【解決手段】本発明は、第1絶縁層、上記第1絶縁層の両側にそれぞれ配置された第1パッドと第2パッド、及び上記第1パッドと第2パッドとを接続する第1ビアを含む第1接続部材と、上記第1接続部材上に配置された電子部品と、上記電子部品を封止する封止材と、を含み、上記第1ビアの中心線の配置は、上記第1パッドの中心線の配置及び上記第2パッドの中心線の配置の少なくとも一つと異なる配置である、ファンアウト半導体パッケージ及びそれを含む電子機器に関する。
前記第1ビアの中心線は、前記第1パッドの中心線を基準として前記半導体チップパッケージの外側方向にずらして配置される、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の半導体チップパッケージ。
前記第1ビア及び前記第2ビアは、千鳥状(Staggered)、ジグザグ状(Zigzag)、または螺線状(Spiral)に配置される、請求項12から請求項17の何れか一項に記載の半導体チップパッケージ。
絶縁層、前記絶縁層の一面上に配置された第1及び第3パッド、前記絶縁層の他面上に配置された第2及び第4パッド、前記絶縁層を貫通し、前記第1及び第2パッドを接続する第1ビア、及び前記絶縁層を貫通し、前記第2及び第4パッドを接続する第2ビアを含む接続部材と、
前記接続部材上に配置され、前記第1〜第4パッド、並びに前記第1及び第2ビアと電気的に接続された半導体チップと、を含み、
前記半導体チップの中心線から前記第1パッド、前記第2パッド及び前記第1ビアの中心線までの距離は、前記半導体チップの中心線から前記第3パッド、前記第4パッド及び前記第2ビアの中心線までの距離よりも大きく、
前記第1ビアの中心線と前記第1パッドの間の間隔、及び前記第1ビアの中心線と前記第2パッドとの間の間隔を平均した距離は、前記第2ビアの中心線と前記第3パッドとの間の間隔、及び前記第2ビアの中心線と前記第4パッドとの間の間隔を平均した距離よりも大きい、ファンアウト半導体パッケージ。
前記第1ビアの中心線の配置は、前記第1パッドの中心線及び前記第2パッドの中心線の少なくとも一つを基準として、前記半導体チップの中心線から遠くなる方向にオフセットされ、
前記第2ビアの中心線の配置は、前記第3パッドの中心線及び前記第4パッドの中心線の少なくとも一つの位置と一致する、請求項20に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記絶縁層の前記第1及び第3パッドが配置された側面上に配置され、前記第1及び第3パッドの少なくとも一部をそれぞれ露出させる第1及び第2開口部を有するパッシベーション層をさらに含み、
前記第1ビアの中心線と前記第1開口部の中心線との間の間隔は、前記第2ビアの中心線と前記第2開口部の中心線との間の間隔より大きい、請求項20または請求項21に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記接続部材は、前記絶縁層の一面及び他面にそれぞれ配置された第5及び第6パッドと、前記絶縁層を貫通し、前記第5及び第6パッドを接続する第3ビアと、をさらに含み、
前記第3パッド、前記第4パッド及び前記第2ビアは、前記第1パッド、前記第2パッド及び前記第1ビアが配置された領域と、前記第5パッド、前記第6パッド及び前記第3ビアが配置された領域との間の領域に配置され、
前記第3ビアの中心線と前記第5パッドの中心線との間の間隔、及び前記第3ビアの中心線と前記第6パッドの中心線との間の間隔を平均した距離は、前記第2ビアの中心線と前記第3パッドの中心線との間の間隔、及び前記第2ビアの中心線と前記第4パッドの中心線との間の間隔を平均した距離よりも大きい、請求項20に記載のファンアウト半導体パッケージ。
複数の絶縁層、及び前記複数の絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の絶縁層にそれぞれ形成された複数の第1配線パターンを電気的に接続させる複数の第1ビアを含む接続部材と、
前記接続部材上に配置され、前記複数の第1ビアと電気的に接続された半導体チップと、を含み、
前記複数の第1ビアのうち、前記複数の第1配線パターンの何れか一つと直接電気的に接続された何れか二つの中心線は互いにずれて配置されている、ファンアウト半導体パッケージ。
前記接続部材は、前記複数の絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の絶縁層にそれぞれ形成された複数の第2配線パターンを介して互いに電気的に接続される複数の第2ビアをさらに含み、
前記複数の第1ビアのうち、前記複数の第1配線パターンの何れか一つと直接接続された何れか二つの中心線の間のすべての間隔を平均した距離は、前記複数の第2ビアのうち、前記複数の第2配線パターンの何れか一つと直接接続された何れか二つの中心線の間のすべての間隔を平均した距離よりも大きい、請求項25に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記複数の第1ビアの中心線から前記半導体チップの中心線までの距離は、前記複数の第2ビアの中心線から前記半導体チップの中心線までの距離より大きい、請求項26に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記接続部材は、前記複数の絶縁層をそれぞれ貫通し、前記複数の絶縁層にそれぞれ形成された複数の第3配線パターンを介して互いに電気的に接続される複数の第3ビアをさらに含み、
前記複数の第3ビアのうち、前記複数の第3配線パターンの何れか一つと直接接続された何れか二つの中心線の間のすべての間隔を平均した距離は、前記複数の第2ビアのうち、前記複数の第2配線パターンの何れか一つと直接接続された何れか二つの中心線の間のすべての間隔を平均した距離よりも大きい、請求項27に記載のファンアウト半導体パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040等が物理的及び/または電気的に接続されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、非揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ等のメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等のアプリケーションプロセッサチップと、アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)等のロジックチップ等が含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の形態のチップ関連部品が含まれることはもちろん可能である。また、これらのチップ関連部品1020が互いに組み合わせられて用いられることももちろん可能である。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリー等)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリー等)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G及びそれらの後継仕様として国際標準化された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の複数の無線または有線標準またはプロトコルのうちの任意のものが含まれることはもちろんである。また、これらネットワーク関連部品1030が上述のチップ関連部品1020とともに互いに組み合わせられて用いられることももちろん可能である。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター(filter)、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)等が含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の様々な用途のために用いられる受動素子部品等が含まれることはもちろんである。また、これらの部品1040が上述のチップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わせられて用いられることももちろん可能である。
【0015】
電子機器1000の種類により、電子機器1000はメインボード1010に物理的及び/または電気的に接続されたり、または接続されない他の部品を含むことができる。この他の部品は、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080、オーディオコーデック(図示せず)、ビデオコーデック(図示せず)、電力増幅器(図示せず)、羅針盤(図示せず)、加速度計(図示せず)、ジャイロスコープ(図示せず)、スピーカー(図示せず)、大量貯蔵装置(例えば、ハードディスクドライブ)(図示せず)、CD(compact disk)(図示せず)、及びDVD(digital versatile disk)(図示せず)等を含むが、これらに限定されるものではなく、この他にも電子機器1000の種類によって様々な用途のために用いられるその他の部品等が含まれることはもちろんである。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、自動車(automotive)等であってよい。但し、電子機器1000は、これらに限定されるものではなく、これらの他にもデータを処理する機能を有する任意の他の電子機器であってもよいのはもちろんである。
【0017】
図2は電子機器に適用されたファンアウト半導体パッケージの例を概略的に示す図である。
【0018】
ファンアウト半導体パッケージは、上述の種々の電子機器1000に様々な用途で適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にメインボード1110が収容されており、上記メインボード1110には種々の電子部品1120が物理的及び/または電気的に接続されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/または電気的に接続されているか又は接続されていない他の部品が本体1101内に収容されている。この際、上記電子部品1120の一部は上述のようなチップ関連部品であることができ、ファンアウト半導体パッケージ100は、例えば、上述のようなチップ関連部品の中でも特に、アプリケーションプロセッサとすることが可能であるが、これに限定されるものではない。
【0019】
図3はファンイン半導体パッケージのパッケージング処理の前後における状態を概略的に示す断面図であり、
図4はファンイン半導体パッケージのパッケージング処理過程における状態の推移を概略的に示す断面図であり、
図5はファンイン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装されて最終的に電子機器のメインボードに実装された状態を概略的に示す断面図であり、
図6はファンイン半導体パッケージがインターポーザ基板に内蔵されて最終的に電子機器のメインボードに実装された状態を概略的に示す断面図であり、
図7はファンアウト半導体パッケージの概略的な形状を示す断面図であり、
図8はファンアウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された形状を示す断面図であり、
図9はファンアウト半導体パッケージの一例を概略的に示す斜視図であり、
図10は
図9のX−X'線を切断面とした場合のファンアウト半導体パッケージの概略的な切断断面図であり、
図11はQ領域またはQ'領域の一例を概略的に示す拡大図であり、
