特開2017-97811(P2017-97811A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アクティブブレインズの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-97811(P2017-97811A)
(43)【公開日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20170428BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20170428BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20170428BHJP
【FI】
   G06Q50/20
   G06Q50/10 180
   G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-232479(P2015-232479)
(22)【出願日】2015年11月27日
(71)【出願人】
【識別番号】513097702
【氏名又は名称】株式会社アクティブブレインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】平山 喬恵
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】ICT機器などの効率的活用を図る。
【解決手段】情報処理装置のプロセッサは、管理対象に関する第1の処理に対する要求を受け付け;前記第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、前記第1の情報通信装置において入力された前記管理対象の行動情報を収集し;収集した前記行動情報を前記管理対象に対応する記憶部に格納し;前記記憶部に格納した前記行動情報に基づく分析により、前記管理対象の状況を推測し;推測結果に基づく改善指針を前記記憶部に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部とプロセッサとを備え;
前記プロセッサは、
管理対象に関する第1の処理に対する要求を受け付け;
前記第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、前記第1の情報通信装置において入力された前記管理対象の行動情報を収集し;
収集した前記行動情報を前記管理対象に対応する記憶部に格納し;
前記記憶部に格納した前記行動情報に基づく分析により、前記管理対象の状況を推測し;
推測結果に基づく改善指針を前記記憶部に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする;
情報処理装置。
【請求項2】
管理対象に関する第1の処理に対する要求を受け付け;
前記第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、前記第1の情報通信装置において入力された前記管理対象の行動情報を収集し;
収集した前記行動情報を前記管理対象に対応する記憶部に格納し;
前記記憶部に格納した前記行動情報に基づく分析により、前記管理対象の状況を推測し;
推測結果に基づく改善指針を前記記憶部に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする;
処理を情報処理装置のプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項3】
管理対象に関する第1の処理に対する要求を受け付け;
前記第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、前記第1の情報通信装置において入力された前記管理対象の行動情報を収集し;
収集した前記行動情報を前記管理対象に対応する記憶部に格納し;
前記記憶部に格納した前記行動情報に基づく分析により、前記管理対象の状況を推測し;
推測結果に基づく改善指針を前記記憶部に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする;
処理を情報処理装置のプロセッサが実行する支援方法。
【請求項4】
前記状況を推測することは、
前記記憶部に格納された前記行動情報から所定の条件が成立する行動情報を抽出することと、
前記抽出された行動情報に基づく相関分析の結果と、前記所定の条件が成立しない行動情報に基づく相関分析の結果との差分値が所定の基準値を超えたか否かを判定することを含む請求項3に記載の支援方法。
【請求項5】
前記差分値が前記所定の基準値を超えたときに、前記行動情報に対応する対応策を格納した対応策記憶手段から取得し、前記管理者の前記第2の情報処理装置に提供することを実行する請求項4に記載の支援方法。
【請求項6】
前記管理対象の状況を推測するとき、前記行動情報に加え、気圧及び月齢の少なくとも一方を含む地球環境情報及び前記管理対象の表情情報の少なくとも一方に基づく分析を実行する、
請求項3記載の支援方法。
【請求項7】
前記管理対象の状況を推測するとき、前記行動情報に加え、行事、通学状態及び健康状態に関する情報の少なくとも1つを含む重み付け情報に基づく分析を実行する、
請求項3記載の支援方法。
【請求項8】
教科を含む前記管理対象に対してなされる行動に関する第2の処理に対する要求を前記第2の情報通信装置から受け付けたときは、前記教科の学習単位である単元名を年間学習スケジュールに応じて予め格納している記憶部から取得される前記単元名に含まれる特定用語に基づいて、前記教科と補助教材とを関係付けて、前記第2の情報通信装置に提供することを実行する、
請求項3記載の支援方法。
【請求項9】
前記教科対応の前記補助教材の設定欄にリンク先を設定した学習スケジュール表を作成することを実行する、
請求項8記載の支援方法。
【請求項10】
手術を含む前記管理対象に対してなされる行動に関する第2の処理に対する要求を前記第2の情報通信装置から受け付けたときは、前記手術の実行単位である項目名を実行スケジュールに応じて予め格納している記憶部から取得される項目名に含まれる特定用語に基づいて、前記手術と補助教材とを関係付けて、前記第2の情報通信装置に提供することを実行する、
請求項3記載の支援方法。
【請求項11】
教科を含む前記管理対象に対してなされる行動に関する第2の処理に対する要求を前記第2の情報通信装置から受け付けたときは、現在時点を取得するとともに、前記教科の学習単位である単元名と前記教科の授業において前記単元名の単元が学習される時期と前記単元で学習される学習内容に関連する学習用語とを格納した単元記憶部から、現在時点を含む前記時期において学習される単元を検索し、前記単元の学習内容に関連する学習用語に基づいて補助教材のファイルを特定し、特定した補助教材のファイルを前記管理者の前記第2の情報処理装置に提供することを実行する、
請求項3記載の支援方法。
【請求項12】
管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報を管理する第1の情報処理手段と、前記管理対象に対してなされた行為を示す第2の情報を管理する第2の情報処理手段とを含む情報処理装置であって、
管理対象を特定する情報を用いて前記第1の情報処理手段から前記第1の情報を取得し前記管理対象の状態の変化の有無を判定する判定手段と、
前記管理対象の状態の変化がある場合に、前記第2の情報処理手段によって前記管理対象を特定する情報と関連づけて管理されている第2の情報を取得する取得手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項13】
前記取得手段によって取得された第2の情報を用いて、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報を生成する推定手段
をさらに含む請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報に基づき、前記管理対象に対してなす行為に関わる第3の情報を生成する生成手段をさらに含む
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
メモリと、
プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、管理対象を特定する情報を用いて、管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報を前記メモリから読み出して前記管理対象の状態の変化の有無を判定し、前記管理対象の状態の変化がある場合に、前記メモリから、前記管理対象を特定する情報と関連づけられて記憶されている前記管理対象に対してなされた行為を示す第2の情報を抽出する
