【実施例】
【0080】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために挙げられる。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において、良好に機能すると本発明者らによって見出された技術を表し、従って、その実施のための好ましい形態を構成するとみなし得ることが当業者に理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示を考慮して、開示される特定の実施形態において多くの変更がなされ、そして本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果がなおも得られ得ることを理解すべきである。
【0081】
実施例1キメラサイトカイン受容体を用いて腫瘍微小環境の影響を逆転する方法
膵臓がんは、先進国では依然としてがん死亡の4番目に最も多い原因である。臨床症状は遅れて発現し、疾患は早期に転移し、発生率と死亡率は、>50年の間、ほぼ同じに推移している(Sweeneyetal.,2009;Wongetal.,2009)。疾病生物学の理解に基づく改善された治療戦略が、したがって必要とされている。悪性細胞によって発現される腫瘍関連抗原(TAA)は、免疫原性であり、したがって、免疫破壊の潜在的な標的となることができる(Tassietal,2008;Hanetal.,2009;Rongetal.,2009;Lietal.,2008;Plate,2007)。インビトロで拡大培養されたTAA特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の養子移入は、ホジキンリンパ腫および悪性黒色腫を含む腫瘍を効果的に治療することができる(Bollardetal.,2007;Morganetal.,2006)。膵臓がん発現TAAを標的とするCTLの注入は、治療の可能性を秘めているが、これらの腫瘍は、免疫回避の複数のメカニズムを使用しており、それらは、抗原発現のダウンレギュレーション、ならびに可溶性の免疫調節サイトカイン類の放出および細胞傷害性Th1型免疫応答よりもむしろTh2の発育を助長する他の物質の放出を含む(Leenetal.,2007;Selceanetal.,2009;Formentinietal.,2009;Kornmannetal.,1999;Prokopchuketal.,2005;Serugaetal.,2008)。
【0082】
これらの障壁を克服し、膵臓がんに対して効果的な免疫療法戦略を開発するために、本発明の実施形態は、悪性細胞上に発現する抗原を標的とするCTL株を生成し、これらのCTLを操作して、Th1シグナルを伝達するIL2RγとIL7Rαの細胞内ドメインに連結したIL13受容体α(IL13Rα1)とIL4Rαのサイトカイン結合性細胞外ドメインを含むキメラ分子を発現することに関する(Formentinietal.,2009;Prokopchuketal.,2005)。本発明の特定の実施形態では、これらの操作は、CTLをTh2分極腫瘍微小環境に耐性とし、その代わりに、TAAを標的とするCTLへのTh1シグナル伝達を維持する(Veraetal.,2009)。膵臓がん患者などのがん患者からの生検および血清サンプルを検査することによって開始し、TAA発現のパターンならびに産生Th2サイトカインのレベルおよびパターンを記録することができる。患者PBMCからの発現抗原に対して向けられたCTLを拡大培養できるかどうかを、そしてTh2誘導腫瘍微小環境においてでさえ、Th1活性に分極化したままであるようにそれらを改変することの影響を判断できる。本発明の実施形態では、膵臓がん関連抗原に対する反応性T細胞は、患者PBMCから生成することができ、腫瘍のTh2サイトカイン環境でのTh1機能を保持するように改変することができる。そのような実施形態は、3つの代表的なアプローチによって特徴づけることができる:1)TAA発現のパターンを記録し、主生検サンプルのサイトカインプロファイルを評価する;2)複数の膵臓がん関連標的抗原に特異的な腫瘍反応性CTLを生成し、それらのインビトロにおける特異性および機能性を評価する;および3)Th2サイトカイン類でのシグナル伝達の阻害効果からCTLをキメラサイトカイン受容体の強制発現により保護する。
【0083】
背景と意義
膵臓がん。膵臓がんは、世界中で年間推定21万3千人の死亡を引き起こす(Wong et al.,2009)。外科的切除が、依然として唯一の根治治療であるが、5年生存率は15〜20%であり、この選択肢は、局所的に進行した、または転移した疾患と診断された大多数には利用できない(Sweeneyetal.,2009;Tanisetal.,2009)。従来の化学療法と放射線療法は、ほとんど実質的な利益をもたらさないで、新規な治療法の必要性を強調している。
【0084】
ウィルス関連悪性腫瘍のための養子免疫療法。本発明者らは、日常的に養子移入のためのウィルス特異的CTLを生成し(Leenetal.,2006;Leen et al.,2009)、>100人の幹細胞レシピエントにおける研究は、ドナー由来EBV−CTLがEBV推進リンパ腫から患者を安全に保護し、大きいと確定した疾患でさえ治療することができることを示した(Heslop et al.,2009;Heslopetal.1996;Rooney et al.,1995)。このアプローチは、免疫応答性個体でのEBV陽性腫瘍の治療における成功を示している(Bolard et al.,2007;Louis et al.,2009;Straathof et al.,2005;Bollard et al.,2004)。最近の段階I試験では、高リスクのEBV陽性HLやNHLの寛解期で治療された10人のうち9人の患者は、寛解を維持したが、一方、活発な再発性疾患を有する6人の患者のうち5人は、腫瘍応答を有し、それは4人において完全であった(Bollard et al.,2007)。これらの研究は、機能性EBV−特異的T細胞が、注入後(インビボでの拡大を意味する)に、患者の血液中で頻繁に増加し、腫瘍組織に戻り、そして、腫瘍細胞を排除したことを証明した。
【0085】
