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特開2017-93533高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-93533(P2017-93533A)
(43)【公開日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/04 20060101AFI20170428BHJP
   B29D 35/02 20100101ALI20170428BHJP
【FI】
   A43B13/04 A
   B29D35/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-226152(P2015-226152)
(22)【出願日】2015年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】515322161
【氏名又は名称】高橋 克典
(74)【代理人】
【識別番号】100105692
【弁理士】
【氏名又は名称】明田 莞
(74)【代理人】
【識別番号】100161252
【弁理士】
【氏名又は名称】明田 佳久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克典
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA40
4F050HA58
4F050HA70
4F050HA73
4F050LA01
4F050NA52
(57)【要約】
【課題】本発明は、中底の外周部と、甲皮とを袋縫いした靴において、高反発性樹脂発泡材の下面に織布生地を裏打ち接着して形成した中底を用いることによって、クッション性があって、しかも屈曲性も良いので疲れにくく、また、歩行時の足の動きの補助的効果を有する高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴を提供する。
【解決手段】中底と、該中底の周縁部とを袋縫いした甲皮と、該中底の下面全体と該甲皮の袋縫い部と、を一体的に圧接着したポリウレタン製表底とを備えた靴であって、該中底が高反発性樹脂発泡材を織布生地で裏打ち接着していることを特徴とする高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中底と、該中底の周縁部とを袋縫いした甲皮と、該中底の下面全体と該甲皮の袋縫い部と、を一体的に圧接着したポリウレタン製表底とを備えた靴であって、該中底が高反発性樹脂発泡材を織布生地で裏打ち接着していることを特徴とする高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴。
【請求項2】
前記高反発性樹脂発泡材がオレフィン系樹脂をEVA発泡したものであることを特徴とする請求項1に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴。
【請求項3】
前記高反発性が、反発力100〜150ニュートンの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴。
【請求項4】
前記織布生地が綿製生地であることを特徴とする請求1又は2又は3に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴。
【請求項5】
前記ポリウレタン製表底が、インジェクションファイロンであることを特徴とする請求1から4に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴。
【請求項6】
高反発性樹脂発泡材の片側全面に織布生地を接着した後に、所定の形状に切断して中底を形成し、次いで該中底の周縁部と甲皮の周縁部とを袋縫いして靴上部を形成し、次いで該中底の織布生地全面と該靴上部の袋縫い部とを覆い、かつ接着剤を前もって塗布したポリウレタン製表底を嵌めた後、圧接着して靴を製造することを特徴とする高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【請求項7】
前記ポリウレタン製表底と、該中底織布生地全面と該袋縫い部とを圧着して接着する際に、該表底の外側全面を金型に嵌めると共に、該靴上部の内部に嵌る中子を挿入し、次いで該金型と該中子の間で接着部を挟み込んだ後、圧下して接着することを特徴とする請求項6に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【請求項8】
前記高反発性樹脂発泡剤がオレフィン系樹脂をEVA発泡したものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【請求項9】
前記高反発性が、反発力100〜150ニュートンの範囲であることを特徴とする請求項6又は7又は8に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【請求項10】
前記織布生地が綿製生地であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【請求項11】
