【解決手段】複数個のワーク7を収容したコンテナ1内からワークを順次取り出すワーク取出装置21において、移動手段23と、上記移動手段に設置され上記コンテナの上方を走査され上記コンテナ内のワークの状態を検出するワーク検出手段45と、上記移動手段に設置され上記コンテナ内のワークを取り出すワーク取出ヘッド57と、上記ワーク検出手段の検出信号に基づいて次に取り出すワークを選定し上記移動手段を制御して上記ワーク取出ヘッドにより上記選定したワークを上記コンテナ内から取り出す制御手段と、を具備したもの。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、基本的にはカメラにより撮影された画像データに基づいて最高位にあるワークを特定しそのワークを次に取り出すワークに選定して取り出すようにしているが、その際、コンテナ内のワークの状況を立体的に把握するために、スリット光の投光器とCCDカメラを組み合わせて三次元視覚センサを構成する、或いはビデオカメラと視覚センサを組み合わせる必要があった。その為、構成が複雑化するとともにコストが上昇してしまうという問題があった。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、次に取り出すワークを特定するための構成を簡略化させるとともにコストの低減を図ることが可能なワーク取出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるワーク取出装置は、複数個のワークを収容したコンテナ内からワークを順次取り出すワーク取出装置において、移動手段と、上記移動手段に設置され上記コンテナの上方を走査され上記コンテナ内のワークの状態を検出するワーク検出手段と、上記移動手段に設置され上記コンテナ内のワークを取り出すワーク取出ヘッドと、上記ワーク検出手段の検出信号に基づいて次に取り出すワークを選定し上記移動手段を制御して上記ワーク取出ヘッドにより上記選定したワークを上記コンテナ内から取り出す制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるワーク取出装置は、請求項1記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドにより取り出されたワークの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段と、上記ワークの姿勢に対応して設置された複数のワーク排出部と、上記複数のワーク排出部の内姿勢の矯正が必要なワーク排出部に設けられた姿勢矯正手段と、を具備し、上記制御手段は上記ワーク姿勢検出手段の検出信号に基づいて上記ワークの姿勢を特定しその姿勢に対応した上記ワーク排出部を選択し、上記移動手段を制御して上記ワーク取出ヘッドをその選択されたワーク排出部まで移動させて排出させるものであることを特徴とするものである。
又、請求項3によるワーク取出装置は、請求項1又は請求項2記載のワーク取出装置において、上記ワーク検出手段は上記コンテナ内の高さを検出するものであり、上記制御手段はその高さ情報に基づいて最高位にあるワークを特定し該ワークを次に取り出すワークとして選定するものであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるワーク取出装置は、請求項1〜請求項3の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク検出手段は上記コンテナの外筐位置を検出するものであり、上記制御手段は上記ワーク検出手段により検出された上記コンテナの外筐位置情報に基づいて上記移動手段を制御するものであることを特徴とするものである。
又、請求項5によるワーク取出装置は、請求項2記載のワーク取出装置において、上記ワーク姿勢検出手段は上記ワークとの距離を検出する複数個のワーク姿勢検出センサを備えていて、上記制御手段は上記複数個のワーク姿勢検出センサからの距離情報に基づいて上記ワークの姿勢を特定するものであることを特徴とするものである。
又、請求項6によるワーク取出装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドによって取り出されたワークの重量を検出するワーク重量検出手段が設置されていて、上記制御手段は上記ワーク重量検出手段の検出信号に基づいて取り出されたワークが1個か2個以上かを判別し、2個以上の場合には上記ワーク取出ヘッドによるワークの保持を解除するものであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるワーク取出装置は、請求項1〜請求項6の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドにワークが保持されているか否かを検出するワーク有無検出センサが設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるワーク取出装置は、請求項1〜請求項7の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドに保持されているワークの姿勢を安定させるワーク姿勢安定化手段が設置されていて、上記ワーク姿勢安定化手段よりその姿勢を安定させた状態で上記ワーク姿勢検出手段によりその姿勢を検出するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項9によるワーク取出装置は、請求項1〜請求項8の何れかに記載のワーク取出装置において、上記制御手段は上記コンテナ内のワークの量が所定量以下になった場合には特に最高位のワークを特定することなく順次取り出す制御に切り替えるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように本願発明の請求項1によるワーク取出装置によると、複数個のワークを収容したコンテナ内からワークを順次取り出すワーク取出装置において、移動手段と、上記移動手段に設置され上記コンテナの上方を走査され上記コンテナ内のワークの状態を検出するワーク検出手段と、上記移動手段に設置され上記コンテナ内のワークを取り出すワーク取出ヘッドと、上記ワーク検出手段の検出信号に基づいて次に取り出すワークを選定し上記移動手段を制御して上記ワーク取出ヘッドにより上記選定したワークを上記コンテナ内から取り出す制御手段と、を具備した構成になっているので、次に取り出すワークを特定するための構成を簡略化させることができ、且つ、コストの低減を図ることができる。
又、請求項2によるワーク取出装置によると、請求項1記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドにより取り出されたワークの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段と、上記ワークの姿勢に対応して設置された複数のワーク排出部と、上記複数のワーク排出部の内姿勢の矯正が必要なワーク排出部に設けられた姿勢矯正手段と、を具備し、上記制御手段は上記ワーク姿勢検出手段の検出信号に基づいて上記ワークの姿勢を特定しその姿勢に対応した上記ワーク排出部を選択し、上記移動手段を制御して上記ワーク取出ヘッドをその選択されたワーク排出部まで移動させて排出させる構成になっているので、取り出したワークをその姿勢に応じて適切なワーク排出部に排出することができ、その後の姿勢矯正手段による姿勢矯正により、全てのワークを所定の姿勢に矯正することができる。
又、請求項3によるワーク取出装置によると、請求項1又は請求項2記載のワーク取出装置において、上記ワーク検出手段は上記コンテナ内の高さを検出するものであり、上記制御手段はその高さ情報に基づいて最高位にあるワークを特定し該ワークを次に取り出すワークとして選定する構成になっているので、コンテナ内からワークをバランスよく取り出すことができる。
又、請求項4によるワーク取出装置によると、請求項1〜請求項3の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク検出手段は上記コンテナの外筐位置を検出するものであり、上記制御手段は上記ワーク検出手段により検出された上記コンテナの外筐位置情報に基づいて上記移動手段を制御する構成になっているので、ワーク検出手段とコンテナとの不用意な干渉を防止して効率の良い検出が可能になる。
又、請求項5によるワーク取出装置によると、請求項2記載のワーク取出装置において、上記ワーク姿勢検出手段は上記ワークとの距離を検出する複数個のワーク姿勢検出センサを備えていて、上記制御手段は上記複数個のワーク姿勢検出センサからの距離情報に基づいて上記ワークの姿勢を特定する構成になっているので、取り出されたワークの姿勢を高い精度で検出することができる。
又、請求項6によるワーク取出装置によると、請求項1〜請求項5の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドによって取り出されたワークの重量を検出するワーク重量検出手段が設置されていて、上記制御手段は上記ワーク重量検出手段の検出信号に基づいて取り出されたワークが1個か2個以上かを判別し、2個以上の場合には上記ワーク取出ヘッドによるワークの保持を解除する構成になっているので、2個以上のワークが誤って取り出されるという誤動作を確実になくすことができる。
又、請求項7によるワーク取出装置によると、請求項1〜請求項6の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドにワークが保持されているか否かを検出するワーク有無検出センサが設置されているので、これによっても、誤動作防止を図ることができる。
