【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成27年9月30日、http://www.paygent.co.jp/news_release/2015/150930.html 平成27年9月30日、https://maneco.paygent.co.jp/
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るシステムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える。当該一又は複数のプロセッサは、所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、特定の販売者により仮想店舗を介して販売される第1商品の決済に関する第1決済情報、及び、前記特定の販売者により実店舗において販売される第2商品の決済に関する第2決済情報を取得し、前記第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報及び前記第2決済情報に基づいて生成される第2販売情報を前記特定の販売者を識別する販売者IDと対応付けて前記一又は複数のストレージに記憶する、ように構成される。
前記一又は複数のプロセッサは、前記所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、前記第1販売情報及び前記第2販売情報に基づいて生成される販売管理情報を前記特定の販売者に提供するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム。
前記一又は複数のプロセッサは、前記所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、前記第1商品及び前記第2商品をいずれも購入した消費者に対して報奨を付与するように構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、仮想店舗に対する決済代行サービスと実店舗に対する決済代行サービスとは別個に構築されたシステムにより個別に提供されている。したがって、販売者が仮想店舗及び実店舗の両方で商品を販売している場合に、仮想店舗で販売される商品の販売情報と実店舗で販売される商品の販売情報とを統合的に管理できないという問題がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、仮想店舗で販売される商品の販売情報と実店舗で販売される商品の販売情報とを統合的に管理することができるシステムを提供することである。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える。当該一又は複数のプロセッサは、所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、特定の販売者により仮想店舗を介して販売される第1商品の決済に関する第1決済情報、及び、前記特定の販売者により実店舗において販売される第2商品の決済に関する第2決済情報を取得し、前記第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報及び前記第2決済情報に基づいて生成される第2販売情報を前記特定の販売者を識別する販売者IDと対応付けて前記一又は複数のストレージに記憶する、ように構成される。
【0007】
当該実施形態によれば、当該特定の販売者が仮想店舗及び実店舗において商品を販売する場合に、当該仮想店舗において販売される第1商品の販売情報及び当該実店舗において販売される第2商品の販売情報をいずれも当該特定の販売者を識別する販売者IDと対応付けて記憶することができる。これにより、商品が仮想店舗と実店舗のいずれで販売されたかによらず、販売された商品の販売情報は、その商品を販売する販売者の販売者IDと対応付けて管理される。このように、上述した実施形態によれば、仮想店舗において販売される商品の販売情報と実店舗において販売される商品の販売情報とを統合的に管理することができる。
【0008】
本出願における「商品」には、文脈上他の意味に解される場合を除き、サービス又は役務等の無形の財も含み、また、「商品の販売」又は「商品の取引」には、このような無形の財の提供や取引も含まれる。また、商品の「販売者」というときには、サービスや役務等の無形の財を提供するサービス提供者も含まれる。本出願において、「第1商品」及び「第2商品」という用語は、所定の商品が販売されるチャネルを識別するために用いられており、「第1商品」と「第2商品」とで商品の種類が異なることまで含意するものではない。「第1商品」及び「第2商品」は、それぞれに別個の商品コードが割り当てられた別個の商品であってもよいし、それぞれに同じ商品コードが割り当てられた同じ商品であってもよい。例えば、同じTシャツが仮想店舗と実店舗の両方で販売されるときには、仮想店舗で販売される当該Tシャツは第1商品と呼ばれ、実店舗で販売される同じTシャツは第2商品と呼ばれることになる。
【0009】
