【解決手段】A剤とB剤からなる2剤型塗膜剥離剤組成物であって、A剤が水溶性塗膜剥離剤を含有し、B剤が加水発熱剤を含有し、混合時の発熱効果を利用する剥離剤組成物。加水発熱剤が粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムを質量比でCaO:Al=60:40〜90:10で含有し、A剤の粘度が25℃で1000〜100000cPである2剤型剥離剤組成物。
粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムが質量比でCaO:Al=60:40〜90:10であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の2剤型塗膜剥離剤組成物。
水溶性塗膜剥離剤を含有し粘度が25℃において1,000〜100,000cPであるA剤と、加水発熱剤を含有するB剤とを混合して調製した塗膜剥離剤組成物を塗膜に付着させる工程を含む塗膜の剥離方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術においては次に示すような課題があった。
(1)塩化メチレンは塩素系の溶剤で、環境中に蓄積しやすく、環境への影響が大きい物質である。2014年11月1日の特定化学物質障害予防規則(特化則)の改正に伴い、塩化メチレンを含有する剥離剤の使用に関して作業環境測定(30年保存)と特化物健康診断(30年間保存)が必要となり、実使用が困難となった。現在上市されている塩化メチレンを含有の剥離剤はすべて溶剤系剥離剤であるため、環境対応型である水系の剥離剤の開発が望まれていた。
(2)塗り替えが必要となってきた鋼道路橋の塗料には有害物質として鉛やPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むものが多く、作業者への健康面の配慮から、塗膜除去工法の主流であるブラスト作業の施行が制限されている(「鉛等有害物を含有する塗膜の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について」)。そのため、騒音がなく、また、粉体汚染のない化学的処理方法が望まれていた。
(3)非塩素系の塗膜剥離剤は、冬場の環境下では剥離性能が著しく低下するため、低温環境でも剥離性を発揮できる剥離剤の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は上記(1)〜(3)に鑑み、大掛かりな加温槽、ヒーターなどの加温装置を必要とせず、大きな塗装物や低温時の屋外での作業においても剥離性を発揮することができる非塩素系の塗膜剥離剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題に対し、水溶性塗膜剥離剤と加水発熱剤からなる塗膜剥離剤組成物によれば、混合時の発熱効果を利用して低温および常温環境下で塗膜を除去できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、以下の態様の塗膜剥離剤組成物および塗膜の剥離方法を提供する。
項1. A剤とB剤からなる2剤型塗膜剥離剤組成物であって、A剤が水溶性塗膜剥離剤を含有し、B剤が加水発熱剤を含有する2剤型塗膜剥離剤組成物。
項2. 加水発熱剤が粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムとを含有する項1に記載の2剤型塗膜剥離剤組成物。
項3. A剤の粘度が25℃において1,000〜100,000cPである項1又は2に記載の2剤型塗膜剥離剤組成物。
項4. A剤が増粘剤を含有する項1〜3のいずれか一項に記載の2剤型塗料剥離剤組成物。
項5. 粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムが質量比でCaO:Al=60:40〜90:10であることを特徴とする項2〜4のいずれか一項に記載の2剤型塗膜剥離剤組成物。
項6. 粉体アルミニウムの粒子径が平均15μm〜300μmであることを特徴とする項2〜5のいずれか一項に記載の2剤型塗膜剥離剤組成物。
項7. 水溶性塗膜剥離剤を含有し粘度が25℃において1,000〜100,000cPであるA剤と、加水発熱剤を含有するB剤とを混合して調製した塗膜剥離剤組成物を塗膜に付着させる工程を含む塗膜の剥離方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の塗膜剥離剤組成物は塗膜剥離剤中の水と加水発熱剤が反応することにより自己発熱するため、大掛かりな加温槽、ヒーターなどの加温装置を必要とせず、大きな塗装物や低温時の屋外での作業においても剥離性を発揮することができる。また、本発明の塗膜剥離剤組成物は非塩素系であり有害な気体を生じないため、現場作業者に対しての安全性を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の詳細を実施形態に基づいてさらに詳しく説明する。
