【解決手段】繊維機械管理システム1は、複数の繊維処理ユニット61、複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの機台制御装置63、及び複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械6と、複数の繊維機械を管理する管理装置3と、を備え、管理装置は、情報を表示する表示部81を有する携帯端末8と互いに通信するためのLANインタフェース31Aと、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を携帯端末に提供する機能提供部32Aと、を有し、管理装置又は携帯端末は、機能提供部から提供される機能に対応する画面を表示部に表示させる表示制御部85Aを有している。
複数の繊維処理ユニット、前記複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び前記複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、
前記複数の繊維機械を管理する管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
情報を表示する表示部を有する携帯端末と互いに通信するための通信部と、
前記繊維処理ユニット及び/又は前記共通装置を管理するための複数の機能を前記携帯端末に提供する機能提供部と、
を有し、
前記管理装置又は前記携帯端末は、前記機能提供部から提供される前記機能に対応する画面を前記表示部に表示させる表示制御部を有している、繊維機械管理システム。
複数の繊維処理ユニット、前記複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び前記複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、
前記複数の繊維機械を管理する管理装置と、
前記管理装置と互いに通信が可能であり、情報を表示する表示部を有する携帯端末と、
を備え、
前記管理装置は、
前記携帯端末と互いに通信するための通信部と、
前記繊維処理ユニット及び/又は前記共通装置を管理するための複数の機能を前記携帯端末に提供する機能提供部と、
を有し、
前記管理装置又は前記携帯端末は、前記機能提供部から提供される前記機能に対応する画面を前記表示部に表示させる表示制御部を有している、繊維機械管理システム。
前記表示制御部は、前記複数の機能に対応するそれぞれの画面の前記表示部への呼出を可能にする機能選択画面の表示が可能である、請求項1又は2記載の繊維機械管理システム。
前記機能提供部は、前記第一状態取得部により取得された状態だけでは分析できないと判定した場合には、前記第二状態取得部を接続して前記異なる状態を取得するように促す画面を前記携帯端末の前記表示部に表示させる、請求項5記載の繊維機械管理システム。
前記機能提供部は、前記繊維処理ユニット及び/又は前記共通装置の定期的な検査スケジュールを管理すると共に、前記検査スケジュールを前記携帯端末との間で通信可能な機能を有し、
前記携帯端末は、前記機能提供部から送信される前記検査スケジュールに従った前記検査の実施の有無を受け付ける実施情報受付部を有し、
前記機能提供部は、前記実施情報受付部によって受け付けられる前記実施の有無に基づいて、前記検査スケジュールを更新する、請求項1〜7の何れか一項記載の繊維機械管理システム。
複数の繊維処理ユニット、前記複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び前記複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、前記繊維処理ユニット及び/又は前記共通装置を管理するための複数の機能を提供する機能提供部を有する管理装置と、を備える繊維機械管理システムにおいて、前記管理装置と互いに通信可能な携帯端末であって、
前記機能提供部から提供される前記機能に対応する画面を、情報を表示する表示部に表示させる表示制御部を備えている、携帯端末。
複数の繊維処理ユニット、前記複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び前記複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械を管理する繊維機械管理システムに用いられる管理装置であって、
情報を表示する表示部を有する携帯端末と互いに通信するための通信部と、
前記繊維処理ユニット及び/又は前記複数の繊維処理ユニットに共通して設けられる共通装置を管理するための複数の機能を前記携帯端末に提供する機能提供部と、
前記機能提供部から提供される前記機能に対応する画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えている、管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
繊維機械の管理業務をより効果的に支援するためには、繊維機械が設置された現場においてオペレータ(作業者)が所持容易な携帯端末と連携し、相互に情報をやり取りすることが好ましい。
【0008】
