【解決手段】物件に関する複数の画像を、機械学習により生成された第1の評価モデルを用いて付与された、画像の対象を表現する画像評価情報と共に管理する手段と、複数の物件にそれぞれ対応付けられる1以上の画像評価情報を用いて算出された、複数の物件を表現する各々のエントリに対するエントリ評価値を管理する手段と、エントリ評価値に応じて順序が定められた、複数の物件に関するエントリのリストを出力する手段とを備える。
前記第2の評価モデルは、物件を表現する前記エントリの情報と、当該物件に対応付けられる1以上の画像に関する情報と、当該物件に対するユーザからの問合せの数とを用いて、機械学習により生成される、
請求項3記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0014】
図1乃至
図7は、実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず、「1」で実施形態に係る物件情報提供システムの概要を説明する。続いて「2」で当該物件情報提供システムを構成する物件情報提供サーバが管理するデータベース構成の具体例を説明する。「3」では、物件情報提供サーバの機能構成を説明し、「4」では物件情報提供サーバの処理の流れを説明する。「5」では、物件情報提供サーバを実現可能なハードウェア構成の具体例を説明する。最後に、「6」以降で、本実施形態に係る効果等を説明する。
【0015】
(1. 概要)
まず、
図1を参照しながら、実施形態に係る物件情報提供システム1の構成及び処理の概要を説明する。物件情報提供システム1は、物件情報提供サーバ100、及び情報端末T1乃至Tn(以下、総称して情報端末Tともいう。)を含む。物件情報提供サーバ100及び情報端末Tは、それぞれネットワークNに有線又は無線で接続されており、ネットワークNを介して相互に通信可能となっている。ユーザU1乃至Un(以下、総称してユーザUともいう。)は、情報端末Tを操作する。
【0016】
本実施形態において、物件情報提供サーバ100は、物件情報を管理するデータベース(DB)110を備え、例えばインターネットであるネットワークNに接続された情報端末Tに対し、例えばウェブサイトとして多数の物件情報を提供する。物件情報提供サーバ100が情報を提供する物件には、例えば新築/中古を含む戸建てやマンションの賃貸/売買用の不動産や、自動車等、各種商品を含むことができる。例えばユーザUが情報端末Tのブラウザにおいて、物件情報提供サーバ100の提供するウェブサイトへ接続すると、検索条件を入力するためのウェブページ情報が、物件情報提供サーバ100から情報端末Tに送信される。ユーザUが当該ウェブページ上で物件の条件を入力すると、当該条件が情報端末Tから物件情報提供サーバ100へと送信される。物件情報提供サーバ100は、当該条件に合致する物件を検索した上で、それらの物件に係る物件情報のリストに係るウェブページを生成し、当該ウェブページの情報を情報端末Tへと送信する。これにより、ユーザUは物件情報を確認できる。以下の説明では、物件情報提供サーバ100が情報を提供する物件は、戸建てやマンション等の住戸に係る不動産である場合を中心に説明する。
【0017】
物件情報提供サーバ100は、情報端末Tに提供するための各物件に関する情報を、データベース上で管理する。以下、物件情報提供サーバ100が管理する各物件に関する情報を、物件エントリと呼ぶ。
【0018】
この際、各物件エントリに含まれる画像に基づいて物件を評価することで、物件情報提供サーバ100により好適な順序で物件エントリのリストを生成し、情報端末Tを介してユーザUに提示することができる。
【0019】
(2. データベース構成の具体例)
物件情報提供サーバ100は、前述のとおり、情報提供対象の各物件にそれぞれ対応する物件エントリ200を管理する。
図2に、物件情報提供サーバ100が管理する物件エントリ200a乃至200n(以下、総称して物件エントリ200ともいう。)のデータベース構成の具体例を示す。
【0020】
それぞれの物件エントリ200は、物件詳細情報201(物件詳細情報201a乃至201nを総称して物件詳細情報201という。)、画像203(画像203a1乃至203ap、203n1乃至203nqを総称して画像203という。)、エントリ評価情報207(エントリ評価情報207a乃至207nを総称してエントリ評価情報207という。)、及び問合せ件数情報209(問合せ件数情報209a乃至209nを総称して問合せ件数情報209という。)を含む。また各画像203には、対象物情報205(対象物情報205a1乃至205ap、及び205n1乃至205nqを総称して対象物情報205という。)が対応付けられる。
【0021】