【0010】
A剤
A剤は、非塩素系成分から構成され、塗膜剥離剤主剤、可溶化剤、増粘剤および水を含有する。
【0011】
主剤としては、高沸点溶剤を使用することができ、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、グリコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤などを挙げることができる。
【0012】
アルコール系溶剤として具体的には、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシフェネチルアルコール等の芳香族アルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロパギルアルコールなどが挙げられる。アミド系溶剤として具体的にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。グリコール系溶剤として具体的にはエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのアルキレングリコールフェニルエーテルが挙げられる。ケトン系溶剤として具体的にはγ-ブチロラクトン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、プロピレンカーボネートが挙げられる。エステル系溶剤として具体的には酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。主剤として好ましくは、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤である。特にベンジルアルコールを好ましく用いることができる。
【0013】
主剤の含有量はA剤全量を100質量%とした場合、30〜80質量%であり、好ましくは50〜70質量%である。主剤が30質量%以下であると剥離性が著しく低下し、80質量%以上であると液安定性が低下する。
【0014】
可溶化剤としては、スルホン酸塩、アルカノールアミン、ケトン化合物が挙げられる。スルホン酸塩としては、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、m-トルエンスルホン酸ナトリウム、o-トルエンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。ケトン化合物としてはγ-ブチロラクトン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。可溶化剤として好ましくはスルホン酸塩またはケトン化合物であり、より好ましくはp-トルエンスルホン酸ナトリウム、m-トルエンスルホン酸ナトリウム、γ-ブチロラクトンである。
【0015】
可溶化剤の含有量はA剤全量を100質量%とした場合、5〜30質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。5質量%以下であると水と主剤を均一化できず、30質量%以上になると剥離性が低下し、液安定性も低下する。
【0016】
増粘剤としては、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガムなどのガム類、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのアルキルセルロースなどの有機増粘剤及びシリカや珪藻土などの無機系増粘剤を挙げることができる。
【0017】
増粘剤の含有量はA剤全量を100質量%とした場合、1〜10質量%であり、好ましくは2〜5質量%である。
【0018】
主剤、可溶化剤、増粘剤はそれぞれ1種のみを使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
A剤の粘度は25℃において1,000〜100,000cP、好ましくは2,000〜50,000cP、より好ましくは、5,000〜20,000cPである。粘度が低すぎると剥離対象物に塗布した際に液だれし、剥離性の性能低下と作業環境の悪化を引き起こす。また、粘度が高すぎると塗布が困難になり、作業性を著しく低下させる。粘度はB型粘度計での測定値である。増粘剤は、A剤の粘度がこの範囲となるよう必要量を添加する。
【0020】
水の含有量はA剤全量を100質量%とした場合、10〜40質量%であり、好ましくは20〜30質量%である。10質量%以下であると引火点を生じるため好ましくない。40質量%以上であると剥離性が低下し、液安定性も悪くなる。
【0021】