そこで、本発明は、繊維機械の管理業務をより効果的に支援することができる繊維機械管理システム、管理装置及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の繊維機械管理システムは、複数の繊維処理ユニット、複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、複数の繊維機械を管理する管理装置と、を備え、管理装置は、情報を表示する表示部を有する携帯端末と互いに通信するための通信部と、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を携帯端末に提供する機能提供部と、を有し、管理装置又は携帯端末は、機能提供部から提供される機能に対応する画面を表示部に表示させる表示制御部を有している。
【0010】
本発明の繊維機械管理システムは、複数の繊維処理ユニット、複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、複数の繊維機械を管理する管理装置と、管理装置と互いに通信が可能であり、情報を表示する表示部を有する携帯端末と、を備え、管理装置は、携帯端末と互いに通信するための通信部と、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を携帯端末に提供する機能提供部と、を有し、管理装置又は携帯端末は、機能提供部から提供される機能に対応する画面を表示部に表示させる表示制御部を有している。
【0011】
本発明の携帯端末は、複数の繊維処理ユニット、複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械と、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を提供する機能提供部を有する管理装置と、を備える繊維機械管理システムにおいて、管理装置と互いに通信可能な携帯端末であって、機能提供部から提供される機能に対応する画面を、情報を表示する表示部に表示させる表示制御部を備えている。
【0012】
本発明の管理装置は、複数の繊維処理ユニット、複数の繊維処理ユニットを集中して制御する一つの制御装置、及び複数の繊維処理ユニットの全て又は一部に共通して設けられる一又は複数の共通装置、をそれぞれ有する複数の繊維機械を管理する繊維機械管理システムに用いられる管理装置であって、情報を表示する表示部を有する携帯端末と互いに通信するための通信部と、繊維処理ユニット及び/又は複数の繊維処理ユニットに共通して設けられる共通装置を管理するための複数の機能を携帯端末に提供する機能提供部と、機能提供部から提供される機能に対応する画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備えている。
【0013】
これらの発明では、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能が、繊維機械が設置された現場においてオペレータが所持容易な携帯端末に提供される。また、携帯端末では、表示部に表示される画面を介して操作されることにより、携帯端末と管理装置との間で相互に情報がやり取りされる。この結果、繊維機械の管理業務をより効果的に支援することができる。
【0014】
本発明の繊維機械管理システムは、表示制御部は、複数の機能に対応するそれぞれの画面の表示部への呼出を可能にする機能選択画面の表示が可能であってもよい。
【0015】
この構成の繊維機械管理システムでは、携帯端末において、繊維処理ユニット及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を容易に使用することができる。
【0016】
本発明の繊維機械管理システムでは、繊維機械は、繊維処理ユニット及び/又は共通装置の状態を取得する第一状態取得部を有し、機能提供部は、第一状態取得部によって取得される状態に基づいて繊維処理ユニット及び/又は共通装置の状態を分析する機能を有していてもよい。
【0017】
この構成の繊維機械管理システムでは、自動的かつ効率的に、繊維処理ユニット及び/又は共通装置の状態を取得することができる。
【0018】
本発明の繊維機械管理システムでは、携帯端末は、第一状態取得部により取得された状態とは異なる状態を取得する第二状態取得部を接続可能に構成されており、機能提供部は、第一状態取得部及び第二状態取得部によって取得される状態に基づいて繊維処理ユニット及び/又は共通装置の状態を分析してもよい。
【0019】
この構成の繊維機械管理システムでは、第一状態取得部によって取得される状態だけでは分析できない不具合が特定できるようになる。
【0020】
本発明の繊維機械管理システムでは、機能提供部は、第一状態取得部により取得された状態だけでは分析できないと判定した場合には、第二状態取得部を接続して異なる状態を取得するように促す画面を携帯端末の表示部に表示させてもよい。
【0021】
この構成の繊維機械管理システムでは、作業者に対し、携帯端末を介して表示される画面によって指示されるので、第一状態取得部によって取得される状態だけでは分析できない不具合がある場合であっても、当該不具合が特定されやすくなる。
【0022】
本発明の繊維機械管理システムでは、機能提供部は、不具合があると分析された繊維処理ユニット及び/又は共通装置の情報を、保全情報として通信部を介して携帯端末に送信し、携帯端末は、保全情報に対して不具合の対処の有無を受け付ける対処情報受付部を有し、機能提供部は、対処情報受付部によって受け付けられる対処の有無に基づいて、保全情報を更新してもよい。
【0023】
この構成の繊維機械管理システムでは、繊維機械が設置された現場においてオペレータが所持容易な携帯端末に保全情報を送信することが可能になる。また、この構成の繊維機械管理システムでは、携帯端末を介して対処情報を入力することができる。これらにより、収集することが困難な対処情報を容易に集約することができると共に、機能提供部は、当該対処情報に基づいて分析することが可能になる。この結果、繊維機械の管理業務をより効果的に支援することができる。
