【実施例1】
【0012】
本発明のサブバッグを
図1ないし
図10に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のサブバッグ1は、
図1に示すように、上部開口2と、上部開口2と連通すると共に両側同士で連通する両側開口3,4とを備えたバッグ本体5と、バッグ本体5の両側開口3,4付近にそれぞれ上下方向に沿って表裏にそれぞれ設けられると共に開口部6aを有した紐通し部6と、紐通し部6にそれぞれ挿通され紐通し部6の開口部6aより端部7が外方に導出された紐部材8と、紐部材8の端部7に取り付けられ紐部材8に沿って摺動して所要位置で停止可能なコードストッパー9と、バッグ本体5内部に設けられ荷物を直接縛り保持するための荷物保持用紐部材10と、バッグ本体5の上部に設けられた把持部11,12とを有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0013】
バッグ本体5は、荷物を収納または保持するためのものであり、上部開口2と、上部開口2と連通すると共に両側同士で連通する両側開口3,4とを備えている。
【0014】
この実施例のバッグ本体5は、
図1または
図3に示すように、正面視または背面視台形のシート材にて構成されている。具体的には、バッグ本体5は、
図4に示すように、台形形状の正面部5aと同一形状の背面部5bが下端辺にて折曲されて形成されている。ただし、本発明のバッグ本体は正面視台形形状に限定されるものではなく、内部に荷物を収納または保持できる形状のものであればどのような形状のものでもよく、例えば正面視略正方形、略長方形、円形あるいは楕円形などのものも本発明の範疇に包含される。
【0015】
バッグ本体5内は、上部開口2、両側開口3,4それぞれが相互に連通して一つの収納空間を形成しており、上部開口2と両側開口3,4のいずれからも荷物を挿入することができるように構成されている。また、
図2または
図7に示すように、両側開口3,4が設けられていることにより、
図6または
図8に示すように、荷物の一部を両側開口3,4から外方に露出させた状態で保持することができ、これにより、バッグ本体の容積以上の荷物を保持することができるよう構成されている。
【0016】
バッグ本体5内に収納または保持可能な荷物としては、どのようなものでもよいが、用途に応じて、例えば衣服類、防寒グッズ、履物、ヨガマット、ジムタオル、バット、帽子、マフラー、ボール、ラケット、弁当、グローブ、剣道用防具、ぬいぐるみなどが挙げられる。
【0017】
バッグ本体の形成材料としては、荷物を一纏めにして収納または保持可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば天然繊維製布、合成樹脂製シート材などが好適に使用できる。
【0018】
紐通し部6は、内部に紐部材8を配する部位であり、
図1または
図4に示すように、バッグ本体5の両側開口3,4付近にそれぞれ上下方向に沿って表裏(正面部5a,背面部5b)それぞれに設けられている。
【0019】
この実施例の紐通し部6は、バッグ本体5の両側端辺を幅方向内側に折り返して重ね合わせ、両側端辺を縫合することにより、上下方向に延在して紐部材8を挿通可能な略筒状部に形成されている。
【0020】
紐通し部6には開口部6aが設けられており、この開口部6aから紐部材8の端部7が外方に導出可能に構成されている。なお、この実施例の開口部6aは、紐通し部6の上端付近に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば紐通し部6の下端付近に設けられたものも本発明の範疇に包含される。また、この実施例の紐通し部6は表裏(正面部5a,背面部5b)に設けられた紐通し部6が下端で連通しており、両端付近にそれぞれ設けられた紐通し部6に、それぞれ1本の紐部材8が挿通されているが、これに限定されるものではなく、例えば紐通し部6が下端で閉塞しており、下端で一端側が固定された紐部材8が表裏(正面部5a,背面部5b)に各1本挿通されたものなども本発明の範疇に包含される。
【0021】
紐部材8は、
図5,
図6,
図8,
図9に示すように、その引張操作により紐通し部6および両側開口3,4を収縮させて両側開口3,4を閉塞(
図9参照)、或いはその引張操作により紐通し部6および両側開口3,4を収縮させて前記両側開口から外方に露出した荷物を保持(
図6参照)するためのものであり、紐通し部6内に挿通されると共に、その端部7が紐通し部6の開口部6aより外方に導出されている。
【0022】
この実施例の紐部材8は、天然繊維製紐にて形成されているが、これに限定されるものではなく、引張操作や荷物の保持に際して破断することのない強度を有するものであればどのようなものでもよく、例えば合成樹脂製紐などでもよい。
【0023】
コードストッパー9は、紐通し部6および両側開口3,4の収縮状態を維持するためのものであり、紐部材8の端部7に取り付けられ紐部材8に沿って摺動して所要位置で停止可能に構成されている。
【0024】
この実施例のコードストッパー9は略球状に形成され、両側面に貫通する係止孔(図示しない)を有している。この係止孔内は略への字状に屈曲しており、内部に挿通された紐部材8がそれ内面に接触すると適度な摩擦を生じさせ、その摩擦力により、コードストッパー9が紐部材8の任意の位置に停止するように構成されている。そして、この紐部材8の引張操作により、紐通し部6および両側開口3,4を収縮させた状態(
図5,
図6,
図8,