図12はQ領域またはQ'領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0020】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、第1接続部材130と、上記第1接続部材130上に配置された電子部品120と、上記電子部品120を封止する封止材110(encapsulant)と、を含む。この際、第1ビア133aの中心線と第1及び第2パッド132a、132bの中心線は以下のようにずらして配置されているため、これら2つの中心線の位置は互いに一致しない。具体的には、第1接続部材130の少なくともQ領域及び/またはQ'領域における第1ビア133aは、その中心線の位置が、第1絶縁層131aの両側にそれぞれ配置された第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置から任意の方向に所定距離だけずらして配置されている。
【0021】
通常、ファンアウト半導体パッケージを電子機器のメインボード等に実装する場合、電子部品とメインボードとの間における熱膨張係数(CTE)の差が非常に大きいため、苛酷な環境に曝されると、パッケージとボードとを接続する接続端子、例えば、半田ボールにクラック(ひび割れ)が発生する恐れがある。より具体的には、電子部品とメインボードとの間における熱膨張係数(CTE)の差によりパッケージ及びボードに反りが発生し得るが、この際、パッケージに発生する反りとボードに発生する反りとが反対方向に生じるため、パッケージとボードとを接続する接続端子、例えば、半田ボールに応力が集中し、その結果、クラックが発生する恐れがある。このようなクラックは、特にパッケージの角部分で問題となるが、これは、パッケージの角部分に上記のような応力が特に集中しやすいためである。
【0022】
一方、一例として示すファンアウト半導体パッケージ100Aのように、少なくとも第1接続部材130のQ領域及び/またはQ'領域に多くの応力が集中する構造においては、第1接続部材130のQ領域及び/またはQ'領域における第1ビア133aの中心線が、第1絶縁層131aの両側に配置された第1及び第2パッド132a、132bの中心線を基準として任意の方向に所定距離だけずらして配置するようにしてもよい。その場合、第1ビア133a及び第1及び第2パッド132a、132bが一種のバネ(spring)の役割を担うことができるため、接続端子、例えば、半田ボールに集中する応力を緩和させることが可能となる。これにより、パッケージのボードレベルの信頼性を改善することが可能となる。このような配置形態は、Q領域及び/またはQ'領域にのみ適用されるものではなく、第1接続部材130のその他の領域にも適用され得ることはもちろんである。
【0023】
以下、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0024】
封止材110は電子部品120を保護するための構成部材である。封止材110によって電子部品120を封止するための具体的な形態は特に限定されず、例えば、電子部品120の少なくとも一部を囲むような形態であればどのような形態であってもよい。封止材110の素材となる具体的な物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁物質を用いることができる。この際、上記のような絶縁物質としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラー等の補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imageable Dielectric)樹脂等を用いることができる。また、EMC(Epoxy Molding Compound)等の公知のモールディング物質が用いられ得ることはもちろんである。封止材110には、電磁波遮断のために、必要に応じて導電性粒子を含有させることも可能である。導電性粒子としては、電磁波遮断が可能な物質であればどのような物質が用いられてもよく、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、半田(solder)等を用いて形成することができるが、これは一例に過ぎず、特にこれらの物質に限定されるものではない。
【0025】
封止材110は以下に例示するような公知の方法により形成することができる。例えば、封止材110の前駆体を電子部品120上にラミネートすることにより電子部品120をカプセル化してから硬化させることにより形成することができる。または、封止材110を粘着フィルム等に塗布してから粘着フィルムで電子部品120をカプセル化し、さらに硬化させることにより形成することもできる。ラミネートの方法としては、例えば、前駆体を高温で所定時間加圧した後、減圧し、室温に冷やすホットプレス工程を行った後、コールドプレス工程で冷やして作業ツールを分離する方法等を用いることができる。また、封止材110を粘着フィルム上に塗布する方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のようなスプレー印刷法等を用いることができる。
【0026】
電子部品120は、種々の能動素子部品(例えば、ダイオード、真空管、トランジスター等)または受動素子部品(例えば、インダクタ、コンデンサ、抵抗器等)であってもよい。または、電子部品120は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Intergrated Circuit:IC)であってもよい。また、電子部品120は、必要に応じて、集積回路がフリップチップ形態でパッケージング処理された電子部品であってもよい。その際、上記のような集積回路は、例えば、中央演算処理プロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラー等のアプリケーションプロセッサチップであってもよいが、これらに限定されるものではない。電子部品120の断面における厚さは特に限定されず、電子部品120の種類によって変わり得る。例えば、電子部品120が集積回路である場合には、100μm〜480μm程度であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0027】
電子部品120は、第1接続部材130と電気的に接続される電極パッド120Pを有する。電極パッド120Pは、電子部品120を外部と電気的に接続させるための構成部材であって、その形成物質(素材)は特に限定はされないが、任意の導電性物質を用いることができる。このような導電性物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極パッド120Pは第1接続部材130により再配線される。電極パッド120Pは、電子部品120の内部に埋め込まれた形態であってもよく、または電子部品120から突出した形態であってもよい。
【0028】
電子部品120が集積回路である場合には、本体(符号不図示)、パッシベーション層(符号不図示)、及び電極パッド120Pを有することができる。本体は、例えば、活性ウェハーをベースとして形成されることができ、この場合、母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)等を用いることができる。パッシベーション層は、本体を外部から保護する機能を担うものであって、例えば、酸化膜または窒化膜等からなっていてもよく、または酸化膜と窒化膜の二重層からなっていてもよい。電極パッド120Pの形成物質(素材)としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。電子部本120において電極パッド120Pが形成された面は、電子部品120の活性面(active layer)になる。
【0029】
第1接続部材130は、電子部品120の電極パッド120Pを再配線するための構成部材である。第1接続部材130により、様々な機能を有する数十〜数百個の電極パッド120Pを再配線することができ、第1接続端子145を介して、複数の電極パッド120Pをその機能に応じて外部に物理的及び/または電気的に接続することができる。第1接続部材130は、第1及び第2絶縁層131a、131bと、第1及び第2絶縁層131a、131bに配置された第1及び第2配線134a、134bと、第1及び第2絶縁層131a、131bに配置され、第1及び第2配線134a、134bと接続された第1及び第2パッド132a、132bと、第1及び第2パッド132a、132bを接続させる第1ビア133aと、を含む。また、電子部品120の電極パッド120Pと接続される第1ビア133aを含む。ここで、第1及び第2配線134a、134bと第1及び第2パッド132a、132bとは区別すべき異なる概念である。例えば、
図56は第1接続部材のパターン設計の一例を概略的に示す図である。
図56に示すように、互いに異なる層に形成された第1及び第2ビア133a、133b等を接続するための一種のストッパー(stopper)の用途に用いられるものを「パッド132a、132b、132c」と呼び、「パッド132a、132b、132c」と接続されて所定の導電経路(path)を構成するものを「配線134a、134b、134c」と呼ぶ。単に断面のみを参照する際にはこれらは一見して区別し難いが、これらは明確に区別されるべき構成要素である。
【0030】
第1及び第2絶縁層131a、131bは、第1及び第2配線134a、134b、第1及び第2パッド132a、132b、第1及び第2ビア133a、133b等の外表面を保護し、必要に応じてこれらの導電性部材を電気的に絶縁させる役割を担うものであって、その形成物質としては絶縁物質が用いられる。絶縁物質としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラー等の補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂等を用いることができる。PID(Photo Imageable Dielectric)樹脂等の感光性絶縁物質を用いる場合には、第1及び第2絶縁層131a、131bをより薄く形成することができ、これにより、ファインピッチを有する第1及び第2ビア133a、133bをより容易に実現することができる。第1及び第2絶縁層131a、131bは、図面に示した形態のように二つの層からなることが可能であるが、第1及び第2絶縁層131a、131bの構成は、このような構成に限定されるものではなく、必要に応じて単層からなっていてもよく、または二つの層より多い複数の(3つ以上の)層からなっていてもよい。第1及び第2絶縁層131a、131bを形成する物質(素材)は、互いに同一であってもよく、必要に応じては互いに異なってもよい。第1及び第2絶縁層131a、131bの厚さは特に限定されず、例えば、それぞれ第1及び第2配線134a、134bや第1パッド132aを除いた厚さが5μm〜20μm程度であってもよく、第1及び第2配線134a、134bや第1パッド132aの厚さを考慮した場合には15μm〜70μm程度であってもよい。
【0031】
第1及び第2絶縁層131a、131bを形成する方法としては、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、第1及び第2絶縁層131a、131bの前駆体をラミネートした後に硬化させる方法、第1及び第2絶縁層131a、131bの材料(液状もしくは流動性の材料または霧状の材料)を塗布した後に硬化させる方法等により形成することができるが、これらの方法に限定されるものではない。ラミネートの方法としては、例えば、前駆体を高温で所定時間加圧した後、減圧し、室温に冷やすホットプレス工程を行った後、コールドプレス工程で冷やして作業ツールを分離する方法等を用いることができる。絶縁層の形成材料を塗布する方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のスプレー印刷法等を用いることができる。絶縁層の形成材料を硬化させる処理の際には、後工程でフォトリソグラフィ法等を用いるために、完全に硬化されないように乾燥することができる。
【0032】