本発明のA剤には、上記以外に塗膜剥離剤を酸性またはアルカリ性にするためのpH調整剤(酸性の場合には脂肪酸、リン酸など、アルカリ性の場合には苛性ソーダ、苛性カリなどを添加)、防腐剤、キレート剤などを適宜加えてもよい。
【0022】
B剤
B剤は加水発熱剤を含有し、水と反応して発熱する。加水発熱剤としては、粉末酸化カルシウム、粉末酸化カルシウムと粉末アルミニウムの混合物、等を挙げることができる。
【0023】
酸化カルシウムおよびアルミニウムと水との反応、およびその際に発生する熱量を以下に示す。
CaO+H
2O=Ca(OH)
2+15.2Kcal・・・(I)
発熱量をグラム当たりに換算すると、CaOの分子量は56.08であるので、271cal/g
2Al+3Ca(OH)
2=3CaO・Al
2O
3+3H
2↑+47Kcal・・・(II)
Alの分子量は13であるので、3615Kcal/g
【0024】
アルミニウム単体では100℃以上の高温にしない限り、水と反応しないため、CaO(生石灰)とH
2O(水)との反応が、初めに必要となる。このため、AlはCaOと組み合わせて使用する。CaOとAlを組み合わせるとより大きな熱量が得られる。
【0025】
上記反応において、Al(粉体アルミニウム)は、CaO(生石灰)とH
2O(水)との反応によって生じたCa(OH)
2(水酸化カルシウム)との反応により発熱する。 Ca(OH)
2(水酸化カルシウム)は、Al(粉体アルミニウム)を100℃以下の温度で反応させるための反応開始剤、あるいは一種の触媒として機能する。
【0026】
酸化カルシウム・アルミニウムは混合物の市販品を使用してもいが、粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムそれぞれの市販品を混合して調製することができる。粉体酸化カルシウムはキシダ化学(株)から入手することができ、粉体アルミニウムはミナルコ(株)、大和金属粉工業(株)等から入手することができる。
【0027】
粉体酸化カルシウムおよび粉体アルミニウムの粒度としてはいかなる粒度のもの使用することができるが、いずれも粒子径が平均で15μm〜300μmであることが好ましい。この粒子径以上では水と接する面積が少なくなるため、水を加えた際の水和反応が遅れ、発熱が遅くなる。
【0028】
粉体酸化カルシウムと粉体アルミニウムは質量比でCaO:Al=60:40〜90:10の範囲で使用することが好ましく、好ましくは75:25〜85:15である。
【0029】
B剤は前記発熱主剤のほか、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを発熱助剤として含有していてもよい。
【0030】
B剤は混合した発熱剤をそのまま(粉体の形態)使用してもよいが、B剤を含むシート状成形体を作製して使用することもできる。
【0031】
B剤は、多湿雰囲気など水と反応する条件下での保管を避け、使用時以外は密封できる容器に入れて保管する。
【0032】
2剤型塗膜剥離剤組成物および塗膜剥離方法
本発明の2剤型塗膜剥離剤組成物は使用直前にA剤とB剤とを混合または接触して使用する。A剤に含まれる水と、B剤に含まれる酸化カルシウムおよびアルミニウムとの反応で剥離剤組成物自体が発熱し、装置によらずに加温した条件下で塗膜剥離を行うことが可能となる。
【0033】
本発明の塗膜剥離剤組成物の調整方法としてはA剤(水溶性塗料剥離剤)と粉体のB剤(加水発熱剤)とを混合して、均一となるように撹拌する。A剤とB剤のどちらを先に投入してもよいが、A剤、B剤の順とすることが好ましい。
【0034】
A剤とB剤との比率はA剤中の水の含有量やB剤中の粉体酸化カルシウム、粉体アルミニウムの比率等によって適宜調整すればよいが、通常質量比でA剤:B剤が60:40〜90:10の範囲で使用する。A剤に含まれる水とB剤(CaOとAlの混合物)の質量比 H
2O:B剤は45:55〜70:30となるように調整することが好ましい。B剤が多くなりすぎると、塗膜剥離剤組成物が十分に発熱せず、塗布も困難となる。
【0035】
本発明の塗膜剥離剤組成物は、A剤とB剤とを混合した後、塗膜物に塗布もしくはスプレー散布することにより、塗膜物に付着させて使用する。その後、一定時間放置した後、スクレーパーやふき取りなどで除去して塗膜剥離剤組成物および塗膜廃棄物を回収する。
本発明の塗膜剥離剤組成物によると、塗布によりウェット状態となった塗膜物表面を軽く拭き取るのみで塗膜を飛散なく回収することができる。
【0036】
A剤とB剤の混合後、本発明の塗膜剥離剤組成物は昇温し始める。本発明の塗膜剥離剤組成物が高粘度である場合は温度コントロールが容易であるが、混合後ただちにあるいは発熱がピークに達する前に塗装物へ塗布して使用するとよい。
【0037】