【0024】
本発明の繊維機械管理システムでは、機能提供部は、繊維処理ユニット及び/又は共通装置の定期的な検査スケジュールを管理すると共に、検査スケジュールを携帯端末との間で通信可能な機能を有し、携帯端末は、機能提供部から送信される検査スケジュールに従った検査の実施の有無を受け付ける実施情報受付部を有し、機能提供部は、実施情報受付部によって受け付けられる実施の有無に基づいて、検査スケジュールを更新してもよい。
【0025】
この構成の繊維機械管理システムでは、繊維機械が設置された現場においてオペレータが所持容易な携帯端末にスケジュール情報を送信することが可能になる。また、この構成の繊維機械管理システムでは、携帯端末を介して検査の実施の有無を入力することができる。この結果、繊維機械の管理業務をより効果的に支援することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、繊維機械の管理業務をより効果的に支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0029】
一実施形態に係る繊維機械管理システム1について説明する。繊維機械管理システム1は、複数の繊維機械6を統合的に管理するシステムである。
図1及び
図2に示されるように、繊維機械管理システム1は、複数の繊維機械6と、管理装置3と、携帯端末8と、を備えている。
【0030】
まず、本実施形態の繊維機械管理システム1による管理の対象となっている繊維機械6について説明する。繊維機械6の例には、自動ワインダが含まれる。自動ワインダは、紡績機で紡績された糸が巻かれた給糸ボビンから糸を解舒して巻取ボビンに巻き取り、所定の長さの糸が巻かれたパッケージを形成する機械である。繊維機械6は、機台制御装置(制御装置)63と、並べて配置された複数の繊維処理ユニット61と、第一状態取得部62と、を備えている。なお、また、繊維機械6の例には、空気式紡績機、粗紡機、精紡機、織機、編み機、紡糸巻取機、及び延伸仮撚機等が含まれる。
【0031】
繊維処理ユニット61は、例えば繊維機械6が自動ワインダの場合、給糸ボビンから解舒された糸を綾振り(トラバース)しながら巻取ボビンに巻き取ってパッケージを製造する装置である。
【0032】
第一状態取得部62は、繊維処理ユニット61、共通装置及び機台フレームの少なくとも一つに設けられる。第一状態取得部62は、繊維処理ユニット61の状態及び/又は複数の繊維処理ユニット61に共通して設けられる玉揚台車又は糸継台車のような共通装置の状態、及び繊維機械6に共通する状態(設置箇所の温度、湿度等)の少なくとも一つを取得する。第一状態取得部62の例は、例えば、繊維処理ユニット61に設けられる、糸の太さを検出するための図略のセンサが配置されたヘッド(図示せず)と、このセンサからの糸太さ信号を処理するアナライザ(図示せず)と、を有している糸監視装置である。糸監視装置は、上記センサからの糸太さ信号を監視することにより、スラブ等の糸欠陥を検出する。また、第一状態取得部62の更なる例は、巻取部等で発生する振動を検出するための振動センサ、糸継部で発生する音を検出するための音センサ、又は工場内の温度及び湿度を検出するための温度センサ及び湿度センサ等である。
【0033】
それぞれの繊維処理ユニット61は、ユニット制御部61Aを有している。ユニット制御部61A、図略のCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read OnlyMemory)と、RAM(Random Access Memory)と、入出力ポートと、を有している。ROMには、繊維処理ユニット61の各構成を制御するためのプログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された巻取プログラムをRAMに読み出して実行することにより、繊維処理ユニット61の各構成を制御する処理が可能となっている。各ユニット制御部61Aが備える入出力ポートは、機台制御装置63に接続され、情報の送受信が可能に構成されている。これにより、繊維機械6が備えている複数の繊維処理ユニット61を、機台制御装置63によって集中して管理することができる。
【0034】
機台制御装置63は、一方向に配列された複数の繊維処理ユニット61の一方の端部に配置されたエンドフレーム6Aの内部に配置されている。機台制御装置63は、マイクロコンピュータとして構成されており、表示機能及び入力機能を有するタッチパネルディスプレイ66と、LAN(Local Area Network)インタフェース64Aと、を有している。それぞれの機台制御装置63のLANインタフェース64Aは、工場に構築されたネットワークであるLAN2に接続されている。また、繊維機械6は、後述する携帯端末8との通信を可能にするアンテナ64Bを備えている。なお、機台制御装置63は、タッチパネルディスプレイ66の代わりに、入力機能のないディスプレイと入力機能を有する入力キー65とを備える構成としてもよい。
【0035】
機台制御装置63は、CPUと、RAMと、ROMと、入出力ポートと、を有している。ROMには、繊維処理ユニット61を制御するための制御プログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、繊維処理ユニット61の各構成及び/又は共通装置を制御することができる。
【0036】