第1及び第2配線134a、134bは電子部品120の電極パッド120Pを再配線する役割を担うものであって、その形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。第1及び第2配線134a、134bは、上述した役割に加え、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターン等の役割を担うことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン等を除いた各種信号、例えば、データ信号等を含む。第1及び第2配線134a、134bは同一層に配置された第1及び第2パッド132a、132bと接続され、第1及び第2パッド132a、132bはビア133a、133b等を介して接続されているため、他の層に配置された第1及び第2配線134a、134b、または電子部品120の電極パッド120P等と電気的に接続されるようにすることが可能である。第1及び第2配線134a、134bの厚さもまた特に限定されず、例えば、それぞれ10μm〜50μm程度とすることが可能である。
【0033】
第1パッド132aは第1接続端子145と接触する導電性パッド部材としての役割を担う。その形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。第1パッド132aの平面視における形状は特に限定されず、例えば、図面に示すように円形であってもよく、これと異なって、楕円形であってもよく、または矩形などの四角形であってもよい。第1パッド132aの平面視におけるサイズは第2パッド132bより大きい。第1パッド132aの厚さは、特定の数値範囲に限定される必要はなく、例えば、10μm〜50μm程度であってもよい。第1パッド132aには、必要に応じて、表面処理層をさらに形成することができる。表面処理層は、当該技術分野において公知のものであれば特に限定されず、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASL等により形成することができる。
【0034】
第2パッド132bは第1及び第2ビア133a、133bと接触する導電性パッド部材としての役割を担う。その形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。第2パッド132bの平面視における形状は、特に限定されず、例えば、図面に示すように円形であってもよく、これと異なって楕円形であってもよく、または矩形などの四角形であってもよい。第2パッド132bの平面視におけるサイズは第1パッド132aより小さい。第2パッド132bの厚さは、特に限定されず、例えば、それぞれ10μm〜50μm程度であってもよい。
【0035】
第1及び第2配線134a、134b及び第1及び第2パッド132a、132bを形成する方法としては、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、電解銅めっきまたは無電解銅めっき等により形成することができる。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)等の方法により形成することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0036】
第1ビア133aは、互いに異なる層に形成された第1及び第2配線134a、134b、第1及び第2パッド132a、132b等を接続させ、その結果、パッケージ100A内に導電経路を形成する。第1ビア133aの形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。第1ビア133aは、
図5(a)に示すように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または
図5(b)に示すように、導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、第1ビア133aの形状としては、下面に向かうほど直径が小さくなるテーパ状、下面に向かうほど直径が大きくなる逆テーパ状、円筒状等の当該技術分野において公知の任意の形状を採用することができる。
【0037】
第2ビア133bは、電子部品120の電極パッド120Pを第2配線134bや第2パッド132b等と接続し、その結果、パッケージ100A内に導電経路を形成する。第2ビア133bの形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。第2ビア133bも導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、第2ビア133bの形状としては、下面に向かうほど直径が小さくなるテーパ状、下面に向かうほど直径が大きくなる逆テーパ状、円筒状等の当該技術分野において公知の任意の形状を採用することができる。
【0038】
上述したように、第1ビア133aの中心線の位置と、第1パッド132a及び/または第2パッド132bの中心線の位置とは一致しない。この場合、第1ビア133aの中心線が第1パッド132a及び/または第2パッド132bの中心線の位置と一致するように配置された場合に比べて、一種のバネ(spring)作用によりパッケージとボードの接続部分に加わる応力を緩和する効果を得ることが可能となる。これにより、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善することが可能となる。このような配置形態は、Q領域及び/またはQ'領域にのみ適用されるものではなく、第1接続部材130のその他の領域にも適用され得ることはもちろんである。また、このような配置形態は第2ビア133bにも適用され得ることはもちろんである。
【0039】
第1及び第2ビア133a、133bを形成する方法としては、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成することができ、または第1及び第2絶縁層131a、131bが感光性材料を含む場合には、フォトリソグラフィ法でビアホールを形成した後、ドライフィルムパターンを用いて、電解銅めっきまたは無電解銅めっき等により形成することができる。
【0040】
一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、第1絶縁層131aの第1パッド132aが配置された側に配置され、第1パッド132aの少なくとも一部を開口させる第1開口部143を有するパッシベーション層140をさらに含むことができる。パッシベーション層140は、第1及び第2絶縁層131a、131b、第1及び第2配線134a、134b、第1及び第2パッド132a、132b、第1及び第2ビア133a、133b等の外表面を保護し、必要に応じて、これらの導電性部材を外部と電気的に絶縁させる役割を担う。パッシベーション層140の形成物質としては絶縁物質が用いられる。絶縁物質としては、公知の半田レジストを用いることができる。その他にも、第1及び第2絶縁層131a、131bと同一の物質、例えば、同一のPID樹脂を用いてもよい。パッシベーション層140は単層であることが一般的であるが、必要に応じて多層で構成されてもよい。パッシベーション層140の厚さは特に限定されず、例えば、第1配線134aや第1パッド132aを除いた厚さが5μm〜20μm程度であってもよく、第1配線134aや第1パッド132aの厚さを考慮した場合には15μm〜70μm程度であってもよい。
【0041】
パッシベーション層140の第1開口部143の中心線の位置と第1ビア133aの中心線の位置とは一致しない。この場合、第1ビア133aによるバネ(spring)作用により、第1開口部143に配置された第1接続端子145に加えられる応力を緩和させる効果を得ることができる。これにより、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善することができる。このような配置形態は、Q領域及び/またはQ'領域にのみ適用されるものではなく、第1接続部材130のその他の領域にも適用され得ることはもちろんである。
【0042】
一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、パッシベーション層140の第1開口部143に配置される第1接続端子145をさらに含むことができる。第1接続端子145は、ファンアウト半導体パッケージ100Aを外部と物理的及び/または電気的に接続するための構成である。例えば、ファンアウト半導体パッケージ100Aは、第1接続端子145を介して電子機器のメインボード上に実装することができる。第1接続端子145は、パッシベーション層140の第1開口部143に配置され、第1開口部143を介して開口された第1パッド132aと接続される。これにより、第1接続端子145は、電子部品120とも電気的に接続される。
【0043】
第1接続端子145は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、半田(solder)等で形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれらに限定されるものではない。第1接続端子145は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)等であってもよい。但し、ボール(ball)、例えば、半田ボールであることが一般的である。第1接続端子145は、多層構造または単一層構造として形成されてもよい。第1接続端子145が多層構造として形成される場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層構造として形成される場合には、スズ−銀半田や銅を含むことができるが、これらの構成も一例に過ぎず、これらの構成に限定されるものではない。
【0044】
第1接続端子145は、ファンイン(fan−in)領域及び/またはファンアウト(fan−out)領域に配置される。ファンイン(fan−in)領域とは、電子部品120が配置された領域を意味し、ファンアウト(fan−out)領域とは、電子部品120が配置された領域を外れた領域を意味する。すなわち、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、ファンイン(fan−in)パッケージであってもよく、またはファンアウト(fan−out)パッケージであってもよい。第1接続端子145の具体的な数、配置間隔、配置形態等は特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて容易に変更可能である。例えば、第1接続端子145の数は、電子部品120の電極パッド120Pの数に応じて数十〜数千個であってもよいが、これに限定されず、それ以上またはそれ以下の数を有していてもよい。
【0045】
第1接続端子145はリフロー(reflow)により固定されることができ、固定力を強化するために、第1接続端子145の一部はパッシベーション層140内に埋め込まれ、残りの部分は外部に露出されるようにすることで、信頼性を向上させることができる。第1開口部143は、機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成してもよく、フォトリソグラフィ法で形成してもよい。場合によっては、まず最初に第1開口部143のみを形成してもよく、その後に必要に応じて、第1接続端子145を別の工程により形成することができる。
【0046】
第1接続端子145の中心線の位置と第1ビア133aの中心線の位置は一致しない。この場合、第1ビア133aによるバネ(spring)作用により、第1接続端子145に加えられる応力を緩和させる効果を得ることができる。これにより、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善することができる。このような配置形態は、Q領域及び/またはQ'領域にのみ適用されるものではなく、第1接続部材130のその他の領域にも適用され得ることはもちろんである。
【0047】