前記ポリウレタン製表底が、インジェクションファイロンであることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッパー部の下端部と中底の外周部とを袋縫いした靴であって、中底に、例えば、エチレン酢酸ビニル(以下、EVAと称す)のような高反発性樹脂発泡材を用いた靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴の製法は様々あるが、セメント式又はセメンテッド式と呼ばれる製法は、甲皮(アッパー)と中底とからなる靴上部と、表底(ソール)と、を接着剤で接着する製法で、安価であって靴底からの浸水がないので、人気のある製造方法の靴であった。
【0003】
セメント式製法の靴は、中底と表底とを接着する必要があるので、中底は、接着剤との接着性が良好であり、かつ、表底を保持できる強度がある革やフェルト等が用いられていた。
【0004】
また、高反発性樹脂発泡材のような衝撃緩和材を用いる場合には、踵部の中底と表底の間に部分的に、挿入されることが一般的であった。
【0005】
例えば、セメンテッド式の靴において、踵部分にクッション材を挿入した靴の発明が先行文献として開示されている。(参考文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−206104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高反発性樹脂発泡材をクッション材として使用すれば、クッション性が高いことや靴の返り(屈曲性)が良いので、足が疲れにくいという効果が期待できる。しかし、足を介して体重がかかる箇所は、足の動きに合わせて随時変化しているので、足裏全体を変化していくが、前記先行技術は、踵部だけにしかクッション材を入れていないので、その効果が十分発揮できない。また、先行技術の靴の足裏全体に高反発性樹脂発泡材をクッション材として使用したとしても、剛性のある中底の下に設置することになるので、高反発性樹脂発泡材の屈曲性が良いという効果を、打ち消す働きをしてしまい、高反発性樹脂発泡材の効果が発揮できないという問題があった。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、中底の外周部と、甲皮とを袋縫いした靴において、高反発性樹脂発泡材の下面に織布生地を裏打ち接着して形成した中底を用いることによって、クッション性があって、しかも屈曲性も良いので疲れにくく、また、歩行時の足の動きの補助的効果を有する高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、中底と、該中底の周縁部とを袋縫いした甲皮と、該中底の下面全体と該甲皮の袋縫い部と、を一体的に圧接着したポリウレタン製表底とを備えた靴であって、該中底が高反発性樹脂発泡材を織布生地で裏打ち接着していることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、請求項1に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴において、前記高反発性樹脂発泡材がオレフィン系樹脂をEVA発泡したものであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、請求項1又は2に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴において、前記高反発性が、反発力100〜150ニュートンの範囲であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、請求項1又は2又は3に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴において、前記織布生地が綿製生地であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、請求項1から4のいずれかに記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴において、前記ポリウレタン製表底が、インジェクションファイロンであることを特徴とする。
【0014】
これらの構成を採用することにより、本発明に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴は、歩いたり、走ったりした際の衝撃を、足の裏全体に設置された高反発性樹脂発泡材によって吸収することができる。また、中底に用いた高反発性樹脂発泡材の反発力を利用して、立ち上がる際や走る際の足の力を補助する働きをすることができる。また、高反発性樹脂発泡材を中底に用いてるので屈曲性が良好あり、足の裏の動きと連動して一体化することができる。よって、足の疲労を抑制することができる。特に、表底にインジェクションファイロンを用いれば、表底の返り(屈曲性)もよいので、さらに、足の裏の動きに靴の変形を連動させることができる。また、足の裏全体の下にクッションが設けられることによって、地面からの反力が必ずクッションを介して足に伝わることになるので、膝や腰の負担を軽減させることができる。
【0015】
また、高反発性樹脂発泡材は、そのまま袋縫いすれば、裂けやすく、また、ポリウレタン製表底との接着性も非常に悪いが、高反発性樹発砲材の裏に織布生地を張り合わせているので、この織布生地により袋縫い時に中底が裂けることがなく、また、表底との接着性が向上するとともに、伸縮性があるので中底の屈曲性を阻害することがない。