ウィルス非依存性悪性腫瘍のための養子免疫療法。ウィルス非依存性がんの治療のための養子移入CTLを開発する努力は、(i)TAAの発現に関する限られた情報、(ii)循環する反応性T細胞が、しばしばアネルギー化または寛容化されることを考えると、発現抗原に向けられたCTL株を生成する再現可能な方法の欠如、および(iii)養子移入T細胞のインビボでの活性を制限する腫瘍に使用される免疫回避戦略によって妨げられてきた。これらは、発現標的抗原のダウンレギュレーションおよび腫瘍に調節免疫細胞を補充し、有効でないTh2表現型への細胞傷害性Th1T細胞を直接に阻害および/または再分極させるように働く抑制性サイトカインの分泌を含む(Selcean et al.,2009;Formentini et al.,2009;Prokopchuk et al.,2005)。本発明者らは、TAA−CTLを生成するために、最適化された抗原提示細胞(APC)を用い、サイトカイン類を強化して、アネルギー化/寛容化されたT細胞を再活性化するための戦略を開発してきた(Kaka et al.,2009;Foster et al.,2007;Kaka et al.,2008)。
【0086】
以下に、本発明者らは、膵臓がんにより発現された標的を同定し、インビトロで生成したTAA−CTLの、腫瘍微小環境に存在するサイトカイン類に対する応答を調節する戦略を提供する;これらの戦略は、養子免疫療法を用いた膵臓がんを標的とするために開発されている。
【0087】
TAA発現パターンの決定。膵臓がん生検試料で発現されるTAAについて限られた報告がある。したがって、例えば、免疫組織化学(IHC)およびRT−PCRを使用して、膵臓がんにおけるTAA発現を総合的に実証することができる。
【0088】
インビトロでのTAA特異的CTLの生成。本発明者らは、APCとして全抗原(pepmixまたはTAAをコードするプラスミド)を発現するDCおよび最適なサイトカインカクテル(表1)での共培養を使用して、患者PBMCからTAA−CTLを生成するためのプロトコルを開発した。この戦略が膵臓がん関連抗原を標的とするTAA−CTLの生成に適用することができるかどうかを判断することもできる。
【0089】
腫瘍免疫回避戦略の克服。効果的な免疫療法のためには、腫瘍免疫回避戦略は、特徴を明らかにして、回避しなければならない。IL13とIL4の両方は、膵臓がんの腫瘍を除去するための重要なTh1エフェクターT細胞の抑制および再分極に大きく貢献をしている(Formentini et al.2009;Prokopchuk et al.,2005)。これらの抑制性サイトカインと結合し、それらの細胞内結果をTh1シグナルに変換することによって、CTLの有効性を改善させるキメラサイトカイン受容体で作動可能なTAA−CTLを特徴づけることができる。
【0090】
典型的な結果
がん生検サンプルでのTAAの検出。最初にアプローチをモデル化するために、リンパ節のパラフィン包埋4μm切片が、ホジキン病患者またはTCHの病理学科、メソジスト病院、および小児腫瘍学グループからの濾胞B細胞リンパ腫から得られた。切片は、脱パラフィンし、再水和された。トリトン−X−100およびDigestALL1(Zymed社)を抗原回復のために使用した。切片を、MAGE−A4、PRAME、およびサバイビンのための一次抗体で染色した。抗原発現が、(i)ウサギまたはマウス一次抗体のためのPowervision+のキット(Immunovision社)または(ii)他の一次抗体のためのABCキット(VectorLabs社)でうまく検出された。全抗体は、陽性および陰性の対照スライドならびに非がん性組織の組織アレイを使用して確認された。
【0091】
Pepmixでパルスされた、またはプラスミドでヌクレオフェクションされたAPCを使用して、複数のTAAに対する同時特異性を有するTAA−CTLの生成。本発明者らは、APCとして典型的なリンパ腫関連抗原SSX2、サバイビン、およびMAGEA4にまたがるPepMixのMasterMixでパルスされたDCを使用し、IL7(10ng/ml)、IL12(10ng/ml)、IL15(10ng/ml)およびIL6(1000U/ml)の存在下で共培養することにより、CTL生成プロトコルを最適化した(表1)。
【0092】
【表1】
【0093】
TAA−CTLは、刺激抗原の全3つに対する同時特異性で生成された。重要なことは、同じ抗原を用いて同じドナーから生成し、次善のサイトカインの組み合わせ(表1、グループ1、3、4)を使用して培養されたCTLは、免疫優性SSX2抗原に向けられた単一の特異的なCTLを産生し、このように最適化サイトカインの組み合わせの有用性を実証し、少なくとも特定の実施形態で、複数TM−CTLを生成した。系の一貫性とロバスト性は、SSX2、サバイビン、そしてMAGEA4をコードするDNAプラスミドでヌクレオフェクションされたDCを用いて、6/6のドナーから複数TM−CTLを生成することによって確認した。本発明者らはまた、白血病発現抗原WT1、PRAME、サバイビン、およびプロテイナーゼ3(n=3)、同様に典型的な肝細胞がん発現抗原MAGE1、MAGE3およびAFP(n=3)を同時に標的とする複数TAA−CTLを生成した。これら複数TAA−CTLは、IFNγELispotおよび細胞傷害性アッセイにより評価されるように、機能的であった。最も頻繁に発現される膵臓がん発現抗原を標的とする複数TAA−CTLの生成にこの技術を適用することができる。
【0094】
CTLに対するTh2シグナル伝達の影響を逆転し、その代わりにこれらのサイトカイン類への曝露を確実にすることにより、Th1型の応答が持続される。2つの中間レトロウィルス構築物の操作およびトランスジェニックCTLでの予備試験。共有コンポーネントで受容体に結合するTh2サイトカイン類IL4およびIL13は、膵臓がん対象のTh1免疫を抑制することが報告されている(Formentini et al.,2009;Prokopchuk et al.,2005)。IL13受容体は、IL4Rα鎖およびIL−13Rα1鎖から構成されている。IL13サイトカインは、低親和性でIL13α1鎖に低親和性で結合し、ついで、IL4Rα鎖をリクルートし、結合親和性を増大させる。対照的に、IL4は最初にIL4Rαに結合し、次にIL13Rα1鎖またはIL2Rγc鎖(
