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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-93427(P2017-93427A)
(43)【公開日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】有害生物情報報知システム
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/20 20060101AFI20170428BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20170428BHJP
   G08B 5/36 20060101ALI20170428BHJP
【FI】
   A01M23/20
   G08B5/00 A
   G08B5/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-221558(P2016-221558)
(22)【出願日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-223244(P2015-223244)
(32)【優先日】2015年11月13日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】300086366
【氏名又は名称】株式会社クレアーレ
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】山本 康裕
【テーマコード(参考)】
2B121
5C083
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121AA03
2B121AA17
2B121BA16
2B121BA36
2B121CC06
2B121CC12
2B121DA11
2B121DA20
2B121DA63
2B121DA70
2B121EA01
2B121FA14
5C083AA02
5C083CC08
5C083CC30
5C083DD04
5C083EE05
5C083EE10
5C083EE18
5C083FF03
5C083GG07
5C083GG11
5C083GG14
5C083HH01
5C083HH14
5C083JJ30
5C083JJ39
(57)【要約】
【課題】有害生物が捕獲装置に捕獲されているかどうか又は管理区域へ侵入しているかどうかを簡単に確認可能な有害生物情報報知システムを提供する。
【解決手段】本技術では、有害生物を捕獲する捕獲手段と、前記有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段と、捕獲検知情報を送信する送信手段と、を備える捕獲装置と、前記捕獲検知手段からの捕獲検知情報を受信して報知する報知手段と、を少なくとも備える有害生物情報報知システムを提供する。前記捕獲装置は、有害生物が接近、通過、生息などしている状況を感知する感知手段を備える。「有害生物」とは、天井裏や屋根裏などの人目に触れ難い場所を主な生息場所とする生物であって、鼠、ゴキブリ、イタチなどを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害生物を捕獲する捕獲手段と、前記有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段と、捕獲検知情報を送信する送信手段と、を備える捕獲装置と、
前記捕獲検知手段からの捕獲検知情報を受信して報知する報知手段と、を少なくとも備える有害生物情報報知システム。
【請求項2】
前記捕獲装置は、有害生物が接近、通過、生息などしている状況を感知する感知手段を備える請求項1に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項3】
前記捕獲装置は、天井裏に設置されている請求項1又は2に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項4】
前記報知手段は、発光装置である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項5】
前記発光装置は、天井部に下方から視認可能に設置されている、請求項4に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項6】
前記報知手段は、前記捕獲装置からインターネットを介して送信されてきた前記捕獲検知情報を受信し、該捕獲検知情報を表示するコンピュータ端末又は携帯情報端末である、請求項1に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項7】
