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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-91503(P2017-91503A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】新規見込先発掘・営業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20120101AFI20170421BHJP
【FI】
   G06Q30/00 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-158569(P2016-158569)
(22)【出願日】2016年8月12日
(31)【優先権主張番号】特願2015-217395(P2015-217395)
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000247719
【氏名又は名称】株式会社伊予エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【弁理士】
【氏名又は名称】安形 雄三
(72)【発明者】
【氏名】山本 昭廣
(72)【発明者】
【氏名】山本 是樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】取引先既存顧客の傾向を分析した情報、統計データや地図データなど営業に関する種々の情報、生活レベルを含むライフスタイルを利用し、更に地図情報システムと連携して新規取引の見込先を発掘して企業等の営業を支援する電子情報処理的なロジックを有する新規見込先発掘・営業支援システムを提供する。
【解決手段】少なくとも既存取引先の情報、統計データ、営業に関連する情報を基に作成された既存顧客の新規取引が想定される見込先リスト1を読み取り、見込先リスト1の各顧客にライフスタイルコードを付与し、ライフスタイルコードを付与された見込先リスト2を地図情報システムに連携させて建物面積を付与すると共に、条件1で抽出した既存・新規見込先リストを作成し、既存・新規見込先リストから条件2に従って抽出した新規見込先リストを作成し、新規見込先リストを参照して新規顧客発掘の支援を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも既存取引先の情報、統計データ、営業に関連する情報を基に作成された既存顧客の新規取引が想定される見込先リスト1を読み取り、
前記見込先リスト1の各顧客にライフスタイルコードを付与し、
前記ライフスタイルコードを付与された見込先リスト2を地図情報システムに連携させて建物面積を付与すると共に、条件1で抽出した既存・新規見込先リストを作成し、
前記既存・新規見込先リストから条件2に従って抽出した新規見込先リストを作成し、
前記新規見込先リストを参照して新規顧客発掘の支援を行い得るようにしたことを特徴とする新規見込先発掘・営業支援システム。
【請求項2】
前記見込先リスト1がCRMシステムに連携して作成される請求項1に記載の新規見込先発掘・営業支援システム。
【請求項3】
前記ライフスタイルコードに生活レベルが含まれている請求項1又は2に記載の新規見込先発掘・営業支援システム。
【請求項4】
少なくとも既存取引先の情報、統計情報、傾向分析した情報を基に作成された既存顧客の新規取引が想定される見込先リスト1を読み取り若しくはデータを入力する読取部と、
前記見込先リスト1の各顧客にライフスタイルコードを付与するライフスタイルコード付与部と、
前記ライフスタイルコードを付与された見込先リスト2を、前記見込先リスト1を参照して作成するリスト作成部と、
を具備し、
前記リスト作成部は、地図情報システムに連携されて前記顧客毎に建物面積を付与され、条件入力部から入力された条件1で転換して既存・新規見込先リストを作成し、
前記リスト作成部は、前記条件入力部から入力された条件2で前記既存・新規見込先リストから新規顧客を抽出した新規見込先リストを作成し、
作成された前記新規見込先リストを参照して新規顧客発掘の支援を行い得るようにしたことを特徴とする新規見込先発掘・営業支援システム。
【請求項5】