又、請求項8によるワーク取出装置によると、請求項1〜請求項7の何れかに記載のワーク取出装置において、上記ワーク取出ヘッドに保持されているワークの姿勢を安定させるワーク姿勢安定化手段が設置されていて、上記ワーク姿勢安定化手段よりその姿勢を安定させた状態で上記ワーク姿勢検出手段によりその姿勢を検出する構成になっているので、取り出されたワークを安定化させた状態でその姿勢を高い精度で検出することができる。
又、請求項9によるワーク取出装置によると、請求項1〜請求項8の何れかに記載のワーク取出装置において、上記制御手段は上記コンテナ内のワークの量が所定量以下になった場合には特に最高位のワークを特定することなく順次取り出す制御に切り替える構成になっているので、ワーク取り出しの効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1乃至
図9を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
まず、コンテナ1があり、このコンテナ1は、底壁3と、この底壁3から立設された4個の側壁5、5、5、5とから構成されている。上記コンテナ3内には複数個のワーク7が不規則な状態で収容されている。このワーク7は、例えば、鋳造、鍛造、等により製造されたものであり、フランジ9と、このフランジ9の一面側に突設されたボス11と、上記フランジ9の他面側に突設された軸13とから構成されている。
【0012】
上記コンテナ5の近傍にはワーク取出装置21が設置されている。このワーク取出装置21は移動手段23を有していて、この移動手段23は、二つのX軸アクチュエータ25、25と、Y
1軸アクチュエータ27と、Z軸アクチュエータ29とから構成されている。
【0013】
上記X軸アクチュエータ25は次のような構成をなしている。まず、ハウジング31があり、このハウジング31内にはX軸サーボモータ(
図3中符号32で示す。)が内装されている。このX軸サーボモータ32の回転軸には図示しないボールネジがカップリング機構(図示せず)を介して連結されている。上記ボールネジには図示しないボールナットがその回転を規制された状態で螺合されている。上記ボールナットにはスライダ33が固着されている。そして、上記X軸サーボモータ32を駆動することにより上記ボールネジが正転・逆転し、それによって、ボールナット及びスライダ33がX軸方向に往復動する。
尚、二つのX軸アクチュエータ25、25は同じ構成をなしており、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0014】
上記Y
1軸アクチュエータ27は上記二つのX軸アクチュエータ25、25のスライダ33、33に懸架されている。このY
1軸アクチュエータ27も上記X軸アクチュエータ25、25と同様の構成をなしていて、まず、ハウジング35があり、このハウジング35が上記二つのX軸アクチュエータ25、25のスライダ33、33上に設置されている。このハウジング35内にはY
1軸サーボモータ(
図3中符号36で示す。)が内装されている。このY
1軸サーボモータ36の回転軸にはボールネジ(図示せず)が図示しないカップリング機構を介して連結されている。上記ボールネジにはボールナット(図示せず)がその回転を規制された状態で螺合されている。上記ボールナットにはスライダ37が固着されている。そして、上記Y
1軸サーボモータ36を駆動することにより上記ボールネジが正転・逆転し、それによって、ボールナット及びスライダ37がY
1軸方向に往復動する。
【0015】
上記Z軸アクチュエータ29は上記Y
1軸アクチュエータのスライダ37に設置されている。このZ軸アクチュエータ29の場合には、まず、ハウジング39があり、このハウジング39内にはZ軸サーボモータ(
図3中符号40で示す。)が内装されている。このZ軸サーボモータ40の回転軸にはボールネジ(図示せず)が図示しないカップリング機構を介して連結されている。このボールネジにはボールナット(図示せず)がその回転を規制された状態で螺合されている。このボールナットには中空ロッド41が固着されている。そして、上記Z軸サーボモータ40を駆動することにより上記ボールネジが正転・逆転し、それによって、ボールナット及び中空ロッド41がZ軸方向に上下動する。
【0016】
上記Z軸アクチュエータ29のハウジング39にはブラケット43が取り付けられていて、このブラケット43には、ワーク検出手段45が設置されている。このワーク検出手段45は複数個(本実施の形態の場合には4個)のワーク検出センサ47から構成されている。これら複数個のワーク検出センサ47は、例えば、レーザ光を使用したセンサであり、発光部と受光部とから構成されていて、発光部から発せられたレーザ光が対象物に衝突・反射し、その反射光を受光部により受光することにより、対象物までの距離を計測する。