前記捕獲検知情報と、該捕獲検知情報を送信してきた前記捕獲装置の装置識別情報と、該装置識別情報と対応付けされた装置設置箇所情報に基づいて、前記有害生物が捕獲された前記捕獲装置を特定する、請求項6に記載の有害生物情報報知システム。
【請求項8】
有害生物が接近、通過、生息、又は管理区域内に侵入などしている状況を感知する感知手段と、
前記感知手段からの感知情報を受信して報知する報知手段と、を少なくとも備える有害生物情報報知システム。
【請求項9】
前記感知手段は、前記有害生物によって光が遮られる遮光式センサ、前記有害生物の体温を感知する熱センサ、又は前記有害生物の動きによる振動などを感知する振動センサ、のいずれかである請求項8に記載の有害生物情報報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有害生物情報通知装置及び有害生物情報管理システムに関する。より詳しくは、特に人目に触れ難い場所、例えば、天井裏や屋根裏等に生息する有害生物の捕獲検知情報又は管理区域への侵入情報を報知する有害生物情報報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鼠のような有害生物の捕獲作業では、捕獲装置の設置箇所まで観察しに行き、有害生物が捕獲されているかどうか確認する作業が一般的に行われている。近年では、商業地域に鼠などの有害生物が発生し、ビルの屋根裏や天井裏に生息することが増えており、屋根裏や天井裏等の人目に触れ難い場所に捕獲装置を設置することが行われている。
【0003】
屋根裏や天井裏等、捕獲装置を直接視認し難い箇所に捕獲装置が設置される場合、捕獲装置に頻繁に近づいて、有害生物が捕獲されているかどうかを確認することは困難である。特に、捕獲装置が多数配置されているような場合、尚更、確認作業は困難であり手間が掛かる。より具体的には、数十個あるいは数百個の捕獲装置を一つ一つ観察し、有害生物が捕獲されている捕獲装置については、捕獲装置から有害生物を取り除いて捕獲前の元の状態に設置し直すことが行われている。
【0004】
従来の捕獲技術では、例えば、鼠の捕獲方法として、鼠の存在する空間内に揮散成分を拡散させ又は発煙装置により煙を発煙させ、鼠の行動を撹乱させることにより、鼠の警戒心を欠落させて鼠を捕獲する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−23921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した鼠の捕獲方法では、捕獲装置が多数配置されているような場合、捕獲装置に鼠が捕獲されているかどうかを一つ一つ確認しなければならないので、非常に手間が掛かる。
【0007】
また、管理区域内の配電盤や変圧装置などの電気設備に鼠等の有害生物が侵入し、電極や配線部に触接触する等によって電極や配線部がショートしてしまい、電気設備等が作動しなくなるおそれがある。
【0008】
そこで、本開示はかかる問題点を解決するもので、その目的は、有害生物が捕獲装置に捕獲されているかどうか又は管理区域へ侵入しているかどうかを簡単に確認可能な有害生物情報報知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は、前記の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明を完成させるに至った。
即ち、本開示では、有害生物を捕獲する捕獲手段と、前記有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段と、捕獲検知情報を送信する送信手段と、を備える捕獲装置と、前記捕獲検知手段からの捕獲検知情報を受信して報知する報知手段と、を少なくとも備える有害生物情報報知システムを提供する。
【0010】
また、本開示では、有害生物が接近、通過、生息、又は管理区域内に侵入などしている状況を感知する感知手段と、前記感知手段からの感知情報を受信して報知する報知手段と、を少なくとも備える有害生物情報報知システムを提供する。
【0011】
「有害生物」とは、天井裏や屋根裏などの人目に触れ難い場所を主な生息場所とする生物であって、鼠、ゴキブリ、イタチなどの昆虫や小型動物の他にも、ハクビシン、アライグマなどの動物などを含む。ハクビシン、アライグマなどは体格がタヌキ程度であり小型動物ではないが、近年住宅地域等にも増加し、駆除業者が若干大きめの捕獲装置(小型動物と同様の形式でサイズだけ大きい物)を設置して捕獲の対象とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、報知手段は、有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段からの捕獲検知情報、又は有害生物が管理区域内に侵入したことを感知する感知手段からの感知情報、を受信して報知する。そのため、捕獲業者などは、わざわざ、捕獲装置の設置箇所又は有害生物の侵入箇所まで行って捕獲装置等を確認する必要がない。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1実施形態に係る有害生物情報報知システム1を模式的に示す模式概念図である。