機台制御装置63の入出力ポートは、各繊維処理ユニット61に備えられるユニット制御部61Aの入出力ポートと、適宜の通信線を介して接続されている。この構成により、機台制御装置63は、それぞれの繊維処理ユニット61のユニット制御部61Aから、当該繊維処理ユニット61における現在の状態を入手可能に構成されている。自動ワインダの「状態」としては、例えば、現在のパッケージ径、現在の巻取速度、糸切れの発生状況、及び糸欠陥の検知状況などの糸巻取状況情報が含まれる。紡績機の場合の「状態」としては、例えば、生産効率などの操業データ、欠点数などの紡績糸の品質データなどが含まれる。
【0037】
次に、管理装置3について説明する。管理装置3は、複数の繊維機械6を統括して管理する。管理装置3は、主に、保全活動や生産効率を管理する管理者によって操作される。管理装置3は、工場に構築されたLAN2によって、複数の繊維機械6がそれぞれ備える機台制御装置63に接続されている。これにより、機台制御装置63と管理装置3との間で各種の情報をやり取りすることができる。なお、本実施形態では、管理装置3は、複数の繊維機械6が配置されている工場内に設置されている。
【0038】
管理装置3は、管理装置3に接続される汎用パーソナルコンピュータ5(以下、「パソコン5」と称する。)を介して操作される。パソコン5は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、ディスプレイ51と、キーボード52と、マウス53と、LANインタフェース54と、を備えている。LANインタフェース54は、LAN2を介して後述するLANインタフェース31Bに接続されている。なお、管理装置3に接続されるのはパソコン5だけでなく、例えば、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン等であってもよい。
【0039】
管理装置3は、制御ユニットとして構成されており、CPU、RAM、ROM及び補助記憶装置(例えば、mSATA規格のSSD(Solid State Drive)など)からなる管理制御部32と、LANインタフェース(通信部)31Aと、LANインタフェース31Bと、を備え、これらは筐体に格納されている。ROMには、複数の繊維機械6の機台制御装置63を統括して管理するための管理プログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、繊維処理ユニット61及び後段に詳述する携帯端末8を制御することができる。LANインタフェース31Aは、LAN2を介して機台制御装置63に接続され、LANインタフェース31Bは、LAN2を介してパソコン5に接続されている。本実施形態では、LANインタフェース31Aが接続されるネットワーク(LAN2)と、LANインタフェース31Bが接続されるネットワーク(LAN2)とは、互いに異なっている。なお、管理装置3を操作するPC等は、管理装置3と機台制御装置63との間を接続するLAN2と同じネットワークに接続されてもよい。
【0040】
管理制御部32は、上記のハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、機能提供部32Aを機能させることができる。機能提供部32Aは、後段にて詳述する携帯端末8に、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を提供する。
【0041】
機能提供部32Aは、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の定期的な検査スケジュールを管理すると共に、携帯端末8に対し、検査スケジュールを送信する機能(以下、単に「スケジュール機能」と称する。)を有する。具体的には、機能提供部32Aは、繊維処理ユニット61及び/又は供給装置ごとに検査日を設定(計画)すると共に、当該検査日に実際に検査が実施されたか否かを管理する。機能提供部32Aから検査スケジュールが送信された携帯端末8では、当該検査スケジュールの詳細な情報が閲覧可能になると共に、検査の実施の有無が入力可能である。機能提供部32Aは、携帯端末8から入力される実施の有無に基づいて、検査スケジュールを更新する。
【0042】
また、機能提供部32Aは、第一状態取得部62及び/又は後段にて詳述する第二状態取得部91によって取得される状態に基づいて繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の状態を分析して、例えば、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置における不具合を特定する機能(以下、単に「分析機能」と称する。)を有している。
【0043】
機能提供部32Aは、第一状態取得部62によって取得される状態に基づいて所定の解析作業(計算)を行い、その特定結果を携帯端末8に提供する。繊維機械6が自動ワインダの場合、繊維処理ユニット61の巻取効率や、クリアラによる欠陥の発生頻度等に関して、例えば標準偏差を用いて高度に解析し、その特定結果を携帯端末8に提供することができる。繊維機械6が紡績機の場合、機能提供部32Aは、例えば、各ユニットの操業データ、品質データ及び各種アラームの発生頻度などを解析し、その特定結果を携帯端末8に提供することができる。
【0044】