尚、ワーク検出センサ47としては、レーザ光を使用したものに限定されるものではなく、赤外線、超音波、等、様々なタイプのセンサの使用か考えられる。
【0017】
上記ブラケット43には、ワーク姿勢検出手段49が設置されている。このワーク姿勢検出手段49は複数個のワーク姿勢検出センサ51から構成されている。本実施の形態の場合には、4個(
図1ではその内の1個のみ示している。)のワーク姿勢検出センサ51を使用していて、それら4個のワーク姿勢検出センサ51を同一平面上で後述するワーク取出ヘッド57を中心にして相互に直交する4箇所に設置した構成になっている。又、この4個のワーク姿勢検出センサ51も、既に説明したワーク検出センサ47と同様にレーザ光を使用したセンサである。
尚、図中符号53はブラケットであり、符号55は支持体である。
【0018】
上記中空ロッド41には既に説明したワーク取出ヘッド57が取り付けられている。このワーク取出ヘッド57は、電磁石(
図3に符号54で示す。)をオンすることによりワーク7を吸着・保持して取り出し、電磁石54をオフすることにより吸着・保持しているワーク7を落下・排出すものである。又、上記ワーク取出ヘッド57の直上位置には重量センサ56が設置されている。この重量センサ56によって上記ワーク取出ヘッド57により吸着・保持されているワーク7の重量を計測し、吸着・保持されているワーク7が1個であるか2個以上であるかを判別する。
尚、上記重量センサ56としては、例えば、ひずみゲージを使用したタイプのものが考えられる。
又、上記ワーク姿勢検出手段49の近傍にはワーク有無検出センサ58が設置されている。このワーク有無検出センサ58もレーザ光を使用したものであり、上記ワーク取出ヘッド57によりワーク7が吸着・保持されているか否かを検出する。
【0019】
又、
図2に示すように、上記ワーク取出装置21には、取り出されるとともに排出されたワーク7を所定の姿勢で次の工程に移動させるためのワーク搬送機構61が設置されている。このワーク搬送機構61はY
2軸アクチュエータ63を備えている。このY
2軸アクチュエータの場合には、まず、ハウジング65があり、このハウジング65内にはY
2サーボモータ(
図3中符号66で示す。)が内装されている。このY
2サーボモータ66の回転軸にはボールネジ(図示せず)が図示しないカップリング機構を介して連結されている。このボールネジにはボールナット(図示しない)がその回転を規制された状態で螺合されている。このボールナットにはスライダ67が固着されている。そして、上記Y
2サーボモータ66を正転・逆転させることにより、上記ボールナット及びスライダをY
2軸方向に往復動させる。
尚、本実施の形態の場合には、
図2に示すように、上記Y
2軸アクチュエータ63がX軸アクチュエータ25の下方に設置されている。
【0020】
上記スライダ67にはワーク保持部材69(B部)が固着されていて、このワーク保持部材69にはワーク7が「裏」向きの状態(軸13を下に向けた状態)で排出される。
【0021】
上記ハウジング65には反転機構71が設置されていて、この反転機構71にはチャック部73(C部)が取り付けられている。このチャック部73は一対のチャック爪73a、73aを備えていて、これら一対のチャック爪73a、73aは常時は図示しないスプリングによって開いている。又、電磁弁72(
図3に示す)を介してシリンダ74(
図3に示す)を駆動することにより、上記一対のチャック爪73a、73aをスプリングのスプリング力に抗して閉成させ、それによって、ワーク7を「表」向きの状態(軸13を上に向けた状態)で保持する。
上記チャック部73は反転部76に取り付けられていて、この反転部76は図示しない回動中心部を介して上記ハウジング65に対して
図2中紙面に直交する方向に180°回動可能に設置されている。そして、電磁弁76(
図3に示す)を介してシリンダ78(
図3に示す)を駆動することにより、上記反転部76を反転させると、上記チャック部73によって「表」向きの状態で保持されたワーク7は、180°反転されて「裏」向きの状態で上記ワーク保持部材69(B部)に保持されることになる。
【0022】
又、斜めスライド機構75(A部)が設置されている。この斜めスライド機構75は一対の斜めスライドレール77、77を備えていて、
図5(c)、
図8(b)に示すように、「表」向きでもなく「裏」向きでもない中途半端な状態のワーク7を受け入れて、上記一対の斜めスライドレール77、77に沿って上記ワーク保持部材69(B部)方向にスライドさせることにより、「裏」向きに矯正するものである。
【0023】
又、