商品が実店舗において販売される場合には、決済処理端末により購入者が決済に使用するクレジットカードのカード情報(例えば、カード番号、有効期限、カード名義)が取得される。この決済処理端末は、クレジットカードの磁気テープやICチップに記録されているカード情報を読み取ることができる情報処理端末である。
【0010】
本発明の一実施形態に係るシステムは、前記第1販売情報及び前記第2販売情報に基づいて生成される販売管理情報を前記特定の販売者に提供するように構成される。これにより、当該特定の販売者は、仮想店舗において販売した第1商品に関する第1販売情報及び実店舗において販売した第2商品に関する第2販売情報に基づいて生成された販売管理情報を取得することができる。これにより、仮想店舗及び実店舗の2つのチャネルで販売した商品の販売管理情報を単一のシステムで利用することができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係るシステムは、前記第1商品及び前記第2商品をいずれも購入した消費者に対して報奨を付与するように構成される。当該実施形態によれば、実店舗又は仮想店舗のいずれか一方のチャネルで商品を購入した消費者に対して、他方のチャネルでも商品を購入するよう促すことができる。
【0012】
本発明の一実施形態において前記第1商品及び前記第2商品の少なくとも一方は継続的に課金が発生する商品である。このような継続的に課金が発生する商品としては、例えば、住宅の貸与、スポーツジムの提供、及び英会話スクールでの授業の提供といった継続的に便益が提供される役務が含まれる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る方法は、一又は複数のプロセッサが所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実現される方法である。本発明の一実施形態に係る方法は、特定の販売者により仮想店舗を介して販売される第1商品の決済に関する第1決済情報、及び、前記特定の販売者により実店舗において販売される第2商品の決済に関する第2決済情報を取得する工程と、前記第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報及び前記第2決済情報に基づいて生成される第2販売情報を前記特定の販売者を識別する販売者IDと対応付けて前記一又は複数のストレージに記憶する工程と、を備える。
【0014】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、一又は複数のプロセッサに実行されることにより、前記一又は複数のプロセッサに、特定の販売者により仮想店舗を介して販売される第1商品の決済に関する第1決済情報、及び、前記特定の販売者により実店舗において販売される第2商品の決済に関する第2決済情報を取得する工程と、前記第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報及び前記第2決済情報に基づいて生成される第2販売情報を前記特定の販売者を識別する販売者IDと対応付けて記憶する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明の一実施形態によれば、仮想店舗で販売される商品の販売情報と実店舗で販売される商品の販売情報とを統合的に管理することができるシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムを概略的に示すブロック図である。当該システムは、仮想店舗で販売される商品の販売情報と実店舗で販売される商品の販売情報とを統合的に管理するためのシステムである。
図1のシステムは、決済センターサーバ10と、ユーザ端末30と、仮想店舗システム40と、実店舗システム50と、決済会社システム70と、を備える。これらの装置及びシステムは、ネットワーク20又は決済ネットワーク60を介して相互に通信可能に接続されている。
図1においては、説明を簡潔にするために、ユーザ端末30、仮想店舗システム40、実店舗システム50、及び決済会社システム70がそれぞれ1つのみ図示されているが、これらの装置及びシステムは、必要に応じて、実際の消費者、実店舗、仮想店舗、及びカード会社の数に応じた数だけ存在することができる。以下、
図1のシステムの各構成要素の構成及び機能について説明する。
【0019】
決済センターサーバ10は、仮想店舗システム40及び実店舗システム50とネットワーク20を介して通信可能に接続されており、また、決済会社システム70と決済ネットワーク60を介して通信可能に接続されている。決済センターサーバ10は、後述するように仮想店舗システム40から第1決済情報を取得するとともに、実店舗システム50から第2決済情報を取得することができ、これらの決済情報に基づいて、決済会社システム70と協働して信用照会処理を行うように構成される。また、決済センターサーバ10は、仮想店舗システム40からの第1決済情報及び実店舗システム50からの第2決済情報に基づいて、仮想店舗において販売される商品及び実店舗において販売される商品の販売情報を統合的に管理するように構成される。決済センターサーバ10の詳細については後述する。