物件詳細情報201は、物件エントリ200で示される物件に関する仕様等の情報である。物件が不動産である場合には、例えば、物件詳細情報201には、最寄駅、最寄駅からの距離、所在地、築年月、主要採光面、専有面積、バルコニー面積、間取り等の情報を含むことができる。
【0022】
画像203は、物件エントリ200で示される物件に関するものである。例えば、外観画像、間取り図、リビング、キッチン、浴室、トイレ等の各々の室内写真、エントランスや共用施設などの共有部に関する写真、近隣の公園やスーパー等に関する写真を、画像203に含むことができる。
【0023】
ここで本実施形態において、各々の画像203には、対象物情報205が対応付けられる。対象物情報205は、各画像203に写る対象が何であるかを示す情報であり、本実施形態においては、機械学習により生成された評価モデルに画像203を入力することにより生成される。生成された対象物情報205は、当該画像203に対して付与される。当該評価モデルは、例えば正解データとして、画像203と、当該画像203が何を被写体としているかを示す種別情報(例えば間取り図、キッチン、リビング、浴室、トイレ、外観図、周辺公共施設、周辺商業施設、道路、文字情報、その他等のタグ情報)とが与えられることにより生成される。この結果、生成された評価モデルに画像203を入力すると、当該画像203の対象物らしさ(間取り図らしさ、キッチンらしさ、リビングらしさ等)をそれぞれパラメータとして示すベクトルが算出される。対象物情報205は、各々の対象物の確からしさを示す当該ベクトルとしてもよいし、或いは、ベクトル内の各パラメータとして表現される各々の対象物の確からしさの中で、最も値の大きなものや閾値を超えているものに関するタグ情報としてもよい。後者の場合、例えばベクトル内のパラメータの中でキッチンらしさの値が最も大きく、且つ閾値を超えている場合には、画像203はキッチンに関する写真であるものとして、種別「キッチン」のタグ情報が、対象物情報205として画像203に対して付与される。
【0024】
エントリ評価情報207は、物件エントリ200を評価する際に使用する評価値の情報である。例えば本実施形態においては、物件エントリ200に対応付けられている画像203に応じて、エントリ評価情報207を生成することができる。エントリ評価情報207は、例えば画像の種別数を表す。種別は、例えば「1:間取り図」、「2:キッチン」、「3:リビング」、「4:浴室」、「5:トイレ」、「6:外観図」、「7:周辺公共施設」、「8:周辺商業施設」、「9:道路」、「10:文字情報」、そしていずれにも該当しない「11:その他」からなる。例えば、物件エントリ200が、キッチンの画像を2枚、リビングの画像を3枚というようにそれぞれの種別において複数枚の画像を含んでいる場合は、キッチン種別1ポイント、リビング種別1ポイントとなり、種別数2を表す合計2ポイントという値になる。より具体的には、対応付けられている画像203の数の多寡ではなく、画像203に係る種別の種類が多いものの評価値を高くすることが考えられる。また別の例では、物件の仕様に関する画像、例えば間取り図、キッチン、リビング、浴室、トイレなどの物件内部を表す画像についてのみを評価する若しくは加点評価し、その他の画像、例えば外観図、周辺公共施設、周辺商業施設、道路、文字情報、その他については評価しない若しくは減点評価する等の処理を行い、物件の仕様(例えば内部の仕様)の理解に役立つ情報が多種別含められた物件エントリ200に対するエントリ評価情報207を高評価設定することもできる。内部の仕様としては、物件の建材、設計・工法などの物件固有の情報を含めることもできる。
【0025】
また、物件エントリ200で示される物件の内容をよりわかりやすく表現している画像203を多く含んでいる場合に、評価値が大きくなるようにしても良い。より具体的には、例えば間取り図や、室内の写真に関する画像203が多く対応付けられている物件エントリ200を、スーパーや公園などの近隣環境に関する画像203が多く対応付けられている物件エントリ200よりも、高く評価することが考えられる。このような、物件エントリ200に対応付けられた画像203の対象物に応じて評価した評価値を示すエントリ評価情報207は、対象物情報205に基づいて算出することが可能である。
【0026】
このようなエントリ評価情報207を設けることにより、物件エントリ200のリストを物件情報提供サーバ100が出力する際に、画像203で物件の仕様を確認しやすい物件エントリ200を上位に表示することができる。
【0027】
問合せ件数情報209は、物件エントリ200で表現される物件に対する、ユーザUからの問合せ件数の情報である。例えば資料請求の件数や電話を受けた件数、ユーザUが物件エントリ200の詳細ページにアクセスした回数等を、問合せ件数情報209に含むことが考えられる。当該問合せ件数情報209に基づいて、物件エントリ200のエントリ評価情報207を算出することも考えられる。また、問合せ件数に加えて、若しくは変えて、レビュー評価の高低や数を用いても良い。