図5(a)、(b)に示すように、ワーク取出ヘッド57により取り出されたワーク7の水平方向の向きを矯正するための水平向き矯正手段81が設置されている。この水平向き矯正手段81は、矯正用モータ83と、この矯正用モータ83の回転軸83aに取り付けられた可動矯正部材85と、上記矯正用モータ83に固定された固定矯正部材86とから構成されている。そして、上記矯正用モータ83によって上回転軸83aを介して上記可動矯正部材85を回動させる。それによって、可動矯正部材85が上記ワーク7の軸部13に当たり、軸部13を介してワーク7を回動させ、
図5(a)に示すように、軸部13を可動矯正部材85と固定矯正部材86によって挟持するまで矯正する。このようにして、ワーク取出ヘッド57により取り出されたワーク7を旋回させてその水平向きを矯正する、すなわち、
図5(c)に示すように、ワーク7の軸13が同図中右側に指向するような姿勢に矯正するものである。
【0024】
次に、
図3を参照して制御手段91の構成を説明する。
図3に示すように、制御手段91には、ワーク検出手段45、ワーク姿勢検出手段49、ワーク有無検出センサ58、重量センサ56から検出信号が入力されるように構成されている。又、制御手段91からコントローラ93には制御信号が出力されるように構成されており、このコントローラ93は、その制御信号に基づいて、X軸サーボモータ32、Y
1軸サーボモータ36、Z軸サーボモータ40、Y
2軸サーボモータ66を制御する。又、X軸サーボモータ32、Y
1軸サーボモータ36、Z軸サーボモータ40、Y
2軸サーボモータ66の各エンコーダからは上記コントローラ93を介して制御手段91に回転数・回転角度信号等の信号が入力される。
【0025】
又、上記制御手段91からコントローラ95には制御信号が出力されるように構成されており、このコントローラ95はその制御信号に基づいて、ワーク取出ヘッド57の電磁石54のオン・オフを制御する。
【0026】
又、上記制御手段91から電磁弁72、76には制御信号が出力されるように構成されており、それによって、電磁弁72を開閉してシリンダ74を適宜駆動させるとともに、電磁弁76を開閉してシリンダ78を適宜駆動させる。
又、上記制御手段91からコントローラ84にも制御信号が出力され、コントローラ84はその制御信号に基づいて矯正用モータ83を制御する。
【0027】
次に、コンテナ1とワーク7の検出について説明する。
まず、コンテナ1の検出から説明する。
図4(a)に示すように、コンテナ1は常にX軸方向に平行な状態(
図5(a)中実線で示す状態)で設置されているとは限らず、X軸方向に対して傾いた状態(
図5(a)中仮想線で示す状態)で設置されることもある。そこで、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47によってコンテナ1の側壁5、5、5、5の位置を検出する。
これによって、コンテナ1の正確な位置を特定することができ、制御手段91はその情報に基づいて移動手段23を制御し、ワーク取出ヘッド57を、例えば、実位置の長い側壁5に沿って所定ピッチずつずらしながら、実位置の短い側壁5に沿って平行に移動させながら、コンテナ1内を走査して、その高さ情報を取得する。その際、ワーク取出ヘッド57は、実際のコンテナ1の側壁5、5、5、5の位置に沿って移動されることになるので、側壁5、5、5、5に干渉することもなく、且つ、無駄な動きもない。
【0028】
次に、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47の距離にリミットを設定する点について説明する。すなわち、
図4(b)に示すように、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47のコンテナ1の底壁3の内底面からの高さは、例えば、1000mmに設定されている。その高さから、例えば、20mmを減算した980mmをリミットとして設定する。これによって、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47の検出距離が980mmになった場合には、「ワークなし」と判別することになる。
尚、上記20mmは、ワーク7が横たわっている最低高さを目安に設定されている。この実施の形態の場合にはその最低高さは20mmより大きな値であり、よって、20mmに設定しておけば、1個のワーク7が横たわっているような場合も検出するこができる。
【0029】
次に、ワーク7の検出について説明する。既に説明したように、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47によってコンテナ1内を走査することによりコンテナ1内の高さを計測する。制御手段91はその検出信号に基づいてコンテナ1内の最高位に位置するワーク7を特定する。そして、この最高位にあるワーク7をワーク取出ヘッド57によって取り出して所定の場所に落下・排出する。