図13は一例によるファンアウト半導体パッケージの第1パッドの配列の一例を示す平面図である。
【0048】
図面を参照すると、第1接続部材130は、底面視において、電子部品120が配置された領域に対応する第1領域Xと、第1領域Xを囲む第2領域Yと、を含む。この際、第2領域Yのコーナー部分Aは、上述のQ領域及びQ'領域に対応する領域であって、上述のようにパッケージ100Aをボードに実装する際に、第1接続端子145に応力が集中する領域である。したがって、少なくとも第2領域Yのコーナー部分Aでは、応力の緩和が可能となるように、上述のように第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置とが一致しないようにずらして配置するのが好適である。この場合、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善することができる。但し、応力の集中を防止するための上述した配置の工夫は第2領域Yのコーナー部分Aを対象とする構成態様に限定されるものではなく、第2領域Yの最外側部分Bにも大きい応力が集中し得るため、少なくともこの部分Bでは、上述のように第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置とが一致しないようにずらして配置することもでき、この場合、ボードレベルの信頼性をさらに改善することが可能となる。
【0049】
図14はM領域の一例を概略的に示す拡大図であり、
図15はM領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0050】
図面を参照すると、少なくとも第2領域Yのコーナー部分Aに配置された第1ビア133aは、第1パッド132aの中心線を基準としてパッケージ100Aの外側方向に所定距離だけずらして配置されている。この場合、バネ(spring)の作用がパッケージ100Aの外側方向に働くようにすることが可能であるため、パッケージ100Aの内側方向に所定距離だけずらして配置される場合に比べて、より優れた応力緩和の効果を得ることができる。この際、外側方向にずらして配置されるということは、例えば、
図8または
図9に示すように、第1パッド132aの中心線と交差する任意の二つの直線により分割される四つの領域のうち、パッケージの内側方向に向う領域を除いた残りの三つの領域に配置されることを意味する。一方、図面には図示していないが、第2領域Yの最も外側の部分Bにも、上述のような配置形態が適用され得ることはもちろんである。
【0051】
図16は一例によるファンアウト半導体パッケージの第1パッドの配列の他の一例を示す平面図である。
【0052】
図面を参照すると、第2領域Yのコーナー部分A1だけでなく、封止材110、電子部品120、及び第1接続端子145等の異種材料が互いに接する第1領域Xのコーナー部分及び第2領域Yの第1領域Xのコーナー部分を囲む部分A2にも、パッケージ100Aをボードに実装する際に第1接続端子145に応力が集中し得る。したがって、少なくとも第1領域Xのコーナー部分及び第2領域Yの第1領域Xのコーナー部分を囲む部分A2でも、応力緩和の効果を得ることが可能となるように、上述のように第1及び第2パッド132a、132bの中心線を基準として任意の方向に所定距離だけずらして第1ビア133aを配置する場合、パッケージ100Aのボードレベルの信頼性をさらに改善することができる。但し、応力の集中を防止するための上述した配置の工夫は、上述した部分A2を対象とする構成態様に限定されるものではなく、第1領域Xの最外側部分B2にも、第2領域Yの最外側部分B1と同様に多くの応力が集中し得る。そのため、少なくとも第1領域Xの最も外側の部分B2及び/または第2領域Yの最も外側の部分B1においても、上述のように第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置とが一致しないようにずらして配置することができ、この場合、ボードレベルの信頼性をさらに改善することができる。
【0053】
図17はN領域の一例を概略的に示す拡大図であり、
図18はN領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0054】
図面を参照すると、少なくとも第2領域Yのコーナー部分A1だけでなく、さらに、第1領域Xのコーナー部分及び第2領域Yの第1領域Xのコーナー部分を囲む部分A2に配置された第1ビア133aもまた、第1パッド132aの中心線を基準としてパッケージ100Aの外側方向に所定距離だけずらして配置されている。この場合にも、バネ(spring)作用がパッケージ100Aの外側方向に働くようにすることができるため、パッケージ100Aの内側方向に所定距離だけずらして配置される場合に比べて、より優れた応力緩和の効果を得ることができる。この際、パッケージ100Aの外側方向にずらして配置されるということは、同様に、例えば
図11または
図12に示すように、第1パッド132aの中心線と交差する任意の二つの直線により分けられる四つの領域のうち、パッケージの内側に向う領域を除いた残りの三つの領域に配置されることを意味する。一方、図面には図示していないが、第1領域Xの最も外側の部分B2及び/または第2領域Yの最も外側の部分B1にも、上述のような配置形態が適用され得ることはもちろんである。
【0055】
図19は一例によるファンアウト半導体パッケージのビア及びパッドの様々な配置形態を概略的に示す図である。
【0056】
図19(a)は、第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置がすべて一致する場合を示す。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Aをボードに実装する際に、第1接続端子145に加わる応力がそれほど集中しないと考えられる第1接続端子145の領域における第1ビア133a及び第1及び第2パッド132a、132bの配置形態として実施可能である。この場合、第1及び第2パッド132a、132bは、同一層に配置される第1及び第2配線134a、134b等の設計面積を最大限確保することができるように小さく形成(直径:d1)することができるため、設計自由度を向上させることが可能となる。
【0057】
図19(b)は、第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置が一致しない場合を示す。この場合、第1ビア133aの中心線は、第1及び第2パッド132a、132bの中心線を基準として、設計者により意図された第1間隔L1だけずらして配置されている。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Aをボードに実装する際に、上述のように第1接続端子145の応力が相対的に集中する領域(A1及び/またはA2)における第1ビア133a及び第1及び第2パッド132a、132bの配置形態として実施することができる。この場合、図面に示すように、第1間隔L1がより大きくなるように第2パッド132bをずらして配置することでさらに優れた応力緩和の効果を得るために、必要に応じて、他の領域の第2パッド132bよりは大きく形成(直径:d2)することができるが、必ずしもこのような構成態様に限定されるものではない。
【0058】
図19(c)は、設計段階において第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置が一致するように設計したが、製造工程上の限界により不可避的な製造誤差が生じ、上述した2つの中心線の位置が一致しないことにより所定距離だけ離れてしまった場合を示す。すなわち、設計段階においては
図19(a)の配置形態を意図していたが、製造工程上の限界により製造誤差が生じ、第1ビア133aの中心線の位置と第1及び第2パッド132a、132bの中心線の位置が意図せずして一致しなくなった場合である。この場合、第1ビア133aの中心線は、第1及び第2パッド132a、132bの中心線を基準として、設計者が意図しなかった第2間隔L2だけずれて配置されてしまっている。但し、第2パッド132bは、同一層に配置される第1及び第2配線134a、134bの設計面積を最大限確保することができるように小さく形成(直径:d3)し、第2間隔L2は意図しなかったものであるため、第2間隔L2の値を平均すると設計者が意図した第1間隔L1に比べて小さくなる。すなわち、場合によっては、第1接続部材130において、一つずつ個別に比較した時には任意の何れかの第2間隔L2が第1間隔L1より大きくなる場合もあり得るが、第2間隔L2の値を平均すると第1間隔L1の平均より小さくなってしまう。したがって、設計者が意図した第1間隔L1だけ中心線の配置をずらず場合に比べて、ボードレベルの信頼性の改善効果を充分に得ることができないことがある。
【0059】
図20は一例によるファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0060】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、いわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、封止材110を貫通する貫通配線113をさらに含むことができる。同時に、貫通配線113と接続される第2接続端子150をさらに含むことができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0061】
貫通配線113は、パッケージ100A上に他のパッケージや表面実装型(SMT)部品等が配置される際に、それらを電子部品120と電気的に接続する役割を担う。貫通配線113を形成する材料(素材)としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。貫通配線113の数、配置間隔、配置形態等は特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて容易に変更可能であるため、詳細な内容の説明は省略する。貫通配線113を形成する方法としては、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、機械的ドリル及び/またはレーザードリル、研磨用粒子を用いるサンドブラスト法、プラズマを用いるドライエッチング法などを用いることができ、または、封止材110が感光性材料を含む場合には、フォトリソグラフィ法により貫通配線用孔を形成した後、ドライフィルムパターンを用いて、電解銅めっきまたは無電解銅めっき等により形成することができる。
【0062】
第2接続端子150は、パッケージ上に他のパッケージ等が配置される際に、それらをパッケージ100Aと接続するための接続手段としての役割を担う。第2接続端子150は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、半田(solder)等で形成することができるが、これは一例に過ぎず、その材質が特にこれに限定されるものではない。第2接続端子150は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)等であってもよい。但し、第2接続端子150は、ボール(ball)、例えば、半田ボールとして形成されることが一般的である。第2接続端子150は多層構造または単一層構造として形成することができる。多層からなる場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層構造として形成される場合には、スズ−銀半田や銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、このような素材に限定されるものではない。第2接続端子150は、当該技術分野において公知の製造工程により形成されることができ、リフロー(reflow)により固定されることができる。
【0063】
