入してから、カード上の指示に従って指をカード上でスライドさせ、指がタッチ検知領域でスライドすると、対応するタッチ検知領域の静電容量が変化し、主制御チップが、静電容量の変化したタッチ検知領域に基づいて対応するコードを検出し、指による全てのスライドが完了すると、主制御チップが検出した全てのコード及びコードの順序に従って、スピーカーに対し対応の命令を発し、スピーカーは命令を受領すると、凹型溝内のカード上の内容と対応する音声を発生させる。
【0017】
更に、カード上の内容はアルファベット、漢字、数字又は図形とされるが、これらに限らない。
【0018】
更に、カードは円形、扇形又は多角形とされるが、これらに限らない。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以下のような有益な効果を有する。即ち、本発明で用いられるタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォーム及びその識別方法によれば、タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームが、センシング基板と主制御パネルを含み、センシング基板にタッチ領域とタッチ順を検知するためのタッチ検知パネルが設けられ、タッチ検知パネルに1又は複数のタッチ検知領域が設けられ、主制御パネルが、主制御チップ、スピーカー及び電源装置を含み、主制御チップが、タッチ検知領域、スピーカー及び電源装置にそれぞれ接続される。また、タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームに適用される識別方法において、タッチ検知領域が互いに独立したコードをそれぞれ備え、対応する内容を読み取る際に、凹型溝の形状寸法に一致するカードを凹型溝に挿入してから、カード上の指示に従って指をカード上でスライドさせ、指がタッチ検知領域でスライドすると、対応するタッチ検知領域の静電容量が変化し、主制御チップが、静電容量の変化したタッチ検知領域に基づいて対応するコードを検出し、指による全てのスライドが完了すると、主制御チップが検出した全てのコード及びコードの順序に従って、スピーカーに対し対応の命令を発し、スピーカーは命令を受領すると、凹型溝内のカード上の内容と対応する音声を発生させる。本発明によれば、タッチセンシング領域で指を軽くスライドさせるだけで図形や文字を認識可能なため、非常に便利且つ力を必要としない。また、本発明では、リジッド性の分厚いプリント基板の代わりに薄いセンシング基板を使用するため、製品がより軽量・薄型化される。また、本発明で使用するカードにはチップや音声が内蔵されないため、チップや音声が内蔵されるパズルカードに比べて非常に軽量で薄型となり、作製や使用、保管がしやすい。本発明は、別のチップを用いることで、ランプ、画像、映像又は動作を含む異なる出力が可能となるが、これらに限らない。
【0020】
以下に、図面と実施例を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】
図3は、本発明のタッチ検知領域の配列を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施例の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施例の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び
図4を参照して、本発明のタッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームは、センシング基板1と主制御パネル2を含む。センシング基板1には、タッチ領域とタッチ順を検知するためのタッチ検知パネル11が設けられており、タッチ検知パネル11には、1又は複数のタッチ検知領域111が設けられている。主制御パネル2は、主制御チップ21、スピーカー22及び電源装置23を含む。主制御チップ21は、タッチ検知領域111、スピーカー22及び電源装置23にそれぞれ接続される。
【0023】
好ましくは、前記センシング基板1と主制御パネル2が書籍本体3に取り付けられる。
【0024】
好ましくは、前記書籍本体3に凹型溝31が設けられ、前記タッチ検知パネル11が凹型溝31内に設けられる。
【0025】
好ましくは、前記タッチ検知パネル11が取り外し可能にセンシング基板1に取り付けられる。
【0026】
好ましくは、指示矢印41と識別ポイント42がプリントされたカード4を更に含み、前記カード4上の識別ポイント42とタッチ検知パネル11上のタッチ検知領域111が一対一で対応する。
【0027】
好ましくは、前記タッチ検知領域111の形状が、円形、扇形、環状又は多角形とされるが、これに限らない。
【0028】
好ましくは、前記センシング基板1と主制御パネル2が玩具本体5内に取り付けられる。
【0029】
好ましくは、前記玩具本体5はケーシング51を含み、前記ケーシング51の表面に1又は複数のタッチ検知領域111が設けられる。
【0030】
好ましくは、指示矢印41と識別ポイントがプリントされたタッチシート52を更に含み、前記タッチシート52がケーシング51の表面に貼り付けられる。
【0031】
好ましくは、前記タッチシート52上の識別ポイント42とケーシング51表面のタッチ検知領域111が一対一で対応する。
【0032】
好ましくは、前記主制御チップ21に、タッチ検知領域111の各領域コードに対応したプログラムが予め設けられる。
【0033】
タッチセンシングによる音声発生のためのインタラクティブプラットフォームに適用される識別方法において、タッチ検知領域111は互いに独立したコードをそれぞれ有している。対応する内容を読み取る際には、凹型溝31の形状寸法と一致するカード4を凹型溝31に挿入してから、カード4上の指示に従って指をカード4上でスライドさせる。指がタッチ検知領域111でスライドすると、対応するタッチ検知領域111の静電容量が変化する。そして、主制御チップ21が、静電容量の変化したタッチ検知領域111に基づいて対応するコードを検出する。指による全てのスライドが完了すると、主制御チップ21は検出した全てのコード及びコードの順序に従って、スピーカー22に対し対応の命令を発する。スピーカー22は命令を受領すると、凹型溝31内のカード4上の内容と対応する音声を発生させる。
【0034】
好ましくは、カード4上の内容はアルファベット、漢字、数字又は図形とされるが、これらに限らない。
【0035】
好ましくは、カード4が円形、扇形又は多角形とされるが、これらに限らない。
【0036】
図2を参照して、前記カード4には、アルファベット、漢字、数字又は図形等の文字記号のほかに、使用者を案内するためのコード及び指示矢印41も設けられ、更に、タッチ検知領域111に一対一で対応する識別ポイント42が設けられる。
【0037】
図3を参照して、タッチ検知パネル11上における前記タッチ検知領域111の配列形式は様々であり、マトリックス配列、不規則配列又はその他の規則的配列が含まれるが、これらに限らない。
【0038】
図4を参照して、本発明の担持体が書籍本体3の場合、前記カード4の形状寸法は凹型溝31の形状寸法に一致するものとする。また、カード4上の識別ポイント42も、凹型溝31内のタッチ検知領域111と一対一で対応する。
【0039】
図5を参照して、本発明の担持体は書籍本体3のほか、玩具本体5又は日用品等であってもよいが、これらに限らない。また、本発明は、平面だけでなくアーチ形状又は不規則平面にも適用可能であるが、これらに限らない。図示するように、前記玩具本体5は、ケーシング51とタッチシート52を含む。前記ケーシング51の表面にはタッチ検知領域111が設けられ、前記タッチシート52には指示矢印41と識別ポイント42がプリントされる。前記タッチシート52はケーシング51に貼り付けられ、前記識別ポイント42とケーシング51上のタッチ検知領域111が一対一で対応する。指示矢印41と識別ポイントに基づいて、タッチシート52の対応する領域で指を軽くスライドさせると、電子装置がこれを識別して、所定のプログラムに従って音声、動作、光等を出力する。但し、これに限らない。
【0040】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎない。本発明は上述の実施形態に限定されず、同様の手段で本発明の技術的効果を達成可能なものであれば、いずれも本発明の保護の範囲とみなされる。