情報処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、抽出された第2の情報を用いて、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報を生成する、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記メモリに記憶された前記第1の情報は、第1のプログラムを用いて生成されており、前記メモリに記憶された前記第2の情報は、前記第1のプログラムと異なり且つ前記第1のプログラムから独立して実行可能な第2のプログラムを用いて生成されている
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報に基づき、前記管理対象に対してなす行為に関わる第3の情報を生成する
請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記第1のプログラム及び前記第2のプログラムと異なり且つ前記第1のプログラム及び前記第2のプログラムから独立して実行可能な第3のプログラムを用いて前記第3の情報を生成する
請求項18に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援システムに関し、更には情報処理装置、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校ICT(情報通信技術)環境整備事業などが推進され、日本全国の小中学校に電子黒板、プロジェクタ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、及び校内LAN(Local Area Network)などの機器(設備)が導入されている。
【0003】
しかし、実際に授業を行う教育現場においては、これらのICT機器の効率的活用法について試行錯誤が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−127033号公報
【特許文献2】特許第5319458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ICT機器の効率的活用法の一助になる技術が、例えば、特許文献1及び特許文献2において提案されている。しかし、児童、生徒などの管理対象者の日々の生活に関する行動情報などに基づいて、問題の発生を推測したり、適正な指導を行うための指針を教師などの教員である管理者に提供したりするという観点から、管理対象者及び管理者が利用するICT機器の更なる活用を図る提案は存在しない。
【0006】
課題は、管理対象者及び管理者が利用するICT機器の効率的活用法の更に一助になる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一態様の情報処理装置は、記憶部とプロセッサとを備え;
前記プロセッサは、
管理対象に関する第1の処理に対する要求を受け付け;
前記第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、前記第1の情報通信装置において入力された前記管理対象の行動情報を収集し;
収集した前記行動情報を前記管理対象に対応する記憶部に格納し;
前記記憶部に格納した前記行動情報に基づく分析により、前記管理対象の状況を推測し;
推測結果に基づく改善指針を前記記憶部に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする。
【0008】
一態様の情報処理装置においては、第1の情報通信装置において入力された管理対象の行動情報を収集し、収集した行動情報に基づく分析により、管理対象の状況を推測し、推測結果に基づく改善指針を第2の情報通信装置に提供可能することにより、問題の発生に対して適正な指導を行うための指針を管理者に提供することができる。この結果、管理対象者及び管理者が利用するICT機器、つまり情報通信装置の更なる活用を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
開示した情報処理装置によれば、管理対象者及び管理者が利用するICT機器の効率的活用を更に図ることができる。
【0010】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態の支援システムの構成例を示すブロック図。
図2】支援システムにおける情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
図3】支援システムにおける第1,第2,第3及び第4の情報通信装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
図4A】管理対象者支援システムを説明するための図。
図4B】管理対象者支援システムを説明するための図。
図4C】管理対象者支援システムを説明するための図。
図4D】管理対象者支援システムを説明するための図。
図4E】管理対象者支援システムを説明するための図。
図4F】管理対象者支援システムを説明するための図。
図5A】管理対象者支援システムの情報処理装置における処理を説明するためのフローチャート。
図5B】管理対象者支援システムの情報処理装置における処理を説明するためのフローチャート。
図5C】管理対象者支援システムの情報処理装置における処理を説明するためのフローチャート。
図5D】管理対象物支援システムの情報処理装置における処理を説明するためのフローチャート。
図5E】管理対象物支援システムの情報処理装置における処理を説明するためのフローチャート。
図6】行動情報データベースを説明するための図。
図7】行動情報データベースを説明するための図。
図8A】地球環境情報データベースを説明するための図。
図8B】表情情報データベースを説明するための図。
図9A】教科支援システムを説明するための図。
図9B】教科支援システムを説明するための図。
図9C】教科支援システムを説明するための図。
図9D】教科支援システムを説明するための図。
図9E】教科支援システムを説明するための図。
図9F】教科支援システムを説明するための図。
図9G】教科支援システムを説明するための図。
図10】単元管理データベースを説明するための図。
図11】穴埋め問題データベースを説明するための図。
図12】事例集データベースDB6を説明するための図。
図13A】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13B】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13C】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13D】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13E】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13F】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13G】ICT医療支援システムを説明するための図。
図13H】ICT医療支援システムを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0013】
[支援システム]
一実施の形態におけるシステム構成を示す図1を参照すると、支援システム1は、情報処理装置2と、第1の情報通信装置3A、第2の情報通信装置3B、第3の情報通信装置3C及び第4の情報通信装置3Dとを備える。ここでは、簡潔化のために、第1,第2,第3及び第4の情報通信装置3A,3B,3C,3Dはそれぞれ1つだけを図示している。
【0014】
情報処理装置2はデータベースDBを含むサーバコンピュータである。情報処理装置2は、有線LAN、無線LAN、インターネットなどの通信ネットワーク4を通して、契約ユーザが利用するクライアント端末であるパーソナルコンピュータ、タブレット型端末、またはスマートフォンなどの第1,第2,第3及び第4の情報通信装置3A,3B,3C,3Dに接続される。ここで、第1の情報通信装置3A及び第2の情報通信装置3BはICT機器である。なお、以下の説明では、不明確にならない限り通信ネットワーク4の介在を省略する。
【0015】
情報処理装置2は、後に詳述する第1の支援ツールTL1、第2の支援ツールTL2、第3の支援ツールTL3、及び第4の支援ツールTL4を備えている。これらの第1の支援ツールTL1、第2の支援ツールTL2、第3の支援ツールTL3、及び第4の支援ツールTL4は、情報処理装置2において、アプリケーションプログラム(支援処理プログラム)の一部として機能する。