図21は一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0064】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよい。すなわち、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、第1接続部材130上に配置され、貫通孔を有する第2接続部材115をさらに含むことができる。この際、電子部品120は第2接続部材115の貫通孔に配置されることが可能である。第2接続部材115の貫通孔の内面、第2接続部材115の上面、及び/または第2接続部材115の下面には、必要に応じて金属層116、117、118を配置することができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0065】
第2接続部材115はパッケージ100Aを支持するための構成であって、これにより、パッケージ100Aの剛性を維持すると同時に厚さの均一性を確保することが可能である。第2接続部材115は、上面及び上記上面と向かい合う下面を有し、この際、貫通孔が上面と下面との間を貫通するように形成されている。貫通孔には、電子部品120が第2接続部材115から離隔されるように配置されており、その結果、電子部品120の側面の周囲が第2接続部材115により取り囲まれる。第2接続部材115の材料としては、パッケージを支持することができる構造材であれば特に限定されず、例えば、絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラー等の補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ、ABF、FR−4、BT樹脂等が用いられることができる。または、剛性及び熱伝導度に優れた金属(metal)を用いてもよく、金属としてはFe−Ni系合金を用いることができる。この際、モールディング材料、層間絶縁材料等との接着力を確保するために、Fe−Ni系合金の表面にCuめっきを形成してもよい。それ以外にも、その他にガラス(glass)、セラミック(ceramic)、プラスチック(plastic)等を用いることもできる。第2接続部材115の断面における厚さは特に限定されず、電子部品120の断面における厚さに応じて設計することができる。例えば、電子部品120の種類に応じて、例えば100μm〜500μm程度であってもよい。パッケージ100Aが第2接続部材115を有する場合には、先ず、貫通孔を有する第2接続部材115を準備した後、粘着フィルム等を用いて電子部品120を貫通孔に配置し、封止材110を形成してから、後続の工程において第1接続部材130を形成する方法によりパッケージ100Aを製造することができる。第2接続部材115は、パッケージ100Aの大量生産のために、複数の貫通孔を有する大きいサイズの第2接続部材115として形成することができ、これを用いて複数のパッケージ100Aを製造した後、ソーイング(Swaing)工程により個別的なパッケージにシンギュレーションする方法により製造することもできる。
【0066】
第2接続部材115の貫通孔の内面、第2接続部材115の上面、及び/または第2接続部材115の下面に必要に応じて配置される金属層116、117、118は、放熱特性の向上及び/または電磁波遮断のための構成部材であって、その形成材料としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等を含む熱伝導率の高い金属を用いることができるが、上記形成材料はこれらに限定されない。電子部品120から放出された熱は、金属層116、117、118を経て第2接続部材110の上側または下側へ、伝導、輻射、または対流により拡散されるようにすることが可能である。金属層116、117、118の形成方法は特に限定されず、公知の方法により形成することができる。例えば、電解銅めっきまたは無電解銅めっき、より具体的には、CVD、PVD、スパッタリング、サブトラクティブ、アディティブ、SAP、MSAP等の方法を用いて形成することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0067】
図22は一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0068】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよく、且ついわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、第2接続部材115を貫通する貫通配線113をさらに含むことができ、この際、第2接続部材115の上面及び下面には各種パターン112a、112bが配置され、貫通孔の内面には必要に応じて金属層116が配置されることができる。尚、パッケージ100Aは、貫通配線113と接続される第3接続端子170をさらに含むことができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0069】
貫通配線113は第2接続部材115のみを貫通するものとして形成されてもよく、貫通配線113の具体的な数、配置間隔、配置形態等は特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて容易に変更可能である。この場合にも、貫通配線113は上述の公知の方法で形成することができる。第3接続端子170は、封止材110の上面に形成された第2開口部(符号不図示)に配置されてもよく、第3接続端子170の具体的な数、配置間隔、配置形態等は特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて容易に変更可能である。この場合にも、第2開口部(符号不図示)及び第3接続端子170は上述の公知の方法で形成することができる。
【0070】
第2接続部材115の上面及び下面に配置された各種パターン112a、112bは、配線及び/またはパッドパターンであることができる。このように第2接続部材115の上面及び下面にも配線を形成することができるため、パッケージ100A上に、より広いルーティング(Routing)領域を実現することができる。これにより、第1接続部材130の設計自由度をさらに改善することができる。各種パターン112a、112bもまた、上述の公知の方法で形成することができる。第2接続部材115の貫通孔の内面に必要に応じて配置される金属層116は、放熱特性の向上及び/または電磁波遮断のための構成であって、このように貫通孔の内面にのみ金属層116が配置される場合、十分な放熱効果及び電磁波遮断効果を奏することができる。金属層116もまた上述の公知の方法で形成することができる。
【0071】
図23は一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0072】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよく、且つ他の形態のいわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、第2接続部材115の上面及び/または下面に、第2接続部材115の貫通孔と一体化された貫通孔を有する内部絶縁層111a、112bをさらに配置することができる。第1内部絶縁層111aには、封止材110に到達するまで第1内部絶縁層111aの中を貫通する第3開口部(符号不図示)が形成されており、これを介してパターン112aの一部を外部に露出させることができる。外部に露出させられたパターン112aは、パッケージ100A上に配置される他の形態の電子部品やファンアウト半導体パッケージをワイヤボンディングする際にパッドとしての役割を担うことができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0073】
第1及び第2内部絶縁層111a、111bは、電子部品120を配置する前に、より多くの配線パターンを形成するためのものである。第1及び第2内部絶縁層111a、111bの数が増加するほど、該当層上により多くの配線パターンを形成して、第1接続部材130の層数を減少させることができる。これにより、電子部品120の配置後に第1接続部材130を形成する過程で発生する製造工程不良によって電子部品120が使用できなくなる確率が低下する。すなわち、電子部品120の配置後の製造工程不良による収率低下の問題を防止することができる。第1及び第2内部絶縁層111a、111bにも、これらを貫通する貫通孔を形成することができ、これは第2接続部材110を貫通する貫通孔と一体化されるようにすることが可能である。この場合、電子部品120は、上記のように一体化された貫通孔の内部に配置されるようにしてもよい。第1及び第2内部絶縁層111a、111bにも各種パターン及びビア(符号不図示)を形成することができる。その形成方法は上述した通りである。
【0074】
第1及び第2内部絶縁層111a、111bを形成する物質としては絶縁物質を用いることができ、この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラー等の補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ、ABF、FR−4、BT樹脂等を用いることができる。感光性絶縁樹脂等の感光性絶縁物質を用いる場合、第1及び第2内部絶縁層111a、111bをより薄く形成することができ、ファインピッチを容易に実現することができる。第1及び第2内部絶縁層111a、111bは、それぞれ同一の絶縁物質または互いに異なる絶縁物質を含むことができる。また、第1及び第2内部絶縁層111a、111bは、それぞれ略同一の厚さまたは互いに異なる厚さを有することができる。第1及び第2内部絶縁層111a、111bの形成物質が同一であり、厚さが略同一であり、その層数が同一である場合、第2接続部材115を基準として互いに対称な構造とすることができるため、反りの発生をより容易に抑制制御することができる。
【0075】
図24は一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0076】
図面を参照すると、第2接続部材115の下面に形成されたパターン112bは、その一面が露出するように第2接続部材115の内部に埋め込まれたものであってもよい。この場合、第接続部材115の下面に形成されたパターン112bの厚さは無視することができるほど薄いため、ファインピッチ化が可能となる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0077】
図25は一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0078】
図面を参照すると、第2接続部材115a、115bは、多層構造として構成することができる。この際、第2接続部材115a、115bの内部にもパターン112cを配置することができる。第2接続部材115a、115bの内部に配置されたパターン112cは、ビア113a、113bを介して第2接続部材115a、115bの両側に形成されたパターン112a、112bと電気的に接続することができる。この場合、パッケージ100Aにおいて第1接続部材130の層数を減少させることができる。また、第1接続部材130の設計自由度を高めることができる。なお、第1接続部材130の製造時に発生する製造工程不良の発生率を低下させることができるため、収率を向上させることができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0079】
図26はファンアウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示す斜視図であり、
図27は
図26のY−Y'線を切断面とするファンアウト半導体パッケージの概略的な切断断面図であり、
図28はR領域またはR'領域の一例を概略的に示す拡大図であり、