【0016】
また、靴上部における甲皮と中底の袋縫いの縫い目も、表底によって一体的に覆って圧接着するので、縫い目を補強し、かつ、縫い目からの浸水を防ぐことができる。
【0017】
本発明の請求項6に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、高反発性樹脂発泡材の片側全面に織布生地を接着した後に、所定の形状に切断して中底を形成し、次いで該中底の周縁部と甲皮の周縁部とを袋縫いして靴上部を形成し、次いで該中底の織布生地全面と該靴上部の袋縫い部とを覆い、かつ接着剤を前もって塗布したポリウレタン製表底を嵌めた後、圧接着して靴を製造することを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、請求項6に記載の係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法において、前記ポリウレタン製表底と、該中底織布生地全面と該袋縫い部とを圧着して接着する際に、該表底の外側全面を金型に嵌めると共に、該靴上部の内部に嵌る中子を挿入し、次いで該金型と該中子の間で接着部を挟み込んだ後、圧下して接着することを特徴とする。
【0019】
請求項8に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、請求項6又は7に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法において、前記高反発性樹脂発泡剤がオレフィン系樹脂をEVA発泡したものであることを特徴とする。
【0020】
請求項9に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、請求項6又は7又は8に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法において、前記高反発性が、反発力100〜150ニュートンの範囲であることを特徴とする。
【0021】
請求項10に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、請求項6から9のいずれかに記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法において、前記織布生地が綿製生地であることを特徴とする。
【0022】
請求項11に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法は、請求項6から10のいずれかに記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法において、前記ポリウレタン製表底が、インジェクションファイロンであることを特徴とする。
【0023】
これらの構成によって、高反発性樹脂発泡材の少なくとも下面に織布生地を接着しているので、袋縫いした際に高反発性樹脂発泡材が、裂けることを防止できると共に、表底との接着性を向上させることができる。また、表底を圧着する際に、袋縫いした靴上部の内部に中子を用いているので、表底全体が満遍なく確実に接着することができる。また、靴上部の袋縫いの縫い目を表底で覆って圧接着することによって、袋縫いの縫い目を補強し、かつ、縫い目からの水の浸入を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る請求項1から5に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴によれば、足が疲れにくく、膝や腰の負担を軽減できると共に、歩行や走行の補助をすることができる。また、高反発性樹脂発泡材が、裂けることを防止できると共に、表底と中底の接着性を向上させることができる。また、袋縫いの縫い目からの浸水を防止することができるので、靴の快適性が阻害されない。
【0025】
また、本発明に係る請求項6から11に記載の高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の製造方法によれば、高反発性樹脂発泡材を織布生地で裏打ちすることにより、裂けることを防止できると共に、表底との接着性を向上させることができる。また、表底の接着時には中子を用いるので、表底全体が満遍なく確実に接着することができる。また、靴上部の袋縫いの縫い目を表底で覆って圧接着することによって、袋縫いの縫い目からの水の浸入を防止することができるので、靴の快適性が阻害されない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の模式的斜視図である。
図2】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の甲皮の模式的斜視図である。
図3】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴であって、(a)は、中底の模式的斜視図底面図であり、(b)は、(a)図におけるA―A矢視断面図である。
図4】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴であって、甲皮と中底とを袋縫いした状態の底面図である。
