(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-92438(P2017-92438A)
(43)【公開日】2017年5月25日
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20170421BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20170421BHJP
【FI】
H05K3/34 502E
H05K3/34 505A
H05K3/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-67927(P2016-67927)
(22)【出願日】2016年3月30日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0159709
(32)【優先日】2015年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ボン−イェオル リー
【テーマコード(参考)】
5E314
5E319
【Fターム(参考)】
5E314AA24
5E314DD07
5E314FF01
5E314FF05
5E314GG22
5E319AA03
5E319AC13
5E319BB04
5E319CC33
5E319GG05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回路微細化により、基板にソルダーバンプで電子素子等を接続する際にソルダーが広がってソルダーパッド間にブリッジが形成されることを効果的に予防する。
【解決手段】絶縁体10と、絶縁体上に形成されたパッド(pad)25を含む回路パターンと、パッドを露出させるオープニング(pad opening)35が形成されたソルダーレジスト層30と、を含む。オープニングにおいて、互いに隣接するオープニングは、互いに向い合って並んで配置された直線辺をそれぞれ備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体と、
前記絶縁体上に形成されたパッド(pad)を含む回路パターンと、
前記パッドを露出させるオープニング(pad opening)が形成されたソルダーレジスト層と、を含み、
前記オープニングにおいて、互いに隣接する前記オープニングは、互いに向い合って並んで配置された直線辺をそれぞれ備えたプリント回路基板。
【請求項2】
前記オープニングは、多角形に形成された請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記多角形のオープニングは、六角形に形成された請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記オープニングは、互いに隣り合う辺が平行になるように、格子構造に配列された請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記パッドに形成されるソルダーバンプをさらに含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の発展により電子機器の小型化が進み、これにより、プリント回路基板の回路配線の層数は増加するものの、配線の幅や配線間の距離は短くなっている。
【0003】
回路微細化により、基板にソルダーバンプで電子素子等を接続する際にソルダーが広がってソルダーパッド間にブリッジが形成される問題点が発生している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2015−0007982号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、絶縁体と、上記絶縁体上に形成されたパッド(pad)を含む回路パターンと、上記パッドを露出させるオープニング(pad opening)が形成されたソルダーレジスト層と、を含み、上記オープニングにおいて、互いに隣接する上記オープニングは、互いに向い合って並んで配置された直線辺を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るプリント回路基板のオープニングを説明するための図である。
【
図3】従来技術によるプリント回路基板のオープニングを説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るプリント回路基板における複数のオープニング配列を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係るプリント回路基板及び回路配線の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0008】
また、以下に使用される第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が、第1、第2などの用語により限定されるものではない。
【0009】
また、結合とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、絶縁体と、回路パターンと、ソルダーレジスト層と、を含み、ソルダーレジスト層に形成された互いに隣接するオープニングは、互いに向い合って並んで配置される直線辺を備える。
【0011】
絶縁体10は、後述する回路パターン20を電気的に絶縁させる樹脂材であってもよい。絶縁体10は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂を含むことができ、プリプレグ(PPG)やビルドアップフィルム(build−up film)に形成されることができる。
【0012】
回路パターン20は、絶縁体10に形成される。回路パターン20は、絶縁体10の一面、他面、または内部にも形成可能であり、回路パターン20は、銅などの金属で形成することができる。
【0013】
図1を参照すると、絶縁体10の一面に回路パターン20の一部としてパッド25を形成することができる。パッド25には、ソルダーバンプ50が形成され、ソルダーバンプ50を介して電子素子60などと電気的に接続することができる。回路パターン20は、複数のパッド25を備えることができる。
【0014】
ソルダーレジスト層30は、パッド25及び回路パターン20を外部環境から保護する役割を担い、ソルダーレジスト層30には、貫通されたオープニング(pad opening、35)が形成され、絶縁体10上に形成されたパッド25を露出できる。
【0015】
図1を参照すると、オープニング35は、それぞれ絶縁体10上に形成された複数のパッド25を選択的に露出させ、所望する形態にパッド25を露出させることができる。ソルダーレジスト層30のオープニング35を介して露出されたパッド25上にはソルダーボールまたはソルダーバンプ50などの外部接続手段をさらに形成することができる。
【0016】
図2は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板のオープニング35を説明するための図であり、
図3は、従来技術によるプリント回路基板のオープニング35を説明するための図である。
【0017】
図2を参照すると、複数のオープニング35は、互いに隣接する一対のオープニング35を備えることができ、一対のオープニング35は、互いに並んで配置された直線辺を備えることができる。例えば、四角形、五角形、六角形などの多角形状にオープニング35が形成されて、隣接するオープニング35は、直線辺が互いに並んで配置されることができる。これにより、オープニング35を介して露出する多角形のパッド25領域にのみソルダーが結合することができる。多角形で露出したパッド25領域は、従来の円形で露出するパッド25領域に比べて、ソルダーバンプ50が広げられてブリッジが形成されることを効果的に予防できる。
図2及び
図3に示すように、パッド25間のピッチ距離D
p1が同一であっても、多角形で露出したパッド25は、円形で露出したパッド25に比べて長いオープニング35間の距離を有することになる。これにより、オープニング35から広がったソルダーが互いに接してブリッジを形成する可能性が低減する。例えば、パッド25間のピッチ距離D
p1、D
p2が130μmである場合、半径35μmの円形オープニング35を形成すると、オープニング35間の距離D
o2は、60μmになる。これに対して、半径35μmの円に外接する正六角形のオープニング35を形成し、互いに一辺を並んで配置すると、オープニング35間の距離D
o1は、70μmになる。すなわち、オープニング35の形状を変更することにより、従来の構造に比べて10μmの余裕空間を確保できる。また、正六角形構造は、円形に比べて面積の減少が大きくないので、ソルダー結合に高い信頼性を保持することができる。
【0018】
図4は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板における複数のオープニング35の配列を説明するための図である。
図4を参照すると、複数のオープニング35は、互いに隣り合っている辺が平行になるように、格子構造に配列することができる。例えば、格子構造に配列された複数のオープニング35において、左右の間隔D
p1_hが上下の間隔D
p1_vよりも狭い場合は、左右に向い合う辺が互いに平行に配置され、オープニング35の左右間の距離D
o1_hを最大化することができる。このとき、多角形構造のオープニング35の上下間の距離D
o1_vも、円形のオープニング35を形成した場合に比べて、より長いか、または同一に形成することができる。
【0019】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるといえよう。
【符号の説明】
【0020】
10 絶縁体
20 回路パターン
25 パッド
30 ソルダーレジスト層
35 オープニング
50 ソルダーバンプ
60 電子素子