図2】本開示の第2実施形態に係る有害生物情報報知システム10を模式的に示す模式概念図である。
図3】本開示の第3実施形態に係る有害生物情報報知システム50を模式的に示す模式概念図である。
図4】表示手段30−1〜30−3の表示状態を示した説明図である。
図5】本開示の第4実施形態に係る有害生物情報報知システム100を模式的に示す模式概念図である。
図6】報知手段3に表示される画面の一例を示した説明図である。
図7】本開示の第5実施形態に係る有害生物情報報知システム110を模式的に示す模式概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本開示の範囲が狭く解釈されることはない。また、本発明は、下記の各実施形態の全てまたは一部を互いに組み合わせることもできる。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態(有害生物情報報知システム1)
2.第2実施形態(有害生物情報報知システム10)
3.第3実施形態(有害生物情報報知システム50)
4.第4実施形態(有害生物情報報知システム100)
5.第5実施形態(有害生物情報報知システム110)
【0015】
<1.第1実施形態(有害生物情報報知システム1)>
図1は、本開示の第1実施形態に係る有害生物情報報知システム1を模式的に示す模式概念図である。有害生物情報報知システム1は、例えば、テナントのスタッフなどが日常的に見ることのない天井裏において鼠、ゴキブリ、イタチなどの有害生物が捕獲されたことを室内のスタッフに知らせるものであって、大別して、捕獲装置2と、報知手段3とを備える。以下、詳細に説明する。
【0016】
[捕獲装置2]
捕獲装置2は、捕獲手段20と、捕獲検知手段21と、送信手段22と、を備える。捕獲装置2は、天井部6に設けた扉付き点検口5などを介して店舗や事務所の天井裏(天井部6、壁材7、及び上階の床材8によって仕切られた空間)に設置される。捕獲装置2の電源は、乾電池を用いるが、ダウンライトなどの照明器具(図示せず)等から電源を確保することも可能である。
【0017】
(捕獲手段20)
捕獲手段20は、有害生物を捕獲する。捕獲手段20は、鼠などの有害生物が捕獲手段20に侵入した際に入口のシャッター(図示せず)が落下して自動的に閉まる構造になっている。
【0018】
(捕獲検知手段21)
捕獲検知手段21は、前記有害生物が捕獲されたことを検知する。捕獲検知手段21は、当該捕獲装置2の内側に備えた餌箱内の餌の減少量に基づき、前記有害生物が捕獲されたことを検知する。なお、当該餌には殺鼠剤を混入することも可能である。
【0019】
なお、上記第1実施形態では、捕獲検知手段21は、捕獲装置2の内側に備えた餌箱内の餌の減少量に基づき、有害生物が捕獲されたことを検知する例について述べた。検知の方法はこれに限定されない。例えば、捕獲装置2の内部に、鼠の重量に応じて作動する機構を設け、捕獲検知手段21が、重量による信号を検知してもよい。重量による検知は、例えば、h t t p : / / w w w . o j i d e n . c o . j p / t a p e i n f o r m a t i o n . h t m l に開示されているような、電気的な短絡を検出するマットセンサ技術を採用することができる。
【0020】
さらに別の検知方法では、捕獲検知手段21は、捕獲装置2入口のシャッターが閉まった際の信号を検知することによって、捕獲装置2に有害生物が捕獲されたことを検知してもよい。
【0021】
さらに別の検知方法では、捕獲検知手段21として、鼠などの有害生物に赤外線を照射しその放射熱を検出する方式のセンサを用いることができる。この方式のセンサは、鼠などが赤外線に当たると、鼠などの熱を発している物体から出る反射光を認識し検知信号を出力する。
【0022】
さらに別の検知方法では、捕獲検知手段21として、鼠などの有害生物の進入路を挟んで対向配置された赤外線発光ダイオードと赤外線センサを用いる方式のセンサがある。この方式のセンサでは、捕獲装置2の中に鼠などを誘引する餌を設けておき、鼠などが餌に接近すると、赤外線センサ側の赤外線が遮断され鼠などが侵入したことが検知される。
【0023】
(送信手段22)