機能提供部32Aは、第一状態取得部62により取得された状態だけでは特定できない事象があると判定した場合には、携帯端末8に第二状態取得部91を接続して異なる状態を取得するように促す画面を携帯端末8の表示部81に表示させる。この時、機能提供部32Aは、どのような装置をどのような位置に取り付けるか等、表示部81に表示させることができる。そして、機能提供部32Aは、第一状態取得部62及び/又は第二状態取得部91によって取得される状態に基づいて所定の解析作業(計算等)を行い、その特定結果を携帯端末8に提供する。
【0045】
また、機能提供部32Aは、上記分析機能により不具合があると特定された繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の情報を、保全情報として携帯端末8に送信する機能(以下、単に「保全機能」と称する)を有する。保全情報とは、上記解析により特定された繊維処理ユニット61及び/又は共通装置に対する不具合の詳細と、当該不具合に対する対処の有無を管理する情報をいう。機能提供部32Aから保全情報が送信された携帯端末8では、当該不具合の詳細な情報が閲覧可能になると共に、当該不具合に対する対処の有無が入力可能となる。機能提供部32Aは、携帯端末8から入力される対処の有無に基づいて、保全情報を更新する。
【0046】
より詳細には、携帯端末8は、機能提供部32Aから送信されてきた保全情報に対して、修繕等の対応を行った、又は特定の繊維処理ユニット61に不具合があることを確認したものの対策を施していない(放置)等の情報の入力を受け付ける機能を提供する対処情報受付部85Bを有している。機能提供部32Aは、対処情報受付部85Bにおいて上記のような情報を受け付けることにより、不具合が新規に発生した箇所(以下、「初発箇所」と称する。)、不具合が再発した箇所(以下、「再発箇所」と称する。)、及び処置が施されなかった箇所を判定する。更に、機能提供部32Aは、処置が施されなかった箇所でも、意図的に処置が施されなかった箇所(以下、「放置箇所」と称する。)であるか、保全情報が閲覧されなかったことにより、処置が施されなかった箇所(以下、「未対応箇所」と称する。)であるかが判定される。
【0047】
次に、携帯端末8について説明する。携帯端末8は、主に、実際に保全活動を実施する作業者等によって操作される。携帯端末8は、繊維機械6と互いに通信が可能であり、情報を表示する表示部81を有している。本実施形態の携帯端末8は、表示部81に表示される画面を操作可能な操作部82と、CPU、RAM、ROM及び補助記憶装置(例えば、mSATA規格のSSDなど)からなる制御部85と、を備えている。ROMには、管理装置3から提供される機能を携帯端末8上で実行させるための実行プログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された実行プログラムをRAMに読み出して実行することにより、携帯端末8を制御することができる。LANインタフェース83は、繊維機械6におけるアンテナ64Bに通信可能となっている。
【0048】
なお、
図1では、一の機台制御装置63に対し、一の携帯端末8が接続されているような図を挙げて説明したが、これに限定されることなく、一の機台制御装置63に対し、複数の携帯端末8が接続されてもよい。
【0049】
携帯端末8は、第一状態取得部62により取得される繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の状態とは異なる状態を取得する第二状態取得部91を接続可能に構成されている。第二状態取得部91の例は、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の所定部分の動画を撮像するカメラ91A、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置が発する音を取得するマイク91B、又は、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置が発する状態(例えば、振動又は温度等)を取得する複合センサ91C等である。携帯端末8は、第二状態取得部91によって取得される情報を管理装置3の機能提供部32Aに提供することができる。
【0050】
なお、管理装置3の機能提供部32Aが提供する分析機能において、機能提供部32Aが第一状態取得部62により取得された状態だけでは、不具合を特定できない場合がある。この場合、携帯端末8の表示部81には、第二状態取得部91を接続して、第一状態取得部62により取得される状態とは異なる状態を取得するように促す画面が、機能提供部32Aによって表示される。
【0051】
制御部85は、上記のハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、表示制御部85Aを機能させることができる。表示制御部85Aは、機能提供部32Aから提供される機能に対応する画面を携帯端末8の表示部81に表示させる。
図3に示されるように、表示制御部85Aは、上述した複数の機能に対応するそれぞれの画面の表示部81への呼出を可能にする機能選択画面SC1の表示が可能である。
【0052】
機能提供部32Aから提供される機能の例は、上記に説明した、分析機能、保全機能及びスケジュール機能の他に、例えば、繊維機械6の稼働状況を示す稼働状況表示機能、トラブル時の解決方法を提供するトラブルシューティング機能、機台制御装置63のタッチパネルディスプレイ66、繊維処理ユニット61ごとに設けられている図示しない報知部(例えば、7セグメントディスプレイ、ランプ、又はディスプレイ等)又は複数の繊維処理ユニット61に共通して設けられる共通装置(例えば、玉揚台車又は糸継台車)の報知部(図示せず)に表示されるアラームコードに対する説明を提供するアラームコード説明機能、繊維機械6における各部のマニュアル情報(取扱説明書)を提供するマニュアル機能、又は、繊維機械6に用いられる部品の発注を行える部品発注機能がある。部品発注機能は、部品情報(パーツカタログ)の提供、部品の見積、部品の発注が携帯端末8から行えるようにする機能である。稼働状況表示機能では、特定期間(選択可能)の数値的な稼働率だけでなく、例えば、折れ線グラフ等、グラフィカルな表示も可能である。