前記読取部がデータを抽出して分析・解析する抽出処理部と連携している請求項4に記載の新規見込先発掘・営業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引先既存顧客の傾向を分析した情報や、統計データや地図情報などの営業に関連する種々の情報を利用し、新規取引の見込先を発掘して企業等の営業活動を支援する電子情報処理的なロジックを有する新規見込先発掘・営業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等が営業活動を行うには、大きく分けて2通りのパターンがある。1つは「既存取引先への追加営業」、もう1つは既存顧客ではない「新規顧客への開拓営業」である。「既存取引先への追加営業」の場合、取引実績や顧客情報(年齢、性別など)などを参考に分析し、ニーズを推測し商品やサービスを提案することができる。しかし、既存取引先であっても、自社がメイン顧客になっていない顧客(利用が停滞している顧客など)のニーズは、取引の変化や情報が蓄積されないため、想定が困難となる課題がある。
【0003】
一方、「新規顧客への開拓営業」をする場合は手持ちの情報が全くないため、DM(Direct Mail)、ポスティング、コールセンター(CC)での案内、マーケティングコンテンツ(マーケティングツール)などを利用することで、公開されているエリア情報を参考にして、不特定多数に対してローラ営業、飛込営業など非効率的な営業を行うしかなかった。更に、顧客獲得に失敗した見込先の営業履歴は蓄積されていないケースが多く、複数の営業担当者が同じ企業に同じ提案を行うこともあることから、顧客からのクレームになることもあった。
【0004】
取引先既存顧客への支援システムは多くあるが、新規の見込先や利用が停滞している顧客を含め、新規見込先を発掘することを目的とした営業支援システムはこれまで存在していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−096209号公報
【特許文献2】特開2007−310851号公報
【特許文献3】特開2004−118571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述したような事情からなされたものであり、本発明の目的は、取引先既存顧客の傾向を分析した情報、統計データや地図情報などの情報、生活レベルを含むライフスタイルを利用し、地図情報システムと連携して新規取引の見込先を発掘して企業等の営業活動を支援する電子情報処理的なロジックを有する新規見込先発掘・営業支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は新規見込先発掘・営業支援システムに関し、本発明の上記目的は、少なくとも既存取引先の情報、統計データ、営業に関連する情報を基に作成された既存顧客の新規取引が想定される見込先リスト1を読み取り、前記見込先リスト1の各顧客にライフスタイルコードを付与し、前記ライフスタイルコードを付与された見込先リスト2を地図情報システムに連携させて建物面積を付与すると共に、条件1で抽出した既存・新規見込先リストを作成し、前記既存・新規見込先リストから条件2に従って抽出した新規見込先リストを作成することにより達成される。
【0008】
また、本発明の上記目的は、少なくとも既存取引先の情報、統計情報、傾向分析した情報を基に作成された既存顧客の新規取引が想定される見込先リスト1を読み取り若しくはデータを入力する読取部と、前記見込先リスト1の各顧客にライフスタイルコードを付与するライフスタイルコード付与部と、前記ライフスタイルコードを付与された見込先リスト2を、前記見込先リスト1を参照して作成するリスト作成部とを具備し、前記リスト作成部は、地図情報システムに連携されて前記顧客毎に建物面積を付与され、条件入力部から入力された条件1で転換して既存・新規見込先リストを作成し、前記リスト作成部は、前記条件入力部から入力された条件2で前記既存・新規見込先リストから新規顧客を抽出した新規見込先リストを作成することにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明による新規見込先発掘・営業支援システムを活用することにより、今まで困難であった新規見込先の発掘が論理的に可能となり、企業の営業成績が著しく向上することである。本発明による新規見込先の顧客は、取引先既存顧客の分析ロジックから展開された見込先であるため、案件化の確度が非常に高いというメリットがある。しかも、地図情報システムを利用して、新規見込先をピンポイントで可視化することができるため、営業活動の一層の効率化を図ることができる。このように、高確度の見込先を効率良く発掘することが可能になれば、営業支援の質と量の向上を図ることができる。