送信手段22は、捕獲検知手段21からの捕獲検知情報を報知手段3に送信する。当該送信手段22は配線などを介して捕獲検知手段21からの捕獲検知情報を受け取り、受け取った捕獲検知情報を電気信号で報知手段3に送信する。
【0024】
[報知手段3]
報知手段3は、捕獲検知手段21からの捕獲検知情報を受信して報知する。報知手段3は、LED(Light Emitting Diode)球等の発光装置であり、LED球の発光又は点滅によって前記捕獲検知情報を報知可能である。LED球は、天井部6に下方から視認可能に設置されている。LED球は、天井部6に設けられた開口部6aを介して天井部6の裏面6bから表面6sに露出する部分を有する。図1では、天井部6にLED球が通過可能な開口部6aを開け、室内に露出する方法で開口部6aにLED球が設置される。
【0025】
以上、上記第1実施形態では、LED球の発光又は点滅によって、捕獲検知手段21からの検知情報が報知されるので、テナントのスタッフなどは鼠などが捕獲手段20に捕獲されたことを簡単に確認可能である。
【0026】
また、テナントのスタッフなどから連絡を受けた駆除業者は、捕獲手段20に捕獲されている鼠などを捕獲手段20から迅速に回収することが可能になる。
【0027】
従来、捕獲装置の設置後は定期的な点検が行われ、鼠が捕獲されていたら捕獲装置から回収するという仕組みしかとることができなかったが、鼠は捕獲され死に至った場合、温度や湿度などの環境にもよるが、3日間前後で死骸臭が発生し始める。また、そのまま放置すれば、ウジが湧き、ダニは体温の低下と共に離れて活動域を広げてしまう。特に夏などは死体が腐敗しやすく不衛生になりがちであった。
【0028】
しかしながら、本開示の第1実施形態に係る有害生物情報報知システム1の導入により、テナントのスタッフなどはLED球の発光又は点滅によって早期に鼠などが捕獲されたことを発見できる。そのため、駆除業者は、鼠の死体が強烈な悪臭を発生する前に、捕獲されている鼠などを回収し駆除できる。したがって、テナント等の利用者への悪臭被害が事実上発生しなくなり、テナント等の利用者に対してサービスを向上できる。
【0029】
<2.第2実施形態(有害生物情報報知システム10)>
図2は、本開示の第2実施形態に係る有害生物情報報知システム10を模式的に示す模式概念図である。
【0030】
第2実施形態に係る有害生物情報報知システム10は、大別して、捕獲装置2と、報知手段3とを備える。なお、図2においては、前述した第1の実施形態の有害生物情報報知システム1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0031】
[捕獲装置2]
捕獲装置2は、天井裏に設置され、捕獲手段20と、捕獲検知手段21と、送信手段22と、感知手段23と、を備える。
【0032】
(感知手段23)
感知手段23は、有害生物が接近、通過、生息などしている状況を感知する。例えば、感知手段23は、有害生物が施工管理区域内に侵入したことを感知可能である。
【0033】
感知手段23としては、有害生物によって光が遮られる遮光式センサ、有害生物の体温を感知する熱センサや、有害生物の動きによる振動などを感知する振動センサ(出入口や廊下などの狭窄部の床面に設置など)など、周知のセンサの中から適当なものを選んで用いることができる。要は、誤作動し難くて動物の侵入を感度良く検知できるセンサであればよい。また、このセンサは、少なくとも1組あればよいが、複数組設けても差し支えない。
【0034】
[報知手段3]
報知手段3は、捕獲検知手段21からの捕獲検知情報と、感知手段23からの感知情報を受信して報知する。
【0035】
以上、上記第2実施形態では、報知手段3は、有害生物が施工管理区域内に侵入したことを感知する感知手段23からの感知情報と、有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段21からの捕獲検知情報と、を受信して報知する。
【0036】
上述したように、報知手段3は、有害生物が生息し、または通過し、または捕獲されたことを感知する感知手段23からの感知情報を受信して報知する。そのため、捕獲業者などは、わざわざ、捕獲装置2の設置箇所まで行って捕獲装置2を確認する必要がない。
【0037】
<3.第3実施形態(有害生物情報報知システム50)>
図3は、本開示の第3実施形態に係る有害生物情報報知システム50を模式的に示す模式概念図である。第3実施形態に係る捕獲装置の設置空間は、第1実施形態に係る捕獲手段20の設置空間よりも広範囲に及び、所定数N台(本実施形態では、簡単のため「3台」であると仮定する。)の捕獲手段20−1〜20−3が設置されている。また、3台の捕獲検知手段21−1〜21−3が、それぞれ、捕獲手段20−1〜20−3に対応して個別に設けられている。
【0038】