【0053】
機能提供部32Aから提供される機能に対応する画面の例は、
図3に示されるような機能選択画面SC1の他に、
図4に示されるようなスケジュール画面SC2、
図8に示されるような保全情報画面SC3等がある。
【0054】
スケジュール画面SC2について説明する。スケジュール画面SC2は、複数の階層から構成されている。
図4に示されるように、スケジュール機能のトップ画面であるスケジュール画面SC2は、カレンダー表記に合わせて数字が表示されている。例えば、2015年3月5日の欄には、「6」という数字が表示されている。この数字は、2015年3月5日に定期検査をすべき事項の数を示している。スケジュール画面SC2において、日付の欄をクリック(タップ)すると、当該日付に定期検査すべき詳細の項目の数が表示される。例えば、スケジュール画面SC2において、2015年3月5日の欄をクリック(タップ)すると、2015年3月5日に定期検査すべき詳細の項目の数が表示される。すなわち、スケジュール画面SC2の下の階層には、繊維処理ユニット61ごとに定期検査すべき事項の数が表示されるスケジュール画面SC21が用意されている。例えば、
図5に示されるような、繊維機械6(MC1,MC2,MC5)ごとに定期検査すべき事項の数が表示されたスケジュール画面SC21が表示される。
図5中のMC1,MC2及びMC5は、繊維機械6の機台番号である。MC5は、第5番の繊維機械6を意味する。
【0055】
また、スケジュール画面SC21において、スケジュール画面SC21において、一の繊維機械6の欄をクリック(タップ)すると、当該繊維機械6において定期検査すべき詳細の項目の内容が表示される。例えば、
図5に示されるスケジュール画面SC21において、繊維機械6(例えば、MC1)の欄をクリック(タップ)すると、
図6に示されるようなMC1である繊維機械6において定期検査すべき詳細の項目が表示される。すなわち、スケジュール画面SC21の下の階層には、繊維機械6ごとに定期検査すべき事項の詳細の項目の内容が表示されるスケジュール画面SC22が用意されている。
【0056】
スケジュール画面SC22において、定期検査すべき詳細の項目の一をクリック(タップ)すると、定期検査の実施方法の詳細が表示される。例えば、スケジュール画面SC22において、LubricateBRG(ベアリングへの注油)の欄をクリック(タップ)すると、
図7に示されるスケジュール画面SC23のように、LubricateBRGの実施方法の詳細が表示される。すなわち、スケジュール画面SC22の下の階層には、定期検査の項目ごとにその実施方法の詳細が表示されるスケジュール画面SC23が用意されている。
【0057】
また、
図6に示されるスケジュール画面SC22,SC23では、定期検査すべき事項の詳細の項目の内容に対応するようにチェックボックスが表示されている。作業者が、操作部82を介してチェックボックスにチェックを入力すると、その情報は管理装置3に送信される。具体的には、実施情報受付部85Cが、チェックボックスに入力された情報を受け付け、管理装置3に送信する。
【0058】
管理装置3における機能提供部32Aは、実施情報受付部85Cによって受け付けられたチェックボックスへの入力の有無(実施の有無)に基づいて、検査スケジュールを更新する。具体的には、機能提供部32Aは、チェックボックスへの入力が行われた場合には、次回の定期的な検査日(例えば、3カ月後)を再設定し、チェックボックスへの入力が行われなかった場合には、例えば、次の日が検査日として設定される。すなわち、チェックボックスへの入力が行われなかった繊維機械6は、チェックボックスへの入力が行われるまで当日の検査対象の繊維機械6として表示される。
【0059】
次に、保全情報画面SC3について説明する。保全情報画面SC3は、複数の階層から構成されている。
図8に示されるように、保全機能のトップ画面である保全情報画面SC3は、繊維機械6ごとに保全情報の概要が表示される。具体的には、保全情報画面SC3では、繊維機械6ごとの不具合がどのような種類の不具合(初発箇所、再発箇所、放置箇所、又は未対応箇所)であるかが示される。なお、初発箇所、再発箇所、放置箇所、及び未対応箇所の定義は、上段にて説明したとおりである。
【0060】
図8に示される保全情報画面SC3では、繊維機械6ごとに、初発箇所、再発箇所、放置箇所及び未対応箇所の数が表示される。
図8において、例えば、管理番号が001の繊維機械6は、初発箇所が2箇所、再発箇所が2箇所、放置箇所が10箇所、及び未対応箇所が1箇所あることを示している。
図8において管理番号が001の繊維機械6の欄に示されている丸印は、左側から順番にそれぞれ区別がつくように凡例表示されており、それぞれ初発箇所、再発箇所、放置箇所及び未対応箇所であることを示している。なお、初発箇所、再発箇所、放置箇所及び未対応箇所の区別は、上述の方法だけでなく、例えば、左側から順番に青、緑、赤、及び灰色等で表示される方法であってもよいし、○、△、□、×等の記号による方法であってもよい。
【0061】
保全情報画面SC3において、一の繊維機械6の欄をクリック(タップ)すると、各繊維機械6における保全情報の詳細が示される。例えば、