【0010】
また、「新規顧客への開拓営業」の場合、従来は不特定多数の企業や個人対してDMやポスティングで行っていた発掘営業を、本発明システムでは論理的に抽出された見込先だけに行うため、営業活動の経費削減を見込め、更に送付先の反応などを管理すれば、顧客情報の管理がより容易になる。この顧客情報管理により、管理工数の軽減を図ることもできる。
【0011】
更に、地元取引シェアが低い企業の場合、新規顧客を増やすことが可能となり、地元取引シェアの拡大が見込める。例えば地元取引シェアが低い企業の場合、新規顧客へ営業を行い、取引開始することで顧客数の増加が見込まれる。よって、本発明システムを利用し新規顧客を獲得することにより、取引シェアの拡大が見込める。また、地元シェアが高い企業の場合は、利用が停滞している顧客に対しての発掘が可能であるため、利用促進による案件の増加や自社をメイン取引先として囲い込むことが可能となり、収益アップが見込める。例えばメイン取引先になった場合、複数の自社商品を保有している企業であれば、他の商品も提案することができる。そうなれば、一人の顧客へ複数の商品を販売することができるため、収益アップを見込めることになる。地元のシェアが拡大して飽和状態になっている場合においては、他県や隣接した市町村へ攻勢をかけることとなるが、他県の場合、地域特性の情報が不明なことが多いため、取引先の確保や新規取引先の発掘が難しい。しかし、本発明システムを利用することにより、統計情報や地図情報などの種々の情報を基に論理的な営業支援ができるため、上記諸問題を解決することができる。
【0012】
その他、入社間もないような社員は経験不足により、どこに自社の見込先がいるのか全く分からないが、本発明システムを利用すれば新規見込先の発掘が可能であり、新入社員のような経験不足の社員であっても、営業力の底上げによる効果向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】顧客情報管理と営業の関係を説明するための模式図である。
図2】営業支援における本発明システムの役割を示す模式図である。
図3】本発明の全体的な構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明における新規見込先リストの作成の流れを示す模式図である。
図6】本発明の全体動作例を示すフローチャートである。
図7】生活レベルとライフスタイルコードの関係の一例を示す図表である。
図8】ライフスタイルコードの分類例を示す図表である。
図9】住所と生活レベルの関係の一例を示す地図である。
図10】本発明システムの具体的な動作例を示すフローチャートの一部である。
図11】本発明システムの具体的な動作例を示すフローチャートの一部である。
図12】本発明システムの具体的な動作例を示すフローチャートの一部である。
図13】既存・新規見込先リストへの転換ロジックの一例を示すフローチャートである。
図14】本発明システムの画面イメージの一例を示すシーケンス及びイメージ図である。
図15】アプローチ管理の具体的な動作例を示すフローチャートである。
図16】入力画面の一例を示す画面図である。
図17】入力画面の一例を示す画面図である。
図18】入力画面の一例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
企業(営利・非営利を問わず、営業活動を行う法人、組織、個人等の総称をいう)において、営業活動を行うために他企業の訪問計画を立てるのは必須である。一般的に訪問計画を策定する場合、現に取引している既存顧客の情報を分析し、既存顧客が必要になるであろう商品やサービス(以下、単に「商品」とする)を必要なタイミングで提案することは可能である。しかし、今までに取引のない未取引先などに新規な提案をする場合は、参考になる情報が全くないため、何処にターゲットとなる見込先が存在するかが不明であることが一般的である。
【0015】
そこで、本発明は、取引先既存顧客の傾向を分析した情報(例えば市販されているEBM(イベント主導型マーケティング)や分析システムのツールで分析した情報(商品を購入した人の年齢や性別、他商品を購入した履歴などの傾向等の情報))や、例えば国勢調査や人口推計などの公表されている統計データ、住所若しくは位置を特定する地図情報などの営業に関連する種々の情報を電子情報処理的なロジックで利用し、新規取引の見込先を高い確度で発掘して、効率的かつ経済的に企業の営業活動を支援することが可能な新規見込先発掘・営業支援システムを提供することを目的とする。
【0016】