【0016】
情報処理装置2は、ハードウェア構成として、次の要素を含んでいる。つまり、図2に示すように、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)21と、作業用メ
モリとしてのRAM(Random Access Memory)22と、立ち上げのためのブートプログラムを格納したROM(Read Only Memory)23とを備える。
【0017】
また、情報処理装置2は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納する不揮発性のフラッシュメモリとしてのディスク(記憶部)24を備える。この記憶部24にデータベースDBが構成される。
【0018】
さらに、情報処理装置2は、送受信部25と、通信制御部26と、通信インタフェース27などとを備える。
【0019】
第1,第2,第3及び第4の情報通信装置3A,3B,3C,3Dは、図3に示すように、情報処理装置2と同様のハードウェア構成要素、つまりプロセッサとしてのCPU31と、RAM32と、ROM33と、ディスク(記憶部)34と、送受信部35と、通信制御部36と、通信インタフェース37とを備える。
【0020】
また、第1,第2,第3及び第4の情報通信装置3A,3B,3C,3Dは、表示部38、表示制御部39、情報入力部40、及びカメラ41などを更に備える。
【0021】
後に詳述する支援処理機能を論理的に実現するには、情報処理装置2の記憶部24に支
援処理プログラムをアプリケーションプログラムとしてインストールしておく。そして、情報処理装置2においては、電源投入を契機に、CPU21がこの支援処理プログラムをRAM22に常時展開して実行する。
【0022】
この一実施の形態の支援システム1は、教育分野におけるICT機器の活用を促進(推進)するためのICT教育支援システム、詳細には管理対象者支援システム及び管理対象物支援システムとして選択的に機能する。
【0023】
[管理対象者支援システム]
まず、図1図2図3及び関連図を併せ参照し、情報処理装置2におけるCPU21が、電源投入を契機に、支援処理プログラムを実行することにより、支援システム1を管理対象者支援システムとして機能させる場合について説明する。
【0024】
この場合、ICT機器としての第1の情報通信装置3Aは、情報処理装置2から提供されるサイト(ウェブ(WEB)ページ)を介して、児童、生徒などの管理対象者(限定を要しないときは、単に管理対象者と記載する)が日々の生活記録を行動情報として入力するために利用される。
【0025】
入力された管理対象者の日々の生活に関する行動情報は、後に詳述するように、入力完了の都度(入力日毎に)、第1の情報通信装置3Aから情報処理装置2に送信されてデータベースDBに蓄積される。この行動情報は、予め定められた期間、例えば、該当日(入力日)の翌日までの間、該当日を含む前5日間、及び/または該当月の間、第1の情報通信装置3Aの記憶部34に蓄積しておいてもよい。
【0026】
管理対象者の日々の生活に関する行動情報には、後に詳述するように、例えば、就寝時刻、起床時刻、睡眠状態、食事の有無、排泄の有無、手伝いの有無、宿題学習の有無、及び遊びの有無などが含まれる。
【0027】
後に詳述するように、教師などの教員である管理者(限定を要しないときは、単に管理者と記載する)は、ICT機器としての第2の情報通信装置3Bの表示部38を通して、管理対象者が入力した日々の生活に関する行動情報を見る(閲覧する)ことができる。
【0028】
また、後に詳述するように、管理対象者の母親などの保護者(限定を要しないときは、単に保護者と記載する)は、第3の情報通信装置3Cの表示部38を通して、管理対象者が入力した日々の生活に関する行動情報を見ることができる。
【0029】
ただし、管理者及び保護者は、情報処理装置2におけるユーザID(利用者識別情報)に基づく書込禁止制御により、管理対象者が入力した行動情報を変更することはできない。
【0030】
(行動情報の入力処理)
例えば、管理対象者である児童が、児童専用または児童間共用の第1の情報通信装置3Aにおいて、日々の生活に関する行動情報を入力する場合、情報処理装置2から提供されるサイト(ウェブ(WEB)ページ)表示上の第1の支援ツールTL1、第2の支援ツールTL2、第3の支援ツールTL3、及び第4の支援ツールTL4の内の第1の支援ツールTL1対応のアイコンを指定(クリック)すると、第1の支援ツールTL1のログイン画面(図示省略)が表示される。
【0031】
児童が、第1の支援ツールTL1のログイン画面において、予め定められたユーザID(児童識別情報)及びパスワードを入力し、情報処理装置2により認証されると、情報処
理装置2は、第1の情報通信装置3Aからのこの要求を受付け(図5A中のS501)、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Aに示す選択画面の表示制御を行う(S502)。
【0032】
なお、選択画面の表示制御を行うとは、厳密には、情報処理装置2において、他の管理者(ここでは、ICT支援員またはシステム運用者)利用の第4の情報通信装置3Dから行動情報データベースDB1に事前登録されている表示情報(文字データ及びフォーマットを含む)を取得して選択画面を作成した後、作成した選択画面を第1の情報通信装置3Aにおいて表示されるように送信する処理を含む。しかし、以下の説明では、不明確にならない限り、単に選択画面の表示制御を行うなどと記載する。
【0033】
図4Aに示す選択画面の表示のために、行動情報データベースDB1には、次に示す項目を含む画面データが事前登録されている。
SS1:生活の記録を入力する
SS2:生活の記録を見る
この選択画面には、SS1:生活の記録を入力する及びSS2:生活の記録を見るが表示され、SS1の項目が児童により指定されると、情報処理装置2は、行動情報の入力要求であると判定し(S503)、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Bに示す行動情報の第1入力画面の表示制御を行う(S504)。
【0034】
図4Bに示す行動情報の第1入力画面の表示のために、行動情報データベースDB1には、次に示す日々の生活に関する第1から第6の行動項目の質問及び回答などを含む画面データが事前登録されている。ここで、○印はラジオボタンを示し、□印はプルダウンメニュによる入力欄を示す。
1.何時に寝たの? ○午前 ○午後 □時□分
2.何時に起きたの? ○午前 ○午後 □時□分
3.よく眠れた? ○よく眠れた ○眠れた ○あまり眠れなかった
4.朝ごはん食べた? ○食べた ○食べなかった
5.昼ごはん食べた? ○食べた ○食べなかった
6.夕ごはん食べた? ○食べた ○食べなかった
【0035】
なお、行動情報の第1入力画面の上段には、入力日及び児童識別情報(児童ID)が表示される。入力日は、児童がプルダウンメニュから入力した年月日及び曜日である。児童IDは、個人名ではなく、例えば、学校名、学年、組及び個人を特定可能な学籍番号であり、支援システム1の利用契約時に情報処理装置2に登録された情報に基づいて、情報処理装置2において識別されたものである。
【0036】
図4Bに示す行動情報の第1入力画面においては、日々の生活に関する第1から第6の6個の行動項目が質問として表示される。児童がこれらの6個の行動項目について回答を指定入力した後、ボタン「つぎへ」を指定すると(S505)、情報処理装置2は、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Cに示す行動情報の第2入力画面の表示制御を行う(S506)。
【0037】
図4Cに示す行動情報の第2入力画面の表示のために、行動情報データベースDB1には、次に示す日々の生活に関する第7から第12の行動項目の質問及び回答などを含む画面データが事前登録されている。ここで、○印はラジオボタンを示す。
7.うんちした? ○した ○しない
8.お手伝いした? ○した ○しない
9.宿題した? ○した ○しない
10.友だちと遊んだ? ○遊んだ ○遊ばない
11.ゲームした? ○2時間以上した ○1時間位した ○しなかった
12.お小遣い使った? ○使った ○使わなかった
【0038】
図4Cに示す行動情報の第2入力画面においては、日々の生活に関する第7から第12の更に6個の行動項目が質問として表示される。児童が更に6個の行動項目について回答を指定入力した後、ボタン「確認」を指定すると(S507)、情報処理装置2は、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Dに示す行動情報の一覧画面の表示制御を行う(S508)。この行動情報の一覧画面においては、12個の行動項目についての質問及び回答が対照表示される。