【0020】
ユーザ端末30は、ユーザ(消費者)がオンラインで商品を購入するために用いる情報処理装置である。ユーザは、例えば、予め所定の与信枠が与えられたクレジットカードの会員である。したがって、このユーザは、仮想店舗及び実店舗において、その与信枠の範囲内で、当該クレジットカードを用いて購入する商品の決済を行うことができる。ユーザ端末30は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、及びこれら以外の各種情報処理装置である。
【0021】
仮想店舗システム40は、ネットワーク20を介してユーザ端末30及び決済センターサーバ10と通信可能に接続されている。仮想店舗システム40は、例えば、ユーザ端末30に対してウェブサイトを介して電子商取引サービスを提供するように構成される。より具体的には、仮想店舗システム40は、ユーザ端末30からの商品情報の閲覧要求又は商品情報の検索要求に応じて販売対象の商品に関する情報を含むウェブページを当該ユーザ端末30に対して提供することができる。
【0022】
また、仮想店舗システム40は、ユーザ端末30からの所定の商品の注文に応じて、当該商品の決済に必要な決済情報を生成し、生成した決済情報を決済センターサーバ10に送信するように構成される。本明細書においては、この仮想店舗システム40から決済センターサーバ10に送信される決済情報を第1決済情報ということがある。この第1決済情報には、ユーザ端末30のユーザによって選択されたクレジットカードに関するカード情報(例えば、カード番号、有効期限)、当該ユーザによって選択された支払方法(1回払い、リボルビング払い等)、注文された商品の商品コード(例えば、JANコード、EANコード、又はUPCコード)、当該注文された商品の金額、仮想店舗システム40を介して販売を行っている販売者を識別する販売者ID、当該注文された商品が仮想店舗を介して(ウェブサイトを介して)販売されるものであることを示す識別子、購入者の属性(例えば、性別、年代)及びこれらの以外の情報を含むことができる。本明細書においては、仮想店舗システム40により販売される商品を第1商品ということがある。上述したように、第1商品は無形の財(サービス)であってもよい。また、第1商品は、継続的に課金が発生する商品であってもよい。継続的に課金が発生する商品は、住宅の貸与、スポーツジムの提供、及び英会話スクールでの授業の提供といった継続的に便益が提供される役務であってもよい。
【0023】
仮想店舗システム40は、仮想店舗システム40の電子商取引サービスのユーザに関する様々な情報を格納するためのユーザデータベース41を備えてもよい。ユーザデータベース41に格納される情報には、各ユーザの氏名・性別・年齢・嗜好といったプロファイル情報及び商品の配送先住所が含まれる。ユーザがクレジットカード会員である場合には、ユーザデータベース41には、当該ユーザのクレジットカードのカード情報(カード番号、名義、有効期限、利用限度額、及びこれら以外のクレジットカードに関連する情報)が格納されてもよい。
【0024】
仮想店舗システム40から決済センターサーバ10に送信される第1決済情報に含まれるカード情報は、商品を注文するユーザが商品の注文時に入力した情報に基づいて特定されてもよく、ユーザデータベース41から読み出された情報に基づいて特定されてもよい。
【0025】
実店舗システム50は、商品を販売する販売者の実店舗に設置され、ネットワーク20を介して決済センターサーバ10と通信可能に接続される。実店舗システム50は、当該実店舗で商品を購入する消費者のクレジットカードのカード情報を読み取るように構成される決済処理端末51を備える。決済処理端末51は、クレジットカードを用いた決済に用いられる専用デバイスであってもよいし、POS端末等の他の装置に組み込まれたものであってもよい。また、決済処理端末51は、据置型のものであってもよいし、携帯型のものであってもよい。決済処理端末51は、スマートフォン等の汎用情報処理端末と通信可能に接続されてもよい。一実施形態における決済処理端末51は、スマートフォンイヤホンジャックを介してスマートフォンと接続することができる。他の実施形態における決済処理端末は、スマートフォンとブルートゥース等の近距離無線方式で接続されてもよい。携帯型の決済処理端末51には、コイニー株式会社が提供するCoineyターミナルやSquare,Inc.が提供するSquareリーダーが含まれる。
【0026】
実店舗システム50は、決済処理端末51で読み取ったカード情報に基づいて商品の決済に必要な決済情報を生成し、生成した決済情報を信用照会処理のために決済センターサーバ10に送信するように構成される。後述するように、決済センターサーバ10及び決済会社システムでは、この決済情報に基づいて信用照会が行われる。信用照会で決済が承認されると、その旨が実店舗システム50に通知される。これにより、店舗においては当該商品を顧客へ引き渡すことができる。
【0027】