第3実施形態に係る有害生物情報報知システム50は、大別して、捕獲装置2と、報知手段3とを備える。なお、図3においては、前述した第1の実施形態の有害生物情報報知システム1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0039】
[捕獲装置2]
捕獲装置2は、天井裏に設置され、捕獲手段20−1〜20−3と、捕獲検知手段21−1〜21−3と、送信手段22と、を備える。
【0040】
(送信手段22)
送信手段22は、捕獲検知手段21−1〜21−3からの捕獲検知情報を報知手段3に送信する。送信手段22は、アンテナ(図示せず)や、有線接続用のコネクタ(図示せず)を備えた無線通信機器を用いて構成可能である。
【0041】
なお、天井部6が分厚いコンクリートで構成され、上記アンテナからの電波が届き難い場合には、無線通信を行わずに電力線通信機器のような通信手段を単独若しくは無線通信機器と併用することも可能である。
【0042】
無線通信の方式は、管理対象が住居であれば住居内で無線通信ができれば良いので、コストを重視して微弱電波を用いることが好適である。総務省における微弱無線局の規定では、無線設備から3メートルの距離での電界強度が、所定のレベルより低いものであれば、無線局の免許を受ける必要はなく、また、無線設備から500メートルの距離での電界強度が、200μV/m以下のもので、周波数などが総務省告示で定められているものは、無線局の免許を受ける必要はないので手軽に用いることができる。
【0043】
[報知手段3]
報知手段3は、捕獲検知手段21−1〜21−3からの検知情報を受信して報知する。
【0044】
報知手段3は、アンテナ(図示せず)や無線I/F(Interface)回路(図示せず)などの無線通信機器や、液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)などの表示手段30−1〜30−3を有している。
【0045】
表示手段30−1〜30−3は、それぞれ、捕獲手段20−1〜20−3に対応して個別に設けられている。表示手段30−1〜30−3は、前記無線通信機器を用いて受信された捕獲検知情報を表示する。
【0046】
図4は、表示手段30−1〜30−3の表示状態を示した説明図である。図4に示すように、表示手段30−3が点滅又は点灯した場合、当該点滅又は点灯を確認したスタッフは、「捕獲手段20−3で鼠が捕獲されたので回収を頼む」などの依頼を駆除業者に連絡することが可能になる。この連絡を受けた駆除業者は、捕獲手段20−3のみをピンポイントで点検すれば良いので、捕獲された鼠を迅速に回収することが可能になる。
【0047】
以上、第3実施形態に係る有害生物情報報知システム50では、天井裏に各捕獲手段20−1〜20−3を設置し、当該送信手段22に各捕獲手段20−1〜20−3からの情報を配線などで集め、その集まった情報を送信手段22から微弱電渡を通じて室内の報知手段3に送信し、報知手段3の表示手段30−1〜30−3は送信手段22から送信されてくる捕獲検知情報を表示する。
【0048】
また、上記第3実施形態では、送信手段22と報知手段3との間の通信が無線方式で実現されるので、有線方式で実現する場合と比べて、捕獲手段20−1〜20−3の数に応じた電線を這いまわす手間を省略できる。
【0049】
また、上記第3実施形態では、表示手段30−1〜30−3は、それぞれ、捕獲手段20−1〜20−3に対応して個別に設けられるので、各表示手段30−1〜30−3のうち、点滅又は点灯中の表示手段に対応するする捕獲手段20のみを点検すれば良い。そのため、鼠が入った捕獲手段20をピンポイントで回収でき、回収作業の迅速化を図ることができる。
【0050】
<4.第4実施形態(有害生物情報報知システム100)>
図5は、本開示の第4実施形態に係る有害生物情報報知システム100を模式的に示す模式概念図である。第4実施形態に係る有害生物情報報知システム100は、大別して、捕獲装置2と、報知手段3とを備える。なお、図5においては、前述した第1の実施形態の有害生物情報報知システム1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略することがある。
【0051】
[捕獲装置2]
捕獲装置2は、天井裏に設置され、捕獲手段20と、捕獲検知手段21と、送信手段22と、を備える。
【0052】
[報知手段3]
報知手段3は、前記捕獲装置2からインターネットを介して送信されてきた捕獲検知情報を受信し、該捕獲検知情報を表示するコンピュータ端末又は携帯情報端末である。携帯情報端末には、スマートフォンを含む携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータなどが含まれる。
【0053】