図29はR領域またはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図30はR領域またはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図31はR領域またはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0080】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、第1接続部材130と、上記第1接続部材130上に配置された電子部品120と、上記電子部品120を封止する封止材110と、を含む。この際、第1接続部材130の少なくともR領域及び/またはR'領域の第1及び第2絶縁層131a、131bに形成された第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置は、上記第1及び第2ビア133a、133bの間に配置され、上記第1及び第2ビア133a、133bと接続された第2パッド132bの中心線を基準として、互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置されている。すなわち、第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置と第2パッド132bの中心線の位置は一致しない。その結果、第1及び第2ビア133a、133bは、いわゆる千鳥状(Staggered)に配置されている。
【0081】
他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bのように、第1接続部材130のうち、少なくともR領域及び/またはR'領域に多くの応力が集中するが、R領域及び/またはR'領域の内部おける互いに異なる第1及び第2絶縁層131a、131bに形成された第1及び第2ビア133a、133bを、その間に配置された第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置するように構成するのが好適である。そしてその場合にも、第1及び第2ビア133a、133b及び第1及び第2パッド132a、132bが一種のバネ(spring)の役割を担うことができるため、接続端子、例えば、半田ボールに集中する応力を緩和することが可能となる。これにより、パッケージ100Bのボードレベルの信頼性を改善することができる。このような配置形態は、R領域及び/またはR'領域にのみ適用されるものではなく、第1接続部材130のその他の領域にも適用され得ることはもちろんである。また、第2絶縁層131bに形成された第2ビア133bと、第3絶縁層131cに形成された第3ビア133cと、その間に配置された第3パッド133cとの関係においても、このような配置形態が適用され得ることはもちろんである。
【0082】
以下、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する説明は省略する。
【0083】
第1及び第2ビア133a、133bの配置を中心線からずらした距離a、bは、同一の距離または異なる距離とすることが可能である。但し、第1及び第2ビア133a、133bを上記のようにいわゆる千鳥状(Staggered)に配置するためには、第1及び第2ビア133a、133bを少なくとも異なる方向にずらして配置しなければならない。この際、第1及び第2ビア133a、133bは、
図20または
図21に示すように、互いに重ならないように十分な距離をとって離隔させることができるが、第2パッド132bのサイズや第1及び第2ビア133a、133bのサイズによっては、
図22または
図23に示すように、互いに重なるように配置することもできる。また、ビアは、
図20または
図22に示すように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、場合によっては、
図21または
図23に示すように、導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。このような様々な形態でも、いわゆる千鳥状(Staggered)に配置されることができれば、応力を緩和する効果を得ることができる。
【0084】
第2パッド132bの平面視における形状は特に限定されず、例えば、
図28〜
図31の(b)に示すように矩形などの四角形であってもよく、
図28〜
図31の(c)に示すように円形であってもよい。または、図面と異なって、楕円形であってもよい。第2パッド132bのサイズも特に限定されず、第1接続部材130の他の領域に配置された第2パッド132bよりも相対的に大きい場合、第1及び第2ビア133a、133bをずらして配置する際の離間距離を十分に確保することができるため、応力分散の効果をさらに大きくすることができる。
【0085】
図32はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図33はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図34はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図35はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0086】
図面を参照すると、第1接続部材130は、より多くの層である第1〜第4絶縁層131a、131b、131c、131dで構成されることができ、これに応じて、ビア及びパッドも第1〜第3ビア133a、133b、133c及び第1〜第4パッド132a、132b、132c、132dで構成されることができる。この際、第1及び第2ビア133a、133bは、第2パッド132bの中心線を基準として、互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置することができる。また、第2及び第3ビア133b、133cは、第3パッド132cの中心線を基準として、互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置することができる。一方、第1及び第3ビア133a、133cは、同一方向に所定距離だけずらして配置することができる。その結果、第1〜第3ビア133a、133b、133cを、いわゆる千鳥状(Staggered)に、より具体的には、いわゆるジグザグ(Zigzag)状に配置することができる。
【0087】
第1〜第3ビア133a、133b、133cの配置をずらした距離a、bは、同一の距離または異なる距離とすることが可能である。この際、第1及び第2ビア133a、133b及び第2及び第3ビア133b、133cは、
図32または
図33に示すように、互いに重ならないように十分な距離をとって離隔するることができ、または第2及び第3パッド132b、132cのサイズや第1〜第3ビア133a、133b、133cのサイズによっては、
図34または
図35に示すように、互いに重なるように配置することもできる。また、ビアは、
図32または
図34に示すように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、場合によっては、
図33または
図35に示すように、導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。このような様々な形態でも、いわゆるジグザグ(Zigzag)状に配置されることができれば、応力緩和の効果を得ることができる。
【0088】
第2及び第3パッド132b、132cの平面視における形状は特に限定されず、例えば、
図32〜
図35の(b)に示すように矩形などの四角形であってもよく、
図32〜
図35の(c)に示すように円形であってもよい。または、図面と異なって楕円形であってもよい。第2及び第3パッド132b、132cのサイズも特に限定されず、第1接続部材130の他の領域に配置された第2及び第3パッド132b、132cよりも相対的に大きい場合、第1〜第3ビア133a、133b、133cをずらして配置する際の離間距離を十分に確保することができるため、応力分散の効果をさらに大きくすることができる。
【0089】
図36はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図37はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図38はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図39はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0090】
図面を参照すると、第1接続部材130の構成は以下の点で
図32〜
図35に示す実施形態と類似している。すなわち、第1接続部材130は、より多くの層である第1〜第4絶縁層131a、131b、131c、131dで構成されることができ、これに応じて、ビア及びパッドも第1〜第3ビア133a、133b、133c及び第1〜第4パッド132a、132b、132c、132dで構成されることができる。この際、第1〜第3ビア133a、133b、133cは、第2及び第3パッド132b、132cの中心線を基準として、すべて互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置することができる。その結果、第1〜第3ビア133a、133b、133cを、いわゆる千鳥状(Staggered)に、具体的には、いわゆる螺線状(Spiral)に配置することができる。
【0091】
第1〜第3ビア133a、133b、133cの配置をそれぞれずらした距離a、b、cは、同一の距離または異なる距離とすることが可能である。但し、第1〜第3ビア133a、133b、133cを上記のようにいわゆる螺線状(Spiral)に配置するためには、第1〜第3ビア133a、133b、133cは少なくとも互いに異なる方向にずらして配置されなければならない。この際、第1〜第3ビア133a、133b、133cは、
図36または
図37に示すように、互いに重ならないように十分な距離をとって離隔することができるが、第2及び第3パッド132b、132cのサイズや第1〜第3ビア133a、133b、133cのサイズによっては、
図38または
図40に示すように、互いに重なるように配置することもできる。また、ビアは、
図36または
図38に示すように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、場合によっては、
図37または
図39に示すように、導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。このような様々な形態でも、いわゆる螺線状(Spiral)に配置されることができれば、応力緩和の効果を得ることができる。
【0092】
第2及び第3パッド132b、132cの平面視における形状は特に限定されず、例えば、
図36〜
図39の(b)に示すように矩形などの四角形であってもよく、
図36〜
図39の(c)に示すように円形であってもよい。または、図面と異なって楕円形であってもよい。第2及び第3パッド132b、132cのサイズも特に限定されず、第1接続部材130の他の領域に配置された第2及び第3パッド132b、132cよりも相対的に大きい場合、第1〜第3ビア133a、133b、133cをずらして配置する際の離間距離を十分に確保することができるため、応力分散の効果をより大きくすることができる。
【0093】
図40はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図41はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図42はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図であり、
図43はRまたはR'領域の他の一例を概略的に示す拡大図である。
【0094】
図面を参照すると、第1接続部材130の構成は