【0028】
(3. 物件情報提供サーバ100の機能構成)
以下、
図3を参照しながら、本実施形態にかる物件情報提供サーバ100の機能構成を説明する。
図3は、物件情報提供サーバ100の機能構成の具体例を示す機能ブロック図である。物件情報提供サーバ100は、画像評価部101、物件エントリ評価部103、物件情報提供部105、物件情報登録部107、及びデータベース(DB)110を含む。
【0029】
なお、物件情報提供サーバ100の各機能は、必ずしも1台のコンピュータにより実現する必要はなく、複数台のコンピュータにより実現することも考えられる。特に、例えば画像評価部101及び物件エントリ評価部103と、物件情報提供部105及び物件情報登録部107とを、異なるコンピュータにより実現することも考えられる。
【0030】
画像評価部101は、DB110に登録された各画像の入力を受け、各画像の対象物が何であるかを示す対象物情報205を生成する。画像評価部101は、例えばディープ・ラーニング等の機械学習により生成される評価モデルを含む。画像評価部101を構成する評価モデルの生成に際しては、先述の通り、正解データとして、画像203と、当該画像の被写体が何であるかを示す、人手により与えられた情報(例えば、間取り図、キッチン、リビング、浴室、トイレ等の物件内の写真、共用部の写真、近隣のスーパーや学校、公園などの環境を示す写真等)が多数入力される。なお、このような被写体の情報は、例えばクラウドソーシングにより、人手で画像203に付与しても良い。
【0031】
画像評価部101はこのようにして生成された評価モデルを用いることにより、DB110に登録された各画像203に対して、対象物情報205を生成する。より具体的には、画像評価部101に画像203が入力されると、画像評価部101は、各画像203の対象物らしさを対象物ごとに示すパラメータにより構成されるベクトルを出力する。画像評価部101は、当該対象物らしさを示すベクトル、若しくは当該ベクトルに基づいて定められた、画像203の対象物を文字列として示すタグ情報を、対象物情報205として画像203に付与する。
【0032】
また、画像評価部101は、画像203の対象物(物品)の仕様(形態、製造業者、商品名、型番など)を評価(特定)しても良い。例えば、対象物がキッチンである画像203に対しては、当該キッチンの仕様がシステムキッチンであるか否か、アイランド型であるか、L字型であるか、○○社の商品名△△等を、画像評価部101が評価することが考えられる。例えばトイレについても、フラッシュバルブのタンク式トイレであるか、ロータンク式トイレであるか、タンクレストイレであるか等を、画像評価部101で識別することが考えられる。当該判別においても、例えば予めどのような物品であるかをタグ付けした画像データを正解データとして、ディープ・ラーニング等の機械学習により評価モデルを生成すればよい。このようにして画像評価部101により判別された物品の情報は、対象物情報205に含むことができる。
【0033】
物件エントリ評価部103は、物件エントリ200に対応付けられた画像203に基づき、各々の物件エントリ200を評価し、評価結果をエントリ評価情報207としてDB110に登録する。このとき、物件エントリ評価部103が物件エントリ200を評価する評価モデルは、経験則により生成したものであっても、或いはディープ・ラーニング等による機械学習により生成されたものであっても良い。経験則に応じて生成した評価モデルにおいては、例えば、物件エントリ200に、室内写真や間取り図等に関する画像203が多数含まれていると判断できる場合に評価値が高く、反対に、室内写真等が殆ど含まれず、近隣環境の写真等の画像203の割合が高い場合に評価値が低くなるように、設計することが考えられる。このようにすることで、ユーザUが室内の様子を画像から把握しづらい物件エントリ200の評価を下げ、室内の様子が写真から判断しやすい物件エントリ200の評価を上げることが可能となる。
【0034】
或いは、特定の種類の対象に係る画像203に偏らずに、多種類の対象に係る画像203を含む物件エントリ200の評価を上げるようにしてもよい。具体的には、例えば多くの画像203を含んでいるが、それらの画像の多くがリビングの内装に関するものである物件エントリよりも、リビング、キッチン、トイレ、浴室など、様々な対象に関する画像203を含んでいる物件エントリ200の方が、物件の様子をユーザUが判断しやすい。よって物件エントリ評価部103は、このような多種類の対象に関する画像203が対応付けられた物件エントリ200を高く評価するように生成されても良い。