本明細書においては、実店舗システム50から決済センターサーバ10に送信される決済情報を第2決済情報ということがある。この第2決済情報には、決済処理端末51で読み取られたクレジットカードのカード情報が含まれる。また、第1決済情報と同様に、第2決済情報には、商品の購入者によって選択された支払方法(1回払い、リボルビング払い等)、注文された商品の商品コード(例えば、JANコード、EANコード、又はUPCコード)、当該注文された商品の金額、仮想店舗システム40を介して販売を行っている販売者を識別する販売者ID、当該注文された商品が仮想店舗を介して(ウェブサイトを介して)販売されるものであることを示す識別子、購入者の属性(例えば、性別、年代)及びこれらの以外の情報を含むことができる。また、本明細書においては、実店舗において販売される商品を第2商品ということがある。第1商品と同様に、第2商品も無形の財(サービス)であってもよく、継続的に課金が発生する商品であってもよい。
【0028】
本発明の一実施形態において、仮想店舗システム40及び実店舗システム50は、同一の販売者により運営されるものであってもよい。この場合、仮想店舗システム40で実現される仮想店舗及び実店舗システム50が設置されている実店舗の両方で当該販売者により商品が販売されることになる。したがって、仮想店舗システム40から送信される第1決済情報に含まれる販売者IDと、実店舗システム50から送信される第2決済情報に含まれる販売者IDとは同一であってもよい。
【0029】
次に、決済センターサーバ10についてさらに詳しく説明する。
図1に示すとおり、決済センターサーバ10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ユーザI/F13と、通信I/F14と、ストレージ15とを備える。これらの各構成要素は、不図示のバスを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ11は、ストレージ15からオペレーティングシステムやゲームロジックを実現する様々なプログラムに含まれる命令をメインメモリ12にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ12は、プロセッサ11が実行する命令を格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0030】
ユーザI/F13は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、プロセッサ11の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F14は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0031】
ストレージ15は、例えば磁気ディスクドライブで構成され、例えば後述する販売情報管理テーブルを記憶することができる。ストレージ15に記憶され得る各種データは、決済センターサーバ10と通信可能に接続された、決済センターサーバ10とは物理的に別体のストレージ(例えばストレージ25)やデータベースサーバに格納されてもよい。
図1においては、ストレージ15が単一のユニットとして図示されているが、ストレージ15は複数の物理的に別体のストレージが集合したものであってもよい。つまり、本明細書において、ストレージ15に記憶されるデータは、単一のストレージに記憶されてもよいし、複数のストレージに分散して記憶されてもよい。また、本明細書及び特許請求の範囲において、単に「ストレージ」という場合には、文脈上許される限り、単一のストレージと複数のストレージの集合のいずれを指し示すこともある。
【0032】
図1には、決済センターサーバ10を単一のユニットとして示しているが、決済センターサーバ10は、物理的に別体の複数のサーバが集合したものであってもよい。つまり、
図1において、決済センターサーバ10が備える構成は複数の異なるサーバに分散して備えられていてもよい。また、決済センターサーバ10が実行するものとして説明されている機能は、複数のサーバによって分散して実行されてもよい。このように、決済センターサーバ10は、物理的に単一の構成を有するサーバに限られず、物理的に別体のサーバが集合したものを指すこともできる。
【0033】
続いて、本発明の一実施形態に係る決済センターサーバ10の機能について説明する。本発明の一実施形態に係るサーバ10は、プロセッサ11により様々なコンピュータ読み取り可能な命令セットを実行することにより、以下で説明する各種機能を実現することができる。この本発明の一実施形態において、プロセッサ11により実行される命令セットには、決済情報取得モジュール101と、信用照会モジュール102と、販売情報管理モジュール103と、販売管理モジュール104と、報奨付与モジュール105と、が含まれる。
【0034】
本発明の一実施形態に係る決済情報取得モジュール101は、仮想店舗システム40から第1決済情報を取得し、また、実店舗システム50から第2決済情報を取得するように構成される。
【0035】