顧客情報の管理は図1(A)に示すように、顧客への初期提案の段階、次いで案件化の段階、営業の成果である成約の段階があり、顧客情報としては図1(B)に示すように、営業結果(成約)の登録や営業の履歴、成約の確度、次回の訪問時期(アポイントの有無)、他銀行の取引情報、相続情報、目標情報などが考えられる。本発明に係る新規見込先発掘・営業支援システム100は図1(C)に示すように、これら情報の内の初期提案の段階に属する情報を新規見込先リスト16として作成し、案件化及び成約段階の情報については、CRM(Consumer Relationship Management)システムなどの既存の顧客情報システムで管理をする。新規見込先発掘・営業支援システム100の情報とCRMシステム202に登録された顧客情報は、相互に連携して利用可能になっており、初期提案の新規見込先リスト16の作成にもCRMシステム202の情報を利用することができる。
【0017】
図2は、本発明に係る新規見込先発掘・営業支援システム100の総括的な役割を模式的に示しており、本発明システム100はコンピュータシステムであり、データ等を入力したり、データ等を読み取る入力部、データや情報の処理演算などを行う演算処理部(CPU,MPU等)、データ処理や情報格納のためのメモリ(RAM,ROM等)、データ等を出力する出力部(表示部)などを備えている。既存のCRMシステム202内の顧客データベース(DB)10から必要なデータを抽出して分析・解析を行い、既存顧客の中の見込先リスト12を作成し、新規見込先発掘・営業支援システム100は、所定条件を入力して地図情報システム(GIS(Geographic Information System))250などと協働して新規見込先リスト16を作成する。作成された新規見込先リスト16を基に、営業部門は新規顧客に対するアプローチ(案件化)を行い、アプローチの管理情報は新規見込先発掘・営業支援システム100で管理され、アプローチ管理においては、CIF(Cost,Insurance and Freight)化、情報連携などを行う。アプローチの結果、新規顧客との成約の有無等の目標達成の有無、傾向分析、発掘条件の変更などを行い、新規見込先発掘・営業支援システム100にフィードバックする。
【0018】
図3は、新規見込先発掘・営業支援システム100の構成例と外部システムとの連携関係を示しており、見込先発掘・営業支援システム100は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、表示部に視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする地図情報システム(GIS)250と、住宅ローン先、年金先、投信先などを抽出してリスト作成のために処理する抽出処理部120と、新規顧客を獲得するためのアプローチに外部装置や外部システムと連携する管理部130と、情報やデータを管理するデータベース(DB)100Aとで構成されている。データベース100Aには、自社で管理しているクレーマー情報や反社会勢力などの情報、訪問注意先や非訪問推奨先などの情報も格納されている。また、地図情報システム250は、地図情報に関連するデータや情報を格納するデータベース110Aを具備している。図3の例では、地図情報システム250はシステム100の外に設けられているが、システム100の内部であっても良い。
【0019】
地図情報システム250は抽出処理部120及び管理部130に相互接続されており、住所若しくは位置の情報が可視化されていない場所が、ライフスタイルコード等の入力により未取引先として特定することができ、新規見込先リスト16の作成に寄与する。抽出処理部120には、既存のEBMシステム201、CRMシステム202、他分析システム203が接続され、管理部130には更に、新規見込先リスト16を参照して営業活動を行うための外部システムのDM204、ポスティング205、CC(Call Center)システム206が接続されている。
【0020】
EBMシステム201は顧客行動の変化を捉え、マーケティング活動のトリガとする手法を利用しており、EBMシステム201はCRMシステム202が保持している既存顧客の変化を捉えて、既存顧客が必要になるであろう商品を適切なタイミングで営業担当部門に通知する機能を有している。CCシステム206は、コールセンターで見込先に電話を行った情報を管理するシステムであり、電話した結果(成功、失敗)や内容などが登録されている。DM204及びポスティング205についても同様である。
