特開2017-93538(P2017-93538A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-93538(P2017-93538A)
(43)【公開日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】足首用シーネ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/042 20060101AFI20170428BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20170428BHJP
【FI】
   A61F5/042 B
   A61F5/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-226209(P2015-226209)
(22)【出願日】2015年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】515322194
【氏名又は名称】有限会社美作名倉堂
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】森本 正章
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC03
4C098BC37
4C098BC44
4C098BC45
(57)【要約】
【課題】足首の捻挫や亜脱臼を比較的早期に回復させることができる足首用シーネを提供する。
【解決手段】下腿部から足首近傍までをサポートする断面略U字状の下腿サポート部2と、この下腿サポート部2の下端から前方に向かって延びて足底を支える足底支持部3と、からなり、前記下腿サポート部2と前記足底支持部3のなす角度θが95〜105度である、足首用シーネ1とした。このとき、下腿サポート部2と足底支持部3の間に、踵を逃がすための開孔10を設けることが好ましい
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下腿部から足首近傍までをサポートする断面略U字状の下腿サポート部と、
この下腿サポート部の下端部から前方に向かって延びて足底を支える足底支持部と、からなり、
前記下腿サポート部と前記足底支持部のなす角度が95〜105度である、
足首用シーネ。
【請求項2】
下腿サポート部と足底支持部の間に、踵を逃がすための開孔を設けた、
請求項1記載の足首用シーネ。
【請求項3】
熱可塑性樹脂からなる、
請求項1又は2記載の足首用シーネ。
【請求項4】
外側表面が凹凸状である、
請求項1〜3いずれか記載の足首用シーネ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足首用シーネに関する。特に柔道整復などに用いることができる足首用シーネ(柔整シーネ)に関する。
【背景技術】
【0002】
捻挫や亜脱臼などの際には、患部を保持するシーネが用いられる。シーネは固定バンドを巻き付けるなどして人体に装着される。
【0003】
シーネの従来例としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。本文献には、「シーネ本体が、第1フィルムと第2フィルムを重ね合わせ、該第1フィルムと第2フィルム間を線状に熱融着して、複数の空気セルを長手方向及び短手方向に複数個設けて形成され、該複数の空気セル内に空気注入口から空気を注入して使用する簡易型シーネであって、該シーネ本体は、縦方向に延びる複数の長尺空気セルを並設した第1保持部と、該第1保持部の端部に一体的に且つ該第1保持部と略直角状態に設けられ、該第1保持部の長尺空気セルと連通する多数の短尺空気セルを有する第2保持部とを備え、該第1保持部と該第2保持部の角縁部が所定長の熱融着縁部で熱融着され、該第1保持部及び該第2保持部の長尺空気セルへの空気注入によって、該第1保持部と該第2保持部の略直角の角部がその横断方向に円弧状に曲げられ、上肢または下肢の患部が該第1保持部と該第2保持部間の角部の内側に挿入され、該患部を該シーネ本体により保持することを特徴とする簡易型シーネ。」が記載されている。
【0004】
しかし、特許文献1記載のシーネは、捻挫や亜脱臼などの際に、あくまで応急処置として、患部が動かないように保持することが目的であり、足首の捻挫を早期に回復させることを目的とするものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−33554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、足首の捻挫や亜脱臼を比較的早期に回復させることができる足首用シーネに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のシーネは、下腿部から足首近傍までをサポートする断面略U字状の下腿サポート部と、この下腿サポート部の下端部から前方に向かって延びて足底を支える足底支持部と、からなり、前記下腿サポート部と前記足底支持部のなす角度が95〜105度である構成とした。
【0008】
この足首用シーネは、下腿サポート部と足底支持部のなす角度が95〜105度であることで、足首の捻挫を比較的早期に回復させることができる。下腿サポート部と足底支持部のなす角度が95度以上であることで、患者がストレスや痛みを感じにくく治りが早くなる。また、下腿サポート部と足底支持部のなす角度が105度以下であることで、距骨と腓骨の間に外側靱帯が挟まれてストレスを受ける現象が生じにくくなり、やはり治りが早くなる。下腿サポート部と足底支持部のなす角度は97〜103度であることが好ましく、最も好ましくは100度である。
【0009】