【0035】
若しくは、例えば各々の物件エントリ200に対応付けられた問合せ件数情報209に基づいて、多くの問合せを受けている物件エントリ200と同様の特徴、例えば画像の種別の構成や画像の対象物の仕様が類似している等の物件エントリ200が高く評価されるように、機械学習により評価モデルを生成することができる。この場合、例えば、物件エントリ200に紐づけられた画像203の対象物情報205や順序と、問合せ件数情報とが対応付けられたものを正解データとして多数用意することにより、評価モデルを生成する。これにより、ユーザUから多数の問合せを受けることができる画像203の組み合わせや順序を評価するための評価モデルが生成される。物件エントリ評価部103に当該評価モデルを適用すれば、任意に登録された物件エントリ200の画像203の種類や順序に応じて、当該物件エントリ200の評価値を算出することが可能となる。物件エントリ評価部103は、当該評価値をエントリ評価情報207としてDB110に登録する。
【0036】
物件情報提供部105は、情報端末Tとの間でデータを送受信することにより、ユーザUに対する物件情報提供のためのユーザインタフェース機能を提供する。この際、例えば物件情報提供部105は、ユーザインタフェースとなるウェブページを情報端末Tに送信し、情報端末Tは例えばブラウザ等により当該ウェブページ画面を表示する。当該画面においてユーザUにより入力された情報は、情報端末Tから物件情報提供サーバ100の物件情報提供部105に対して送信される。また、例えば物件エントリ200のリストを出力する際には、例えば物件情報提供部105は、エントリ評価情報207に基づいて物件エントリ200のリストを生成する。これにより、例えばユーザUが入力した条件に合致する物件エントリ200を、エントリ評価情報207で表現される評価値が高い順に並べることが可能となる。
【0037】
また、物件情報提供部105は、ユーザUに選択された物件エントリ200の詳細画面において、当該物件と類似する物件エントリのリストを表示することもできる。この際、例えば詳細を表示している対象物件の画像の中から閲覧時間が他の画像に比べて長い傾向が見られる画像の種別がキッチンであったらならば、ユーザUが「キッチンに着目していると判断して、例えば面積や地域等の全体的な仕様が近似しつつも、種別「キッチン」の物品が異なる物件に関する物件エントリ200のリストを物件情報提供部105が出力することができる。なお、ユーザが注目している種別や物品の判定に画像の閲覧時間を利用する説明を行ったが、ユーザによる検索履歴操作ログなどを解析して得られる例えば閲覧頻度等を教師信号として機会学習して判定することや、ユーザに種別や物品の選択肢を表示し、入力手段から入力される選択結果を用いて判定することもできる。
この際の物件情報提供部105は、対象物情報205に含まれる対象物の仕様に係る情報を参照することにより、当該機能を実現できる。
【0038】
物件情報登録部107は、例えば不動産業者であるユーザが使用する情報端末Tとの間でデータを送受信したり、或いは物件情報提供サーバ100に設けられた入力インタフェースからの入力を受け付けたりすることにより、新規の物件エントリ200の登録を受け付ける。入力された物件エントリ200に対しては、例えば画像評価部101が画像203に対して対象物情報205を付与したり、或いは物件エントリ評価部103がエントリ評価情報207を付与したりする。
【0039】
またこのとき、物件情報登録部107は、不動産業者であるユーザが登録した画像203を物件評価部101に評価させることにより、画像203の対象が何であるかを評価させることができる。このとき、評価結果に応じて、登録対象の画像203に「キッチン」「風呂」等のタグ情報の候補を、ユーザに提示し、ユーザに任意のタグ情報を選択させることも考えられる。この場合、ユーザにより選択されたタグ情報は、対象物情報205として物件情報登録部107がDB110に登録する。
【0040】
データベース110は、物件にそれぞれ対応する物件エントリ200を管理する。DB110内で物件エントリ200と直接的又は間接的に対応付けられる物件詳細情報201、画像203、対象物情報205、エントリ評価情報207、問合せ件数情報209については、
図2を参照しながら先述したため、説明を省略する。
【0041】
(4. 物件情報提供サーバ100の処理の流れ)
以下、
図4乃至
図6を参照しながら、物件情報提供サーバ100の処理の流れを説明する。
図4乃至
図6は、本実施形態に係る物件情報提供サーバ100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0043】
(4.1. 物件エントリ200登録時の処理の流れ)
まず、