図1)のいずれかをリクルートする。両方の受容体複合体からの信号は、IL4Rα鎖によって伝達され、それによりIL4とIL13の両方が、同じヤヌスキナーゼ(JAK)シグナル伝達物質および転写(Stat6)経路の活性化因子をリクルートする。結果として、どちらかのサイトカインへの曝露は、免疫抑制の結果が重複する(Formentini et al.,2009;Prokopchuk et al.,2005)。Th1のTAA−CTLに対するこれらの効果を打ち消すために、本発明者らは、2つの典型的な第一世代のレトロウィルスベクターを構築した。
図2Aに示したように、構築物#1は、IL13Rα1細胞外ドメインと、IRESを介してGFPに連結したIL2Rγ細胞内ドメイン(IL−13Rα1/IL−2Rγ)との融合タンパク質をコードする。構築物#2は、IL4Rα細胞外ドメインと、mOrangeに連結したIL7Rα細胞内ドメイン(IL−4Rα/IL−7Rα)との融合物をコードする。したがって、両方の構築物を発現する細胞は、本発明の特定の実施形態において、IL4またはIL13サイトカインのいずれかの係合時に細胞内Th1シグナルを誘発する。GFPまたはmOrangeのレトロウィルス形質導入発現の効率を評価することが、二重導入抗原特異的CTLに関して評価された。予想されるように、これは、構築物#1(GFP陽性−右下4分の1区分)、構築物#2(mOrange陽性−左上4分の1区分)、または2重陽性(GFP/mOrange−右上4分の1区分)(
図2B)のいずれかを発現するCTLの混合集団をもたらした。導入遺伝子の機能は、IL2(50U/ml)、IL−4(1000U/ml)またはIL13(5ng/ml)への曝露後、StatSのリン酸化を測定することによって確かめられた。リン酸化Stat5は、IL2投与後、対照細胞のみで検出された;対照的に、リン酸化Stat5は、3つのサイトカイン類のいずれかへの曝露の後、両方の構築物を共発現するトランスジェニック細胞で検出された(
図2C)。なお、これらのサイトカイン類は、顕微鏡分析を用いて、成長因子として作用することが確認された(
図2D)。
【0095】
典型的な実験デザインと方法
膵臓がんは予後不良の攻撃的な病気である。腫瘍特異的T細胞免疫の証拠は存在するが
(Tassi et al.,2008;rong et al.,2009;Plate,2007;Alters et al.,1997;Cappello et al.,2009;Lepoisto et al.,2008;Kawaoka et al.,2008;Kondo et al.2008)、腫瘍環境における免疫抑制サイトカイン類は、T細胞の有効性を限定しているように見える(Selcean et al.,2009;Formentini et al.,2009;Kornmann et al.,1999;Prokopchuk et al.,2005)。特定の実施形態では、生体外で拡大培養されたTAA−CTLの注入は、それは(i)アネルギーを逆転させるTh1分極サイトカインで培養され、(ii)エピトープ損失を介して回避を最小限に抑えるために、複数のTAAに特異的であるように選択され、および(iii)インビボで存在する抑制性の可溶性因子に対して耐性とされるものであるが、臨床的利益をもたらし、膵臓がんのための新たな治療選択肢を提供する。
【0096】
最初のアプローチでは、次の操作を行うことができる:a)膵臓腫瘍のサイトカインプロファイルを評価すること、b)TAA発現のそれらのパターンを記録すること。患者血清中のTh1とTh2/抑制性サイトカイン類、同様に培養した原発腫瘍サンプルから放出されるサイトカイン類のパターンを確立することができ、例えばIHCおよびRT−PCRを用いて、生検でのTAAの発現パターンを測定し、下記のCTL刺激プロトコルにおける使用のために最も頻繁に発現する抗原をコードするDNAプラスミドのバンクを生成することができる。このアプローチからのデータは、腫瘍抗原を標的とし、腫瘍抑制に耐性とすることができる養子免疫療法のためのT細胞の設計を可能にする。
【0097】
典型的な方法は次のとおりである。サイトカイン分析。例えば30〜50のバンク患者血清サンプルのサイトカインプロファイルを記録し、Th1/Th2サイトカインアレイを用いて、これらを例えば、30人の健常ドナーから採取した血清と比較することができ、それは、IL1β、IL2、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL10、IL12、IL13、IFNγ、GM−CSFおよびTNFαを検出する;ELISAによってTGFβを測定することができる。また、新鮮な生検サンプルを収集し、RPMI+5%HuSで4〜5日間、培養し、同じサイトカイン類を使用して上清を分析することができる。これは、これらの患者で循環し、腫瘍によって産生される、あらゆる種類の抑制性と刺激性サイトカイン類の評価を可能とする。
【0098】
TAA発現。TAA発現のための生検サンプルをIHCおよびRT−PCRでスクリ−ニングすることができ、それは、以前に膵臓がん(CEA、MUC1、MUC2、MUC5AC、MUC6、およびテロメラーゼ)(Han et al.,2009;Li et al.,2008)、同様にPRAME、MAGEA、SSX2/4、NY−ESO、およびサバイビンと関係していると主張されるものを含む。
【0099】
DNAプラスミドバンクの生成。最も頻繁にスクリーニングで検出される7つの抗原(例によって)をコードするプラスミドを生成することができる。これらは、CMVプロモーターの制御下で、p−Max発現プラスミドにクローニングすることができ、それは高レベルの導入遺伝子発現を保証し、GFPと共発現してヌクレオフェクション効率の評価を可能にする。本発明者らは、ウィルス(Gerdemann et al.,2009)と腫瘍特異的CTLの両方の生成のための抗原の有効なソースとしてDNAプラスミドを先に検証している。
【0100】