本願発明者は、柔道整復師のほか、日本柔道整復接骨医学会認定柔道整復師、機能訓練指導員認定柔道整復師、社会福祉士などの多くの資格を有し、接骨院やメディカルトレーニングセンタなどを経営するとともに日々多くの患者と対峙している。そのなかで、足首の捻挫や亜脱臼の事例は比較的多いのであるが、驚くべき事に、ある特定の角度で足首を固定すると回復が早くなることを見いだしたのである。本発明は上記知見に基づくものである。
【0010】
下腿サポート部と足底支持部の間に、踵を逃がすための開孔を設けた足首用シーネとすることができる。
【0011】
この足首用シーネは、足首に装着した際に開孔から踵が外側に逃げやすくなり、下腿サポート部と足底支持部のなす角度(95〜105度)に足首の角度を合わせやすくなる。
【0012】
熱可塑性樹脂からなる足首用シーネとすることもできる。
【0013】
この足首用シーネは熱可塑性樹脂を用いているため、足首に装着する際に、下腿サポート部又は足底支持部をドライヤーなどで暖めて軟化させ、患者等にフィットさせることができる。
【0014】
外側表面が凹凸状である足首用シーネとすることも好ましい。
【0015】
この足首用シーネは、外側表面が凹凸状であるため、固定バンドを用いて足首用シーネをしっかりと固定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、足首の捻挫や亜脱臼を比較的早期に回復させることができる足首用シーネを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】足首用シーネの斜視図である。
図2図1の足首用シーネの左側面図である。
図3】足首用シーネを装着した状態を例示した写真である。
図4】足首用シーネの正面写真である。
図5】足首用シーネの背面写真である。
図6】足首用シーネの上面写真である。
図7】足首用シーネの底面写真である。
図8】足首用シーネの右側面写真である。
図9】足首用シーネの斜視写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を用いて足首用シーネを例示説明する。足首用シーネは、下腿サポート部と足底支持部とからなる。また、以下の実施形態では、足首用シーネに開孔が設けてある。以下、各構成要素について例示説明するが、本発明およびその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。
【0019】
1.下腿サポート部
下腿サポート部2は、下腿部から足首近傍までをサポートする。本例では、下腿部から足首近傍に後方から宛がわれて、これらをサポートする。また、下腿サポート部2は、断面略U字状である。具体的には、下腿部から足首近傍に後方から沿う下腿サポートベースと、この下腿サポートベースの左右から前方に延びる左右の下腿サポート壁とで構成される。
【0020】
2.足底支持部
足底支持部3は、下腿サポート部2の下端部から前方に向かって延びて足底を支える。本例では、足底支持部3は断面略U字状であり、下腿サポート部2の下端部から開孔10(詳細は後述)を隔て、前方に向かって延びて足底に沿う足底支持ベースと、この足底支持ベースの左右から前方に延びる左右の足底支持壁とで構成される。
【0021】
3.開孔
本実施形態の足首用シーネ1は開孔10を有する。開孔10は、足首用シーネ1を足首に装着した際に踵を逃がすものであり、下腿サポート部2と足底支持部3の間に設けてある。開孔10によって、下腿サポート部2と足底支持部3のなす角度(95〜105度)に足首の角度を合わせやすくなる。開孔10の左右は下腿サポート部2と足底支持部3を繋ぐ連結部12となる。
【0022】
4.足首用シーネ
そして、下腿サポート部2と足底支持部3のなす角度θは95〜105度である。具体的には、図1および図2に示す様に、下腿サポート部2の左右中央を通る直線(上端縁と開孔に隣接する端縁とを結んだ直線)、および足底支持部3の左右中央を通る直線(前端縁と開孔に隣接する端縁とを結んだ直線)のなす角度θが95〜105度となる。下腿サポート部と足底支持部のなす角度が95〜105度であることで、足首の捻挫や亜脱臼を比較的早期に回復させることができる。
【0023】
足首用シーネ1の材質は特に制限されないが、樹脂製が好ましく、なかでも熱可塑性樹脂がより好ましい。足首用シーネ1には、ある程度の固さが必要であるが、力を加えるとしなって変形する程度の固さであることが好ましい。このような観点から、本例ではポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を用い、厚みが概ね2mmの足首用シーネ1とした。ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を用いる場合、足首用シーネの厚みは1.5〜2.5mmであることが、固さと柔軟性のバランスがとれており好ましい。
【0024】
また、本実施形態では、足首用シーネ1の外側表面11(人体と対面しない側)を凹凸状としてある。表面にいわゆる「ざらつき」を持たせてある。これによって、固定バンド5を用いて足首用シーネ1をしっかりと固定することができる。
【0025】
5.足首用シーネの装着方法
足首用シーネ1を装着した様子を図3に例示する。本例では、足首用シーネ1と人体Bの間にクッション材4を挟み、固定バンド5を巻き付けて装着している。装着に際しては、下腿サポート部2又は足底支持部3をドライヤーなどで暖めて軟化させ、断面略U字状のカーブを人体にフィットさせることができる。
【0026】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0027】
なお、図4〜9に足首用シーネの意匠写真を示す。左側面写真は、図8の右側面写真と左右対称に表れる。この足首用シーネ(足首用固定具)は、2mm厚のポリプロピレン樹脂製であり、優れた美感を備えたものでもある。
【符号の説明】
【0028】
1 足首用シーネ
10 開孔
11 外側表面
12 連結部

2 下腿サポート部

3 足底支持部

4 クッション材

5 固定バンド

B 人体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9