図4を参照しながら、物件エントリ200を新規に登録する際の処理の流れの具体例を説明する。
【0044】
例えば不動産業者であるユーザが情報端末Tを使用して物件エントリ200を登録する場合、例えば情報端末Tから物件情報提供サーバ100へとアクセスし、物件情報提供サーバ100から物件エントリ200を登録するための登録画面に係るウェブページが物件情報提供サーバ100から情報端末Tへと送信される。当該登録画面へのユーザによる入力に基づき、物件情報提供サーバ100は、物件詳細情報201及び画像203の入力を情報端末Tから受け付ける(S401及びS403)。
【0045】
物件情報提供サーバ100の画像評価部101は、当該入力された画像203の入力を受け付けることにより、画像203の対象が何であるかを示す対象物情報205を生成する(S405)。画像評価部101は、当該対象物情報205を画像203に関連付け、DB110に登録する。
【0046】
また、物件エントリ評価部103は、画像203に対応付けられた対象物情報205に基づき、物件エントリ200がユーザUを惹きつける画像203をどの程度含んでいるか等を示すエントリ評価情報207を生成し、当該エントリ評価情報207を物件エントリ200に関連付けてDB110に登録する(S409)。惹きつけているか、即ち満足度が高いか否かの判定は、例えば対象画像の閲覧時間の長さが予め定められた基準時間を超えた場合、惹きつけているものと判定する。
【0047】
なお、ユーザにより登録された画像203を逐次解析することにより、画像203の並び順などを物件情報登録部107がユーザに提案することも考えられる。この手法としては、例えば、登録された画像203を画像評価部101が評価することにより、対象物が何であるかを判別し、当該対象物の情報をユーザに対して提示する。更に物件エントリ評価部103が、当該物件エントリ200に対する評価値が高くなる画像203の順序や組合せを学習により判別し、当該順序や組合せを、物件情報登録部107が情報端末Tに送信するウェブページ上でユーザに提案することにより実現できる。
【0048】
(4.2. 物件リスト出力時の処理の流れ)
次に、
図5を参照しながら、物件エントリ200のリストを出力する際の処理の流れの具体例を説明する。
【0049】
例えば物件を探すユーザUが物件を検索する場合には、情報端末Tを使用して物件情報提供サーバ100へとアクセスし、検索条件の入力画面に係るウェブページが物件情報提供サーバ100から情報端末Tへと送信される。当該検索条件入力画面へのユーザUによる入力に基づき、物件情報提供サーバ100の物件情報提供部105は、検索条件の入力を受け付ける(S501)。
【0050】
物件情報提供サーバ100の物件情報提供部105は、情報端末Tから受信した検索条件に基づき、DB110に登録された物件エントリ200のうち、条件に合致するものを抽出する(S503)。また、物件情報提供部105は、抽出された物件エントリ200を、エントリ評価情報207に基づいて並べた物件エントリリストを生成する(S505)。これにより、例えばユーザが物件の仕様、即ち内部の様子を確認するための画像203の種類が豊富な物件エントリ200を物件エントリリストの上位に配置することが可能となる。
物件情報提供部105は、当該生成した物件エントリリストを、ユーザUの操作する情報端末Tへと送信する(S507)。
【0051】
(4.3. 一部の仕様が異なる物件リスト出力時の処理の流れ)
図6を参照しながら、一部の対象に係る仕様が異なる物件エントリ200のリストを出力する際の処理の流れの具体例を説明する。
【0052】
まず、ユーザUからある特定の物件エントリ200が選択されると(S601)、当該物件エントリ200に関する詳細画面に係るウェブページを、物件情報提供部105は情報端末Tに対して送信する。またユーザUによる指定などに応じて、物件情報提供部105は、詳細を表示している物件エントリ200とは異なる仕様を求める対象物の種別(例えばキッチン、トイレ、風呂等)の指定を受け付ける(S603)。なお、この指定に代えて、ユーザの満足度が高いか否かの判定によって指定を自動判別することもできる。
【0053】
当該指定に応じて、物件情報提供部105は、物件詳細情報201及び対象物情報205を参照することにより、例えば専有面積や最寄駅等の物件全体としての類似度は高いが、指定された対象物の仕様が異なる、もしくは仕様が類似する物件エントリ200を抽出する(S605)。仕様が異なる・類似する切り分けは、S603の処理において設定することができる。指定受付時に異なる・類似する、の受付も行なう。自動判別の場合は、予め異なる・類似する、の何れかをシステムの仕様として設定しておく。S605においてその結果得られる物件エントリのリストを、物件情報提供部105は情報端末Tに対して送信する(S607)。