本発明の特定の実施形態では、患者血清中および培養生検からの上清中でのTh2/抑制性サイトカイン類IL13およびIL4の優位性を検出するが、これは、両方が膵臓細胞株によって過剰に産生され、自己分泌増殖因子として腫瘍によって使用されるからである。特定の実施形態では、患者の生検でTAAの発現を検出する。公表された報告によれば、腫瘍の大部分は、CEA−陽性であり、約60%がMUC−1を発現する一方、MUC−6はあまり頻繁に検出されず(<15%)、そして、TAA発現の頻度と強度をさらに特徴付けることができることを示している。最も頻繁に検出されるTAAを発現するプラスミドバンクを生成することが可能である。
【0101】
表2:典型的な組織サンプル
【表2】
【0102】
これらの記載された実施形態は、膵腫瘍によるTAAと抑制サイトカインの発現のプロファイルを提供し、標的と保護戦略の設計を可能にする。
【0103】
第二のアプローチでは、複数の膵臓がん関連標的抗原に特異的な腫瘍特異的CTLを生成し、インビトロでのそれらの特異性および機能を評価することができる。膵臓がんのTAAに対して向けられたCTLが、膵臓がんを有する対象から拡大することができるかどうかを判断することができる。腫瘍抗原欠損変異体によって媒介される免疫回避を最小化する目的で、他のがんでの成功に基づいて、最初に単一の抗原特異性、次いで複数の抗原特異性を有するCTLを生成することができる。
【0104】
典型的な方法は次のとおりである:例えば、APCとレスポンダーT細胞のソースとなる患者の血液40〜50ミリリットルを取得することができる。例えば、20〜25人の患者からのCTL株を生成することができる。
【0105】
DCの生成:DCは、CellGenixDC培地でのGM−CSFおよびIL−4中で培養することにより、CD14選択単球から区別される。CD14陽性細胞は、その後の刺激のために凍結保存される。培養されたDCは、24時間、再熟成され、例えば、上述のように生成された種々の抗原をコードするDNAプラスミドを用いて、ヌクレオフェクションし、次いで、さらに24時間熟成する。表現型およびヌクレオフェクション効率は、フローサイトメトリーを用いて、成熟/共刺激分子CD80、CD83、CD86、HLA−DrおよびGFPの発現を測定することによって評価される。
【0106】
CTL刺激:抗原特異的T細胞の活性化については、ヌクレオフェクションされたDCが、最適化されたサイトカインカクテル(IL−7、IL−12、IL15およびIL6)(表1)のCTL培地中(45%Click’s、45%高度RPMI、5%ヒト血清、および5mMのL−glutamax)で10:1のR:S比で、CD14陽性PBMCと共培養されて、最適なCTLの生存と拡大培養を促進する。複数TAA−CTLを生成するには、複数のプラスミドで同時にDCをトランスフェクトすることができる。拡大培養された細胞は、ヌクレオフェクションされたDCで9日目に再刺激され、IL7と培養され、12日目からは週2回、IL−2(50U/ml)と培養される。CTLの拡大培養と生存率は、トリパンブルー色素排除により評価される。3つの刺激後、CTLの活性化とメモリ(エフェクターメモリ対セントラルメモリ)の状態を測定するために、CD4、CD8、CD56、CD16、CD45RA、CD45RO、CD25、CD28、CD27およびCD62Lを含むマーカーを用いて、細胞の表現型を解析することができる。ELispotまたは細胞内サイトカイン染色を使用して、刺激(ペプチドまたはヌクレオフェクションされたDCのどちらか)に応じてTh1(IFN−γ、TNFα、IL2)およびTh2(IL4、IL5、IL13、IL10、およびTGFβ)サイトカイン類の産生を測定することができる。エピトープの幅は、CD4およびCD8選択細胞を刺激する重複ペプチドのプールを使用して、例えば、ELispotによって評価され、CD4およびCD8エピトープのどちらが、各タンパク質内で認識されるかが決定される。細胞傷害機能は、TAA発現APC、HLA適合膵臓細胞株、並びに標的細胞として自己腫瘍を用いてCr51放出アッセイにより評価される。
【0107】
本発明の特定の実施形態では、ポリクローナルの複数TAA−CTLが、APCとしてヌクレオフェクションされたDCを用いて、患者PBMCから容易に製造される。特定のケースでは、すべての抗原がすべてのドナーで免疫原性であるというわけではないが、しかし、特定のケースでは、各々の対象について少なくとも2つの抗原を認識する複数TAA−CTLを一貫して生成することができる。上記のように識別されたTAA発現プロファイルと組み合わせたCTL株の知見に基づいて、将来の免疫療法のための最適な4〜5の標的(例えば)を識別することができる。拡大培養された細胞は、セントラルメモリ(CD62L+)とエフェクターメモリー(CD62L−)の集団を有するポリクローナル(CD4+およびCD8+)であり、そして終末分化エフェクターであり得る。最適化されたサイトカインカクテルの存在下で、特定の実施形態において、CTLはTh1サイトカインプロファイルを有し、再刺激によりTNFα、IFNγ、およびIL2を産生し、各抗原に対するCD4+およびCD8+T細胞エピトープのパネルの同定を可能にする。本発明のいくつかの実施形態においては、拡大培養した細胞は、例えば、フローサイトメトリー、細胞内サイトカイン染色、および細胞溶解アッセイにより測定したすべての刺激抗原に対して特異性および活性を保持する。
【0108】
APCとしてヌクレオフェクションされたDCを使用して、TAA−CTLを生成することができない場合は、抗原刺激のためにpepmixを利用することができる。ウィルス抗原に関して、複数のTAA特異性を有するCTLを同時に活性化して、拡大培養することができない場合は、すべてのTAAが等しく免疫原性であるというわけではなく、そして、刺激の複数のラウンドにわたり、より弱い抗原に対する抗原性競合と特異性の喪失を見ることがある。しかし、最適化されたサイトカインの組み合わせは、株内での複数の特異性を維持することを可能とする。インビトロでTAA−CTLの乏しい増殖(本発明者らは、G−Rexバイオリアクターでの16日間の培養期間にわたり、TAA−CTLの20〜40倍の拡大培養を一貫して成し遂げるので、これはありそうもない;Vera et al.,2009)の場合であって、この拡大培養が持続されないときには、特異性を喪失することなく増殖を拡大するIL2をIL15と置き換えることができ(Quintarelli et al.,2007)。反応性T細胞の頻度が、IFNγELispotおよび細胞内染色アッセイの検出限界以下である場合、ELispotがわずか1/100,000のサイトカイン分泌細胞を検出できるので、これはありそうもないが、何回も刺激(例えば7〜10回の各刺激を倍増)されたCTLを分析することができ、T細胞の頻度が十分に増幅されて検出できることが期待される。そうでない場合、再刺激することができる。