報知手段3は、前記捕獲検知情報と、該捕獲検知情報を送信してきた前記捕獲装置2の装置識別情報と、該装置識別情報と対応付けされた装置設置箇所情報に基づいて、前記有害生物が捕獲された前記捕獲装置2を特定する。装置設置箇所情報には、前記捕獲装置2が設置されている建屋及びフロアが含まれる。装置設置箇所情報には、例えば、捕獲装置2のタイプ、設置日、餌の種類、餌の喫食状況、捕獲時刻、及び捕獲結果などの情報が含まれてもよい。
【0054】
また例えば、装置設置箇所情報には、現場ごとに用意する脚立やハシゴの寸法、養生シートの有無、その他必要な持参するべき道具類などのリストが含まれていてもよい。持参すべき道具類としては、当該物件のカギ類や、警備員室や防災センターという立入のための手続きをする部署への案内図等がある。
【0055】
また例えば、複数の現場及び捕獲場所を限られた作業員が無駄なく行動するため、装置設置箇所情報に、店舗の閉店時間が含まれていてもよい。
【0056】
図6は、報知手段3に表示される画面の一例を示した説明図である。この画面は、6つの管理項目から構成される。項目「センサID」には、捕獲装置2の装置識別情報(ID)が表示される。項目「建屋名」には、捕獲装置2が設置されている管理対象建屋の名称が表示される。項目「フロア」には、捕獲装置2が設置されているフロアが表示される。項目「設置箇所」には、捕獲装置2の設置箇所が表示される。
【0057】
項目「状態」には、捕獲装置2における捕獲の結果が表示される。図中の「正常」は、鼠などが捕獲されていない状態を示し、「捕獲中」は、鼠などが捕獲されている状態を示す。項目「捕獲時刻」には、鼠などが捕獲された時刻が表示される。
【0058】
駆除業者は、画面を通じて、特定の管理対象建屋の管理状態を閲覧することができ、管理状態一覧のうち、鼠などの有害生物が捕獲された捕獲装置2が設置されている管理対象建屋、フロア、設置箇所をピンポイントで把握できる。
【0059】
以上、第4実施形態に係る有害生物情報報知システム100では、送信手段22により捕獲検知情報が送信されたときには、鼠を捕獲中の管理対象建屋、フロア、設置箇所が報知手段3の画面上に明示されることにより、駆除業者は画面を通じて、鼠が捕獲された捕獲装置2をすぐに特定することが可能になる。
【0060】
また、上記第4実施形態では、インターネットを介してPCなどの端末や、携帯情報端末等のモバイル端末に有害生物の捕獲検知情報(捕獲装置が設置されている建屋及びフロアなどの情報を含む。)が集約・管理される。
【0061】
なお、上記第1実施形態では、捕獲装置2を、天井裏に設置する例について述べたが、本発明はこれに限定されない。捕獲装置2を屋根裏、床下、壁内などの人目に触れ難い場所に設置しても良い。
【0062】
なお、上記第1実施形態では、報知手段3は、LED球の発光又は点滅によって捕獲検知情報を報知する例について述べたが、本発明はこれに限定されない。報知手段3は、スピーカなどの音声出力装置を有し、当該装置からの音声によって捕獲検知情報を報知してもよい。例えば、報知手段3は、『ピピピ・・・』という連続音や、『ピーッピーッピーッ』というビープ音や、『ピッピッピッ』というステップ音が発生することによって捕獲検知情報を報知してもよい。
【0063】
なお、上記第1実施形態では、捕獲手段20は、鼠などの有害生物が捕獲手段20に侵入した際に入口のシャッター(図示せず)が落下して自動的に閉まる構造を有する例について述べた。ゴキブリを捕獲する場合には、その捕獲手段として、ゴキブリ捕獲容器の4方向に侵入路を設け、各侵入路に赤外線発光ダイオードと赤外線センサとを設けたものを使用できる。ゴキブリ捕獲容器の中にゴキブリを誘引するための餌を入れておき、ゴキブリが容器内に侵入すると、赤外線センサ側の赤外線は遮断されゴキブリが侵入したことを検出できる。また、餌の付近に粘着材を塗布しておくことにより、ゴキブリの捕獲が可能になる。ゴキブリの捕獲検知情報は報知手段3に伝達される。
【0064】
なお、上記第3実施形態では、3台の捕獲検知手段21−1〜21−3が、それぞれ、捕獲手段20−1〜20−3に対応して個別に設けられる例について述べたが、本発明はこれに限定されない。捕獲手段20−1〜20−3に共通する1台の捕獲検知手段21が、捕獲手段20−1〜20−3に対して設けられても良い。
【0065】
なお、上記第3実施形態では、報知手段3が、捕獲検知情報を表示する表示手段30−1〜30−3を有する例について述べたが、本発明はこれに限定されない。例えば、バイブレーション機能を備えた携帯情報端末で報知手段3を構成し、報知手段3の振動によって捕獲検知情報を報知してもよい。
【0066】
<5.第5実施形態(有害生物情報報知システム110)>