図9の状態)で、コードストッパー9を紐部材8に沿って摺動させ、収納または保持する荷物により異なる所要位置にて停止させ、紐通し部6および両側開口3,4の収縮状態を維持することができる。その後、紐通し部6および両側開口3,4の収縮状態を解除する場合は、コードストッパー9を紐部材8に沿って逆方向に摺動させ停止させて、紐通し部6および両側開口3,4を伸長することにより、元の形状(
図1の状態)に復元できるよう構成されている。
【0025】
なお、この実施例のコードストッパー9は樹脂製のものであるが、これに限定されるものではなく、例えば木製或いは金属製のものなどでもよい。
【0026】
荷物保持用紐部材10は、より確実に荷物を保持するためのものであり、
図1または
図4に示すように、バッグ本体5内の底部中央に一部が固定された紐部材にて構成されている。そして、この荷物保持用紐部材10により、荷物を直接縛ることで、両側開口3,4から荷物の一部が露出する場合でも、より確実に荷物をバッグ本体5内部でも保持できるよう構成されている。
【0027】
把持部11,12は、サブバッグ1を手で把持したり、腕や肩を挿入して腕掛けまたは肩掛けするためのものであり、
図1、
図2または
図4に示すように、バッグ本体5(正面部5a,背面部5b)の上部にそれぞれ設けられている。
【0028】
また、バッグ本体5を形成する正面部5aおよび背面部5bの上端付近(上部開口2を構成する部位付近)の内面にはそれぞれ、
図4に示すように、正面部5aおよび背面部5bの上端付近を密着させて上部開口2を閉じるための面ファスナー16が水平方向に延在するように取り付けられている。ただし、バッグ本体を形成する正面部および背面部の上端付近を密着させる部材は面ファスナーに限定されるものではなく、バッグ本体の上端付近を閉じることができるものであればどのようなものでもよく、例えばボタン等であってもよい。
【0029】
さらに、バッグ本体5の底部外面には、
図1に示すように、止め紐17が取り付けられている。この止め紐17は、
図10に示すように、サブバッグ1のバッグ本体5を把持部11,12と共に折り畳んでコンパクトにした状態を維持するためのものである。この実施例の止め紐17は一対の帯状体からなり、把持部11,12と共に折り畳んだバッグ本体5に巻回した後、その先端にそれぞれ設けられた面ファスナー16同士を接合させることにより、コンパクトにした状態のサブバッグ1を維持できるように構成されている。
【0030】
つぎに、本発明のサブバッグ1の使用方法について説明する。
サブバッグ1を使用する際には、まず、上部開口2または両側開口3,4から荷物を挿入する。荷物が長さ的にまたは量的にバッグ本体5の容積を超える場合は、荷物の一部を両側開口3,4から露出させた状態でバッグ本体5内に挿入する。つぎに、荷物保持用紐部材10によって荷物を縛ってバッグ本体5内において保持させる。さらに、紐通し部6の開口部6a付近を押圧しつつ、
図6または
図8に示すように、紐部材8の端部7を引っ張って両側開口3,4を収縮させる。これに伴って、荷物50または51が収縮した両側開口3,4によって保持される。さらに、コードストッパー9を紐部材8に沿って摺動させ、収納または保持する荷物により異なる所要位置(紐通し部6の開口部6a付近)で停止させることにより、紐通し部6および両側開口3,4の収縮状態を維持させる。そして、この状態で把持部11,12を把持して移動する。
【0031】
その後、荷物をバッグ本体5内から取り出す場合は、両側開口3,4の収縮状態を解除させる。具体的には、コードストッパー9を紐部材8に沿って逆方向に摺動した後、停止させ、紐通し部6および両側開口3,4を伸長させることにより、荷物をバッグ本体5内から取り出すことができる。
【0032】
さらに、
図11または
図12に示した本発明のサブバッグの他の実施例について説明する。
この実施例のサブバッグ20と前述したサブバッグ1との相違は、サブバッグ20が、バッグ本体の両側開口付近にそれぞれバッグ本体の幅方向の長さを拡張するための拡張片部を有している点のみであり他は同様である。サブバッグ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0033】
具体的には、サブバッグ20のバッグ本体5の両側開口3,4付近には、両側開口3,4を構成する周縁部に沿って、バッグ本体5の幅方向の長さを拡張する拡張片部21,22が縫製されている。バッグ本体5にこのような拡張片部21,22を設けることにより、両側開口3,4を収縮させた際に、
図12に示すように、拡張片部21,22がフリル状となってバッグ本体5の装飾性を高めると共に、両側開口3,4から露出した荷物の一部を被覆することができる。
【0034】
さらに、
図13に示した本発明のサブバッグの他の実施例について説明する。
この実施例のサブバッグ30と前述したサブバッグ1との相違は、紐部材の端部7にコードストッパーが取り付けられていない点と、バック本体5の表裏からそれぞれ導出された紐部材の端部7同士がコードストッパーにより連結されていない点のみであり他は同様である。サブバッグ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0035】
具体的には、このサブバッグ30は、バック本体5の表裏の紐部材の端部7同士を所要位置で縛って連結するタイプのものであり、これにより、例えば長尺状の荷物を保持する場合、荷物を一側方から両側開口3,4に挿通させるのではなく、バッグ本体5を荷物の上方から掛けて、或いは荷物の下方から被覆した後、紐部材の端部7同士を所要位置で縛ればよく、大型で移動が困難な荷物に対してもサブバッグが活用しやすくなるように構成されている。このように、本発明のサブバッグには、コードストッパーなどの固定部材を有しないものも包含される。