B剤がシート状成形体である場合は、塗膜物表面にA剤を塗布した後、シート状のB剤を貼りつける。シート状のB剤がA剤に含まれる水を吸収し、発熱し始める。一定時間静置後、シートを回収する。
【0038】
本発明の剥離剤組成物は塗装物に対し100〜1000g/m
2程度を塗布して使用する。処理時間は、通常1〜24時間である。塗料の種類や膜厚等によって剥離剤組成物の塗布量や処理時間を適宜調整すればよい。本発明の剥離剤組成物は自己発熱するため、加熱装置等を用いて加熱をしなくてもよい。
【0039】
本発明の塗膜剥離剤組成物の適用対象とする塗装物は、一般的に自動車塗装、工場床塗装、塗装治具である。塗料の種類は詳しくは、エポキシ樹脂塗料、ウレタン系塗料、ラッカー系塗料、フタル酸系塗料である。また、塗料底面の基材の材質としては、例えば、鉄鋼材料、ステンレス材料、鋳鉄、銅および銅合金などである。本発明は、これら塗料底面の基材に対して腐食などの影響を与えることなく対象塗料を剥離できる。
【0040】
本発明は以下のような、実使用上、加温槽の導入が困難な場合に有効である。例えば、コストが掛かるため加温槽が設置できない場合や大きな塗装物のため加温槽に入れることができない場合、加温剥離後の塗装残り部分的に対し、再度、塗装剥離を加温なしで行う場合、さらに、鋼道路橋、建造物、新幹線、航空機などの大きな塗膜物であり温槽の活用やヒーターでの加温など設備での対応が困難な場合を挙げることができる。
【実施例】
【0041】
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
[剥離剤組成物の発熱試験]
水、ベンジルアルコール(主剤)、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(可溶化剤)、およびメチルセルロース(増粘剤)を混合してA剤(P1、P2)を調整した。組成を表1に示した。調整後のA剤の温度は20℃〜25℃であった。
CaO[キシダ化学(株)製 平均粒子径75μm;純度>95%]とAl[ミナルコ(株)製 #350F(平均粒度15μm)または#300A(平均粒度25μm)または#260S(平均粒度45μm)]を混合してB剤を調整した。B剤の組成を表2に示した。
室温下、A剤にB剤を添加し撹拌することにより剥離剤組成物を調製した。混合後、剥離剤組成物の最高発熱温度とその到達時間、および温度が30℃に低下するまでの時間を測定した。結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
[塗装剥離試験]
表2記載の割合で剥離剤組成物それぞれ150gをビーカーに調整した。
混合直後の剥離剤組成物に以下の4種類の試験片を浸漬させ、所定時間経過後、試験片表面を市販の綿棒で軽く擦り、物理力を加えることで塗膜が除去できるかを試験した。評価基準は以下のとおりとした。
◎:塗膜が容易に除去できた
○:塗膜が除去できた
×:塗膜が除去できなかった
塗膜物1(自動車部品塗装用塗料):
自動車部品塗装用塗料(白色塗料OP-30-P 日本ペイント株式会社製)が焼き付け温度140℃(30分)、塗装回数が1回(膜厚50μm)で塗装されている冷間圧延鋼板(SPCC-SD)平板(70mm×50mm×0.8mm)を試験片とした。試験片を剥離剤組成物に浸漬した後室温で30分静置し、塗膜が除去できるかを確認した。
塗装物2(建造物塗装用超厚膜形エポキシ樹脂塗料下塗):
主剤がエポキシ樹脂(エポニックH)、硬化剤が変性脂肪族ポリアミンの塗料が乾燥温度30℃(24時間)、塗装回数が1回(膜厚300μm)で塗装されている パワーツール処理:ISO-St3(SSPC-Pt3)平板(70mm×50mm×0.8mm)を試験片とした。試験片を剥離剤組成物に浸漬した後室温で10時間静置し、塗膜が除去できるかを確認した。
塗装物3(自動車部品塗装用電着塗料):
カチオン系電着塗料(サクセード80V デュポン神東・オートモーティブ・システムズ(株)製)が、焼き付け温度165℃(20分)、塗装回数が1回(膜厚15〜20μm)で塗装されているリン酸亜鉛皮膜処理冷間圧延鋼板(SPCC-SD)平板(70mm×50mm×0.8mm)を試験片とした。試験片を剥離剤組成物に浸漬した後室温で5時間静置し、塗膜が除去できるかを確認した。
塗装物4(橋梁用塗料の下地塗装):
橋梁用塗料の下地として塗布された鉛丹塗料の破片(現場採取品、5mm×5mm×2mm程度)を試験片とした。試験片を剥離剤組成物に浸漬した後室温で2時間静置し、塗膜が溶解するかを確認した。
【0045】
表2より、本発明の剥離剤組成物は発熱効果により、各種塗膜に対して優れた剥離性を有することが分かる。A剤のみの場合、またはB剤がAl(粉体アルミニウム)のみの場合は発熱が小さく塗膜が剥離しなかった。また、A剤の粘度が高い場合は、粘度が低い場合と比較して発熱後の温度上昇が緩やかで上昇後低下しにくく、剥離剤組成物の塗布が容易であった。
【0046】
【表2】