【0109】
本発明の実施形態では、少なくとも膵臓がんを含むがんにおいて発現された複数の腫瘍抗原内の複数のエピトープに対する特異性を有するポリクローナルCTLを製造する再現可能な技術が開発されている。
【0110】
第3のアプローチでは、キメラサイトカイン受容体の強制発現によってTh2サイトカイン類のシグナル伝達の阻害効果からCTLを保護することができる。特定の実施形態では、例えば、IL2Rγおよび/またはIL7Rαの細胞内ドメインに連結したIL13Raおよび/またはIL4Raの細胞外ドメインをコードする単一のバイシストロン性構築物が生成される。
【0111】
例えば、膵臓がんで使用される腫瘍免疫回避戦略は、IL13およびIL4などのTh2阻害性サイトカイン類の放出であり、それは、i)がん細胞の増殖を高める、そして、ii)TAA特異的TH1−CTLをTh2細胞へ減衰し、再分極する。したがって、養子移入の複数TAA−CTLの有効性を改善するために、これらのTh2サイトカイン類に結合する受容体の細胞外ドメインを2つの刺激性(Th1)サイトカイン受容体のシグナル伝達細胞内ドメインに連結するキメラサイトカイン受容体を使用して、IL13とIL4の抑制効果に対してそれらが耐性となるようにすることができる。
【0112】
典型的な方法は次のとおりである:本発明者らは、既に2つの例示的な機能性の中間レトロウィルスベクターを作成し、試験している;構築物#1は、IL−13Rα1/IL−2Rγ−IRES−GFPをコードし、構築物#2は、IL−4Rα/IL−7Rα−IRES−mOrangeをコードする(
図2)。シグナル伝達IL2とIL7受容体を用いて、IL4およびIL13受容体の両方のための細胞外ドメインをコードする単一のバイシストロン性構築物(#3)を生成するために、独特の互換性のある制限酵素部位(Xho1−Mlul)が含まれて、構築物#2(
図2a)からのIL4Rα/IL7Rα融合タンパク質で構築物#1中のGFPの置換を容易に可能とする(
図3a)。当外分野の標準的な手段によって、その機能を検証することができる。レトロウィルス上清は、293T細胞の一過性トランスフェクションにより調製することができ、CTl形質導入は、公開されたプロトコルに従うことができる(Veraetal.,2009;Quintarellietal.,2007;Veraetal.,2006;Savoldoetal.,2007)。IL13RαとIL4RαのためのFACS分析により組換えタンパク質の発現を、そして、IL2、IL4またはIL13の存在下でのリン酸化Stat5分析により、IL2RγとIL7Rαの細胞内ドメインの機能性を評価することができる。トランスでGagおよびPol配列を含有する安定なPG−13生産株を生成することができ、安定したウィルス産生を可能にする。単一細胞クローンを単離し、それらを機能的力価および複製有能なベクターに関して試験をすることができる。
【0113】
本発明の特定の実施形態では、FACSによって評価されるようにIL13Rα1とIL4Rαの両方の等しい発現があり、IL2RγとIL7Rαの両方の細胞内ドメインが、リン酸化Stat5の分析により検出可能なTh1シグナルを伝達する。例えば、T細胞標的の>20%の形質導入があり、形質導入された細胞は、IL4またはIL13での培養によって経時的に選択される。(Vera et al.,2009;Bollard et al.,2007;Savoldo et al.,2007)。
【0114】
場合によっては、IL13Rα1細胞外ドメインと野生型IL4Rαの間で、クロスペアリングがあり得るが、これはCTL上で弱く発現し、低レベルのバックグラウンドStat6シグナル伝達につながる可能性がある。しかしながら、トランスジェニック:野生型受容体の発現の比率が高いことは、これが発生する確率を低下させる。IL4Rα細胞外ドメインの野生型IL2Rγとのクロスペアリングは、また、特定の態様で発生し得るが、Th1シグナルが伝達されるので、この中では許容される(
図3)。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態では、バイシストロン性構築物、および通常はTh2のスイッチを誘導するIL4またはIL13に曝された場合であっても、CTLがTh1活性シグナルを維持することを可能とする、安定した生産ラインが生成される。
【0116】
IL13とIL4の存在下で培養された遺伝子改変複数TAA−CTLの生体外での導入効率と機能を評価することができる。この型通りのインビトロでの比較では、各融合タンパク質が、複数TAA−CTLで機能的に発現されるかどうかを、導入遺伝子の発現が持続するかどうかを、そしてそのような発現が、導入された細胞の表現型を変更するか、またはそれらの抗腫瘍活性に悪影響を与えるかどうかを決定することができる。
【0117】
典型的な方法は次のとおりである:複数TAA−CTLは、例えば、上記のように生成され、例えば、構築物#3で形質導入される。非形質導入細胞および形質導入細胞の拡大を測定することができる。構築物#1または#2のいずれかで単独に形質導入されたCTLは、対照として用いてもよい。CTLは、IL2、IL4およびIL13の存在下で培養される。FACおよびトリパンブルー排除を使用して、細胞の表現型、数、および生存率の変化を、そして、多経路シグナル伝達キットを用いて細胞のシグナル伝達における変化を測定することができる。加えて、抗腫瘍活性は、短期(4時間Cr51、アッセイ)および長期(4日間の共培養)の研究におけるIL2、IL13およびIL4の存在下、自己TAA発現APC、HLA適合膵臓細胞株、および標的として自己腫瘍細胞を用いて比較される。