【0054】
(5. ハードウェア構成)
図7を参照しながら、物件情報提供サーバ100のハードウェア構成について説明する。
図7に示すように、物件情報提供サーバ100は、制御部701と、通信インタフェース(I/F)部705と、記憶部707と、表示部711と、入力部713とを含み、各部はバスライン715を介して接続される。
【0055】
制御部701は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)703等を含む。制御部701は、記憶部707に記憶される制御プログラム709を実行することにより、一般的なコンピュータとしての機能に加え、上述した物件情報提供サービスに係る処理を実行可能に構成される。例えば、
図3を参照しながら説明した画像評価部101、物件エントリ評価部103、物件情報提供部105、及び物件情報登録部107は、RAM703に一時記憶された上で、CPU上で動作する制御プログラム709として実現可能である。
【0056】
また、RAM703は、制御プログラム709に含まれるコードの他、
図3に示した物件エントリ200、物件詳細情報201、画像203、対象物情報205、エントリ評価情報207、及び問合せ件数情報209を格納するDB110の一部又は全部を一時的に保持する。更にRAM703は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
【0057】
通信I/F部705は、情報端末Tを含む外部装置との間で、有線又は無線によるネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。
図3に示す物件情報提供部105や物件情報登録部107等の各機能ブロックが情報端末Tとの間で行う通信は、全て通信I/F部705が行う。
【0058】
記憶部707は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部707は、一般的なコンピュータとしての機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)やアプリケーション及びデータ(図示せず)を記憶する。また記憶部707は、制御プログラム709及びDB110を記憶する。前述のとおり、
図3に示した画像評価部101、物件エントリ評価部103、物件情報提供部105、及び物件情報登録部107は、制御プログラム709に含まれる。
【0059】
DB110は、物件情報提供サービスに必要な各種データ、例えば
図2及び
図3に示した物件エントリ200、物件詳細情報201、画像203、対象物情報205、エントリ評価情報207、及び問合せ件数情報209などを含むことができる。DB110に含まれる各種データは、必要に応じてRAM703等にロードされ、制御部701に含まれるCPUから参照される。
【0060】
表示部711は、管理者に情報を表示するためのディスプレイ装置である。表示部711の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。入力部713は、管理者から入力を受け付けるためのデバイスである。入力部713の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等を挙げることができる。
【0061】
なお、物件情報提供サーバ100は、表示部711及び入力部713を必ずしも備える必要はない。また表示部711及び入力部713は、USB(Universal Serial Bus)やディスプレイポート等の各種インタフェースを介して外部から物件情報提供サーバ100に接続されても良い。
【0062】
(6. 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る物件情報提供システム1では、物件エントリ200に対応付けられた画像203に基づいて、ユーザが物件の検討に必要とする物件の仕様を表す画像が好適に用意された物件情報を優先的に提供することができる。より具体的には、例えば画像203の対象物が何であるかを示す対象物情報205を画像203に付与した上で、当該対象物情報205に基づき、ユーザUがより物件の詳細を把握しやすい画像203が対応付けられた物件エントリ200を、リストの上位に表示することが可能となる。
【0063】
また、対象物の仕様が何であるかの情報を対象物情報205に付与することで、例えば特定の対象物に係る仕様違いの他の物件に関する物件エントリ200のリストを生成し、ユーザUに提示することが可能となる。
【0064】
(7. 付記)
なお、上述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。