【0039】
詳述すると、情報処理装置2は、S507でボタン「確認」が指定されたときに、行動情報の第1入力画面及び第2入力画面において指定入力された回答を含む画面データを第1の情報通信装置3Aから受信する。
【0040】
そして、情報処理装置2は、受信した画面データに基づいて、第1から第12の12個の行動項目についての質問及び回答を含む対照表示の一覧画面を作成した後、作成した一覧画面を第1の情報通信装置3Aにおいて表示されるように送信する。
【0041】
また、情報処理装置2は、図4Dに示す行動情報の一覧画面に対応する第1から第12の12個の行動項目についての質問及び回答を含む行動情報を行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルに登録(格納)する(S509)。
【0042】
ここでは、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルには、次に示す第1から第12の行動項目の質問及び回答を含む2015年10月9日(金)の行動情報が登録される(図6参照)。
質問 2015年10月9日(金)
1.何時に寝たの? 午後11時00分
2.何時に起きたの? 午前7時00分
3.よく眠れた? あまり眠れなかった
4.朝ごはん食べた? 食べなかった
5.昼ごはん食べた? 食べた
6.夕ごはん食べた? 食べた
7.うんちした? しない
8.お手伝いした? しない
9.宿題した? した
10.友だちと遊んだ? 遊ばない
11.ゲームした? しなかった
12.お小遣い使った? 使わなかった
【0043】
図4Dに示す行動情報の一覧画面において、児童が12個の行動項目についての質問及び回答の内容を確認した後、ボタン「修正する」を指定すると(S510)、情報処理装置2は、児童により所望の回答内容を修正可能にするために、図4Bに示す行動情報の第1入力画面及び図4Cに示す行動情報の第2入力画面の表示制御を行う(S511)。
【0044】
また、図4Dに示す行動情報の一覧画面において、児童が12個の行動項目についての質問及び回答の内容を確認した後、ボタン「OK」を指定すると(S512)、情報処理装置2は、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Eに示す「入力内容を見る」及び「入力内容を見ない」の項目を含む選択画面の表示制御を行う(S513)。
【0045】
図4Eに示す選択画面において、児童が「入力内容を見る」の項目を指定した場合(S
514)、情報処理装置2は、第1の情報通信装置3Aに対して、図4Fに示す行動情報の一覧画面の表示制御を行う(S515)。
【0046】
この行動情報の一覧画面においては、図4Fに示すように、入力日(2015年10月9日(金))を含む前5日間分の行動項目についての質問及び回答の内容が対照表示されるので、児童は自己の行動の遷移を確認することが可能である。行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルには、図4Fに示す行動情報の一覧画面表示と同様に、第1から第12の行動項目の質問及び回答を含む2015年10月5日(月)から2015年10月9日(金)までの行動情報などが登録されている(図7参照)。
【0047】
図4Eに示す選択画面において、「入力内容を見ない」の項目が指定された場合、または図4Fに示す画面において、ボタン「おわり」が指定された場合、日々の生活に関する行動情報の入力処理が第1の情報通信装置3A及び情報処理装置2において終了される。
【0048】
(行動情報の第1分析処理)
上述した情報処理装置2は、複数の児童が第1の情報通信装置3Aにおいて入力した日々の生活に関する行動情報を第1の支援ツールTL1により収集し、データベースDBにおける行動情報データベースDB1に蓄積(格納)する。収集した行動情報は、図7に示すように、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルに、質問及び回答の対照形式で該当日毎に順次蓄積される。支援システム1の利用契約時に登録される児童ID、保護者ID及び教員IDに基づいて、児童IDに対応するテーブルは保護者ID及び教員IDにも予め対応付けられている。
【0049】
情報処理装置2は、上述した管理対象者利用の第1の情報通信装置3Aからの行動情報の入力処理の終了を契機に、行動情報の第1分析処理を自動的に開始する。
【0050】
情報処理装置2は、行動情報データベースDB1における児童IDに対応するテーブルに蓄積された該当日(通常、前日)の行動情報をパラメータとして頻度分析を行い、この頻度分析の結果に基づいて、該当児童の状況(メンタル状況)を推測する。情報処理装置2は、特定のメンタルテストなどを要することなく、この推測結果に基づいて、適正な指導を行うための指針(改善指針)を教員に提供することができる。
【0051】
具体的には、情報処理装置2は、行動情報データベースDB1における児童ID(ここでは、XXXさん)に対応するテーブルに蓄積された2015年10月9日(金)の行動情報について、睡眠状態、食事の有無、排泄の有無、手伝いの有無、宿題学習の有無、及び遊びの有無などに否定的回答が予め定めた個数(例えば、半数の5個)以上含まれているか分析する(図5B中のS601)。ここでは、図7に示すように、質問項目の3,4,7,8,10,11,12に対応する回答欄に、「あまり眠れなかった」、「食べなかった」、「しない」などの7個の否定的回答が含まれていることが検出される。そして、この否定的回答数は予め定めた個数以上であると判定される(S602)。
【0052】
情報処理装置2は、この判定(頻度分析)の結果に基づいて、該当児童に何らかの問題が生じていることを推測する(S603)。そして、この推測結果に基づいて改善指針(例えば、問題有、三者面談要)を作成し(S604)、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に格納する(S605)(図7参照)。
【0053】
なお、情報処理装置2は、S602で否定的回答数が予め定めた個数未満であると判定した場合、またはS605の処理の後、行動情報の第1分析処理を終了する。
【0054】
後に詳述するように、児童IDに対応するテーブルに格納された改善指針は、要求に応
じて、教員が利用する第2の情報通信装置3Bに対して提供される、つまり教員は閲覧することができる。しかし、児童及び保護者による改善指針欄の閲覧は、児童ID及び保護者IDに基づいて制限される。
【0055】
(行動情報の第2分析処理)
情報処理装置2は、上述した行動情報の第1分析処理と同様に、管理対象者利用の第1の情報通信装置3Aからの行動情報の入力処理の終了を契機に、行動情報の第2分析処理を自動的に開始する。
【0056】
情報処理装置2は、行動情報データベースDB1における児童IDに対応するテーブルに蓄積された予め定めた期間の行動情報をパラメータとして頻度分析を行い、この頻度分析の結果に基づいて、該当児童の状況(メンタル状況)を推測する。情報処理装置2は、特定のメンタルテストなどを要することなく、この推測結果に基づいて、適正な指導を行うための指針(改善指針)を教員に提供することができる。
【0057】
具体的には、情報処理装置2は、行動情報データベースDB1における児童ID(ここでは、XXXさん)に対応するテーブルに蓄積された予め定めた期間、例えば2015年10月5日(月)から2015年10月9日(金)までの行動情報について、睡眠状態、食事の有無、排泄の有無、手伝いの有無、宿題学習の有無、及び遊びの有無などの各項目に否定的回答が繰り返して予め定めた個数(例えば、半数の3個)以上含まれているか分析する(図5B中のS601)。ここでは、図7に示すように、質問項目の3,4に対応する各回答欄に、「あまり眠れなかった」、「食べなかった」の否定的回答が繰り返して3個以上含まれていることが検出される。そして、この否定的回答数は予め定めた個数以上であると判定される(S602)。
【0058】
情報処理装置2は、この判定(頻度分析)の結果に基づいて、該当児童に何らかの問題が生じていることを推測する(S603)。そして、この推測結果に基づいて改善指針(例えば、問題有、三者面談要)を作成し(S604)、児童IDに対応するテーブルの2015年10月9日(金)の改善指針欄に格納する(S605)(図7参照)。
【0059】
なお、情報処理装置2は、S602で否定的回答数が予め定めた個数未満であると判定した場合、またはS605の処理の後、行動情報の第2分析処理を終了する。
【0060】
後に詳述するように、児童IDに対応するテーブルに格納された改善指針は、要求に応じて、教員が利用する第2の情報通信装置3Bに対して提供される、つまり教員は閲覧することができる。しかし、児童及び保護者による改善指針欄の閲覧は、児童ID及び保護者IDに基づいて制限される。