【0021】
図4は本発明の基本構成であり、全体の制御や処理を実行するCPU(MPU、MCU等を含む)150を備え、外部からのデータを入力したり、読み取ったりする読取部151と、生活レベルを含むライフスタイルコードを付与するライフスタイルコード付与部152と、種々のリストを作成するリスト作成部と、リスト作成時などに種々の条件を入力する条件入力部と、データや情報等を格納するデータベース(DB)100Aとが相互に接続されている。また、CPU150には、CRM202、地図情報システム(GIS)250、転換部155、出力部156、管理部130が相互に接続されている。
【0022】
図5は本発明における新規見込先リスト16の作成の流れを示す模式図であり、図6は本発明の全体動作例を示すフローチャートである。図4及び図5を参照して、本発明の動作例を説明する。
【0023】
本発明では、先ずCRM202内の顧客データベース(DB)10に格納されている既存顧客の情報(名称(名前)、住所(本社、支店、営業先など)、取引商品(サービス)、年齢、電話、メールアドレス、年金の有無など)などのデータを分析・解析し(ステップS1)、取引先既存顧客の商品毎の条件を設定し(ステップS2)、既存顧客の中の見込先リスト12を作成する(ステップS3)。自社で複数の商品を販売している場合、全ての商品を既存顧客が購入しているとは限らない。既存顧客の中の見込先リスト12は、既存顧客で複数ある商品のうち、未だ商品を購入していない既存顧客で、自社の未取引商品の中で購入しそうな顧客が抽出されることになる。上記ステップS1〜S3は、既存のツールで行うことができる。このように、EBMシステム201やマーケティングコンテンツなどで既存顧客DB10の年齢や取引情報から分析を行い、既存顧客の中で、自社の未取引商品の中で購入しそうな顧客が抽出され、出力される。
【0024】
得られた既存顧客の中の見込先リスト12(若しくはそのデータ)を本発明の新規見込先発掘・営業支援システム100の読取部151で読み取って入力し、ライフスタイルコード付与部152が住所情報に基づいて、生活レベルを含むライフスタイルコードを付与し、リスト作成部153がライフスタイルコード付き見込先リスト13を作成する(ステップS10)。既存顧客の見込先リスト12の顧客について、商品を購入した既存顧客の中で同じような傾向を持った先を参照して更にリストアップする。生活レベルを含むライフスタイルコードの分類は、例えば図7及び図8に示されるものが知られており、都市化度は「田舎エリア」、「郊外エリア」、「シティエリア」、「都心エリア」に分類され、富裕度も「田舎エリア」、「郊外エリア」、「シティエリア」、「都心エリア」毎に定められている。例えば「都心エリア」の富裕度は「トレンディライフ」、「アーバンミドルクラス」、「下町」に分類される。各分類に割り当てられるライフスタイルコードを一覧にすると図8のようになり、顧客の住所に対する生活レベルの関係も、例えば図9に示すようなエリア情報で定められているので、これらの情報に基づいてライフスタイルコードを自動的に付与することができる。
【0025】
このようなライフスタイルコードを付与された見込先リスト13は、建物面積(延床面積)の情報などを格納している地図情報システム250と連携し、見込先リスト13の住所に該当する欄に例えば建物面積(延床面積)を付加し、リスト作成部153は建物面積付き見込先リスト14を作成する(ステップS11)。このように、見込先リスト13の住所から地図情報システム250で建物を特定し、建物面積(延床面積)を取得して付加する。その後、条件入力部154から建物面積の条件1(例えば100m〜110m)を入力し(ステップS12)、転換部155で転換することによって、リスト作成部153は、既存の顧客と未取引の新規顧客が混在している既存・新規見込先リスト15を作成する(ステップS13)。ライフスタイルコードが同じエリアの建物の中から、建物面積が同じ位の建物を抽出することで、同等のライフスタイルであろう人物が住んでいる建物を、抽出処理部120で抽出することができる。
【0026】
抽出処理部120で抽出した建物に住んでいる新規顧客(人物)は、既存顧客の取引先リスト14と同様の生活レベルである可能性が高いため、既存顧客の取引先リスト14と同じニーズを持っている可能性が高い。よって、そこに住んでいる人物を新規な見込先リスト15として抽出する。
【0027】