図7は、本開示の第5実施形態に係る有害生物情報報知システム110を模式的に示す模式概念図である。有害生物情報報知システム110は、第2の実施形態の有害生物情報報知システム10と同様の構成であり、大別して、捕獲装置2と、報知手段3とを備える。なお、図7においては、前述した第2の実施形態の有害生物情報報知システム10の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
有害生物情報報知システム110は、例えば、施工管理区域内の建物70の入口71から鼠等の有害生物が侵入してきたことを報知するシステムである。入口71の左右両側縁部の下方には、一例として、有害生物の体温を感知する熱センサ72が設置されている。また、建物70内部の床には、一例として、入口71付近に有害生物の動きによる振動などを感知する振動センサ73が設置されている。熱センサ72及び振動センサ73は、捕獲装置2の感知手段23に有線方式又は無線方式で接続されている。
【0068】
[捕獲装置2]
本実施形態の捕獲装置2は、捕獲手段20と、捕獲検知手段21と、送信手段22と、感知手段23と、を備え、天井裏に設置されてもよい。また、本実施形態の捕獲装置2は、有害生物の侵入を感知する目的のみに使用してもよく、この場合は、入口71から離れた建物70内の管理室や建物70以外の場所に設置することができる。
【0069】
(感知手段23)
感知手段23は、有害生物が接近、通過、生息などしている状況を感知する。例えば、感知手段23は、有害生物が施工管理区域内に侵入したことを感知可能である。
【0070】
具体的には、熱センサ72を用いる場合は、例えば図7のように入口71の両側に設置した熱センサ72の一方から発光した赤外線74及び75を他方で受光し、その赤外線74及び75の下方に粘着シート(図示せず)を一定間隔で設置しておく。これにより、1台の熱センサ72で、複数個所の粘着シートを同時に監視し、感知手段23に通報することができる。粘着シートの上を鼠が通過しようとして捕獲されると、鼠は粘着シートから脱出しようとしてもがき、鼠の体温が上昇することにより、その熱を熱センサ72で感知することができる。
【0071】
また、振動センサ73を用いる場合は、例えばトタン板のようなものの上に複数枚の粘着シート(図示せず)を設置し、振動センサ73を磁石でセットすれば、いずれかの粘着シートに振動が発生したことを振動センサ73で感知して、感知手段23に通報することができる。
【0072】
なお、感知手段23としては、有害生物によって光が遮られる遮光式センサ、有害生物の体温を感知する熱センサや、有害生物の動きによる振動などを感知する振動センサ(出入口や廊下などの狭窄部の床面に設置など)など、周知のセンサの中から適当なものを選んで用いることができる。要は、誤作動し難くて動物の侵入を感度良く検知できるセンサであればよい。また、このセンサは、少なくとも1組あればよいが、複数組設けても差し支えない。
【0073】
[報知手段3]
報知手段3は、有害生物を捕獲する場合、捕獲検知手段21からの捕獲検知情報と、感知手段23からの感知情報を受信して報知する。また、報知手段3は、有害生物の侵入のみを感知する場合、感知手段23からの感知情報を受信して報知する。
【0074】
以上、本実施形態では、報知手段3は、有害生物が施工管理区域内に侵入したことを感知する感知手段23からの感知情報と、有害生物が捕獲されたことを検知する捕獲検知手段21からの捕獲検知情報と、を受信して報知する。
【0075】
上述したように、報知手段3は、有害生物が生息し、侵入し、または通過し、または捕獲されたことを感知する感知手段23からの感知情報を受信して報知する。そのため、捕獲業者や管理区域の管理者などは、有害生物の侵入経路を知ることができ、さらに、捕獲装置2の設置箇所まで行って捕獲装置2を確認する必要がない。
【0076】
また、一般の住宅において、屋根や物干し台の下がトタン板で作られている場合、ハクビシンやアライグマなどの小動物からネズミなどの有害生物が、屋根の上を深夜に徘徊すると、家人は天井裏にネズミ等が生息していると思い込むことが考えられる。このような場合、トタン屋根の上と天井裏の両方に感知手段23又は感知手段23を備える捕獲装置2を設置してもよい。これにより、住宅内の天井裏にネズミ等が侵入していないことを検知することができる。
【符号の説明】
【0077】
1、10、50、100、110 有害生物情報報知システム
2 捕獲装置
3 報知手段
5 点検口
6 天井部
6a 開口部
6s 表面
6b 裏面
7 壁材
8 床材
20、20−1〜20−3 捕獲手段
21、21−1〜21−3 捕獲検知手段
22 送信手段
23 感知手段
30、30−1〜30−3 表示手段
70 建物
71 入口
72 熱センサ
73 振動センサ
74、75 赤外線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7