【0061】
(行動情報の第3分析処理)
情報処理装置2において、行動情報の分析処理を行う場合、行動情報に加え、地球環境情報及び児童の表情情報の少なくとも一方を更なるパラメータ(重み付け要素)として考慮してもよい。
【0062】
ここで、地球環境情報は、洋の東西を問わず生体に影響すると考えられている気圧(厳密には、学校が存在する地域の気圧)及び月齢などを含む。情報処理装置2は、これらの地球環境情報を定期的に外部から取得し、データベースDBにおける地球環境情報データベースDB2に年月日毎に蓄積しておく。
【0063】
例えば、図8Aに示すように、地球環境情報データベースDB2においては、2015年10月5日(月)、千葉県の平均気圧:1,000ヘクトパスカル(hPa:hect pas
cal)、月齢:26、更に2015年10月9日(金)、千葉県の平均気圧:900hP
a、月齢:0(新月)などが蓄積される。
【0064】
また、情報処理装置2は、児童の表情情報(厳密には、顔の表情情報)をデータベースDBにおける表情情報データベースDB3に蓄積しておく。例えば、図8Bに示すように、表情情報データベースDB3においては、2015年10月5日(月)、児童ID(XXXさん)、ポジティブ(機嫌状態)、更に2015年10月9日(金)、児童ID(XXXさん)、ネガティブ(不機嫌状態)などが蓄積される。
【0065】
情報処理装置2は、児童が利用する第1の情報通信装置3Aに内蔵されたカメラにより撮影(撮像)された児童の顔画像を取得することが可能な場合、取得した顔画像に基づいて、児童の顔の表情がポジティブ(機嫌状態)かネガティブ(不機嫌状態)かを判定できる。この判定には、顔画像から眉間の皺、視点のふらつき、瞳孔の大きさ、鼻の穴の動きなどの特徴を検知して、喜び、嫌悪、無表情などを含むいくつかの表情をリアルタイムで推定する既存の表情推定技術が適用できる。
【0066】
具体的には、情報処理装置2において、上述した行動情報の第1分析処理を行う場合、S602での判定(頻度分析)の結果に基づいて、該当児童に何らかの問題が生じていることを推測する(S603)。そして、この推測結果に基づいて改善指針(例えば、問題有、三者面談要)を作成し(S604)、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に格納する(S605)。
【0067】
行動情報の第3分析処理を行う場合は、S604での改善指針の作成において、地球環境情報データベースDB2から2015年10月9日(金)の千葉県の平均気圧:900hPa及び月齢:0(新月)の地球環境情報を取得する。また、必要により、表情情報データベースDB3から2015年10月9日(金)の児童ID(XXXさん)及びネガティブ(不機嫌状態)を取得する。
【0068】
そして、情報処理装置2は、取得した重み付け要素としての地球環境情報及び表情情報と行動項目とに基づいて、改善指針、例えば「問題有、三者面談要。ただし、回答内容及びネガティブ(不機嫌状態)は、気圧:900hPa、月齢:0(新月)の影響であることも推測されます。」を作成し、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に格納して、教員による閲覧を可能にする。
【0069】
なお、この行動情報の第3分析処理は、上述した行動情報の第2分析処理を行う場合に適用してもよい。
【0070】
(行動情報の第4分析処理)
情報処理装置2において、行動情報の分析処理を行う場合、行動情報に加え、行事、通学状態及び健康状態に関する情報(重み付け情報)の少なくとも1つを更なるパラメータ(重み付け要素)として考慮してもよい。
【0071】
ここで、行事に関する情報は、運動会、遠足、及び社会見学などの実施を含む。通学状態に関する情報は、遅刻、早退、及び欠席などを含む。また、健康状態に関する情報は、保健室の利用などを含む。
【0072】
情報処理装置2は、教員が第2の情報通信装置3Bにおいて入力した行事、通学状態及び健康状態に関する情報を重み付け情報として第1の支援ツールTL1により収集し、データベースDBにおける行動情報データベースDB1に蓄積(格納)する。
【0073】
行動情報の閲覧処理において後に詳述するように、教員が児童IDを入力するための入力画面(図示省略)において児童IDと該当日または該当期間とを入力すると、特定の児童についての行動情報が図4Dまたは図4Fに示すように対照表示形式で一覧画面に表示される。教員は、この行動情報の一覧画面において、行事、通学状態及び健康状態に関する情報を入力可能である。
【0074】
収集したこれらの情報は、図7に示すように、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルに該当日毎に順次蓄積される。例えば、2015年10月9日(金)に運動会が実施された場合、図7に示すように、行動情報データベースDB1においては、2015年10月9日(金)の行事欄に、「運動会」が蓄積される。
【0075】
具体的には、情報処理装置2において、上述した行動情報の第1分析処理を行う場合、S602での判定(頻度分析)の結果に基づいて、該当児童に何らかの問題が生じていることを推測する(S603)。そして、この推測結果に基づいて改善指針(例えば、問題有、三者面談要)を作成し(S604)、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に格納する(S605)。
【0076】
行動情報の第4分析処理を行う場合は、S604での改善指針の作成において、行動情報データベースDB1から2015年10月9日(金)の行事に関する情報を取得する。そして、情報処理装置2は、取得した重み付け要素としての行事に関する情報と行動項目とに基づいて、改善指針、例えば「問題有、三者面談要。ただし、回答内容は運動会の影響であることも推測されます。」を作成し、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に格納して、教員による閲覧を可能にする。
【0077】
なお、この行動情報の第4分析処理は、上述した行動情報の第2分析処理を行う場合に適用してもよい。
【0078】
(行動情報の第5分析処理)
情報処理装置2は、上述した行動情報の第1分析処理と同様に、管理対象者利用の第1の情報通信装置3Aからの行動情報の入力処理の終了を契機に、行動情報の第5分析処理を自動的に開始する。
【0079】
情報処理装置2において、行動情報の分析処理を行う場合、行動情報データベースDB1に格納した行動情報に基づく分析により、管理対象者の状況を推測するとき、行動情報データベースDB1に格納された行動情報から所定の条件が成立する行動情報を抽出し(S606)、抽出された行動情報に基づく相関分析の結果と、所定の条件が成立しない行動情報に基づく相関分析の結果との差分値が所定の基準値を超えたか否かを判定する(S607)。つまり、情報処理装置2は、標準時の相関係数と特定時(運動会の実施、月齢の影響など)の相関係数との差分を取ることになる。そして、差分値が所定の基準値を超えた場合は、管理者に改善指針(例えば、問題有、三者面談要)を提供する(S608)。
【0080】
上述した行動情報の第1、第2、第3、第4及び第5分析処理は、管理対象者利用の第1の情報通信装置3Aからの行動情報の入力処理の終了を契機に自動的に開始したが、教員利用の第2の情報通信装置3Bからの予め定められたボタン(例えば、図4Fに示す行動情報の一覧画面中に設定(図示省略))の指定操作を契機に開始してもよい。
【0081】
(行動情報の閲覧処理)
例えば、管理者である教員が、第2の情報通信装置3Bにおいて、特定の児童について日々の生活に関する行動情報を見る(閲覧する)場合、情報処理装置2から提供されるサ
イト表示上の第1の支援ツールTL1、第2の支援ツールTL2、第3の支援ツールTL3、及び第4の支援ツールTL4の内の第1の支援ツールTL1対応のアイコンを指定(クリック)すると、第1の支援ツールTL1のログイン画面(図示省略)が表示される。
【0082】
教員が、第1の支援ツールTL1のログイン画面において、予め定められたユーザID(教員識別情報)及びパスワードを入力し、情報処理装置2により認証されると、情報処理装置2は、第2の情報通信装置3Bからのこの要求を受付け(図5C中のS701)、第2の情報通信装置3Bに対して、図4Aに示す選択画面の表示制御を行う(S702)。
【0083】
この選択画面には、SS1:生活の記録を入力する及びSS2:生活の記録を見るが表示され、SS2の項目が教員により指定されると、情報処理装置2は、行動情報の閲覧要求であると判定し(S703)、第2の情報通信装置3Bに対して、児童IDを入力するための入力画面(図示省略)の表示制御を行う(S704)。