図36〜
図39に示す実施形態と以下の点で類似している。すなわち、第1接続部材130は、より多くの層である第1〜第5絶縁層131a、131b、131c、131d、131eで構成することができ、これに応じて、ビア及びパッドも第1〜第4ビア133a、133b、133c、133d及び第1〜第5パッド132a、132b、132c、132d、132eで構成することができる。この際、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dは、第2〜第4パッド132b、132c、132dの中心線を基準として、すべて互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置することができる。その結果、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dをいわゆる千鳥状(Staggered)に、具体的には、いわゆる螺線状(Spiral)に配置することができる。
【0095】
第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dの配置をそれぞれずらした距離a、b、c、dは、同一の距離または異なる距離とすることができる。但し、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dをいわゆる螺線状(Spiral)に配置するためには、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dは少なくとも互いに異なる方向にずらして配置しなければならない。この際、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dは、
図40または
図41に示すように、互いに重ならないように十分な距離をとって離隔することができるが、第2〜第4パッド132b、132c、132dのサイズや第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dのサイズによっては、
図42または
図43に示すように、互いに重なるように配置することもできる。また、ビアは、
図40または
図42に示すように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、場合によっては、
図41または
図43に示すように、導電性物質がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。このような様々な形態でも、いわゆる螺線状(Spiral)に配置されることができれば、応力緩和の効果を得ることができる。
【0096】
第2〜第4パッド132b、132c、132dの平面視における形状は特に限定されず、例えば、
図40〜
図43の(b)に示すように矩形などの四角形であってもよく、
図40〜
図43の(c)に示すように円形であってもよい。または、図面と異なって楕円形であってもよい。第2〜第4パッド132b、132c、132dのサイズも特に限定されず、第1接続部材130の他の領域に配置された第2〜第4パッド132b、132c、132dよりも相対的に大きい場合、第1〜第4ビア133a、133b、133c、133dをずらして配置する際の離間距離を十分に確保することができるため、応力分散の効果をさらに大きくすることができる。
【0097】
図44は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの第1パッドの配列の一例を示す平面図である。
【0098】
図面を参照すると、第1接続部材130は、底面視において、電子部品120が配置された領域に対応する第1領域Xと、第1領域Xを囲む第2領域Yと、を含む。この際、第2領域Yのコーナー部分Aは、上述のR領域及びR'領域に対応する領域であって、上述のようにパッケージ100Bをボードに実装する際に第1接続端子145に応力が集中する領域である。したがって、少なくとも第2領域Yのコーナー部分Aでは、応力緩和の効果を得ることができるように、上述のように第1及び第2ビア133a、133bを、その間に配置されてそれらと接続される第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置するのが好適である。そしてこの場合、パッケージ100Bのボードレベルの信頼性を改善することができる。但し、応力の集中を防止するための上述した配置の工夫は第2領域Yのコーナー部分Aを対象とする構成態様に限定されるものではなく、第2領域Yの最も外側の部分Bにも多くの応力が集中し得る。そのため、少なくともこの部分Bでは、上述のように第1及び第2ビア133a、133bを、その間に配置されてそれらと接続される第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向に所定距離ずらして配置することができ、この場合、ボードレベルの信頼性をさらに改善することができる。
【0099】
図45は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの第1パッドの配列の他の一例を示す平面図である。
【0100】
図面を参照すると、第2領域Yのコーナー部分A1だけでなく、封止材110、電子部品120、及び第1接続端子145の三種の異種材料が互いに接する第1領域Xのコーナー部分及び第2領域Yの第1領域Xのコーナー部分を囲む部分A2にも、パッケージ100Bをボードに実装する際に第1接続端子145に応力が集中し得る。したがって、少なくとも第2領域Yのコーナー部分A1だけでなく、さらに、第1領域Xのコーナー部分及び第2領域Yの第1領域Xのコーナー部分を囲む部分A2でも、応力を緩和する効果が得られるように、上述のように第1及び第2ビア133a、133bを、その間に配置されてそれらと接続される第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置するのが好適である。そしてこの場合、パッケージ100Bのボードレベルの信頼性をさらに改善することができる。但し、応力の集中を防止するための上述した配置の工夫は上記領域を対象とする構成態様に限定されるものではなく、第2領域Yの最も外側の部分B1及び/または第1領域Xの最も外側の部分B2にも多くの応力が集中し得る。そのため、少なくともこの部分B1およびB2では、上述のように第1及び第2ビア133a、133bを、その間に配置されてそれらと接続される第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向に所定距離だけずらして配置することができ、この場合、ボードレベルの信頼性をさらに改善することができる。
【0101】
図46は他の一例によるファンアウト半導体パッケージのビア及びパッドの様々な配置形態を概略的に示す図である。
【0102】
図46(a)は、第1及び第2ビア133a、133bの中心線を第2パッド132bの中心線からずらさずに配置した場合を示す。すなわち、第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置と第2パッド132bの中心線の位置が一致する場合を示す。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Bをボードに実装する際に第1接続端子145の応力がそれほど集中しないと考えられる領域における第1及び第2ビア133a、133b及び第1〜第3パッド132a、132b、132cの配置形態として実施することができる。この場合、第2パッド132b等は、同一層に配置される第2配線134b等の設計面積を最大限確保することができるように小さく形成(直径:D1)することができるため、設計自由度を向上させることができる。
【0103】
図46(b)は、第1及び第2ビア133a、133bの中心線を第2パッド132bの中心線から互いに異なる方向にずらして配置した場合を示す。すなわち、第1及び第2ビア133a、133bの中心線が第2パッド132bの中心線と一致しない場合を示す。この場合、第1及び第2ビア133a、133bのそれぞれの中心線は、第2パッド132bの中心線を基準として、設計者により意図された第1オフセットO1だけずらして配置されている。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Bをボードに実装する際に、上述のように第1接続端子145の応力が相対的に集中する領域(A1及び/またはA2)における第1及び第2ビア133a、133b及び第1〜第3パッド132a、132b、132cの配置形態として実施することができる。この場合、図面に示すように、第1オフセットO1がより大きくなるように第2パッド132b等をずらして配置することで、さらに優れた応力緩和の効果を得るために、必要に応じて他の領域の第2パッド132b等よりは大きく形成(直径:D2)することができるが、必ずしもこのような構成態様に限定されるものではない。
【0104】
図46(c)に示す実施形態は、設計段階においては第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置が第2パッド132bの中心線からずれないように設計したが、製造工程上の限界により不可避的な製造誤差が生じ、第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置が第2パッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向にずれて配置された場合を示す。すなわち、設計段階においては
図38(a)の配置形態を意図したが、製造工程上の限界により製造誤差が生じ、第1及び第2ビア133a、133bの中心線の位置が第2パッド132bの中心線から互いに異なる方向に意図せずしてずれて配置されてしまった場合である。この場合、第1及び第2ビア133a、133bのそれぞれの中心線は、第2パッド132bの中心線を基準として設計者が意図しない第2オフセットO2だけずれて配置されてしまっている。但し、同一層に配置される第2配線134b等の設計面積を最大限確保することができるように第2パッド132b等を小さく形成(直径:D3)するならば、第2オフセットO2は意図しなかったものであるため、平均すると設計者が意図した第1オフセットO1に比べて小さい。すなわち、場合によっては、第1接続部材130において、一つずつ個別に比較した際には任意の何れかの第2オフセットO2が第1オフセットO1より大きくなる場合があり得るが、第2オフセットO2の値を平均すると第1オフセットO1の平均よりも小さくなる。したがって、設計者が意図した第1オフセットO1に比べてボードレベルの信頼性の改善効果を充分に得ることができない。
【0105】
図46(d)に示す実施形態では、意図的に千鳥状(Staggered)の配置を実現するために、第1及び第2ビア133a、133bが互いに異なる第2パッド132b1、132b2に接続されている。この場合、第1及び第2ビア133a、133bが千鳥状に配置されてはいるものの、第2パッド132b1、132b2をさらに多く形成しなければならないため製造工程が複雑となり、第2パッド132b1、132b2が占める面積(直径:D4)が大きくなりすぎて、第2配線134bの設計面積が小さくなるという問題点がある。この問題点を解決しない限り、最近最も重要な技術的要求として求められている薄型化及び小型化の要求に応えることができない。
【0106】
図47は他の一例によるファンアウト半導体パッケージのビア及びパッドの他の様々な配置形態を概略的に示す図である。
【0107】
図47(a)〜(d)は、
図46(a)〜(d)における第1接続部材130の絶縁層がより多くの層で構成され、これに応じてビア及びパッドもより多くの絶縁層上に配置された場合である。
【0108】