図8における管理番号が001の繊維機械6の欄をクリックすると、
図9に示されるような、管理番号が001の繊維機械6における詳細な保全情報が示された保全情報画面SC31が表示される。すなわち、保全情報画面SC3の下の階層には、繊維機械6ごとにその不具合の詳細(例えば、High MUP(パッケージからの糸端口出しのミス率が高い)、High MIS(スプライスミス率が高い、High RTI(ボビンあたりの糸切れが多い)といった不具合)が表示される保全情報画面SC31が用意されている。
【0062】
保全情報画面SC31は、不具合のある繊維処理ユニット61の番号(SP No.)と、当該不具合の内容が表示される。保全情報画面SC31には、詳細な不具合の項目に対応するようにチェックボックスが表示されている。作業者が、操作部82を介してチェックボックスをクリック(タップ)すると、
図10に示されるような保全情報画面SC32が表示される。保全情報画面SC32は、詳細な不具合の項目に対して対処した(Done)か、不具合があることは確認したが対処していない(放置)(Not yet)か、を入力することを可能にする。このような対処情報は、管理装置3に送信される。具体的には、対処情報受付部85Bが、チェックボックスに入力された対処情報を受け付け、管理装置3に送信する。
【0063】
なお、
図9に示される保全情報画面SC31では、不具合の種類ごとに不具合情報がまとめて表示されているが、例えば、
図11に示される保全情報画面SC33のように、不具合の種類ごとにまとめて(ソート)表示することも可能である。
【0064】
以上に説明したように、本実施形態の繊維機械管理システム1では、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置を管理するための複数の機能が、繊維機械6が設置された現場においてオペレータが所持容易な携帯端末8に提供される。また、携帯端末8では、表示部81に表示される画面を介して操作されることにより、携帯端末8と管理装置3との間で相互に情報がやり取りされる。この結果、繊維機械6の管理業務をより効果的に支援することができる。
【0065】
上記実施形態では、表示制御部85Aが、管理装置3が提供する複数の機能に対応するそれぞれの画面の表示部81への呼出を可能にする機能選択画面SC1を表示部81に表示する。これにより、携帯端末8において、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置を管理するための複数の機能を容易に使用することができる。
【0066】
上記実施形態では、機能提供部32Aが、第一状態取得部62によって取得される状態に基づいて繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の状態を分析して特定する機能を有しているので、自動的かつ効率的に、繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の状態を取得することができる。
【0067】
上記実施形態では、携帯端末8は、糸監視装置等の第一状態取得部62により取得された状態とは異なる状態を取得する、カメラ91A、マイク91B、又は、複合センサ91Cのような第二状態取得部91を接続可能に構成されており、機能提供部32Aは、第一状態取得部62及び/又は第二状態取得部91によって取得される状態に基づいて繊維処理ユニット61及び/又は共通装置の状態を特定する。これにより、第一状態取得部62によって取得される状態だけでは特定できない不具合が特定できるようになる。
【0068】
上記実施形態では、機能提供部32Aは、第一状態取得部62により取得された状態だけでは不具合を特定できないと判定した場合には、第二状態取得部91を接続して、第一状態取得部62が取得する状態とは異なる状態を取得するように促す画面を携帯端末8の表示部81に表示させる。これにより、作業者に対し、携帯端末8を介して表示される画面によって適切に指示されるので、第一状態取得部62によって取得される状態だけでは特定できない不具合がある場合であっても、当該不具合が特定されるようになる。
【0069】
上記実施形態では、機能提供部32Aによって不具合があると特定された繊維処理ユニット61及び/又は共通装置に関する情報を保全情報として携帯端末8に送信することができる。また、保全情報が送信された携帯端末8では、不具合に対する対処情報を入力することができるので、収集することが困難な対処情報を容易に集約することができる。これにより、機能提供部32Aは、当該対処情報に基づいて不具合の種類を特定することが可能になる。この結果、繊維機械6の管理業務をより効果的に支援することができる。
【0070】
上記実施形態では、繊維機械6が設置された現場においてオペレータが所持容易な携帯端末8に繊維機械6の定期検査のスケジュール情報を提供することが可能になる。また、スケジュール情報を閲覧することができる携帯端末8では、検査の実施の有無を入力することができので、繊維機械6の管理業務をより効果的に支援することができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0072】
上記実施形態の繊維機械管理システム1では、機能提供部32Aから提供される機能に対応する画面を携帯端末8の表示部81に表示させる表示制御部85Aが、携帯端末8に備えられている例を挙げて説明したが、管理装置3に備えられていてもよい。
【0073】