【0084】
教員がこの入力画面において児童IDと該当日または該当期間とを入力すると、特定の児童についての行動情報が図4Dまたは図4Fに示すように対照表示形式の一覧画面で第2の情報通信装置3Bに表示される。
【0085】
詳述すると、教員が児童ID(ここでは、XXX)と該当日(ここでは、2015年10月9日(金))とを入力すると、情報処理装置2は、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブル(図6図7参照)が教員ID(ここでは、XXXT)に対応付けられていることを確認し(S705)、児童IDに対応するテーブルから該当日の回答と共に改善指針、更に必要により(つまり、上述した行動情報の第4分析処理が採用されているとき)登録されている重み付け情報を読み出す(S706)。
【0086】
情報処理装置2は、読み出した該当日の回答及び改善指針などに基づいて、第2の情報通信装置3Bに対して、図4Dに示す行動情報の一覧画面の表示制御を行う(S707)。この行動情報の一覧画面においては、第1から第12の12個の行動項目についての質問及び回答が対照表示されると共に、改善指針及び必要により登録されている重み付け情報が表示される。
【0087】
なお、教員が児童ID(ここでは、XXX)と該当期間(ここでは、2015年10月5日(月)〜2015年10月9日(金))とを入力した場合は、情報処理装置2は、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルから該当期間の回答と共に改善指針、更に必要により登録されている重み付け情報をそれぞれ読み出すことになる(S706)。
【0088】
そして、情報処理装置2は、読み出した該当期間の回答及び改善指針などに基づいて、第2の情報通信装置3Bに対して、図4Fに示す行動情報の一覧画面の表示制御を行うことになる(S707)。この行動情報の一覧画面においては、該当期間中の第1から第12の12個の行動項目についての質問及び回答が対照表示されると共に、改善指針及び必要により登録されている重み付け情報がそれぞれ表示される。
【0089】
教員は、図4Dまたは図4Fに示す一覧画面における表示内容に基づいて、特定の児童について日々の生活に関する行動情報を見ることが可能である。そして、例えば、改善指針欄に改善指針としての「問題有、三者面談要」が登録されている場合は、教員はこの指針に従った必要な対応を採ることができる。
【0090】
また、教員は、図4Dまたは図4Fに示す一覧画面の閲覧状態において、行事、通学状
態及び健康状態に関する情報を重み付け情報として重み付け情報欄に入力可能である。情報処理装置2は、教員が第2の情報通信装置3Bにおいて入力した行事、通学状態及び健康状態に関する情報を重み付け情報として第1の支援ツールTL1により収集し、行動情報データベースDB1の児童IDに対応するテーブルに格納(登録)する。そして、情報処理装置2は、重み付け情報を反映した上記行動情報の第4分析処理を実施する。
【0091】
この結果、例えば、児童IDに対応するテーブルの改善指針欄に改善指針として「問題有、三者面談要。ただし、回答内容は運動会の影響であることも推測されます。」が登録される。教員はこの指針に従った必要な対応を採ることができる。
【0092】
例えば、図4Fに示す画面において、ボタン「おわり」が指定された場合、日々の生活に関する行動情報の閲覧処理が第2の情報通信装置3B及び情報処理装置2において終了される。
【0093】
また、保護者(例えば、母親)が、第3の情報通信装置3Cにおいて、児童(自己の子)についての日々の生活に関する行動情報を見る(閲覧する)場合、情報処理装置2から提供されるサイトの第1の支援ツールTL1のログイン画面(図示省略)において、予め定められたユーザID(保護者識別情報)及びパスワードを入力し、情報処理装置2により認証されると、図4Aに示す選択画面が表示される。
【0094】
保護者は、上述した教員と同様の手順により、子の日々の生活に関する行動情報を日々の成長(つまり、健康及び学習)などの見守りデータとして見ることが可能である。ただし、保護者は、図4Dまたは図4Fに示す一覧画面の表示における改善指針欄の内容を閲覧することはできない。
【0095】
[管理対象物支援システム]
次に、図1図2図3及び関連図を併せ参照し、情報処理装置2におけるCPU21が、電源投入を契機に、支援処理プログラムを実行することにより、支援システム1を管理対象物支援システム(ここでは、教科支援システム)として機能させる場合について説明する。
【0096】
支援システム1が教科支援システムとして機能するとき、他の管理者(ここでは、ICT支援員またはシステム運用者)利用の第4の情報通信装置3Dは、情報処理装置2から提供されるサイト(ウェブ(WEB)ページ)を介して、管理対象物(ここでは、教科)に関する情報を入力(事前登録)するために利用される。
【0097】
例えば、ICT支援員が、第4の情報通信装置3Dにおいて、情報処理装置2から提供されるサイト表示上の第2の支援ツールTL2のログイン画面(図示省略)を介して、予め定められたユーザID(ICT支援員ID)及びパスワードを入力し、情報処理装置2において認証されると、事前登録のための入力画面(図示省略)が第4の情報通信装置3Dに対して表示制御される。ICT支援員とは、教育分野におけるICT機器などの活用を促進(推進)するための支援活動を行う者である。
【0098】
この事前登録のための入力画面においては、学校(abc小学校)、学年、クラス(組)、時間割(1限目、2限目など)、教科(社会、算数など)、単元(教科単元:都道府県、かけ算のまとめなど)、及び学習日(年月日)または学習期間(年月上旬など)の入力欄が表示される。
【0099】
この入力画面において、ICT支援員は、年間学習スケジュールに合致するように、ここでは、学習日毎に各項目を指定する(例えば、プルダウンメニュから指定する)。そし
て、ICT支援員により「送信」ボタンが指定されると、入力内容は情報処理装置2に送信され、第2の支援ツールTL2を介して単元管理データベースDB4に蓄積(事前登録)される(図5D中のS801)。
【0100】
また、ICT支援員が、第4の情報通信装置3Dにおいて、情報処理装置2から提供されるサイト表示上の第3の支援ツールTL3のログイン画面(図示省略)を介して、予め定められたユーザID(ICT支援員ID)及びパスワードを入力し、情報処理装置2において認証されると、穴埋め問題及びワークシートを事前登録するための入力画面(図示省略)が第4の情報通信装置3Dに対して表示制御される。
【0101】
この穴埋め問題及びワークシート事前登録のための入力画面においては、ICT支援員は、都道府県の全国版の白地図ワークシート、都道府県の地方版の白地図ワークシート、及び都道府県個別のワークシートなどを外部サイトから取得して入力する。また、ICT支援員は、予め作成した穴埋め問題を入力する。
【0102】
そして、この入力画面において、ICT支援員により「送信」ボタンが指定されると、入力内容は情報処理装置2に送信され、第3の支援ツールTL3を介して穴埋め問題・ワークシートデータベースDB5に蓄積(事前登録)される(S802)。
【0103】
管理者(ここでは、教員)が、授業に利用するための補助教材(限定を要しないときは、単に教材と記載する)を準備するとき、ICT機器としての第2の情報通信装置3Bにおいて、情報処理装置2から提供されるサイト表示上の第1の支援ツールTL1、第2の支援ツールTL2、第3の支援ツールTL3、及び第4の支援ツールTL4の内の第2の支援ツールTL2対応のアイコンを指定(クリック)すると、第2の支援ツールTL2のログイン画面(図示省略)が第2の情報通信装置3Bに対して表示制御される。
【0104】
教員が、第2の支援ツールTL2のログイン画面において、予め定められたユーザID(教員ID)及びパスワードを入力し、情報処理装置2により認証されると、情報処理装置2は、第2の情報通信装置3Bからのこの要求を受付け(S803)、第2の情報通信装置3Bに対して、図9Aに示す補助教材を選択するための画面の表示制御を行う(S804)。
【0105】
この画面においては、学習日の学習スケジュール表が図9Aに例示すように表示される。この表示ために、情報処理装置2は、単元管理データベースDB4に事前登録されている年間学習スケジュールから合致する学習日(例えば、2015年10月9日(金))の学習スケジュールを取得し、補助教材の設定欄(教材1、教材2)を付加した学習スケジュール表を作成する(S805)。