本発明の一実施形態に係る信用照会モジュール102は、決済情報取得モジュール101において仮想店舗システム40から第1決済情報が取得された場合には、当該第1決済情報を含む信用照会要求を決済ネットワーク60を介して決済会社システム70に送信する。決済会社システム70は、信用照会モジュール102からの信用照会要求に基づいて所定の信用照会処理を行う。この信用照会処理には、例えば、カードの有効性の確認や与信額が与信限度額を超えないことの確認が含まれる。信用照会処理の結果は、信用照会モジュール102に返送される。信用照会モジュール102は、信用照会処理の結果を仮想店舗システム40に通知する。信用照会処理が正常に終了したことを示す電文を受け取った仮想店舗システム40は、注文された商品を発送するための処理を開始する。また、仮想店舗システム40は、ユーザ端末30に対して、信用照会処理が正常に終了したことを通知してもよい。
【0036】
一方、決済情報取得モジュール101において実店舗システム50から第2決済情報が取得された場合には、信用照会モジュール102は、当該第2決済情報を含む信用照会要求を決済ネットワーク60を介して決済会社システム70に送信する。決済会社システム70は、第2決済情報を受信した場合と同様に、当該信用照会要求及び第2決済情報に基づいて上述した信用照会処理を行い、その結果を信用照会モジュール102に返送する。信用照会モジュール102は、信用照会処理の結果を実店舗システム50に通知する。実店舗の店員は、実店舗システム50のディスプレイにおいて信用照会処理の結果を確認し、信用照会処理が正常に終了したことを確認すると商品を顧客に引き渡す。
【0037】
本発明の一実施形態に係る販売情報管理モジュール103は、仮想店舗システム40において商品が購入される際の決済処理において、第1決済情報に基づいて信用照会が正常終了すると、当該第1決済情報に基づいて当該商品の販売情報を生成するように構成される。本明細書においては、第1決済情報に基づいて生成される販売情報を第1販売情報ということがある。この第1販売情報は、商品の販売者が仮想店舗システム40を介して販売する商品の販売状況を管理するために有用な様々な情報が含まれる。例えば、所定の商品を購入する際に第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報には、当該商品の販売金額が含まれる。この販売金額は、当該商品を販売する販売者にとっては当該商品の売上げに相当する。第1販売情報には、販売金額以外にも、購入者を識別する購入者ID、購入者の属性情報(例えば、性別、年代)、及び注文された商品が仮想店舗を介して(ウェブサイトを介して)販売されるものであることを示す識別子を含むことができる。また、所定の商品の購入に関して生成される第1販売情報には、当該商品の購入日時を含むことができる。商品の購入日時は、例えば信用照会が正常終了したことが決済会社システム70から決済センタサーバ10に通知された時刻とすることができる。
【0038】
同様に、実店舗システム50における所定の商品の購入に関し、第2決済情報に基づいて信用照会が正常終了すると、販売情報管理モジュール103は、当該第2決済情報に基づいて当該商品の販売情報を生成するように構成される。本明細書においては、第2決済情報に基づいて生成される販売情報を第2販売情報ということがある。第2販売情報には、商品の販売者が実店舗システム50を介して販売する商品の販売状況を管理するために有用な様々な情報が含まれる。第2販売情報に含まれる具体的な情報は、概ね第1販売情報と同様である。
【0039】
このようにして第1決済情報に基づいて生成される第1販売情報は、当該第1決済情報に含まれる販売者IDと対応付けてストレージ15に記憶される。また、第2決済情報に基づいて生成される第2販売情報は、当該第2決済情報に含まれる販売者IDと対応付けてストレージ15に記憶される。第1販売情報及び第2販売情報は、例えば、
図2に例示される販売情報管理テーブル200に格納される。
図2に示すように、販売情報管理テーブル200には、所定の商品の購入に関して作成された第1販売情報及び第2販売情報に含まれる「販売チャネルの識別子」、「商品コード」、「販売金額」、「購入者ID」、「購入者属性」、及び「販売日時」が、当該商品を販売する販売者を識別する販売者IDと対応付けて格納されている。「販売チャネルの識別子」の欄は、商品が仮想店舗と実店舗のいずれのチャネルで購入されたかを示す。具体的には、販売チャネルに「1」が設定されているレコードは、商品が仮想店舗システム40を利用して購入されたことを示し、販売チャネルに「2」が設定されているレコードは、商品が実店舗システム50を利用して購入されたことを示す。よって、
図2の例では、レコード201及びレコード204が仮想店舗システム40を利用して購入された商品に関するレコードであり、レコード202及びレコード203が実店舗システム50を利用して購入された商品に関するレコードである。
【0040】