上記実施形態又は変形例の繊維機械管理システム1では、分析機能、保全機能、スケジュール機能、稼働状況表示機能、トラブルシューティング機能、アラームコード説明機能、マニュアル機能、及び、部品発注機能を全て備える例を挙げて説明したが、これら以外の機能を含めて、任意の機能の提供が可能である繊維機械管理システムであってもよい。
【0074】
繊維機械6の機台制御装置63と管理装置3とは、LAN2に限定されず、他の方式のネットワークを介して接続することができる。また、当該ネットワークは、有線のネットワークに限定されず、無線のネットワークであってもよい。また、管理装置3と携帯端末8とは、機台制御装置63に設定されたアンテナ64Bを介して通信される例を挙げて説明したが、例えば、工場内に設置されるアンテナを介して通信されてもよい。
【0075】
管理装置3が管理する繊維機械6の数は任意であって、1台であってもよいし、2台以上であってもよい。
【0076】
管理装置3は、制御ユニットとして構成されているが、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータとして構成してもよい。また、これに限定されず、例えば持ち運びが容易なタブレット型のコンピュータとして構成されてもよい。この場合、キーボードの代わりにタッチパネルを用いてメッセージを入力するように構成することができる。
【0077】
上記実施形態又は変形例において、管理装置3は、機台制御装置63とは別に設けられた制御ユニット又はコンピュータとして構成されている。しかしながらこれに限らず、複数の繊維機械6の機台制御装置63のうち1台の機台制御装置63が管理装置の機能を発揮するように変更することもできる。
【0078】
上記実施形態又は変形例では、ユニット制御部61Aは各繊維処理ユニット61につき1つずつ設けられている。しかしながらこれに代えて、複数(例えば4台)の繊維処理ユニット61につき1つのユニット制御部61Aを設けて、1つのユニット制御部61Aが複数の繊維処理ユニット61を制御するように構成してもよい。
【0079】
上記実施形態又は変形例では、主に繊維機械6(繊維処理ユニット61)の近辺において携帯端末8が用いられる例を挙げて説明したが、携帯端末8は、このような使用に限定されない。携帯端末8は、各繊維機械6(繊維処理ユニット61)の目前でも、工場からは離れた場所でも、インターネット等を介して管理装置3と通信し、繊維機械6の運転状態(メンテナンス、品質、生産等に関する情報)を確認等することができる。
【0080】
上記実施形態又は変形例では、管理装置3は、LAN2を介して繊維機械6と通信可能に構成されている例を挙げて説明したが、インターネットを介して工場外の遠隔地に配置されてもよい。また、管理装置3は、インターネットを介して繊維機械管理システム1に接続される分析装置等に接続される構成であってもよい。
【0081】
上記実施形態又は変形例の繊維機械管理システム1の構成に加えて、管理装置3は、例えば、インターネット又は専用回線等の通信ネットワークを介して分析装置(サーバー又はクラウド等)に接続されてもよい。これにより、例えば、管理装置3では分析ができないような高度な分析が可能になる。分析装置へのデータの送信は、例えば、作業員又は管理者が携帯端末8、機台制御装置63及び管理装置3の操作部の何れかを操作し実行させてもよい。また、分析装置は、遠隔地にある繊維機械メーカーの拠点に配置され、拠点に設置された分析装置(サーバー又はクラウド等)にて分析を行うことが好ましい。この場合、拠点に居るメーカーサービス員が、送信されたデータに基づいて現場の状況をモニタリングしたり、作業員のメンテナンスをサポートしたりすることもできるようになる。また、このような構成においては、分析装置が積極的(主体的)にデータを収集し、分析を行ってもよい。
【0082】
管理装置3に対し、例えば、インターネット又は専用回線等の通信ネットワークを介して接続された分析装置(サーバー又はクラウド等)、又は繊維機械6とインターネットを介して工場外の遠隔地に配置されたサーバは、異常自動診断機能、リモートアシスト機能及びメンテナンスガイド機能の少なくとも一つの機能を有していてもよい。
【0083】
異常自動診断機能は、機台制御装置63のデータ、管理装置3のデータに加え、第一状態取得部62により取得されたデータに基づいて自動で診断を行う機能である。異常自動診断機能は、更に第二状態取得部91により取得されたデータを用いて診断を行ってもよい。
【0084】
リモートアシスト機能は、繊維機械6を管理する者(所有する者)をリモートでアシストすることができる機能である。リモートでアシストする者は、異常自動診断機能によって得られた自動診断結果を利用して判断を行うことができる。繊維機械6を管理する者は、目の前の景色にオーバーラップしてデータを表示することができるヘッドマウントディスプレイ又はタブレット等を用いることができる。リモートアシスト機能は、ヘッドマウントディスプレイ又はタブレット等に、機台の稼働状況データ、リモートでアシストする者の指示内容、自動診断結果をオーバーラップさせて表示することができる。
【0085】
メンテナンスガイド機能は、繊維機械6を管理する者(所有する者)のメンテナンスをガイドすることができる機能である。繊維機械6を管理する者は、目の前の景色にオーバーラップしてデータを表示することができるヘッドマウントディスプレイ又はタブレット等を用いることができる。メンテナンスガイド機能は、ヘッドマウントディスプレイ又はタブレット等に、マニュアル又は自動診断結果を表示することができる。なお、メンテナンスガイド機能は、マニュアル等のページめくりなど、インタラクティブ操作が可能である。