【0106】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された学習スケジュール表において、例えば、1限目の教科「社会」を選択指定すると、情報処理装置2は、単元管理データベースDB4に事前登録されている年間学習スケジュールにおける教科の学習単位である単元名(教科単元名)に含まれる特定用語(単に、教科単元に含まれる特定用語と記載することもある)を取得する(S806)。図10は単元管理データベースDB4の構成例を示す。
【0107】
(ワークシートを使用する例)
情報処理装置2は、取得した教科単元に含まれる特定用語(ここでは、「都道府県」)に基づいて、例えば、ICT支援員により事前登録の穴埋め問題・ワークシートデータベースDB5を検索し、この特定用語を含む都道府県の全国版の白地図ワークシート、都道府県の地方版の白地図ワークシート、及び都道府県個別のワークシートを取得する(S807)。そして、情報処理装置2は、取得したこれらのワークシートを含む補助教材選択
画面(図9B参照)を作成する(S808)。作成された補助教材選択画面は、第2の情報通信装置3Bに対して表示制御される(S809)。図11は穴埋め問題・ワークシートデータベースDB5の構成例を示す。
【0108】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示されたワークシートを含む補助教材選択画面において、例えば、都道府県の地方版の白地図ワークシートを選択指定すると、情報処理装置2は、図9Cに示す対応の拡大画面を作成する(S810)。作成された拡大画面は、第2の情報通信装置3Bに対して図9Cに示すように表示制御される(S811)。
【0109】
教員が、表示された拡大画面における「選択」ボタンを指定すると、情報処理装置2は、この都道府県の地方版の白地図ワークシートを教科「社会」対応の補助教材の設定欄(教材1)に設定した学習スケジュール表を作成する(S812)。作成された学習スケジュール表は、第2の情報通信装置3Bに対して図9Dに示すように表示制御される(S813)。
【0110】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された学習スケジュール表において、補助教材の設定欄(教材1)の「都道府県の地方版の白地図ワークシート」を指定すると、紐付けされた教材(リンク先の教材)を開くことができ、授業において電子黒板などで利用可能になる(S814)。
【0111】
また、教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された拡大画面において、例えば、千葉県の位置を指定すると、情報処理装置2は、図9Eに示す穴埋め問題(県名及び県庁所在地を穴あきとする)を含む拡大画面を作成する(S815)。作成された拡大画面は、第2の情報通信装置3Bに対して図9Eに示すように表示制御される(S816)。
【0112】
教員が、表示された拡大画面における「選択」ボタンを指定すると、情報処理装置2は、この穴埋め問題を教科「社会」対応の補助教材の設定欄(教材2)に設定した学習スケジュール表を作成する(S817)。作成された学習スケジュール表は、第2の情報通信装置3Bに対して図9Dに示すように表示制御される(S818)。
【0113】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された学習スケジュール表において、補助教材の設定欄(教材2)の「都道府県」を指定すると、紐付けされた教材(リンク先の教材)を開くことができ、授業において電子黒板などで利用可能になる(S819)。
【0114】
(ワークシートを使用しない例)
次に、教員が、表示された学習スケジュール表(図9A参照)において、例えば、3限目の教科「算数」を選択指定すると、情報処理装置2は、単元管理データベースDB4に事前登録されている年間学習スケジュールにおける教科単元に含まれる特定用語、例えば、「かけ算のまとめ」)を取得する(S820)。
【0115】
情報処理装置2は、取得した教科単元に含まれる特定用語(ここでは、「かけ算のまとめ」)に基づいて、例えば、ICT支援員により事前登録の穴埋め問題・ワークシートデータベースDB5(図11参照)を検索し、かけ算のまとめ(1)、かけ算のまとめ(2)を含む穴埋め問題を取得する(S821)。そして、情報処理装置2は、取得した穴埋め問題を含む補助教材選択画面(図9F参照)を作成する。作成された補助教材選択画面は、第2の情報通信装置3Bに対して表示制御される(S822)。
【0116】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された穴埋め問題を含む補助教材選択画面において、例えば、かけ算のまとめ(2)を含む穴埋め問題を選択指定すると、図9Gに示す対応の拡大画面を作成する(S823)。作成された拡大画面は、第2の情報通信装置3
Bに対して図9Gに示すように表示制御される(S824)。
【0117】
教員が、表示された拡大画面における「選択」ボタンを指定すると、情報処理装置2は、この穴埋め問題を教科「算数」対応の補助教材の設定欄(教材1)に設定した学習スケジュール表を作成する(S825)。作成された学習スケジュール表は、第2の情報通信装置3Bに対して図9Dに示すように表示制御される(S826)。
【0118】
教員が、第2の情報通信装置3Bに表示された学習スケジュール表において、補助教材の設定欄(教材1)の「かけ算のまとめ(2)」を指定すると、紐付けされた教材(リンク先の教材)を開くことができ、授業において電子黒板などで利用可能になる(S827)。
【0119】
さらに、情報処理装置2は、取得した教科単元に含まれる特定用語(例えば、「都道府県」)に基づいて、例えば、ICT支援員により事前登録の事例集データベースDB6を検索し、対応関係の事例を取得することを更に実施してもよい。図12は、事例集データベースDB6から取得される事例の一例を示し、補助教材の活用法などが記載されている。
【0120】
上述した教科支援システムにおいては、年間学習スケジュールに合わせた教科単元の補助教材を自動的に提示することができる。
【0121】
[変形例]
上述した一実施の形態の支援システム1は、教育分野におけるICTの活用を促進(推進)するためのICT教育支援システム、詳細には管理対象者支援システム及び管理対象物支援システムとして機能することを例示したが、健康・医療・介護などの他の分野においても同様に実施することが可能である。
【0122】
この変形例の支援システム1は、医療分野におけるICT機器の活用を促進するためのICT医療支援システム、詳細には管理対象者支援システム及び管理対象物支援システムとして選択的に機能する。
【0123】
例えば、医療分野においては、管理対象者は患者を含み、管理者は医師及び看護師を含み、管理対象物は手術の項目を含むことになる。また、管理対象者の行動情報には、「散歩したか?」などを問う質問項目が含まれることになる。
【0124】
ICT医療支援システムの情報処理装置2は、図13Aから図13Hに詳述するように、管理対象(患者)に関する第1の処理に対する要求を受け付け、第1の処理に対する要求を第1の情報通信装置から受け付けたときは、第1の情報通信装置において入力された管理対象の行動情報(健康記録)を収集し、収集した行動情報を管理対象に対応する記憶部(データベースDB1)に格納し、この記憶部に格納した行動情報に基づく分析により、管理対象の状況を推測し、推測結果に基づく改善指針(治療方針など)を記憶部(データベースDB5)に格納して第2の情報通信装置に提供可能とする。
【0125】
この情報処理装置2は、手術を含む管理対象に対してなされる行動に関する第2の処理に対する要求を第2の情報通信装置から受け付けたときは、手術の実行単位である項目名を実行スケジュールに応じて予め格納している記憶部(データベースDB4)から取得される項目名に含まれる特定用語に基づいて、手術と補助教材とを関係付けて、第2の情報通信装置に提供することを実行する。患者に対する医療事故記録は、記憶部(データベースDB6)に蓄積されて利用される。
【0126】
[その他の変形例]
上述した一実施の形態及び変形例においては、ASP(Application Service Provider)が、学校、病院、企業などにサービスとして支援システムが提供する形式で実現できる。
【0127】
上述した一実施の形態及び変形例における処理はコンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの非一時的コンピュータ可読記録媒体、さらには通信回線を経て提供可能である。
【0128】
また、上述した一実施の形態及び変形例における各処理はその任意の複数または全てを選択し組合せて実施することもできる。
【0129】
[その他]
上述した実施形態は、以下の態様1を開示し、態様2及び態様3を実施するように変形することができる。
(態様1)