【0118】
本発明の特定の態様では、融合タンパク質の両方の機能レベルを検出することができ、しかも、非形質導入CTLまたはIL2以外の任意のサイトカインを有する構築物#1で形質導入したCTLの培養は、CTLの機能、増殖および生存にマイナスの効果をもたらす。特定の実施形態では、構築物#2で形質導入されたCTLは、増殖し、IL4の存在下でその機能を維持するが、これは、この典型的なキメラ構築物が野生型IL2Rγと2量体化できるからである。最後に、本発明の特定の実施形態では、構築物#3で形質導入されたCTLは、全3つのサイトカイン類の存在下、Th1シグナルを伝達し、増殖し、生存し、そして、機能する(
図3)。典型的な結果の要約表を表3に示す。
【0119】
表3:典型的な構築物の予測結果
【表3】
【0120】
本発明の実施形態では、腫瘍を標的とする多重特異的CTL療法は、膵臓がんなどのがんのために開発されており、これらの細胞は、腫瘍によって使用される重要な免疫回避戦略に対して抵抗する。膵臓がんを有する個体におけるその安全性と抗腫瘍効果を評価するために、臨床研究における遺伝子改変複数TAA−CTLを生成し、注入することができる。
【0121】
実施例2
例としてIL4Rα/IL7RαによるCAR改変T細胞の遺伝的改変
腫瘍は、エフェクターT細胞おいてアネルギーまたはアポトーシスを誘導するFasLまたはPD−L1の発現を含む細胞性免疫応答を破壊するための複雑なメカニズムを進化させてきた。制御性T細胞のリクルートおよびT細胞増殖を阻害するTGF−βおよびその他の免疫抑制性サイトカイン類の分泌が、微小環境に含まれる。腫瘍によるインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)および制御性樹状細胞の構成的発現があり、それはトリプトファンを枯渇し、T細胞アネルギーおよびMHCや共刺激分子のダウンレギュレーションまたは変調をもたらす。T細胞は、少なくともIL10、TGF−β、IL13、およびIL−4を含む、腫瘍微小環境に存在する多様な因子により抑制することができる。サイトカイン受容体細胞外ドメインが、ネイティブでない細胞内ドメインと共に使用されてT細胞を作動状態にして抑制性腫瘍微小環境に耐えるならば、この問題を克服することができる。
【0122】
本発明の実施形態では、人工的なIL4/IL7サイトカイン受容体の強制発現によるTh2サイトカイン類の阻害効果からの複数TAA−CTLの保護がある。典型的なトランスジェニック構築物は、
図4の一例のように製造することができるが、それはIL4Rα/IL7Rαの融合を示し、いくつかのケースでは構築物がレポーター遺伝子を欠いているが、mOrangeなどのレポーター遺伝子を含む。
図5は、IL4Rの発現と形質導入細胞上でのmOrangeの共発現を検出するためのフローサイトメトリーにより検出されたトランスジェニック受容体の安定した発現を示している。
図6は、トランスジェニック受容体が、野生型条件下ではpSTAT6を誘発するであろうIL4サイトカインへの曝露でトランスジェニック細胞のリン酸化STAT5(pSTAT5)の検出により評価されるように機能的であることを示す。
図7は、標的細胞の特異的溶解を検出するためのクロム放出アッセイを用いて評価されるように、キメラ4/7Rのトランスジェニック発現がCTL機能に悪影響を与えていないことを示し、
図8は、4/7Rを発現するトランスジェニックT細胞が、IL2(T細胞増殖を誘導するために使用される標準的な成長因子)またはIL−4のいずれかの存在下、インビトロで増殖する一方、同じドナーから生成した、しかし4/7Rを発現しないCTLが、成長因子IL2の存在下でのみ増殖することを示している。
図9は、4/7Rを発現するCTLが、腫瘍株から採取した上清液からのIL4を枯渇させることができることを示し、このことは、トランスジェニック受容体が、実際に、腫瘍産生サイトカインを利用することができ、かつての成長因子から腫瘍を潜在的に飢えさせることができることを示している。
図10は、4/7R発現CTLが、示されたサイトカイン条件へ曝露した後の計数された細胞により評価される他の免疫抑制性サイトカイン類に対して耐性であることを示している;CTLの特異性と機能は、ELIspotによって評価されて維持された。
【0123】
T細胞増殖因子への免疫抑制性サイトカインのシグナル伝達の変更が例示される(
図11)。
図12〜14は、4/7RのCTLが、異種移植マウスモデルにおける腫瘍の成長を制御することを証明しており、ここで、SCIDマウスはIL4産生腫瘍共発現FFLucを移植され、インビボでの画像化を可能とする。続いて、動物は、非形質導入または4/7R改変CTLにより処理された。4/7RのCTLで処理した動物は、全体的な生存率の増加をもたらした対照群よりも有意に小さい腫瘍を有した。
図15は、特定の実施形態では、患者由来のCAR−PSCA改変T細胞を改変して、例えば、4/7Rを共発現できることに向けられている。
図16は、4/7Rを共発現するように改変されたCAR−PSCAT細胞が、腫瘍標的を殺すための能力を保持していることを示している。
【0124】
この実施例では、T細胞が改変されて異なる導入遺伝子を共発現することができることを示している。T細胞は、典型的な腫瘍抗原PSCAを標的とするキメラ抗原受容体による遺伝子改変を介して抗原特異性を付与された。続いて、同じ細胞が共発現4/7Rするように改変された。4/7Rによる改変は、腫瘍細胞を認識するT細胞の能力に悪影響を及ぼさなかった。
【0125】
参考文献
Alters SE, Gadea JR, Philip R. Immunotherapy of cancer. Generation of CEA specific CTL using CEA peptide pulsed dendritic cells. Adv.Exp.Med.Biol. 1997;417:519-524.
Bollard CM, Aguilar L, Straathof KC et al. Cytotoxic T lymphocyte therapy for Epstein-Barr virus+ Hodgkin's disease. J.Exp.Med. 2004;200: 1623-1633.