図47(a)は、第2及び第3ビア133b、133cの中心線の位置を第3パッド132cの中心線からずらさずに配置した場合を示す。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Bをボードに実装する際に、第1接続端子145の応力がそれほど集中しないと考えられる領域における第2及び第3ビア133b、133c及び第2〜第4パッド132b、132c、132dの配置形態として実施することができる。この場合、第2〜第4パッド132b、132c、132d等は、同一層に配置される第2〜第4配線134b、134c、134d等の設計面積を最大限確保することができるように小さく形成(直径:D'1)することができるため、設計自由度を向上させることができる。
【0109】
図47(b)は、第2及び第3ビア133b、133cの中心線の位置を第3パッド132cの中心線から互いに異なる方向にずらして配置した場合を示す。この場合、第2及び第3ビア133b、133cのそれぞれの中心線は、第3パッド132cの中心線を基準として、設計者により意図された第1オフセットO'1だけずらして配置されている。これは、第1接続部材130において、パッケージ100Bをボードに実装する際に、上述のように第1接続端子145の応力が相対的に集中する領域(A1及び/またはA2)における第2及び第3ビア133b、133c及び第2〜第4パッド132b、132c、132dの配置形態として実施することができる。この場合、第1オフセットO'1がより大きくなるように第2〜第4パッド132b、132c、132d等をずらして配置することで、さらに優れた応力緩和の効果を得るために、必要に応じて、他の領域の第2〜第4パッド132b、132c、132d等よりは大きく形成(直径:D'2)することができるが、必ずしもこのような構成態様に限定されるものではない。
【0110】
図47(c)は、設計段階において第2及び第3ビア133b、133cの中心線の位置が第3パッド132cの中心線からずれて配置ないように設計したが、製造工程上の限界により不可避的な製造誤差が生じ、第2及び第3ビア133b、133cの中心線の位置と第3パッド132cの中心線の位置が互いに異なる方向にずれて配置された場合を示す。すなわち、設計段階では
図47(a)の配置形態を意図したが、製造工程上の限界により製造誤差が生じ、第2及び第3ビア133b、133cの中心線の位置が第3パッド132cの中心線から互いに異なる方向に意図せずしてずれて配置されてしまった場合である。この場合、第2及び第3ビア133b、133cのそれぞれの中心線の位置は、第3パッド132cの中心線を基準として、設計者が意図しない第2オフセットO'2だけずれて配置されている。但し、第2〜第4パッド132b、132c、132d等は、同一層に配置される第2〜第4配線134b、134c、134d等の設計面積を最大限確保することができるように小さく形成(直径:D'3)することができ、第2オフセットO'2は意図せずに生じたものであるため、平均すると設計者が意図した第1オフセットO'1に比べて小さくなる。すなわち、場合によっては第1接続部材130において、一つずつ個別に比較した際には任意の何れかの第2オフセットO'2が第1オフセットO'1より大きくなる場合があり得るが、第2オフセットO'2の値を平均すると第1オフセットO'1の平均よりも小さくなる。したがって、設計者が意図した第1オフセットO'1に比べてボードレベルの信頼性の改善効果を充分に得ることができない。
【0111】
図47(d)は、意図的に千鳥状(Staggered)の配置を実現するために、第2及び第3ビア133b、133cのそれぞれを互いに異なる第3パッド132c1、132c2に配置した場合である。この場合、第2及び第3ビア133b、133cが千鳥状(Staggered)に配置されてはいるものの、第3パッド132c1、132c2をより多く形成しなければならないため製造工程が複雑となり、第3パッド132c1、132c2が占める面積(直径:D'4)が大きくなりすぎて、第3配線134cの設計面積が小さくなるという問題点がある。この問題点を解決しない限り、最近最も重要な技術的要求として求められている薄型化及び小型化の要求に応えることができない。
【0112】
図48は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0113】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、いわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、封止材110を貫通する貫通配線113をさらに含むことができる。尚、パッケージ100Bは、貫通配線113と接続される第2接続端子150をさらに含むことができる。それぞれの構成部材についての説明は上述した通りであるので省略する。
【0114】
図49は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0115】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよい。すなわち、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、第1接続部材130上に配置され、貫通孔を有する第2接続部材115をさらに含むことができる。この際、電子部品120は第2接続部材115の貫通孔に配置することができる。第2接続部材115の貫通孔の内面、第2接続部材115の上面、及び/または第2接続部材115の下面には、必要に応じて金属層116、117、118を配置することができる。それぞれの構成部材についての説明は上述した通りであるので省略する。
【0116】
図50は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0117】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよく、且ついわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、第2接続部材115を貫通する貫通配線113をさらに含むことができ、この際、第2接続部材115の上面及び下面には各種パターン112a、112bが配置され、貫通孔の内面には必要に応じて金属層116を配置することができる。尚、パッケージ100Bは、貫通配線113と接続される第3接続端子170をさらに含むことができる。それぞれの構成部材についての説明は上述した通りであるので省略する。
【0118】
図51は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0119】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ100Bは、いわゆるパネルレベルパッケージ(Panel Level Package:PLP)タイプであってもよく、且つ他の形態のいわゆるパッケージオンパッケージ(Package on Package:PoP)タイプであってもよい。すなわち、第2接続部材115の上面及び/または下面に、第2接続部材115の貫通孔と一体化された貫通孔を有する内部絶縁層111a、111bをさらに配置することができる。第1内部絶縁層111aには、封止材110に到達するまで第1内部絶縁層111aの中を貫通する第3開口部(符号不図示)が形成されており、これを介してパターン112aの一部を外部に露出させることができる。外部に露出されられたパターン112aは、パッケージ100B上に配置される他の形態の電子部品やファンアウト半導体パッケージをワイヤボンディングする際にパッドとしての役割を担うことができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0120】
図52は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0121】
図面を参照すると、第2接続部材115の下面に形成されたパターン112bは、その一面が露出するように第2接続部材115の内部に埋め込まれたものであってもよい。この場合、第2接続部材115の下面に形成されたパターン112bの厚さは無視することができるほど薄いため、ファインピッチ化が可能となる。その他の構成は上述の通りである。
【0122】
図53は他の一例によるファンアウト半導体パッケージの他の変形例を概略的に示す断面図である。
【0123】
図面を参照すると、第2接続部材115a、115bは多層構造として構成することができる。この際、第2接続部材115a、115bの内部にもパターン112cを配置することができる。第2接続部材115a、115bの内部に配置されたパターン112cはビア113a、113bを介して第2接続部材115a、115bの両側に形成されたパターン112a、112bと電気的に接続することができる。この場合、パッケージ100Bにおいて、第1接続部材130の層数を減少させることができる。また、第1接続部材130の設計自由度を高めることができる。なお、第1接続部材130の製造時に発生する製造工程不良を減少させることができるため、収率を向上させることができる。その他の構成は上述した構成態様と同様である。
【0124】
図54はファンアウト半導体パッケージをボードに実装した際に、接続端子にクラックが発生する場合を概略的に示す断面図である。
【0125】
図面を参照すると、ボード200'は、ファンアウト半導体パッケージが実装される実装パッド201'を有する。この際、ファンアウト半導体パッケージは、上述したファンアウト半導体パッケージと以下の点で類似している。すなわち、当該ファンアウト半導体パッケージは、封止材110'、電子部品120'、第1接続部材130'、パッシベーション層140'、接続端子145'等を含むことができる。ファンアウト半導体パッケージは、接続端子145'がボード200'の実装パッド201'に接続される形態でボード200'に実装される。この際、ファンアウト半導体パッケージの第1接続部材130'において、応力Fが集中するコーナー領域でも、ビア133a'、133b'がビアパッド132a'の中心線から全くずらされずに配置されている。そのため、該当領域の接続端子145'に発生する応力Fがそのまま接続端子145'に加えられ、クラックが発生しやすい構造となっていることが分かる。
【0126】
図55はファンアウト半導体パッケージが実装されたボードの接続端子にクラックが発生しない場合を概略的に示す断面図である。
【0127】
図面を参照すると、ボード200は、ファンアウト半導体パッケージが実装される実装パッド201を有する。ファンアウト半導体パッケージは上述のファンアウト半導体パッケージであってもよい。一側面から見ると、ファンアウト半導体パッケージの第1接続部材130において、応力Fが集中するコーナー領域で、ビア133aは、パッド132a、132bの中心線を基準として任意の方向に所定距離だけずらして配置されている。他の側面から見ると、ファンアウト半導体パッケージ100の第1接続部材130において、応力Fが集中するコーナー領域で、ビア133a、133bは、それらの間に配置されたパッド132bの中心線を基準として互いに異なる方向にずらして配置されている。このような配置形態では、バネ(Spring)作用により、接続端子145にかかる応力Fを緩和させることができるため、該当領域の接続端子145にクラックが発生しにくい構造となっていることが分かる。
【0128】
本発明において、説明の便宜上、下側は、図面の断面を基準としてファンアウト半導体パッケージの実装面に向う方向を意味するものとして用い、上側は、下側の反対方向を意味するものとして用いた。尚、下側または上側に位置するということは、対象構成要素が、基準となる構成要素と該当方向に直接接触する場合だけでなく、該当方向に位置するが、直接接触していない場合も含む概念として用いた。但し、これは説明の便宜のために方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向についての記載により特に限定されるものではないことはもちろんである。
【0129】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。