管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報を管理する第1の情報処理手段と、前記管理対象に対してなされた行為を示す第2の情報を管理する第2の情報処理手段とを含む情報処理装置であって、
管理対象を特定する情報を用いて前記第1の情報処理手段から前記第1の情報を取得し前記管理対象の状態の変化の有無を判定する判定手段と、
前記管理対象の状態の変化がある場合に、前記第2の情報処理手段によって前記管理対象を特定する情報と関連づけて管理されている第2の情報を取得する取得手段と、
を含む情報処理装置。
(態様2)
前記取得手段によって取得された第2の情報を用いて、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報を生成する推定手段
をさらに含む態様1に記載の情報処理装置。
(態様3)
前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報に基づき、前記管理対象に対してなす行為に関わる第3の情報を生成する生成手段をさらに含む
態様2に記載の情報処理装置。
【0130】
態様1〜3に関して、「管理対象」は、人であっても良く、物であっても良い。例えば、管理対象は、実施形態で説明したように、児童(生徒)であっても、患者であっても、児童及び患者以外のものであっても良い。物は、自然物でも人工物でも動植物でも良い。物は、例えば、自動車であるが、自動車以外の乗り物(船舶、航空機、鉄道車両等)を含み、有人か無人かを問わない。
【0131】
実施形態で説明した情報処理装置2は、態様1〜3としての「情報処理装置」の一例である。態様1〜3に係る情報処理装置は、管理対象に対してなす行為の種類と、その手順とを示した所定の管理処理情報(データベース)備えた第3の情報処理手段をさらに含んでも良い。また、情報処理装置は、第4の情報処理手段と、管理対象に対してなされた行為に応じて得られた経験情報を入力して管理する第4の情報処理手段を含むこともできる。
【0132】
第1〜第4の情報処理手段は、例えば、情報処理手段に対応する第1〜第4のプログラムがプロセッサ(例えばCPUなど)によって実行されることによって実現されることができる。第1〜第4の情報処理手段で管理される第1〜第3の情報は、メモリ(記憶装置)に記憶された1以上のデータベースに記憶しておくことができる。
【0133】
教育に係る実施形態では、管理対象は、児童(生徒)であり、児童の行動を示す情報(例えば、図6図7に示したDB1の情報)が、「管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報」の一例である。
【0134】
また、図9A図9Dに示した学習スケジュールに則った授業内容や、授業で用いた教材(教科書など)の記録は、児童に対して実施した管理者(教師など)の行為を示す情報と捉えることができる。このような情報の記録は、「管理対象に対してなされた行為を示す第2の情報」の一例である。
【0135】
児童の状態を示す情報と、授業の記録の情報とは、例えば、児童の識別子(ID:管理対象を特定する情報の一例)を用いて、児童の状態を示す情報のデータベース、授業の記録の情報のデータベースからそれぞれ読み出すことができる。よって、情報処理装置2に含まれるCPU21(プロセッサの一例)は、RAM22及びROM23(メモリの一例)に記憶されたプログラムを実行することによって、『管理対象を特定する情報を用いて前記第1の情報処理手段から前記第1の情報を取得し前記管理対象の状態の変化の有無を判定する判定手段と、前記管理対象の状態の変化がある場合に、前記第2の情報処理手段によって前記管理対象を特定する情報と関連づけて管理されている第2の情報を取得する取得手段と』を含む装置として動作することができ、CPU21は、「判定手段」及び「取得手段」の一例である。
【0136】
また、図13Aに示した医療に係る支援システム1は、“Chemistry”と呼ばれる複数
のプログラムを横断的にとりまとめる。複数のプログラムは、患者の状態を管理する“みまもり”と、患者に対してなされた治療や投薬の記録を管理する“Clinical Pass”と、
患者に対して実施する手術と各手術の手順を示す情報を管理する“Ope Check”と、手術
の実施に関して生じたいわゆる「ヒヤリハット」の情報を管理する“ヒヤリハット”とを含む。
【0137】
上記した複数のプログラムのそれぞれは、例えば、支援システム1をなす情報処理装置2のCPU21で実行される。“みまもり”は「第1の情報処理手段」の一例であり、“みまもり”で管理される患者の状態を時間情報とともに示す情報は、「第1の情報」の一例である。“Clinical Pass”は「第2の情報処理手段」の一例であり、“Clinical Pass”で管理される患者に対する治療・投薬などの記録情報は、「第2の情報」の一例である。
【0138】
医療に係る支援システム1に含まれる情報処理装置2は、「管理対象に対してなす行為の種類と、その手順とを示した所定の管理処理情報(データベースを)備えた第3の情報処理手段」を含むことができる。“Ope Checkは”第3の情報処理手段の一例である。第
3の情報は、例えば、管理対象に生じた問題を解決し得る行為を示す情報である。また、情報処理装置2は、『管理対象に対してなされた行為に応じて、得られた経験情報を入力して管理する第4の情報処理手段』を含むことができる。“ヒヤリハット”は、第4の情報処理手段の一例であり、ヒヤリハットの事例を示す情報は、経験情報の一例である。
【0139】
また、実施形態に係る支援システム1は、以下の態様4〜8を実施できるように変形し得る。
(態様4)
メモリと、
プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、管理対象を特定する情報を用いて、管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報を前記メモリから読み出して前記管理対象の状態の変化の有無を判定
し、前記管理対象の状態の変化がある場合に、前記メモリから、前記管理対象を特定する情報と関連づけられて記憶されている前記管理対象に対してなされた行為を示す第2の情報を抽出する
情報処理装置。
(態様5)
前記プロセッサは、抽出された第2の情報を用いて、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報を生成する、
態様4に記載の情報処理装置。
(態様6)
前記メモリに記憶された前記第1の情報は、第1のプログラムを用いて生成されており、前記メモリに記憶された前記第2の情報は、前記第1のプログラムと異なり且つ前記第1のプログラムから独立して実行可能な第2のプログラムを用いて生成されている
態様5に記載の情報処理装置。
(態様7)
前記プロセッサは、前記管理対象の状態の変化との相関を有する行為の推定結果を示す情報に基づき、前記管理対象に対してなす行為に関わる第3の情報を生成する
態様6に記載の情報処理装置。
(態様8)
前記プロセッサは、前記第1のプログラム及び前記第2のプログラムと異なり且つ前記第1のプログラム及び前記第2のプログラムから独立して実行可能な第3のプログラムを用いて前記第3の情報を生成する
態様7に記載の情報処理装置。
【0140】
上記したように、管理対象が例えば自動車である場合、自動車の運行記録、自動車の現在の状態を示す情報を、情報処理装置2は、管理対象の状態を時間情報とともに示す第1の情報として扱うことができる。また、当該自動車に対するメンテナンスなどの処置、行動を示す情報を、情報処理装置2は、第2の情報として扱うことができる。そして、第2の情報に相当する、当該自動車に対して行った行為を示す情報を、例えば、自動車の識別子(管理対象を特定する情報)に基づき、当該行為を管理するデータベースから取得することができる。
【0141】
そして、自動車の運行、走行によって或る問題が生じたときに、その問題を解決方法を示す情報(第3の情報)を、自動車のメンテナンス・修理マニュアルの情報に基づいて生成することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 支援システム
2 情報処理装置
3A 第1の情報通信装置
3B 第2の情報通信装置
3C 第3の情報通信装置
3D 第4の情報通信装置
4 通信ネットワーク
TL1 第1の支援ツール
TL2 第2の支援ツール
TL3 第3の支援ツール
TL4 第4の支援ツール
DB1 行動情報データベース
DB2 地球環境情報データベース
DB3 表情情報データベース
DB4 単元管理データベース
DB5 穴埋め問題・ワークシートデータベース
DB6 事例集データベース
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H