Bollard CM, Gottschalk S, Leen AM et al. Complete responses of relapsed lymphoma following genetic modification of tumor-antigen presenting cells and T-Iymphocytetransfer. Blood 2007;110:2838-2845.
Cappello P, Tomaino B, Chiarle R et al. An integrated humoral and cellular response is elicited in pancreatic cancer by alpha-enolase, a novel pancreatic ductal adenocarcinoma- associated antigen. Int J Cancer 2009;125:639-648.
Formentini A, Prokopchuk 0, Strater J et al. Interleukin-13 exerts autocrine growth- promoting effects on human pancreatic cancer, and its expression correlates with a propensity for lymph node metastases. Int.J.Colorectal Dis. 2009;24:57-67.
Foster AE, Leen AM, Lee T et al. Autologous designer antigen-presenting cells by gene modification of T lymphocyte blasts with IL-7 and IL-12. J Immunother2007;30:506-516.
Gerdemann U, Christin AS, Vera JF et al. Nucleofection of DCs to generate Multi virus- specific T cells for prevention or treatment of viral infections in the immunocompromised host. Mol.Ther. 2009;17: 1616-1625.
Han L, Pansare V, AI-Abbadi M, Husain M, Feng J. Combination of MUC5ac and WT-1 immunohistochemistry is useful in distinguishing pancreatic ductal carcinoma from ovarian serous carcinoma in effusion cytology. Diagn.Cytopathol. 2009
Heslop HE, Ng CYC, Li C et al. Long-term restoration of immunity against Epstein- Barr virus infection by adoptive transfer of gene-modified virus- specific T lymphocytes. Nature Medicine 1996;2:551-555.
Heslop HE, Siobod KS, Pule MA et al. Long term outcome of EBV specific T-cell infusions to prevent or treat EBV-related Iymphoproliferativedisease in transplant recipients. Blood 2009
Kaka AS, Foster AE, Weiss HL, Rooney CM, LeenAM. Using dendritic cell maturation and IL-12 producing capacity as markers of function: a cautionary tale. J Immunother 2008;31 :359-369.
Kaka AS, Shaffer DR, Hartmeier R et al. Genetic modification of T cells with IL-21 enhances antigen presentation and generation of central memory tumor- specific cytotoxic T- Iymphocytes. J Immunother 2009;32:726-736.
Kawaoka T, Oka M, Takashima M et al. Adoptive immunotherapy for pancreatic cancer: cytotoxic T lymphocytes stimulated by the MUC1 -expressing human pancreatic cancer cell line YPK-1. Oncol.Rep. 2008;20: 155-163.
Kondo H, Hazama S, Kawaoka T et al. Adoptive immunotherapy for pancreatic cancer using MUC1 peptide-pulsed dendritic cells and activated T lymphocytes. Anticancer Res. 2008;28:379-387.
Kornmann M, Kleeff J, Debinski W, Korc M. Pancreatic cancer cells express interleukin-13 and -4 receptors, and their growth is inhibited by Pseudomonas exotoxin coupled to interleukin-13 and -4. Anticancer Res. 1999;19: 125-131.