因みに、所定の場所というのは、
図2に示す傾斜スライド機構75の位置(A部)、ワーク保持部材69の位置(B部)、ワーク保持部材73の位置(C部)、の何れかである。
尚、傾斜スライド機構75の位置(A部)、ワーク保持部材73の位置(C部)に落下・排出されたワークは、その姿勢を矯正された状態でワーク保持部材69の位置(B部)に移送され、そこから、ワーク搬送機構61により所定場所に搬送されることになる。
【0030】
次に、ワーク取出ヘッド57によってワーク7を取り出した状態でその姿勢を検出する構成を説明する。例えば、
図6(a)に示すように、ワーク7が「表」の状態(軸13が上でボス11が下に向いた状態)で取り出されている場合から説明する。まず、複数個のワーク姿勢検出センサ51によって、ワーク7までの距離X
1、X
2、〜X
nを計測する。次に、それら距離X
1、X
2、〜X
nの和が予め設定されている設定値αより大きいか否かを判別する。
そして、次の式(I)に示すように、距離X
1、X
2、〜X
nの和が予め設定されている設定値αより大きい場合に「表」であると判別する。
X
1+X
2+---+X
n>α―――(I)
因みに、本実施の形態の場合には、4個のワーク姿勢検出センサ51を使用しているので、(X
1+X
2+X
3+X
4)と設定値αを比較することになる。
【0031】
次に、
図6(b)に示すように、ワーク7が「裏」の状態(軸13が下でボス11が上に向いた状態)で吸着・保持されている場合について説明する。この場合には、次の式(II)に示すように、距離X
1、X
2、〜X
nの和が予め設定されている設定値αより小さくなる。
X
1+X
2+---+X
n<α―――(II)
それによって、ワーク7が「裏」の状態(軸13が下でボス11が上に向いた状態)で吸着・保持されていると判別する。
【0032】
これは、
図7(a)、(b)に示すように、ワーク7が若干傾斜した状態でワーク保持ヘッド57に吸着・保持されている場合も同様である。
すなわち、
図7(a)に示す場合には、次の式(III)に示すように、距離X
1、X
2、〜X
nの和が予め設定されている設定値αより大きくなり、それによって、「表」であると判別する。
X
1+X
2+---+X
n>α―――(III)
【0033】
これに対して、
図7(b)に示す場合には、次の式(IV)に示すように、距離X
1、X
2、〜X
nの和が予め設定されている設定値αより小さくなり、それによって、「裏」であると判別する。
X
1+X
2+---+X
n<α―――(IV)
【0034】
そして、ワーク7が「表」の状態にあると判別された場合には、ワーク保持部材73の位置(C部)に落下・排出される。これに対して、ワーク7が「裏」の状態にあると判別された場合には、ワーク保持部材69の位置(B部)に落下・排出されることになる。ワーク保持部材73に落下・排出されたワーク7はその後180°反転されて上記ワーク保持部69に移送されることになる。
【0035】
次に、
図8(a)、(b)を参照して、ワーク7が「表」でも「裏」でもない状態でワーク取出ヘッド57に吸着・保持されている場合について説明する。
図8(a)に示すように、ワーク7はフランジ9を介してワーク取出ヘッド57に吸着・保持されており、この場合には、ワーク7は「表」でも「裏」でもない状態にある。
【0036】
この状態で、複数個のワーク姿勢検出センサ51によってその距離を測定すると、少なくとも、1個のワーク姿勢検出センサ51はレーザ光がワーク7に衝突することなく素通りしてしまい「オフ」の状態となる。
そこで、複数個のワーク姿勢検出センサ51の中に、「オフ」状態のものが、少なくとも1個存在するか否かを判別し、少なくとも1個存在する場合には、ワーク7が「表」でも「裏」でもない状態で保持されていると判別する。
【0037】
そして、ワーク7が「表」でも「裏」でもない状態で保持されていると判別された場合には、斜めスライド機構75の位置(A部)上に落下・排出されることになる。排出されたワーク7は斜めスライド機構75に沿ってスライドしていく過程で「裏」状態に移行していき、ワーク保持部材69の位置(B部)に落下・排出されることになる。
【0038】
以上の構成を基に、
図9のフローチャートを参照して、その作用を説明する。
まず、ステップS1において、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47に検出距離のリミットの入力を確認する。この実施の形態の場合には
図1に示すように980mmである。次に、ステップS2に移行して、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47によって、コンテナ1の側壁5、5、5、5の位置及び高さの測定を実行させる。