本発明の一実施形態に係る販売管理モジュール104は、例えば販売者からのリクエストに応じて、販売情報管理テーブル200に格納されている第1販売情報及び第2販売情報のうち当該販売者を識別する販売者IDに対応付けて記憶されているものを抽出し、その抽出された第1販売情報及び第2販売情報に基づいて販売管理情報を生成するように構成される。そして、生成された販売管理情報は、ネットワーク20を介して、当該所定の販売者に送信される。販売管理モジュール104は、例えば、販売者ID「A00001」で識別される販売者から販売管理情報の提供要求を受け取ると、販売情報管理テーブル200において販売者ID「A00001」に対応付けて記憶されている第1販売情報及び第2販売情報を抽出する。販売管理モジュール104は、抽出された第1販売情報及び第2販売情報を販売者ID「A00001」の販売者に提供してもよいし、抽出した第1販売情報及び第2販売情報に分析的な処理を行った上で当該販売者に提供しても良い。販売管理モジュール104は、例えば、抽出した第1販売情報及び第2販売情報に含まれる販売金額及び販売日時に基づいて、所定期間(日、週、月、四半期、半期、年、又はこれら以外の販売管理上意味のある期間)における当該販売者の売上げの推移を示すグラフを作成し、当該グラフを当該販売者に提供してもよい。例えば、
図3に示すように、所定の販売者について日ごとの売上げの推移を示すグラフを販売チャネルごとに生成してもよい。
図3は、販売者がパーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理機器を用いて販売管理情報を確認する際に表示される表示画面300の例であり、この表示画面300には、仮想店舗システム40での売上げの日ごとの推移を示すグラフ301と実店舗システム50での売上げの日ごとの推移を示すグラフ302が示されている。
図3の表示画面300は、販売者に提供される販売管理情報の一例であり、販売管理情報はこれ以外にも様々な態様で販売者に提供される。
【0041】
本発明の一実施形態に係る報奨付与モジュール105は、所定の消費者が同一の販売者が提供する仮想店舗及び実店舗の両方で商品を購入した場合に、当該消費者に対して報奨を付与するように構成される。報奨付与モジュール105は、例えば、販売情報管理テーブル200を参照して報奨付与の対象となる消費者を特定することができる。
図2の例では、購入者ID「U00001」で識別される消費者が販売者ID「A00001」で識別される販売者の仮想店舗及び実店舗の両方で商品を購入しているので(レコード201及びレコード203参照)、当該消費者に対して報奨が付与される。この報奨は、例えば、販売者ID「A00001」で識別される販売者の店舗で利用できる割引クーポンである。当該割引クーポンは、電子的なものであってもよいし、紙等の媒体に印刷されたものであってもよい。報奨付与モジュール105は、電子的な割引クーポンを当該消費者に対して送信することができる。また、報奨付与モジュール105は、媒体に印刷された割引クーポンを当該消費者に対して郵送することができる。
【0042】
報奨付与モジュール105は、消費者に対して割引クーポン等の報奨を直接提供する代わりに、購入者ID「U00001」で識別される消費者が報奨付与の対象となっていることを販売者ID「A00001」で識別される販売者に対して通知してもよい。この通知を受けた販売者は、当該消費者に対して割引クーポンを発行することができる。つまり、報奨の提供は、販売者を介して行われてもよい。
【0043】
次に、
図4を参照し、本発明の一実施形態に従って、仮想店舗において所定の商品を購入する際の決済処理の流れを説明する。
【0044】
まず、ステップS11において、ユーザ(消費者)から仮想店舗に対して所望の商品を購入するための購入要求がなされると、当該仮想店舗において当該商品の決済に必要な第1決済情報が生成される。仮想店舗に対して所望の商品を購入するための購入要求は、例えばユーザ端末30を介して行われる。また、第1決済情報を生成する処理は、例えば仮想店舗システム40において実行される。次に、ステップS12において、生成された第1決済情報が、例えば、決済センターサーバ10の決済情報取得モジュール101により取得される。
【0045】
次に、ステップS13において、取得された第1決済情報に基づいて、信用照会要求がなされる。この信用照会要求処理は、例えば、信用照会モジュール102により実行される。信用照会処理が実行されると、S14において、例えば信用照会モジュール102により当該信用照会処理の結果が取得される。信用照会処理により決済が承認されると、ステップS15に進み、先に取得された第1決済情報に基づいて商品の第1販売情報が生成され、生成された第1販売情報が例えば販売情報管理テーブル200に記憶される。この第1販売情報を記憶する処理は、例えば、販売情報管理モジュール103により実行される。また、信用照会処理により決済が承認されると、その旨が仮想店舗に通知されるので、仮想店舗システムでは当該商品の発送を開始することができる。このようにして、ユーザから仮想店舗での商品購入があったときに、当該商品の購入に関する決済及び当該商品の発送を行い、また、購入された商品に関する販売情報が記憶される。