Leen AM, Christin A, Myers GD et al. Cytotoxic T lymphocyte therapy with donor T cells prevents and treats adenovirus and Epstein-Barr virus infections after haploidentical and matched unrelated stem cell transplant. Blood 2009
Leen AM, Myers GD, Sili U et al. Monoculture-derived T lymphocytes specific for multiple viruses expand and produce clinically relevant effects in immunocompromised individuals. Nat.Med. 2006;12: 1160-1166.
Leen AM, Rooney CM, Foster AE. Improving T cell therapy for cancer. Annu.Rev.lmmunol. 2007;25:243265.
Lepisto AJ, Moser AJ, Zeh H et al. A phase 1/11 study of a MUC1 peptide pulsed autologous dendritic cell vaccine as adjuvant therapy in patients with resected pancreatic and biliary tumors. Cancer Ther. 2008;6:955-964.
Li M, Bharadwaj U, Zhang R et al. Mesothelin is a malignant factor and therapeutic vaccine target for pancreatic cancer. Mol. Cancer Ther. 2008;7:286-296.
Louis CU, Straathof K, Bollard CM et al. Enhancing the in vivo expansion of adoptively transferred EBVspecificCTL with Iymphodepleting CD45 monoclonal antibodies in NPC patients. Blood 2009; 113:24422450.
Morgan RA, Dudley ME, Wunderlich JR et al. Cancer regression in patients after transfer of genetically engineered lymphocytes. Science 2006;314: 126-129.
Nakazawa Y, Huye LE, Dotti G et al. Optimization of the PiggyBac Transposon System for the Sustained Genetic Modification of Human T Lymphocytes. J Immunother2009
Plate JM. Current immunotherapeutic strategies in pancreatic cancer. Surg.OncoI.Clin.N.Am. 2007;16:91943, xi.
Prokopchuk 0, Liu Y, Henne-Bruns D, Kornmann M. Interleukin-4 enhances proliferation of human pancreatic cancer cells: evidence for autocrine and paracrine actions. Br.J.Cancer2005;92:921-928.
Quintarelli C, Vera JF, Savoldo Bet al. Co-expression of cytokine and suicide genes to enhance the activity and safety of tumor- specific cytotoxic T lymphocytes. Blood 2007;110:2793-2802.
Rong Y, Jin D, Wu W et al. Induction of protective and therapeutic anti-pancreatic cancer immunity using a reconstructed MUC1 DNA vaccine. BMC.Cancer 2009;9: 191.
Rooney CM, Smith CA, Ng C et al. Use of gene-modified virus-specific T lymphocytes to control EpsteinBarr virus-related Iymphoproliferation. Lancet 1995;345:9-13.
Savoldo B, Rooney CM, Di SA et al. Epstein Barr virus specific cytotoxic T lymphocytes expressing the anti-CD30zeta artificial chimeric T-cell receptor for immunotherapy of Hodgkin disease. Blood 2007;110:2620-2630.
Seicean A, Popa D, Mocan T, Cristea V, Neagoe I. Thl and Th2 profiles in patients with pancreatic cancer compared with chronic pancreatitis. Pancreas 2009;38:594-595.
Seruga B, Zhang H, Bernstein LJ, Tannock IF. Cytokines and their relationship to the symptoms and outcome of cancer. Nat.Rev.Cancer2008;8:887-899.
Straathof KC, Bollard CM, Popat U et al. Treatment of nasopharyngeal carcinoma with Epstein-Barr virus-specific T lymphocytes. Blood 2005; 105: 1898-1904.
Sweeney AD, Wu MF, Hilsenbeck SG, Brunicardi FC, Fisher WE. Value of pancreatic resection for cancer metastatic to the pancreas. J. Surg. Res. 2009; 156: 189-198.
Tanis PJ, van der Gaag NA, Busch OR, van Gulik TM, Gouma DJ. Systematic review of pancreatic surgery for metastatic renal cell carcinoma. Br.J.Surg. 2009;96:579-592.
Tassi E, Gavazzi F, Albarello L et al. Carcinoembryonic antigen- specific but not antiviral CD4+ T cell immunity is impaired in pancreatic carcinoma patients. J.Immunol. 2008;181 :6595-6603.
Vera J, Savoldo B, VigourouxS et al. T lymphocytes redirected against the kappa light chain of human immunoglobulin efficiently kill mature B lymphocyte-derived malignant cells. Blood 2006;108:3890-3897.
Vera JF, Brenner LJ, Gerdemann U et al. Accelerated production of antigen- specific T-cells for pre-clinical and clinical applications using Gas-permeable Rapid Expansion cultureware(G-Rex). J Immunother 2009;ln press:
Vera JF, Hoyos V, SavoldoB et al. Genetic manipulation of tumor- specific cytotoxic T lymphocytes to restore responsiveness to IL-7. Mol.Ther. 2009; 17:880-888.
Voidonikolas G, Gingras MC, Hodges S et al. Developing a tissue resource to characterize the genome of pancreatic cancer. World J.Surg. 2009;33:723-731.
Wong HH, Lemoine NR. Pancreatic cancer: molecular pathogenesis and new therapeutic targets. Nat.Rev.GastroenteroI.Hepatol. 2009;6:412-422.
【0126】
本発明とその利点について詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および代替が本明細書中でなされ得ることが理解されるべきである。さらに、本願の範囲は、本明細書中に記載された、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、およびステップといった特定の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の開示から容易に理解できるように、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同一に機能する、あるいは実質的に同一の結果を達成できる既存あるいは後発のプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、それらの範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップを含むものとする。