既存・新規見込先リスト15には既存顧客も含まれているが、既存顧客の情報は把握しているため、住所や氏名から自社顧客を排除(条件2の入力)することで(ステップS14)、新規な顧客だけがリストアップされた新規見込先リスト16を作成する(ステップS15)。条件2として、例えば「既存で年金取引が有る先以外」を条件入力部154から入力する。上記ステップS10〜S15は、本発明の見込先発掘・営業支援システム100が実施する。
【0028】
上述のようにして新規見込先リスト16が作成されると、営業部門のアプローチが管理部130を介してDM204、ポスティング205、CCシステム206などで行われ(ステップS20)、営業の成果などを登録してフィードバックする(ステップS21)。
【0029】
以下、図10図12のフローチャートを参照して、本発明の具体的な動作例を説明する。
【0030】
CRMシステム202内のDB10(他システムのDBでも可)から既存顧客情報(氏名、住所、年齢、取引商品等)を抽出し、既存顧客情報の分析・解析(例えば65歳以上かつ当行年金無し)を行う(ステップS1)。そして、年金の取り扱いの無い見込先を抽出することによって(ステップS2)、図10に示されるような既存顧客の中の見込先リスト12を作成する(ステップS3)。分析・解析の条件としては、他に投資信託の有無や公共料金の引き落としの有無などがある。
【0031】
作成された見込先リスト12(若しくはデータ)を新規見込先発掘・営業支援システム100に取り込むことにより、既存顧客の住所や生活レベルなどから、図8に示されるようなライフスタイルコードを顧客毎に付与し、図11に示されるようなライフスタイルコードが付加された見込先リスト13を作成する(ステップS10)。見込先リスト13は地図情報システム250と連携され、見込先の建物面積(延床面積)を付加された図11に示すような見込先リスト14を作成する(ステップS11)。
【0032】
見込先リスト14の作成後、例えばライフスタイルコードが「12」で、かつ建物面積が「100m〜110m」の条件1を入力し(ステップS12)、転換することにより図12に示されるような見込先リスト15が作成される(ステップS13)。見込先リスト15には既存の顧客(A,D、X)と共に、新規な顧客(Y,Z)が含まれている。既存の顧客(A,D、X)は情報があるために年金の有無が分かるが、新規な顧客(Y,Z)は情報がないために年金の有無は不明である。そして、年金取引が「有」の顧客を排除する条件2を入力し(ステップS14)、図12に示すような新規見込先リスト16を作成する(ステップS15)。新規見込先リスト16内の氏名Z及びYは年金情報や年齢も分からないが、ライフスタイルがコード「12」で共通し、新規な顧客となり得る。
【0033】
図13は見込先リスト12から既存・新規見込先リスト15への転換の様子を示しており、見込先リスト12に付加されているライフスタイルを分類し(ステップS11−1)、地図情報システム250に登録されている建物情報を利用し、既存顧客の見込先の住所から建物を特定し(ステップS11−2)、既存顧客の見込先が住んでいる建物面積、延床面積などを抽出する(ステップS11−3)。そして、ライフスタイルが同じエリアの建物面積、延床面積が近い建物に居住している人は、既存顧客の見込先と同様の価値観を持っている可能性が高いので、既存顧客の見込先のライフスタイルが同じエリアで、建物面積などが近い建物を抽出する(ステップS11−4)。建物の位置情報から住所と表札名を抽出し、地図情報システム250にビル情報が含まれていれば、ビル名も抽出する。その後は、前述したように条件2を入力し(ステップS14)、既存・新規見込先リスト15を作成する。
【0034】
図14は新規見込先リスト16が作成された後の本発明システム100の画面イメージであり、本システム100の画面上でメニュー「新規見込先」を選択してクリックすると(a)、新規見込先リストの選択画面(○○候補先、□□候補先等)となる(b)。所望の「□□候補先」を選択してクリックすると、氏名が列挙されたリスト一覧が画面に表示され(c)、その中から顧客を選択してクリックすると、近辺の地図が表示され(d)、当該顧客位置を選択してクリックするとアプローチ管理データが付加された画面となる(e)。
【0035】
図15図6における本発明の展開(ステップS20〜S21)を示すフローチャートであり、本発明の新規見込先発掘・営業支援システム100とCRMシステム202とが連携する。営業担当者が、新規見込先発掘・営業支援システム100で作成された新規見込先リスト16に基づいて企業を訪問することにより(基本的にはリストの住所と表札名を見て、その位置を地図情報システムで確認し、企業や個人宅へ訪問することが想定される。新規見込先リスト16の情報は、氏名住所情報などから、地図情報システム250でピンポイントに位置を特定できるため、生活レベルやライフスタイルなどの情報と比較して、新規顧客見込先を可視化したリストを作成することができ、表示若しくは印刷された新規見込先リスト16を参照することにより、顧客訪問の効率化が見込める。