図5】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴の表底の模式的斜視図である。
図6】本発明の実施するための形態に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴であって、(a)は、図1におけるB−B矢視断面図であり、(b)は、図1におけるC−C矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴1は、図1図6(a)、(b)に示すように、表甲2−2と裏甲―3とを縫合した甲皮(アッパー)2の周縁部と、高反発性樹脂発泡材3−1の少なくとも下面に織布3−2を接着させた中底3の周縁部と、を袋縫いし、織布3−2及び袋縫いした周縁部2、3と表底4、4−1とを圧接着して完成する。
【0028】
甲皮2は、図2及び図6(a)、(b)に示すように、表甲2−2と裏甲2−3を縫合して作成する。表甲2−2は、革製でも合成皮革製でもよい。また裏甲2−3は、革製でも布製でもよい。また、踵部とつま先部の表甲2−2と裏甲2−3の間に樹脂製の芯を入れておくと袋縫いし易くなる。
【0029】
中底3は、図3(a)、(b)に示すように、高反発性樹脂発泡材3−1の少なくとも下面に織布生地3−2を接着したものを中底3の形状に切断して形成する。高反発性樹脂発泡材3−1は、屈曲性が良いので、足の裏の複雑な動きに同調させることができる。よって、足の疲労を軽減できる。また、高反発性なのでクッション性が良いことから足の疲労をを軽減させることができると共に、膝や腰の負担を軽減することができる。高反発性樹脂発泡材3−1は、裂け易く、また、ポリウレタン製の表底4との接着性が非常に悪いが、高反発性樹脂発泡材3−1の少なくとも下面には織布生地3−2を接着しているので、高反発性樹脂発泡材3−1が裂けることを防止することができると共に、中底3とウレタン製の表底4と接着性を著しく向上させることができる。また、高反発性樹脂発泡材3−1は高反発性であって、しかも返りがよいので、人が立ち上がる際や、歩行及び走行する際の足の補助的な役割を果たす。なお、高反発性樹脂発泡材3−1は、オレフィン系樹脂をEVA発泡(エチレン酢酸ビニル共重合体)させたものであり、反発力がJIS k6400−2で、100〜150ニュートンである。また、中底3の厚みはおよそ3mmのものが好適で、織布生地3−2は、綿製の織布が好適である。
【0030】
表底4は、図5に示すように、ポリウレタン製であって、外周部に甲皮2と中底3とを袋縫いした縫い糸及び縫い穴を覆うための外壁部4−1を有している。表底4は、ポリウレタン製であるので、屈曲性があり、中底3を介して伝わる足の裏の動きに、同調して屈曲させることができる。なお、表底4は、インジェクションファイロンを用いるのが、軽量であって、屈曲性もよく表底4として好適である。また、表底4の外壁部4−1によって、靴上部2、3の袋縫い糸3−3及びその縫い穴を覆って圧接着できるので、縫い目を補強できるし、縫い目からの浸水を防止することができる。
【0031】
次に、本発明に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴1の製造方法の1例について説明する。まず、表甲2−2と裏甲2−3とを縫合して甲皮2を作製する。この際に、表甲2−2と裏甲2−3の間で、爪先部と踵部の位置に樹脂製の芯材を挟みこんで、一緒に縫合する。次に、下面を織布生地3−2を接着させた後、高反発性樹脂発泡材3−1を所定の形状に切断して形成した中底3の周縁部と、前記甲皮2の周縁部と、を袋縫いする。さらに、この甲皮2と中底3とが形成する靴上部2、3の内部に木製又は樹脂製の中子を挿入し、表底4を金型に嵌めて固定し、表底4の上面及び外壁部内面に接着剤を塗布して、靴上部2、3を表底4の上面に載せ、表底4の下方及び側面から圧力をかけながら接着させる。このときに、靴上部2、3の袋縫い糸3−3とその縫い穴が、表底4の外壁部4−1によって覆われるように接着する。その後、金型を外した後に中子も外し、靴紐2−1を紐穴に通して完成する。
【0032】
本発明に係る高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴1を用いれば、中底3に返り(屈曲性)のよい高反発性樹脂発泡材3−1を全面に使用しており、さらに、表底4に軽量で屈曲性がよく耐久性に富むインジェクションファイロンを使用しているので、中底3も表底4も、屈曲性がよいので、足の裏の複雑な動きに同調させることができる。さらに、中底3も表底4も軽量なので足の疲労を軽減できる。また、高反発性でクッション性が良いことからも、足の疲労をを軽減させることができると共に、膝や腰の負担を軽減することができる。また、返りのよい高反発性樹脂発泡材3−1を用いることによって、人が立ち上がる際や、歩行及び走行する際に、脚を補助する役割を果たす。
【産業上の利用可能性】
【0033】
セメント製法の靴の分野で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:高反発性樹脂発泡材を中底に用いた靴
2:甲皮(アッパー部)
2−1:靴紐
2−2:表甲
2−3:裏甲
3:中底
3−1:高反発性樹脂発泡材
3−2:織布生地(綿)
3−3:袋縫い糸
4:表底
4−1:外壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6