【0039】
次に、ステップS3に移行して、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47によって、コンテナ1内における高さ測定を実行させる。そして、制御手段91はその情報に基づいて最高位にあるワーク7を特定する。次に、ステップS4に移行して、制御手段91は移動手段23を駆動してワーク取出ヘッド57によって、その最高位にあるワーク7を吸着・保持して取り出させる。
【0040】
次に、ステップS5に移行して、重量センサ56の検出信号に基づいて、ワーク取出ヘッド57によって吸着・保持されているワーク7が1個か否かを判別する。ワーク取出ヘッド57によって吸着・保持されているワーク7が1個であると判別された場合には、ステップS6に移行する。これに対して、ワーク取出ヘッド57によって吸着・保持されているワーク7が1個ではないと判別された場合には、ワーク7の吸着・保持を解除した後、ステップS3に戻る。
【0041】
ステップS6においては、ワーク有無検出センサ58からの信号に基づいてワーク7の有無を判別する。ここで、ワーク7があると判別された場合には、ステップS7に移行する。これに対して、ワーク7がないと判別された場合には、ステップS3に戻る。
【0042】
ステップS7では、ワーク姿勢検出手段49の複数個のワーク姿勢検出センサ51にセンシングを実行させ、それら複数個のワーク姿勢検出センサ51からの検出信号に基づいて、ワーク取出ヘッド57によって吸着・保持されているワーク7の姿勢が「表」であるか否かが判別される。ここで、「表」であると判別された場合には、ステップS8に移行する。このステップS8では、移動手段2を制御して、ワーク取出ヘッド57をワーク保持部材73の直上位置(C部)に移動させ、その吸着・保持を解除させる。それによって、ワーク7はワーク保持部材73内に落下・排出される。
【0043】
次に、ステップS9に移行して、ワーク7をチャック部73によって挟持させる。次に、ステップS10に移行して180°反転させ、チャック部73内のワーク7をワーク保持部材69内(B部)に移送させる。次に、ステップ11に移行して、Y
2軸アクチュエータ61を駆動させスライダ67をY
2軸方向に移動させ、ワーク7を所定場所まで搬送させる。
【0044】
一方、ステップS7において、「表」ではないと判別された場合には、ステップS12に移行する。このステップS12では、ワーク取出ヘッド57によって吸着・保持されているワーク7の姿勢が「裏」であるか否かが判別される。ここで、「裏」であると判別された場合には、ステップS13に移行する。このステップS13では、移動手段23を制御して、ワーク取出ヘッド57をワーク保持部材69の直上位置(B部)に移動させ、その吸着・保持を解除させる。それによって、ワーク7はワーク保持部材69内に落下・排出される。後は、既に説明したステップS11の処理が行われる。
【0045】
ステップS12において、「裏」ではないと判別された場合には、ステップS14に移行する。このステップS14ではワーク7の水平方向の矯正を実行させる。そして、ステップS15に移行する。このステップS15では、移動手段23を制御して、ワーク取出ヘッド57を斜めスライド機構75の直上位置(A部)に移動させ、その吸着・保持を解除させる。それによって、ワーク7は斜めスライド機構75内に落下・排出される。排出されたワーク7は斜めスライド機構75に沿ってスライドしていく過程で「裏」向きとなり、ワーク保持部材69(B部)内に投入される。後は、既に説明したステップS11が実行される。
【0046】
そして、ステップS16に移行して、コンテナ1内のワーク7の有無が判別される。ワーク7が有ると判別された場合にはステップS3に戻り同様の処理が繰り返される。これに対して、ワーク7が無いと判別された場合には終了となる。
【0047】
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、次に取り出すワーク7を特定するための構成を簡略化させることができ、且つ、コストの低減を図ることができる。これは、カメラ及びセンサを組み合わせた構成ではなく、レーザ光を使用したセンサのみから構成するようにしたからである。
又、ワーク取出ヘッド57から落下・排出されたワーク7の姿勢を所定の姿勢に確実に矯正することができる。すなわち、全てのワーク7が最終的には「裏」の状態に矯正されてワーク保持部材69に保持されることになり、それをY
2軸アクチュエータ61によって所定の場所に搬送するようにしているので、その後の処理を効率良く行うことができる。
又、姿勢を矯正するための構成も簡単であり、且つ、高い精度でその姿勢を検出することができる。