【0046】
次に、
図5を参照し、本発明の一実施形態に従って、実店舗において所定の商品を購入する際の決済処理の流れを説明する。
【0047】
まず、ステップS21において、ユーザ(購入者)が実店舗において商品の購入を希望すると、当該実店舗において当該商品の決済に必要な第2決済情報が生成される。実店舗において商品を購入する場合、購入者はクレジットカードのカード情報を当該実店舗に備えられた決済処理端末51に読み取らせる。この読み取られたカード情報に基づいて、第2決済情報が生成される。第2決済情報を生成する処理は、例えば実店舗システム50において実行される。次に、ステップS22において、生成された第2決済情報が、例えば、決済センターサーバ10の決済情報取得モジュール101により取得される。
【0048】
次に、ステップS23において、取得された第2決済情報に基づいて、信用照会要求がなされる。この信用照会要求処理は、例えば、信用照会モジュール102により実行される。信用照会処理が実行されると、S24において、例えば信用照会モジュール102により当該信用照会処理の結果が取得される。信用照会処理により決済が承認されると、ステップS25に進み、先に取得された第2決済情報に基づいて商品の第2販売情報が生成され、生成された第2販売情報が例えば販売情報管理テーブル200に記憶される。この第2販売情報を記憶する処理は、例えば、販売情報管理モジュール103により実行される。また、信用照会処理により決済が承認されると、その旨が実店舗に通知されるので、実店舗では店員が購入者に対して商品を引き渡すことができる。このようにして、消費者が実店舗で商品を購入する際に、当該商品の購入に関する決済及び当該商品の購入者への引き渡しが行われ、また、購入された商品に関する販売情報が記憶される。
【0049】
実際に商品が購入される場合には、多数のユーザ(購入者)が、それぞれの好みに応じて仮想店舗又は実店舗で商品を購入するので、
図4及び
図5の処理は並行して行われる。また、所定の商品についての決済処理が完了する前に他の商品の購入が要求される場合もあるので、多数の
図4の処理及び多数の
図5の処理が並列で処理される。
【0050】
次に、
図6を参照し、本発明の一実施形態に従って、販売管理情報を生成する処理の流れを説明する。まず、ステップS31において、所定の販売者から、当該販売者が販売する商品についての販売管理情報の生成要求が取得される。次に、ステップ32において、例えば販売情報管理テーブル200に格納されている第1販売情報及び第2販売情報のうち当該販売者を識別する販売者IDに対応付けて記憶されているものを抽出し、その抽出された第1販売情報及び第2販売情報に基づいて販売管理情報が生成される。生成された販売管理情報は当該販売者に提供される。この販売管理情報を生成する処理及び生成された販売管理情報を提供する処理は、例えば、販売管理モジュール104により実行される。
【0051】
上述した実施形態によれば、仮想店舗システム40において販売される商品の販売情報と実店舗システム50において販売される商品の販売情報とを統合的に管理することができる。つまり、販売者は、決済センターサーバ10から、仮想店舗システム40において販売される商品の販売情報と実店舗システム50において販売される商品の販売情報の両方を取得することができるので、販売情報の閲覧のために別々のシステムにアクセスする必要がなくなる。
【0052】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、クレジットカードを用いて決済する態様を説明したが、本発明はクレジットカード以外の様々な決済に適用され得る。本発明を適用可能な決済手段としては、コンビニエンスストア決済、デビットカード決済、電子マネー決済、銀行振り込み決済、銀行口座振替決済、及び代金引換決済が含まれる。これらの各決済手段における具体的な決済処理フローは公知であるため説明を省略する。いずれの決済手段を用いる場合でも、決済センターサーバ10が仮想店舗システム40から取得する第1決済情報に仮想店舗システム40で商品を販売する販売者を識別する販売者IDを含め、また、決済センターサーバ10が実店舗システム50から取得する第2決済情報に実店舗システム50で商品を販売する販売者を識別する販売者IDを含めることにより、決済センターサーバ10では、当該第1決済情報及び第2決済情報に基づいて、仮店舗システム40及び実店舗システム50で販売される商品の販売情報を統合的に管理することができる。
【0053】
また、
図1の実施形態において、プロセッサ11で実行される機能の一部又は全部は、クライアント端末30のプロセッサ31やそれ以外の装置のプロセッサによって実現されてもよく、プロセッサ31の機能の一部又は全部は、サーバ10のプロセッサ11やそれ以外の装置のプロセッサにより実行されてもよい。
【0054】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0055】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。