【0036】
また、新規見込先が企業の場合は、COSMOS IIの情報(住所、企業名など)とマッチングした場合は、COSMOS IIの情報を出力することも可能となる)、営業の案件化(商談)を図るが、その営業結果や履歴、次回訪問時期などが新規見込先発掘・営業支援システム100のDB100Aに登録される。
【0037】
新規見込先リスト16には、氏名、住所、年齢、年金取引の有無、その他、取引商品の情報などが記載されており、このリスト中から訪問注意先や非訪問推奨先を排除し(ステップS101)、営業用の新規見込先リストを作成する(ステップS102)。その後、顧客情報、他社情報などを取得すると共に、訪問結果、確度などを登録し(ステップS103)、更に訪問結果、成約確度などを登録する(ステップS104)。
【0038】
このアプローチ管理処理では、新規見込先リスト16と自社で保持しているクレーマー情報や反社会勢力などの情報とを比較判定し、或いは訪問注意先や非訪問推奨先を新規見込先リスト16から排除して、地図情報システム250などとも連携して営業用の新規見込先リストを作成する。また、アプローチ管理処理では、登録されて格納されている営業結果の登録や履歴、成約確度、次回訪問時期、他行取引情報、相続情報(同居人情報)、目標管理などの情報やデータも参照する。
【0039】
そして、営業結果などが追記された新規見込先リストに沿って、新規取引を案件化するが(ステップS105)、例えば商談が進行し、見込先から高成約確度の見込先へとなることで案件化し、CRMシステム202に見込先を登録し(ステップS106)、訪問結果、成約確度などを登録する(ステップS107)。従来のCRMシステム202は基本的に顧客情報や成約直前の顧客のみを対象としており、見込先の顧客は含まれない。よって、CRMシステム202には見込先の顧客へ訪問した結果や、案件の状態管理が保管されないため、案件の管理が困難になるケースが多い。そのため、本発明ではCRMシステム202に登録される前段階の成功は、新規見込先発掘・営業支援システム100で保管し、CRMシステム202へ登録が必要となった場合は、新規見込先発掘・営業支援システム100から各種情報を連携して取得する。案件化と成約時の交渉結果は、CRMシステムなどで顧客登録(CIF化)し、本システムと情報連携により成約を目指す(新規見込先発掘・営業支援システムで管理する顧客=見込客。CRMシステムなどの顧客管理システムで管理する顧客は成約に近い顧客)。
【0040】
商談が成約となると(ステップS110)、成約結果の登録を行い、目標管理(営業担当者は、目標値を決められていることが多い)を行い(ステップS111)、成約率、建物面積の傾向、ライフスタイルなどを用いて傾向分析を行い(ステップS112)、傾向分析結果から、抽出条件を変更する(ステップS113)。例えば建物面積の閾値を上下調整することで、再度見込先を抽出する。
このような活動結果を更に分析してフィードバックすることにより、ロジックを変更・調整し一層精度の高い新規見込先を発掘することが可能となる。
【0041】
図16図18は入力画面例であり、新規見込先リスト16若しくは地図情報システム250から、入力したい新規見込先を選択することにより図16のような画面が表示され、画面は名前や住所などを選択して変更可能である。そして、図16の画面上で追加ボタンを押下することにより、図17の登録画面が表示される。図17で営業日や担当者、結果や次回訪問期日の履歴の追加を行い、追加ボタンを選択して結果を登録する。結果登録した内容は、図18のように画面で表示される。
【符号の説明】
【0042】
10 既存顧客データベース(DB)
12 既存顧客の中の見込先リスト
13、14 見込先リスト
15 既存・新規見込先リスト
16 新規見込先リスト
100 新規見込先発掘・営業支援システム
120 抽出部
130 管理部
151 読取部
152 ライフスタイルコード付与部
153 リスト作成部
154 条件入力部
250 地図情報システム
201 EBM
202 CRMシステム
206 CCシステム

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