又、重量センサ56によって2個以上のワーク7が吸着・保持されている場合を排除しているので、2個以上のワーク7が落下・排出されるという誤動作を防止することができる。
又、ワーク有無検出センサ58によってワーク7の有無を検出しているので、ワーク7が無い場合のそれ以降の無駄な動作をなくすことができる。
又、ワーク検出手段45の複数個のワーク検出センサ47によって、コンテナ1の外筐の位置を検出し、その情報に基づいて移動手段23を制御するようにしているので、ワーク保持ヘッド57とコンテナ1の外筐との干渉を防止しながら、移動手段23を高効率で制御することができる。
【0048】
次に、
図10を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態の場合とは異なる形状のワーク7′を取り扱っている。すなわち、ワーク7′は、フランジ9とボス11のみのから構成されている。
【0049】
この場合、ワーク保持ヘッド57によって、ワーク7を「表」向き或いは「裏」向きで吸着・保持した場合には問題ないが、
図10(a)に示すように、「表」でも「裏」でもない中途半端な状態で保持された場合には、ワーク7が不安定な状態になり、吸着・保持された状態でふらつくことが予想される。
そこで、
図10(b)、
図10(c)に示すように、別途、押当部91を設け、ワーク7をこの押当部91の押当面91aに押し当てる。それによって、ワーク7を安定した状態とする。
その状態で、例えば、1個のワーク姿勢検出センサ51によってワーク7までの距離(X)を測定し、その大小によって、ワーク7が
図10(b)に示すような状態で吸着・保持されているのか、
図10(c)に示すような状態で吸着・保持されているのか、を判別するようにしている。
それによって、落下・排出する場所を選択するものである。
尚、「表」でも「裏」でもない中途半端な状態で保持されていることについては、
図10(a)に示すように、少なくとも、1個のワーク姿勢検出センサ51からのレーザ光がワーク7に衝突することなく素通りしてしまい「オフ」の状態となることにより検出する。
【0050】
よって、前記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、吸着・保持されているワーク7の姿勢が不安定な場合においても、その姿勢を精度良く検出して落下・排出場所を決定することができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。前記第1、第2の実施の形態の場合には、コンテナ5内の最高位のワーク7を特定する作業を繰り返し行って、次に取り出すワーク7を決定していたが、コンテナ5内のワーク7の量がある程度減少した場合には、そのような最高位のワーク7を特定する作業を行うことなく、端から順次取り出す制御に切り替えてもよい。この場合にはワーク検出手段47よりワーク7を検出した時点で、その場所にワーク取出ヘッド56を移動させて順次取り出していくことになる。
例えば、コンテナ5内のワーク7の量が、ワーク7の高さで2個分程度の高さになった時点で制御を切り替える。そして、ワーク検出手段47によってコンテナ5内を順次走査していき、ある場所でワーク7を検出した場合には順次取り出していく。その場所で複数個のワークを検出した場合にはそれらを全て取り出し次の場所に移動する。以下、同様の作業を繰り返すことによりコンテナ5内に残っているワーク7を全て取り出すものである。
それによって、最高位のワーク7を特定するための計測作業、判別処理が不要となり、その分、作業時間の短縮を図ることかできる。
【0052】
尚、本発明は前記第1〜第3の実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記第1〜第3の実施の形態では、ワーク検出手段を4個のワーク検出センサによって構成したがそれに限定されるものではなく、1個、2個、3個、5個以上であってもよい。
同様に、ワーク姿勢検出手段についても4個のワーク姿勢検出センサにより構成したがその個数を特に限定するものではない。
又、センサの方式としては、レーザーセンサに限定されるものではなく、赤外線センサ、超音波センサ、磁気式センサ、等、様々な方式のものが考えられる。
又、重量センサについても公知のあらゆるタイプのセンサの使用が可能である。
又、ワークの種類、形状、大きさ、等を特に限定するものではない。
又、前記第1〜第3の実施の形態の場合は、ワークを1個ずつ取り出す場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、一度に2個以上のワークを同時に取り出すような場合もある。
又、各駆動部の構成は図示したものに限定されず、モータ駆動、エアーシリンダ駆動、油圧シリンダ駆動、等、様々な構成が考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。